HESS「JUST ANOTHER DAY」(2003)

  • 2012/11/09(金) 00:00:00

JUST ANOTHER DAY
【No.351】
★★★(2010)

バンド名をRUBBERからHAREM SCAREMに戻してリリースした復活作「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)が好評を博し、イギリスで開催されるメロディックロックの祭典THE GODS FESTIVALにも初出演を果たしたHAREM SCAREMの中心人物Harry Hess(Vo)Pete Lesperance(G)、Creighton Doane(Ds)、Darren Smith(Ds)といった現/元HAREM SCAREMメンバーや地元カナダのプレイヤー達のサポートを受けてHESS名義で発表した初のソロアルバム。ちなみにPeteは全曲に参加していますがHAREM SCAREM色が強くなりすぎてしまうという理由から主にアコースティックギターを担当しているようです。目を引くゲストとしてはEric Martin(Vo/ex-MR.BIG)①Look Right Through Meのバックボーカルで参加していますね(彼が歌っているとわかるのは曲がフェイドアウトする直前ですが…)。HAREM SCAREMでは、そのバンド名が一定のサウンドを連想させるため音楽性にある程度の制約があったことをバンドの歴史が証明しているので、より自由な環境で制作できるソロではどんな音を聴かせてくれるのかと思っていたところ、過去のHAREM SCAREM作品群の中でも今やキャリアの黒歴史となった感のあるRUBBER名義「ULTRA FEEL」(2001)に穏やかで大人びたアレンジを施した作風となっているように思います。

Harry自身が「最も自然に書けるタイプの曲」と語る②Wasted Awayに象徴されるHAREM SCAREM風のメロディがそこかしこで聴ける今回のアルバムと本家の違いを挙げるとすれば、本作の方がよりボーカルオリエンテッドで楽曲の装飾を排除したシンプルな仕上がりとなっている点でしょうか。僕のお気に入り曲はとにかくポップで前向きなフィーリングが心地よい③Everybody、シンプルなアレンジだからこそメロディのフックが浮き彫りになったバラード④Just Another Day、RUBBER期を思い出させるパワーポップ⑧WhyQUEENからの影響を感じさせるボーカルハーモニーをフィーチュアした⑨Miles Awayなどですね。また2nd「MOOD SWINGS」(1993)ではDarrenが歌っていた⑩Sentimental Blvd.をセルフカバーしていて、このアルバムのテイクは91年~92年に録音した音源を基本にしつつ歌とドラムを差し替えたもののようです。Harryが歌う本バージョンも興味深くはありますが、基本的には原曲に近いハードな印象なのでリラックスムードが漂う本作に必要だったのかは疑問が残りますね。

本家と比べるとパンチに欠けるように思いますが、これまでも類稀なるソングライティングのセンスを見せつけてくれていたHarryのソロ作品だけあってどの曲も繰り返し聴きたくなる魅力を持っていますね。日本盤ボーナスながらゆったりしたメロディがアルバムを締めくくってくれる⑪Up Hill Climbもなかなか効果的。ロックソングと呼べそうなのは⑧くらいだし、派手さはないもののメロディがじんわりと胸に沁みる1枚です。それにしても2002年に7th「WEIGHT OF THE WORLD」で復活して以降、同年にライブ盤「LIVE AT THE GODS」、2003年には本作に加えてHAREM SCAREMの初期音源集「THE EARLY YEARS」と新作「HIGHER」の3枚、2004年にはPeteが1stソロ「DOWN IN IT」をリリースするなど、HarryとPeteのワーカホリック振りには驚かされますね。

【音源紹介】
・Just Another Day

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この記事に対するコメント

o-ruさん

こんばんは。情報ありがとうございます。Harryの2ndは既に購入していてCD購入録の記事はアップしています。僕も2ndの方が好きですね。今年はHAREM SCAREMの再結成があるので、そちらの同行に注目しています。

  • 投稿者: よしよ
  • 2013/05/05(日) 21:47:05
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ハリーの2ndアルバムの存在は知ってますか?
もし知らなかったとしたら聴いてみるのをおすすめします
個人的には1stより好きかもです。
余計なお世話だったらごめんなさい。

  • 投稿者: o-ru
  • 2013/05/04(土) 21:21:27
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イモ男さん

このアルバムはおとなしいHAREM SCAREMといえなくもないので、僕もリリース当初はスルーしてまして数年遅れで買いました。確かに本家を越えているかというと微妙ですがHarryのメロディセンスは発揮されているのでファンなら楽しめる1枚という感じです。FIRST SIGNALは僕も買いましたよ。特に1曲目が大好きです。近々ブログでも取り上げようと思ってます。

  • 投稿者: よしよ
  • 2012/11/13(火) 23:04:21
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ですよね

本家よりボーカル重視でシンプルというのは、僕も試聴して感じたのでパスしました。彼が参加したFIRST SIGNALというプロジェクトの作品はもう聴かれましたか?あちらは本家っぽくてオススメです。

  • 投稿者: イモ男
  • 2012/11/12(月) 22:13:09
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