【現在の愛聴盤】PRIDE「SIGNS OF PURITY」(2003)

  • 2008/07/31(木) 23:20:03

【現在の愛聴盤】
SIGNS OF PURITY
PRIDE「SIGNS OF PURITY」(2003)

このところ、ほんっとに暑くて仕事で外に出ては汗だくになる毎日です。そんな時には爽やかメロディアス・ハードを聴こうということで、PRIDEの2ndアルバムを聴いてます。メインライターIvan Gunn(Key/ex-BALANCE OF POWER)が生み出す愁いあるメロディックな楽曲もさることながら、Chris Green(G)の構築美を感じさせるギターワークと、Matt Mitchell(Vo)甘い響きのあるハスキーボイスに惹かれますね。本作がリリースされた2003年といえば、FAIR WARNINGとTERRA NOVAは解散状態、HAREM SCAREMもかつての勢いがなくなったかなと思ってたので、このアルバムはかなりリピートしてました。メロディアス・ハードの隠れた名盤だと思います。本作を最後に解散してしまい、メンバーに関する情報も入ってこなくなってしまったのが残念ですね。特にChris Greenには再びシーンに戻ってきてもらいたいなぁ。

陰陽座「百鬼繚乱」(2000)

  • 2008/07/30(水) 22:27:29

百鬼繚乱
【No.017】
★★★★(2001)

正統派ヘヴィメタルサウンドに男女ツインボーカルと「和」のテイストを巧みに取り入れ、「妖怪ヘヴィメタルバンド」というコンセプトで活動を展開する陰陽座の2ndアルバム(インディーズ盤)にして、僕が彼らの音に初めて触れた作品です。本作でこのバンドに惚れ込み、これ以降のアルバムも欠かさず聴いていますが、本作には次作以降の陰陽座がとっつきやすいメロディックメタルと洗練性を手に入れたかわりに失ってしまった強烈な個性が詰まっているように思えます。

ヘヴィなギターリフと能楽風コーラスを用いた導入部が「和」を感じさせる疾走曲①「式を駆る者」、独特のクセを持った男声ボーカル瞬火(B、Vo)とバンドの顔である女声ボーカル黒猫(Vo)が絡み合いながらキャッチーなメロディを歌い上げる名曲②「桜花ノ理」、プログレ的要素も若干盛り込んだ曲展開の中で招鬼(G)狩姦(G)のツインギターが冴えを見せるメロディックメタル曲④「癲狂院狂人廓」、ストレートなメタルチューン⑧「化外忍法帖」といった即効性の高い楽曲にまず耳が惹きつけられます。そんなメジャーデビュー後の陰陽座に通じる明快な楽曲に加えて、本作ではバンドの持つ禍々しさが渦まくドゥーミーなナンバー③「塗り壁」⑤「八咫烏」も収録されているし、黒猫の独唱による美麗バラード⑥「歪む月」、招鬼のデスヴォイス~黒猫による澄んだ歌声~瞬火が歌う勇壮なクサメロへと展開するミドル⑦「帝図魔魁譚」、9分に渡るダークなプログレ⑨「奇子」、彼らのライブには欠かせないお祭りソング⑩「がいながてや」など、とにかく楽曲の個性が強く濃厚なのが特徴です。

次回作でメジャーデビューを果たして以降、どんどん垢抜けて洗練された陰陽座も好きですが、本作の頃と比べると「あっさりしてる」とも感じます。「妖怪」という言葉から連想するおどろおどろしい空気とメタルサウンドのバランスの良さでは本作が随一だし、リピートする内にどんどんはまっていく中毒性という面でも3rd以降の作品に引けを取らない名盤です。リーダー瞬火が生み出すそんな独特の世界観と作曲能力の高さもさることながら、このバンドの最大の強みは黒猫の歌唱力でしょう。時には力強く、時には清らかに、曲によってはダーティーに、更には演歌調のこぶしの効いた歌い回しから語りまでこなす彼女の器用さと表現力の豊かさには驚きです。メンバーのルックスや、「妖怪ヘヴィメタル」という言葉を聞いて敬遠してしまうにはあまりに勿体ないバンドですね。

【音源紹介】
・桜花ノ理(Live)

【CD購入録】GRAND MAGUS「IRON WILL」(2008)

  • 2008/07/29(火) 22:57:01

【CD購入録】
IRON WILL
GRAND MAGUS「IRON WILL」(2008)

前々から気になっていたJB(Vo/SPIRITUAL BEGGARS)の本業バンドGRAND MAGUSを初体験。確かにドゥームと表現しても差し支えなさそうなヘヴィ/スローナンバーもありますが、不思議とリピートさせる魅力があります。即効性ではSPIRITUAL BEGGARSに一歩譲るものの、聴き込む内に味わい深くなってきそうな予感がかなりしますので、じっくり聴いていきたいです。相変わらず上手いJBの歌唱に惚れ惚れ。今のところ、スピーディーなメタルナンバー②Fear Is The Keyがお気に入りです。

【現在の愛聴盤】ANDROMEDA「EXTENSION OF THE WISH」(2001)

  • 2008/07/28(月) 22:52:47

【現在の愛聴盤】
EXTENSION OF THE WISH
ANDROMEDA「EXTENSION OF THE WISH」(2001)

2001年に衝撃のデビューを飾ったスウェーデン産プログレメタルバンドANDROMEDAの1stを聴いてます。本作で聴けるDREAM THEATER直系の音楽性は、ここ最近の本家以上に僕好み。ボーカルがやや弱いかなーって思いますけど、それを補って余りあるJohan Reinholdz(G)Martin Hedin(Key)の聴き応えタップリのインストパートにクラクラです。メロディセンスも良くって、タイトルトラック⑥Extension Of The Wishの「Closing my mind to remember, but there is nothing to forget~」というサビメロが頭から離れません。このデビュー作がほんとに好きだったので次にも期待してたのに、2ndは地味な印象が強く残念でした。確か3rdまで出てたと思います。またこの頃のようなサウンドを聴かせて欲しいですね。

NOCTURNAL RITES「THE SACRED TALISMAN」(1999)

  • 2008/07/27(日) 23:09:39

THE SACRED TALISMAN
【No.016】
★★★★(1999)
年間ベスト1999年第5位

クサいメロディが持ち味のスウェディッシュ・メロディックパワーメタルバンドNOCTURNAL RITESの3作目。以前に2ndアルバムも聴いたことがあって、その時は好きな曲とそうでない曲の差が激しいバンドという印象だったので、今回はパスする予定だったんですけどラジオから流れてきた①Destiny Callingに完全ノックアウトされて、すぐさま本作を買いに走ってしまいました。

今回驚いたのはメロパワの理想型ともいえる①の素晴らしさもさることながら、前作で見られた楽曲のバラつきがなくなり、アルバムトータルで楽しめる作品になっていること。「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」時代のHELLOWEENに「陽」のエッセンスと大仰なメロディを注入し、Nils Norberg(G)のネオクラシカルギターが乱舞する本作は正にクサメタルと呼ぶに相応しい1枚です。僕がクサメタルという言葉を知ったのも本作がきっかけでした。そんなクサさはオープニングの①やギターソロも聴きどころとなっている④Free At Last、サビメロが一発で耳に残る⑤Hold On To The Flameで特に強烈。アルバムの大半が疾走曲(特に終盤の3連発は強力)だというのも嬉しいし、勇壮な正統派ミッドテンポ②The Iron Forceや叙情バラード⑧The Legend Lives Onなど楽曲が粒揃いなのも好印象。更にこのバンドの特徴はサビだけでなく、イントロのギターメロディにおいてもそのクサさを発揮しているところですね。

前作から成長したとはいえ、まだ軽さの残る音質やAnders Zackrisson(Vo)の線の細いボーカルなどB級メタルの域を出ていないと思える節もありながら、北欧バンドらしからぬジャーマン臭とクサメロ、そして楽曲から発散される仄かな哀愁がたまりません。次回作からバンドは正統派メタルへと路線変更したため本作は、クサメタル期のNOCTURNAL RITESの代表作であると同時にクサメタルの教科書ともいうべき作品となっています。「クサメタル」と聞いて僕が連想するのは本作とDARK MOORの2nd「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」ですね。

【音源紹介】
・Destiny Calls

STRATOVARIUS「VISIONS」(1997)

  • 2008/07/26(土) 15:47:02

VISIONS.jpg
【No.015】
★★★★★(1997)
年間ベスト1997年第5位

今や押しも押されぬ大物バンドとなったSTRATOVARIUSが、その確固たる地位を築いた6thアルバム。これまではムチャクチャ好きな曲と全然聴かない曲の両方がアルバムに混在するバンドってイメージだったけど、このアルバムは僕の好きなタイプの曲で占められています。

プレイボタンを押した途端に流れてくるJens Johansson(Key/ex-YNGWIE MALMSTEEN etc)によるクラシカルなチェンバロサウンドに導かれる名曲①Black Diamondを筆頭にSTRATOVARIUS印の③Forever Free、⑤Legionsといった疾走曲は絶大なインパクトを誇ってます。これまでの退屈なミドルチューンとは一線を画した②Kiss Of JudasHELLOWEEN風のポップなメロディを持った⑧Paradise、前作の名バラードForeverにも負けない哀愁たっぷりの⑨Coming HomeなどTimo Tolkki(G)の書く曲が大幅にクオリティアップ!演奏陣も相変わらず凄まじくJensとTimoの白熱したバトルを盛り込んだ激速インスト⑦Holy LightJorg Michael(Ds/ex-RUNNING WILD etc)の凄みを改めて感じさせられた大作⑩Visionsと聴き所満載です。

HELLOWEENの「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」から10年の時を経て、メロディックメタルシーンに現れた新たなる名盤。HELLOWEENが築いた基盤の上に、ネオクラシカルなギターと鍵盤マスターJensによる高貴なサウンドが加わることで完成したSUTRATOVARIUSの最高傑作にして、メロディックパワーメタル、ネオクラシカルメタルを聴く人にとってのマストアイテムと言える1枚です。

【音源紹介】
・Black Diamond

GAMMA RAY「LAND OF THE FREE」(1995)

  • 2008/07/23(水) 22:13:33

LAND OF THE FREE
【No.014】
★★★★(1995)

HELLOWEEN脱退後にKai Hansen(G、Vo)が結成したGAMMA RAYの4作目。これまでの作品で歌っていた実力派ハイトーンシンガーRalf Scheepers(Vo)がバンドを離れ(後にMat Sinnerと共にPRIMAL FEARを結成)、実力的に劣るKaiが初期HELLOWEEN以来となるボーカルとギターを兼任するという体制でリリースされたことも話題になったアルバムです。

結論からいえば、ボーカルに不満はあるにせよ、楽曲の出来そのものはKai在籍時HELLOWEENの名盤「KEEPER OF THESEVEN KEYS」の精神性を受け継ぐジャーマンメタルの傑作ですね、これは。Kaiが生み出した楽曲群の中でも、間違いなくトップクラスだと言い切れる疾走曲②Man On The Mission(後半でのオペラ調のコーラスからサビの疾走パートに繋がる展開に悶絶)から間髪入れずに繰り出される1分弱のスピードチューン③Fairly Taleという流れ、典型的ジャーマンメタルの爽やかなサビメロがシンガロングを誘うタイトル曲⑨Land Of The Free、全く衰えることのない美声を響かせるMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)が全面参加したGAMMA RAY風I Want Outなハードロック⑫Time To Break Freeという名曲の存在が非常に大きいですね。そんな疾走系だけでなく、8分に渡るドラマティック佳曲①Rebellion In Dreamland、アルバム後半に配された⑪Abyss Of The VoidといったミドルチューンもKai Hansenワールド全開だし、Kaiの楽曲以外にもDirk Schlachter(G)作の悲しげなバラード⑦FarewellJan Rubach(B)作の⑥Gods Of Deliverlance、⑧Salvation’s Callingなど充実した楽曲が多いのも高ポイント。

本作以降GAMMA RAYはKaiがシンガーを務めることになるため、彼独特の歌声を許容できるかどうかが一つのネックとしてバンドにつきまとうわけですが、本作に関して言えば楽曲の魅力がそんなマイナス面を軽く凌駕していると思います。GAMMA RAYの最高傑作を挙げるとすれば、僕は迷わず本作を選びますね。このアルバムでは⑨の一部と⑫でのみ参加のMichael Kiskeが全曲で歌っていたら、エライことになっていたのに…。

【音源紹介】
・Land Of The Free

EDGUY「VAIN GLORY OPERA」(1998)

  • 2008/07/20(日) 08:49:46

VAIN GLORY OPERA

【No.013】
★★★★(1998)
年間ベスト1998年第3位

1998年に日本デビューを果たしたジャーマンメタルバンドEDGUYの通算3作目。当時のメンバー平均年齢が20歳そこそこで既に3枚のアルバムをリリースしてることもさることながら、その若さにして優れたメロディセンスを持ってることに驚かされた作品です。Hansi Kursch(Vo/BLIND GUARDIAN)Timo Tolkki(G/STRATOVARIUS)がゲスト参加(Timoはミキシングも担当)してることからも、当時このバンドがヨーロピアンメタル界で注目を集めていたことがわかります。

アルバム冒頭こそお約束的な序曲から、ありがちなジャーマン系疾走曲へつながるというものながら、その次に飛び出す③How Many Milesにやられました。ほど良い疾走感に乗せたクサいメロディ(ギターソロも含めて)とROYAL HUNTにも通じるクラシカルフレイヴァーを兼ね備えたのこの曲は、本作最大のハイライトといる名曲です。他にもHansiとTimoの両名が参加し、BLIND GUARDIANばりのクワイアが映える勇壮な⑤Out Of Control、キャッチーなメロディで気持ちよく疾走する⑦Fairytaleなどアルバムの山場となる楽曲があるし、2曲のバラードの配置も絶妙でアルバム構成もお見事。このバンドの強みはミドルチューンでもいい曲が書けるということですね。

HELLOWEEN、BLIND GUARDIAN、GAMMA RAYといったジャーマンメタルの先輩バンドとも十分張り合っていけるポテンシャルを備えたアルバムだと思います。正直なところ本作がリリースされた1998年頃に上記3バンドが発表したアルバムよりも本作の方が好きですしね。EDGUYはこのアルバム以降も着実に成長し、今では新世代ジャーマンメタルバンドの代表的存在となりました。後々の作品に比べるとTobias Sammet(Vo)のボーカルなど物足りない部分もあるけど、楽曲そのもののお気に入り度はEDGUYの作品の中でもトップクラスの1枚です。

【音源紹介】
・Fairytale

FAIR WARNING「FAIR WARNING」(1992)

  • 2008/07/19(土) 09:06:55

FAIR WARNING

【No.012】
★★★★★(1995)

ZENOの元メンバーでもあったUle W. Ritgen(B)が中心となって結成した、ドイツ出身のメロディアスハードロックバンドのデビュー作。BURRN!誌を始め、様々なところで絶賛されている本作は、このジャンルの最高峰に位置する完成度の高さを誇る名盤です。本作を買ったのは1995年ですけど、あまりに気に入ってるので2006年にボーナストラック2曲追加で再発されたリマスター盤を買い直しました。

Uleが生み出す哀愁に満ちた旋律を持つメロディアスハードの楽曲をTommy Heart(Vo)が力強く、情熱的に歌い上げ、Helge Engelke(G)によるエモーショナルギターが、楽曲の感動を増幅させるというFAIR WARNING必殺の楽曲パターンがデビュー作で既に確立されているのが凄い。楽曲はどれも高品質なんですが、疾走系哀メロチューンのお手本のような⑦Out On The Run、気持ちよくドライヴィングする⑨Eyes Of Rockといったアップテンポから、涙腺を刺激しまくるメロディが感動的な⑧Long Gone⑫Take Me Upなどのバラード、メロディの良さが浮き彫りになった③The Call Of The Heart、Helgeの作曲による②When Love Fails、⑤One Step Closerといったミドルなど湿り気あるヨーロピアンハードロックの理想郷ともいえる音世界が広がっています。その一方でアメリカンテイストも感じさせる④Crazy、⑥Hang Onもあり、一曲たりとも無駄のないアルバムとなっています。

とにかく楽曲の良さが群を抜いているのでハードロックファンのみならず、一般の洋楽リスナーを取り込んでしまえるほどの普遍的な魅力を持った1枚です。ドイツといえばHELLOWEENBLIND GUARDIANといったジャーマンメタル系を連想しがちだった僕ですが、ドイツにもこんな素晴らしいハードロックバンドがいたんだと実感させられました。メロディアスなものが好き、という人は避けて通れないマストアイテムですね。リマスターされたことで音質も向上してるので、これから買うなら2006年の再発盤がオススメです。

【音源紹介】
・Out On The Run

BLIND GUARDIAN「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)

  • 2008/07/16(水) 21:19:40

TALES FROM THE TWILIGHT WORLD

【No.011】
★★★★(1995)

前作までは荒さも目立ち、HELLOWEENの後続バンドという印象がついてまわっていたBLIND GUARDIANが大化けを果たした出世作にして3枚目のアルバム。HELLOWEEN以上にドラマティックでアグレッシブなBLIND GUARDIANサウンドが本作で確立されてます。

なんといってもアルバム前半が凄い。やや前のめり気味な突進力で突き進み、親しみやすいメロディを勇壮なクワイアで盛り立てるというBLIND GUARDIANワールドが完成の域に達した①Traveler In Time、タメのあるサビがドラマ性を増幅させる②Welcome To Dyingといった2曲のスピードチューンで掴みはバッチリ。テクニカルかつスピーディーなギターインスト③Weird Dreamsと名作ファンタジー「指輪物語」をタイトルに冠した小バラード④Lord Of The Ringsの対比、そしてジャーマンメタル史に残るであろう名曲⑤Goodbye My Friend、ドラマティックな展開のお手本のような⑥Lost In The Twilight Hallで興奮は最高潮を迎えます。後半ややテンションが下がるものの、サビメロのインパクトは本作でも随一の⑦Tommyknockers、「Guardian Guardian Guardian Of The Blind~」という歌詞が耳から離れない⑨The Last Candleもハイレベル。

一度聴いただけで耳に残るメロディが多く、曲展開も起伏に富んでいて聴き応えがある名盤です。思えば、この頃のBLIND GUARDIANが僕は一番好きでした。一般的にも評価の高いこのアルバムですが、僕もBLIND GUARDIAN入門には本作がベストだと思います。

【音源紹介】
・Goodbye My Friend

DREAM TEHATER「METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY」(1999)

  • 2008/07/13(日) 23:21:06

METROPOLIS PT.2 : SCENES FROM A MEMORY

【No.010】
★★★★★(1999)
年間ベスト1999年第1位

プログレメタル界の王者DREAM THEATERの5thアルバムは、名盤「IMAGES & WORDS」に収録されているMetropolis Pt.1 : The Miracle And The Sleeperの歌詞世界をもとに作り上げたバンド史上初のコンセプトアルバムにして、他のバンドとの格の違いを見せつける珠玉の1枚。テーマは「輪廻転生」で大まかなストーリーは「毎晩、謎の悪夢にうなされる青年ニコラスが、その原因を探るために催眠療法師のもとを訪れる。その催眠療法の中でニコラスは70年の時を経て自分の前世ヴィクトリアと、彼女を愛したエドワードとジュリアン兄弟の間に起こった物語を知る…」というもの。ストーリーはやや難解な部分もありますが、音楽的には文句のつけようのない素晴らしい作品になっています。

抜群の演奏力と情感豊かなJames LaBrie(Vo)の歌唱によって生み出される音像は、聴いているだけで登場人物の感情や場面ごとの情景が目に浮かぶほどに、僕のイマジネーションを刺激してくれます。その緻密さは、音楽でここまでの表現が可能なのかと感心せずにはいられないほどです。アルバムの流れも完璧で、DREAM THEATERとしては意外なほど穏やかな①Regressionから、主人公ニコラスが催眠療法で時間を遡る場面を描写した②Overture1928に繋がった途端、一気にこの作品の世界に引き込まれます。アルバムは大きく分けるとACTⅠとACTⅡの2部構成で曲間も途切れることはほとんどなく、アルバム全体で1曲という仕上がりになっているため77分という収録時間があっという間に過ぎていきます。

アルバム構成も見事ながら曲単体の凄みまであるのが、この作品のスゴイところ。⑤Fatal Tragedyの終盤での各プレイヤーの緊迫感に満ちた演奏やMetropolis Pt.1のオマージュを散りばめたインスト⑨The Dance Of Eternityでの、今作から新加入の天才キーボードプレイヤーJordan Rudessの遊び心あるジャジーなフレーズを挟んだ自由奔放なプレイ、アルバム終盤に配された感涙の名バラード⑪The Spirit Carries Onがもたらす大きな感動と、その中で響くJohn Petrucci(G)の泣きのトーンなどなど僕の琴線を刺激してくれる場面の連続です。特に⑦Home以降のACTⅡは息をつく暇もないほど圧倒的な構築美でもって物語が展開し、衝撃のラストへと導いてくれます。それにしれも本当に凄いアルバムです。もはや音楽という領域を飛び越えた孤高の作品。DREAM THEATERはアルバムによって僕の好みに合うものとそうでないものがあるけど、本作はDREAM THEATERの作品云々という次元を超越し、これまで聴いてきた全ての音楽の頂点に位置する1枚です。

【音源紹介】
・The Spirit Carries On(Live)

ARCH ENEMY「STIGMATA」(1998)

  • 2008/07/12(土) 21:41:19

STIGMATA

【No.009】
★★★(1998)
年間ベスト1998年第9位

僕がメロディックデスメタルを聴くきっかけとなったARCH ENEMYの2ndアルバム。僕のメロデス初体験はIN FLAMESのデビュー作「LUNAR STRAIN」でしたが、メロディアスなメタルを中心に聴いてきたその当時の僕にとっては、デス声があまりに衝撃的、刺激的過ぎて、「聴いてはいけないものを聴いてしまった」という拒否反応に近い感想を抱いてしまったのを覚えてます。それ以降、デスメタル系を聴くことなく過ごしていたところに「とにかくギターが素晴らしい」とBURRN!誌上で取り上げられていたのが本作でした。

これが前評判に違わぬギターパートの充実振りで、一気にこのバンドが好きになりましたね。爆走型デスラッシュで勢いよく突進しまくる楽曲と、そこに流れ込んでくるMichael Amott(G)Christopher Amott(G)のメロディアスなツインギターの対比が素晴らしすぎ。曲名通り野獣の如き獰猛さとメロディックギターが渾然となって襲い掛かってくる①Beast Of Manに始まり、Amott兄弟のギターメインの叙情インスト②Stigmataを挟んで繰り出される③Sinister Mephisto④Dark Of The Sunの2曲におけるツインギターは、ギターソロのパートだけをリピートさせるほどの魔力を持ってますね。その後、中盤から後半はややテンションが下がりますが、①に匹敵する突進力で突っ走る⑨Diva Satanicaとアルバムのラストを飾るに相応しいドラマティックチューン⑫Bridge Of Destinyは出色の出来。特に⑫終盤のどこか希望を感じさせるギターメロディは何度聴いても感動的です。ただ、この時点では後のARCH ENEMYに比べて曲そのものに叙情メロディの割合が少ないので、楽曲全体を楽しむというよりは、殺伐としたブルータリティの中で煌くギターパートを心待ちにしているという印象が強いかな。

とはいえ、ヘヴィかつダークで荒々しい要素だけでなくメロディックなギターを存分に盛り込んだ本作は、僕が抱いていたデスメタルに対する苦手意識を払拭する大きなきっかけになった1枚です。本作を聴いてなければ、翌年1999年にリリースされたARCH ENEMYの3作目「BURNING BRIDGES」や、CHILDREN OF BODOMの「HATEBREEDER」といった名盤と出会うこともなかったかもしれません。そう考えると、このアルバムは僕のミュージックライフの幅を広げてくれた重要作品と言えますね。

【音源紹介】
・Bridge Of Destiny

ROYAL HUNT「PARADOX」(1997)

  • 2008/07/09(水) 22:27:28

PARADOX

【No.008】
★★★★★(1997)
年間ベスト1997年第1位

3rdアルバム「MOVING TARGET」とそれに伴う来日公演の模様を収録したライブ盤「1996」の比類なき完成度で、僕を感動させてくれたROYAL HUNTの4作目にして、僕のミュージックライフの中でも超名盤となっている1枚。今回は「宗教」「神」「人間」をテーマにした、バンド初のコンセプトアルバムとなっています。前作で確立した徹底的なドラマティックワールドの中で、明確なテーマを持ったサウンドはこれまで以上にシリアスな印象。曲間にSEや台詞をはさみ、全8曲でひとつの物語が展開していく圧倒的な構成力はAndre Andersen(Key)の底なしの才能を改めて感じさせてくれます。

アコースティックギターとフルートをバックにバンドの看板シンガーD.C. Cooper(Vo)がディープな低音で歌い始めるイントロダクション①The Awakeningからトライバルなリズムに導かれてミドルチューン②River Of Painが始まります。分厚いキーボードサウンドとROYAL HUNTとしては珍しいオルガンサウンドで彩られた②は円熟味さえも感じさせる堂々とした1曲。そこから切れ目なく繋がる③Tearing Down The Worldはバンド初期にも通じる劇的かつメタリックな疾走チューンで一気に駆け抜けます。物悲しいピアノとSteen Mogensen(B)のベースサウンドから始まる④Message To Godはミッドテンポの曲で、非常によく練られていた歌メロが絶品。そして①のメロディを更に展開させたバラード⑤Long Way Homeはドラマティックな曲調と、曲後半でのD.Cの情感のこもったヴォーカルパフォーマンスが素晴らしい。

そしてここからアルバムは怒涛の後半に突入し、緊張感に満ちたリフから様々なパートが入り乱れる9分弱の大作⑥Time Will Tellへ。この曲の聴きどころは終盤の女性コーラスの後に来るJacob Kjaer(G)の泣きまくりのギターソロで、その凄まじさはこのアルバム最大のハイライトといえるほどです。ギターソロから再び女性コーラス、銃声のSEを挟んで続く⑦Silent Screamはキーボードの美しいイントロから、メロディアスハードかと思えるほどキャッチーなサビへと至る流れが耳に残る本作随一のお気に入り曲です。そして息をつかせぬプログレ風インタープレイが繰り広げられる⑦の終盤からエンディング⑧It’s Overへ雪崩れこんでいく展開は圧巻。⑧も曲単体で見ればEpilogueTimeのような即効性はないものの、この曲の持つ儚さは、このコンセプトアルバムを締めくくるにはピッタリでしょう。最後は再び①に共通するメロディと歌詞「It was a long way home…」でアルバムは幕を降ろします。

とにかく1曲1音たりとも無駄のないドラマティックなメタルの極致。Andreの作曲/アレンジ能力、D.Cの歌唱力、JKのソウルフルなギター、安定したリズム隊と、このバンドの魅力が余すことなく詰め込まれたアルバムで、作品が発表されてから10年以上になる今も愛聴しています。メタルを聴き始めて2年近くが経過した1997年に、僕が初めて出会った生涯聴き続けるであろう名盤です。このアルバムのこととなると、つい長文になってしまいますね。それほど、思い入れのある1枚です。

【音源紹介】
・Message To God

ROYAL HUNT「1996」(1996)

  • 2008/07/07(月) 21:11:11

1996.jpg

【No.007】
★★★★★(1996)
年間ベスト1996年第1位

1996年にアルバムを購入した当時、半年以上に渡って僕がひたすら聴きまくった本作はROYAL HUNT初のライブアルバム(2枚組)で、今聴き返してもこの頃(1996年の来日時)がバンドの絶頂期だったと思える作品です。本作を語る上で欠かせないのが、D.C. Cooper(Vo)の圧倒的なボーカルパフォーマンス。突き抜けるようなハイトーンから腹にズシリと響いてくるミドルレンジまで、文句のつけようのない歌唱力です。それだけでなくステージ上での観客の盛り上げ方、同時発売されたVHS版でのド派手なステージアクションも見どころで、あれだけ動きながら安定感のある歌唱ができるんだから凄い。「ゴキゲンイカガー」など、意味不明な日本語MCはご愛嬌。

セットリストもほぼ完璧で、これまでリリースした3枚のアルバムからバランスよく選曲していて当時のベストテイクといえそうな内容です。1st、2ndアルバムの楽曲群がD.Cの絶品歌唱で見事に生まれ変わっているのも嬉しいですね。特にアコースティックセットとして演奏されるDisc-2⑦Age Gone Wildは、「こんな素晴らしい曲だったのか」と楽曲の魅力を再確認できました。D.Cの極上パフォーマンス以外にも演奏陣の素晴らしいテクニックを収めた各パートのソロを収録してあるのもポイント。

このライブ盤には、オリジナル以上にドラマティックに生まれ変わった楽曲と、その魅力を増幅させるための女性バックコーラスも配されてるため、本作を買ってからというもの初期3枚のオリジナルアルバムを聴く機会は激減しました。Disc-2⑪Time冒頭でのD.Cと女性バックコーラスによるサビのア・カペラから、Andre Andersen(Key)が奏でるチェンバロサウンドに至る流れは涙なくして聴けないほど感動的。ROYAL HUNTを初めて聴くという人には、本作を試しに聴いてみることを強くお薦めしたいです。この作品に心底惚れ込んだ僕は150分テープ(まだMDも持ってませんでした)にダビングして、高校通学時にテープが擦り切れるほど聴きました。ホント、1996年はこのライブ盤ばっかり聴いてましたね。

【音源紹介】
・Kingdom Dark(Live)


・Time(Live)

MIKEAL ERLANDSSON「THE 1」(1995)

  • 2008/07/05(土) 10:28:43

THE 1

【No.006】
★★★★★(1995)
年間ベスト1995年第1位

YNGWIE MALMSTEENをきっかけに音楽(主にメタル)を聴き始めた1995年に、僕が出会った珠玉の名盤。スウェーデンから突如現れたシンガーソングライターで、現在はLAST AUTUMN’S DREAMでも活躍しているMikael Erlandsson(Vo)が音楽キャリアを本格スタートさせたソロデビュー作です。ほど良くハードで、哀愁のメロディが満載の本作は僕が初めて心から感動したアルバムかもしれません。北欧の音楽に共通する美旋律、繊細さ、哀感といった要素がぎっしり詰まっていて、僕にとって「北欧らしさ」という基準はこのアルバムがもとになっています。

心地よいエッヂの効いたイントロに始まりサビでパッと空気が明るくなる①Wish You Were Here、大らかなバラード②Show Me、ピアノとアコースティックギターが奏でる優しいメロディが絶品の③Reasonといった具合に次から次へと僕の琴線に触れるメロディが続き、僕が探していた音楽はこれだ!という想いすら、こみ上げてくるほどです。またMikaelの代表曲となっている⑤It’s Alrightが発散する強烈なクサいメロディはインパクト絶大。その他にも⑥I Believeやアルバムを感動的に締めくくるバラード⑪The 1とお気に入りの曲が目白押し。その中でも特にリピート率が高いのは③と⑪かな。

本作で特筆すべきは収録曲がどれも素晴らしいだけでなく、その曲を歌うMikael Erlandssonの歌声がまた絶品だということ。若干カスレ気味の声で切々と歌い上げる彼の歌唱は、感情がダイレクトに響いてきて曲の魅力を大きく増幅させています。1995年にこのアルバムを聴いた僕は、その後「北欧系ミュージック」をいろいろ聴きましたが、このアルバムはやはり別格。北欧らしい音楽を求める人にはまず、この作品を強くお薦めしたいですね。

【音源紹介】
・The 1

CLIF MAGNESS「SOLO」(1995)

  • 2008/07/04(金) 22:41:37

SOLO

【No.005】
★★★★(1995)
年間ベスト1995年第4位

初めて買ったBURRN!誌上のレビューで90点台を獲得しているのを見て、その評価とレビュー本文につられて購入したClif Magness(Vo/PLANET 3)のソロアルバム。レビュー以外には何の予備知識もないまま、Clif Magnessというアーティストの音楽を聴いたのですが、これが実に高品質なAOR(Adult Oriented Rock)作品なんです。僕がAORに触れた最初の作品でもあるため、今でも僕の中ではこのアルバムがAORというジャンルの基準になっています。

中低音の安定感のみならず高音域でも線が細くなることのないボーカル、ハードすぎずソフトすぎずいいバランスを保った絶妙のアレンジ、そして耳に残る楽曲のメロディという三拍子が揃ったアルバムですね。プレイボタンを押すと流れてくる瑞々しいキーボードサウンド、それに導かれて始まるClifの歌唱がサビメロで一気に弾ける①Footprints In The Rainに始まり、Clifのパワフルボイスに女性コーラスが効果的に絡む②It’s Only Love、朗々と歌い上げるボーカルパフォーマンスに痺れるバラード③Hold Me Lee Anne、ダイナミックなロックソング④One Way Outという怒涛の流れは圧巻です。後半にも山場は用意されていて、⑩What’s A Heart To Do、⑫Dreams Fade Awayという2大名曲で再びテンションが上がります。

メタル雑誌だけで語られるにはあまりに勿体ないほど、幅広いリスナーにアピールする普遍的な魅力を持った本作には映画やTVで使われることがあれば、大ヒットしそうなポテンシャルを秘めた楽曲ばかりが並んでいる1枚。Clif MagnessはAOR界の巨匠Jay Graydonが中心となったPLANET 3というAORプロジェクトでも活躍していたそうですが、ここ最近は名前を聞かないし、ソロアルバムもこれ以降はリリースしていない様子。どうやらソングライターとして他のミュージシャンに楽曲を提供しているみたいです。こんな素晴らしい歌声の持ち主が裏方にまわるのはほんとに惜しいと思うので、いつか次のソロアルバムを出してもらいたいですね。

【音源紹介】
・Footprints In The Rain

HAREM SCAREM「MOOD SWINGS」(1993)

  • 2008/07/01(火) 10:51:57

MOOD SWINGS

【No.004】
★★★★★(1996)

カナダのメロディアス・ハードロッカーの2ndアルバム。これはメロディアス・ハードの歴史に残る名盤です。デビュー作はソフトなメロディック・ロックアルバムだったのに対し、今回は曲調がより骨太にハードになっています。アメリカ、カナダ系ならではのスケールが大きく高揚感のあるロックソングがあるのも特徴ですね。

HAREM SCAREMの美味しいところを詰め込んだ名曲①Saviors Never CryからPete Lesperance(G)のメロディアスなギターにのって心地よく疾走する⑪Had Enoughまで一気に聴けるし、その中でブルージーな⑤Jealousy、エモーショナルなギターが胸に迫るインスト⑦Mandy、メンバー全員が歌えるという強みを活かしたア・カペラの⑩Just Like I Plannedなど幅広いタイプの曲があって、飽きることがありません。それに加えて超名曲④Change Comes Aroundの存在が大きいですね。耳をこねくり回されてるかのような奇抜なリフワークから見事な流れでキャッチーなサビメロへと展開し、曲の後半ではスローダウンしてサビを合唱、最後に歌心を感じさせるギターが絡んでくるという抜群の構成美を持つこの曲は、アルバム最大のハイライトです。

先の読みにくい展開でありながらキャッチーさも兼ね備えた楽曲、Peteのテクニカルなギタープレイ、Harry Hess(Vo)の力強い歌唱、よく練りこまれた分厚いコーラスワーク…といったHAREM SCAREMの魅力が凝縮された本作は、初めてこのバンドの音に触れる人やこれからハードロックを聴こうとしている人に是非ともお薦めしたいアルバムです。

【音源紹介】
・Change Comes Around