RICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY「THE ASTRAL EPISODE」(2005)

  • 2015/07/29(水) 00:00:00

THE ASTRAL EPISODE
【No.438】
★★★(2005)

TIME REQUIEMでも精力的に活動しているRichard Andersson(Key)率いるSPACE ODYSSEYの2ndアルバム。デビュー当時はTIME REQUIEMにもRICHARD ANDERSSON'Sとつけられていたのが2作目からシンプルにバンド名だけとなっていたのに対して、こちらはRICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY名義のままなのでTIME REQUIEMはバンド、SPACE ODYSSEYはプロジェクトという位置付けなのかもしれません。前作「EMBRACE THE GALAXY」(2003)はTIME REQUIEMの前身バンドMAJESTICに近いコンパクトなネオクラ路線だったのに対し、本作はテクニカルなフレーズとプログレテイストを増強していてTIME REQUIEMの音楽性に近づいた感がありますね。楽曲面におけるTIME REQUIEMとの差別化要因としてはMagnus Nilsson(G)によるギターパートのフィーチュア度が高いという点くらいでしょうか。

Richard Andersson関連の作品では恒例となっているメンバーチェンジは今回もあって、ドラマーにはRichardも惚れ込んだという17歳の新鋭Andreas Brobjer(PLATITUDE)が加入。オープニングの①Through Dreams And Realityからしてその実力を見せつけてくれています。ベースはギタリストのMagnusがデモ段階で弾いたものが楽曲の求める要素を満たしているという理由からMagnusのプレイを採用したそうです。前作に参加していた北欧メタル界のレジェンドMarcel Jacob(B/TALISMAN)に対して「彼が参加したことでアルバムセールスが伸びたわけではない」と言ってしまうRichardの俺様っぷりがなんとも…(苦笑)。そして前作で衝撃のデビューを飾った超絶シンガーNils Patrik Johansson(Vo/ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)の豪快な歌いっぷりは更に凄みを増していて漲る感情をぶちまけた暑苦しい歌唱法だけでなく、Nilsがクリーンボイスで全編を歌い上げる日本盤ボートラのピアノバラード⑨The Finest Of A Good Kindなどはこれまでにないアプローチで新鮮。また⑧The Seventh Star FantasyではWUTHERING HEIGHTSでも披露していた「1人デュエット」が聴けるのですが、本作ではそのクオリティがアップしていてシンガーとしての成長が窺えます。

楽曲としては過去に引用実績のあるYNGWIE MALMSTEENRising Force風のパートに始まり秀逸なサビメロへ繋がる④Dazzle The Devilが一番のお気に入りです。それ以外でも最近のRichard作品によく登場するSYMPHONY Xタイプの曲調をベースにしつつサビではクサく盛り上がる②Astral Episode、曲名通りのダークな空気が支配的な⑤Back To The Dark、ネオクラエッセンスを凝縮したインスト⑥Presence Of Mind、前作にもあったジャーマンメタル路線⑦Reversationや前述の⑧、⑨など曲のバリエーションもなかなか豊富。聴き始めの頃はTIME REQUIEMとの違いが分かりにくくなったこと、Richardがこれまでにリリースした作品と比べても突出した要素が感じられなかったことなどから、あまり好きになれなかったのですが、リピートするうちに段々と好きになってきたスルメタイプの1枚ですね。

【音源紹介】
Dazzle The Devil

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