SYMPHONY X「SYMPHONY X」(1994)

  • 2017/02/14(火) 00:00:00

SYMPHONY X
【No.486】
★★(1996)

今や押しも押されぬネオクラシカル系プログレメタルバンドの重鎮としてその名を馳せるSYMPHONY Xが1994年にリリースした1stアルバム。デビュー当時はグランジ/オルタナティヴ全盛期ということもあって母国アメリカやヨーロッパでは全くと言っていいほど話題にならず、ゼロ・コーポレーションが彼等を発掘して日本でのみリリースされた作品のようです。このアルバムの時点でダークかつミステリアスなSYMPHONY Xサウンドは既に確立されているものの、僕は2nd「THE DAMNATION GAME」(1995)でこのバンドを知り、後追いで本作を聴いたため物足りなさを感じる点も少なくありません。その最たる例が本作でフロントマンを務めていたRod Tyler(Vo)のボーカルで、独特の味があるヘタウマ系と感じる場面もなくはないですが、次作から加入する実力派Russell Allen(Vo)に比べると不安定さが目立ってしまいますね…。

そんな弱点があるのは事実ながら僕の琴線に触れる楽曲も聴くことができます。特に④Masqueradeはゼロ・コーポレーションが所属アーティストの曲をテーマ毎に集めたコンピレーション盤「煌 CRYSTAL」(1996)に収録されているほか、バンド自身も1998年にリメイクしたバージョンをベストアルバムの1曲目、6th「THE ODYSSEY」(2002)のボーナストラックに再録している初期の代表曲です。それ以外にも「トゥナ〜イ♪」のコーラスが耳に残る②The Raging Season、骨太なサウンドに変化した今では聴けそうにないメロウなバラード⑥Shades Of Grey、キャッチーなサビメロを持った⑧Rapture Or Pain辺りは結構好きですね。コーラスワークにQUEENっぽさが感じられるのも本作ならではの特徴でしょうか。

DREAM THEATERに通じるプログレッシブメタルにYNGWIE MALMSTEENを彷彿とさせるネオクラシカルテイストを融合させたものがSYMPHONY Xの根幹部だと思っているのですが、その中でも本作はネオクラ要素が強い作風となっています。リーダーでもあるMichael Romeo(G)の流麗なギタープレイは同時期の本家YNGWIE以上に聴き応えがありますね。SYMPHONY Xは作品を重ねる度に複雑でプログレ色が濃くなっているので、このバンドの中では比較的聴きやすい1枚だと思います。本作はボーカルと音質(特にドラム)に難はあるものの、ダイヤの原石のような輝きも見せてくれる作品なので現メンバーでリメイクすると面白いかもしれませんね。

【音源紹介】
Masquerade