ROYAL HUNT featuring D.C. Cooper@心斎橋クラブクアトロ(2011.4.26)

  • 2011/04/28(木) 00:00:00

ROYAL HUNT featuring D.C. Cooper@心斎橋クラブクアトロに行ってきました。
思い出補正が入っていたり記憶が曖昧な部分もあったりしますが、今回のライブの思い出を残しておくために記事にしてみました。

ROYAL HUNT FEATURING DC COOPER20110426

仕事を早々に片付け、というか実際は翌日に先送りして(苦笑)18時前に会社を出発。僕の勤務先は今回の会場であるクラブクアトロまで2駅なので18時を少しまわったくらいに駅に着き、余裕があるなと思いつつ会場に向かう道を歩いていたらなんとAndre Andersen(Key)を始めとするメンバーご一行に遭遇!あまりに予期せぬ出来事だったため「Andre、でっけぇ~」と思いながら見つめるだけで、声をかけ損ねてしまいました…。

僕はライブ参戦自体が約10年振りだったし、ミュージックライフにおける最重要バンドのひとつROYAL HUNTのライブは初体験、しかも僕が初めて出会った神盤「PARADOX」(1997)の完全再現ということもあって妙に緊張しながら会場へ。開演まで30分ほどあったので記念にTシャツでも買おうかと思ったのですが、物販はバンドのCDと「PARADOX」のレコード盤のみでした。残念…。周囲を見てみるとお客さんの年齢層は結構幅広い感じで、若い人だけでなく僕のようなスーツ姿のサラリーマンから年配の方までいらっしゃいました。

開演予定時間の19時ちょうどにショウはスタート。このライブに備えて、ここ最近聴きまくっていた「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER」(1998)と同じくAve Maria Guaraniが流れる中、まだ暗いステージ上に黒いマントを纏ったD.C. Cooper(Vo)の影が見えると場内は大歓声。まだ姿は見えないもののアコースティックギターに導かれて「Standing at the crossroad…」とThe Awakeningを歌い出す声は紛れもなくD.C. Cooper!そしてRiver Of Painが始まると同時にD.C.がマントを脱ぎ捨てシャウトを決めてからは本当に夢のようなひと時でした。1998年にD.C.が解雇という形でバンドを去った後、もう彼が歌うROYAL HUNTは2度と聴けないと思っていましたが、こうして「PARADOX」再現ライブを体験できる日が来るとは…。今も衰えることのない派手なアクションにあわせて歌うD.C.の声は強力だし、終始にこやかな表情で時にはピョンピョン飛び跳ねながら演奏するAndreの姿も印象的でした。John West(Vo)、Mark Boals(Vo)も素晴らしいシンガーだと思いますが「やはり僕にとってROYAL HUNTの声はD.C.なんだなぁ」としみじみ。

そしてD.C.は相変わらずのナイスキャラですね。前述のアクションと歌声に加えて、掛け合いでは場を盛り上げようとAllan Sorensen(Ds)に代わってドラムを叩いたり、2枚組ライブ盤の名言「ゴキゲンイカガー!」こそなかったものの「ミンナ、ノッテルカーイ」などの怪しい日本語を駆使して場を盛り上げたり、フロントマンとしても見応えがありました(覚えたての日本語を使おうとしたもののお客さんに通じなかったり、Message To Godの歌詞を間違ったりしたのはご愛嬌)。なんといっても今回最大のヒットはお客さんとの掛け合いの時に飛び出した「ラブ注入」ですね(笑)。楽しんごのネタがD.C.のお気に入りだったのか、それともBURRN!誌5月号に掲載されていたROCKOMANGAの影響なのか定かではありませんがこれにはウケました。またステージ演出についても過去に映像化されたライブ作品に比べると小規模ではありましたが、ステージ後方には「PARADOX」のジャケットに似たステンドグラスのバックドロップがあったし、女性バックボーカルの2人がTime Will Tellでシスターに扮したり、It's Overではそれまで後方に控えていた彼女達が前に出てきてクライマックスを盛り上げてくれたりと、「PARADOX~CLOSING THE CHAPTER」を彷彿とさせる内容だったのも嬉しかったです。

「PARADOX」の部が終了後、ほどなくして流れてきたのは3rd「MOVING TAGET」(1995)のオープニング曲Last Goodbyeのイントロ。人気曲なので会場は盛り上がっていましたが「Last Last Goodbye♪」のコール&レスポンスはやや微妙だったような気もしましたがD.C.がお客さんを上手く煽って最後は大合唱でした。和やかムードのMCを挟んで演奏されたのは「MOVING TARGET」の2曲目1348。ここでD.C.が2枚組ライブ盤だけでなくビデオにもなった「1996」(1996)のLast Goodbye演奏時に見せていた旋回アクションを披露!続いて今回の震災に触れてスタートしたFar AwayではD.C.が赤いスポットライトを浴びながら熱唱。たっぷりタメを効かせたエンディングも実に感動的でした。間髪入れずにコールされたStrandedはこの日2回目の掛け合いタイムを盛り込んでいて、ドラムを叩くD.C.が見れたのも良かったです(今は亡きGOTTHARDのシンガーSteve Leeを思い出してしまいましたが…)。

Strandedが終わるとD.C.は2人の女性バックボーカルを紹介。ファンにはお馴染みのMaria McTurkともう1人は「COLLISION COURSE」(2008)、「X」(2010)といった近作に参加していたMichelle RaitzinではなくAlexandraという人のようでした。彼女達がステージ左右の前方に立ち、D.C.から「次は何の曲だと思う?」と聞かれ場内からは「Time!」の声。そう、僕が待ち望んでいたTimeの「1996」バージョンです。やはり、このアレンジは何度聴いてもグッと来ますね。そしてエンディングで「1996」と同じくメンバーが1人ずつステージを去っていく演出をしれくれたのも良かった。最後にAndreが退場してから少し間を置いてステージに現れたのは今回のツアー前に加入した新ギタリストJonas Larsen。彼のことは全く知りませんでしたがJKMarcus JidellといったROYAL HUNTの歴代ギタリストと比べるとYNGWIE色が濃いせいかTime Will Tellなど、ほとんどの曲のソロで違和感がありましたね。Jonasのソロタイムが一段落した後に彼がパガニーニ24の奇想曲を弾いているとAndreが指揮者の真似をしながら登場し、ショルダーキーボードを持ってJonasとのソロバトルに突入。そこから1st「LAND OF BROKEN HEARTS」(1993)収録のインストFreeway Jamを経てROYAL HUNTを代表するインストMartial Artsへ。やはりこの曲は盛り上がりますねぇ。

その後メンバーが一旦ステージを去ってからAndreが1人で戻ってきて今回のツアーが実現できたことに対してプロモーター、クルー、スタッフへの感謝の気持ちを述べた後にメンバー紹介。Andreは「KIMONO」と言っていましたが、何故かメンバー全員が一般のホテルにありそうな白いパジャマ(?)を着て登場していました。最後にD.C.を紹介した後に2人がガッシリ抱擁する姿は感慨深かったですね。Andreが持ち場に戻って自分も白いパジャマを着ようとしたところ、サイズが小さすぎてもたついているのを見たD.C.がタオルでAndreを隠そうとしていたのも微笑ましい光景でした。そんなリラックスムードの中で演奏されたEpilogueでもってライブは終了。本当にあっという間の2時間でした。

D.C.がMCで「今回のツアーはこの大阪公演が最後」と言っていたし、AndreとD.C.がハグする場面もあったので、彼らどちらかの口から今後の活動について話があるのではと期待していましたが結局そのことに触れることはありませんでした。D.C.時代に思い入れがある僕としては、これを機に彼が完全復帰という流れを期待したくもなりますが、とにかく今はD.C.の奇跡の(一時)復帰を体験した余韻に浸りたいと思います。

素晴らしいライブでした。ありがとうROYAL HUNT!

【セットリスト】
01. Ave Maria Guarani~The Awakening
02. River Of Pain
03. Tearing Down The World
04. Message To God
05. Long Way Home
06. Time Will Tell
07. Silent Scream
08. It's Over
(以上「PARADOX」の完全再現)
09. Last Goodbye
10. 1348
11. Far Away
12. Stranded
13. Time
-アンコール-
14. Guitar Solo~Freeway Jam
15. Martial Arts
16. Epilogue

【CD購入録】ANDERSEN/LAINE/READMAN「Ⅲ」(2006)

  • 2011/04/26(火) 00:00:00

【CD購入録】
ANDERSEN LAINE READMAN THREE
ANDERSEN/LAINE/READMAN「Ⅲ」(2006)

2004年にSteen Mogensen(B)Jacob Kjaer(G)が同時期に脱退したため活動が頓挫してしまったROYAL HUNTの総帥Andre Andersen(Key)Paul Laine(Vo/ex-DANGER DANGER)と組んだプロジェクトにDavid Readman(Vo/PINK CREAM 69)が加わることで誕生したANDERSEN/LAINE/READMANの1stアルバムを買いました。Andreが手がけた本編全10曲をPaulとDavidがデュエットはせず1曲ずつ交互に歌うという作風で、Andreの2ndソロ「BLACK ON BLACK」を下地にキーボードサウンドはROYAL HUNT「PAPER BLOOD」(2006)っぽい部分もあるので、やはり「別のシンガーが歌うROYAL HUNT」のように聴こえますね(その大きな要因はKenny Lubkeのバッキングボーカルにあると個人的には思っています)。ただ、ROYAL HUNTを連想させるということは一定レベル以上のクオリティを誇る作品ということだし、似ているとはいえ全曲が3~4分台とコンパクトかつシンプルに纏められていたり、曲によってはブルージーな側面も垣間見ることができたりするなど相違点も若干あります。現在のお気に入りはDavidが歌うメロディアスチューン⑥Don't Need A Thingかな。ちなみに日本盤ボーナス⑪Another MeはAndreが全く関与していないPaul作のポップソングで、本編の曲とかなり印象が異なるものの佳曲だと思います。

【ニュース】Roy Khan(Vo)がKAMELOTから脱退

  • 2011/04/24(日) 00:00:00

先日KAMELOTの初期3作品のCD購入録とあわせて体調不良のためツアーに同行できなかったRoy Khan(Vo)の現状に関する記事を書いたばかりですが、Royが正式にバンドからの脱退を発表しました。ソースはこちら
正直なところ、前回の記事で紹介したThomas Youngblood(G)のインタビュー記事を読んでいて「Royのバンド復帰はかなり厳しそうだな」とは思っていましたが、こうして脱退を正式発表されるとやはりショックですね。

どうやらRoyは脱退の意思を去年の秋にはバンド側に伝えていたそうなのですが、ツアーのチケットセールスのことも考えてバンドはそれを発表するのではなくRoyに考え直す時間を与えていたのだとか。しかし、Royがこうして正式発表をしたことを受けてかKAMELOTのオフィシャルサイト上ではバンドが既に後任探しを始めており、複数の優れたシンガーからコンタクトがあったことも発表されています。ただし、バンドにとって非常に大きな決断となるためニューシンガー選びには時間をかけるつもりだそうです。

Royがバンドに加入したのが1998年、彼が作曲にも深く関与するようになった4th「THE FOURTH LEGACY」(2000)で初めてKAMELOTを聴いて僕は一気にファンになりました。ここ最近の作品にはそれほどのめり込んではいませんが、The Fourth LegacyForeverCenter Of The UniverseMemento Moriなどは僕のミュージックライフに欠かせない楽曲群です。Royの脱退理由が「燃え尽きた。家族と一緒に過ごす時間を増やしたい」という内容なので彼の今後の活動については不明ですが、いつか再び彼の妖艶な歌声を聴きたいですね…。

【CD購入録】STEEL SEAL「BY THE POWER OF THUNDER」(2006)

  • 2011/04/23(土) 00:00:00

【CD購入録】
BY THE POWER OF THUNDER
STEEL SEAL「BY THE POWER OF THUNDER」(2006)

Marco Valerio Zanganiなるギタリストを中心としたイタリアのメロディック・パワーメタルバンドSTEEL SEALのデビュー作を買いました。このアルバムの注目ポイントは何と言ってもD.C. Cooper(Vo/SILENT FORCE、ex-ROYAL HUNT)がゲストシンガーとして全曲に参加している点。はっきり言って僕の購入動機も「D.C.が歌っているから」です。中身の方はネオクラシカル(③Theatre Of Pain、⑤When The Devil CallsはモロにYNGWIE)っぽかったり、ハードロック風だったりするメロパワ作品でD.C.も流石のボーカルパフォーマンスを披露してくれていますが、楽曲の方にこれという特徴がないのが惜しい。サウンド自体は嫌いではないんですけどね。D.C.がこのバンドの正式メンバーになる可能性は低いだろうから次作では正式シンガーが加入するのかと思っていたら、なんと2nd「REDEMPTION DENIED」(2010)では北欧の実力派で多くのバンド/プロジェクトを渡り歩いているThomas Virkstrom(Vo/STORMWIND etc)を迎えているとか。このSTEEL SEALはバンドというよりもMarcoが豪華シンガーを招いてアルバムを出すプロジェクトとしての道を歩もうとしているのでしょうか…?

【CD購入録】PRIVATE LINE「DEAD DECADE」(2011)

  • 2011/04/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
DEAD DECADE
PRIVATE LINE「DEAD DECADE」(2011)

4月発売の新譜で最も注目していたフィンランド産ハードロックバンドPRIVATE LINEの3作目を買いました。このバンドは2nd「EVIL KNIEVEL FACTOR」(2006)が僕好みの作風だったのとBURRN!誌でも高評価だったこともあって高まっていた期待を裏切らない1枚だと思います。HARDCORE SUPERSTAR、CRASHDIET、CRAZY LIXXといった同系統バンドが2010年に発表した新作以上に第一印象はいいですね。前作にあった破天荒さを抑え、キャッチーなメロディを強化したハードロックを基本にしつつ曲によってディスコ調、ブルージーな渋さ、楽しげなフォーキーサウンドを盛り込んでいる辺りも良いアクセントになっています。1st「21ST CENTURY PIRATES」(2004)はまずまずという印象でしたが、ここ最近の2作品の充実振りは目をみはるものがありますね。

【CD購入録】KAMELOTの初期3作品

  • 2011/04/19(火) 00:00:00

【CD購入録】
体調不良(燃え尽き症候群?)のRoy Khan(Vo)の代役にFabio Lione(Vo/RHAPSODY OF FIRE)を迎えてツアー中のKAMELOTの初期3作品を買いました。このバンドは3rd「SIEGE PERILOUS」(1998)の制作段階で加入したRoyが作曲面にも関わるようになった4th「THE FOURTH LEGACY」で化けたとは聞いていましたが、その4作目以降のクオリティを知った上でこうして初期作品を聴くと、確かに4thは大躍進アルバムだったんだとつくづく感じますね。

ETERNITY.jpg
KAMELOT「ETERNITY」(1995)
記念すべきデビューアルバム。アメリカのバンドとは思えないほどの欧州テイストを当時から発散していますね。オープニング①Eternityのイントロなんてヨーロッパの宮廷音楽かと思ってしまうほどです。作品全体としてはメロディが地味な正統派メタルという印象で、尻上がりに調子が上がっているようにも感じられるのですが、一曲一曲があまり耳に残らないんですよね。また、Roy Khan(Vo)の絶品歌唱が大きな魅力となっている今のKAMELOTを先に知ってしまった後に本作のリードシンガーMark Vanderbiltによるアクの強い歌い方を聴くと、その差を大きく感じてしまいました。

DOMINION.jpg
KAMELOT「DOMINION」(1996)
デビュー作の翌年にリリースされた2作目。前作からインターバルが短く、同じメンバーでレコーディングされていることもあってか音楽性はデビュー盤と大きな違いが見られません。Mark Vanderbilt(Vo)によるクセのあるボーカルは若干アクが薄くなっていますね。前作を聴いた時ほどマイナスイメージはなく、シンガーとしてはの声質やパワーは悪くないけれど歌い方の妙なクセが僕は好きになれないんだと思います。とにかくドラマティックでシンフォニックなメタルをやろうとする姿勢は感じられるものの、前作同様にメロディのフック不足が残念。KAMELOTの初期作品(特に本作まで)については、個々のアルバムとしては物足りないですが1990年代半ば~後半というグランジ隆盛、正統派メタル不遇の時代にアメリカでここまで徹底したヨーロピアンメタルを追求した信念があったからこそ、後の飛躍に繋がったんだと思っています。

SIEGE PERILOUS
KAMELOT「SIEGE PERILOUS」(1998)
前作発表後にMark Vanderbilt(Vo)、Richard Warner(Ds)がバンドを脱退。後任に元CONCEPTIONのシンガーRoy Khanと無名のCasey Grillo(Ds)を迎えています。このメンバーチェンジでKAMELOTは飛躍のきっかけを掴みましたね。Royのボーカルがバンドの格を向上させたのは言わずもがな、Caseyのドラミングも非常にタイトで過去2作品以上にアルバム全体が締まっているように感じられます。本作に収められた楽曲群はこれまで同様プログレテイストもあるダークなミドルチューン主体ではあるものの、バンド初のメロパワ系疾走曲②Millenniumを収録するなど、これまでと比べてメリハリがついてきた印象です。Royは本作の制作途中で加入したため楽曲面でのインプットは少ないようですが、シンガーとして見事なまでの存在感を放っていますね。なお、本編ラストのインスト⑩SiegeにはTore Ostby(G/ex-CONCEPTION)がゲスト参加しています。

以上が3枚をサラっと聴いた現時点での印象です。

さて、気になるRoyの状態とKAMELOTの今後についてリーダーのThomas Youngblood(G)がインタビューで語っていますね(相互リンク先の猫メタルneoさんの記事で知りました)。

Thomasのインタビューを僕なりに要約してみました。
・今回の件にはRoyの宗教的な事柄が関係している可能性がある
・最近のRoyはライブ再現率が低くなっていたので、それを考慮したセットリストを組んでいたがFabioなら問題ない
・今はツアーに集中したいし、これからもKAMELOTの活動ペースを落とすつもりはない
・Royを解雇するつもりはないが、ツアー終了後に新作に取り掛かる時点でRoy復帰の目処が立たないようなら後任について考える必要がある

うーん…全体的にRoyの復帰が心配になる内容ですねぇ(訳が間違ってたらスミマセン)。今回、Roy加入前と加入直後のバンド初期作品を聴いてKAMELOTにとって彼がいかに大事な役割を果たしているかを痛感したので、是非とも復帰してもらいたいですね。

SOILWORK「THE CHAINHEART MACHINE」(2000)

  • 2011/04/17(日) 00:00:00

CHAINHEART MACHINE
【No.284】
★★★(2003)

1998年のデビュー作「STEELBATH SUICIDE」でのブルータリティと叙情ギターを融合させたARCH ENEMY型メロデスサウンドが注目を集めたツインギター編成にキーボード奏者も擁するスウェーデンの6人組SOILWORKによる2ndアルバム。前作はアルバム全編に渡ってバンドの持ち味を出せてはいたものの、個々のメロディがあまり印象に残らなかったため僕的にはイマイチな作品でしたが今回は大きくグレードアップしていますね。中心人物Peter Wichers(G)とデビューアルバム完成直後に加入したギタリストOla Frenning(血縁的にはPeterの叔父)の2人が奏でる泣きのギターの質と量がグッと向上していて、本作におけるツインギターの活躍振りはSOILWORKの作品群の中でもトップだと思うし、メロディアスなギターパートとアグレッションに満ちた楽曲を繋ぐスムーズさは本家ARCH ENEMY以上かもしれないと思えるほどです。

本作には僕の琴線を刺激しまくって堪らないというほどのキラーチューンこそありませんがIN FLAMES、DARK TRANQUILLITY、ARCH ENEMY、CHILDREN OF BODOMという当時の北欧メロデスシーンで大きな存在感を放っていた四天王に追随するのはこのSOILWORKだと感じさせてくれるナンバーは確実に存在しています。中でもメカニカルなイントロとBjorn“Speed”Strid(Vo)のシャウトで幕を開けSOILWORKの旨みがギュッと凝縮されたオープニングトラック①The Chainheart Machine~④Generation Speedkillと続く冒頭の畳み掛けの時点で前作からの成長を見せつけてくれます。溢れんばかりのギターメロディが楽曲全体を覆い、リフは鋭くソロは滑らかで美しいという「剛」と「柔」のバランスも良好で、ARCH ENEMYが暴虐サウンドの中に一撃必殺のギターソロをやや唐突に挿入していたのに対し、SOILWORKは扇情力こそ一歩譲るもののしっかりと尺を確保して⑦Spirits Of The Future Sunのように、これでもかとばかりに弾きまくるインストパートが魅力的ですね。作品トータルで見ると整合感に欠ける部分があようにも思いますが聴き応えは十分でリピートを誘われます。

バンドは次作3rd「A PREDATOR'S PORTRAIT」(2001)でBjornがデス声だけでなくクリーンボイスでも歌うというスタイルを取り入れ、4th「NATURAL BORN CHAOS」(2002)以降のアルバムでその音楽性を推し進めていくことになります。個人的には3作目以降のSOILWORKの方が好きなのですが、本作の方向性をバンドが突き詰めていたらどんな作品が生まれたのか気になるところですね。ちなみに本作にはボーナストラックとして⑪Shadowchildという楽曲が収録されています。この曲は3rdアルバムに再録されていて本作のバージョンはデモ版という印象ですが、大胆にクリーンボーカルを導入するSOILWORKの未来像を感じさせる1曲となっていますね。

【音源紹介】
・The Chainheart Machine

【CD購入録】SERENITY「DEATH AND LEGACY」(2011)

  • 2011/04/15(金) 00:00:00

【CD購入録】
DEATH AND LEGACY
SERENITY「DEATH AND LEGACY」(2011)

オーストリア産シンフォニックメタルバンドSERENITYの3作目を買いました。このバンドは前作「FALLEN SANCTUARY」(2008)から聴いているのですが、今回も疾走感は抑えつつ優雅で気品溢れるメタルサウンドが繰り広げられています。フロントマンGeorg NeuhauserRoy Khan(Vo/KAMELOT)を彷彿とさせる歌唱の進化に呼応するかのように音楽性もKAMELOT、またはAlfred Romero(Vo)加入後のDARK MOORに近くなったような気もします。小インスト込みとはいえ全17曲の長丁場でキメ曲がないのは惜しいですが、繰り返し聴きたくなる心地好いシンフォニックメタル作品だと思います。今のお気に入りは本作の中では即効性の高い⑪Youngest Of Widowsで、これが日本盤ボーナスなんですね。レーベルとバンドどちらの意図かは不明ですが、この曲を日本向けに収録してくれたことに拍手。

SOILWORK「STEELBATH SUICIDE (SPECIAL EDITION)」(2003)

  • 2011/04/12(火) 00:00:00

STEELBATH SUICIDE2003
【No.283】
★(2003)

後に北欧メロデス/エクストリームメタルバンドの雄として名を馳せることになるSOILWORKのデビューアルバム。元々のリリースは1998年ですが僕が持っているのは2003年の2枚組再発バージョンで、DISC-2には2002年来日公演のライブテイク4曲とデモ音源6曲が収録されています。本作の時点ではノーマルボイスとデス声を巧みに使い分けるSOILWORKらしさはまだ確立されておらず、Bjorn“Speed”Strid(Vo)も獣じみた咆哮で押しまくっています。当時のSOILWORKはブルータル系メロデスバンドという印象で、そのアグレッシブなサウンドの中で舞う叙情ギターフレーズが良いアクセントとなっている本作のスタイルは自然とARCH ENEMYを連想させますね。

本作はバンドのメロディアスギター的側面をAngel、暴虐性をDiaboliqueという単語で象徴されるSOILWORKの音世界へ誘うかのような曲名を持つギターインスト①Entering The Angel Diaboliqueで幕を開けます。その後もバンドの2大特性が絡み合った楽曲が並んでいて彼らの目指す音楽性はヒシヒシと伝わってくるものの、肝心のメロディ(特にボーカルパート)がやや凡庸なため聴き終えた時点で耳に残る曲があまりないように思えてしまうのが残念ですね。インスト⑧Centro de Predominioに続く⑨Razorlivesのギターソロが発散する泣きはなかなかのものだし、アルバム終盤は前半以上にメロディのフックがある曲も収録されていますが、正直なところ本作は僕にとって初期SOILWORKサウンドを確認するために時々聴く1枚という感が拭えません。これは僕がメロデスやブルータルメタルにおいても、その暴虐性の中に一定レベルのメロディを求める嗜好を持っているということと、本作を聴く前にバンドが大躍進を遂げた3rd「A PREDATOR'S PORTRAIT」(2001)~5th「FIGURE NUMBER FIVE」(2003)を聴いてしまったからだとは思いますが…。

このアルバムにはHR/HMリスナーであれば一度は耳にしたことがあるであろうDEEP PURPLEの名曲⑬Burnが日本盤ボーナスとして収録されていて、実は僕の購入動機もこのカバー曲によるところが大きかったりします。出来の方もオリジナル曲を壊さないギリギリのレベルにまでブルータルなアレンジが施された面白い仕上がりとなっていて良いですね。Disc-2に収録されているライブ4曲については現在のところバンド唯一の公式ライブ音源で、Devin Townsendをプロデューサーに迎えて緻密に作り込んだ4th「NATURAL BORN CHAOS」(2002)収録のDisc-2④As We Speakのような「聴かせる」タイプの楽曲はスタジオ盤ほどの厚みに欠けるきらいはあるものの、攻撃性剥き出しのDisc-2③Chainheart Machineなどは一段とカッコよくなっているのでフルレンスライブ盤が聴きたくなります。またDisc-2の5曲目以降のデモ音源はリーダーのPeter Wichers(G)が偶然知り合ったMichael Amott(G/ARCH ENEMY)に手渡したことがきっかけでデビューにこぎ付けたデモテープ「IN DREAMS WE FALL INTO THE ETERNAL LAKE」からのものらしいので、生粋のSOILWORKファンの方にとっては興味深い音源ではないかと思います。

【音源紹介】
・Burn(DEEP PURPLEのカバー)

【気になるCDリスト】2011年4月

  • 2011/04/10(日) 00:00:00

DEAD DECADE
PRIVATE LINE「DEAD DECADE」4月20日発売

北欧バッドボーイズロックバンド群の中でも前作「EVEL KNIEVEL FACTOR」(2006)のメロディセンスがかなりツボだったフィンランド出身PRIVATE LINEの3作目。2nd発表後に音沙汰がなかったので、どうしてるのかと思ったら新作をしっかりレコーディングしてくれてたんですね。B!誌レビューによると「今回はメロディの充実振りが素晴らしい」そうなので期待が募ります。

PERFORMOCRACY.jpg
THE POODLES「PERFORMOCRACY」4月27日発売

ノルウェーのWIG WAMと並んで北欧メロディックロックの雄と称されることも多いスウェーデン出身バンドTHE POODLESの4thアルバム。以前から輸入盤がそろそろリリースされるという話は耳にしていましたが、国内盤の情報は掴めていませんでした。輸入盤が発売されてから国内盤が出るまで時間がかかった前作「CLASH OF THE ELEMENTS」(2010)と違い、今回は輸入盤とほぼ同じタイミングでのリリースとなるようですね。日本における注目度はWIG WAMがやや上かもしれませんが、僕はこのバンドも好きです。
新作からCuts Like A KnifeのPVも公開されています。

Cuts Like A Knife


4月の新譜についてはあまり情報収集できてなくて、B!誌の今月号を読むまでは購入する新譜は白紙状態でしたが上記2作品は押さえておきたいところです。その他ではPOISONBLACK「DRIVE」、SCAR SYMMETRY「THE UNSEEN EMPIRE」といったところが気になっています。

そして今月は何と言ってもROYAL HUNT featuring D.C. COOPERの来日という僕にとってのビッグイベントがあります。震災の影響で来日中止になるかと心配していましたが、どうやら来てくれそうですね。しっかりと予習をしてライブに備えたいと思います。

【ニュース】ARCH ENEMYの新曲音源

  • 2011/04/08(金) 00:00:00

昨年はSPIRITUAL BEGGARSで新作「RETURN TO ZERO」をリリースしたMichael Amott(G)率いるARCH ENEMYが5月18日にリリースする8th「KHAOS LEGIONS」より新曲Yesterday Is Dead And Goneの音源が公開されています。

Yesterday Is Dead and Gone


この曲を聴く限り、ギターメロディをふんだんに盛り込んだメロデスチューンという感じで僕の好きだった前作「RISE OF THE TYRANT」(2007)を継承しているようで嬉しいです。5月の注目盤は「KHAOS LEGIONS」で決まりですね。

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA」(2011)

  • 2011/04/06(水) 00:00:00

【CD購入録】
THE FLYING OPERA
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」(2011)

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)が結成した現代パワーメタル界屈指のプロジェクトAVANTASIA初のライブ作品(2DVD、2CD仕様盤)を買いました。本作は2008年のTHE SCARECROW WORLD TOURよりドイツで毎年開催されているヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIRとチェコで行われたMONSTERS OF ROCKの音源で構成されていて、2公演のテイクを日本を含めた2008年ワールドツアーのセットリスト順に編集したもののようです。いやぁ、これは素晴らしい。購入前からある程度予想はしていましたが、3rd「THE SCARECROW」までの曲でベストに近いセットリストからなる本作は2011年に買った新譜の中では1番好きかもしれません。ソングライター/シンガーとしてだけでなくステージではフロントマンとしても超アクティブに躍動するTobiasを筆頭に、AVANTASIAの音世界を見事にライブで再現してくれたゲストシンガーと演奏陣に目がクギ付けです。スタジオ盤に参加していた豪華ゲストについては全員ではないもののツアーに帯同していて、険しい表情で熱唱する姿に「歌鬼」の異名は伊達ではないと思ったJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)、マイクを持っていない右手の動きがまるでオーケストラの指揮者のようであるために小澤 征爾さん(あくまで僕のイメージです)に見えたBob Catley(Vo/MAGNUM)など、このDVDで初めてライブを目にしたミュージシャンも多いです。まだDVDは2回しか見ていませんが何度もリピートしたくなりますね。

そして見逃せないのが、これまでのAVANTASIAの歩みをTobiasがロングインタビューで語るDVDのDisc-2です。「自分のアイドル達と共演したい」という想いからスタートしたAVANTASIAの歴史、初のPVが制作されたシングルLost In Spaceの誕生秘話や、それをWACKENで演るかどうかの葛藤などスタジオ作品を聴いているだけではわからないAVANTASIAの裏側を見ることができます。才能に溢れていながらも決しておごることなく周囲への感謝の気持ちを忘れないTobiasの言動は素晴らしいと思うし、僕のわずか1歳年上の彼が夢を叶えて自分が憧れていたスターと共演している姿が本当に眩しくてカッコいい。特に印象的だったのは⑮FarewellでWACKENの大観衆が一体になっているのをステージから見て感激しているTobiasの顔。自分の夢が実現した時に人はこんなにも素晴らしい表情になるんですねぇ…。2010年に行われたAVANTASIA2度目のワールドツアーも是非DVD化して欲しいです。

【CD購入録】BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

  • 2011/04/03(日) 00:00:00

【CD購入録】
AT THE EDGE OF TIME
BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

HELLOWEEN、GAMMA RAYと並ぶジャーマンメタル、いやメロディックメタル界の大御所バンドBLIND GUARDIANの9作目を買いました。音楽、歌詞の両面でファンタジックかつドラマティシズムに満ち溢れた音世界は流石の一言なのですが、このバンドにはキャッチーでクサいメロディを大合唱させてくれる曲を期待する僕としてはもう少しメロディのフックが欲しかったかな。シングルにもなった⑨A Voice In The Darkのようなわかりやすいパワーメタルを今のBLIND GUARDIANに求めてはいけないのかもしれませんが…。

2010年はHELLOWEEN、GAMMA RAY、BLIND GUARDIANというドイツ産パワーメタルのBIG3による新作が揃い踏みした年でした。それぞれの印象としては、バンドの個性でもあったコミカルさを抑制してストイックなメタルサウンドを提示したHELLOWEEN「7 SINNERS」、デビューから20年に渡って不変のメタル道を追求し続けているGAMMA RAY「TO THE METAL」、バンドサウンドがファンタジックでドラマティックなパワーメタルというよりも「BLIND GUARDIANというひとつのジャンル」になったと感じさせられるBLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」という感じですね。

【CD購入録】GAMMA RAY「TO THE METAL」(2010)

  • 2011/04/01(金) 00:00:00

【CD購入録】
TO THE METAL
GAMMA RAY「TO THE METAL」(2010)

本作の帯タタキにもある通り、彼こそがメロディック・パワーメタルのゴッドファーザーだと僕も思っているKai Hansen(Vo、G)率いるGAMMA RAYの10作目を買いました。KaiがHELLOWEEN脱退後にこのバンドを結成して早20年になるんですね…。新譜が出る度に即買いしているHELLOWEENに対してGAMMA RAYは5th「SOMEWHERE OUT IN SPACE」(1997)を最後にしばらく聴いていなくて、前作9thがバンドの代表作「LAND OF THE FREE」(1995)のパート2ということだったので久し振りに買ってみたもののイマイチ響いてこなかったため本作も購入を迷っていました。しかし現時点の感想として、今回は前作よりも耳に残るメロディが多い良作だと思います。近年よく指摘されるバンドのオマージュ癖については元ネタと言われるJUDAS PRIEST、IRON MAIDENといったバンドを十分聴き込んでいない僕はさほど気になりませんでした。ただHenjo Richter(G)作の③Time To LiveについてはKaiがHELLOWEEN時代に書いたI Want Outをすぐに思い出しましたが(苦笑)。ちなみに②All You Need To KnowMichael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、UNISONIC、ex-HELLOWEEN)が「LAND OF THE FREE」以来、約15年振りのゲスト参加を果たしていてサビの一部を歌っています。せっかくなら前作に参加出来ればなおよかったのですが、なかなかうまくいきませんね。総合的に見てGAMMA RAYらしいメタルサウンドがギッシリ詰まった1枚だと思います。