【CD購入録】TALISMAN「7」(2006)

  • 2014/12/03(水) 00:00:00

【CD購入録】
TALISMAN7
TALISMAN「7」(2006)

スウェーデンの重鎮TALISMANによるタイトル通りの7作目を買いました。正直なところ4th「LIFE」(1995)をピークとしてTALISMAN関連の作品に物足りなさを感じていたのですが今回は一味違いますね。勢いに満ちたハードロック①Fallingで幕を開けるやMarcel Jacob(B)のベースが全編でうなり、グルーヴィなナンバーからポップソング、バラードまで多彩な表情を見せてくれます。従来のバンドにはなかったタイプの曲が書けるJamie Borger(Ds)の存在も大きく、彼のペンによる産業ロック系⑨Shed A Tear Goodbyeが良いアクセントになっていますね。TALISMANが持つ音楽的要素がバランスよく溶け合っているという意味では入門盤に相応しい1枚と言えるかもしれません。これだけの充実作を生み出しておきながら当時のメンバーは課外活動に忙しくMarcelとJamieはLAST AUTUMN'S DREAMで毎年アルバムを発表、Fredrik Akesson(G)ARCH ENEMYにも在籍、そしてJeff Scott Soto(Vo)は憧れのバンドでもあったJOURNEYのシンガーの座を射止めたこともあって本作がラストアルバムになるのではないかと囁かれていました。結局FredrikはARCH ENEMYを、JeffはJOURNEYを脱退したのですがMarcelの自殺という形で本作がTALISMAN最後のアルバムとなってしまったのが残念でなりません…。アヴァロン・レーベルによるとバンドは未発表音源を収録したアルバムの制作を予定しているそうです。

【現在の愛聴盤】TALISMAN「CATS AND DOGS」(2003)

  • 2014/11/30(日) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
CATS DOGS
TALISMAN「CATS AND DOGS」(2003)

今年に入ってマイブームとなっているTALISMANの後期作品の中で以前から持っていた唯一のアルバム(6作目)をヘビロテ中です。前作「TRUTH」(1998)とHUMANIMALで活動を共にしていたPontus Norgren(G)は脱退、前任者Fredrik Akesson(G)が復帰しています。「ヘ!ヘ!ヘェェェイ!!」というJeff Scott Soto(Vo)のシャウトとファンク要素の強い①Skin On Skinに面食らうものの、HR/HM好きなら理屈抜きで熱くなれるアップテンポ②Break It Down Again、リピートするに連れて味わいが増してくる③In Make Believe、④Love Will Come AgainMarcel Jacob(B)を中心とした演奏陣にスポットを当てた⑤Outta My Wayと続くアルバム前半はなかなかの手応え。後半にテンションが下がってしまうのが残念ですがJamie Borger(Ds)のペンによる爽やか系ミドル⑦Sorryは本作で一番のお気に入りです。ベテランらしい貫禄のある作品である一方、初期のアルバムに収録されていたような名曲が欲しくなる1枚でもありますね。

【CD購入録】TALISMAN「TRUTH」(1998)

  • 2014/11/27(木) 00:00:00

【CD購入録】
TRUTH.jpg
TALISMAN「TRUTH」(1998)

独特のグルーヴ感と叙情メロディが織り成すTALISMANサウンドを完成させた傑作「LIFE」(1995)を発表後、別プロジェクトHUMAN CLAYを結成して2枚のアルバムをリリースしたMarcel Jacob(B)Jeff Scott Soto(Vo)が再びTALISMANの名の下でタッグを組んだ通算5枚目のアルバムを買いました。ドラマーはお馴染みのJamie Borgerですが、ギタリストはPontus Norgren(ex-GREAT KING RAT)にチェンジしています。まず驚かされるのはTALISMANとしては3年振りの復活作でありながらQUEENのカバー①Let Me Entertain Youで幕を開けるという点です。自他共に認める(?)ひねくれ者で皮肉屋のMarcelらしいと言えばそうなのかもしれませんが。アルバムの作風としては前作「LIFE」、前々作「HUMANIMAL」(1994)ほどのヘヴィさはなく、全体的にマイルドな仕上がりになっています。中でも⑤I'll Be There 4 U、⑧Heaven's Got Another Hero、⑨Your Manといったバンドのソフトサイドを担う楽曲が充実していますね。特に⑤はJamie Borger(Ds)が書いたナンバーで、後にLAST AUTUMN'S DREAMで発揮される作曲センスが窺える1曲です。一方、メタリックチューンとしては⑬Pavilion Of Oblivionのような「らしい」曲はあるものの過去の名曲と比べると物足りない気もしますね。それなりに楽しめるアルバムではありますが決め曲に欠けていたり、音楽性を拡げすぎた感があったりするのでTALISMANの作品としては微妙かな。

【現在の愛聴盤】TALISMAN「LIFE」(1995)

  • 2014/09/06(土) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
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TALISMAN「LIFE」(1995)

9月3日にTALISMANの1st「TALISMAN」(1990)、2nd「GENESIS」(1993)がリマスター再発されたことを受けてTALISMAN特有の音楽性が完成の域に達した4th「LIFE」(1995)をリピート中です。初期2作品も良いけれど僕にとってTALISMANと言えば本作ですね。新しく取り入れたヘヴィネスとグルーヴが前作「HUMANIMAL」(1993)では強調され過ぎていた感がありましたが、今回は持ち前のメロディセンスと見事に融合しています。①Tears In The Sky、⑥Loveblind、⑨Bodyなどはこのバンドならではの名曲ですね。なお本作は先行で発売された国内盤と、リマスターの上ボートラとして未発表曲1曲とデモ音源3曲を追加した欧州盤とで曲順やミックスが異なります。僕はゼロ・コーポレーションから出ていた日本盤を最初に聴き、1993年に行われた初の来日公演の模様を収めたライブアルバム「5 OUT OF 5 LIVE IN JAPAN」と本作のヨーロッパ盤がセットになった2枚組を後で購入しました(勿論お目当てはライブの方)。聴き比べてみると音質の良さ、曲間が短くクロスオーバー気味に楽曲が繰り出されるミックスのハマリ具合などからヨーロッパ盤の方が好きなのですが不満がひとつあります。それは国内盤では①のラストで繰り広げられていたボーカルとベースの応酬がカットされていること。アルバム全体で見ても大きな聴きどころになっていたのに何故このようなミックスにしたのか疑問です…。この点にさえ目をつぶればライブとセットになった輸入盤の方が断然お得だと思います。

【CD購入録】TALISMAN「HUMANIMAL」(1994)

  • 2014/08/20(水) 00:00:00

【CD購入録】
HUMANIMAL
TALISMAN「HUMANIMAL」(1994)

Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)という元YNGWIE MALMSTEEN組を中心としたスウェーデン産ハードロックバンドTALISMANの3作目を買いました。1994年のリリース当時は日本とヨーロッパで収録曲が異なるバージョンが発売されていましたが今回僕が買ったのは再発盤の2枚組仕様です。

トラックリストはこちら
DISC-1
01. 3233 + Colour My XTC
02. Fabricated War
03. Tainted Pages
04. TV Reality
05. Seasons
06. All + All
07. D.O.A.P.S.
08. Blissfull Garden
09. Lonely World
10. Delusions Of Grandeur
11. Since You've Gone
12. Humanimal
13. Doin' Time Wit' My Baby

DISC-2
01. Animal Ritual
02. You Cannot Escape From The Revelation Of The Identical By Seeking Refuge In The Illusion Of The Multiple
03. My Best Friends Girl
04. Dear God
05. Hypocrite
06. Wastin' R Time
07. To Know Someone Deeply(Is To Know Someone Softly)
08. Todo Y Todo(All + Allのスペイン語バージョン)

デビュー作は北欧メタルの王道、2ndアルバムではそこにグルーヴィな味わいを加えるなど音楽性を変化させてきた彼等ですが、今回は一段とヘヴィなサウンドに傾倒していますね。このアルバムで展開されている路線がTALISMANの持ち味のひとつであることは確かながら、バンドのダークサイドをかなり強調した仕上がりとなっていてデビュー当時とはまるて別バンドのよう。特にDISC-1①Colour My XTCPVは曲調もさることながらラッパーのような風貌と振り付けで歌うJeffに驚かされました。僕は本作を後追いでチェックしたため、ある程度の耐性はできていましたがリアルタイムで聴いていたらショックだったでしょうね…。ただ過去の音楽性と切り離して聴くと決して悪い作品ではないし、DISC-1⑨Lonely World、⑫HumanimalはTALISMANらしさ全開の好メタルチューンとなっています。ちなみにタイトルが異様に長いDISC-2②You Cannot Escape From The Revelation Of The Identical By Seeking Refuge In The Illusion Of The Multipleはテクニカルな演奏をバックにJeffが曲名をメロディに乗せて歌う実験的なナンバーです。全21曲という長尺のボリューム、曲調の振り幅の大きさなどから冗長、散漫といったイメージもありますがもう少し聴き込んでみようと思います。

TALISMAN「GENESIS」(1993)

  • 2014/08/16(土) 00:00:00

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【No.404】
★★★(1995)

結成当初はMarcel Jacob(B/ex-YNGWIE MALMSTEEN)のスタジオプロジェクトと見なされていたTALISMANの2ndアルバム。バンド名を冠したのデビュー作から約3年振りとなる今回のアルバムでもJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)がMarcelの相棒を務めていますが、JeffはもうひとつのバンドEYESに専念するために一時TALISMANを脱退するなど再びタッグを組むまでは紆余曲折があったようです。またギタリストにはオーディションで発掘した新人Fredrik Akessonを迎えており、彼は後のTALISMAN作品にも多く参加することとなります。Fredrikは2005年にChristopher Amott(G)ARCH ENEMYから脱退した際にツアーギタリストとして加入(2007年にChristopherが復帰したためスタジオ盤には不参加)、今ではOPETHに在籍するなど現代北欧ミュージックシーンで名うてのギタリストとしての地位を確立しているのでMarcelは見る目があったということですね。

音楽性はというと「典型的な北欧メタル」だった前作から一皮剥けて、後のTALISMANサウンドのキーとなる「独特のうねり」が顔を出すようになっているためデビュー作はMarcelのソロ、今回がTALISMANとしてのリアルファーストアルバムと捉えることができるかもしれません。そんな変化を象徴するかのように1stアルバムで楽曲を彩っていたキーボードは大幅に減少してサウンドが骨太になっています。グルーヴィなバッキングとキャッチーなサビメロが耳に残る①Time After TimeYNGWIE MALMSTEENの「MARCHING OUT」(1985)に収録されてそうなハードチューン②Comin' Homeで掴みはOK。HR/HMには似つかわしくないファンキーなアレンジを巧みに取り入れた④If U Would Only Be My Friendを聴いているとTALISMANが凡百の北欧メタルバンドと一線を画す存在だと感じさせられますね。そんなバンドの新生面が強調されている今回のアルバムは楽曲のインパクトという面ではデビュー作に一歩譲りますが、強力な哀メロが炸裂する⑨Give Me A Signはバンドを代表する名曲です(サビ直前のアコギもいい!)。また、MR.BIGの有名曲Addicted To That Rushに酷似した⑤All Or Nothingは冒頭の歌詞までもがそっくりなのできっと確信犯でしょうね(笑)。

TALISMAN最大の特徴であるMarcelのベースはかなり目立ってきているし、Jeffの剛柔を巧みに使い分けたボーカルも安定感を増しています。「お行儀のいい」タイプの曲が多かったデビュー盤よりも、本作ぐらい適度にロックした作風の方がJeffの声が活かされていますね。さほどのめり込めない曲があるのも事実だし音質が良くなかったり、ドラムが打ち込みであるため迫力に欠けるといった弱点は今回も改善されていませんが「GENESIS」(=「創世記」、「起源」)と題された本作でTALISMANは自分達のサウンドを掴んだと言えると思います。なおアヴァロン・レーベルから9月3日にリリースされる再発盤は2012年に輸入盤でのみ発売されていたバージョンと同じ内容のようです。

【音源紹介】
・Give Me A Sign

TALISMAN「TALISMAN」(1990)

  • 2014/08/12(火) 00:00:00

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【No.403】
★★★(1995)

10代の頃からYngwie Malmsteen(G)と音楽活動を共にし、 彼のソロ名義で2作目にあたる「MARCHING OUT」(1985)にも参加していたスウェーデン屈指のベースプレイヤーMarcel Jacob(故人。2009年7月に自殺)が自分のやりたい音楽を追及するために結成したTALISMANの1stアルバム。後にMarcelとJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)を中心としたバンドへと成長していったTALISMANですが、結成当時はMarcelのソロプロジェクト的な色合いが強かったようでシンガーもJeffではなく「Mr.北欧ボイス」ことGoran Edman(Vo/ex-MADISON)が想定されていたのだとか。ところがGoranがYngwieに引き抜かれたためMarcelが「MARCHING OUT」のバンドメンバーでもあったJeffに声をかけたという経緯があったようです。なおキーボードプレイヤーとしては後のYngwieバンドに長期間(1989年から2001年まで)在籍することとなるMats Olaussonも参加していて良い仕事をしています。

TALISMANは後にファンキーでグルーヴィーな要素を強めていきますが、本作は透明感あるキラキラサウンドと瑞々しいメロディの数々が楽しめる「これぞ北欧メタル」な1枚となっています。力強くもキャッチーな歌メロをフィーチュアしたオープニングチューン①Break Your Chains、冒頭のアカペラからして爽快感に溢れたハードポップ③I'll Be Waiting、北欧ならではの哀メロが冴え渡る⑤Just Between Us、⑨Day By Dayなどはこのバンドのみならず北欧メタルを代表するナンバーだと思います。また上記4曲には一歩譲るもののハードにドライヴィングする⑦Queenも結構好きだし、それ以外も佳曲揃いでMarcelが優れたソングライターであることを証明してくれていますね。アルバムの中で明らかに浮いているロックンロール⑩Women, Whiskey, And Songsこそ微妙ですが、本編を締めくくるインスト⑪Great Sandwichでは泣きのギターとMarcelらしいベースソロが楽しめて好印象。

このアルバムにはいくつかのバージョンが存在していて、僕が最初に聴いたのはオリジナルの11曲にボーナストラックとしてライヴ音源が6曲も追加されたゼロ・コーポレーションからの国内盤でした。追加音源の中にはMarcelも参加していたJohn Norum(G/EUROPE)の1stソロ「TOTAL CONTROL」に収録されていたLet Me Love You、Eternal FlameやMarcelがJoey Tempest(Vo/EUROPE)と共作したEUROPE随一のメタルチューンScream Of Angerといった興味深いナンバーも含まれていますが音質が極めて悪いためほとんど聴いていません(苦笑)。また2003年には本作のナンバーをGoranが歌ったデモバージョン7曲とインスト1曲が追加されたリマスター盤が再発され、GoranによるTALISMANの曲が聴きたくて買い直しました。一部、曲タイトルや歌詞が異なるGoranバージョンはJeffが歌うオリジナルと聴き比べても遜色ないばかりか、中にはDay By DayのようにGoranの方がはまっていると思える曲もあるほどです。バンドはJeffの持ち味を活かすため作を重ねるごとに今回のアルバムで展開しているような北欧サウンドから離れていくことになるのですが、もしGoranがフロントマンになっていたらTALISMANがどのような方向性へ進んでいたのか聴いてみたい気もしますね。ちなみに9月3日にアヴァロン・レーベルから再発される国内盤にはGoranが歌っている音源は収録されていないようです。

【音源紹介】
・I'll Be Waiting