【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「GHOSTLIGHTS」(2016)

  • 2016/01/31(日) 00:00:00

【CD購入録】
GHOSTLIGHTS.jpg
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「GHOSTLIGHTS」(2016)

2016年の新譜初買いは、誕生から15年を数えるTobias Sammet(Vo/EDGUY)主宰のメタルオペラ・プロジェクトTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAの7作目です。今回のゲストシンガー陣の主な顔ぶれはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Jorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE)、Ronnie Atkins(Vo/PRETTY MAIDS)、Bob Catley(Vo/MAGNUM)といった以前からのメンバーに加えDee Snider(Vo/TWISTED SISTER)、Geoff Tate(Vo/ex-Queensryche)、Marco Hietala(B、Vo/NIGHTWISH)らが初参加しています。前作「THE MYSTERY OF TIME」(2013)がAVANTASIAの作品としては今ひとつツボにはまらなかったし、EDGUYも僕の好みから徐々にずれてきているように感じていたので一抹の不安もありましたが今回はなかなか良さげですね。コンパクトかつキャッチーな歌モノから劇的な大作、ミステリアスなナンバー、メロディアスなバラードなどTobiasの多彩なソングライティング能力が遺憾なく発揮されているアルバムの中でもKiskeのハイトーンが冴え渡るタイトル曲⑤Ghostlightsがいいですね。この手のメロパワは大好物です。また僕が買った初回生産限定盤にはライブ音源11曲入りのボーナスCDが付いているので聴き応えがありますね。同時に買ったDREAM THEATER「THE ASTONISHING」をなかなか聴けずにいます(笑)。

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」(2011)

  • 2013/04/28(日) 00:00:00

THE FLYING OPERA
【No.373】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第9位

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)の「自分が憧れたアイドル達と一緒にアルバムを制作したい」という無邪気な発想から誕生し、豪華なゲストシンガー陣が名を連ねた話題性と歌い手の魅力を引き出すTobiasの類い稀なるソングライティングなどから大成功を納めたプロジェクトAVANTASIA初となる2008年のTHE SCARECROW WORLD TOURの模様を収録したライブ作品。僕が持っているのは2DVD、2CD仕様の初回限定盤です。Tobias自身も実現できないと思っていたAVANTASIAツアーの基本メンバーは2003年頃からEDGUYのプロデュースに携わるようになり今回のツアー実現の重要なキーマンともなったSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)CENTERS~AT VANCE時代は優れたシンガーとして知られていましたが自身のバンドHARTMANNやAVANTASIAでは素晴らしいギタリストでもあることを世に知らしめたOliver Hartmann(G、Vo)、自らもAINAなるロックオペラを主宰するRobert Hunecke(B/ex-HEAVEN'S GATE)RHAPSODY(現RHAPSODY OF FIRE)、KAMELOTといったパワーメタルバンドのプロデュースをSaschaと共に手掛けているMiro(Key)、EDGUYでTobiasと活動を共にしているFelix Bohnke(Ds)、AVNATASIAの音世界に欠かせない女性バッキングボーカルにAmanda Somerville、Cloudy Yangといった顔ぶれです(Amandaはリードボーカルも担当)。そして注目のゲスト陣には濃厚な歌声と体格で圧倒的な存在感を放ちながら厳つい表情で熱唱するだけでなく、メロディを乗せたMCで観客を煽る姿が正に「歌鬼」なJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)、全てのスタジオ盤に参加していたものの残念ながらツアー参加は実現しなかったMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)と自分がアルバムで歌っていたパートを担当しているAndore Matos(Vo/ex-ANGRA)、まるで「おじいちゃん」のような外見からは想像できないパワフルボイスを大仰な手振りに合わせて響かせるBob Catley(Vo/MAGNUM)、アルバムではAlice Cooper(Vo)が担っていた邪悪なキャラクターを見事に演じてみせたKai Hansen(Vo、G/GAMMA RAY)、AVANTASIAの初期2作品でギタリストを務めたHenjo Richter(G/GAMMA RAY)といった面々を迎えています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Twisted Mind(「THE SCARECROW」)
02. The Scarecrow(「THE SCARECROW」)
03. Another Angel Down(「THE SCARECROW」)
04. Prelude/Reach Out For The Light(「THE METAL OPERA」)
05. Inside(「THE METAL OPERA」)
06. No Return(「THE METAL OPERA PART2」)
07. The Story Ain't Over(EP「LOST IN SPACE PART2」)
08. Shelter From The Rain(「THE SCARECROW」)
09. Lost In Space(「THE SCARECROW」)
10. I Don't Believe In Your Love(「THE SCARECROW」)
11. Avantasia(「THE METAL OPERA」)
12. Serpents In Paradise(「THE METAL OPERA」)
13. Promised Land(EP「LOST IN SPACE PART2」)
14. The Toy Master(「THE SCARECROW」)
15. Farewell(「THE METAL OPERA」)
16. Sign Tf The Cross/The Seven Angels(Medley)(「THE METAL OPERA」、「THE METAL OPERA PART2」)

そんな参加メンバーの紹介だけでかなりの文章量になってくるAVANTASIA初のライブ作品はドイツで毎年開催されているヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIR、チェコで行われたMONSTERS OF ROCKという2公演のテイクからなるセットリストで構成されていて、個人的には1st~3rdまでのベスト盤と言いたくなるくらい充実していますね(個人的にはBobのジェントルボイスが映える隠れた名曲⑦The Story Ain't Overが収録されているのが高ポイント)。曲によっては10人以上がステージに登場するなどしてAVANTASIAの壮大な世界観を再現しているだけでなく、ライブならではの熱さがスタジオ盤以上の魅力を放っている場面も少なくありません。中でもSascha、Oliverの叙情ギターソロから激情に満ちたTobiasとJornのボーカルバトルへと雪崩れ込んでいく②The Scarecrowは圧巻の一言。また⑩I Don't Believe In Your Loveはアルバムを聴いている時は印象の薄い曲でしたが、ライブバージョンを聴いてカッコいいハードロックソングだと気づきました。

本作はライブ本編とTobiasのロングインタビュー/ドキュメンタリーからなるDVD2枚、DVDと同じライブ音源を収めたCD2枚セットの仕様だけでなく、DVDまたはCDのみのフォーマットも存在しますが個人的にはDVDの方が断然楽しめましたね。理由は大きく2つあって、ひとつはBob、Jorn、Oliver、Sascha & Miroといった(日本で映像作品をほとんどリリースしていない)ミュージシャンの姿やライブ中にTobiasが見せるイキイキとした表情を観ることができた点。そしてもうひとつは、AVANTASIA誕生の経緯や初のPVが制作されたシングルLost In Spaceの誕生秘話や、それをWACKENで演るかどうかの葛藤などスタジオ作品を聴いているだけではわからないAVANTASIAの裏側に迫るインタビューが実に興味深いということです。抜群の作曲能力と歌唱力、アクティブなステージアクションやライブ運びの上手さに加えて多くの先輩ミュージシャンをAVANTASIAに参加させる人柄に至るまでTobiasは才能に溢れた人物だとつくづく感じますね。そんな才能に恵まれながらも決しておごることなく周囲への感謝の気持ちを忘れないTobiasの言動は素晴らしいと思うし、僕のわずか1歳年上の彼が自分の夢を叶えている姿には胸を打たれました。ハイライトは⑮FarewellでWACKENの大観衆(公称10万人)が一体になっているのをステージから見て感激しているTobiasの表情でしょうか。Tobiasと僕の間には直接的な繋がりはないし、住んでいる世界が全く違うのですが本作を観ていると自分も家族や仕事のために自分にできることを頑張ろうという気持ちにさせてくれます。現時点での最新作「THE MYSTERY OF TIME」(2013)のライナーノーツには「THE SCARECROW」3部作完成後に本作を発表してAVANTASIAは幕を降ろす予定だったとの記載があり、Tobiasもインタビューでツアーを再び実現させるのは難しいという見解を示していましたが、ご存知の通りAVANTASIAは2011年、2013年にもワールドツアーを実現させています。本作には参加していないMichael Kiske(Tobiasは12歳の時にKiskeの歌を聴いてシンガーを目指すようになったのだとか)も帯同したライブも是非DVD化してもらいたいですね。

【音源紹介】
・Farewell(Live)

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE MYSTERY OF TIME」(2013)

  • 2013/03/28(木) 00:00:00

【CD購入録】
THE MYSTERY OF TIME
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE MYSTERY OF TIME」(2013)

豪華なゲストシンガーを迎え、現代メタルシーン屈指のソングライターTobias Sammet(Vo)が各ボーカリストに合った楽曲を手掛けるプロジェクトAVANTASIAの6作目を買いました。今回の参加メンバーはJoe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW、DEEP PURPLE、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Michael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Biff Byford(Vo/SAXON)、Ronnie Atkins(Vo/PRETTY MAIDS)、Eric Martin(Vo/MR. BIG)、Bob Catley(Vo/MAGNUM)、Cloudy Yang(Vo)、Sascha Paeth(G/ex-HEAVENS GATE)、Oliver Hartmann(G、Vo/HARTMANN、ex-AT VANCE)、Arjen Lucassen(G/AYREON)などなどです。常連メンバーだったAndre Matos(ex-ANGRA)、Jorn Lande(ex-MASTERPLAN etc)、Russell Allen(SYMPHONY X)といったメタルシンガーが不参加、JoeやEricといったハードロック系シンガーが初参加している一方で「今回は初期2作品のようなメタルオペラ作品になる」という情報を耳にしてどんな作風になるのか気になっていましたが、音楽性はさほどメロパワ寄りではなくHR/HMの枠に収まりきらないほど多彩な楽曲で構成される近作に似た内容ですね。本作では各シンガーに役柄を与えているという意味で1st、2ndアルバムのような作品ということなのだと思います。AVANTASIAの作品は即効性は低いけれど、聴き込むうちにどんどんはまっていくことが多いので全10曲(うち10分超えの大作が2曲)、日本盤ボーナストラック2曲を合わせると約72分に及ぶ聴き応え十分な本作の世界にどっぷり浸りたいと思います。KiskeとKai Hansen(G/GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)のタッグがUNISONICで実現したとはいえ音楽性がキーパーサウンドとは距離があるので、KiskeとTobiasのタッグによる疾走曲④Where Clock Hands Freezeはメタルを歌うKiskeが聴きたい僕にとっては理想的なナンバーですね。

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA」(2011)

  • 2011/04/06(水) 00:00:00

【CD購入録】
THE FLYING OPERA
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE FLYING OPERA:AROUND THE WORLD IN TWENTY DAYS-LIVE-」(2011)

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)が結成した現代パワーメタル界屈指のプロジェクトAVANTASIA初のライブ作品(2DVD、2CD仕様盤)を買いました。本作は2008年のTHE SCARECROW WORLD TOURよりドイツで毎年開催されているヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIRとチェコで行われたMONSTERS OF ROCKの音源で構成されていて、2公演のテイクを日本を含めた2008年ワールドツアーのセットリスト順に編集したもののようです。いやぁ、これは素晴らしい。購入前からある程度予想はしていましたが、3rd「THE SCARECROW」までの曲でベストに近いセットリストからなる本作は2011年に買った新譜の中では1番好きかもしれません。ソングライター/シンガーとしてだけでなくステージではフロントマンとしても超アクティブに躍動するTobiasを筆頭に、AVANTASIAの音世界を見事にライブで再現してくれたゲストシンガーと演奏陣に目がクギ付けです。スタジオ盤に参加していた豪華ゲストについては全員ではないもののツアーに帯同していて、険しい表情で熱唱する姿に「歌鬼」の異名は伊達ではないと思ったJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)、マイクを持っていない右手の動きがまるでオーケストラの指揮者のようであるために小澤 征爾さん(あくまで僕のイメージです)に見えたBob Catley(Vo/MAGNUM)など、このDVDで初めてライブを目にしたミュージシャンも多いです。まだDVDは2回しか見ていませんが何度もリピートしたくなりますね。

そして見逃せないのが、これまでのAVANTASIAの歩みをTobiasがロングインタビューで語るDVDのDisc-2です。「自分のアイドル達と共演したい」という想いからスタートしたAVANTASIAの歴史、初のPVが制作されたシングルLost In Spaceの誕生秘話や、それをWACKENで演るかどうかの葛藤などスタジオ作品を聴いているだけではわからないAVANTASIAの裏側を見ることができます。才能に溢れていながらも決しておごることなく周囲への感謝の気持ちを忘れないTobiasの言動は素晴らしいと思うし、僕のわずか1歳年上の彼が夢を叶えて自分が憧れていたスターと共演している姿が本当に眩しくてカッコいい。特に印象的だったのは⑮FarewellでWACKENの大観衆が一体になっているのをステージから見て感激しているTobiasの顔。自分の夢が実現した時に人はこんなにも素晴らしい表情になるんですねぇ…。2010年に行われたAVANTASIA2度目のワールドツアーも是非DVD化して欲しいです。

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「ANGEL OF BABYLON」(2010)

  • 2011/03/29(火) 00:00:00

ANGEL OF BABYLON
【No.282】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第10位

当初は前編・後編で完結する予定だったもののTobias Sammet(Vo/EDGUY)の創作意欲が止まらなかったため3部作となった「THE SCARECROW」物語のパート3にしてAVANTASIAの5thアルバム。同時リリースされた第2部「THE WICKED SYMPHONY」と同じくバラエティに富んだ、それでいてキャッチーなメロディを持った楽曲が目白押しな充実作です。ゲストシンガーのインパクトではKlaus Meine(SCORPIONS)、Tim Ripper Owens(YNGWIE MALMSTEEN、ex-JUDAS PRIEST)が参加していた前作に一歩譲りますが、本作ではJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が大きな存在感を放っているし、個性派シンガーJon Oliva(Vo/SAVATAGE)やメタル界を代表するキーボードプレイヤーJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)が参加するなど相変わらずの豪華さを誇っています。

Jornによる説得力抜群の歌唱でスタートした後TobiasにRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)、前作ではギタリストに徹していたOliver Hartmann(Vo/HARTMANN、ex-AT VANCE)が加わってパワフルにせめぎ合い、伸びやかなサビはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)が朗々と歌う①Stargazersは正に「AVANTASIAオールスターズ」と呼ぶべきナンバーで、それに続いて王道を行くメロディックメタル曲②Angel Of BabylonはJensによる特徴的なキーボードソロをフィーチュアしながらスリリングに疾走していきます。オープニングに9分半の長編①とわかりやすいメロパワ②を並べるという入り方は前作と同じですね。また楽曲の多彩さという点で本作は過去最高と思えるほどで、ポップな歌メロがインパクト抜群な③Your Love Is Evil、3rd「THE SCARECROW」収録曲のThe Toy MasterではAlice Cooper(Vo)が演じていたストーリー上のキャラ「トイ・マスター」がJon Olivaの客演で再登場するミステリアスチューン④Death Is Just A Feelingという対照的な2曲、Eric Singer(Ds)による「1、2、3、4!」のカウントで始まりクワイアやシンフォニックな質感を排除しているためラフな仕上がりとなったハードロック⑤Rat Race、AVANTASIAのプロデューサーSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)のペンによるゴシックメタル調をAVANTASIAのツアーに帯同した経験もある女性シンガーCloudy Yangが全編を歌う⑧Symphony Of Life、オールドスタイルなロックサウンドを前に出した⑨Alone I Remember(Jornのパフォーマンスがこれまた素晴らしい)など非常にカラフル。それでいて各曲にはTobias節が貫かれているし、アルバム終盤をEP「LOST IN SPACE PART 2」(2007)にも収録されていた名曲⑩Promised LandBob Catley(Vo/MAGNUM)が希望を感じさせるメロディを優しく聴かせるシンフォバラード⑪Journey To Arcadiaといった「らしい」曲で締めてくれているため「散漫」ではなく「バラエティがメチャクチャ豊富」という印象になっています。ちなみに⑩のEPヴァージョンではTobias、Jorn、Kiskeの3名がボーカルを分け合っていましたが、本作ではTobiasとJornのみが歌うヴァージョンとなっています。

このプロジェクトの初期2作品はアルバムタイトルからして「メタルオペラ」だったのに対して、この「THE SCARECROW」3部作をTobiasは「ロックオペラ」と表現しているとおりメタル色は確実に薄まっているのでメロパワを求めると肩透かしをくらうかもしれませんが、練り上げられた楽曲群はどれも高品質だと思います。気になる点を挙げるとすれば本作のオープニング、エンディング曲がやや尻切れトンボ気味に終わっているのと、今回の3部作はゲーテの「ファウスト」をモチーフにしていながらも内容が抽象的なため物語の情景を思い浮かべながら音楽を聴くというコンセプトアルバムならではの楽しみが味わいにくいことでしょうか。本作ならびに「THE SCRECROW」サーガはストーリーに沿って聴き進めるというよりは、優れた楽曲集として楽しむアルバムという感じですね。

【音源紹介】
・Promised Land(ANGEL OF BABYLON VERSION)

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE WICKED SYMPHONY」(2010)

  • 2011/03/27(日) 00:00:00

THE WICKED SYMPHONY
【No.281】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第9位

今やメロディックメタル界の最重要人物となった感のあるTobias Sammet(Vo/EDGUY)EDGUYと並行して活動を続けるプロジェクトAVANTASIAの4thアルバム。前作「THE SCARECROW」(2008)が完成した時点から続編の存在を明言していたTobiasが溢れるインスピレーションを抑えることなく曲作りを進めた結果、裕にアルバム2枚分のマテリアルが出来上がったため本作と5th「ANGEL OF BABYLON」を同時リリースするという形をとっています。今回も初期2作品のようなメロパワ路線ではなく、曲調の幅を大きく広げた前作の延長線上にある1枚という印象ですね。ゲストシンガーはAndre Matos(ex-ANGRA、SHAMAN)、Bob Catley(MAGNUM)、Jorn Lande(MASTERPLAN)、Michael Kiske(UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)、Ralf Zdiarstek(他のシンガーと比べて知名度は低いですがAVANTASIAの初期2作品にも参加)という過去作品でも歌っていた顔ぶれに加えて新たにKlaus Meine(SCORPIONS)、Russell Allen(SYMPHONY X)、Tim“Ripper”Owens(YNGWIE MALMSTEEN、ex-JUDAS PRIEST)の3人が参加しています。

何と言っても圧巻なのはアルバム序盤の畳み掛け。プロデューサーSascha Paeth(G/ex-HEAVEN'S GATE)と並んでAVANTASIAには欠かせないMiro(Key)が手がける壮大でシンフォニックなイントロに導かれてTobias、Jorn、Russell3人のボーカルが交錯しながらキャッチーなサビへと繋がる9分半の大作①The Wicked Symphonyで幕を開け、Kiskeがキーパー時代HELLOWEEN風のメロパワを歌う②Wastelands、初参加のRipperにピッタリの鋼鉄チューンでTobias自身もJUDAS PRIESTPainkiller風と認める③Scales Of Justice、Klausがカリスマ性抜群の歌声でAVANTASIAの世界をSCORPIONS色に染めてみせた王道ハードロック④Dying For An Angelまでの流れには、Tobiasの卓越した作曲能力と豪華シンガー陣が共演するAVANTASIAの魅力が凝縮されていると思います。それ以降もBobの渋い歌唱が冴えるバラードとして始まりMEATLOAFっぽい劇的展開の中でBobとTobias、Jornが絡み合い、終盤にはKiskeも登場する8分の長編⑥Runaway Train、Jornの独壇場とも思えるオーセンティックなハードロック⑧Forever Is A Long Time、Russellのエネルギッシュボイスと共に駆け抜けるアップテンポ⑩States Of Matterなどは一聴して心を揺さぶられました。

ただ上記楽曲のように即効性のある曲も存在する一方で、メロディックメタルの枠に納まり切らず拡散し続ける楽曲群に戸惑いを感じたのも事実で、正直なところ聴き始めの頃は本作と「ANGEL OF BABYLON」の収録曲の約半数ずつしか気に入っていなかったので「2枚にする必要もなかったのでは…」と思っていた僕ですが、リピートするうちにどんどん引き込まれていきました。これだけ豪華な歌い手が揃う作品でありながら聴きどころをゲストに持っていかれることなく常に曲の良さが耳を捉え、しかもゲストシンガーの特性を活かした楽曲を次々と生み出すTobiasのソングライティングスキルの高さこそがAVANTASIAの肝ですね。ちなみに前作のMVPシンガーがJorn Landeだとすれば本作のMVPはKlaus Meineでしょう。参加曲は④のみながら独特の艶と張りのある歌声で圧倒的な存在感を放っています。また本作には日本盤ボーナストラックとして前作のシングル曲Lost In Spaceのライブが本編終了後に収録されていますが「THE WICKED SYMPHONY」と「ANGEL OF BABYLON」という連続性のある音世界に浸る際の妨げとなっていると思うので「ANGEL OF BABYLON」のラストにまとめて欲しかったかな。「ライブテイクが聴けるのは嬉しいけれど作品の構成的にはありがた迷惑かも」という意味でSENTENCEDの遺作「FUNERAL ALBUM」(2005)を思い出してしまいました(苦笑)。

【音源紹介】
・Dying For An Angel

TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「LOST IN SPACE PART1 & 2」(2008)

  • 2011/03/05(土) 00:00:00

LOST IN SPACE PART1  2
【No.280】
★★★(2010)

Tobias Sammet(Vo/EDGUY)率いるプロジェクトAVANTASIAが3rd「THE SCARECROW」(2008)に先駆けてリリースした2枚のEP「LOST IN SPACE PART1」と「LOST IN SPACE PART2」を1枚にまとめたお得盤(現時点で国内盤はありません)。前々からこのEPは聴いてみたかったのですが、1枚あたり6曲で\2,100という価格がネックとなって購入に踏み切れずにいたので、このような形(2枚のEPを1枚にまとめて約\1,500)でリリースされていなければ買っていなかったと思います。

【トラックリスト】
01. Lost In Space(オリジナル曲。3rd「THE SCARECROW」に収録)feat.Amanda Somerville
02. Lay All Your Love On Me(ABBAのカバー)
03. Another Angel Down(オリジナル曲。3rd「THE SCARECROW」に収録)feat.Jorn Lande
04. The Story Ain't Over(オリジナル曲。本作にのみ収録)feat.Bob Catley and Amanda Somerville
05. Return To Avantasia(1st「THE METAL OPERA」メインテーマの小インスト。本作にのみ収録)
06. Ride The Sky(LUCIFER'S FRIENDのカバー)feat.Eric Singer
07. Promised Land(オリジナル曲。後にバージョン違いを5th「ANGEL OF BABYLON」に再録)feat. Jorn Lande and Michael Kiske
08. Dancing With Tears In My Eyes(ULTRAVOXのカバー)
09. Scary Eyes(オリジナル曲。本作にのみ収録)
10. In My Defense(FREDDIE MERCURYのカバー)
11. Lost In Space(Alive At Gatestudio)feat.Amanda Somerville
12. Lost In Space(Extended Version)feat.Michael Kiske

EP盤ではタイトル曲①はPART1と2の両方に、②~⑥がPART1、⑦~⑪がPART2に収録、⑫は本作にのみ収録されていて「THE SCARECROW」とダブるのは①、③の2曲となっています。ただし、そこからカバーやインスト小曲を除くとここでしか聴けないAVANTASIAの純然たる新曲は3曲だけということになります。

そんな収録曲の内訳を見ると魅力薄な作品と思ってしまいそうですが、さにあらず。聴き逃すには勿体ない楽曲が含まれています。まず新曲ではTobias自身も会心の出来と語るバラード④が秀逸。Bob Catley(Vo/MAGNUM)の声にマッチしたこの曲は「THE SCARECROW」3部作本編のバラードを凌駕しているのではと思えるほどです。⑦は後のアルバムに再録したのも納得の名曲だし、派手さに欠けるものの⑨も佳曲。またカバー曲については⑥こそあまり馴染めなかったものの、地元の先輩HELLOWEENが発表したカバーアルバム「JUKEBOX」バージョン以上にはまっていると思う②、EDGUYの出世作3rd「VAIN GLORY OPERA」収録のHymnに続いて2曲目となるULTRAVOXのカバー⑧、故Freddie Mercury(Vo/QUEEN)の世界観にTobiasが果敢に挑んだ⑩などが楽しめました。ちなみにタイトル曲のバージョン違い⑪と⑫は前者がいわゆるアコースティックバージョン、後者がオリジナルには不参加のMichael Kiske(Vo/UNISONIC、PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)も歌っていてアレンジも異なるバージョンです。

Tobiasは2008年にEDGUYで「TINNITUS SANCTUS」とAVANTASIAで「THE SCARECROW」を、2010年にはその続編「THE WICKED SYMPHONY」、「ANGEL OF BABYLON」と3年間で4枚のフルアルバムを発表していながら、本作のような隠し球まで持っているんですから驚きですね。オリジナルアルバムを差し置いて購入するほどとまではいきませんが、Tobiasファンは聴いておいて損のない1枚ではないでしょうか。それにしてもTobiasはEDGUY時代から、しれっと名曲をシングルに入れてくるので油断できませんね。僕の中でTobias Sammetと瞬火(B、Vo/陰陽座)の2人はカップリング曲も聴き逃したくないソングライターです。

EP盤のジャケットはこちら。
LOST IN SPACE PART1
「LOST IN SPACE PART1」(2007)

LOST IN SPACE PART2
「LOST IN SPACE PART2」(2007)

何だかジャケットに統一感がないですね…。

【音源紹介】
・The Story Ain't Over

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「THE WICKED SYMPHONY」(2010)、「ANGEL OF BABYLON」(2010)

  • 2010/04/01(木) 00:00:00

【CD購入録】
THE WICKED SYMPHONY
TOBIAS SAMMET'S AVATNASIA「THE WICKED SYMPHONY」

ANGEL OF BABYLON
TOBIAS SAMMET'S AVATNASIA「ANGEL OF BABYLON」

2010年にリリースされる新作の中でも僕が大きな期待を寄せていたTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAによる2枚の新作を買いました。ストーリー的には前作「THE SCARECROW」(2008)の続編で、今回の2枚もゲーテの「ファウスト」がベースとなっているようです。そういえば「ファウスト」はKAMELOTが「EPICA」(2003)、「THE BLACK HALO」(2005)でも題材にしていましたね。本編11曲ずつが2枚(日本盤ボーナスとしてライブテイクを1曲ずつ追加して各12曲)というボリュームなので、聴き応えは十分過ぎるほどにあります。

作品の全体像を掴むにはしばらく時間がかかりそうですが、現時点での感想を箇条書きにすると…
・どこかで聴いたメロディもあるような気はしますが、僕はやっぱりTobias Sammet(Vo/EDGUY)の曲が好き。
・AVANTASIAの初期作品「THE METAL OPERA」のようなメロパワ路線ではなく、HR/HMの枠を越えた楽曲もあった前作の延長線上にある印象。
・実力派シンガーがひしめく本作の中でもJorn Lande(Vo/MASTERPLAN)の存在感が凄い。
・2枚とも9分近くの大作で幕を開ける大胆さが面白い。
という感じでしょうか。

前作も含めてしばらくは「THE SCARECROW」3部作を聴きまくる日々を送ることになりそうです。

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「LOST IN SPACE PART1 & 2」(2008)

  • 2010/03/30(火) 00:00:00

【CD購入録】
LOST IN SPACE PART1  2
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「LOST IN SPACE PART1 & 2」(2008)

メロディックメタル界のニューリーダーTobias Sammet(Vo/EDGUY)率いるTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAの3rd「THE SCARECROW」(2008)に先駆けてリリースされた2枚のシングル「LOST IN SPACE」(2007)のPART1とPART2が1枚になったお得な輸入盤を買いました。前々からこのシングルは聴いてみたかったのですが、1枚あたり6曲で\2,100という価格がネックとなって購入に踏み切れずにいたので、このような形でリリースされていなければ聴いていなかったかもしれません。

【トラックリスト】
01. Lost In Space feat.Amanda Somerville
02. Lay All Your Love On Me (ABBAのカバー)
03. Another Angel Down feat.Jorn Lande
04. The Story Ain’t Over feat.Bob Catley and Amanda Somerville
05. Return To Avantasia
06. Ride The Sky feat.Eric Singer (LUCIFER'S FRIENDのカバー)
07. Promised Land feat. Jorn Lande and Michael Kiske
08. Dancing With Tears In My Eyes (ULTRAVOXのカバー)
09. Scary Eyes
10. In My Defense (FRREDIE MERCURYのカバー)
11. Lost In Space (Alive At Gatestudio)feat.Amanda Somerville
12. Lost In Space (Extended Version)feat.Michael Kiske

オリジナルシングルのジャケットはこちら。
LOST IN SPACE PART1
「LOST IN SPACE PART1」(2007)

LOST IN SPACE PART2
「LOST IN SPACE PART2」(2007)

①はPART1と2の両方に、②~⑥がPART1、⑦~⑪がPART2、⑫が本作にのみ収録されていて、「THE SCARECROW」とダブるのは①、③の2曲となっています。トータルで見ればオリジナル曲は半分くらいなので寄せ集め作品的な印象は拭いきれませんが、Tobias自身も会心の出来と語るバラード④、Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN etc)Michael Kiske(Vo/PLACE VENDOME、ex-HELLOWEEN)が共演したスピード曲⑦などはフルアルバムの楽曲と比べても遜色ないし、カバー曲も②、⑧、⑩は結構気に入っているので、アウトテイク集として片付けてしまうには勿体ないクオリティとなっているのは流石ですね。それにしても既発シングルを1枚にまとめて再発するという手法はシングル を買い揃えた人からすると複雑でしょうね。僕もこの「LOST IN SPACE」については本作だけを買って嬉しい思いをしていますが、EDGUYの「KING OF FOOLS」(2004)、「LAVATORY LOVE MACHINE」(2004)、「SUPERHEROES」(2005)という3枚のシングルが「THE SINGLES」(2008)として再発されているのを知ったときはちょっとショックでした。僕は「KING OF FOOLS」と「SUPERHEROES」を持っているので…。3月31日にリリースされるAVANTASIAの次回作「THE WICKED SYMPHONY」、「ANGEL OF BABYLON」についても2枚組で発売してくれればファンの懐にも優しかったんですけどね。まぁ一番大切なのはリリース仕様ではなく音楽そのものだと思うので、ファンとしてAVANTASIAの2作品を楽しみに待つつもりです。

TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA「THE SCARECROW」(2008)

  • 2008/11/25(火) 07:55:41

THE SCARECROW.jpg
【No.075】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第6位

EDGUYというバンドだけでなく、今やジャーマンメタル界のリーダーといえる存在になりつつあるTobias Sammet(Vo/EDGUY)が主宰するプロジェクトAVANTASIAの3作目。Tobias自身、AVANTASIAの3枚目のアルバムはないと公言していた時期もあっただけに、こうして3rdアルバムがリリースされたことはファンとして嬉しいですね。

このプロジェクトの目玉であるゲスト陣は相変わらずの豪華さです。ミステリアスな①Twisted MindRoy Khan(Vo/KAMELOT)、一般のボーカルものとしても通用しそうなバラード⑤What Kind Of Loveには女性シンガーAmanda Somaville、邪悪なムード漂う前半からキャッチーな後半になだれ込む⑦The Toy Masterには重鎮Alice Cooper(Vo)と今回初参加のメンバーのみならず、今やここでしかメタルを歌う声を聴けないMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)の伸びやかな歌唱が楽しめる超HELLOWEENタイプの疾走曲③Shelter From The Rainなど各シンガーの持ち味を活かしまくった楽曲を生み出すTobiasの作曲能力に改めて感服。が、しかし本作の美味しいトコを持っていったのはJorn Lande(Vo/ex-MASTERPLAN)ですね。ケルト風味のドラマティック大作②The Scarecrow、キャッチーな歌メロと躍動感が魅力の⑥Another Angel Downなどでの熱唱振りは他のどのシンガーよりも輝いてます。ちなみに演奏陣はパワーメタル界の名プロデューサーSascha Peath(G/ex-HEAVENS GATE)がギター、リズム隊はTobias自身がベース、Eric Singer(Dr/KISS etc)がドラムというバンド形態を基本にKai Hansen(G, Vo/GAMMA RAY)、Rudolf Shenker(G/SCORPIONS)がゲスト参加しています。

アルバム全体としてはEDGUYと呼応するかのようにメロディックパワーメタル色は後退しているので、パワーメタルの王道的作品を求めるとやや厳しいかもしれませんが、過去2作以上にバラエティに富んだ楽曲が揃っていて、そのどれもが耳に残るメロディを持っているのは流石。すでに「THE SCARECROW」後編の制作も決定しているらしいので、次回作にも期待大ですね。

【音源紹介】
・Shelter From The Rain

TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA「THE METAL OPERA PART 2」(2002)

  • 2008/11/23(日) 07:58:45

THE METAL OPERA PART 2.jpg
【No.074】
★★★★(2002)

若き天才Tobias Sammet(Vo/EDGUY)によるソロプロジェクトAVANTASIA待望の第2弾。メロディックメタルとして、圧倒的な完成度を誇ったPART 1と同時期にレコーディングされていた本作は、絵に描いたようなジャーマンメタル作品だった前作に比べると更にシンフォニックなものはより壮麗にしつつ、ハードロックサウンドも取り入れ曲の幅を広げてきたように感じます。参加メンバーも前作同様の豪華なメンツに加え、気品ある英国ボイスが魅力のBob Catley(Vo/MAGNUM)が参加してるのも注目。

いきなりクライマックスかというほど大仰でドラマティックな大作①The Seven AngelsからAVANTASIAストーリーの後編はスタート。ゲストシンガーの大半が参加し、入れ替わり立ち代り歌い上げる14分の感動絵巻はこの手の音楽が好きな人にとっては至福のひと時となるでしょう。その後はコンパクトにまとめられた楽曲が続き、TobiasとMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)のデュエットで高揚感あるメロディが歌われるジャーマンチューン②No Return、Bob Catleyの渋い歌声がはまるバラード④In Quest ForAndre Matos(Vo/ex-ANGRA)Kai Hansen(Vo、G/GAMMA RAY)がボーカルを分け合い、サビではTobiasが「Welcome To Avantasia~♪」と歌い上げる本作最高の疾走曲⑧Chalice Of Agonyを筆頭にハイクオリティな楽曲が揃っています。

気になるのは「METAL OPERA」の名を冠している割には、音楽的には各曲のつながりが希薄でオペラ作品というより優れたシンフォニックメタル作品になってるということ。豪華絢爛な①を冒頭に持ってきて終盤はどう盛り上がるのかと期待してたのに、淡白なラスト⑩Into The Unknown(いい曲なんですけどね)でAVANTASIAストーリーが締めくくられてしまってるのが残念。純粋に一つの作品として見た場合は美味しいメロディがテンコ盛りなので、その辺りは気にしないでいれば十分楽しめる1枚です。

【音源紹介】
・The Seven Angels(前半部分)

TOBIAS SAMMET’S AVANTASIA「THE METAL OPERA」(2001)

  • 2008/11/21(金) 09:59:06

THE METAL OPERA.jpg
【No.073】
★★★★★(2001)
年間ベスト2001年第2位

新世代ジャーマンメタルバンドEDGUYの若きフロントマンTobias Sammet(Vo)が自ら作ったファンタジック・ストーリーを展開させるコンセプトアルバム。このアルバムの目玉は何といっても豪華すぎるゲストでしょう。主なところを挙げてみても、伝説のハイトーンシンガーMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をはじめ、Rob Rock(Vo/ex-IMPELLITERI)、Oliver Heartmann(Vo/ex-AT VANCE)、Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN)といったメタル界の実力派シンガーに加え、麗しのエンジェリックボイスの持ち主Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)他多数のゲストシンガーが参加しています。そしてバックを支える演奏陣もHenjo Richter(G/GAMMA RAY)、Markus Grosskopf(B/HELLOWEEN)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY)(曲によってゲストプレーヤー参加)というメンツで、このラインナップ見ただけで興奮してしまいます。

これだけのメンバーを集めたTobiasの人望とゲストシンガー陣にも引けをとらない堂々たる歌唱に感心しきりですが、ここに収録されている曲のなんと素晴らしいことか。一聴して思い出したのは、HELLOWEENがメタル界に残した金字塔的アルバム「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」ですね。序曲からジャーマンメタルの王道を行く疾走曲②Reach Out For The Lightに始まり、キャッチーなサビを持つ③Serpents In Paradiseはいわゆる「キーパーなメロディ」が魅力の曲でHELLOWEENのFuture WorldRise And Fallの雰囲気を感じさせます。2005年に「本家」HELLOWEENが「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」の続編を発表したけど、このアルバムの方がキーパーらしいメロディが味わえます。それ以降も抜群のメロディを持った曲が続きますが、Andre Matosの繊細な歌声がはまっているバラード小曲⑪Inside、威厳に満ちたミドルチューン⑫Sign Of The Cross、クライマックスを飾る10分の大作で完成度の高い疾走曲⑬The Towerと異なるタイプの曲調で畳み掛けるアルバム終盤は圧巻です。

「METAL OPERA」というタイトルから想像するほど、オペラティックな要素はなく基本的な音楽性はEDGUYと大差ないけど、本作以前にリリースされたEDGUYのどのアルバムよりも好きです。「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PART 3」というフレコミで聴いたとしても、僕はすんなり受け入れられそうなアルバム、即ちメロディック・パワーメタルの名盤ということですね。

【音源紹介】
・Sign Of The Cross(Live)
後半は「THE METAL OPERA PART 2」(2002)の1曲目The Seven Angelsです。