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FUKI COMMUNE「WELCOME!」(2016)

  • 2019/06/13(木) 00:00:00

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【No.532】
★★★★(2016)
年間ベスト2016年第5位

2014年いっぱいでLIGHT BRINGERが活動休止となってからもNozomu Wakai's DESTINIA、SOUND HORIZONへのゲスト参加やUNLUCKY MORPHEUSで活動をしていた稀代の歌姫FukiによるソロプロジェクトFUKI COMMUNEの1stアルバム。本作がリリースされる頃からアニソン系ヘヴィメタルシンガーと呼ばれるようになった気がするFuki嬢ですが、インタビューによるとソロでアニソン歌手を目指したいという本人の想いからFUKI COMMUNEが誕生したらしいので、この呼び名はアーティスト側の意向でもあるようですね。制作面でパートナーを務めるのは現時点でLIGHT BRINGERのラストアルバムとなっている「MONUMENT」(2014)でメインソングライターを務めたMao(Key)で幻想的なバラード⑥「朝な朝な」、尺八の音色とともに疾走する曲調が陰陽座の代表曲でアニメ「バジリスク」の主題歌にもなった「甲賀忍法帖」を連想させる⑦「狂い咲け雪月華」を除く全曲を彼が作曲、Fukiが作詞しています。本作は「MONUMENT」の残り香を感じさせつつアニソン要素が強まっているため、インディーズ時代のLIGHT BRINGERから濃密なインストパートを取り除くとFUKI COMMUNEになると言うこともできそうですね。

デジタリーなイントロダクション①Welcome to my dream - Instrumental -に導かれて登場する②「月が満ちる前に」、③「輝く夜へようこそ!」はどちらもキャッチーなサビメロで幕を開ける楽曲で心を掴まれました。この2曲はアニソンっぽさを強く感じさせつつも、編曲にMaoと若井 望(G/Nozomu Wakai's DESTINIA)が関わっていることもあってかメタリックな魅力も兼ね備えていて、本作のみならずFUKI COMMUNEを象徴するナンバーと言えそうですね。続く④I'll never let you down!はMaoのオルガンプレイが耳に残るハードロックでFukiもこれまで披露してこなかった乱暴な歌い方や低い唸り声を取り入れています。その一方で外部ライターによる⑥では囁くように歌うFukiが新鮮です。個人的にはヒロイックなメロデイが駆け抜ける⑨Liberator、序盤はバラード調ながら後半は一転して激しくドラマティックな展開が聴き手を飲み込んでいく⑩「未来」、LIGHT BRINGERの3rd「GENESIS」(2012)収録のLove you♡と同系統の爽快系スピードチューン⑪Sail on my loveのラスト3曲がハイライトとなっていますね。

LIGHT BRINGERやDOLL$BOXXに比べると聴き込むほどに好きになる要素は少ないですが、やり過ぎ感かなくとっつきやすい作風なので普段ヘヴィな音楽を聴かないリスナーにとってのHR/HM入門盤には最適な1枚だと思います。またソロプロジェクトというだけあってFukiのボーカルに焦点が当てられているし演奏陣もそれほど前に出てこない音作りのため、彼女の歌を存分に味わえるのもいいですね。異なる声色を駆使しながら楽曲のコンセプトにあわせて多彩な表情を見せつつも「Fukiの声」という太い芯が通っているため彼女の世界観にグッと引き込まれます。HR/HMシンガーとしてのFukiを期待すると肩透かしをくらう要素もあるのは事実ながら、アニソン要素も多分に含んでいたLIGHT BRINGERでシーンに登場したFuki初のソロプロジェクトとしては申し分ない仕上がりとなっていると思います。

【音源紹介】
「輝く夜へようこそ!」(Music Video Short ver.)