2012年に購入したCD69枚

  • 2012/12/30(日) 00:00:00

2012年のブログ更新は今日が最後となります。
詳しくは年間ベスト2012年の記事で書くつもりですが、こうして今年買ったCDを眺めてみると新譜はメタル系が充実していて、旧譜ではメロディックロック/ハードポップ系、そしてDRAGON GUARDIAN関連の作品を聴いた1年だったように思います。

12月は奥さんと長男が胃腸炎、次男が水疱瘡にかかり僕はひどい風邪をひくなど一家全員が体調崩すという1カ月でしたが、ようやくみんな元気になってきました。クリスマス寒波に続き、年末年始もかなり冷え込みが厳しいようですので皆様も身体に気を付けてよいお年をお迎えください。今年もお世話になり、ありがとうございました。2013年もSILVERWING-舞い降りてきた音楽の記録-をよろしくお願いいたします!

【2012年のCD購入録】
タイトルをクリックすると、それぞれのCD購入録記事を読むことができます。

【新譜】34枚
ALHAMBRA「SIEGFREID」(2012)
ANTHEM「BURNING OATH」(2012)
BATTLE BEAST「STEEL」(2012)
BLESSED BY A BROKEN HEART「FEEL THE POWER」(2012)
CIRCUS MAXIMUS「NINE」(2012)
CRAZY LIXX「RIOT AVENUE」(2012)
DELAIN「WE ARE THE OTHERS」(2012)
DYNAZTY「SULTANS OF SIN」(2012)
GALNERYUS「絆 FIST OF THE BLUE SKY」(2012)
GALNERYUS「PHOENIX LIVING IN THE RISING SUN」(2012)
GALNERYUS「ANGEL OF SALVATION」(2012)
GOTTHARD「FIREBIRTH」(2012)
H.E.A.T「ADDRESS THE NATION」(2012)
HALESTORM「THE STRANGE CASE OF...」(2012)
HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)
KAMELOT「SILVERTHORN」(2012)
KISSIN' DYNAMITE「MONEY, SEX AND POWER」(2012)
LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)
LIGHT BRINGER「GENESIS」(2012)
LIV MOON「SYMPHONIC MOON」(2012)
LIV MOON「THE END OF THE BEGINNING」(2012)
MINSTRELIX「TALES OF HISTORIA」(2012)
MY MATERIAL SEASON「BRIDAL AISLES OF TRAGEDY」(2012)
THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「INTERNAL AFFAIRS」(2012)
THE RASMUS「RASMUS」(2012)
RAGE「21」(2012)
ROYAL HUNT「FUTURE'S COMING FROM THE PAST」(2012)
SABER TIGER「MESSIAH COMPLEX」(2012)
STRATOVARIUS「UNDER FLAMING WINTER SKIES: LIVE IN TAMPERE」(2012)
STRIKER「ARMED TO THE TEETH」(2012)
UNISONIC「UNISONIC」(2012)
WIGELIUS「REINVENTIONS」(2012)
WIG WAM「WALL STREET」(2012)
摩天楼オペラ「JUSTICE」(2012)

【旧譜】35枚
ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)
ANKOR「MY OWN ANGEL」(2011)
ASPERITY「THE FINAL DEMAND」(2004)
CHILDREN OF BODOM「RELENTLESS RECKLESS FOREVER」(2011)
CRYSTAL VIPER「LEGENDS」(2010)
DAG FINN「THE WONDERFUL WORLD OF DAG FINN」(1991)
DARK MOOR「TAROT」(2007)
DARK MOOR「ANCESTRAL ROMANCE」(2010)
DRAGON GUARDIAN「聖邪のドラゴン」(2006)
DRAGON GUARDIAN「遙かなる契り」(2008)
DRAGON GUARDIAN「DESTINY OF THE SACRED KINGDOM」(2011)
DRAGON GUARDIAN「聖魔剣ヴァルキュリアス」(2011)
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組散華録」(2010)
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組悲恋歌」(2010)
DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「新選組魔戦記」(2011)

DRAGON GUARDIAN & KNIGHTS OF ROUND「桜牙」「桜牙列伝」(2011)
EVENRUDE「ONE SIZE FITS ALL」(1989)
LINDA BENGTZING「INGENTING ATT FORLORA」(2006)
LINDA BENGTZING「VILD & GALEN」(2008)
LINDA BENGTZING「MIN KARUSELL -EN SAMLING」(2011)
LIONVILLE「LIONVILLE」(2011)
THE MAGNIFICENT「THE MAGNIFICENT」(2011)
MYPROOF「PUPIL OF ASTRAEA」(2008)
NIVA「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)
SEVENTH WONDER「BECOME」(2005)
SHA-BOOM「R.O.C.K」(1988)
SHA-BOOM「LET'S PARTY」(1990)

SHINING LINE「SHINING LINE」(2010)
TOBY HITCHCOCK「MERCURY'S DOWN」(2011)
TRICK OR TREAT「EVIL NEEDS CANDY TOO」(2006)
WORK OF ART「IN PROGRESS」(2011)
YUHKINEN「FAR BEYOND THE SEVEN SEAS」(2011)
8-POINT ROSE「PRIMIGENIA」(2010)
屍忌蛇「TRIBUTE OF MASKED RIDER」(2009)
中島 卓偉「TAKUI NAKAJIMA ANNIVERSARY 1999-2008 BEST YOURS」(2008)

【過去のCD購入録】
2008年に購入したCD86枚
2009年に購入したCD88枚
2010年に購入したCD76枚
2011年に購入したCD64枚

GALNERYUS「PHOENIX RISING」(2011)

  • 2012/12/27(木) 00:00:00

PHOENIX RISING
【No.359】
★★★★★(2011)
年間ベスト2011年第2位

創設メンバーでもあったYama-B(Vo)離脱という事態を後任に小野 正利(Vo)を迎えることで乗り切っただけでなく、シンガー交代によってメジャー感が増してバンドとしてワンランク成長した印象もあるGALNERYUSの7thアルバムで小野の加入後としては2枚目となる作品。6th「RESURRECTION」(2010)リリース後もツアーを積極的に行い、ライブDVD「LIVE IN THE MOMENT OF THE RESURRECTION」(2010)を発表するなど精力的に活動していたにも関わらず前作から僅か1年のスパンでこうして新作が届けられたことにバンド状態の良さが表れているように思います。音楽性は一時の拡散(迷走?)期が嘘のように前作同様めちゃくちゃテクニカルで、めちゃくちゃメロディアスなパワーメタルサウンドが終始展開されていて満足度はかなり高いですね。なお、本作はタイトルから想像できる通り「東日本大震災に被災した日本が不死鳥のように立ち上がれるように」という願いが込められた1枚となっています。

バンドとしては異色作だった5th「REINCARNATION」(2008)を除く全てのアルバムと同じく、今回も序曲からスピードチューンに繋がるという流れで幕を開けます。これまで以上にスケールが大きく勇壮な旋律の中でSyu(G)による泣きのギターとグロウルが期待を高めるイントロダクション①The Risingから間髪入れずにスタートするGALNERYUSらしいクサメロが溢れる疾走曲②Tear Off Your Chain、アニソン的なメロディも顔を出すリーダートラック③Future Never Diesという畳み掛けは圧巻。毎度のことながら、このバンドはアルバムの掴みが強力ですね。それ以降もYuhki(Key)作の流麗なメロディが満載の⑤Scars、情感のこもったイントロから一転して繰り広げられる濃密なインストバトルでお腹いっぱいになる⑦T.F.F.B.(曲名はTrust、Fate、Faith、Blessedという4単語の頭文字だとか)、ライブで盛り上がれる曲を意識したという比較的ストレートな⑨Bash Out!、初期3部作にあったFlagシリーズを彷彿とさせるほどにヒロイックでシンフォニックな⑩The Time Has Comeといったメタリックチューンの数々は僕の胸を熱く焦がしてくれます。また、それらの間に配された疾走曲以外のナンバーについても曲名そのままに聴く者のメタル魂を鼓舞してくれるミドル④Spirit Of Steel、切なさと哀感に溢れた⑥The Wind Blowsとそれに輪をかけて大仰かつドラマティックに聴かせる⑧No More Tearsという2大バラードなど、見事なまでの充実振りを誇っています。本作が発表された2011年に急逝した泣きのギターの名手Gary Mooreへのトリビュートかと思うほどブルージーな味わいがあって泣けるインスト⑪The Phoenixでアルバムを締めくくるという構成も良いですね。

本作は4曲入りライブDVDを付属した初回限定盤と海外HR/HMアーティストのカバー7曲(全てライブ音源)を収録した2枚組CD仕様の2パターンがあり、僕は後者を購入しました。ボーナスディスクについては個人的に大好きな①Against The Wind(STRATOVARIUS)、⑥Never Die(YNGWIE MALMSTEEN)もさることながら④1789(SILVER MOUNTAIN)をカバーしてくれたことが嬉しいですね。この曲は「素晴らしいのにオリジナルバージョンはボーカル、音質の粗さが玉に瑕」というイメージだったのですが本作では文句なしの仕上がりとなっていて、こちらが完全版ではないかと思えるほどです。このアルバムによってGALNERYUSは僕の中でジャパニーズHR/HM界エースの地位を確固たるものとしましたね。前作と曲調やアルバム構成が似ている点が若干気にはなりますが、聴き手を捩じ伏せる怒涛の勢いで迫ってくる超絶技巧とメロディの洪水がもたらしてくれる高揚感は半端ではありません。海外のメロディック・パワーメタル勢の中でも、これほどのクオリティを誇るバンドはそうそういないのではないでしょうか。

【音源紹介】
・Future Never Dies

陰陽座「鬼子母神」(2011)

  • 2012/12/24(月) 00:00:00

鬼子母神
【No.358】
★★★★★(2011)
年間ベスト2011年第1位

リーダー瞬火(B、Vo)が描く明確なヴィジョンのもと1999年のデビュー以来、安定した活動を続ける陰陽座の記念すべき10枚目の作品にしてバンド初のコンセプトアルバム。これまでにも「黒塚の鬼婆伝説」(3rd「煌神羅刹」収録)、「源 義経」(6th「臥龍點睛」収録)、「最強の妖怪 九尾の狐」(9th「金剛九尾」収録)などアルバム内に個別のテーマを持つ2~3部構成の組曲を発表してきたバンドが初めてとなるトータルコンセプト作の題材に選んだのは「鬼子母神伝説」です。ここで「鬼子母神伝説」について簡単に触れておくと「1,000人の我が子のために人間の子供をさらってきては喰わせていた女神『鬼子母神』を見るに見かねたお釈迦様に末の子を隠され、泣いて『返してくれ』と頼む鬼子母神に対して『1,000人のうちのひとりでも盗られたらこんなに悲しいのだから、お前が盗ってきた子供の親がどういう気持ちなのか分かりなさい』とお釈迦様が諭す」という内容だそうです。本作は「純粋な音楽作品として楽しめて、かつ脚本と絡めて聴けば味わいが更に増すものにしたい」という瞬火の意図からCDとは別に彼が「鬼子母神伝説」に着想を得て書き下ろしたオリジナル脚本「絶界の鬼子母神」が発売されていて、僕はCDと脚本の両方を購入しました。本作で描かれる物語の全体像はバンド結成当初から瞬火の頭の中にあったようで、構想12年のストーリーが瞬火曰く「思った通りのものが思った以上のクオリティで仕上がった」のが本作です。

まず脚本を読まずに音楽作品「鬼子母神」を聴いた時の印象としては、序曲に続く事実上のオープニングトラック②「徨(さまよい)」や陰陽座流シンフォニック・メタル⑧「鬼子母人(きしぼじん)」からエンディングまでの展開など流石のクオリティを備えている一方でコンセプト作品という性質上、キャッチーなメロディや即効性は低いように感じました。ところが脚本を読み、瞬火が作り手としての拘りや思い入れを熱く語ったこちらのインタビューを踏まえてアルバムを聴くとガラリと印象が変わりましたね。何とも言えない狂気を孕んだ③「産衣(うぶぎ)」、演歌と民謡をミックスした陰陽座お得意のお祭りソングでありつつ、その裏に潜む恐ろしさも感じさせる⑤「鬼拵ノ唄(おにこさえのうた)」、曲名にある恨みだけでなく怒りや悲しみといった感情が入り乱れる⑨「怨讐の果て(うらみのはて)」などで顕著な登場人物の心情を楽曲に反映させる表現力は、これまで9枚のアルバムを作り上げてきた現在の陰陽座だからこそ為せる業だと思います。また今回は物語の性質がシリアスで悲しみや怒りを含んだものであるということからバンド初の試みとなるダウンチューニングを採用しているのですが、これが実に効果的で作品全体に今まで以上の重厚感が溢れているのも見逃せません。

ストーリーの描写については、過去の組曲でそうだったようにセリフを交えながら展開させていくのかと思いきや、セリフと呼べそうなのはイントロ①「啾啾(しゅうしゅう)」の「はな」とラストチューン⑫「鬼哭(きこく)」の「はな、行こう」という2つのみです。しかしセリフを最小限に抑えたからこそ逆に活かされているし、このセリフの主である登場人物「静(しず)」が抱く様々な感情をここに凝縮した黒猫(Vo)の熱演にただただ脱帽です。彼女は歌唱力だけでなく登場人物の心の機微を描写するという面でも過去最高のボーカルパフォーマンスを披露してくれているし、「鵺(ぬえ)」(4th「鳳翼麟瞳」収録)でボーカリストとして開眼した瞬火も本作随一のドラマティックチューン⑩「径(みち)」で更なる成長振りを見せつけてくれています。これまで陰陽座が生み出してきた作品群の中には名盤もあったし、近作も十分に楽しめる内容ではありましたが「まだ余力を残しているのでは?」と感じることもありました。それに対して本作は聴き始めのインパクトでは一歩譲るものの、繰り返し聴く度にどんどん味わいが増してきて今ではすっかり魅了された僕がいます。それにしてもバンド結成当初から今回のようなコンセプトアルバムを作ることを思い描き、12年後にそれを実現させてしまう瞬火という人の才能は凄まじいですね。音楽に対するその真摯な姿勢が本当にカッコいいです。「このアルバムを生み出すために陰陽座は結成された」という瞬火の言葉にも十分な説得力が感じられるバンドの集大成的な1枚だと思います。

【音源紹介】
・「径(みち)」

【CD購入録】DRAGON GUARDIAN「遙かなる契り」(2008)

  • 2012/12/22(土) 00:00:00

【CD購入録】
遙かなる契り
DRAGON GUARDIAN「遙かなる契り」(2008)

アニメ声によるボーカル、クサさ満点のセリフを使ってRPG的ストーリーをクサメタルに乗せながら描いた1st「聖邪のドラゴン」(2006)が賛否両論ありながらも、なかなかのセールスを記録したというDRAGON GUARDIANの2作目を買いました。今回も前作と同じく同人マーケットでの発売ですが音質の悪さ、ボーカルの弱さといったデビュー作でのウィークポイントは結構改善されているのではないでしょうか。それだけでなくブックレットにも記載されている物語の背景を読み上げ、「ドラゴンガーディアン、遙かなる契り!」という作品タイトルで大仰に締めくくる①「プロローグ」から②「紅き契約」のギターメロディに繋がる始まり方がツボだったので、他のアルバムもこういう幕開けで統一してもいいのでは?と思ったほどです(笑)。主人公は「ゼウス王の娘アテナ」、宿敵は「仮面の騎士ルシフェル」、そして「聖剣エターナルソード」などのベタな固有名詞、それに輪をかけてベッタベタな語りなどツッコミどころはたくさんありますが、ファミコン世代の僕には懐かしさが込み上げてくるし、もう少しフックが欲しいクサメロもメジャーデビューを果たした3rdにして名盤「DRAGONVARIUS」(2009)の片鱗が感じられます。ちなみに12月12日にリリースされた初のベスト盤「THE BEST OF DRAGON GUARDIAN SAGA」には本作を代表するクサメロスピ⑤「神話」が収録されています。

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)

  • 2012/12/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
TEN TANGERINE TALES
LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)

2003年にデビューして以降、冬になると新作を毎年届け続けて早10年、LAST AUTUMN'S DREAMの記念すべき10作目を買いました。「10編の橙色の物語」というアルバムタイトル、それとリンクして温かみのある色調を用いたジャケットから連想される通りのハートウォーミングなメロディに溢れた1枚だと思います。作品から感じられるイメージとしては3rd「WINTER IN PARADISE」(2005)の対極にあるのではないでしょうか。ここ最近のアルバム同様、哀愁は控えめでキラーチューンと呼べそうなものがないことにもどかしさを感じる一方、作品単体としては心地よく聴けるのも事実なので期待にはきっちり応えてくれています。リリース間隔を空けてじっくり作り込んだLAST AUTUMN'S DREAMのアルバムが聴いてみたい反面、この時期に彼等の新作が聴けないのは寂しくもあり、ファンとしては悩ましいところですね。

LAST AUTUMN'S DREAM「NINE LIVES」(2011)

  • 2012/12/17(月) 00:00:00

NINE LIVES
【No.357】
★★★★(2011)

Mikael Erlandsson(Vo)、Jamie Borger(Ds/TALISMAN、TREAT)という2人の優れたソングライターを擁する叙情派メロディック・ロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMの9thアルバム。MikaelとJamieが半数ずつの曲を書いているほか、Nalley Pahlsson(B/TREAT)のペンによる⑤Golden Cage、恒例のカバーソングとしてANGEL⑪Waited For A Long Timeという曲を収録した構成となっています(⑤のギターリフがモロにTNTIntuitionしているのはご愛敬?)。結成当初は哀愁味に溢れたメロディアスハード路線だったのに対して、7th「A TOUCH OF HEAVEN」(2010)辺りからバンド初期の哀感は薄まり心温まる癒しの旋律を軸にしたサウンドに移行していたのですが今回も近作の延長線上にある作品だと思います。

どこか5th「HUNTING SHADOWS」(2007)を思わせるオーソドックスなロックサウンドに甘美なメロディが乗る①In A Perfect World、いかにもMikaelらしいメロディ運びを見せるタイトル曲②Nine Livesでこのバンドの世界観に誘われたかと思うとエンディングまですんなり聴ける本作も良質のナンバーが揃う安心クオリティに仕上がっています。「メロディアスハードからパワーポップ志向のサウンドに変化してきた」というMikaelの言葉通り、本作は④Merry-Go-Roundや⑤に象徴される明るいムードが強まっていますね。それに拍車をかけているのが複数の楽曲でフィーチュアされているハンズクラップ(手拍子)で、聴いているうちに楽しい気持ちにさせてくれます。バンド初期にあった胸を締め付ける哀メロを求めると肩透かしをくらうと思うし、僕も哀愁に溢れたナンバーの方が好きですが優しいメロディが聴き手を包み込んでくれる⑥All I Can Think Of、本作で最もポップス寄りの⑦Megalomania、バラード系の⑩We Never Said Goodbye、⑫Don't Let Love Fade Awayなど個々の楽曲は魅力的なんですよね。

というわけで総合的にはこれまで同様、手堅いメロディックロック作品であることは事実ながらデビューから9年連続でアルバムを発表し続けていることもあって流石にマンネリズムが漂っている感は否めません。⑧The Last To KnowJeff Scott Soto(Vo/TALISMAN)が、⑨Angel Eyesでは女性シンガーJenny Redenkvistがゲスト参加している辺りは新機軸と呼べそうですが、Mikaelという個性抜群のシンガーを擁するこのバンドにデュエットが必要だったかどうかは疑問が残りますし、⑧の同名異曲が6th「DREAMCATCHER」(2008)に収録されていることについても釈然としません(ちなみに僕は6thの曲の方が好きです)。ハイペースでアルバムを作るあまり同じタイトルの曲を過去にレコーディングしたことを忘れてしまったわけでないと思うのですが…。間もなくリリースされる次回作「TEN TANGERINE TALES」は記念すべき10年連続10枚目のアルバムとなるので、ここを節目にワーカホリック気味な活動ペースを見直してみてもいいのではと個人的には思っています。

【音源紹介】
・Nine Lives

【気になるCDリスト】2012年12月

  • 2012/12/14(金) 00:00:00

今月のマストアイテムはこれで決まりでしょう。

TEN TANGERINE TALES
LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)12月19日発売予定

僕のようなメロハーリスナーにとっては冬の風物詩となっているLAST AUTUMN'S DREAMの記念すべき10枚目のアルバム。1年に1枚というペースを保ちつつ、毎回しっかりとクオリティの高い作品を届けてくれるこのバンドには今年も期待しています。

この作品以外では初のベスト盤となるDRAGON GUARDIAN「THE BEST OF DRAGON GUARDIAN SAGA」Fuki (Vo/LIGHT BRINGER)を擁するガールズバンドの新鋭DOLL$BOXX「DOLLS APARTMENT」、今年4月の来日公演の模様を収めたCD+DVD作品ARCH ENEMY「ASTRO KHAOS 2012」も気にはなっているものの購入するなら来年になってからだと思います。

早いもので今年も師走となりましたね。年間ペスト選出のために、このところは2012年に発表されたアルバムを聴き返していて、ベストアルバム候補は15枚くらいに絞られてきました。年明けの記事更新を目指したいと思っています。これまでの年間ベスト記事はこちら

【気になるCDリスト】
ACCEPT「STALINGRAD」(2012)
ADRENALINE MOB「OMERTA」(2012)
DRAGONFORCE「THE POWER WITHIN」(2012)
DRAGON GUARDIAN「THE BEST OF DRAGON GUARDIAN SAGA」(2012)
ECLIPSE「BLEED AND SCAREM」(2012)
GALNERYUS「HUNTING FOR YOUR DREAM」(2012)
HELLOWEEN「STRAIGHT OUT OF HELL」(2013)2013年1月16日発売予定
HUMAN TEMPLE「HALFWAY TO HEARTACHE」(2012)
JAMES DURBIN「MEMORIES OF A BEAUTIFUL DISASTER」(2012)
JIMI JAMISON「NEVER TOO LATE」(2012)
LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)12月19日発売予定
OVERKILL「THE ELECTRIC AGE」(2012)
PRIDE OF LIONS「IMMORTAL」(2012)
SHINEDOWN「AMARYLLIS」(2012)
SECRET SPHERE「PORTRAIT OF A DYING HEART」(2012)
STATUS MINOR「OUROBOROS」(2012)
SUNSTORM「EMOTIONAL FIRE」(2012)
TEN「HERESY AND CREED」(2012)
TRICK OR TREAT「RABBITS HILL」(2012)
VEKTOR「OUTER ISOLATION」(2012)
VERSAILLES「VERSAILLES」(2012)
陰陽座「絶界演舞」(2012)

【ニュース】HAREM SCAREMが再結成!

  • 2012/12/12(水) 00:00:00

最近このブログのCD紹介記事でHAREM SCAREMとその関連バンドを集中的に取り上げていて先日のFIRST SIGNALの記事でもって一段落したところなのですが、何ともタイムリーなニュースが飛び込んできました。melodicrock.comによるとHAREM SCAREMは2013年に再結成し、来年に10周年を迎えるメロディックロックの祭典にして彼等が最後のライブを行った場でもあるFIREFESTに出演するそうです。しかもセットリストはバンドの初期の名盤(個人的には最高傑作)にしてバンドの運命を決定づけた2nd「MOOD SWINGS」(1993)中心のセットリストになるというから驚きです。またバンドは来年の上旬に「MOOD SWINGS」の20周年を記念して同作をリ・レコーディング+新曲3曲を追加した作品をリリースする模様です。ただ、メンバーもそのままというわけにはいかないようでBarry Donaghy(B)は既に音楽業界から身を引いているため、代役としてオリジナルドラマーのDarren Smithが参加するとHarry Hess(Vo)が語っています。ということはDarrenがベースを弾くということになるのでしょうか?

Harryはインタビューなどで「過去は振り返りたくない」という主旨の発言をしていたので、今回のニュースは本当にビックリしました。後期HAREM SCAREMの作品群は「MOOD SWINGS」とは一線を画すサウンドだったので、今回の再結成でかつてのオーラを取り戻せるか一抹の不安も感じますが続報を待ちたいと思います。それにしてもFIREFESTの出演バンドがかなり魅力的ですね。HAREM SCAREMの他にも今年に4th「BLEED AND SCAREM」を発表したECLIPSE、そのECLIPSEの中心人物Erik Martensson(Vo)W.E.T.で活動を共にするRobert Sall(G)率いるWORK OF ART、今年のLOUD PARK 12で初来日を果たしたCIRCUS MAXIMUSのフロントマンMichael EriksenTorsti Spoof(G/LEVERAGE)が結成したメロハープロジェクトTHE MAGNIFICENT、最新作「COUP DE GRACE」(2010)がとてつもない傑作だったTREATだけでも凄いのにJohnny Ohlin(G)擁するNATIONまでもが復活!メロディアスなHR/HMが大好きな僕にとってはかなり興味をそそられるメンツです。

FIREFEST2013のポスターはこちら。
FIRSFEST 2013

【CD購入録】HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)

  • 2012/12/09(日) 00:00:00

【CD購入録】
LIVING IN YESTERDAY
HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)

HAREM SCAREM解散後はソングライター/プロデューサーという裏方にまわり、多くのアーティストを手がけるというスタイルで音楽活動を続けてきたHarry Hess(Vo/ex-HAREM SCAREM)の2枚目となるソロアルバムを買いました。Harryといえば2010年にFRONTIERS RECORDS主導で外部ライターが書いたHAREM SCAREM的な楽曲を歌うプロジェクトFIRST SIGNALでの活動もありましたが、ソロ作となると「JUST ANOTHER DAY」(2003)以来、約9年振りのリリースとなります。本作でHarryをバックアップするのはPete Lesperance(G)、Creighton Doane(Ds)、Darren Smith(Ds)といった前作と同じHAREM SCAREM時代の盟友(Darrenはドラムではなくバックコーラスで参加)に加えて、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR)、Tommy Denander(G/RADIOACTIVE etc)といった顔ぶれです。1stソロはHarryらしいメロディが楽しめる良盤ではあったものの大人しめの仕上がりだったのに対して、今回はロック色が強調されているのが個人的には嬉しいし、個々の楽曲に関しても後期HAREM SCAREMのアルバム以上に魅力的なメロディが多いように思います。爽やかなサビメロから始まるオープニングの①Living In Yesterdayはインパクト大で一気に本作に引き込まれました。Harryお得意のバラード系③It's Over、⑧I Live For YouなどHAREM SCAREMを思い出させるナンバーが多い中、⑨I Don't Wanna Want Youはバンド時代にはあまりなかったタイプと言えそうですね。

FIRST SIGNAL「FIRST SIGNAL」(2010)

  • 2012/12/06(木) 00:00:00

FIRST SIGNAL
【No.356】
★★★(2010)

10作目「HUMAN NATURE」(2006)に伴う来日公演の2ヶ月前に「もう1枚のスタジオアルバムを作った後に解散する」と表明し、その言葉の通り11th「HOPE」(2008)リリース後にライブを行うことなく解散したHAREM SCAREMのフロントマンHarry Hessを擁する新プロジェクトFIRST SIGNALの1stアルバム。仕掛人はメロディアスハードファンの僕にとって最重要レーベルのひとつFRONTIERS RECORDSの社長で、これまでにもMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)がメロディックロックを歌うというコンセプトのPLACE VENDOMERobert Sall(G/WORK OF ART)、Erik Martensson(Vo/ECLIPSE)、Jef Scott Soto(Vo/TALISMAN)の3人が組んだプロジェクトW.E.T.などを発案してきたSerafino Perginoです。本作のテーマは「クラシックなHAREM SCAREMサウンドを蘇らせること」だそうですがHarryが「HAREM SCAREMとして本作のようなアルバムを作ってきたつもりはない」と語っている通り、ハーレムサウンドの復活というよりは「Harryが他のソングライターによる良質なメロディックロックを歌っているアルバム」と表現した方が合っていると思います。HAREM SCAREMの作品群の中で近いアルバムを挙げるとすれば、外部ライターの曲を一部取り入れたこともあってバンドの独自性が薄めなデビューアルバム「HAREM SCAREM」(1991)でしょうか。

今回、Harryは曲作りには全く関わっておらずTomとJamesのMartin兄弟ECLIPSEやW.E.T.で活躍するErik Martenssonといったソングライター陣が楽曲を提供、Dennis Ward(B/PINK CREAM 69)がプロデュースするというFRONTIERS作品ではお馴染みの顔ぶれがHarryをバックアップしています(HAREM SCAREMの人脈では元ドラマーのDarren Smithがバックボーカルで参加)。まずはオープニングの①This Cityが爽快メロハー系のキラーチューンで僕はこの曲の先行PVを見た瞬間に本作購入を決めました。Martin兄弟恐るべし。それ以外にも爽やかなサビメロが耳に残る②When You Believeとダイナミックなメロディ展開がいかにも彼らしい⑩Yesterday's Rainの2曲を書いたErik、アルバム随一の泣きメロが胸に沁みるバラード④Crazyを提供したRonny Milianowicz(Ds/SAINT DAEMON)などFRONTIERS御用達ライター陣の作曲能力の高さには改めて感心してしまいますね。また、このアルバムには③Part Of Me、⑨When November FallsというRichard Marxのカバー2曲も収録されていて、楽曲の素晴らしさだけでなくアルバムへの溶け込み具合もお見事。なお後者はFRONTIERS恒例のアコースティックバージョンが日本盤ボーナスとして収録されていて僕はこちらの方が好きですね。

本作がハーレムサウンドを再現しているかは微妙なので、レーベル側が謳う「HAREM SCAREM復活」を過度に期待すると肩透かしをくらう可能性もありますが⑤Goodbye To The Good Timesのようなハーレム時代にはなかったタイプの曲を歌うHarryが聴けるのは面白いし、メロディックロックファンならば文句なしに楽しめる1枚に仕上がっていると思います。優れたシンガーがFRONTIERSに楽曲から演奏陣、プロデューサーに至るまでをお膳立てされて歌うプロジェクトという意味でJoe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW etc)SUNSTORM、Michael KiskeのPLACE VENDOMEと同列の作品と言えるのではないでしょうか。ちなみにHAREM SCAREMが解散してからのHarryは他のアーティストのプロデュースや楽曲提供に忙しくも充実した日々を送り、HAREM SCAREM時代の盟友Pete Lesperance(G)と一緒に仕事をすることは多いものの再結成はおろかロックソングを書くこともなく、メロディックロックとは縁遠い音楽活動をしていたようです。そう考えるとHarry Hessというシーン屈指の歌い手をバンド解散後初めて表舞台に呼び戻してくれたFRONTIERSに拍手を送りたいですね。

【音源紹介】
・This City

【CD購入録】DARK MOOR「ANCESTRAL ROMANCE」(2010)

  • 2012/12/04(火) 00:00:00

【CD購入録】
ANCESTRAL ROMANCE
DARK MOOR「ANCESTRAL ROMANCE」(2010)

先日更新した6th「TAROT」(2007)と合わせてDARK MOORの8作目を買いました。バンド初期のクサメタル路線は薄まってきていて、近作ではクラシックを大胆に導入したシンフォニックサウンドが持ち味となっているようですね。前任女性ボーカルElisa C. Martin時代の方がインパクトはあったと思いますが現任Alfred Romero(Vo)のナルシスト歌唱は、豪華絢爛という言葉がピッタリな今のDARK MOORサウンドに合っていると思います。不安定さが拭いきれなかった彼のボーカルが成長している点も見逃せません。壮大なシンフォアレンジが効いたミッドテンポを軸にバンド初期を彷彿とさせるクサ疾走曲③Alaric De Marnac、バンドイメージからすると曲調、タイトルともに異色な⑤Just Rock、スペイン語歌詞が見事にはまっている⑦Cancion Del Pirataなどメロスピ一辺倒ではない楽曲群がいいですね。これ!というキラーチューンこそないものの繰り返し聴きたくなる1枚です。

【CD購入録】DARK MOOR「TAROT」(2007)

  • 2012/12/02(日) 00:00:00

【CD購入録】
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DARK MOOR「TAROT」(2007)

3rd「THE GATES OF OBLIVION」(2002)を最後に、しばらく聴いていなかったものの7th「AUTUMNAL」(2008)がなかなか良かったスペイン産シンフォニックメタルバンドDARK MOORの6作目を買いました。前任の女性シンガーElisa C. Martin(Vo)の後任に男性ボーカルAlfred Romeroを迎えての3枚目となる本作はアルバムタイトルにもあるように占いで使われるタロットカードがテーマの作品となっています。「タロットカード」というと僕は「ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スタークルセイダーズ」を思い出しますね。余談ですが、最近なぜか自分の中でジョジョ熱が再燃していて、最新シリーズも読んでみようかと思ってみたり…。話をDARK MOOR「TAROT」に戻すと本作は疾走系が半分以上を占め、クサメロも冴え渡っているのですんなり楽しめました。次作「AUTUMNAL」以上に即効性が高いかも。女性コーラスやデス声を交えつつ⑦Deathでアグレッシブに迫ってきたかと思えば、⑧Loverはメロウに聴かせたりと曲名に合わせて楽曲も異なる表情を見せてくれています。今のお気に入りは③The Star、⑥Devil In The Towerといったところですね。Elisa脱退に端を発する分裂騒動後にバンドは迷走期に突入していたらしい(僕は4thと5thは未聴)ですが、このアルバムは僕のメロスピ心をくすぐってくれる良盤だと思います。