【CD購入録】SIRIUS ROAR「QUALIA」(2016)

  • 2016/09/27(火) 00:00:00

【CD購入録】
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SIRIUS ROAR「QUALIA」(2016)

名古屋出身の4人組メロディック・スピードメタルバンドSIRIUS ROARのデビュー作を買いました。メインソングライターのSHO(G、Key)X JAPAN、STRATOVARIUS、SONATA ARCTICAから影響を受けているらしく本作の収録曲は初期SONATA ARCTICA系のキラキラ疾走曲が中心にしつつ、STRATOVARIUSのHunting High And Lowタイプのキャッチーソングや叙情バラードなどが時々顔を出すという感じです(歌詞は全て日英混合)。どこかで聴いたフレーズが散見されるのは事実ながら、メロパワの王道をひた走るその姿は清々しいほどだし魅力的なメロディも多いのでリピートしたくなります。クラシック畑の出身でヴァイオリンもこなす女性シンガーERIKAの歌唱は飛び抜けた個性はありませんが、変なクセもないので聴きやすいですね。お気に入りはアルバムを締めくくる唯一のバラード⑩Rose Of Truthでしょうか。ERIKA嬢のボーカルも現時点ではスピードチューンよりも、この手の曲の方がマッチしているように思います。SUNBURST、ETERNITY'S ENDと並ぶ2016年のブライテストホープ候補と言えそうなバンドですね。

JANNE DA ARC「D・N・A」(2000)

  • 2016/05/25(水) 00:00:00

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【No.471】
★★★★★(2007)

ヴィジュアル系全盛期の1999年に「ヴィジュアル系バンドの最終兵器」というキャッチコピーでメジャーデビューを果たしたJANNE DA ARC(ジャンヌ・ダルク)の1stアルバム。作品タイトルは遺伝子を意味するのではなくDifferent Native Answersという言葉の頭文字から来ているそうです。このバンドについては以前からHR/HMリスナーでも楽しめるという前評判を耳にしていたしBURRN!誌でも取り上げられていましたが、なかなか聴くに至らず2007年にようやくチェックしました。「もっと早くこのアルバムを聴いておくべきだった」というのが正直な感想でしたね。ヴィジュアル系にカテゴライズされる彼等ですがメタルの要素もしっかりと存在しているし、適度に盛り込まれたクサメロやテクニカルパートがいいアクセントになっています。

2分弱のインスト①Deja-vuとそれに続く②Vanity、③「ファントム」を聴いて「僕好みのサウンドだな」と思っていたら、どキャッチーなサビのアカペラ歌唱から始まる爽やかチューン④「Eden~君がいない~」以降は更に強力で打ちのめされました。一部で「メロハー化したDREAM THEATER」と呼ばれていることも頷けるポップな歌メロと難解なフレージングが融合した⑥Stranger、気持ちを高揚させるサビが堪らないメロディックメタル⑧Lunatic Gate、クサメロを撒き散らしながら疾走するデビューシングル曲⑩Red Zone(Album Mix)、美味しいメロディが堪能できる⑪Ringといったメタル寄りの楽曲群は文句なしのカッコよさを誇っています。また虐待という重いテーマとリンクした不気味な雰囲気の⑤「child vision~絵本の中の綺麗な魔女~」、仄かな哀愁が胸に沁みる⑦「桜」、響き渡る鐘の音が結婚式を連想させるピースフルなエンディング曲⑫Heaven's Placeなど曲調に振り幅がありつつ、どれもメロディが魅力的なのが素晴らしいですね。

yasu(Vo)の声が細く感じられたり、恋のかけ引きをテーマにした歌詞が多く時にはエロティックだったりと苦手要素もなくはないのですが、それを補って余りある楽曲の良さが光っています。中でも④、⑦、⑧、⑩、⑪はキラーチューンですね。ヴィジュアル系のバンドをたくさん聴いているわけではないのですが、このジャンルの中で一番好きなアルバムです。本作に魅了されて彼等のベスト盤もチェックした覚えがありますね(本作ほどハマることはありませんでしたが)。2007年にyasuがソロプロジェクトACID BLACK CHERRY(通称ABC)を立ち上げて以降、JANNE DA ARC名義でライヴや楽曲の制作などはしておらず事実上の活動休止状態となってしまっているようです。いつか本作の路線で復活してくれないかな、と淡い期待を抱いているのですが可能性は低そうですね…。

【音源紹介】
Red Zone

【CD購入録】THOUSAND EYES「ENDLESS NIGHTMARE」(2015)

  • 2015/11/25(水) 00:00:00

【CD購入録】
ENDLESS NIGHTMARE
THOUSAND EYES「ENDLESS NIGHTMARE」(2015)

KOUTA(G/LIGHTNING)率いる国産メロデスバンドTHOUSAND EYESの2作目を買いました。KOUTAがTORU(G/TEARS OF TRAGEDY)とコンビを組むギターパートは本作でもバンドの大きな武器となっているし、DOUGEN(Vo/AFTERZERO)のグロウルも実に強力です。プレイボタンを押すと同時に炸裂する彼の咆哮と激しいブラストビートで幕を開ける①Endless Nightmareからしてインパクトがありますね。DOUGENが喉を痛めたためレコーディングが遅れたそうですが、アルバムを聴く限り心配はなさそうです。デビュー盤「BLOODY EMPIRE」(2013)の時点で完成度の高い90年代型メロデスを聴かせてくれていましたが、今回も期待を裏切らない出来栄え。もう少し楽曲の幅を広げてほしいような気もしますが、ここまで攻撃的に迫ってこられると逆に清々しく感じるほどです。中でもアルバムを締めくくる⑫One Thousand Eyesは年間ベストチューン候補に入ってきそうな1曲ですね。

【CD購入録】SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」(2015)

  • 2015/06/28(日) 00:00:00

【CD購入録】
Scrambled Colors
SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」(2015)

Kazu(G/ART OF GRADATION、ex-LIGHT BRINGER)がシンガーにHaruka嬢(TEARS OF TRAGEDY)を迎えて立ち上げた新バンドSCRAMBLED SOUL CIRCUSのデビュー作を買いました。結成当初はART OF GRADATIONで優れたメロディセンスを発揮していたReanne(Key)も在籍していたようですが残念ながら本作には不参加です。Kazuは僕が最も注目しているソングライターのひとりなので期待値が高かったのですが、それにきっちり応えてくれる彼らしいメロディが満載です。初めて聴いた時は各メンバーがメタル出身とは思えないほど軽い音とアラフォーの僕にはこっぱずかしい歌詞(⑨「ハミング♪」ラストの「ルンルン ハミング」は衝撃的/笑)に戸惑いもありましたが、リピートするうちに気にならなくなりました。現時点でのお気に入りは力強くも仄かな哀愁が漂う⑤Hide Myselfですね。そしてHarukaの歌声は魅力的だと再確認しました。パワフルだとか、凄いハイトーンで圧倒するというわけではないのですが聴いていて心地いいんですよね。

【CD購入録】SERENITY IN MURDER「THE HIGHEST OF DYSTOPIA」(2015)

  • 2015/06/19(金) 00:00:00

【CD購入録】
THE HIGHEST OF DYSTOPIA
SERENITY IN MURDER「THE HIGHEST OF DYSTOPIA」(2015)

ツインギター、鍵盤奏者を含む6人編成の日本産メロデスバンドSERENITY IN MURDERの2作目を買いました。デビュー作「THE FIRST FRISSON OF THE WORLD」(2011)はツボを押さえたシンフォデスサウンドでカッコいい良盤でしたが、これという決め手に欠ける印象もありました。今回は前作にあった物足りなさを払拭するかのように各曲のクオリティがワンランクアップしていて④Hurt Of Virtue、⑥Nocturnal Damned、⑧Await Me Your Oathなどアルバムのハイライトと呼べる曲があるし、やや画一的だったシンフォアレンジも幅を広げていますね。それでいて良い意味で女性らしさを感じさせないEmi(Vo)のグロウル、アグレッションとメロディアスな側面を併せ持ったSERENITY IN MURDERらしい世界観は健在。バンドの順調な成長振りを見せてくれる1枚となっています。ただし曲のフェイドアウトが乱暴に感じられるのはマイナス。中心人物のFreddy(G)によると今回は「無駄のない構成を目指す」ことをテーマとしていたそうですが、④などはエンディングをもう少し丁寧にして欲しかったですね…。

【CD購入録】SERENITY IN MURDER「THE FIRST FRISSON OF THE WORLD」(2011)

  • 2015/06/16(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE FIRST FRISSON OF THE WORLD
SERENITY IN MURDER「THE FIRST FRISSON OF THE WORLD」(2011)

女性ボーカルEmiを擁する国産メロデスバンドSERENITY IN MURDERの1stアルバムを買いました。攻撃的なサウンドを軸としつつ、メロディアスなフレーズを紡ぎ出すツインギターとシンフォニックなアレンジが織り成す楽曲群は僕好みですね。クリーンボイスを使うことなく終始グロウルで押しまくるEmiは迫力十分だし、サウンドプロダクションも良好。様々な面で新人離れした完成度を誇っています。惜しむらくはアルバムの決め手となる曲がないことでしょうか。音楽性としては僕の好きなタイプでクオリティも高いのに、聴き終わった時にあまり印象に残っていないというのが正直なところです。同系統バンドにGYZEというツワモノがいるため、どうしてもハードルが高くなりがちですが今後が楽しみなバンドであることは間違いありません。

【CD購入録】JADESTER「EGOIST」(2009)

  • 2015/04/19(日) 00:00:00

【CD購入録】
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JADESTER「EGOIST」(2009)

下山 武徳(Vo/ex-DOUBLE DEALER、SABER TIGER)を中心としたハードロックバンドSIXRIDEのメインソングライターだった青柳 慎太郎(G)がSIXRIDEの活動休止後に結成したJADESTERの1stアルバムを買いました。青柳のメロディセンスに魅せられた僕としては彼の曲が聴きたくて本作を購入したのですが、その期待を裏切らない楽曲群が並んでいます。HR/HMよりも若干軽いサウンドに乗せたロックチューンを軸にしつつ、どこか懐かしいメロディを持った⑥「邪悪なJOKER」、タンゴのリズムからキャッチーなサビに繋がる⑧「石の華」、ピュアバラード⑪Riverなどもあってなかなか好感触。ボーカルの蓬田 政志は少しクセのあるタイプ(特に語尾の伸ばし方)で力んで歌うと坂本 英三(Vo/ANTHEM)っぽく感じられる場面もありますね。次のアルバムがあるなら聴いてみたいと思えた1枚ではあるのですがオリジナルメンバー土橋 直樹(B)が2012年に不慮の事故で他界してしまったこともあり、現時点でリリースされているアルバムは本作のみのようです。

【CD購入録】CYNTIA「WOMAN」(2015)

  • 2015/04/13(月) 00:00:00

【CD購入録】
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CYNTIA「WOMAN」(2015)

3rd「LIMIT BREAK」(2014)が現代ガールズメタルバンド勢の中でも出色の出来だったCYNTIAの4作目を買いました。デビュー当時から培ってきた歌モノHR/HM路線が結実した感のあった前作の後に発表したシングル「KISS KISS KISS」、「勝利の花束を-gonna gonna be hot !-」の曲調やメンバーのルックス、アルバムタイトルなどからHR/HMから距離を置こうとしていることは明らかだったので覚悟して本作を聴きましたが、たしかにHR/HMバンドとして聴くと肩透かしをくらいますね。個人的にはHR/HMかどうかよりも、僕の琴線に触れるメロディを聴かせてくれることが大事なので、その点については今回も流石という感じですがデビュー当時からこのサウンドだったらCYNTIAを知ることはなかったかもしれません。本作についてはファンの間でも賛否両論(否の方が多い?)あり、過去作品に比べてセールス面でも苦戦しているようですね…。バンドの創設メンバーであり、メンバーの中でもメタル志向が強そうなYUI(G)、KANOKO(Ds)は本作に納得しているのかな?と思っていたら4月になってKANOKOがバンドを脱退したようです。理由は体調不良とのことですが…。それに加えて現CYNTIAの作曲面のカギを握るAZU(B)が以前に在籍していたLAZYgunsBRISKYで復活ライブを行うなどCYNTIAとしての今後が心配になるニュースが多いですね。バンドは今、重大な岐路に立っているのかもしれません。

SIXRIDE「SIXRIDE」(2004)

  • 2015/04/07(火) 00:00:00

SIXRIDE
【No.426】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第4位

「アニキ」の愛称で親しまれている魂のボーカリスト下山 武徳(Vo/DOUBLE DEALER、ex-SABER TIGER)率いるSIXRIDEの2ndアルバム。基本的にはデビューアルバム「TICKET TO RIDE」(2003)で確立した歌謡曲テイストもあるジャパニーズロックを継承していますが、前作に若干残っていたSABER TIGER風のゴリゴリメタルチューンは姿を消しているため一段とメロディアスになったように感じます。バンドのメインソングライター青柳 慎太郎(G)のメロディセンスが冴え渡る楽曲群、喜怒哀楽を見事に表現した下山の圧倒的な「歌」の説得力と胸に突き刺さる歌詞が一体となって迫ってくるSIXRIDEの魅力がダイレクトに伝わってきますね。

静かなイントロで始まり終盤は鬼気迫る歌唱でドラマティックに盛り上がる①「マグダラ」、そこから間隔を開けずに続く②「三千世界」は前曲の勢いをうまく引き継いだ絶妙なミドルチューンとなっていて、この冒頭2曲で僕は本作の世界に引き込まれました。それ以降もSIXRIDEを代表するバラードと呼べそうな③「蒼い刻」、哀愁と親しみやすさが融合したハードロック④「蜃気楼の彼方」が並び、デビュー作を超えるのではという期待感を抱かせてくれます。バンドのヘヴィサイドを強調した⑤Black Native World以降は若干テンションが下がるものの、シャッフル調のリズムが新鮮で心地よい⑥Float Flower、リリカルなピアノと下山の繊細な歌唱が胸に沁みる叙情バラード⑦「月影」(作曲はベーシストの竹内 聡)、歌謡曲風でありながら不思議な力強さも感じられる⑧F-Angel、ノリのいいハードロック⑨Row Out、そして前作のREGRET DAYSと同様に明るくアルバムを締めくくってくれる⑪On The Windと良曲が満載です。スラッシーなビートを刻むモダンな⑩「切り裂けば黒い泥が流れる者へ」はサビ以外が語りまたはシャウトという実験的なナンバーでアルバムの中では浮いていますが、これはこれでアリだと思います。

前作以上にメタル成分が減退しているためSIXRIDEにSABER TIGERの続きを期待すると肩透かしをくらいますが、HR/HMファン以外にもアピールできそうな1枚でもあります。惜しむらくはデビュー作に収録されていた「茜色の空」、Dec.級のキラーチューンがないことでしょうか。とは言っても楽曲は十分粒揃いなので、それを求めるのは贅沢なのかもしれませんが…。デビューから2枚続けて名盤クラスのアルバムを発表してくれたSIXRIDEでしたが、2004年の12月にセカンドギタリスト荒瀬 崇光の脱退とバンドの活動休止を発表しています。その後、下山は島 紀史(G/CONCERTO MOON)と組んだDOUBLE DEALERを再始動(2009年に解散、2010年にはSABER TIGERに復帰)、青柳は2006年に自身のバンドJADESTERを結成し2009年に1stアルバム「EGOIST」をリリースするなど中心メンバーの2人は別々の道を歩んでいます。とはいえ青柳が下山のアコースティックライブ「夜会」にゲスト参加するなど交流は続いているようだし、SIXRIDEとしても2014年5月にGACHARIC SPINの札幌公演に友情出演して新曲を披露したそうなのでいつか復活してほしいですね。

【音源紹介】
ごめんなさい。本作の音源を見つけることができませんでした。

【CD購入録】下山 武徳「アコースティック・マキシシングル四部作『地水火風』」(2009~2010)

  • 2015/04/04(土) 00:00:00

【CD購入録】
SABER TIGER、DOUBLE DEALER、SIXRIDEといったバンドで活動してきた下山 武徳(Vo)のデビュー10周年を記念するアコースティック・マキシシングル四部作「地水火風」を買いました。各作品ともにオリジナルの新曲3曲、ライブ音源1曲(2006年発表の2ndソロ「SINGER」より)という構成となっています。

今回はそれぞれのジャケットと気に入った楽曲の一言コメントを書いていきます。

一期一会 「地」
下山 武徳「一期一会~『地』~」(2009)
①「一期一会」
フォークソングのようなシンプルな演奏であるがゆえに一層引き立つ下山の熱唱が胸に響きます。
②「記憶の土」
アコギをかき鳴らしながら歌われるメロディがキャッチーで良いです。

白い軌跡 「水」
下山 武徳「白い軌跡~『水』~」(2009)
①「白い軌跡」
静かな歌い出しから徐々に盛り上がっていく展開が感動的。
③Freedom Cry
下山の情感のこもったボーカルが炸裂。「哀しきは自由♪」というサビが耳に残ります。

焔丿鳥「火」
下山 武徳「焔丿鳥~『火』~」(2009)
①「焔丿鳥」
「火」というテーマから連想される激しさが感じられる1曲。アレンジ次第ではカッコいいメタルチューンにもなりそうです。
③「ともしびのうた」
「焔丿鳥」が「動」だとすれば、こちらは「静」の歌。メロディを丁寧に紡いでいく穏やかなバラード。

風音舞う「風」
下山 武徳「風音舞う~『風』~」(2010)
①「あなたへの風」
演奏を一切排除したアカペラソング。押し寄せてくる下山の歌声にただ酔いしれるのみです。
③「風音舞う」
四部作のラストを締めくくるのに相応しいスケールの大きな1曲。「風」というテーマに合ったリコーダーをフィーチュアしているのもいいですね。

オリジナル曲はどれも5分越えとアコースティックにしては長尺でありながら、間延びしている感はなく聴き応えがあります。またライブ音源については音質が今ひとつではあるものの「生」ならではの魅力に満ちていて好印象。ただ、こういう音源は1つのライブ作品としてじっくり聴きたいし、4枚のマキシという形態を取っているため出費がかさむ(1,500円×4枚)のが痛いですね…。そんな不満点はありますが十分楽しめる内容であることは間違いありません。今回の四部作リリース後の下山はSABER TIGERでの活動を軸にしていますがソロ名義でのアルバムも聴きたいですね。

SIXRIDE「TICKET TO RIDE」(2003)

  • 2015/04/01(水) 00:00:00

TICKET TO RIDE
【No.425】
★★★★(2003)
年間ベスト2003年第2位

1997年にSABER TIGERへ加入、その後は島 紀史(G/CONCERTO MOON)DOUBLE DEALERを結成するなどしていた魂のボーカリスト下山 武徳がSABER TIGER脱退後に結成した自身のバンドSIXRIDEのデビュー作。下山のバックを固めるのは青柳 慎太郎、荒瀬 崇光という若いギターチーム、SABER TIGER時代の盟友で下山と共にバンドを脱退した竹内 聡(B)、礒田 良雄(Ds)ということもあって実際に聴くまではSABER TIGERにも通じるメタルサウンドを漠然と想像していました。しかし本作ではヘヴィメタルというジャンルに囚われることなくロックンロール、モダンロック、歌謡曲調からバラードまで幅の広いロックサウンドを聴かせてくれます。

穏やかなイントロに続くキャッチーなサビからスタートする①「茜色の空」はPVも制作されたリードトラックで、歌謡曲っぽいメロディは一度聴いたら耳から離れないし終盤でロック調になるアレンジもグッド。SABER TIGER直系のメタリックチューン②HANG ON MY SOUL、③SOME LIEで畳み掛けた後は一転して悲哀に満ちた④That I Wish、アコースティックで優しく聴かせる⑤「想い人へ」というバラードが2曲続きます。このバンドはメタルソングもさることながら、それ以外の楽曲に魅力的なものが多いと感じていたのですがメカニカルなインスト⑦Sigma 6に導かれて始まるスピードメタル⑧SIGNAL X以降のアルバム後半でその傾向はより顕著になっています。メロディアスなサビが秀逸なミドル⑨「アルマレトラ」、爽やかな中にも哀愁のメロディをしっかり刻み込んだ名バラード⑩Dec.、そしてアルバムを軽やかに締めくくるロックンロール系⑭REGRET DAYSなど、これまでに下山が在籍していたバンドでは聴くことのできなかったナンバーが素晴らしいですね。そんな楽曲群の全てを手掛ける青柳 慎太郎はこれまで無名の存在でしたが本作を聴いて以降、僕にとっては注目のメロディメイカーとなりました。

そんな青柳との出会いも印象的だったものの、本作(というかSIXRIDE)の核となるのはやはり下山の情感溢れるボーカルです。SABER TIGER、DOUBLE DEALER、ソロ名義のアコースティック作品など、これまでは全て英語詞で歌っていましたが下山 武徳という歌い手は語感の良さよりも歌詞に想いを込めることを重視するタイプなので、それを英語で実現しようとするとメロディにうまく歌詞が乗らなかったり、そもそも英語として不自然に感じたりする場面があったのも事実。それに対してSIXRIDEでは日本語で歌う下山が聴けるので、彼の想いやメッセージがより明確に伝わってくるのが大きいですね。下山の歌唱法はアクが強いものの既に免疫ができていた僕にとっては逆にそこが魅力的だし、感情剥き出しでぶつかってくる彼のボーカルパフォーマンスは胸に響きます。下山主導のバンドということもあってSIXRIDEではSABER TIGERやDOUBLE DEALER以上に彼の歌が活かされていますね。

【音源紹介】
茜色の空

【CD購入録】CYNTIA「LIMIT BREAK」(2014)

  • 2014/03/13(木) 00:00:00

【CD購入録】
LIMIT BREAK
CYNTIA「LIMIT BREAK」(2014)

デビュー当時は「レーベルがALDIOUSの2匹目のドジョウを狙ったバンド」というイメージがあったのですが、着実に成長を続け今や最も勢いのあるガールズバンドと呼べるほどの存在となったCYNTIAの3作目を買いました。前作「LADY MADE」(2013)のCD購入録でも同じこと書いていますが、今回のアルバムを聴いてまず感じたのがSAKI(Vo)の目を見張る成長振りです。本作ではこれまでになかった器用さまでも身に付けていますね。そんな彼女の歌声を活かすかのように楽曲の幅も広がっていて楽しげな曲調に乗る「踊らにゃ損損!」という歌詞が耳に残る⑦「エレウテリア」、ジャジーな雰囲気もある⑧SSSなどは今のSAKIの歌唱力あってこそのナンバーだと思います。バンドの本道である「歌ものメタル」の側面についてもハードさは減退したもののメロディのフックは健在で、シングルになった①「閃光ストリングス」と同等かそれ以上の楽曲が収録されています。YUI(G)、AYANO(Key)、AZU(B)という3人のソングライターそれぞれが手がけた曲が並ぶアルバムを今のバンドが総力を結集して作り上げた長編⑪Limit Breakで締める構成もグッド。バンドとしてのまとまりをこれまで以上に感じさせてくれるこのアルバムはCYNTIAの最高傑作だと思います。

【CD購入録】THOUSAND EYES「BLOODY EMPIRE」(2013)

  • 2013/09/05(木) 00:00:00

【CD購入録】
BLOODY EMPIRE
THOUSAND EYES「BLOODY EMPIRE」(2013)

IRON-CHINO(G)率いるトゥルーメタルバンドLIGHTNINGにも在籍しているKOUTA(G)とエクストリームメタルバンドAFTERZERO(僕は未聴)のボーカルDOUGENを中心とした純国産メロディック・デスメタルバンドTHOUSAND EYESの1stアルバムを買いました。本作で展開されているのは90年代型のメロデスで、どこか懐かしさも感じますね。このバンド最大の武器はKOUTAとTORU(G/TEARS OF TRAGEDY)が奏でる泣きまくりのギターでしょう。どの曲でもギターソロが大きな聴きどころとなっているだけでなく、リフなどそれ以外のパートも充実していて聴きごたえがあります。そんなメロディアスな側面とDOUGENによる迫力満点のデスボイス、屈強なリズム隊が生み出すブルータリティの対比、それらの要素を聴き手に届ける良好なサウンドプロダクションなど様々な面で新人離れしていますね(各メンバーとも他に活動母体を持つ手練揃いだからかもしれませんが)。収録されている10曲全てがアグレッシブな疾走系ということもあり、アルバムとしてはもう少しメリハリが欲しい気もしますが個々の楽曲はかなりカッコいい。今回はデビュー作なのでバンドの強みを全面に出しておいて、次のアルバムから楽曲の幅を広げれば名盤を作り上げてくれるのではないかと期待しています。GYZEといい、このTHOUSAND EYESといい、今年は日本のメロデスシーンが熱いですね。

【CD購入録】CYNTIA「LADY MADE」(2013)

  • 2013/05/06(月) 00:00:00

【CD購入録】
LADY MADE
CYNTIA「LADY MADE」(2013)

インディーズのスピニングからビクターへと移籍してメジャーデビューを果たしたガールズバンドCYNTIAの2ndアルバム(DVD付きの初回限定盤より収録曲が多い通常盤)を買いました。デビューEP「RUN TO THE FUTURE」(2012)は硬派な黒、1st「ENDLESS WORLD」(2012)は可愛らしさを強調した白、そして今回はお色気路線を狙った(?)赤で来ましたね。まだバンドイメージの方向性を模索中なのでしょうか?音楽性については前作で確立した歌ものメタルを継承していますが、歌詞面では今回のヴィジュアルとリンクしたものが多いような気がします。最初に感じるのはSAKI(Vo)の歌唱レベルが向上している点。デビュー当時と比べて余裕が出てきて表現の幅が広がっていますね。楽曲的にはデビュー作のタイトル曲Endless Worldほどのキラーチューンはないものの、耳に残るメロディが随所で聴けるのでしばらくヘヴィロテすることになりそうです。現時点では清水 昭男(G/ANTHEM)など外部ライターからのインプットも少なくないようですが、本作から加入したAzu(B)がリードトラック①「深愛エゴイズム」を手がけるなど創作面でも貢献しているので、今後バンドとして更に成長してくれそうなので期待が募りますね。

【CD購入録】CYNTIA「ENDLESS WORLD」(2012)

  • 2013/02/05(火) 00:00:00

【CD購入録】
ENDLESS WORLD
CYNTIA「ENDLESS WORLD」(2012)

これまでの女性メタルバンドのイメージを大きく変える派手なアゲ嬢風のルックスが話題となったALDIOUSを輩出したレーベルSpinningが放つガールズメタルバンドCYNTIAのデビューアルバムを買いました。「歌ものメタル」を目指しているというこのバンド最大の武器はキャッチー至極なタイトル曲③The Endless Worldに象徴される親しみやすいメロディセンスでしょう。それでいてアルバムの半分以上がアップテンポチューンで占められていることも聴きやすさに繋がっていますね。僕の好きなタイプのサウンドです。ボーカルのSAKIは抜群の歌唱力や個性を持っているあるわけではありませんが、そのオーソドックスな歌い方はメロディを聴き手に素直に伝えてくれるので、このバンドに適した人材だと思います。僕が買ったのは初回限定DVDが付かないかわりに収録曲が1曲多い通常盤なのですが、その⑫Bittersweet Nightshadeも90年代J-POPの空気を纏ったなかなかの佳曲です。ちなみにバンドは現在ビクターに移籍し、2013年中に2作目を発表予定だそうなので、こちらにも期待したいですね。

【CD購入録】屍忌蛇「TRIBUTE OF MASKED RIDER」(2009)

  • 2012/10/23(火) 00:00:00

【CD購入録】
TRIBUTE OF MASKED RIDER
屍忌蛇「TRIBUTE OF MASKED RIDER」(2009)

長男(4歳)がはまっていることもあって、最近我が家では毎週日曜の朝に家族揃って「仮面ライダーシリーズ」を見ています。前シリーズの「フォーゼ」を途中から、現シリーズ「ウィザード」を最初から見ていて思うのは最早バッタの面影はないなということ(苦笑)。ちなみに僕がリアルタイムで見ていたのは「ブラックRX」シリーズで結構面白かったように思うのですが話がどのように終わったのか覚えていません…。

前置きが長くなりましたが、そんな(我が家の)仮面ライダーブームに影響されて屍忌蛇(G/VOLCANO、ex-GARGOYLE etc)主導による仮面ライダーソングのカバーアルバムを買いました。本作は複数のシンガーが曲を分け合う形となっていてVOLCANOでも活動を共にするNOV(AION)を始めとする5人の歌い手が参加しています。ちなみに確証はありませんが、シンガーの中のひとりYuumaは屍忌蛇の一番弟子IRON-CHINO(G)率いるLIGHTNINGの3代目シンガー勇舞ではないかと思っています。全10曲中で原曲を知っているのは②「戦え!仮面ライダーV3」、④「レッツゴー!!ライダーキック」のみですが、それ以外の曲もすぐに覚えられました。中でも③「仮面ライダー クウガ」、⑧「仮面ライダーAGITO」という平成ライダーの歌は単純にカッコいいメタルだと思いますね。VOLCANOのデビュー作にして名盤の「VIOLENT」(1999)には流石に及ばないものの屍忌蛇のギターは随所で泣いているし、アレンジもカッコいいので続編を聴いてみたい企画盤です。

【CD購入録】SABER TIGER「MESSIAH COMPLEX」(2012)

  • 2012/10/18(木) 00:00:00

【CD購入録】
MESSIAH COMPLEX
SABER TIGER「MESSIAH COMPLEX」(2012)

木下 昭仁(G)率いる「北の凶獣」ことSABER TIGER下山 武徳(Vo)、田中 康治(G)を含む現ラインナップとなって放つ2作目(通算10枚目?)を買いました。聴き手の期待感を煽るイントロ①Engraveに導かれ「Raise our flag~♪」というGALNERYUSのようなシャウトで始まるタイトルトラック②Messiah ComplexからしてSABER TIGERらしいメタルサウンドが全開です。事前情報にあった通り、今回はこれまで以上に歌メロがキャッチーになったように感じますが、軟弱になったわけではなく硬派な正統派メタルで貫かれています。ちなみに特典DVDには下山が司会役となって他のメンバーに本作のことを聞くインタビューパート、5人のメンバーがドイツに赴きHELLOWEEN等との仕事でも知られるTommy Newtonと共に行ったミキシング/マスタリング作業の様子が収録されています(一番印象に残っているのは大病を患った木下御大が観光時に杖をついて歩いていることでしたが…)。個人的には同日発売のGALNERYUS「ANGEL OF SALVATION」の方が好みではあるものの、御大曰く「前作と2枚続けて聴いて欲しいアルバム」とのことなので、そういう聴き方もしてみたいと思います。

【CD購入録】SABER TIGER「DECISIVE」(2011)

  • 2011/08/04(木) 00:00:00

【CD購入録】
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SABER TIGER「DECISIVE」(2011)

バンド名とリンクする獰猛な野獣ジャケットが目を引くSABER TIGERの新作(オリジナルアルバムとしてはおそらく9作目)を買いました。今回は何といっても2010年1月にバンド復帰を果たした下山 武徳(Vo)のボーカルに注目していたのですが、その期待を裏切らない見事な熱唱を聴かせてくれます。そして、バンド唯一のオリジナルメンバーとしてSABER TIGERを牽引してきた御大 木下 昭仁(G)が大半を手掛ける攻撃的でヘヴィなメタルチューンと下山の歌声との相性も良く圧倒されますね。ちなみに本作の歌詞は下山ではなく音楽プロデューサー/作詞家の遠藤 フビトという人によるものだそうです(セルフライナーノーツはこちら)。なお本作には2011年2月に札幌で行われたライブの模様を納めたDVDが付属しています。Rise 2001~Vague Bless You、Misery、Light-Thunder-Lightといった僕の好きな楽曲を含め、80分以上というボリュームなのでこちらも見応えがあります。難を言えば、どこにもライブのトラックリストが記載されていないことでしょうか…。CD、DVD共にキャッチーでわかりやすいメロパワとは一味違うビターでストイックなヘヴィメタルがギッシリ詰まっています。バンドは本作での世界挑戦も視野に入れているようなので、このピュアなメタルサウンドで是非とも世界へ羽ばたいてもらいたいですね。

【CD購入録】SYU「CRYING STARS-STAND PROUD!-」(2010)

  • 2011/01/26(水) 00:00:00

【CD購入録】
CRYING STARS STAND PROUD
SYU「CRYING STARS-STAND PROUD!-」(2010)

日本人HR/HMアーティストが自身のルーツとなっている、または影響を受けた海外バンドの楽曲をカバーする企画盤「STAND PROUD!」シリーズの最新作を買いました。このシリーズはこれまでに屍忌蛇(G/VOLCANO)編、柴田 直人(B/ANTHEM)編が発売されていて、今回はSyu(G/GALNERYUS、SPINALCORD)による選曲です。Syuは僕と同年代ということもあって、SYMPHONY X、ARCH ENEMY、YNGWIE MALMSTEEN、STRATOVARIUSなど90年代半ばからHR/HMを聴くようになった僕の想い出が詰まったバンドの曲が多数収録されているので購入してみました。トラックリストについてはこちらの記事をどうぞ。全ての原曲を知っているわけではありませんがオリジナルに忠実なカバーが多く、すんなり聴ける印象ですね。

Syuの弾きまくりギターが聴きどころであるのは間違いないのですが、収録曲の約半数にあたる5曲に参加している小野 正利(Vo/GALNERYUS)がまた凄い。曲によってMike Vescera(YNGWIE MALMSTEEN)、Klaus Meine(SCORPIONS)、Timo Kotipelto(STRATOVARIUS)といったオリジナルシンガーの特徴を再現しつつも芯の部分はしっかり小野 正利という絶妙のバランスに感心しました。この辺りはかつてモノマネ番組で活躍した経験が活かされているのかな。ただJames LaBrie(DREAM THEATER)の卓越した表現力が絶品な⑪The Spirit Carries Onについては格の違いを改めて感じましたが。あとは②Damnation Game(SYMPHONY X)1曲のみの参加ですが圧倒的な存在感を放つNOV(Vo/AION、地獄カルテット)も耳に残りました。また⑫Only For The Weak(IN FLAMES)終盤のギターメロディに挿入されているのはGALNERYUSのSerenadeという曲(ライブDVD「LIVE FOR REBIRTH」のボーナスCD収録)のフレーズでしょうか。カバーアルバムは数回聴いただけでCDトラックに眠ったままになることも多いのですが、本作は結構リピートしています。

【現在の愛聴盤】SUPERFLY「BOX EMOTIONS」(2009)

  • 2009/10/13(火) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
先日、未聴だったSONATA ARCTICAの4th、5thアルバムを聴いておきたいという気持ちがムクムクと出てきたので、その2枚を含めて全部で10枚くらいのCDをレンタルショップで借りてきました。好きなアルバムはブックレットや歌詞カードを読みながら、じっくり聴きたいですが、買うほどではないけれど聴いておきたいアルバムを入手するのにレンタルは重宝しています。そんな10枚近くのレンタル作品の中でも、HR/HM系のCD以上にリピートしているのがこちら。

BOX EMOTIONS
SUPERFLY「BOX EMOTIONS」(2009)

セルフタイトル作「SUPERFLY」でデビュー後、その勢いは止まることを知らず今や日本のメジャーシーンで乗りに乗っているアーティストの1人となったSUPERFLYの2ndです。全13曲のうち半数近く(5曲)がドラマやCMのタイアップ曲で、それらをアルバム前半に集中させる作風は前作と同じですね。冒頭2曲が①Alright!!、②How Do I Survive?という勢いのある楽曲(どちらもシングル曲)なので、作品にすんなり入っていけました。そんなシングル曲以外もなかなか充実していて、どこか懐かしい雰囲気もある⑩「春のまぼろし」が特に好きです。スコーンと突き抜けるような越智 志帆(Vo)の力強い歌声は相変わらず凄みがありますが、やや直線的過ぎるような気も…。本作はかなり売れているみたいなので、おそらく2009年のJ-POPを代表する1枚と言われるんでしょうね。僕も好きです、このアルバム。実は本作と一緒にレンタルした邦楽アルバムはもう1枚あるのですが、それはまた別の機会に…。

SABER TIGER「SABER TIGER」(2001)

  • 2009/04/13(月) 08:40:48

SABER TIGER
【No.125】
★★★★★(2001)
年間ベスト2001年第3位

日本産ヘヴィメタルバンドの重鎮SABER TIGERの6thアルバム。2000年に結成されたDOUBLE DEALERでの熱唱で一気に僕の中で注目度がアップした下山 武徳(Vo)が在籍しているということもあり、このアルバムで初めてSABER TIGERの作品に触れてみました。リーダーの木下 昭仁(G)が手がける楽曲はどれも緊迫感に満ちたヘヴィメタルで、その中に流れるメロディアスな旋律が胸に響いてきます。

過去の楽曲をリ・アレンジしたというギターインスト①Rise 2001のギターの余韻をかき消すように入ってくる、下山の咆哮で始まる②Vague Bless Youへ至る流れはゾクゾクするほどのカッコよさ。その後もメタルチューン2連発を挟み、慟哭のパワーバラード⑤Eternal Loop(Red)、キャッチーなコーラスワークが印象に残るミドルチューン⑥Because Of Tearsと続くアルバム前半の流れは文句のつけようがありません。そして、アルバム終盤の大きなハイライトとなる⑪Believe In Yourself、⑫Fading Crying Star(これは名曲!)という2曲の疾走曲からバラード⑬Eternal Loop(Blue)で締めくくるという見事なアルバム構成に脱帽です。

木下の骨太なギターと名手磯田 良雄(Ds)擁するリズム隊が叩き出すエネルギッシュなインストパートとガチンコ勝負する下山の熱いボーカルが一体となって迫ってくる音像は、バンド名通りの獰猛さがヒシヒシと伝わってきます。DOUBLE DEALER以上に徹頭徹尾ヘヴィメタルな作風のアルバムなので、下山の熱唱ボーカルはSABER TIGERの剛直なパワーメタルサウンドの方がしっくりくるように思えます。日本のメタルバンド作品として、いやワールドワイドで考えても最高峰に位置する1枚です。

【音源紹介】
・Eternal Loop(Red)

SABER TIGER「INVASION」(1992)

  • 2009/04/12(日) 15:32:26

INVASION
【No.124】
★★★(2008)

「北の狂獣」の異名を持つ北海道出身のヘヴィメタルバンドSABER TIGERが1992年に発表した1stフルレンスアルバム。実はこのバンド、本作発表前にも自主制作盤をいくつかリリースしたり、ライブ活動をしたりとバンドとしてのキャリアは10年に及ぶそうで本作の楽曲からは、ポッと出の新人には纏うことのできない音の深み、凄みが感じられます。僕は後に島 紀史(G/CONCERTO MOON)DOUBLE DEALERを結成する下山 武徳(Vo)在籍時のSABER TIGERしか知らなかったけど、リーダー木下 昭仁(G)とギターチームを組む田中 康治(G)、女性ボーカル久保田 陽子を擁するこの5人編成も強力ですね。

楽曲の基本線はメロディック・パワーメタルでありながらネオクラっぽさはなく、捻りの効いた太いリフや変拍子を取り入れた曲展開が非常に巧みで他のバンドとは違う独自性を生み出しています。下山のボーカルで過去の楽曲をリメイクした「PARAGRAPH 3」(1998)にも収録されていた①Storm In The Sand、このバンドにしてはストレートなメタリックチューン②Light-Thunder-Light、リズミカルな曲調の③Nasty Heartといったアルバム冒頭から、メロディをじっくり聴かせるバラード調の⑩Miseryまで一気に聴くことができます。そんな楽曲の良さに加えて、この5人編成ならではの木下と田中のツインリードが堪らなくカッコいいんですよね。このギターチームは日本のメタルバンドの中でも最高レベルではないかと。また田中は作曲面でも貢献度が高く、本作でも約半数の曲を手がけています。

シンガー久保田の歌声は女性らしい繊細さは希薄ながら、ややブルージー且つ力強いスタイルで女性ボーカル云々という次元を超えた凄みがあります。SABER TIGERというバンドが出すガッチリしたゴツイ音像に太刀打ちするには、そんじょそこらのハイトーンシンガーよりも久保田や下山のような熱唱タイプの方がしっくり来ますね。ちなみに歌詞は全曲日本語です。贅沢を言えば、アルバムの最初から最後まで剛直なヘヴィメタルのオンパレードなため通して聴くとやや疲れてしまうので、メロウな純然たるバラードが欲しかったということくらいかな。ちなみに本作は一時廃盤となっていましたが、2003年にデジタルリマスター盤として再発されていて、ボーナストラックとして⑪Nasty Heart(Live Version ’91 Sapporo)が収録されています。

【音源紹介】
Misery

ZIGGY「NOW AND FOREVER」(2007)

  • 2009/03/20(金) 00:06:29

ZIGGY N AND FOREVER
【No.113】
★★(2007)

2005年に「JUST A RICKIN’ NITE」を発表後、メンバー間(というか森重 樹一松尾 宗仁)に不協和音があり、活動を休止していたZIGGYによる2年振りの復活作。前作が従来と異なる大人のロック路線だったこと、僕が求めるZIGGY像を森重と戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY etc)によるバンドTHE DUST’N’BONEZで体現してくれたこともあって、本作にはそれほど期待はしていませんでした。メンバーは津谷 正人(B)が脱退し、森重、松尾、JOEの3人が正式メンバー、ギターとベースにサポートメンバーを迎えています。

音楽性は前作の延長線上、というか前作に僅かに残っていたGo To Blazes!Junky Crashといった曲のようなハイエナジーなロケンローは皆無で、僕にとっては更にツライ方向性となってます。①Crazy Horse In My Headの出だしからして、ハードロック色の薄い作品だと痛感。ただ、繰り返し聴いていると松尾作曲の⑤Lewisは好きになってきたし、②「溢れる光を抱いて」、⑦Daisyあたりには森重節が残っていて、アレンジを変えれば僕が期待する「らしい曲」になりそうなのでZIGGYの魅力が全くなくなってしまったわけではないんですけどね。それにスローな③「その歌になり、その風になる」なんて森重のボーカリストとしての懐の深さを感じさせてくれるのも事実。聴き込めば、この渋いZIGGYの魅力もわかってくるのかな。初期ZIGGYの名曲I’m Gettin’ Blueのアンサーソング⑨Now And Foreverも曲調はレゲェ風、ボーカルパートは一部ラップのようになっていて音楽的にはまるで別バンドみたい。歌詞はI’m Gettin’ Blueの23年後を描いてて興味深いのに、メロディに酔えなんですよね。

僕の好きなハードロック路線のZIGGYはTHE DUST’N’BONEZに継承され、「JUST A ROCKIN’ NITE」以降、本家ZIGGYは松尾が音楽性のイニシアチブを握り、渋い味わいのあるロックバンドになったのかなという感想です。森重の歌詞には相変わらずハッとさせられることも多いのは確かなんだけど、曲が僕の苦手なタイプなのが痛い。逆にこの路線が好きだという人もいるとは思いますが。前作といい、本作といい、ファンが求めるZIGGYのパブリックイメージであるメロディアスなロックンロールと自分たちがやりたい渋いアダルトロック路線の間で迷走している印象が強いですね。結局、バンドはそのジレンマを脱することができず、2007年をもって無期限の活動休止(あくまでも解散ではないとのこと)という道を選択することとなってしまいました。森重が歌うハードロックはTHE DUST’N’BONEZで、またブルーズ路線はTHE PRODIGAL SONSで聴けるので、それほどショックは大きくないけれどいつの日かZIGGYとして復活してほしいですね。

【音源紹介】
・Lewis

ZIGGY「JUST A ROCKIN' NITE」(2005)

  • 2009/03/19(木) 15:10:54

JUST A ROCKIN' NITE
【No.112】
★★(2005)

SNAKE HIP SHAKESとして活動を始めた2000年から前作「ROCK AND ROLL FREEDOM!」をリリースした2003年までの4年間で、セルフカバーアルバムを含むと7枚ものフルレンスアルバムを作り上げるというハイペースで走ってきたZIGGY。前作発表後、中心人物の2人はZIGGY以外の活動に力を注いでいたようです。森重 樹一(Vo)はZIGGY本体の音楽性に非常に近いソロ作「ROCK & ROLL SiNGER」を発表したり、かつての盟友である戸城 憲夫(B/ex-ZIGGY etc)とのバンドTHE DUST'N'BONEZではハードロックサウンドを追求したりと相変わらずのワーカホリック振りを発揮。一方の松尾 宗仁(G)は70年代ロックへの愛情を込めた初のソロ作(僕は未聴)を発表しました。そんな各々の活動を経て、バンド結成20周年記念4枚組ベスト盤「VICISSITUDES OF FORTUNE」を発表後、ZIGGYの新作として2005年にリリースされたのが本作です。

前作が正にZIGGY全部入りな僕好み作品だったので、このアルバムにも期待していたのですが、やや微妙な印象です。前作のコンセプトが「This Is ZIGGY」だとすれば、今回は「脱ハードロック」がテーマの渋めのロック作品となっていて、SNAKE HIP SHAKESのサウンドや「HEAVEN AND HELL」をこよなく愛する僕としてはキツイ内容ですね。もちろんハードロック的要素がゼロになったわけではなく、②Go To Blazes!、⑧Junky Crashといった森重節満載のハードロックチューンは健在だし、高品質ポップチューン⑤「ムラサキノチョウタチヨ」は素晴らしいと思うんだけど、1枚のアルバムとして聴くと楽曲がどうにも弱い気がします。

当時のバンドはギクシャクした雰囲気で、楽曲のアレンジに対する意見の相違から松尾が脱退を口にしたり、森重もバンド解散を考えたりという危機的状況の中で、アルバム作りが進められたようです。ハードロックのエナジーが失われ、本作が渋いロック路線となった要因として、「脱退をほのめかした松尾を引き止めるために、森重が松尾の趣味であるROLLING STONES風のロックサウンドに歩み寄ったからだ」という噂もあるほど。当時の森重もBURRN!誌のインタビューの中で、本作制作段階での松尾との衝突やZIGGYという名前の重みと責任について赤裸々に語っていて、それを読む限り前述のような見方もあながち的外れではないように思えます。前作まではガッチリと噛み合っていたように思えるバンドの歯車が徐々に狂い始めたのが本作だったのかも。上記3曲は本当に名曲だと思うし、他の曲(③「ただ哀しくて」④「てんで手に負えないのさ」など)も聴き込めば悪くないんだけど、僕が求めるZIGGY像からは少し距離を置いた感のある1枚です。

【音源紹介】
・「ムラサキノチョウタチヨ」

ZIGGY「VICISSITUDES OF FORTUNE」(2004)

  • 2009/03/17(火) 08:16:52

VICISSITUDES OF FORTUNE
【No.111】
★★★★(2007)

日本最強のロックンロールバンドZIGGYの結成20周年記念4枚組ベストアルバム。全63曲というボリュームもさることながら、これほどクオリティの高い楽曲を揃えられるZIGGYはやっぱり凄い。ファン投票で選曲を決めた1992年発表の「ORDER MADE」、1997年までのシングルを網羅した「WHAT'S BEST? SINGLES 1987~1997」というこれまでにリリースした2枚のベスト盤の収録曲をほぼ全てカバーしているだけでなく、全曲リマスタリングを施してバンド初音源の自主制作盤「それゆけ!R&R BAND」や「SOUND TRAX」といったミニアルバムからの楽曲も取り上げてくれてるのがいいですね。それに加えて新曲2曲と「YELLOW POP」、「ZOO&RUBY」両アルバムの頃のデモ音源7曲も収録した豪華な1枚です。選曲に関してはこれまでのシングル曲のうち13枚目のWithout...だけが外れていたり、個人的にZIGGY最高のバラードだと思っている「この空のしたのどこかに」(共に「GLOIATH BIRDEATER」収録)が入っていないのが残念ですが、これほど長い歴史を持つバンドになると完璧なベスト盤を作るのは難しいんでしょうね。

1984年の結成から2004年まで時系列に沿って並べられた楽曲の数々からは、ZIGGYの音楽性の変遷がうかがえます。SNAKE HIP SHAKES以降のZIGGYから聴き始めた僕にとっては、バンド初期の森重 樹一(Vo)による巻き舌全開の歌い方(日本語なのに歌詞が聞き取れない)に違和感こそあれ、楽曲のメロディそのものは既にハイクオリティ。中でもデビュー15周年ライブ盤に収録されていた初期の名曲Disc-1②Feelin' Satisfied、⑤How、Disc-2③Long And Winding Roadのオリジナルバージョンが聴けるのは嬉しいですね。またデモ音源も見逃せないものが多く、中でもStay GoldタイプのDisc-2④「激しい雨に」、哀愁ポップソングDisc-2⑥「TIME~流れるままに~」の2曲はお気に入りだし、シングルでしか聴けなかったDisc-4⑦7th DirectionもハードロッキンなZIGGYの魅力が詰まった僕好みの1曲。ちなみに新曲2曲(Disc-4⑪悪魔と踊れ、⑫聲)は、2005年以降のZIGGYらしいブルージーテイストのある佳曲です。

個人的な好みで言えばリアルタイムで聴いてきたハードロック色の濃いDisc-4が好きですが、自分が小・中学生の頃にテレビでよくかかっていた初期~中期の名曲Disc-1⑨GloriaやDisc-3⑤Stay Goldを聴くとノスタルジックな気持ちになりますね。とにかくボリューム満点のベスト盤なので、僕のようにSNAKE HIP SHAKESからZIGGYを聴き始めた人、ZIGGY初心者の方(曲が多すぎるかもしれませんが)、かつてZIGGYに夢中だった人など、少しでもこのバンドに興味がある人なら買って損はないと思いますよ。4枚組で¥5,600というリーズナブルな価格も魅力。

【音源紹介】
・Long And Winding Road


・7th Direction

ZIGGY「ROCK AND ROLL FREEDOM!」(2003)

  • 2009/03/16(月) 08:17:25

ROCK AND ROLL FREEDOM!
【No.110】
★★★(2003)
年間ベスト2003年第7位

ZIGGYというバンド名が使えなくなるという危機に直面しながらも2002年に見事な復活を遂げ、デビュー15周年記念ライブDVDをリリースするなど、勢いに乗っていたZIGGYが放つ13thアルバム(SNAKE HIP SHAKES期は除く)は、「This Is ZIGGY」というコンセプトの下に制作された実にZIGGYらしい作品となりました。2002年の作品はハードに突っ走る曲を詰め込んだ「HEAVEN AND HELL」(金盤)と、じっくり聴かせる渋い作風だった「HEAVEN AND HELL Ⅱ」(銀盤)と対照的な作品でしたが、本作では上記2枚に分散していたバンドの音楽性を1枚に凝縮していますね。

バンド初のインスト曲①Introductionに導かれて始まるタイトルトラック②Rock And Roll Freedom!からして、これぞZIGGYな王道ロックンロールで、ミディアムテンポ中心の前作では感じられなかった勢いとエネルギーが充満してます。その他にもSNAKE HIP SHAKESの路線を継承する直球勝負のハードロック④Sleazy Come, Noisy Go !、⑧Reckless Imitatorやキュートなメロディとポップフィーリングが溢れる⑤「魔法にかかったみたいに」、⑨Swanky☆Boyz & Punky☆Girlzといった曲もあるし、新鮮味は希薄ながらやっぱり好きな典型的バラード⑥My Love、ブルージーな⑦「愚か者のパレード」、⑩「もぬけのから」といったメロウな側面もしっかりカバーしていて、ZIGGYというバンドが生み出し得る楽曲のバリエーションが網羅されてると思います。個人的にお気に入りなのは、「可愛らしい」という表現がはまるメロディを持った津谷 正人(B)作の⑨とアルバムを前向きな空気で締めくくってくれる⑫「夢見る頃を過ぎても」ですね。楽曲のキャッチーさでは金盤、大人のロックとしての渋さにおいては銀盤に一歩譲るものの、作品のトータルバランスは一番いいかもしれません。「GOLIATH BIRDEATER」(1999)以降のアルバムしか持ってない僕が言うのも何ですが、ZIGGYを初めて聴く人には本作を薦めたいくらいです。

2000年以降、SNAKE HIP SHAKES~ZIGGYとバンド名は変われど、本作発表当時がこのバンドの一つのピークだったのではないかと思います。2000年から2003年までの間にアルバム7枚(セルフカバー1枚を含む)、シングル7枚、ライブDVD2枚という多作振りはバンドの状況が良く、インスピレーションが豊富でないとできない芸当です。僕にとって、好きな曲ばかりという作品ではありませんが、安心して聴けるZIGGYサウンドが詰まった1枚です。ただ、松尾 宗仁(G)が歌う⑦は曲がいいだけに森重 樹一(Vo)に歌って欲しかった…。

【音源紹介】
・魔法にかかったみたいに(Live)

SNAKE HIP SHAKES「NEVER SAY DIE」(2001)

  • 2009/03/06(金) 08:24:02

NEVER SAY DIE
【No.107】
★★★★★(2003)

SNAKE HIP SHAKESの3作目にしてラストアルバム。これまた前作から8ヶ月という短いスパンでリリースされています。それでいてアルバムのクオリティが保たれているのは、バンドの創作意欲、勢いの賜物といえるでしょう。一聴して印象的だったのはこれまでよりも音が良くなったと同時に、森重 樹一(Vo)の歌唱から荒っぽさが減り、声に艶があってこれまで以上に魅力的になっているという点です。前作(特にアルバム前半)で見せたような突進型の攻撃性はナリを潜め、より「聴かせる」姿勢を前面に出したポップでキャッチーなアルバムとなっていて、個人的にはSNAKE HIP SHAKESの最高傑作だと思ってます。収録曲10曲中の半数近くが名曲と言いたくなるものなので思い入れも深い1枚です。

そんな本作のキラーチューンとして真っ先に挙げたいのが、「森重節の黄金律ここに極まれり!」と叫びたくなる超名曲③Melancholiaです。このメロディラインは森重にしか書けないんじゃないかとさえ思えてくるほど。他にもシングルになった良い意味でクサいロッカバラード④Rain、バンドを支えてくれるオーディエンスへの感謝の気持ちを歌い上げるメロディックチューン⑥Strong Will、曲自体が発散する切なさが淡い泣きの世界へと誘う⑦「翳りゆく夏に」、パンキッシュでノリまくれる曲調と「オイ!オイ!オイ!」の掛け声がカッコいい⑧「地図にない道」、そして人が年を重ねる上で避けては通れない「老い」から目をそらすことなく、明日への活力を与えてくれる歌詞とメロディがポジティブな空気をもたらすアコースティックバラード⑩「時は誰も」など本当にお気に入り曲が目白押し。

ZIGGYという名で活動できなくなり試練に直面したバンドが、SNAKE HIP SHAKESという名の下で手に入れた自信とバンドの一体感がこのアルバムに凝縮されていますね。①Never Say Dieで「いつかはきっとこの物語に、重い幕を降ろす日が来るだろう」という歌詞があるように、バンドは本作をもってその歴史に幕を降ろし再びZIGGYとして活動をしていくことになりますが、2000年から2001年の間に4枚ものアルバムを残して駆け抜けていったSNAKE HIP SHAKESはもしかするとZIGGY以上に好きかもしれません。

【音源紹介】
・Melancholia(Live)

SNAKE HIP SHAKES「VIRAGO」(2001)

  • 2009/03/04(水) 08:08:12

VIRAGO
【No.106】
★★★★(2002)

ZIGGY時代の楽曲を再録した企画盤「NO DOUBT ZIGGY SONGS played by SNAKE HIP SHAKES」から半年、デビューアルバム「SNAKE HIP SHAKES」から1年経たずにリリースされたSNAKE HIP SHAKES名義の2ndアルバム。驚異的なペースで作品を出し続けてるのもビックリですが、内容が高い水準を保っているのが素晴らしいですね。ライブ感あるプロデュースのせいか、森重 樹一(Vo)の歌に若干の荒っぽさを感じるものの、それがスピーディな曲ではガッチリとはまってます。

それにしても疾走感溢れる冒頭4曲の畳みかけが凄まじい。ドラム→ベース→ギターの順で音が重なっていく曲の始まり方がカッコいいSNAKE HIP SHAKESチューン①Stone-Blind Silver、タイトル通りアクセル全開で突っ走るサビが心地いい②Accel、森重節とクサメロが見事な融合を見せた③Sister Rainbow、森重らしいメロディが味わえるシングル曲④River Of Tearsと来た時点で、本作でも極上のロックンロールが聴けることを確信しました。⑤Deadend Kidsはこれまでにないタイプのルーズな雰囲気を持った松尾 宗仁(G)作の曲で第一印象こそは地味だったけど今ではお気に入りだし、スケール感のあるバラード⑥「澱みない宵闇の蒼さの果てに」、ピアノの音使いがジャジーな空気をもたらす⑪「お気に召すまま」など前作と比べて楽曲の幅を広げつつ、ラストをバンドの円熟味をも感じさせる王道的バラード⑫Dear My Friendで締めるあたりがニクイですね。

SNAKE HIP SHAKESのバンドとしての勢いを反映させた激しいロックンロールをブチかます前半から、じっくり聴かせる側面が強調された後半へ流れてくアルバム構成もお見事。ZIGGYが持っていたロックの側面を強調して勝負してきたデビュー作からの更なる進化を実感できる味わい深い1枚です。

【音源紹介】
・Stone-Blind Silver(Live)

SNAKE HIP SHAKES「NO DOUBT ZIGGY SONGS played by SNAKE HIP SHAKES」(2000)

  • 2009/02/19(木) 08:38:30

SH SHAKES NO DOUBT
【No.101】
★★★(2002)

バンド名そのまんまのタイトルを冠したアルバムを発表し、このままSNAKE HIP SHAKESとして独自の道を進んで行くかと思った、そのわずか3ヶ月後にSNAKE HIP SHAKESがリリースしたZIGGYのセルフ(?)カバー集。メンバー自身がこれからも演奏していきたい曲を選んだそうで、アレンジ面では今のメンバー4人で聴かせることにこだわっているため、オリジナルバージョンにあった女性コーラス、ピアノなどは排除されてるのが特徴です。

過去の名曲にすがった企画盤という見方もできなくはないけれど、個人的にはZIGGYの往年の名曲がこの引き締まったアレンジで収録されてるのは素直に嬉しいです。長年(といっても10年ほどですが)メタルを聴き親しんでいた僕にとって、初期のZIGGYの曲はどこか「ゆるい」と感じてしまっていた部分があり、物足りなさを感じていたんです…。そんなメタル耳の僕にとっては、ここに収録されてるバージョンこそが僕の聴きたかったタイトな音なんですよね。そのあたりは①La Vie en Rose、⑦One Night Stand、⑨Eastside Westside(むちゃくちゃ速くなってます)で顕著に感じます。

曲によってはアレンジによりカッコよくなっているものもあるんですが、オリジナルバージョンの方が気に入ってるものもあったり、前作からのスパンが短いせいか音質がいまひとつなのが気になるのも事実。ZIGGYの代表曲である④Gloria、⑤I’m Gettin’ Blueも収録されてはいるものの、全10曲というボリュームなのでSNAKE HIP SHAKESがZIGGYの楽曲を再録したベスト盤としても食い足りなさも残るなど位置付けが微妙な1枚。ただ⑩Without…に関してはアレンジが素晴らしく、これを聴いたらオリジナルバージョンは聴けないというくらい気に入っています。

本作のトラックリストとオリジナル曲収録作品はこちら。

01.La Vie en Rose「SOUND TRAX」(1991)
02.眠らない25時の街で「YELLOW POP」(1992)
03.Whisky R&R And Women「KOOL KIZZ」(1990)
04.Gloria「HOT LIPS」(1988)
05.I'm Gettin' Blue「ZIGGY-IN WHTH THE TIMES-」(1987)
06.蒼ざめた夜~Too Fast to Live Too Young to Die「YELLOW POP」(1992)
07.One Night Stand「NICE & EASY」(1992)
08.Don't Stop Believing「KOOL KIZZ」(1990)
09.Eastside Westside「ZIGGY-IN WHTH THE TIMES-」(1987) 
10.Without・・・「GOLIATH BIRDEATER」(1999)

【音源紹介】
・Gloria(SNAKE HIP SHAKES Version)

SNAKE HIP SHAKES「SNAKE HIP SHAKES」(2000)

  • 2009/02/15(日) 09:18:48

SNAKE HIP SHAKES
【No.100】
★★★(2002)

日本でも屈指のR&RバンドZIGGYから戸城 憲夫(B)が脱退したことから、契約上の問題で「ZIGGY」という名を使えなくなってしまったために名義をSNAKE HIP SHAKESとして発表した1stアルバム。メンバーは森重 樹一(Vo)、松尾 宗仁(G)、宮脇 知史(Ds)というZIGGYのメンバーに津谷 正人(B)が加入した4人構成。正直なところ、僕がZIGGYにのめり込んだのは、2002年以降なのでSNAKE HIP SHAKES以前のZIGGYと、このアルバムの音楽性を詳しく分析はできないけど、これまでよりもロックに焦点を定め、「自分たちはこの道で進んで行くんだ」という気概が感じられる1枚となっているように思います。

ロックンロールにパンキッシュな味付けをしたバンド名ズバリなタイトルトラック①Snake Hip Shakesで声高らかに「ぶっ倒れるまで楽しもうぜ!」と歌い上げ、続く②「Blackout(失くした週末に)」では天才メロディメイカー森重 樹一の才能が見事なまでに炸裂。冒頭のこの2曲を聴いた段階で僕はSNAKE HIP SHAKESの魅力にとりつかれました。その後も、キャッチーな側面を強調した③Pride~It’s only a love song~、シングルバージョンよりもビルドアップされた音で哀愁のメロディを聴かせる⑧「永遠のjustice~この道の果てに~(AL.Ver)」と突っ走るだけのロックンロールでは味わえない森重らしい絶妙なメロディ展開が楽しめるだけでなく④Stunt Flyers、⑥Brand New Kicksという松尾作の曲が充実してるのが嬉しいですね。後半やや弱いかなと感じる部分もなくはないけどラストを⑩Poison Cherryという、このバンドの魅力を詰め込んだ曲できっちり締めくくるあたりは流石です。

ZIGGYという名前で活動できず、それまで契約していた大手レーベルとの契約も白紙となった後に地道なライブ活動を経てようやく新たなレコード契約にこぎつけたという当時のバンドが直面していた苦しい状況を微塵も感じさせない痛快なハードロックンロールアルバムですね。ガムシャラなまでにロックンロール道を邁進するSNAKE HIP SHAKESの姿は潔く、単純にカッコいい!

【音源紹介】
・「永遠のjustice~この道の果てに~」