EDGUY「AGE OF THE JOKER」(2011)

  • 2013/04/09(火) 00:00:00

AGE OF THE JOKER
【No.372】
★★★(2011)

ジャーマンメタル界の若きホープとして1998年に3rd「VAIN GLORY OPERA」で日本デビュー、その後は正統派メタル色を強めた時期を経て7th「ROCKET RIDE」(2006)以降の作品ではハードロックやメロハー的な要素も顔を出すようになってきたEDGUYの9thアルバム。今回も近作同様、メロディックメタルの枠に収まらないバラエティに富んだ楽曲が収録されています。前作「TINNITUS SANCTUS」(2008)は比較的シンプルで武骨な仕上がりだったのに対して、本作はハモンドオルガンやキーボードサウンドを大々的にフィーチュアしていることもあってアルバムイメージは華やかな印象となっていますね。

オルガンサウンドで幕を開けるオープニング①Robin Hood、80'Sメタルの雰囲気を纏ったハードロックチューン②Nobody's Hero、バンドが過去に発表したアルバムにもあったケルティックテイストが感じられる③Rock Of Cashel、EDGUY流ブルースとでも呼べそうな異色ナンバーでありながらサビではしっかりと「らしさ」を主張しておいて間奏はカントリーっぽくなる構成が面白い④Pandora's Boxなど、アルバム序盤から多彩な楽曲が次から次へと飛び出してきます。メロパワ/ジャーマンメタルに分類できそうなのは⑤Breathe、⑧The Arcane Guildくらいで疾走曲の割合はかなり低いのですが、これら2曲が実にEDGUYらしいナンバーとなっているのも嬉しいところです。作品後半は若干地味になってしまっている感はあるものの、ここ最近のEDGUYサウンドを象徴するかのようなミドルチューン⑥Two Out Of Seven、更に表現力を増したTobias Sammet(Vo)の歌唱力に惚れ惚れしてしまう⑦Faces In The DarknessAVANTASIAにも通じるドラマティックな音世界が繰り広げられる長編⑩Behind The Gates To Midnight World、前曲とは対照的にサラリと聴かせるバラード⑪Every Night Without Youで締めくくるなど、確かな聴きどころを設けている辺りは流石ですね。

また本作の初回限定盤にはオリジナル3曲、SLADEの原曲をQUIET RIOTがカバーしてヒットしたらしいDisc-2③Cum On Feel The Noize、本編に収録されている①と⑥のエディットバージョンからなるボーナスディスクが付いています。肝心のオリジナル曲はどれもアルバム本編と比べても遜色ない出来ですね。というわけで今回も巧みに練り込まれたメロディの充実度は依然として高い水準をキープしているので一定レベル以上の満足感は得ることができると思います。ただしメロパワ/正統派メタル時代のEDGUYに思い入れが強い僕の気持ちをねじ伏せるほどの魅力が本作にあるかと聞かれると首を傾げてしまうんですよね…。EDGUYのみならずAVANTASIAでも精力的な活動を続け、優れた楽曲を量産するTobiasの才能には敬意を表したいですがモヤモヤ感が残る作品でもあります。

・The Arcane Guild

関連記事

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する