RICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY「EMBRACE THE GALAXY」(2003)

  • 2015/06/22(月) 00:00:00

EMBRACE THE GALAXY
【No.434】
★★★(2003)

MAJESTICからTIME REQUIEMへとバンド名は変われど、圧巻の鍵盤捌きと抜群のパクリセンス(笑)でファンを拡大してきた鍵盤魔人Richard Andersson(Key)が新たに立ち上げたRICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEYのデビュー作。プログレ指向が強かったTIME REQUIEMに比べて、本作はよりストレートでシンプルなアプローチのネオクラシカルメタルでMAJESTICの頃に立ち戻ったかのような印象です。今回もRichardが作詞作曲、プロデュースなどを取り仕切っていますがRichard曰く彼の旧友Magnus Nilsson(G)とタッグを組んでいること、TIME REQUIEMよりもソフトなサウンドとなっていることがSPACE ODYSSEYの特徴だそうです。確かにRichardがとにかく弾きまくるTIME REQUIEMに比べるとギターの存在感が大きいように思いますね(それでも依然としてキーボード重視ですが…)。

中身の方はというと、もはや安心印のRichard Anderssonミュージックなのですが本作の目玉は無名のパワフルシンガーPatrik Johansson(Vo/ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)による圧巻のボーカルパフォーマンスでしょう。古くはRonnie James Dio(Vo)、最近ではJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)系の熱唱スタイル基本にDavid Coverdale(Vo/WHITESNAKE)のようなディープボイスも操る彼は本作でその名をHR/HMシーンに轟かせることとなります。オープニングトラック①Despair And Painのサビ前で炸裂する「ニョォォ〜!」のシャウトは思わず笑ってしまうほどの暑苦しさですが、ここまで力強く歌えるPatrikは間違いなく逸材ですね。当初はD.C. Cooper(Vo/SILENT FORCE、ex-ROYAL HUNT)を迎える構想があったらしく、いいところまで話が進んでいたそうですが金額面での折り合いがつかず断念したのだとか。ちなみにD.C.は2006年にイタリアのメロパワバンドSTEEL SEALのデビュー作「BY THE POWER OF THUNDER」にゲストボーカルとして全面参加していますが、その理由のひとつに「メロディもやりたいように書ける自由があった」ことを挙げているのでAndre Andersen(Key/ROYAL HUNT)以上の独裁者(と思われる)Richardと組んだとしても合わなかったかもしれませんね。

話が少し逸れましたが隠れた実力派シンガーPatrikに加えてべーシストには初期YNGWIE MALMSTEENを支えた名手Marcel Jacob(B/TALISMAN)、北欧を代表するプログレバンドTHE FLOWER KINGSのドラマーZoltan Csorsz、そのTHE FLOWER KINGSの中心人物でMIDNIGHT SUNなどでも活動していたJonas Reingold(B)がミックスや共同プロデューサーとして関わるなどシーン屈指のプレイヤーが参加しています。楽曲的にも従来のRichard関連作品にはなかった新技ジャーマンメタルテイストを導入した④Entering The Dome、⑥Grand Openingのような高揚感溢れる曲もあってグッド。相変わらず他のバンドからの引用が散見されるので、その点が容認できない方にとっては駄目なサウンドだとは思いますが僕は曲が自分好みなら問題ありません(パクリに気付かないこともしばしばあるので/苦笑)。本作がリリースされた2003年といえばYNGWIE MALMSTEENやSTRATOVARIUSといった大御所が僕の好みから外れ気味だったので、それに取って代わる存在となってくれるのではという期待もありましたね。

【音源紹介】
Entering The Dome

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