HAREM SCAREM「HUMAN NATURE」(2006)

  • 2012/09/07(金) 00:00:00

H SCAREM H NATURE
【No.343】
★★★(2006)

過去のドタバタ劇が嘘のように7th「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)で復活して以降、コンスタントに安定感ある作品をリリースしているHAREM SCAREMの10thアルバム。近年の作品は悪くはないけれど楽曲の振り幅が狭く、メロディも地味なため各曲を取り出して聴くとそれなりに楽しめる一方でアルバムとしてはインパクトに欠けるという印象を持っていたのですが今回はなかなか好感触です。「ファンが求める初期2作品の音楽性を目指した」とHarry Hess(Vo)が語る通り、前作「OVERLOAD」(2005)では希薄だった気持ちを高揚させてくれるメロディや爽快感はグッと強まっているし、バンドのトレードマークでもあるコーラスワークも分厚くなっていますね。なおバックボーカルにはTony Harnell(Vo/ex-TNT)のほか、今回も元メンバーのDarren Smith(Ds)が参加しています。

2nd「MOOD SWINGS」(1993)の頃を連想させるギターで始まり「ヒュー!マァン!ネェ~ェイチャ~♪」という覚えやすいサビに繋がるタイトルトラック①Human Nature、バンドのダーク/シリアス路線の代表曲No Justice(「MOOD SWINGS」収録)をポップに仕上げたかのような②Next Time Aroundという冒頭2曲がポジティブな雰囲気を放っているため、全体的にドンヨリしていた前作とは印象が大きく異なりますね。また本作はアルバム後半に進むにつれて楽曲のテンションが上がっていくので、近作で見受けられたダレを誘う場面も減少しています。個人的には伸びやかなサビが特徴の⑨Starlight、バンドの爽やかな持ち味を活かした⑩Going Under、フック満載のメロディで本編を締めくくってくれる⑪Tomorrow May Be Goneがハイライトですね。

アルバム全体としても王道のメロディックロックを軸にしつつメランコリックなバラード、前作に通じるモダンロック調からQUEENへのリスペクトが滲む⑦Give Love/Get Loveまで粒が揃っていて、ガツンと来るハードロックこそないもののHAREM SCAREMらしさが随所に感じられるのも好ポイント。これまで以上に歌ものアルバムという印象が強い本作に相応しいボーナストラック⑫Higherは8th「HIGHER」(2003)のタイトル曲のアコースティックバージョンで、オリジナル以上に繊細なメロディが胸に沁みる好アレンジだと思います。正直なところマンネリ感を拭いきれていなかったり、どこかで聴いたフレーズが散見されるのも事実ですが過去2作品では行われなかった来日公演が本作発表後に実現したことにも納得の充実盤ですね。

【音源紹介】
・Next Time Around

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アルちんさん

こんばんは。アルちんさんにとって本作はかなりのお気に入り盤なんですね。僕の中でも後期HAREM作品の中では上位に来る1枚です。確かにもう少しアップテンポのロックソングが聴きたかった気もしますが、このアルバムは序盤と終盤が充実している印象があります。
「WEIGHT OF THE WORLD」は個人的に後期HAREMで最も好きな作品なので是非とも発掘して聴いてくださいね。

  • 投稿者: よしよ
  • 2012/09/20(木) 23:44:54
  • [編集]

イイです!

 私の中でも結局2ndを超える、というか近い所まで行っているアルバムが無いなぁ。
という時に発表されえた「HUMAN NATURE」ですが、ジャケットのダークな印象から「これはハズレっぽいw」と勝手に思い込み、しばらくしてからワゴンセールで見つけ救出したのですがw、「ほんとHSゴメンナサイ」と土下座してしまう位良い作品でした。

 ①Human NatureからPOPでノリの良いキャッチーな楽曲にニンマリ。②Next Time Aroundも2ndに収録されていてもおかしくないデキです。イントロのGだけはヘヴィですが、すぐに穏やかになるヘヴィバラードの③Caught Up In Your World、そしてHSのバラードでも一番好きな⑤Hanging On、この一曲で「やっぱHSってイイよなぁ」と再確認出来ました。ホント良い曲です。
ダークでルーズな⑥Don't Throw It Away、ちょっとこの展開は驚きの⑦Give Love/Get Love、⑨Starlightも独特のリフにVoのサビの部分が癖になる一曲、⑩Going Underがまたイイんだな~。サビメロが最高です。このアルバムでは珍しいアップテンポな⑪Tomorrow May Be Gone、まぁもう一曲位アップテンポなナンバーは欲しかった所ですね。これで終わると少し違和感が残った所ですが、日本盤はボーナスでHigherのアコースティックverが収録されており、まぁあくまでボーナスって感じで録音されているのですが、Tomorrow May Be Goneで終わるよりしんみり終わる日本盤がイイですねw

 あとHS関連の手持ちは「HOPE(視聴済み)」「WEIGHT OF THE WORLD(未聴)」だけなのですが、よしよさんのレビューを見ると「WEIGHT OF THE WORLD」は好評価そうで楽しみなのですが、どこかに埋れて発掘出来てません><

  • 投稿者: アルちん
  • 2012/09/19(水) 22:22:52
  • [編集]

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