BLACK STAR「BLACK STAR」(2005)

  • 2012/11/24(土) 00:00:00

BLACK STAR
【No.354】
★★★★(2005)

HAREM SCAREM結成前からHarry Hess(Vo)BLIND VENGEANCEなるバンドで活動を共にしていたDarren Smith(Ds)がHAREM SCAREM脱退後に初めて発表した自身のバンドBLACK STARの1stアルバムで、海外ではDARREN SMITH BANDの「KEEP THE SPIRIT ALIVE」としてリリースされている作品。HAREM SCAREMの創設メンバーでもあるDarrenはパワフルなドラミングに加えてHarryとは一味違う荒々しく逞しい歌声をSentimental Blvd.(2nd「MOOD SWINGS」収録)とStaying Away(4th「BELIEVE」収録)で披露して人気を博していましたが、日本を除く地域ではバンド名をRUBBERに変えて発表した6th「RUBBER」(1999)に伴うツアー終了後に、自身がリードボーカルを務めるバンドJUICEに専念したいという理由でHAREM SCAREMを脱退してしまいました。それ以降は地元カナダの後輩バンドEMERALD RAINに助っ人ドラマーとして参加したとか、噂レベルではRalph Santolla(G)率いるMILLENIUMのシンガーに迎えられたという話を耳にした以外、彼の動向について伝わってこなかったので自分のバンドを率いてカムバックを果たしてくれたことが嬉しいですね。なお、本作のプロデュースをHarryが手がけているほか、Pete Lesperance(G)もゲスト参加するなどHAREM SCAREMのメンバーとは脱退後も良好な関係が続いているようです。

本作で聴けるのはHAREM SCAREMにも通じるメロディアスハードでありながら、よりオーソドックスなロックやブルーズの影響も感じさせるサウンドでHAREM SCAREMファンならば十分楽しめる内容だと思います。まず驚かされるのはDarrenがソングライターとしても非凡な才能を持っていたということ。尊敬するソングライターにHarryとPeteの名前を挙げるDarrenは「自分より彼等の方が良い曲を書くから」という理由で、HAREM SCAREM在籍時は自分の曲をメンバーに聴かせることすらなかったそうですが、なかなかどうして彼のインプットがあればバンドには良い意味で違う未来があったのではないかと思えるほどです。メロディのフックとノリの良さが絶妙なアップテンポ②Keep The Spirit Alive、Harryと共作した躍動感溢れる⑪Why Do Iは本家を凌駕するほどの出来栄えだと言えるのではないでしょうか。

BLACK STARはアルバム完成時には正式なバンドとなったようですが、レコーディング当初はDarrenのプロジェクトという位置付けだったこともあり②以外のドラムはDarrenが叩いています。そんな中途半端感はアルバム構成にも表れていて本編11曲中、BLACK STARのオリジナルは5曲であとはカバーソングとなっています。だからといって本作が散漫な内容になっているかと言うと、そうではありません。原曲が魅力的だからか、BLACK STARのオリジナル曲と同じように仕上げるだけの力量がバンドとプロデューサーのHarryにあったからか、はたまたその両方なのかはわかりませんが1枚のアルバムとして統一感があるんですよね。カバー曲で最も惹きつけられたのは70年代に活躍したというロックバンドNAZARETHのバラードを見事なロックチューンに料理した⑥Love Hurtsですね。その他にもCRUSHというバンドから③There You Go、⑤King For A Day、⑧Everybody Knowsが、John Boswellというソングライターから④When I Was You、⑦Still On My Radioがチョイスされていて、これら5曲はプロデューサーのHarryからDarrenに薦めたカナダ人アーティストのナンバーで、どれもが原曲を聴きたくなる佳曲だと思います。また本作にはボーナストラックとして、DarrenがHAREM SCAREMを辞める理由となったJUICEの音源が3曲収録されていますが、こちらはBLACK STARの曲に比べるとメロディのフックに乏しいため僕は退屈でした。参考資料として聴くならアリという感じですね。ちなみにJUICEに関してはラップを取り入れようとする他のメンバーと音楽性の相違が明らかになったためDarrenはバンドを脱退しているようです。JUICEの楽曲が蛇足気味ではありますが、総合的に見るとHAREM SCAREMの関連作品の中ではHarryとPeteのソロアルバムを差し置いて本作が一番好きですね。

【音源紹介】
・Why Do I

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