TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」(2011)

  • 2013/04/28(日) 00:00:00

THE FLYING OPERA
【No.373】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第9位

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)の「自分が憧れたアイドル達と一緒にアルバムを制作したい」という無邪気な発想から誕生し、豪華なゲストシンガー陣が名を連ねた話題性と歌い手の魅力を引き出すTobiasの類い稀なるソングライティングなどから大成功を納めたプロジェクトAVANTASIA初となる2008年のTHE SCARECROW WORLD TOURの模様を収録したライブ作品。僕が持っているのは2DVD、2CD仕様の初回限定盤です。Tobias自身も実現できないと思っていたAVANTASIAツアーの基本メンバーは2003年頃からEDGUYのプロデュースに携わるようになり今回のツアー実現の重要なキーマンともなったSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)CENTERS~AT VANCE時代は優れたシンガーとして知られていましたが自身のバンドHARTMANNやAVANTASIAでは素晴らしいギタリストでもあることを世に知らしめたOliver Hartmann(G、Vo)、自らもAINAなるロックオペラを主宰するRobert Hunecke(B/ex-HEAVEN'S GATE)RHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)、KAMELOTといったパワーメタルバンドのプロデュースをSaschaと共に手掛けているMiro(Key)、EDGUYでTobiasと活動を共にしているFelix Bohnke(Ds)、AVNATASIAの音世界に欠かせない女性バッキングボーカルにAmanda Somerville、Cloudy Yangといった顔ぶれです(Amandaはリードボーカルも担当)。そして注目のゲスト陣には濃厚な歌声と体格で圧倒的な存在感を放ちながら厳つい表情で熱唱するだけでなく、メロディを乗せたMCで観客を煽る姿が正に「歌鬼」なJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)、全てのスタジオ盤に参加していたものの残念ながらツアー参加は実現しなかったMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)と自分がアルバムで歌っていたパートを担当しているAndore Matos(Vo/ex-ANGRA)、まるで「おじいちゃん」のような外見からは想像できないパワフルボイスを大仰な手振りに合わせて響かせるBob Catley(Vo/MAGNUM)、アルバムではAlice Cooper(Vo)が担っていた邪悪なキャラクターを見事に演じてみせたKai Hansen(Vo、G/GAMMA RAY)、AVANTASIAの初期2作品でギタリストを務めたHenjo Richter(G/GAMMA RAY)といった面々を迎えています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Twisted Mind(「THE SCARECROW」)
02. The Scarecrow(「THE SCARECROW」)
03. Another Angel Down(「THE SCARECROW」)
04. Prelude/Reach Out For The Light(「THE METAL OPERA」)
05. Inside(「THE METAL OPERA」)
06. No Return(「THE METAL OPERA PART2」)
07. The Story Ain't Over(EP「LOST IN SPACE PART2」)
08. Shelter From The Rain(「THE SCARECROW」)
09. Lost In Space(「THE SCARECROW」)
10. I Don't Believe In Your Love(「THE SCARECROW」)
11. Avantasia(「THE METAL OPERA」)
12. Serpents In Paradise(「THE METAL OPERA」)
13. Promised Land(EP「LOST IN SPACE PART2」)
14. The Toy Master(「THE SCARECROW」)
15. Farewell(「THE METAL OPERA」)
16. Sign Tf The Cross/The Seven Angels(Medley)(「THE METAL OPERA」、「THE METAL OPERA PART2」)

そんな参加メンバーの紹介だけでかなりの文章量になってくるAVANTASIA初のライブ作品はドイツで毎年開催されているヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIR、チェコで行われたMONSTERS OF ROCKという2公演のテイクからなるセットリストで構成されていて、個人的には1st~3rdまでのベスト盤と言いたくなるくらい充実していますね(個人的にはBobのジェントルボイスが映える隠れた名曲⑦The Story Ain't Overが収録されているのが高ポイント)。曲によっては10人以上がステージに登場するなどしてAVANTASIAの壮大な世界観を再現しているだけでなく、ライブならではの熱さがスタジオ盤以上の魅力を放っている場面も少なくありません。中でもSascha、Oliverの叙情ギターソロから激情に満ちたTobiasとJornのボーカルバトルへと雪崩れ込んでいく②The Scarecrowは圧巻の一言。また⑩I Don't Believe In Your Loveはアルバムを聴いている時は印象の薄い曲でしたが、ライブバージョンを聴いてカッコいいハードロックソングだと気づきました。

本作はライブ本編とTobiasのロングインタビュー/ドキュメンタリーからなるDVD2枚、DVDと同じライブ音源を収めたCD2枚セットの仕様だけでなく、DVDまたはCDのみのフォーマットも存在しますが個人的にはDVDの方が断然楽しめましたね。理由は大きく2つあって、ひとつはBob、Jorn、Oliver、Sascha & Miroといった(日本で映像作品をほとんどリリースしていない)ミュージシャンの姿やライブ中にTobiasが見せるイキイキとした表情を観ることができた点。そしてもうひとつは、AVANTASIA誕生の経緯や初のPVが制作されたシングルLost In Spaceの誕生秘話や、それをWACKENで演るかどうかの葛藤などスタジオ作品を聴いているだけではわからないAVANTASIAの裏側に迫るインタビューが実に興味深いということです。抜群の作曲能力と歌唱力、アクティブなステージアクションやライブ運びの上手さに加えて多くの先輩ミュージシャンをAVANTASIAに参加させる人柄に至るまでTobiasは才能に溢れた人物だとつくづく感じますね。そんな才能に恵まれながらも決しておごることなく周囲への感謝の気持ちを忘れないTobiasの言動は素晴らしいと思うし、僕のわずか1歳年上の彼が自分の夢を叶えている姿には胸を打たれました。ハイライトは⑮FarewellでWACKENの大観衆(公称10万人)が一体になっているのをステージから見て感激しているTobiasの表情でしょうか。Tobiasと僕の間には直接的な繋がりはないし、住んでいる世界が全く違うのですが本作を観ていると自分も家族や仕事のために自分にできることを頑張ろうという気持ちにさせてくれます。現時点での最新作「THE MYSTERY OF TIME」(2013)のライナーノーツには「THE SCARECROW」3部作完成後に本作を発表してAVANTASIAは幕を降ろす予定だったとの記載があり、Tobiasもインタビューでツアーを再び実現させるのは難しいという見解を示していましたが、ご存知の通りAVANTASIAは2011年、2013年にもワールドツアーを実現させています。本作には参加していないMichael Kiske(Tobiasは12歳の時にKiskeの歌を聴いてシンガーを目指すようになったのだとか)も帯同したライブも是非DVD化してもらいたいですね。

【音源紹介】
・Farewell(Live)

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