陰陽座「夢幻泡影」(2004)

  • 2008/08/31(日) 07:36:29

夢幻泡影
【No.032】
★★★(2004)

作品を発表する度に着実にメジャーバンドへの階段を上り続ける陰陽座のインディーズ時代から数えて通算5作目に当たるこのアルバムは、普遍的なヘヴィメタルへ更に一歩近づいた作風です。「和」のテイストとして雅楽風コーラスや演歌を思わせるパートもある黒猫(Vo)の歌唱といった要素が挙げられますが、このアルバムの曲が英語で歌われていたら、優れたメタルバンドとしてすんなり受け入れることができそうなほどです。

これまでとは一風異なった雰囲気を持つ序曲①「夢幻」に続く②「邪魅の抱擁」は典型的なメロディックパワーメタルで純粋にカッコいい!この曲のサビでの黒猫と瞬火(B、Vo)が異なるメロディで異なる歌詞を歌い上げながら、それが一体となり迫ってくる様は圧巻で身震いを覚えるほど。ツインボーカルを本当に効果的に聴かせるなと感心しました。そして陰陽座の王道チューンともいえる③「睡」狩姦(G)作の爽やかな空気を伴ったメロディアスハードの④「鼓動」と序盤の畳み掛けはお見事です。ただ、決して悪いわけじゃないんだけど後半が少し弱いかなぁと思うのも事実。前作はそれぞれの曲のインパクトが強かったのですが、今回はその域にまで達していないというか…。

そんな中、僕の心をググッと捉えてくれたのが⑦「煙々羅」です。これまでの陰陽座のレパートリーとは明らかに違う都会的な空気を持つこの曲をメインで歌っているのは瞬火です。前作で歌唱力のアップを見せつけてくれていたけど、この曲での彼の歌声も実に魅力的に響いてきて、フワフワとした浮遊感のあるメロディを実に心地よく響かせるこの曲は黒猫じゃなくて瞬火が歌うべきだとさえ思えてきます。後半に⑦の他にもう一つ山場があればという贅沢な気持ちもありますが、年一作のペースを守りながら、これだけの充実作をリリースし続ける陰陽座の懐の深さを見せつけてくれる良質アルバムですね。

【音源紹介】
・煙々羅

陰陽座「赤熱演舞」(2003)

  • 2008/08/29(金) 07:18:33

赤熱演舞
【No.031】
★★★(2003)

DVD「白光乱舞」(僕は未聴)と同時にリリースされたメジャーデビュー後初のライブ音源。インディーズ時代のライブビデオ「百鬼降臨伝」も良かったですが、本作でも陰陽座らしい熱いパフォーマンスを披露してくれてますね。

セットリストは当時の最新作である4th「鳳翼麟瞳」に偏ることなく他の3枚のフルアルバムや、企画盤からの楽曲も万遍なく収録された14曲で、バランスのいいライブ盤となっています。特徴としては陰陽座流ドゥームの傑作⑤「鵺」、ライブ映えするお祭りソング⑫「舞いあがる」、⑭「おらびなはい」以外は勢いのあるメタリックチューンがズラリと並んでいること。本作で目立つのは、どの曲もスタジオ盤よりも若干速めでアグレッシブになっている点で、中でも⑧「鬼斬忍法帖」は1stアルバムの頃とは比べものにならない程にカッコよく生まれ変わっています。その変貌振りは、これを聴いたらスタジオ盤が聴けなくなるほど。ギターソロ前の「いったれぇ、狩姦~」という黒猫(Vo)の煽りも好きです。

ただライブアルバムとして見ると、演奏が荒めで音も良くない(特にドラムが軽い)、オーディエンスの歓声があまり聞こえないなど気になる点もあるのも事実ですが、そんなマイナス面をカバーする楽曲の良さは流石です。アルバムの大半を占めるメタリックな曲でのストイックでシリアスな空気が⑫と⑭の掛け合いでは一転して、ほのぼのムードになるのはちょっと違和感があるけど、これも陰陽座の持ち味かな。

【音源紹介】
・鵺(Live)

僕がメタルを聴くきっかけとなったギタリスト

  • 2008/08/28(木) 23:04:21

BURRN!臨時増刊のMETALLION Vol.31が発売されましたね。
METALLION Vol.31

普段はこういった増刊ものは買ってないんですが、今回はYNGWIE MALMSTEEN特集ということで即買いしました。以前にこのブログでも書いたように、彼こそが僕にメタルを聴くきっかけを与えてくれたギタリストだからです。

とはいっても、1999年のアルバム「ALCHEMY」を最後に、ちゃんとアルバムを買って聴いていなかったりするんですが…。前作「UNLEASH THE FURY」は超安値で売られていたので買って聴きましたが、やっぱり今のYNGWIEは苦手なんですよね。

というわけで今日買ったMETALLIONにしても、過去にYNGWIEと活動を共にしたメンバーが当時を語る、YNGWIEに影響を受けたギタリストがお気に入りギターアルバムを語るという点に魅力を感じたわけです。真っ先に読んだのは「FACING THE ANIMAL」でシンガーを務めたMats Leven、その次はSyu(G/GALNERYUS)の記事で、最後に読んだのがYNGWIEとTim 'Ripper' Owens(Vo/ex-JUDAS PRIEST)が語る新作についての記事だったりします(苦笑)

僕が好きなYNGWIEのアルバムの共通点は、シンガーまたは他のメンバーが楽曲に関与してる割合が高いってことなんです。今回のMETALLIONを読んでると、Joe Lynn Turner(個人的にはMats Levenを強く希望!)のような自分でも曲を書ける人ともう一度組んでくれたら嬉しいなぁと改めて思いました。今回の記事を読む限り、2人ともYNGWIEと再び組むのもやぶさかではなさそうですし。

逆に一時期YNGWIEとアルバムを作る話も出ていたJohn West(Vo/ex-ROYAL HUNT)Jorn Lande(Vo/ex-MASTERPLAN)はシンガーとしては超一流だけど、ソロ作を聴く限りメロディセンスは僕の好みとはややズレてるのでYNGWIEと組んだとしても微妙だったかも…と思ってみたり。

今回改めて凄いと感じたのは、Marcel JacobのようなYNGWIEを心底嫌ってるような元メンバーでさえも、彼のギタリストとしての実力は認めているということ。やっぱり、この人はギタリストとしては天才の域にいるんでしょうね。

新作については・・・うーん、もともと買う予定はなかったですがYNGWIEがメロディ、歌詞を含めて全てを仕切っているらしいので、ここ最近の作品を大きく違わないような予感がします。

僕自身、YNGWIEのプレイスタイルは大好きなので、いつか復活(あえて復活といってしまいますが)してくれることを願ってます。

ちなみに僕のお気に入りYNGWIE作品TOP3はこちら。
「ODYSSEY」(1988)
「FACING THE ANIMAL」(1997)
「RISING FORCE」(1984)

あと「SEVENTH SIGN」(1994)も好きです。

【CD購入録】MACHINE HEAD「THE BLACKENING」(2007)

  • 2008/08/27(水) 08:30:09

【CD購入録】
THE BLACKENING
MACHINE HEAD「THE BLACKENING」(2007)

メタルといってもYNGWIE MALMSTEEN、HELLOWEEN、ROYAL HUNTなどメロディアスなものをメインに聴く僕にとってMACHINE HEADは、名前は知ってるけど自分のストライクゾーンとは少しズレた音楽性のバンドだと思ってました。が、本作はギターパートも充実したカッコいいメタルアルバムという評判だったので、聴いてみたわけです。確かにこれはそんな前評判に違わぬ力作ですね。正直、もう少しキャッチーなメロディがほしい気もしますが、どメタルな攻撃性と練りに練られたツインギターで畳み掛けてくるこのサウンドを聴いてると「やっぱり、メタルはいいなぁ」と思わずにはいられません。日本盤ボーナス1曲(METALLICAのカバー)を含めて全9曲という曲数以上に濃密さを感じさせてくれるヘヴィメタルアルバムですね。この手のバンドとしては珍しく10分前後の大作曲を4曲も収録しながら、冗長になってないところも凄い。

陰陽座「鳳翼麟瞳」(2003)

  • 2008/08/26(火) 07:35:25

鳳翼麟瞳
【No.030】
★★★★(2003)
年間ベスト2003年第3位

個人的に最もお気に入りの日本産ヘヴィメタルバンド陰陽座の4thアルバムにしてメジャーデビュー2作目。これまでも印象的なメロディを持った曲を多く生み出してきた陰陽座ですが、このアルバムは過去の作品以上に曲が粒揃いの印象。これまでは妖怪へヴィメタルを自称するだけあって、おどろおどろしい空気がアルバムに充満していたけど、今回はその妖怪度を抑え垢抜けた作品を作り上げてます。

メタルの王道をゆくイントロ①「焔の鳥」から気持ちよく疾走する②「鳳翼天翔」へと至る流れを聴いてガッツポーズが出ました。シングルにもなった④「妖花忍法帖」は今回の垢抜け具合を象徴するような出来栄えだし、招鬼(G)作の⑧「面影」が醸し出すメロハー風味もこれまでになかった味ですね。④、⑧のように新鮮な曲もありますが、いかにも「陰陽座らしい」ツインボーカル曲⑥「叢原火」や10分に渡るヘヴィな陰陽座流ドゥームの極致⑤「鵺」も収録されていて、従来の魅力もしっかりキープしています。中でも⑤の完成度は、これまでの陰陽座のへヴィチューンの中でも最高クラスで、この曲での瞬火(B、Vo)による従来のクセのある歌い方から脱却した優しい歌唱は嬉しい驚きでした。メインボーカルの黒猫もこれまで同様、素晴らしいですが、彼もほんとに歌唱力がアップしてますね。

賛否両論分かれているアニソン風の⑩「舞い上がる」もメロディが良いので十分楽しめました。こんな曲を発表できるのも陰陽座ならではの魅力だと思ってます。このアルバム以降、陰陽座は益々活躍していくわけですが、現在のところ最も好きな陰陽座のアルバムはズバリ本作です。

【音源紹介】
・妖花忍法帖

【CD購入録】STORMWARRIOR「HEADHING NORTHE」(2008)

  • 2008/08/25(月) 08:45:56

【CD購入録】

HEADHING NORTHE
STORMWARRIOR「HEADHING NORTHE」(2008)

ドイツ産熱血パワーメタラーの3作目。今回初めてSTORMWARRIORの作品を聴いて思ったのは、僕はこれまでこのバンドのことを過小評価してたんじゃいかってこと。これは今年聴いたパワーメタル作品の中でも愛聴盤になりそうな予感です。ブックレットではRUNNING WILDBATHORYといったバンドを引き合いに出していますが、僕はこれらのバンドをよく知らないんですよね。そんな僕にとって本作のサウンドは、骨太になったキーパー時代のHELLOWEEN、またはキーボードによるキラキラした透明感を大幅カットし、Kai Hansen(Vo/GAMMA RAY)風のボーカルが暑苦しさと垢抜けなさをUPさせたLOST HORIZONって感じかな。曲のタイトルを見ても③Metal Legacy、⑤Iron Gods、⑩Into The Battleなど熱いものが多く、己の信じるパワーメタル道を邁進する姿が潔く、カッコいい1枚ですね。

陰陽座「封印廻濫」(2002)

  • 2008/08/24(日) 09:44:29

封印廻濫
【No.029】
★★(2002)

メジャーデビュー作「煌神羅刹」から僅か半年のスパンでリリースされたミニアルバムで、インディーズ時代のマテリアル6曲に新曲2曲を加えた全8曲という構成です。随所で陰陽座らしさを感じさせてはくれるものの、オリジナルアルバム群の完成度には及ばず、熱心なファン向けの1枚という印象。

インディーズ時代のライブビデオ「百鬼降臨伝」で披露されていた、粘りあるベースラインが印象的な②「百々目鬼」とスラッシーに突進する③「窮奇」という2つの疾走曲が聴きたくて本作を買ったんですが、それ以外にもゴリ押しメタリックチューン①「火車の轍」、本作で最もキャッチーな④「空蝉忍法帖」など、メロディックメタル要素の濃いアルバム前半は聴き応え十分。それに対して土臭いドゥーム路線やノリノリのロックナンバー、バラードなどで構成される後半はやや弱いように思えます。そんな中で僕を魅了してくれたのが瞬火(B、Vo)がメインでアグレッシブに歌い、黒猫(Vo)がアクセントを加える陰陽座流メロデスの⑦「侵食輪廻」です。

インディーズ時代から陰陽座の楽曲は質が高かったんだと再確認できる作品である反面、メジャーデビューのタイミングに合わせて立て続けにリリースするというスケジュール的な締め切りがあったせいか全体的に音が荒く、急いで作りました感が漂っているのが残念。上記のようなお気に入り曲もありますが、作品としては中途半端な印象が拭えないため全アルバムを揃えた上で、もっと陰陽座の曲を聴きたいという人にお薦めという文字通りの企画盤です。とはいえ、陰陽座はこういった企画盤やカップリングの楽曲をライブでよく演奏するし、中にはフルアルバムの曲と同じくらい好きなものもあるところが魅力的なんですよね。

【音源紹介】
・侵食輪廻(Live)

新生活スタート

  • 2008/08/22(金) 23:18:45

生まれてからずっと奥さんの実家で過ごしていた息子(2ヶ月)と奥さんが、今週家に帰って来ました。今までは夫婦2人だった生活に新しい家族が増え、3人での新生活がスタート。

今週は一週間遅れのお盆休みを取って育児に悪戦苦闘しています。夜泣きもするし、家ではメタル聴けないしで大変な面もありますけど、やっぱり楽しいです。これからは通勤時間が僕の貴重な音楽鑑賞の時間となりそうな気配です。

息子をあやしながら、ふと口ずさんでしまうのはこの曲。

・たしかなこと


CMの影響ですね。

この歌を口ずさみつつ、今週はSTORMWARRIORMACHINE HEADという「どメタル」なバンドのアルバムを買ったのでまたCD購入録を更新したいと思ってます。

今まではブログに自由に時間を使ってましたけど、これからは少しその時間も減りそうです。でも、週に2~3枚のCD紹介というペースは保っていきたいと思っています。

いつか息子とメタルトークができればいいな。聴かせたいCDが山ほどあります。

陰陽座「煌神羅刹」(2002)

  • 2008/08/21(木) 07:28:05

煌神羅刹
【No.028】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第9位

インディーズ盤で2枚のアルバムをリリースし、話題になった妖怪ヘヴィメタルバンド陰陽座の記念すべきメジャーデビュー作。インディーズ時代よりもわかりやすい作風を目指したためか、疾走曲の割合がこれまで以上に多く過去2作に比べるとクセがなく、すんなりと耳に馴染んでくる1枚です。

とにかくアルバム冒頭の3曲が実に強力。エキゾチックな和音階をメタルに融合させた①「羅刹」、伸びやかで飛翔感あるサビメロを黒猫(Vo)が力強く歌い上げる②「朧車」、タイトル通り煌めくほどのメロディの良さがギラリと光る③「煌」と、それぞれタイプの異なる曲での畳み掛けが凄いですね。特に③はつい繰り返して聴いてしまう名曲です。オープニングからの7曲中6曲が疾走系のため中盤やや単調な印象もありますが、陰陽座の全てを凝縮したといえるメジャーデビューシングル⑦「月に叢雲花に風」のメロディは耳に残ります。そして「鬼婆伝説」を題材としたアルバム後半のハイライト⑧「組曲『黒塚』~安達ヶ原」、⑨「組曲『黒塚』~鬼哭啾々」が本当に素晴らしい。鬼婆と化した老婆の悲しみを黒猫が切々と歌うバラードから背筋も凍る語りパートへ展開する⑧、流麗なツインギターをフィーチュアしながら一気に駆け抜ける物語の後半⑨という構成になっていて、その両方ともがバンドの卓越した表現力を堪能できる名曲です。そんな「組曲黒塚」のシリアスな世界観から、ガラリと雰囲気が変わってラストを締めるハッピーロックチューン⑩「おらびなはい」も秀逸。

過去2作品で見受けられたヘヴィでおどろおどろしい楽曲は④「牛鬼祀り」のみで、黒猫の美声が映えるバラードと陰陽座定番のお祭りソングを盛り込みつつ、大半をスピード曲で固めた本作からは、幅広いファン層を取り込もうとする瞬火(B、Vo)の狙いがうかがえます。各メンバーもそんなリーダーの気合いに引っ張られるかのように、充実のパフォーマンスを披露。その中でもやはり黒猫のボーカルパートを耳で追ってしまいますね。インディーズ時代から大幅なグレードアップを遂げた、メジャーデビュー盤かくあるべしという作品ですね。

【音源紹介】
・「組曲『黒塚』~安達ヶ原」(Live)

【CD購入録】ASIA「PHOENIX」(2008)

  • 2008/08/19(火) 08:09:07

【CD購入録】
PHOENIX
ASIA「PHOENIX」(2008)

ASIAはベスト盤しか持っていないので25年振りのオリジナルラインナップと言われても、それほど有り難味がわかってなかったりしますが、これはいいアルバムですね。初期ASIAにもあった3~4分の曲にドラマ性を封じ込める上手さに加えて、アルバム全体が優しい旋律で覆われてますね。聴いてて気持ちいい1枚です。特に8分ある3部作⑧Parallel Worlds/Vortex/Deya終盤で泣きに泣いているSteve Howe(G)のギターにメロメロです。ノリのいい曲調の中でキーボードサウンドが冴える⑦Shadow Of A Doubtも好きだなぁ。ちなみに僕が持ってるベスト盤は、入門者にも最適といわれてるこちらです。

ASIA BEST
The Very Best Of Asia: Heat Of The Moment (1982-1990)(2000)
やはり「PHOENIX」と比べると、インストパートに緊張感があるように思います。最新作はもっとメロウでメロディを聴かせる印象が強いかな。

陰陽座「鬼哭転生」(1999)

  • 2008/08/18(月) 07:25:37

鬼哭転生
【No.027】
★★★(2002)

妖怪ヘヴィメタルバンド陰陽座のデビューアルバム。2005年発売のライブDVD「我屍越行」風に改めてメンバーを紹介すると、魂有り余るベース兼ボーカルを務めるリーダー瞬火(B、Vo)0、魂を揺さぶるドラム斗羅(Ds)、魂を貫くギター狩姦(G)、魂を震わすギター招鬼(G)、魂を抱きしめるボーカル黒猫(Vo)という5人編成のバンドです。初のフルレンスアルバムということで、メジャーデビュー作「煌神羅刹」は勿論、インディーズ時代のもうひとつの作品である2nd「百鬼繚乱」と比べても荒削りで音質もさほど良くありませんが、男女ツインボーカルで歌うメロディアスなメタルをベースに泥臭さ、プログレ風展開をミックスさせた熱い音楽性と難解な日本語詞で表現される独自の世界観が本作で既に確立されています。

アルバム序盤こそ、泥臭さが強く複雑な曲展開が多いためノリ切れませんが、和歌を詠唱するような黒猫の「抜いた」歌唱が醸し出す「和」の香りとメタルのアグレッションが見事にマッチした⑤「文車に燃ゆ恋文」以降は陰陽座のレパートリーの中でも重要な役割を担うものばかり。雪女をテーマにした美旋律バラード⑥「氷の楔」、ライブでその真価を発揮する忍法帖シリーズ第1弾⑦「鬼斬忍法帖」、メンバーがステージを駆け回るライブパフォーマンスが有名なメロディックチューン⑧「百の鬼が夜を行く」、古来の童歌風メロディと地方民謡歌詞をメタリックに仕上げた⑩「亥の子唄」もさることながら、群を抜いているのが黒猫作詞作曲による⑨「陰陽師」です。瞬火の語りに始まりジャーマンメタル調のクサいメロディが炸裂した後、狩姦のテクニカルプレイ~ピアノソロと黒猫の語り~招鬼のエモーショナルギターを経て再び大疾走するこの曲は、「バンドの表題曲」と瞬火が自信を持って語るのも納得の名曲です。

「妖怪ヘヴィメタル」というバンドコンセプト、メンバー全員が白塗りメイクをして着物を身に纏うという色モノ扱いされかねない要素がありながら、陰陽座が幅広い層に受け入れられているのはやはりメロディ、楽曲の良さに尽きると思います。そして本作は、瞬火の明確なヴィジョンとプロデュース能力の高さで具現化される陰陽座の濃密な世界が味わえる1枚となっています。

【音源紹介】
・陰陽師(Live)

【CD購入録】CRAZY LIXX「LOUD MINORITY」(2008)

  • 2008/08/17(日) 07:55:57

【CD購入録】

C LIXX L MINORITY
CRAZY LIXX「LOUD MINORITY」(2008)

Silver(G)が突如脱退を表明した北欧ロックンロールバンドHARDCORE SUPERSTARのツアーに急遽参加し、結局そのまま正式メンバーとして加入することになったVic Zino(G)が在籍していたCRAZY LIXXのデビュー作。試聴した印象が良かったので何気ない気持ちで買ってみたところ、これが予想以上に素晴らしい出来栄え。HARDCORE SUPERSTARほどスラッシーではなく、そのメロディにはどこか懐かしい80年代メロディックロックの響きを持ってるあたりが僕好みなんですよね。まだ3回しか聴いてませんが③Want It、④Love On The Run、⑦Heroes Are Foreverといったロックナンバーや本編ラストのアコースティックバラード⑪The Gambleなど、ヘヴィローテーションになりそうな楽曲多数。今のところの感想としては、今年聴いた新譜の中でもトップ10(もしかしたらトップ5)に入るかもしれません。いやぁ、良い買い物をしました。メインソングライターのDanny Rexon(Vo)がいる限り、クリエイティブ面は現状をキープできると思うので、良いギタリストを見つけて今後もがんばってほしいな。あと、B!でも引き合いに出されているCRASHDIETの2ndアルバムも、日本盤が出ないのが不思議なほどの良作で愛聴しています。

CRASHDIET UNATTRACTVE REVOLUTION
CRASHDIET「UNATTRACTIVE REVOLUTION」(2007)

ボーカルが脱退してしまったそうですが・・・

VALENTINE「NO SUGAR ADDED」(1998)

  • 2008/08/16(土) 08:18:07

NO SUGAR ADDED.jpg
【No.026】
★★(1998)

VALENTINEが自身の音楽を表現する中で、欠かせないキーワードである「大仰」「ドラマティック」という2大要素を抑えた(それでも十分ドラマティックですが)5thアルバム。このアルバムの感想はVALENTINEが創造する音楽に対して、「華麗な装飾をしすぎ」と感じているか、「ゴージャスでドラマティックな曲展開こそがVALENTINEの肝」と感じているかによって分かれそうですね。僕はどちらかというと後者なので、これまでの作品と比べると物足りないというのが正直な感想です。

とはいえ、キーボードが引っ張っていくアップテンポ⑦Back 2 Mars、VALENTINEの真骨頂である麗しのバラード⑨My Only 1で聴けるVALENTINEワールドは健在だし、かつてRobbyが在籍していたZINATRA1ST AVENUEの楽曲をリメイクした④Love Never Dies、⑪Never Ⅱ Lateの2曲は流石の出来栄えです。ただ、これらのリメイク曲が本作で最も印象的な楽曲になっているのは複雑ですが。

これまでの作品で築き上げたスタイルから距離を置き、VALENTINEとしてはシンプルな楽曲が多く、ともすればダークな印象(あくまでVALENTINEとしては)も感じられるのは、アルバム制作前にRobbyの父親が他界したことと無関係ではないと思います。ただ僕としては劇的な展開とドラマ性が控えめなこと以上に、メロディの魅力が前4作の域にまで達していないように思えることと、過去の楽曲を連想させるメロディがチラホラあることの方が気になりますね。

【音源紹介】
・My Only 1

VALENTINE「VALENTINE 4‐UNITED」(1997)

  • 2008/08/15(金) 08:17:03

4‐UNITED.jpg
【No.025】
★★★★(1997)
年間ベスト1997年第8位

メロディアスでドラマティックな曲を作らせたら右に出る者はいないVALENTINEの4thアルバムは、これまでの作品の集大成とも言えるゴージャスな1枚となりました。ピアノサウンドで奏でられる明るくポジティブなメロディが支配的だった前作と初期にあった愁いのあるメロディラインががっちりと手を組んだ本作の楽曲群はどれも高品質な仕上がりです。

The Magic BreezeDreams Never Dieの流れを汲んだアップテンポチューンの割合がこれまでになく多い(②I Believe In Music、⑤Black & White United、⑪Back On The Trackなど)ため、アルバム全体に勢いがあります。その一方で、もはやVALENTINE節となったセンチメンタルなメロディが映えるクリスマスバラード③Christmas In Heavenで健在。それに加えて、どこか懐かしさを感じるメロディラインのインパクトが大きい新機軸のミドルチューン④Don’t Tell Meなど、自らの強みはキープしつつ従来のアルバムにはないタイプの楽曲を繰り出してくるあたりが素敵です。アルバム終盤の畳み掛けも素晴らしく、チャイコフスキーにインスパイアされたという⑬Concerto For The Unconditional Loveから共通のメロディを持った優しげなバラード⑭I Will Come Throughへ至る流れもほんと感動的。この人のアルバムって、収録曲が多い割りに最後までしっかり楽しめるのが大きな魅力ですね。

惜しむらくは、これまでのアルバムには必ず存在していた飛び抜けたキラーチューンがないことぐらい。裏を返せばアルバムに満遍なくいい楽曲が収められてるために、目立たない佳曲が目白押しということになるんですけどね。4作目になっても才能とアイデアの枯渇を感じさせることなく、優れた作品を発表し続けるあたりは流石です。

【音源紹介】
・I Believe In Music

VALENTINE「VALENTINE」(1995)

  • 2008/08/14(木) 12:56:29

VALENTINE.jpg
【No.024】
★★★★(1995)
年間ベスト1995年第3位

Robby Valentine(Vo、Key)がソロからバンドに名義を変更して放つ通算3枚目のアルバム。バンド名義になったからといって音楽性が変わるわけでもなく前2作で構築した美麗ハードロックサウンドは今回も健在で、よりポップに明るめの楽曲が多くなっているのが本作の特徴です。

何を置いても本作でまず触れなくてはならないのが①Godの存在。Robbyが敬愛するQUEENの名曲Bohemian Rhapsodyに似た構成を持つこの楽曲は、模倣だとかコピーだとかいうレベルを超越し、Robby独自のセンスで組み立てられたた孤高の1曲です。幾重にも重ねられたボーカルハーモニーに始まり、徐々に盛り上がっていく流れの中で圧巻のピアノソロからツーバス疾走パートへと雪崩れ込んでいく怒涛の展開があまりに素晴らしく言葉を失ってしまいます。これほどドラマティックな曲にはそうそう出会えません。またデビュー作のOver And Over Again、2ndのDon't Make Me Wait Foreverに続く珠玉のバラード曲としては⑫Ma Cherieが収録されてます。これまでの2曲と違い、メロディと歌詞にポジティブな空気が漂う清らかなバラードです。ひたすらポップなメロディが楽しい③Never Be Lonely、Robby流ハードロック⑬Dreams Never Dieそしてアルバムを感動的に締めくくってくれるドラマティックなインスト⑮Remi(これがボーナストラックというのにビックリ)と、ハイクオリティな楽曲が満載です。

アルバムの流れも練られていて、タイプの異なる1分台の楽曲を3曲続け、ヨーロッパ民謡風の⑧The Mourning Minstrelへ繋ぐというアルバム中盤は新境地だと思うし、アルバムのいいアクセントにもなってます。これまでの作品以上にピアノサウンドが強調されているためアルバムの雰囲気もやや異なっていますが、Robby Valentineというアーティストが生み出す甘美なメロディを随所で楽しむことができる傑作ですね。

【音源紹介】
・God

ROBBY VALENTINE「THE MAGIC INFINITY」(1994)

  • 2008/08/13(水) 18:11:22

THE MAGIC INFINITY.jpg
【No.023】
★★★★★(1995)

オランダの貴公子の愛称を持つRobby様こと、Robby Valentine(Vo, Key)の2ndアルバム。QUEENからの強い影響を受けた音楽性はそのままに、曲のクオリティが更にアップし、ハードな音像になってるのが嬉しいですね。前作以上にハードロックのダイナミズムを持った①The Magic Infinity、清らかな調べのピアノでシンプルに聴かせるバラード②Miss You Eternally、メロディアスなサビのコーラスが耳に残る③Only Your Love、Robbyの代名詞とも言える大仰なアレンジを控えた④Angel Of My Heartという冒頭の4曲だけで、本作のバラエティの豊かさを感じることができます。

前作以上にエッヂの効いたギターワークを堪能できるパートも多く、中でも①のメロディアスなソロが本当にカッコいい!ギタリストとしてクレジットされているRob Winterなるギタリスト、なかなかやりますね。ボーナストラック2曲込みで14曲(⑥The Reconcilationは1分弱の小曲)も収録されながら、そのどれもが高品質。特にRobbyならではのセンチメンタルな世界が満喫できるリリカルな名バラード⑦Don’t Make Me Wait Foreverがお気に入り。それとボーナストラックながら本作を語る上で外せないのが10分に渡る大作⑭Valentine’s Overture Part 2です。前作収録のPart 1も素晴らしかったですが、このPart 2でもRobbyのズバ抜けた才能を堪能できます。物悲しいピアノ、ハードにドライヴィングするパートのみならずラップまでも効果的に取り入れ、曲のエンディングにはボーナストラックの除く本作の収録曲12曲の各パートがフラッシュバックするという構成となってます。それを独自のアレンジで1曲に纏め上げてしまう、その才能に脱帽です。

コーラスを幾重にも重ねた壮大かつドラマティックなアレンジに注目が集まるRobbyだけど、肝心のメロディが実に魅力的なんですよね。天性のメロディメイカーとは正にこのこと。アルバムの曲順、構成も含めて文句なしの名盤!

【音源紹介】
・Mega-Man

アクセスカウンターを設置してみました

  • 2008/08/12(火) 23:32:38

いったい何人くらいの人に、このブログを見てもらっているのだろう?と思いアクセスカウンターを設置してみました。

1日でだいたい30人近くの人に見てもらってるんですね。これは予想以上の数字でした。
このカウンターの数字がどんどん伸びるように、がんばっていかねば。

明日からはRobby様ことROBBY VALENTINEの2nd~5thの紹介をしていこうと思ってます。
その後は新作「魑魅魍魎」発売まで1カ月を切った陰陽座かな。

ゆくゆくは僕が聴いたCDのデータベースができればいいなーと思いながらコツコツと更新していきます。

【ニュース】TERRA NOVAの新作情報

  • 2008/08/11(月) 19:41:57

オランダ産メロディアス・ハードロックバンドTERRA NOVAの5thアルバムのレコーディングが順調に進んでいるようですね。発売日は未定のようですが、輸入盤はFRONTIERS RECORDS、日本盤はキングレコードからのリリースとのこと。

タイトルは「COME ALIVE」で、メンバーはFred Hendrix(Vo)、Ron Hendrix(Key)、Gesuino Derosas(G)の3人は勿論、デビュー作と同じラインナップになるそうです。

TERRA NOVAは過去4作どれもが爽やかなメロディックロックサウンドを聴かせてくれていたので、僕のお気に入りバンドのひとつです。また、いつかブログでも紹介したいと思っています。

新作はデビュー作にして名盤の「LIVIN' IT UP」に近い作風になるそうで、僕自身TERRA NOVA聴くならまず、1stか2ndと思ってるクチなので期待が膨らみます。

ソースはこちら
・FRONTIERS RECORDS

ZIGGY「HEAVEN AND HELL」(2002)

  • 2008/08/09(土) 08:01:38

HEAVEN AND HELL
【No.022】
★★★★★(2002)
年間ベスト2002年第1位

僕にとってZIGGY初体験となったアルバム。日本屈指のロックンロールバンドと呼ばれるZIGGYですが、これまではGloriaStep By Stepといった曲をテレビで聞いたことがある程度でした。そんな中、2002年のBURRN!誌の中で「ハードでメロディアス」と評される新作を買ってみたところ、驚くほど僕のツボにハマル内容でビックリ!

なんといっても、森重 樹一(Vo)の書くメロディラインが絶品。かゆい所に手が届くメロディ展開というか、とにかく聴いてて気持ちがいいんです。しかも、そのメロディに森重の独創的な歌詞が乗ることで、他のバンドでは味わえない魅力が充満。ほんと、この人の綴る言葉は個性的で胸に響いてきますね。①My Conviction、③Again、⑤Heaven And Hell、⑧「サダメノツルギ」、⑩「希望という名の花」といった曲が特に気に入っています。森重以外のメンバーが手がけた曲も2曲あって、松尾 宗仁(G)作曲のパンキッシュな④So Happyもカッコいい。このアルバムは「徹頭徹尾突っ走る。バラードは収録しない」というコンセプトの下にハイエナジーのロックンロール(時にパンク、ハードロック風)が10曲並べられていて、聴き終えた後は爽快感と今日もがんばろうという前向きな気持ちが残ります。それと、JOEこと宮脇 知史(Ds/ex-44 MAGNUM etc)の躍動感溢れるドラミングも聴いてて、ほんとに気持ちいい!

ZIGGYというバンドで見るとバラードがなくハード過ぎる本作を問題作とする声もあるようですが、メタルを聴いてきた僕にとってはハードさとZIGGY(というか森重)特有のメロディセンスが、絶妙のバランスで楽しめるこのアルバムこそがZIGGYの最高傑作です。2002年に夏に本作を発表したZIGGYは同年の12月にバンドのメロウな側面にスポットを当てた「HEAVEN AND HELL Ⅱ」をリリースしていて、これまた味わい深い作品となっています。

【音源紹介】
・Heaven And Hell

お気づきかもしれませんが、当ブログのサブタイトル「舞い降りてきた音楽の記録」は、この曲の歌詞の一節「音楽が舞い降りてきたんだぜ」をヒントにさせてもらいました。

ROBBY VALENTINE「ROBBY VALENTINE」(1992)

  • 2008/08/07(木) 20:10:31

ROBBY VLENTINEjpg
【No.021】
★★★★(1995)

1ST AVENUEZINATRAといったオランダ産メロディアス・ハードロックバンドのメンバーとして活躍していたRobby Valentine(Vo, Key)のソロデビュー作。QUEENをベースに独自のポップエッセンスを注入して作り上げられた徹底的にドラマティックでロマンティックな音世界は、初めて彼のアルバムを聴いた僕に大きな衝撃を与えてくれました。

壮大なピアノイントロから起伏の激しい展開を経てサビへ至る流れと、極めてキャッチーなサビメロが素晴らしい①The Magic BreezeからしてRobbyの非凡な才能が炸裂しています。どの曲にも耳を捉えるメロディラインが存在する本作の中でも、絵に描いたような美旋律バラード⑥Over And Over Again、QUEENからの影響をモロに感じさせつつも、有無を言わせない劇的な構築美にただただ感動するしかない⑫I Believe In Youが群を抜いて輝いています。極上のハードポップサウンドを体現する⑩Angel⑬Love Takes Me Higherも美味しいし、10分もあるボーナストラック⑮Valentine’s Overture Part 1はRobbyの多彩な音楽性が凝縮された一品です。

ハードロックとして考えると攻撃性やエッヂの鋭さは希薄だし、Robbyの繊細なボーカルスタイルに頼りなさが感じられるのは否めないけど、本作で聴けるメロディの洪水の前ではそんなことは些細な問題だと思えてきます。逆にRobbyの歌声は美しいバラードでは楽曲の儚さ、切なさを増幅させる大きな武器となっているほど。とにかくメロディアスでドラマティックな音楽が好きな人にとっては、避けて通れないんじゃないかと思えるほどの美旋律サウンドが詰まった1枚です。

【音源紹介】
・Over And Over Again

【ニュース】陰陽座ニューシングル「紅葉」のPV公開

  • 2008/08/06(水) 20:32:17

音楽関連のニュースを書いていきます。

BURRN!誌9月号でもちょろっと紹介されていた陰陽座の新作「魑魅魍魎」からのシングル「紅葉」(本日発売)のPVが公開されてますね。この曲では黒猫(Vo)のみが歌っています。

・紅葉


第一印象としてはメタリックな仕上がりだった前作「魔王戴天」より前々作「臥龍點睛」に入ってそうな曲だと思いました。ズバ抜けたインパクトはないような気もしますが、とにかくアルバムに期待したくなる陰陽座らしい1曲ですね。

ARCH ENEMY「BURNING BRIDGES」(1999)

  • 2008/08/05(火) 08:09:14

BURNING BRIDGES
【No.020】
★★★★★(1999)
年間ベスト1999年第2位

Amott兄弟率いるARCH ENEMYの出世作となった3rdアルバム。前作はヘヴィでブルータルな楽曲の中に、Amott兄弟が繰り出す悶絶級のギターソロがギラリと輝く作品で、裏を返せばギターソロはほんとに素晴らしいんだけど曲自体は面白みに欠け、ギターパートを待ちわびる状態だったのも事実でした。ところが、今回はギターソロだけが聴きどころになっているのではなく、曲そのものの魅力が大きく向上したのが嬉しい。もちろんギターも最高ですけどね。

強烈なインパクトを持つ①Immortalで幕を開けるアルバムは、その後もブルータルでメロディックな楽曲を連発。優れた楽曲が詰まった本作の中で一際輝いているのが超名曲④Silverwingです。メロデスに大胆なメジャーキーを取り入れ、ソロパートでは徹底的に泣きまくるこの曲を初めて聴いた時の衝撃は凄まじいものがありました。好きなアルバムを選ぶとすればDREAM THEATERの「METROPOLIS PT.2」かROYAL HUNTの「PARADOX」のどちらかですけど、好きな曲ってことになるとダントツでSilverwingですね。どうやったら、こんなに素晴らしいメロディが出てくるのか…。Amott兄弟の才能を改めて実感しました。他には前述の①やソロ後半がジャーマンメタル風な⑦Angelclawも気に入ってますが、このアルバムに関しては、どれも甲乙つけがたいほどの充実振りです。

本編ラストの⑧Burning Bridgesはやたらとスローでヘヴィな異色の曲ですが、その後に収録にされてるボーナストラック2曲で再びテンションが上がります。1曲目はスウェーデンの大先輩EUROPEのカバー⑨Scream Of Angerで、原曲にないイントロを加えただけでなくオリジナルのイメージをぶち壊すほどのブルータルな仕上がり具合。そしてもう1曲はデビュー作に収められていた名曲のリメイク⑩Fields Of Desolation 99です。デビュー作でも素晴らしい出来だったのが、今の布陣で録り直したことでタイトさが増しているのがグッド!しかもラストの1分ではオリジナルになかったツインギターをたっぷりフィーチュアしていて、これを聴いてしまったらもうオリジナル版は聴けないほどカッコよくなってます。ありがたみのないボーナストラックも少なくない中、この2曲はファンとしてホントに嬉しいボーナスです。ARCH ENEMYはIN FLAMES、DARK TRANQUILLITYと並んでメロデス御三家と呼ばれていますが、僕は断然ARCH ENEMY派ですね。本作を聴いて、その想いが強くなりました。

【音源紹介】
・Silverwing
お気づきかと思いますが、当ブログのタイトルはこの曲名からいただきました。

【CD購入録】DIABLO SWING ORCHESTRA「THE BUTCHER'S BALLROOM」(2007)

  • 2008/08/04(月) 00:04:35

【CD購入録】
THE BUTCHER’S BALLROOM
DIABLO SWING ORCHESTRA「THE BUTCHER’S BALLROOM」(2007)

未知なる名盤との出会い求めて、時間があればメタル系のウェブページ、ブログを見ているのですが、このアルバムはHira.RさんのブログEAGLE FLY FREEでの記事がきっかけで巡り会えた作品です。Hira.Rさん、ありがとうございます!バンド名にもあるようにスウィングジャズとメタル(ゴシック風味あり)を組み合わせたジャズメタルとも言うべきサウンドとTarja(Vo/ex-NIGHTWISH)を髣髴とさせるソプラノボーカルがかなり強力。その上、チェロ、ヴァイオリン、トランペットなどを駆使し独特な世界観を築いています。特にジャジーなウッドベースから始まる①Balrog Boogieが気に入ってます。後半は僕がさほどのめり込んでないゴシック色が強くなるので、その手のサウンドが好きな方は僕以上にツボにはまるかもしれません。このバンドもスウェーデン出身だとか。この国はほんとにメタル大国と呼ぶに相応しいですね。ちなみに日本のジャズ系アーティストにも興味があって、上原ひろみFRIED PRIDEは何枚かCDを持ってたりします。本格派ジャズよりもポップミュージックの影響も感じさせるジャズの方が好きなんですよね。(アーティスト名をクリックするとオフィシャルサイトに繋がります)

CHILDREN OF BODOM「HATEBREEDER」(1999)

  • 2008/08/03(日) 07:47:58

HATEBREEDER
【No.019】
★★★★(1999)

ARCH ENEMYの「STIGMATA」でメロデスに目覚めた僕が1999年に出会った、ギターヒーローAlexi Laiho(Vo、G)率いるCHILDREN OF BODOMの2ndアルバムです。このバンドの特徴はAlexiのテクニカルなギターとJanne Wirman(Key)の派手さと華麗さを併せ持ったキーボードプレイ。ギターVSキーボードのインストバトルを随所でフィーチュアしているため、メロデスというよりはデス声で歌われている超アグレッシブなYNGWIE MALMSTEENまたはSTRATOVARIUSかと思える場面もあるほど。

そんなバンドの個性はオープニング曲でいきなり炸裂。ブリブリと唸るイントロに始まり、ギターとキーボードが美しい絡みを見せながら大疾走する①Warheart、悶絶級のイントロからして魅力爆発の②Silent Night, Bodom Night、楽曲そのものだけでなくラストのテクニカルバトルに圧倒される③Hatebreederと続く序盤3曲で完全に魅了されました。中盤以降も強力な曲が並んでいて、狂おしく悲哀に満ちたメロディと曲終盤のインストパートが堪らない⑤Towards Dead End、バンド名を冠するに相応しい名曲⑧Children Of Bodom、透明感あるキーボードのイントロから疾走し、クサいギターソロで盛り上がる本編ラスト⑨Downfallなど聴きどころ満載。

ネオクラシカルフレイヴァーと暴虐性溢れるサウンドが見事に融合し、CHILDREN OF BODOMの独自性を詰め込んだ本作こそがバンドの代表作だと僕は思ってます。ネオクラテイストを減退させ、骨太な正統派エクストリームメタルへ移行した4thも好きだけどやっぱりCHILDREN OF BODOMといえば、本作か1999年の初来日公演の模様を収めた「TOKYO WARHEARTS」が僕好みですね。

【音源紹介】
・Towards Dead End

LAST TRIBE「THE RITUAL」(2001)

  • 2008/08/02(土) 10:46:22

THE RITUAL
【No.018】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第5位

Pete Sandberg(Vo/ex-ALIEN etc)がシンガーを務める北欧叙情派メタルバンドMIDNIGHT SUNに3rdアルバム「NEMESIS」から加入し、その名が知られるようになったMagnus Karlsson(G)のバンドLAST TRIBEのデビュー作。ちなみにフロントマンにはChristopher Amott(G/ARCH ENEMY)のソロプロジェクトARMAGEDDONで来日経験もあるRickard Bengtsson(Vo)を迎えています。MIDNIGHT SUNでのMagnusはさほど前に出ることなく、目立つ存在でもなかったので期待せずに聴いたのですが、これが予想以上に素晴らしい出来で驚きました。

LAST TRIBEの基本はあくまでメロディックメタルですが、STRATOVARIUSSONATA ARCTICAのようなスピーディーなネオクラシカル風メロパワ作品ではなく、どっしりと腰を据えた正統派メタル(ややプログレ風味あり)路線です。それはSteve Vai(G)Steve Morse(G/DEEP PURPLE)を敬愛しているというMagnusのギタープレイにも反映されていて、インスト⑩The Ritualも北欧ギタリストにありがちなYNGWIEフォロワー的な代物にならず、口ずさめるほどのキャッチーなギターメロディに溢れています。若干SYMPHONY Xっぽさを感じさせるパートもありますが、歌メロの充実振りはSYMPHONY X以上だし、○○系と簡単にくくれない独自性あるサウンドです。

肝心の楽曲の方も疾走感は控えめながら、どれもが魅力的なメロディを持っているのがLAST TRIBEの強みですね。中でも本作唯一の疾走曲と呼べる③Black Widowは悶絶必至のクサいメロディを撒き散らしながら駆け抜けていく名曲です。特に曲終盤でサビメロにMagnusのテクニカルなギターが絡んでいくパートは、ホンットにカッコいい。MIDNIGHT SUNでは知ることのできなかったMagnus Karlssonというギタリストのバカテク振りと、高いソングライティング能力を見せつけてくれる作品です。メタルは速くてナンボという人には物足りないと思うし、楽曲・メンバーともに派手さに欠けるきらいはありますが、印象に残るメロディとギタープレイ満載の本作は僕にとって名盤ですね。

【音源紹介】
・Black Widow