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TNT「TELL NO TALES」(1987)

  • 2020/04/30(木) 00:00:00

TELL NO TALES
【No.541】
★★★★(1997)

本国ノルウェーでは3週連続でナショナルチャート1位に輝くなどヒットを記録したTNTの出世作にして通算3枚目となるアルバム。日本デビュー盤でもあった前作「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984)はTNTがアイデンティティを確立するための重要作品だったのは事実ながら、バンドとしては発展途上にあることが感じられる1枚でもありました。それに対して本作では2ndにあったヴァイキングメタル系の曲は姿を消し、メジャー感が大幅に増しているだけでなく「北欧ならではの透明感と美しくもキャッチーなメロディを詰め込んだHR/HM」というTNTらしさを凝縮した仕上がりとなっていますね。

バンドの成長振りをいきなり見せつけてくれるアップテンポ①Everyone's A Star、ノリの良いギターリフからキャッチーなサビへ繋がっていく②10,000 Lovers (In One)、珠玉の美旋律ハードロック③As Far As The Eye Can See(見わたす限り)と続く冒頭3曲は実に強力。その後も邦題のセンスは微妙ながら美しさに溢れたバラード⑤Child's Play(チャイルド遊戯)からシームレスに繋がるアコースティックのインスト小品⑥Smooth Syncopationを挟んで爽やかなメロディが躍動する⑦Listen To Your Heart、曲名からして北欧テイスト満点の名バラード⑨Northern Lights、アルバムラストを派手に締めくくるスピードメタル⑪Tell No Talesを始めとする北欧メタルの最高峰が堪能できる1枚となっています。「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」の記事でも書いたように僕はベストアルバム「TILL NEXT TIME」(1996)がTNTとの出会いだったので、そこに収録されていない⑨を初めて聴いた時には「なぜこの曲が入っていないんだ?」というのが率直な感想でした。

加入2作目となるTony Harnell(Vo)の突き抜けるようなハイトーンは更に伸びやかになっているし、メインソングライターでもあるRonni Le Tekro(G)もクラシカルなインスト④SapphireYNGWIE MALMSTEENばりに弾きまくっているほかリフやソロで、その独特なセンスを遺憾なく発揮していますね。全11曲で31分足らずと、収録時間だけ見るとEP並みのボリュームしかないものの中身は濃密で聴き応え満点の逸品となっています。一般的にTNTの最高傑作は4th「INTUITION」(1989)という声が多いようですが僕にとってはどちらも甲乙付け難い名盤です。メタリックなエッヂもある本作、そこから更に洗練された次作という感じでしょうか。これからTNTを聴く方にはどちらの作品も手に取ってもらいたいですね。

【音源紹介】
10,000 Lovers (In One)

DYNAZTY「THE DARK DELIGHT」(2020)

  • 2020/04/25(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE DARK DELIGHT
DYNAZTY「THE DARK DELIGHT」(2020)

音楽性は異なるもののH.E.A.Tと並ぶスウェディッシュHR/HMのホープとして注目しているDYNAZTYの7作目。サウンド面が大きく変化した4th「RENATUS」(2014)以降、音の密度の濃いヘヴィメタルを聴かせていましたが、前作「FIRESIGN」(2018)ではデジタルサウンドの割合が増すなど更なる進化を見せてくれた一方で、ともすればヌルいと感じる場面もありました。本作では「FIRESIGN」の路線を継承しつつも、前作以上にタイトな音になっていますね。楽曲としては先行で公開されていた①Presence Of Mind、⑥Heartless Madness、⑦Waterfallは勿論、パワーバラード⑤Hologramやアグレッション全開の⑩Apexなどがが気に入っています。それに加えてボーナストラック⑬The Shoulder Devilも素晴らしい出来となっていてなぜ本編に入れなかったのか疑問に思うほどです。これまで以上に歌メロが充実しているのはNils Molin(Vo)AMARANTHEに加入した効果かもしれませんね。

TNT「KNIGHTS OF THE NEW THUNDER」(1984)

  • 2020/04/20(月) 00:00:00

KNIGHTS OF THE NEW THUNDER
【No.540】
★★★(1996)

Ronni Le Tekro(G)率いるノルウェー出身の北欧メタルバンドTNTの2ndアルバム。後にバンドの顔となるアメリカ人シンガーTony Harnell(当時はTony Hansen名義)は本作から加入しています。バンド名を冠した1stアルバムはDag Ingebrigtsen(Vo)なる人物が歌っていたのですが、その時点ではTNTの代名詞である透明感やキャッチーなメロディといった要素は皆無に等しく、歌詞はノルウェー語のB級メタルだったのに対して全編英語詞による本作ではTNTらしさが感じられるようになっていますね。とはいっても前作からの影響もまだ残っていて彼等の作品群の中ではメタリックな印象が強いアルバムです。ちなみにDagの後任にはMICHAEL SCHENKER GROUPを脱退したばかりのGary Barden(Vo)にほぼ決まりかけていたのですが、無名ながら圧倒的な歌唱力を誇るTonyを迎える決断を下したそうです。もしGaryが加入していたらバンドの音楽性も今とは別のものになっていたかもしれませんね…。

僕はバンド初のベスト盤「TILL NEXT TIME」(1996)で初めてTNTの音に触れ、その後にオリジナルアルバムを聴いたので、重厚でありつつキャッチーさも忘れない①Seven Seas、何度も繰り返されるサビがクセになる④Last Summer's Evil、HR/HMのお手本のような⑦Break The Ice、勇壮なヴァイキングメタル⑩Knights Of The Thunderなどベストアルバムの収録曲に耳がいきますね。ただ本作はそれ以外にも疾走感溢れるイントロと爽やかなサビの対比が見事な②Ready To Leave、タイトル通りのロマンティックなインスト小品③Klassisk Romance、いかにも北欧のバンドらしい美麗バラード⑤Without Your Love、TNTにしては珍しく漢臭いコーラスをフィーチュアした⑥Tor With The Hammerといった魅力的なナンバーが並んでいる点も見逃せません。

バンドの代表作と言われる3rd「TELL NO TALES」(1987)、4th「INTUITION」(1989)に比べると粗削りだし、Tonyのボーカルに力みが感じられたり、メンバーのルックスも垢抜けなかったりするのは事実ながら1st「TNT」(1982)から大きく進化していることは間違いありません。デビュー作のソングライティングには前任シンガーDagが関わっている曲がそれなりにあったようなので、TNTというバンドの基礎が確立されたのは本作からだと言えると思います。Dagは実力不足などを理由に事実上の解雇という形でバンドを離脱したそうですが、本作でもドラムを叩いているDiesel DahlがTNT脱退時に結成したTINDRUMの2nd「HOW 'BOUT THIS ?!」(1989)でリードボーカルを務めたり、2012年に敢行されたTNTの歴代シンガーが集ったライヴ(後に「THE 30TH-ANNIVERSARY CONCERT」としてDVD/CDがリリース)に参加したりしているのでメンバーとの関係性は悪くないようです。

【音源紹介】
Seven Seas

【CD購入録】SERENITY 「THE LAST KNIGHT」(2020)

  • 2020/04/15(水) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAST KNIGHT
SERENITY「THE LAST KNIGHT」(2020)

メンバー全員が闘いの王をイメージした衣装に身を包み、素顔を隠した謎のメタルバンドWARKINGSにおいて唯一、正体が明かされているTribune(Vo)の「中の人」Georg Neuhauserを擁するオーストリア産メロディックメタルバンドSERENITYの7作目。余談ですが彼の名前(ゲオルグ・ノイハウザー)って声に出して読みたくなるカッコよさがありますね。3rd 「DEATH AND LEGACY」(2011)以来となる彼等のサウンドに触れた第一印象は「KAMELOTっぽさが増している」でした。ただ、そこにはネガティブな意味合いはあまりなくKAMELOT以上に親しみやすいメロディとGeorgの甘い歌声を存分に活かしたシンフォニックメタルはSERENITYならではの強みだと思います。序曲①The Last Knight以降の②Invictus〜⑤Souls And Sinsまで重厚なミドルチューンが続くので地味な印象は拭えませんが個々の楽曲としては十分魅力的です。待ってましたの疾走曲⑥My Kingdom Comesはドラムパターンも含めてかなりKAMELOTしていて「本家にこんな曲なかったっけ?」と思ってしまうほど(笑)。本作は神聖ローマ皇帝のマクシミリアンI世の生涯をテーマとしたコンセプトアルバムではあるものの、コンパクトな曲を集めた作品なので聴きやすい印象ですね。

【CD購入録】HAREM SCAREM「CHANGE THE WORLD」(2020)

  • 2020/04/10(金) 00:00:00

【CD購入録】
CHANGE THE WORLD
HAREM SCAREM「CHANGE THE WORLD」(2020)

2013年に再結成して以降、「THIRTEEN」(2014)、「UNITED」(2017)とコンスタントに作品を発表してくれているHAREM SCAREMの15hアルバム。前作が秀逸な出来だったので今回も期待していましたが結論から言うと、その期待にしっかりと応えてくれていますね。ゆったりした曲調が更にテンポダウンするサビメロが耳から離れないタイトル曲①Change The World、リフとソロの両方でPete Lesperance(G)らしいフレーズが冴え渡る④The Death Of Me、哀愁の中にも温かみと希望を感じさせるHAREM SCAREM節全開な⑤Mother Of Invention、⑦In The Unknownや若々しくロックする⑧Riot In My Head、お約束のバラード⑨No Me Without Youなど、お気に入り曲を挙げだすとキリがありません。僕にとってこのバンドはFAIR WARNING、TERRA NOVAと並ぶ「90年代から愛聴しているメロディックロックバンドの御三家」なのですが、近年はいずれのバンドにも以前ほど夢中になることができずにいました。前作と今回のアルバムは「HAREM SCAREM復活!」と言いたくなる出来栄えだし、バンドはこれからも新譜制作を続けてくれるようなので嬉しい限りです。

【気になるCDリスト】2020年4月

  • 2020/04/05(日) 00:00:00

STATE OF DECEPTION
CONCEPTION「STATE OF DECEPTION」(2020)4月22日発売予定

KAMELOTを世界的なメタルバンドに押し上げたRoy Khan(Vo)がかつて在籍、1998年に解散したCONCEPTIONの復活アルバム。体調不良のため2011年にKAMELOTから脱退し音楽業界からも引退状態にあったRoyの復帰は嬉しいですが、CONCEPTIONは過去作品を聴いても難解なイメージが強いので購入するかどうかは要検討ですね…。

Waywardly Broken
By The Blues

THE DARK DELIGHT
DYNAZTY「THE DARK DELIGHT」(2020)4月8日発売予定

AMARANTHEのシンガーとしても活動しているNils Molin(Vo)擁するDYNAZTYの7作目。アルバム毎に音楽性が変わることもある彼等ですが、今回は前作「FIRESIGN」(2018)の延長線上にあるモダンなHR/HMとなってそうです。先行で公開されている音源を聴く限り、なかなか好印象なので期待しています。

Presence Of Mind
Heartless Madness
Waterfall

LEGEND OF THE XII SAINTS
TRICK OR TREAT「LEGEND OF THE XII SAINTS」(2020)4月24日発売予定

現在はTWILIGHT FORCEのボーカルも務めているAlessandro Conti(Vo)が在籍するTRICK OR TREATの5枚目となるオリジナルアルバム。彼等は2019年2月〜2020年3月の間に12星座に因んだ楽曲を毎月発表しており、本作はその12曲に2曲(イントロとアウトロ?)を加えた作品です。また本作は週刊少年ジャンプで連載されていた「聖闘士星矢」の黄金聖闘士12宮編をテーマとしたコンセプトアルバムなのだとか。「聖闘士星矢」は僕の小学生時代に大流行りしていたので興味をそそられますね。

YouTubeのオフィシャルチャンネルで音源公開中

【気になるCDリスト】
ALMANAC「RUSH OF DEATH」(2020)
Predator
Bought And Sold

BEYOND THE BLACK「HORIZONS」(2020)6月19日発売予定NEW
Misery
Golden Pariahs

CHRISTIAN MUENZNER「PATH OF THE HERO MASTER」(2020)
Knight Rider
Demon Angel

CONCEPTION「STATE OF DECEPTION」(2020)4月22日発売予定
Waywardly Broken
By The Blues

DYNAZTY「THE DARK DELIGHT」(2020)4月8日発売予定
Presence Of Mind
Heartless Madness
Waterfall

FIREWIND「FIREWIND」(2020)5月15日発売予定NEW
Rising Fire

GACHARIC SPIN「GOLD DUSH」(2020)
「逆境ヒーロー」

GOTTHARD「#13」(2020)
Missteria
Bad News

HAREM SCAREM「CHANGE THE WORLD」(2020)
The Death Of Me
Change The World

hibiki「HANDS OF PROVIDENCE」(2020)
Sonic Divine
トレイラー

MAGNUS KARLSSON’S FREE FALL「WE ARE THE NIGHT」(2020)6月12日発売予定NEW
Hold Your Fire feat. Dino Jelusick

MIKE LEPOND’S SILENT ASSASSINS「WHORE OF BABYLON」(2020)5月29日発売予定NEW
Dracul Son

THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「AEROMANTIC」(2020)
Divinyls
Transmissions

ONE DESIRE「MIDNIGHT EMPIRE」(2020)5月20日発売予定
After You're Gone
Shadowman

REVOLUTION SAINTS「RISE」(2020)
When The Heartache Has Gone
Closer
Talk To Me
Price We Pay

SERENITY「THE LAST KNIGHT」(2020)
Set The World On Fire
Souls And Sins
My Kingdom Comes

TRICK OR TREAT「LEGEND OF THE XII SAINTS」(2020)4月24日発売予定NEW
YouTubeのオフィシャルチャンネルで音源公開中

VOLCANO「GODSPEED」(2020)
トレイラー

下山 武徳「THE POWER OF REDEMPTION」(2020)5月13日発売予定