【CD購入録】KHYMERA「THE GREATEST WONDER」(2008)

  • 2009/08/31(月) 00:00:00

【CD購入録】
THE GREATEST WONDER
KHYMERA「THE GREATEST WONDER」(2008)

Joe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW、YNGWIE MALSTEEN etc)をフロントマンに据えたメロディアス・ハードロックプロジェクトSUNSTORMの2nd「HOUSE OF DREAMS」を聴いて、その作品に数曲を提供していたTomとJamesのMartin兄弟が気になったので、彼らが全面参加しているKHYMERAの3作目を買いました。僕はMartin兄弟目当てで本作を買いましたが、一般的にはイタリアのマルチミュージシャンDaniele Liverani(Key)主導のメロハープロジェクトとして通っているようです。で、肝心の楽曲はというと、これがSUNSTORM以上に充実していて、僕のようなメロハー愛好家にとって堪らない内容となっています。お気に入り曲は非常に多いのですが敢えて1曲選ぶならタイトルトラック⑧The Greatest Wonderかな。そんな楽曲を歌うのはPINK CREAM69のリーダー兼ベーシストとしてだけではなく、敏腕プロデューサーとしても活躍しているDennis Wardです。並外れた歌唱力を持っているわけではないのですが、ややハスキーで耳馴染みの良い彼の歌声は都会的なメロハーの王道を行く本作の音楽性に最適だし、若きギタリストTommy Ermolli(イントロ①Ablazeのみ彼の作曲)が楽曲に華を添え、Danieleが多彩な音色で鮮やかなアレンジを施すことで生まれるKHYMERAサウンドは本当に気持ちいいです。ここまで充実した作品を聴くと、本作と同じメンバーで制作したという彼らの2ndにも俄然、興味が湧いてきますね。

GOTTHARD「OPEN」(1999)

  • 2009/08/29(土) 00:00:00

OPEN.jpg
【No.174】
★★★★(1999)
年間ベスト1999年第4位

これまでに3枚の優れたハードロックアルバムを発表し、確固たる地位を築いたGOTTHARDがアコースティックライブ作「D FROSTED」を経て放つ4枚目のアルバム。1996年からサポートメンバーとしてバンドに関わってきたMandy Meyer(G)が加入して、本作から5人編成となっています。「D FROSTED」がハードロックファンだけでなく、より幅広いリスナーにアピールできる作品でヒット(スイスではダブルプラチナムを獲得)したこともあってか、本作は過去のオリジナルアルバムにあった激しく熱いサウンドよりもアコースティックライブ盤の心温まるメロディを継承した1枚となっています。僕が本作を初めて聴いた時点では、GOTTHARDの作品の中でも「G.」と「D FROSTED」しか知らなかったので「今回はメロディアス路線だな」程度の感想でしたが、デビュー作から聴いてきたファンにしてみれば、過去作品にあったハードロックらしさを大幅に削った本作の音楽性は衝撃的なものだったかもしれませんね。

確かに、これまでのGOTTHARDのトレードマークだったブルージーな骨太ハードロック色は後退し、アコースティックサウンドを取り入れた爽やかなアメリカン・ロックに近づいた今回の変化には驚きましたが、肝心のメロディに関しては過去最高の充実振りだと思います。洗練された哀愁のメロディが味わえる②Vision、垢抜けた印象の爽やかチューン⑥Youなどは新生GOTTHARDの魅力ですね。ハードロックの名残は⑦Cheat & Hide、⑩Back To You辺りに感じられるし、バラードの素晴らしさにおいては更なる磨きがかかっているほど。特に④Let It Rainは、これぞ珠玉のバラードと呼ぶべき名曲でピアノをバックにSteve Lee(Vo)が「Lady Jane~♪」と歌う冒頭からラストまで隙のない展開でうならされます。また過去のオリジナルアルバム全てに収録してきたカバー曲にはMOVEというバンドの⑤Blackberry Wayをチョイスしていて、ちょっぴりダークでありながらサビはキャッチーなこの曲も良いですねぇ。

本作ではディストーションの効いたLeo Leoni(G)の骨太ギターは影を潜め、あくまでSteveのボーカルを中心に据えた歌ものアルバムとなっています。4作目でここまでの落ち着きと風格を身につけ、丸くなってしまうのは早いような気もしますが、Steveという卓越した歌唱力を持つボーカリストを擁しているだけに彼の歌をメインとしたアルバムを作ってくれたのは素直に嬉しいですね。GOTTHARDが本作以降、従来のハードロック路線ではなく、より大衆的なメロディックロック作品をリリースしていることからもバンドのターニングポイント的なアルバムといえそうな1枚です。ちなみにデビュー作から本作までの4枚のアルバムと「D FROSTED」はSHM-CDで再発されています。オリジナルアルバムにはボーナストラックも追加さているようなので、これからGOTTHARDを聴く方は、そちらを買った方がいいかもしれませんね。僕が持っているのは通常CD盤ですが。

【音源紹介】
・Let It Rain

【CD購入録】THE PRODIGAL SONS「非常ベルが鳴り止まない」(2009)

  • 2009/08/28(金) 00:00:00

【CD購入録】
非常ベルが鳴り止まない
THE PRODIGAL SONS「非常ベルが鳴り止まない」(2009)

現在、無期限の活動停止状態にあるZIGGYの中心人物、松尾 宗仁(G)森重 樹一(Vo)がブルージーなロックンロールを追求するバンドTHE PRODIGAL SONSの2ndアルバム(初回限定盤)を買いました。ZIGGYが活動中の頃から存在していたTHE PRODIGAL SONSですが、ZIGGYが休止してからは本作が初めてのアルバムであり、正式な5人編成バンドとなってからも第1作目にあたります。普段はキャッチーなメロディとわかりやすさが希薄なこういうバンドはあまり聴かないのですが、たまにはこういうサウンドも良いですね。 THE PRODIGAL SONSのバンマスは松尾だということはわかっていても、やはり最初に僕の耳が惹きつけられるのは森重の歌であり、彼が歌い上げる言葉です。メロディにおける森重節はここにはありませんが、深みがあって耳に残る歌詞は紛れもない森重節です。タイトルトラック①「非常ベルが鳴り止まない」を筆頭に③「悪くない風に身を任せて」、⑥「自分を棚に上げたら」、⑧「まっぴらさ」、⑩「傘が無いのなら濡れて歩けばいい」など、曲名を見ただけで聴いてみたいと思ってしまいます。中でもお気に入りはカントリーっぽい雰囲気もある⑩ですね。即効性はあるとはいえないけれど、メンバー全員が40~50代という酸いも甘いも知り尽くしたベテランならではの味のある楽曲、演奏、歌詞を堪能できる1枚といえそうです。

GOTTHARD「D FROSTED」(1997)

  • 2009/08/26(水) 00:00:00

D FROSTED
【No.173】
★★★★★(1997)
年間ベスト1997年第2位

これまで骨太なハードロックサウンドというスタイルで人気を博してきたGOTTHARDによる初のアコースティックライブ盤。このバンドの作品は当時の最新作である3rd「G.」を聴いて「バラードは好きだけど、ブルーズっぽいハードロックチューンは苦手かも」という印象でしたが、各方面で高く評価されているGOTTHARDを手っ取り早く知るのにはライブ盤がいいかな、という軽い気持ちで本作を買ってみました。これが僕の予想を大きく上回る素晴らしい1枚で、これまで聴いたライブアルバムの中でも最高の部類に入る名盤というべき仕上がりとなっています。改めてこのバンドの力量を思い知らされました。

元々、本作購入の決め手は「G.」の中でも大好きな③Father Is That Enough?、④Let It Be、⑫One Life, One Soulが収録されてるということでした。これらの楽曲に見事なアコースティックアレンジが施されて新たな魅力を発散しているだけでなく、本作に収められている新曲4曲が実に素晴らしいんですよね。中でも、アットホームな空気が優しく包み込んでくれるカントリーソング②Out On My Own、一緒に口ずさみたくなるポジティブなメロディと歌詞に元気付けられる⑧Love Soul Matter、極上のメロディを堪能させてくれるバラード⑪Somedayの3曲は文句なしの名曲です。このバンドの強みは楽曲の良さに加えて、名シンガーと呼ぶに相応しいSteve Lee(Vo)がいること。特に⑮I’m On My Wayでの絶品歌唱は何度聴いても鳥肌ものです。シンガーとしての実力は勿論、②や⑩Hush、⑯Mighty Quinnのように観客を盛り上げ、合唱を誘うことで会場に一体感を生み出すスキルも含めて希代のフロントマンだと思います。

また、本来のバンドメンバーに加えてキーボード、パーカッション、アディショナルギタリストを加えた総勢8人体制という大所帯となっているだけあって、アコースティックサウンドながら音の厚みがあるのも特徴です。特に、オルガンサウンドとパーカッションは本作から滲み出る温かみの肝となる重要な役割を担っていますね。本作をきっかけにGOTTHARDはこれまでの骨太ロックサウンドから、よりソフトな方向へシフトし、メロディ重視の傾向が強まっていくこととなります。この後も優れたロックアルバムをリリースし続けてくれているGOTTHARDの作品の中でも、本作が間違いなく僕の一番のお気に入りです。これまでGOTTHARDのトレードマークだったハードで骨太なサウンドが影を潜めているかわりに、幅広いリスナーにアピールできそうな普遍的名盤。

【音源紹介】
・Someday(Live)

【えーやん!日本のポップス/歌謡曲!】西浦 達雄「瞬間(とき)」(1991)

  • 2009/08/25(火) 00:00:00

第91回全国高校野球選手権大会は中京大中京(愛知)の優勝で幕を降ろしました。
仕事中だったのでリアルタイムで試合は見れませんでしたが、最後まで目の離せない好ゲームだったようですね。まずは中京大中京野球部の皆様、おめでとうございます。そして9回2アウトから驚異的な粘りを見せてくれた日本文理(新潟)の選手にも感動をありがとうと言いたいですね(夜のスポーツニュースで見ました)。

また優勝校である中京大中京と接戦を繰り広げてくれた我が兵庫県代表関西学院にも拍手を送りたいです。

そんな高校野球シーズンになると聴きたくなるのが、大阪出身のシンガーソングライター西浦 達雄の名曲「瞬間(とき)」です。

・瞬間(とき)


この曲を初めて聴いたのは、僕がまだHR/HMと出会っていない小~中学生の頃だったと思います。テレビ朝日系の高校野球中継の合間に流れるこの曲を聴いて、すぐ好きになりました。今、聴いても色褪せない思い出深い1曲です。

今 めぐり来る 想いでの中に  
ほとばしる汗と涙と  
数えきれぬ程の  
かけがえのない 大切な日々
目の前をすり抜ける様に  
足早に時代が 通り過ぎようとしても  
今 この瞬間この日を  
いつ迄も 大切に 忘れずにいたい

というサビの歌詞を伸びやかに歌う西浦さんのボーカルが素晴らしいですね。

GOTTHARD「G.」(1996)

  • 2009/08/23(日) 00:00:00

G.jpg
【No.172】
★★★★(1996)

3rdアルバムにして、僕が初めてGOTTHARDの音に触れた作品です。1996年当時、僕はハードロックの中でもFAIR WARNING、ROBBY VALENTINE、TERRA NOVAなど、洗練された雰囲気のバンドを好んで聴いていたので、骨太でドライなサウンドを持ち味とするGOTTHARDの第一印象としては「バラード系は好きだけどブルージーで土の香りのするハードロック曲は苦手だなぁ」という感じでした。ところが、初めて本作を聴いてから10年以上経つ今、改めて聴いてみると96年当時の僕にはわからなかったカッコよさがある1枚だと気づいてきました。

僕が聴き初めの頃から好きだった本作のバラードについては、スケールの大きな大陸系⑤Let It Be、若干アコースティック寄りの⑥Father Is That Enough?、ボーカルとギターのみでしっとり聴かせる⑬One Life, One Soulと、タイプの異なる楽曲でありつつ、そのどれもが名曲レベルという充実振りです。特に⑤はGOTTHARDのバラード群の中でも大好きな1曲だし、⑬はMR.BIGTo Be With YouEXTREMEMore Than Wordsに匹敵する名アコースティックバラードだと思います。ハードロック曲についても初めの頃は曲名そのままにノリノリな⑨Ride On、一迅の風のように駆け抜け爽快感を残す⑫Hole In Oneといったアップテンポナンバーが気に入ってましたが、最近では④Movin' On、⑧Fist In Your Face、⑩In The Nameのような渋い魅力を持った楽曲も好きになってきました。また恒例のカバー曲シリーズは今回も健在で本作にも③Mighty Quinn(BOB DYRAN)、⑦Sweet Little Rock N' Roller(KROKUS)、⑭Immigrant Song(LED ZEPPELIN)の3曲を収録しています。僕は⑭しか原曲を知らないからかもしれませんが、どの曲も違和感なくアルバムに溶け込んでいるように思いました。

そして本作だけでなく、このバンドを語る上で欠かせないのが⑭のような楽曲も見事にカバーしてしまうSteve Lee(Vo)の灼熱ボーカルです。ロックソングでは熱く歌い上げ、バラードではソウルフルに聴かせる彼の歌声は絶品で惚れ惚れしてしまいますね。次回作「OPEN」以降、メロディアスな方向性へ傾倒していくGOTTHARDですが、本作ではLeo Leoni(G)のザクザクした骨太ギターがハードロックバンドであることを力強く主張しています。ギターサウンドが素晴らしいのも高ポイント。適度な重さを持ったハードロックサウンドとメロディが絶妙のバランスで融合した1枚であり、初期GOTTHARDを代表する作品ですね。

【音源紹介】
・Let It Be

【ニュース】気になるバンドの新曲情報

  • 2009/08/22(土) 13:52:57

8月以降にアルバムを発表するバンドの新曲がマイスペース等で公開されていますね。

まずはリメイクアルバム「ROOT OF ALL EVIL」を9月30日にリリースするARCH ENEMYBeast Of Man
ROOT OF ALL EVIL

元々は2nd「STIGMATA」の1曲目ですね。前任者Johan Liiva(Vo)バージョンが耳に染み付いているので違和感がなくはないですが、やっぱりいい曲ですよね。

そして8月28日に新作「UTOPIA」(輸入盤)を発表するジャーマンメタルのベテランAXXISタイトルトラック
UTOPIA.jpg

前作と同じ匂いがするキャッチーなメロパワチューンなので、アルバムへの期待が膨らみます。「ユート!ピ!ア!」と一緒に歌いたくなりますね。

最後は10月に4th「DARK MATTER DIMESION」を出すSCAR SYMMETRYThe Consciousness Eaters
DARK MATTER DIMENSIONS

デス声とノーマルボイスを1人で担当していたChristian Alvestam(Vo)が脱退し、後任にグロウル、クリーンボイスそれぞれを担当する2人のシンガーを加入させた新体制となって初のアルバムです。この新曲を聴く限りこれまで同様のSCAR SYMMETRYワールドが繰り広げられていそうです。

どのバンドの楽曲もなかなか良さそうなのでアルバムを聴くのが楽しみですね。

GOTTHARD「DIAL HARD」(1994)

  • 2009/08/21(金) 00:00:00

DIAL HARD
【No.171】
★★(2009)

1992年にセルフタイトル作「GOTTHARD」でデビューするや、ブリティッシュ・ハードロックをルーツとする新人離れしたサウンドで、たちまち母国スイスのみならずヨーロッパロックシーンでも注目を集めるようになったGOTTHARDの2ndアルバム。本作はスイスのナショナルチャート1位を獲得したそうです。前作の正統派サウンドと同路線の本作は、更にタフでヘヴィな作風となっています。ただ、僕が音楽を聴く際に重要視している「メロディ」「ハーモニー」よりも、リズム主体でノリのよさに重きを置いていることもあって、お気に入り度はやや低めといった感じですね。

4th「OPEN」以降のメロディアスなGOTTHARDとは対極に位置する作品ではありながら、ハードロックのカッコよさという点においては、このバンドの中でも指折りの作品といえそうです。Steve Lee(Vo)のボーカルを逆再生した(?)パートから始まる熱きハードロックチューン①Higher、バンドのブルージーな魅力を凝縮した人気曲②Mountain Mama、メタリックと表現したくなるほどの疾走感を持つ③Here Comes The Heatの序盤3曲は本作の中でもお気に入りです。ザクザクしたギターリフが気持ちいい④She Goes Down以降は、やや僕の好みから外れた曲が続くものの終盤に配されたスピード感溢れる⑩Open Fire、本作唯一のバラード⑪I'm On My Wayのおかげで聴後感は悪くありません。ただ⑪は「Hope you remember me each and everyday♪」というエンディングの一節の後で再びサビに戻るというアコースティックライブ盤「D FROSTED」の素晴らしいアレンジに慣れ親しんでいるので、このオリジナルバージョンの終わり方は少し物足りないかな。

バラードは1曲のみで、とことんハードに攻め立てるという本作の方向性はSteveの歌唱にも少なからず影響を与えているようで、丁寧にメロディをなぞるというよりは感情の赴くままに歌い、シャウトしている場面が多いように思います。こういうラフな歌い方をしても様になりますね、このお方は。前作ではDEEP PURPLEHushに挑戦していたバンドは今回もカバーを3曲収録していて、中でもTHE BEATLES⑧Come TogetherLED ZEPPELIN⑬Rock And Roll(ライブ音源)は出色の出来です。前作といい、本作といい卓越したメロディセンスをものにする前の骨太で荒削りなロックを演奏していたGOTTHARDの魅力溢れる作品ですが、メロディ重視派の僕はもう少しわかりやすさが欲しいとも感じました。

【音源紹介】
・Mountain Mama

【CD購入録】SUNSTORM「HOUSE OF DREAMS」(2009)

  • 2009/08/19(水) 09:00:00

【CD購入録】
HOUSE OF DREAMS
SUNSTORM「HOUSE OF DREAMS」(2009)

Joe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW、YNGWIE MALMSTEEN etc)がメロディアスハードを歌うプロジェクトSUNSTORMの2ndアルバム(輸入盤)を買いました。FRONTIERS RECORDS主導で、Dennis Ward(B/PINK CREAM 69)がプロデュースするこの手のプロジェクトといえば、Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をフロントマンに据えたPLACE VENDOMEを連想しますが、本作は音楽性、参加メンバーの面から見てもPLACE VENDOMEの兄弟プロジェクトという感じもしますね。バックの演奏陣はPINK CREAM 69繋がりの人選で固められている他、ギターソロはThorsten Koehne(G/EDEN’S CURSE)が担当しています。前作でJoeとのコラボが話題となったJim Peterik(G/PRIDE OF LIONS、ex-SURVIVOR)が3曲に関わっているだけでなく、Joeは勿論、Desmond Child、Dennisがリードボーカルを務めるメロハープロジェクトKHYMERAの楽曲を手がけたTomとJamesのMartin兄弟といった優れたメロディメイカーが楽曲を提供しているだけあって、どの曲も安心して聴けるものばかり。特に元気で快活なメロディが弾ける④I Found Love、Jimの美メロセンスが冴え渡るバラード⑤Say You Willを初めとするアルバム前半は文句のつけようがありません。メロハー、産業ロック好きの方は聴いて損はないと思いますよ。Martin兄弟のペンによる楽曲も気に入ったのでKHYMERAもチェックしてみようと思ってます。

GOTTHARD「GOTTHARD」(1992)

  • 2009/08/18(火) 00:00:00

GOTTHARD.jpg
【No.170】
★★★(2009)

後にスイスを代表するハードロックバンドへと成長を遂げるGOTTHARDのデビューアルバム。スイス出身のバンドとして成功を収めたKROKUSのシンガーChris Von Rohrがプロデュースを手がけ、同じく日本盤もリリースしていたスイスのバンドCHINAに在籍していたMarc Lynn(B)がメンバーに含まれているとはいえ、Leo Leoni(G)Steve Lee(Vo)というこれまで無名で若い2人を中心とするバンドとは思えないほどクオリティの高い楽曲に驚かされます。僕は3rdアルバム「G.」(1996)以降の作品からGOTTHARDを聴いていて「巧い」というイメージは持っていましたが、こんなにも「熱い」バンドだったんですね。

まずはオープニング曲①Standing In The Lightが強力なハードロックナンバーで、続く②Downtownと共にスケールの大きなロックサウンドで僕の心をグッと掴んでくれます。その他にも、ドライヴ感とオルガンサウンドが気持ちいい⑤Mean Street Rocket⑦Take Me、⑨Lonely Heartache、Leoの熱いギターをフィーチュアした⑩Hunterなど、メロディアス志向を強めた4th「OPEN」以降の作品では味わえないストレートな曲調が本作の魅力ですね。また、それだけではなく本国スイスでブレイクした要因のひとつであるバラード系の素晴らしさもこの頃から既に確立されていて、Steveが声を張り上げてエモーショナルに歌うパワーバラッド⑧Angel、徐々に盛り上がっていくメロディに聴き入ってしまうアコースティック調の⑪All I Care Forもお見事。⑧はアコースティックライブ盤「D FROSTED」のバージョンを聴いて名曲だと思っていましたが、よりドラマティックな仕上がりとなっている本作のバージョンの方が僕は好きですね。

後の作品よりもLeoのギターに逞しさがあり、Steveの歌声にも熱がこもっていて楽曲から若々しさが滲み出ていながら、どこか大物の風格すら漂う安定感もある文句なしのデビューアルバムと呼べる本作を聴いていると「昔(この頃)のGOTTHARDに戻って欲しい」という声が根強いのも納得です。メロディックロック路線にシフトした今のGOTTHARDも好きですが、本作のように荒々しくガツンと来るハードロックをもう一度聴いてみたい気もしますね。

【音源紹介】
・Angel

【えーやん!日本のポップス/歌謡曲!】爆風スランプ「涙2(LOVEヴァージョン)」(1992)

  • 2009/08/16(日) 00:00:00

MEGADETHのギタリスト、マーティ・フリードマンの著書「いーじゃん!J-POP だから僕は日本にやって来た」を読んで、このブログでも僕が日本の曲の中で大好きな曲、思い出の詰まった曲を書いてみようと思い、「えーやん!日本のポップス/歌謡曲!」というカテゴリを作ってみました。

勿論、マーティさんのような音楽知識は皆無な僕なので思い出とともに好きな日本の楽曲を紹介するという記事になると思います。

このカテゴリ最初の楽曲はこちらです。
涙2
爆風スランプ「涙2(LOVEヴァージョン)」(1992)

皆さんは初めて買ったCDを覚えてらっしゃいますか?
「HR/HM好きの方へ100の質問」でも書きましたが、僕が中学生のときに生まれて初めて買ったCDは爆風スランプ涙2(LOVEヴァージョン)です。
この曲、本当に大好きなんです。今聴いても哀愁のメロディアスハード/メタルと呼べそうなこの曲はやっぱりカッコいい!

爆風スランプといえばRunnerが有名ですが、僕的にはこの曲こそ爆風スランプを代表する1曲ですね。

ボーカルのサンプラザ中野は「サンプラザ中野君」と改名しテレビに出演しているし、バーべQ和佐田(B)ファンキー末吉(Ds)は日本のメタルバンドX.Y.Z.→Aに参加しているようですが、メインソングライターのパッパラー河合(G)はどうしてるのかなと思い、ネットで調べてみたら音楽活動は続けているみたいですね。

パッパラー河合 オフィシャルサイト

僕が一番最初に好きになったメロディメイカーがこの人なので、音楽を続けてくれていたと知って嬉しくなりました。どうやら爆風スランプも活動を完全に停止したわけではないようですし。また、このサイトには爆風スランプの詳細なディスコグラフィがあって、1曲1曲をパッパラー河合さんが紹介してくれています。かなり読み応えがありますよ。

それにしても爆風スランプは名曲が多いです。このブログで紹介したい楽曲がたくさんありますが、それはまた次の機会に。

【音源紹介】
涙2(LOVEヴァージョン)

【CD購入録】JOHN PETRUCCI & JORDAN RUDESS「AN EVENING WITH JOHN PETRUCCI JORDAN RUDESS」(2004)

  • 2009/08/14(金) 00:00:00

【CD購入録】
AN EVENING WITH JOHN PETRUCCI  JORDAN RUDESS
JOHN PETRUCCI & JORDAN RUDESS「AN EVENING WITH JOHN PETRUCCI JORDAN RUDESS」(2004)

John Petrucci(G)Jordan Rudess(Key)というDREAM THEATERの超絶プレイヤーがタッグを組んで、このコンビによるオリジナル曲を演奏したライブの模様を収めた作品で、その名も「AN EVENING WITH JOHN PETRUCCI & JORDAN RUDESS」を買いました。アコースティックギターのしっとりしたプレイをメインとしつつ、エレキに持ち換えると弾きまくるJohn、端正なピアノサウンドを聴かせるJordanの2人のみで演奏されている本作の楽曲はジャズっぽかったり、フラメンコ調だったり、ヒーリングミュージックのようなパートもありますが、イージー・リスニングというには音が多く聞き流せないという、DREAM THEATERのギタリストとキーボードプレイヤーらしい作品となっています。10分を越える楽曲もあり、ギターとキーボードだけでは少し間延びしている気がしないでもないですがバンドの名曲The Spirit Carries On冒頭のピアノメロディに似た始まり方の②Truth、シューベルトの子守唄(「ね~むれ~ ね~むれ~♪」という歌詞のあれです)を思い出させる④State Of Graceはよくリピートしてます。④なんて、ここ数日は寝る前に必ずと言っていいほど聴いていたりします。ギターとピアノのみというシンプルな構成ながら不思議な深みが感じられる1枚ですね。

BAD HABIT「ABOVE AND BEYOND」(2009)

  • 2009/08/11(火) 00:00:00

ABOVE AND BEYOND
【No.169】
★★★★(2009)
年間ベスト2009年第6位

メンバーのほとんどがミュージシャン業の他にも仕事を持つことで生計を立てているという事実が信じられないほどに、優れたメロディックロック作品を届けてくれるBAD HABITの5thアルバム。3rd「ADULT ORIENTATION」がこのバンドにとってだけでなく、メロディックロック界においても屈指の名盤だと思っている僕にとって、前作はダークでモダンなアレンジが施されたハードロック路線だったので聴き始めの頃は違和感を覚えました(後に好きな作品にはなるのですが)。本作は端的に言えば「ADULT ORIENTATION」のようなAORサウンドをベースに、前作にあったハードロック色を味付け程度に含んでいるという感じですね。

Bax Fehling(Vo)がピアノをバックに優しいメロディを歌い上げる①I Don’t Want Youの冒頭部分を聴いた時点で澄み切った青空が脳裏に浮かび、僕の心はBAD HABIT特有の爽やかな音世界へと導かれていきます。前作にも通じるモダンなイントロから歌謡曲風のサビメロへと展開する名曲②Just A Heartbeat Away、「ADULT ORIENTATION」収録のHeart Of Mineの続編にして、一聴しただけで耳に残るキャッチーなメロディを持つ③Don't Want To Say Goodbyeと至る3曲の流れは素晴らしいの一言。メインソングライターHal Marabel(G)がフィアンセへの気持ちを楽曲に込めたラブソング④Let Me Be The One、Baxの作曲による軽快な⑤A Lot To Learnまでを聴いたところでは、3rd寄りの楽曲を揃えてきたのかと思いましたが、その後に登場する中盤の楽曲では前作でその実力を見せつけてくれたSven Crinski(G)が活躍するシーンも多くなってきます。前作に入っていてもおかしくない骨太チューン⑥I Believe、Svenのエモーショナルギターと広がりのあるメロディが印象的なタイトルトラック⑦Above And Beyond、溌剌とした曲調がTERRA NOVAを連想させる⑧My Confessionの3曲は、このアルバムがハードロック作品であることをしっかり主張しています。ひたすらメロディアスな⑨Let Me Tell Youの後にもう一山欲しかったような気もしますが、それはあくまで本作序盤の見事な流れと比較しての話であって、アルバム全編が優しい旋律で満たされていまることは間違いありません。

メロディは一級品だけどハードロックにしてはソフトな3rd、適度にヘヴィでハードロック色を強めた反面メロディの魅力がダウンした4thという過去2作品にあった数少ないウィークポイントを補い合ったのが本作といえるかもしれませんね。僕はソフトであっても優れたメロディがあれば満足するタイプなので、3rdに迫るメロディのクオリティを誇るアルバム前半(特に②と③)が聴けただけで元が取れました。それにしても、このバンドが書く素晴らしい楽曲を一部のメロディックロック・ファンだけで味わっていて良いのでしょうか。普段はハードロックを聴かない人も十分過ぎるほどに楽しめる作品だと思うのですが…。ちなみに普段はHR/HMを全く聴かない僕の奥さんもBAD HABITファンです。

【音源紹介】
・Just A Heartbeat Away

【ニュース】Michael Kiskeのデュエットアルバム情報

  • 2009/08/09(日) 00:00:00

Michael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)が2010年にデュエットアルバムをリリースすることになるようです。

Michaelの相棒として白羽の矢が立ったのはAmanda Sommerville(Vo)という女性シンガー。どこかで聞いた名前だなと思っていたら、AVANTASIAの3rd「SCARECROW」収録のバラードWhat Kind Of LoveTobias Sammet(Vo/EDGUY)とデュエットしていた人ですね。その他にも彼女は、KAMELOTの現時点での最新作「GHOST OPERA」に参加したり、Simone Simons(Vo/EPICA)が体調不良でツアーに出れなかった時にはSimoneの代役を務めたこともあるとか。

・What Kind Of Love


Amanda Sommervilleのマイスペースはこちら

amanda somerville music

FRONTIERS RECORDSによるとソングライティングにはMat Sinner(B、Vo/SINNER、PRIMAL FEAR)、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、LAST TRIBE etc)が参加しているとのこと。僕としてはPLACE VENDOMEの2ndを聴いて抱いたMichael KiskeとMagnus Karlssonがバンド結成という妄想にまた一歩近づいた(?)ことが嬉しいです(笑)。Matによると既に8曲はほぼ完成しているがレコーディング前にあと2曲用意する必要があるようで、その2曲にはSander Gommans(G/AFTER FORVER)が関わる予定だそうです。

今回のプロジェクトもPLACE VENDOMEと同じくFRONTIERS RECORDS社長セラフィノ氏の発案です。そういえばKiske自身、BURRN!5月号のインタビューでデュエットアルバムのことを少し語っていました。記事の中でKiskeは「セラフィノは有名な女性シンガーと組ませたいらしいんだが、僕個人としては僕の前のガールフレンドと(デュエットを)やりたいんだ。彼女は歌が上手いし、親密な感じがでるだろうから…」と話していましたが、最終的にはセラフィノ氏の案で落ち着いたみたいですね。

レーベル側の商魂逞しさを感じなくもないですが、ファンとしてはKiskeのデュエット作品には興味があるので楽しみです。

【CD購入録】GOTTHARDの旧譜4作品

  • 2009/08/08(土) 00:00:00

先日の記事にも書いたように、現在GOTTHARDのアルバムを毎日聴いています。

GOTTHARDというバンドを簡単に紹介しておくと、1992年に「GOTTHARD」でデビューするや、その骨太なハードロックサウンドと実力派シンガーSteve Leeの絶品歌唱で人気を博し、母国では国民的バンドへと成長していった「スイスの雄」です。4th「OPEN」でメロディアスな路線にシフトしてからは「スイスのBON JOVI」と呼ばれることもあるバンドで、僕が初めて聴いた彼らの作品は傑作の誉れ高い3rdアルバム「G.」です。

お気に入りのバンドのひとつでありながら、未聴のアルバムもいくつかあったGOTTHARDですがこの度、幸運にも中古で旧譜を見つけることができたので買ってみました。

GOTTHARD.jpg
「GOTTHARD」(1992)
良い意味で「これがデビュー作!?」という1枚ですね。①Standing In The Lightからして熱くてゴリゴリのハードロックが炸裂してます。熱唱スタイルのSteveのボーカルが本作と次作では、3rd以降の作品以上に「熱さ」が感じれるのも特徴でしょうか。ハードな曲は勿論、⑧Angel、⑪All I Care Forといったバラードも充実してます。

DIAL HARD
「DIAL HARD」(1994)
デビュー作の勢いをそのまま受け継いだ2nd。音楽的にも大きな変化はなく、ストレートなハードロックアルバムとなっています。これら初期2作品に限って言えば「スイスのBON JOVI」という表現とは結びつきません。どちらかというとSKID ROWに近いかも。

HUMAN ZOO
「HUMAN ZOO」(2003)
今回聴いたアルバムの中では一番手堅い、裏を返せば地味な印象もありますが、珠玉のバラード③Have A Little Faith、⑥Still I Belong To Youもあり十分楽しめます。GOTTHARDの作品にハズレなしですね。

LIPSERVICE.jpg
「LIPSERVICE」(2005)
3rd「G.」の方向性と4th「OPEN」以降のメロディアスな要素を組み合わせたような感じかな。①All We Areはオープニングにピッタリのドライヴィングチューンだし、⑧I’ve Seen An Angel Cryは初めて聴いた時点でGOTTHARDの名バラード認定です。こんな良質のハードロック作品を聴かずに過ごしていたなんて…。

というのが、今回ゲットした作品についての第一印象です。もう少し聴き込んでからCD紹介の記事にしようと思ってます。

暑さ本番の8月はGOTTHARDを聴きながら乗り切ります!

【気になるCDリスト】2009年8月

  • 2009/08/07(金) 00:00:00

8月発売で気になるCDの筆頭はこちらです。
UTOPIA.jpg
AXXIS「UTOPIA」(2009)

ジャーマンメタル界の大御所HELLOWEENとほぼ同じくらいのキャリアでありながら、日本ではブレイクに至っていないバンドAXXISの11作目です。かつては日本盤もリリースされていたようですが、ここ最近の作品は日本盤の発売がありません。音楽的にはバンド初期のメロディアス・ハード的なサウンドから現在はメロディック・パワーメタル路線にシフトしていて、とにかく前作「DOOM OF DESTINY」が本当に素晴らしかったので期待が高まります。日本盤を出すに値するクオリティは十分あると思うんですけどねぇ。輸入盤は8月28日の発売です。

またオフィシャルサイトによると、今年でデビュー20周年を迎えるAXXISの新作には、その名も20 Years Anniversary Songという13分の大作が収録されるようでAndi Deris(Vo/HELLOWEEN)、David Readman(Vo/PINK CREAM 69)といったゲストが参加しているそうです。

BURRN!9月号のレビュー(今月号はいつにも増して80点前後の平均的作品が多かったように思います)で気になったのは、スイスハードロック界の重鎮GOTTHARDの新作「NEED TO BELIEVE」ですね。まだ購入を検討中ですが、ただいまGOTTHARDの過去作品をヘヴィローテーション中です。

その他、気になる作品としては、
CAIN'S OFFERING「GATHER THE FAITHFUL」
PERSEFONE「SHIN-KEN」
RIVERSIDE「ANNO DOMINI HIGH DEFINITION」
ROYAL BLISS「LIFE IN BETWEEN」
STEEL PANTHER「FEEL THE STEEL」
陰陽座「蒼き独眼(あおきどくがん)」(シングル)8月26日発売
といったところでしょうか。

それにしても今月号のBURRN!の特集が「スウェディッシュHR/HM」とは…。TALISMANの作品も紹介されてましたね。

ところで、この特集の中で藤木さんが挙げている名盤24枚の中でもERIKA「COLD WINTER NIGHT」MIKAEL ERLANDSSON「THE 1」 は僕も大好きなアルバムです。僕が北欧ミュージックと聞いて思い浮かべるのは、この2枚ですね。両方とも入手は簡単ではないかもしれませんが、「北欧」、「泣き」、「哀メロ」という言葉にピンと来る方はご一聴を。

STRATOVARIUS「POLARIS」(2009)

  • 2009/08/05(水) 00:00:00

POLARIS.jpg
【No.168】
★★★(2009)

90年代後半に大躍進を遂げ、メロディック・パワーメタルの王者と称されるまでの存在に登り詰めたものの、2003年発表の9th「ELEMENTS PART1」以降の作品では、僕を含め多くのファンが期待するメロパワサウンドから距離を置くようになっただけではなく、リーダーでメインソングライターのTimo Tolkki(G)が抱える躁鬱病とそれにまつわるメンバー間トラブル、レーベルとの契約問題など音楽以外の面に注目が集まりがちだったSTRATOVARIUSがTolkki脱退後初めてリリースする作品にして通算12枚目。後任ギタリストMatias Kupiainenは勿論、2005年に加入したLauri Porra(B)を擁するラインナップとしても初めての作品です。バンドのアイデンティティであるはずのメロディックメタルからかけ離れた問題作11th「STRATOVARIUS」発表後に勃発した一連の騒動は、このままバンドが解散しても不思議ではないほど衝撃的なものでした。その騒動の元凶でもあったTolkkiが脱退してSTRATOVARIUSが活動を継続すると聞いた時は嬉しさよりも、数々の名曲を生み出したTolkki抜きでどこまで魅力的な楽曲が揃うのかという不安の方が強くありました。他のバンドで例えるならAndre Andersen(Key)のいないROYAL HUNTMichael Amott(G)のいないARCH ENEMYみたいな印象でしたから…。ところが、そんなドタバタ劇の末に届けられた本作が思った以上にSTRATOVARIUSらしいアルバムで一安心。

まずはオープニングトラック①Deep Unknownがアルバムの掴みとして申し分ないですね。従来のSTRATOVARIUSスタイルのアップテンポナンバーでありつつ、速い曲では音を詰め込む印象の強かったこのバンドにしては適度なスペースが感じられ新鮮味もあります。その後の2曲は作品序盤に持ってくるにはやや地味に思えますが、日本盤ボーナスにしておくには勿体ない④Second Sightとメロディックメタル佳曲⑤Blind以降からエンジンがかかってきます。特にこれぞSTRATOVARIUSな疾走曲⑦Forever Is Today、高揚感あるサビが堪らない⑧Higher We Goという2大キラーチューンは強力。ラストを5th「EPISODE」収録の名バラードForeverを彷彿とさせる⑫When Mountains Fallで締めるという構成も好印象ですね。

全12曲中Timo Kotipelto(Vo)とMatiasの共作が4曲、Jens Johansson(Key)が3曲、Lauriが5曲と、Jorg Michael(Ds)を除く全メンバーが曲を持ち寄っているだけでなく新メンバーがかなりの割合でソングライティングに関わっている点も見逃せません。流石に、独特の哀感と清らかさに満ちたTolkkiの全盛期を上回る楽曲は本作にはありませんが、迷走気味だったここ3作品に比べると断然僕好みです。中でも⑦、⑫といった本作における名曲を手がけたLauriの貢献が大きいですね。やや手堅くまとまり過ぎな気がしないでもないですが、メインソングライターの脱退という危機を残りのメンバーが力を合わせてフォローすることでポジティブな雰囲気が作品から溢れています。Kotipelto特有のハイトーンボイス、一段と存在感を増したJensの超絶キーボード、JorgのパワフルなドラミングというSTRATOVARIUSらしさが随所に見られる作品であるだけでなく、技術的にTolkkiを上回るMatiasのギタープレイ、おまけに新加入2人の若さとルックスなど、これまでにない魅力を手に入れたバンドの今後に期待せずにはいられません。メジャー感に満ちた明るいメロディが満載だった名盤8th「INFINITE」meets「EPISODE」と表現したくなる本作は、僕にとって「STRATOVARIUSの復活作」というべき1枚です。メロディックメタルの王者STRATOVARIUSの時計が再び動き始めました。

【音源紹介】
・Forever Is Today

【CD購入録】KIKO LOUREIRO「FULLBLAST」(2009)

  • 2009/08/04(火) 00:00:00

【CD購入録】
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KIKO LOUREIRO「FULLBLAST」(2009)

そろそろ活動再開へ向けて動き始めた感のあるANGRAのスーパー・ギタリストKiko Loureiro3枚目のソロアルバムを買いました。HR/HMと母国のブラジリアンミュージックを融合させた好盤1st「NO GRAVITY」に対し、ソロ2作目「UNIVERSO INVERSO」はジャズ・フュージョン路線との評判だったのでスルーしていましたが、今回は1stに近い路線となっています。Kikoのバックを固めるのはANGRAの同僚Felipe Andreoli(B)と「NO GRAVITY」にも参加していた名手でKikoも「驚異的な万能ドラマー」と絶賛するMike Terrana(Ds/MASTERPLAN、ex-YNGWIE MALMSTEEN、RAGE etc)という豪華なメンツです。HR/HMを基本としつつ絶妙なさじ加減で、ブラジリアン/ラテンテイストをセンス良く盛り込んでキャッチーなメロディを聴かせるこの路線が僕好みですね。時に激しく、時にロマンティックにギターを奏でるKikoのプレイにうっとりしてしまいます。今のところ特に気に入っているのはギターとドラムが絡み合うリズムが心地よい⑦Corrosive Voices、ANGRAの曲としても通用しそうな超メタリックチューン⑨Outrageousですね。気持ちよく聴けるギターインストアルバムとして愛聴していくことになりそうです。

【ニュース】SCAR SYMMETRYの新作情報

  • 2009/08/03(月) 00:00:00

BLABBERMOUTH.NETによると、クリーンボーカルとグロウルを巧みに駆使するスウェーデン出身のメロデスバンドSCAR SYMMETRYの4作目となる新作が10月にリリースされるようです。

DARK MATTER DIMENSIONS
SCAR SYMMETRY「DARK MATTER DIMENSIONS」(2009)

01. The Iconoclast
02. The Consciousness Eaters
03. Noumenon And Phenomenon
04. Ascension Chamber
05. Mechanical Soul Cybernetics
06. Non-Human Era
07. Dark Matter Dimensions
08. Sculptor Void
09. A Parenthesis In Eternity
10. Frequency-Shifter
11. Radiant Strain
12. Pariah
相変わらず見慣れない単語を使った曲名が多いですね…。

1人でクリーンパートとデス声を担当していたシンガーChristian Alvestamが前作発表後に脱退したため、バンドはデス声主担当のRoberth Karlssonとクリーンボーカル主担当のLars Palmqvistという2人のシンガーを迎えています。ライブを考えると2人のシンガーがそれぞれのパートを担当するほうが現実的ですよね。

このバンドの作品は3枚とも持っているのですが3rd「HOLOGRAPHIC UNIVERSE」(2008)以外はちゃんと聴けてないので、改めて聴き直してみようと思ってます。

PRAYING MANTIS「FOREVER IN TIME」(1998)

  • 2009/08/01(土) 00:00:00

P MANTIS F IN TIME
【No.167】
★★★(1998)
年間ベスト1998年第8位

「哀愁のメロディ」という言葉から連想するバンドはいくつかありますが、その中でも僕が真っ先に思い浮かべるのは名盤「CRY FOR THE NEW WORLD」で絶品のメロディを堪能させてくれたPRAYING MANTISです。シンガーにGary Barden(Vo/ex-M.S.G etc)を迎えて制作された前作は妙にアメリカナイズされていて「らしくない要素」もあった1枚でしたが、この5thアルバムは哀メロバンドの代表格としての面目躍如たる作品に仕上がりました。

アルバム冒頭から哀愁ダダ漏れの湿り気ある旋律が舞う①Wasted Yearsを聴いた段階で「いける」と確信しましたね。中でもクサくて泣きまくりのメロディが素晴らしい③Best Years、⑦Man Behind The MaskはPRAYING MANTISらしさたっぷりの名曲です。そんなキラーチューンの他にも、ひたすらドラマティックなミドル④Blood Of An Angel、⑤Valley Of The Kings、このバンドにしては珍しくジャーマンメタルっぽいメロディ展開の⑨The Day The Sun Turned Coldなどがあり、全10曲すんなり聴きとおせます。ニューシンガーのTony O’Horaは良く言えば大きな欠点のない、悪く言えば無個性な印象はあるものの、そのマイルドな歌声自体はPRAYING MANTISの音楽性には合っていますね。⑥Changesの終盤ではなかなかいいシャウトを披露してくれてるし、叙情バラード⑧Remember My Nameを提供し、いきなりソングライティングにも参加しています。

本作は愁いのあるメロディと、それを奏でる魅惑のツインリードという強みを存分に活かした「A CRY FOR THE NEW WORLD」に通じる作風なので、メロディックなバンドが好きな方にはお薦めです。音質とアレンジにもう少しメタルらしいキレと音圧(特にドラム)があればもっと良かったんですけどね。このバンドを聴くなら「A CRY FOR THE NEW WORLD」と本作、または現時点での最新作「SANCTUARY」が入門盤には最適だと思います。

【音源紹介】
・Best Years