ARCH ENEMY「KHAOS LEGIONS」(2011)

  • 2013/01/14(月) 00:00:00

KHAOS LEGIONS
【No.360】
★★★(2011)

デビュー当初から高い人気を獲得していた日本と違って欧米では知名度が低い所謂「ビッグ・イン・ジャパン」状態だったものの、女性グロウルシンガーの草分け的存在のAngela Gossowが加入した4th「WAGES OF SIN」(2001)以降、一気にスターダムへと上り詰めていったARCH ENEMYの8thアルバム。前作「RISE OF THE TYRANT」(2007)からは4年振りの作品となりますが、その間もバンドは前任シンガーJohan Liivaが在籍していた初期3作品の楽曲をAngelaが歌い直したリメイク盤「THE ROOT OF ALL EVIL」(2009)を発表したほか、中心人物のMichael Amott(G)Sharlee D'Angelo(B)と活動を共にするもうひとつのバンドSPIRITUAL BEGGARSで7th「RETURN TO ZERO」(2010)を、Michaelの実弟Christopher Amott(G)も初のソロアルバム「FOLLOW YOUR HEART」(2010)をリリースするなど精力的に活動していたので気が付けは4年が経過していたという感じですね。ちなみに本作からバンド名のカタカナ表記が「アーク・エネミー」から英語本来の発音に近い「アーチ・エネミー」に変更されています。

プロデューサーにFredrik Nordstrom(G/DREAM EVIL)を迎えた前作がバンド最大の武器であるAmott兄弟のギターを強調した音作りだったのに対して、Rickard Bengtsson(Vo/ex-ARMAGEDDON、LAST TRIBE)とバンドが共同プロデュース、Andy Sneap(G/HELL)がミックスを担当した本作は各楽器の整合感に重きを置いている印象です。そんなサウンドの中で展開されるARCH ENEMY流エクストリームメタルには一切の揺らぎもなく大物バンドとしての風格が漂う本作の特徴は、これまで以上に練り込まれたギターパートと1曲の中で緩急が目まぐるしく変わる曲構成でしょうか。「激烈」という言葉が相応しいほどの攻撃性とスピード感に溢れていた前作に比べて、今回の楽曲は一筋縄でいかないものが多くブルータルで速い曲だと思って聴いていると、途中で失速する場面もあって正直なところ僕はモヤモヤ感が残りました。曲中のあるパートが盛り上がる前に次の展開に移行していくため、結局ひとつの楽曲として印象に残るものが少ないというか…。これまでは暴虐性たっぷりのサウンドとメロディアスなギターの対比がスムーズに行われていましたが、本作ではメロディックなパートが楽曲の流れに水を差してしまっているように感じることもしばしば。個人的には⑪Thorns In My Flesh、⑬Vengeance Is Mine、⑭Secretsのようにわかりやすく突っ走る曲がもう少し聴きたかったですね。

疾走感を抑えて楽曲の練り込みを重視したためインパクトが弱い本作には若干の不満を感じる一方で、これはARCH ENEMYが持つ底力が為せる業なのか、僕がこのバンドに心酔しているからなのか定かではありませんがリピートさせるだけの魅力は依然として存在しているし、ARCH ENEMYの持ち味とアルバムのクオリティは高水準で保たれているので最終的にはそれなりに楽しめました。今回バンドが挑戦したエクストリームメタルと複雑な曲展開を融合させるというスタイルが今後のアルバムにどう活かされてくるのか期待したいと思います。なお今回のアルバム発表後にChristopherがバンドを再脱退してしまったため、バンドは後任にNick Cordle(G/ARSIS)を迎えて本作に伴うツアーを敢行しています。2005年に脱退して2007年に復帰した時にChristopherは「自分が最後に辞めるメンバーだ」と語っていたにも関わらず「エクストリームなメタルを演奏することに違和感を覚えるようになった」との理由で再び脱退した彼がARCH ENEMYに戻ることはないでしょうね…。Amott兄弟のツインギターが聴けなくなるのは残念ですが、Christopherは今後もソロとしてだけではなくARMAGEDDON復活させるなどして音楽活動を続けていくようなのでARCH ENEMYとあわせてこれからも応援していきたいと思っています。

【音源紹介】
・Vengeance Is Mine

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KnackValmさん

あけましておめでとうございます。以前に自分が記事を書いたアルバムを他のブログで見かけると、自分のブログを見返すという経験ありますよね。「Rise of the tyrant 」の方が好きですが、本作を経たARCH ENEMYの次回作にも期待しています。とはいえARCH ENEMYまで動きがなさそうなので今年はアモット兄弟関連作品としてはSPIRITUAL BEGGARSとARMAGEDDONが楽しみですね。

重複コメントは削除させていただきました。

  • 投稿者: よしよ
  • 2013/01/16(水) 22:18:13
  • [編集]

ARCH ENEMY の新作。

新年祝いの挨拶は、そういえばまだだったんだっけ・・・ と思いだしました(編集で付け足しました・・・汗)。 新年明けましておめでとうございます。



コメントする前に、「以前、自分のブログでどう書いていたっけ、どんな評価をしていたんだっけ・・・」と、確認するために拙ブログの方を読み直してみたのですが、ありきたりの「音楽性は変わっていないけど、相変わらず素晴らしい」程度の事しか書いていなかった ・・・・・・そんな自分が恥ずかしい というか、更に前の「Rise of the tyrant」の方を高く評価していたのか・・・

 ともかく、今後のアモット兄弟の活躍には注目していきたい もとい応援したい,という思いは同じですよね。
 ニック・コードル 氏のギタープレイも素晴らしいです!

「Vengeance is mine」は・・・ そうか、公的にPVが作られてはいなかったんだっけ・・・(拙ブログ内を色々と思いだしたり確認してました)

  • 投稿者: KnackValm
  • 2013/01/14(月) 13:44:09
  • [編集]

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