THE DUST'N'BONEZ「DUST & BONES」(2010)

  • 2011/06/13(月) 00:00:00

DUST AND BONES
【No.291】
★★★★(2010)

2011年1月にリーダーの戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY)が「2010年9月のライブ終了後に森重 樹一(Vo/ZIGGY)が脱退の意志を告げたことでバンドの第一期があっさり終了した」とオフィシャルブログで公表したTHE DUST'N'BONEZの4作目にして森重を擁するラインナップでのラストアルバム。戸城の発表から少し遅れて森重もオフィシャルブログでこの件に言及し、THE DUST'N'BONEZだけでなく松尾 宗仁(G/ZIGGY)と結成したTHE PRODIGAL SONSからも脱退してソロ活動に専念するとコメントを出しています。また音楽サイト「ナタリー」によると両バンドとも森重の後任を探しながら活動を継続していくこと、今回の脱退には森重が患っている心の病をが関係していることが書かれていました(ソースはこちらこちら)。そういえば森重の歌詞には「うつ症状」を連想させる言葉が何度か使われていましたね(本作でも④「自意識という名の空虚で踏み抜けよそのアクセルを」で「心の風邪を患っちまった」と歌っています)。個人的にこのバンド最大の持ち味は「戸城が書くハードロックンロール曲と時には文学的にすら響いてくる森重の歌詞の融合」だと思っていたので、この脱退劇はかなりショックでした。森重以外の誰かが歌うTHE DUST'N'BONEZなんて今は想像できません。

前置きが長くなってしまいましたが、このアルバムは基本的に前作と同じアグレッシブな路線でありつつ過去の3作品に収録されていた「愛と夢☆希望の画」、「スタートライン」、「自分勝手な夜に爪跡残せ」のようなバンドのポップ/ライトサイドを担う楽曲がないため、これまで以上にタイトかつシンプルな仕上がりとなっている印象です。メロディアスなHR/HMを好む僕としてはもう少しキャッチーさや突き抜ける爽快感が欲しかったかな。また、これは本作を発表した数ヶ月後に森重が脱退したということを知った今だから言える結果論かもしれませんが、THE DUST'N'BONEZにしては楽曲が小粒な気もします。とはいえ戸城のメロディセンスが炸裂する③「深海」、⑨「Trigger~黒く塗り潰せ~」といったキラーソングもしっかり収録されているのでTHE DUST'N'BONEZ流ロックが楽しめる作品であることは間違いありません。上記2曲以外にも①「紫のマイブラッド」、②HELLS AROUNDというバンドのお家芸的チューンをガツンとかましてくれる作品序盤、そして激しいロックソングでありながら他のパートよりも低いキーで歌われるサビと戸城のベースの絡みがカッコいい⑧「白昼夢のPalm Tree」、バンドの現状を踏まえると曲名の重みが増すノリのいいロックチューン⑩「このままじゃ終われっこない」といった楽曲がお気に入りです。作品中盤に並ぶ一筋縄ではいかない楽曲群も多彩な表情を見せつつ、ラストを締めくくる壮大なバラード⑪「銀の羽 銀の矢」が心地よい聴後感を残してくれます。

ZIGGY時代から「森重節」に対して「戸城ポップ」と称されていた良い意味であざといまでのキャッチーソングがなかったり、今までよりもHR/HM色が薄かったりするために総合的に見ると過去作品に一歩譲る感はありますが、リピートを誘う魅力はしっかりと保持されています。森重脱退は悲しいけれど、バンドが醸し出すそんな「先の見えない危うさ」も彼等らしさのひとつでした。戸城と森重そして坂下 たけとも(G)、満園 栄二(Ds)の元SADS組の4人というメンバーが4枚のフルアルバム、2枚のシングルで残してくれた楽曲はいつまでも僕の心に響き続けることでしょう。そして、このブログを訪れてくれた方が1人でもTHE DUST'N'BONEZに興味を持ち、聴いていただけたら嬉しいです。

【音源紹介】
ごめんなさい。本作の音源を見つけることができませんでした。

【CD購入録】THE DUST'N'BONEZ「DUST & BONES」(2010)

  • 2010/04/08(木) 00:00:00

【CD購入録】
DUST  BONES
THE DUST'N'BONEZ「DUST & BONES」(2010)

ZIGGYが活動休止してからも精力的に音楽活動を続ける森重 樹一(Vo)がZIGGY時代の盟友である戸城 憲夫(B)と結成したTHE DUST'N'BONEZの4作目を買いました。今回も危険な香りを漂わせるハードロックンロールの中で、キラリと光るキャッチーなメロディに乗せて届けられる森重ならではの歌詞世界が実にカッコいい1枚となっていますね。BURRN!誌5月号の「今月のおすすめ」コーナーで幅さんが本作を取り上げ「レコード会社の売る気が見えないのがもどかしい」と書いてらっしゃいましたが、僕が本作を買ったCDショップでは店員さんの手書きポップと共に目立つように陳列されていて、何だか嬉しくなりました。現在のお気に入りは③「深海」、⑥「うわの空に浮かぶ雲」、⑨「Trigger~黒く塗り潰せ~」、⑪「銀の羽 銀の矢」でしょうか。好きなバンドはいくつもありますが、僕のお気に入り度と一般認知度の差が大きいという点で今一番応援したいのはこのダスボンことTHE DUST'N'BONEZですね。このブログで過去の3作品を紹介していますので、興味のある方は参考にどうぞ。

THE DUST'N'BONEZ「COCKSUCKER BLUES」(2008)

  • 2009/01/26(月) 13:25:29

COCKSUCKER BLUES
【No.093】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第2位

「メロディアスなハードロックンロール」というZIGGYの音楽性の中で最も僕が好きな路線を引き継いでくれたTHE DUST'N'BONEZの3作目。戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY)が曲を書き、森重 樹一(Vo/ZIGGY)が歌うという基本スタイルは変わっていません。激しい曲はもっと過激に、キャッチーなものはより親しみやすくなり楽曲の降り幅が大きかった前作「ROCK'N'ROLL CIRCUS」(2006)に対して今回はラフで攻撃的な印象が強いですね。とはいっても、このバンドならではの攻撃性とキャッチーなメロディを兼ね備えた濃密なロックサウンドにはいささかのブレもなく、過去2作のサウンドを継承しています。

このバンドの看板ともいえるR&Rサウンドが炸裂する①Silent Scream、アルバムの中でもストレートかつシンプルな曲調でサビの「イーディーオッ!」というコーラスが耳に残る②Idiot、スカの要素もあるメロディからHR/HM色の強いサビへと繋がる③「孤独にその肩を借りて」という冒頭3曲で掴みはバッチリ。その後もタメのあるBメロからサビへの流れが堪らなくカッコいい⑤Bleed、ハードロック曲が並ぶ中でZIGGYのポップサイドにも通じる⑧「自分勝手な夜に爪跡残せ」の配置も絶妙だし、哀愁のメロディが光る⑨Treasures、タテノリロック⑩「踊っても誰かの笛」から、メンバー自身も「本作の決めの1曲」だと自負するタイトルトラック⑫Cocksucker Bluesに至るまでクセになるメロディが満載です。

それにしても本作から溢れ出るエネルギーのなんと凄まじいことか。メンバー全員が40代の所謂アラフォー世代とは思えないパワフルな音像は、彼らより若い世代も逃げ出してしまいそうなほどの迫力だし、その一方でベテランならではの練りに練られたアレンジも実に巧妙です。韻を踏んだ独特の言葉使いで唯一無二の世界観を築き上げる森重の歌詞が、歌心のある旋律に乗る素晴らしいハードロックバンドなので、もっと注目されて欲しいなぁ。僕はこれからもTHE DUST’N’BONEZを応援していきますよ!最後に音楽ライター増田 勇一氏が本作のレビューで使っていた文章を紹介したいと思います。

「このバンドが世の中を変えるようなことはおそらくない。が、あなたのロック観を変えてしまう可能性は、とても高いはずだ。」

【音源紹介】
・Cocksucker Blues

【CD購入録】THE DUST'N'BONEZ「COCKSUCKER BLUES」(2008)

  • 2008/12/04(木) 07:55:45

【CD購入録】
DUSTNBONEZ COCKSUCKER BLUES
THE DUST'N'BONEZ「COCKSUCKER BLUES」(2008)

11月の注目盤がEDGUYの「TINNITUS SANCTUS」だとすれば、12月の注目盤はこのTHE DUST'N'BONEZの「COCKSUCKER BLUES」です。過去2作の路線を継承したメロディアスなハードロケンローは今回も健在。これまでに比べるとガチガチなハードさは控えめでメロディアスな印象が強くなったかな。それにしても森重 樹一(Vo)という人が書く歌詞はグサリと胸に刺さってきますね。

「徹頭徹尾貫け‘主義’あんたの代わりはいないさ」
「珠玉の音楽捜して 無欲でそろばんを弾いてる」
「‘愚か’と引けば‘人’と出る そんな辞書なら歓迎さ」
「綺麗な明日なんかどこにもありゃしないのに 探しているのはそればっかりだったりする」

などなど、数回聴いただけでも頭から離れない、または考えさせられる歌詞多数。今のところは「これ」というキラーチューンはないような気もするけど、ついついリピートしたくなる不思議な魅力があります。そういえば今では名盤だと思ってる前作も聴き始めは、地味に感じたけど聴くほどに味わいが増してきたっけ。と思いつつ、今もリピート中です。

THE DUST'N'BONEZ「ROCK'N'ROLL CIRCUS」(2006)

  • 2008/12/03(水) 01:33:09

ROCK'N'ROLL CIRCUS
【No.078】
★★★★★(2006)
年間ベスト2006年第3位

デビュー作「FLAME SKULL BASTARDS」が素晴らしいアルバムだったDUST’N’BONEZ(通称ダスボン)が、メジャー移籍して放つ2ndアルバム。前作は徹頭徹尾ロックしていたのに対して、今回は多様性を増してきましたね。曲によってはポップなもの、まるでZIGGYなものも顔を出すようになってきました。ただ、それによってアルバムの完成度が下がったかというと、全くそんなことはなく今回も名盤と呼ぶに相応しい完成度です。

アルバムの幕開けを飾る①Rock’n’Roll Circusからしてダスボンらしいロックンロールが炸裂、インディーズ時代にシングルでリリースされていた②「激情」④「透明のピストル」の2曲もシングル盤以上にタイトで熱いロックチューンとして再録されていて、この辺りはダスボンの王道といえます。まるで森重節な曲も収録されてて、③Trickster(ラッパーのMCUがゲストとして参加)と⑥「スタートライン」のメロディはZIGGYっぽさがよく出てます。それ以外にも独特かつ強引に転調するところが斬新な⑦Hole In My Heart、⑪「人工の太陽でいい~相も変わらず」やキャッチーな歌メロが素晴らしい⑧Key To The Garden、圧倒的な疾走感が爽快な⑨NightingaleのMurder Bluesなどなど、ほんとに素晴らしい曲が揃ってます。特に⑥は個人的にも思い入れの深い名曲です。

戸城 憲夫(B)が曲を書き、森重 樹一(Vo)がそれに歌詞をのせるという作曲プロセスは前回と同じながら、デビュー作以上に森重っぽいメロディーが聴けるのも興味深いですね。本家ZIGGYが「JUST A ROCKIN’ NITE」で提示した大人のロックという方向性に、フラストレーションを感じていた僕のもどかしさをこのアルバムが吹き飛ばしてくれました!

【音源紹介】
・Rock’n’Roll Circus

THE DUST'N'BONEZ「FLAME SKULL BASTARDS」(2004)

  • 2008/12/02(火) 08:18:27

FLAME SKULL BASTARDS
【No.077】
★★★★★(2005)

ソングライターと歌い手の間にケミストリーが存在し、作品が独特のオーラを発している、そんな作品に出会うことがたまにあります。DOUBLE DEALER島 紀史(G)下山 武徳(Vo)が作り上げた名盤「DOUBLE DEALER」も僕にとってそんなアルバムでしたが、このTHE DUST’N’BONEZのデビュー作も素晴らしい作品です。SNAKE HIP SHEKESでの活動を経てZIGGY名義で2002年に復活し、その後も精力的に活動を続ける森重 樹一(Vo)と、ZIGGYの「GORIATH BIRDEATER」(1999)を最後に別の道を歩んでいた戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY etc)が再び手を組み作ったこのアルバムは、この2人でなくて作り出せないであろう世界が広がってます。

THE DUST’N’BONEZは、ZIGGYほど多様な音楽に手を広げるわけでなく(僕の苦手なブルーズ色が皆無なのも◎)、SNAKE HIP SHAKESほどガムシャラに突っ走るでもなく、ロックの荒々しさを残しながらもメロディを大切にした楽曲を次々に聴かせてくれます。戸城の書く曲(10曲中9曲、あとの1曲は森重作)に乗る、森重の力強い歌声と独創的な歌詞の相性は抜群で、やはりこの2人は「運命の2人なんだ」と思わずにはいられません。またバンドの主役は森重&戸城であることは間違いないものの、楽曲に華を添えるギタープレイが絶妙の坂下 たけとも(G)とバンドの大きな推進力となっている満園 栄二(Ds)のドラミングも、このバンドの魅力ですね。

とにかくメロディの充実度がハンパじゃない本作は2005年に最もリピートしたアルバムだし、今でも愛聴している生涯の名盤(リリースは2004年)。ロックのダイナミズムに溢れた②Liberty、戸城のソングライティング力の高さを改めて実感したキャッチーな⑥「愛と夢☆希望の画」、勢いよくスタートして中盤の森重の語りパートから劇的に盛り上がっていくラストの⑩CONFUSION ~失意の空 混乱の海~などお気に入りを挙げ出すとキリがありません。幅広いロックファンに是非とも聴いてほしい1枚です。

【音源紹介】
・CONFUSION ~失意の空 混乱の海~(Live)