【CD購入録】Y&T「FACEMELTER」(2010)

  • 2010/12/27(月) 00:00:00

【CD購入録】
FACEMELTER.jpg
Y&T「FACEMELTER」(2010)

熱のこもった激シブボーカルと涙腺を刺激する泣きのギターの素晴らしさから「人間国宝」とも称されるDave Meniketti(Vo、G)を中心としたブルージーなハードロックバンドY&Tが13年振りに放つ通算12作目を買いました。実はこのバンドに関して僕は完全に後追いで、Daveのソロ作を聴いてそこからY&Tに興味を持ったという変わり者です。そんなY&T初心者の僕も本作には胸を熱くさせられたし、このアルバムを取り上げてらっしゃるHR/HMサイトやブログを見る限り往年のファンからの評価も概ね高いようですね。初聴段階からお気に入りとなっていた②On With The Show、⑦I'm Coming Home、⑩Blind Patriotといったアップテンポもさることながら聴くほどに味が出る渋いナンバーもクセになるし、日本盤ボーナス⑭Deadly Deceiverも見逃せません。「祝Y&T復活!」と言うほど、このバンドのことを知っているわけではありませんが素直に良いアルバムだと思います。

【CD購入録】YNGWIE MALMSTEEN「ANGELS OF LOVE」(2009)

  • 2009/05/14(木) 08:14:42

【CD購入録】
ANGELS OF LOVE
YNGWIE MALMSTEEN「ANGELS OF LOVE」(2009)

YNGWIE MALMSTEENの現在の妻であり、マネージャーでもあるApril主導で企画・制作(ジャケットもApril本人)されたYNGWIEとしては初のアコースティック・バラード作「ANGELS OF LOVE」を買いました。本作はこれまでに発表してきたバラード系の楽曲にアコースティック・アレンジを施したインスト作品で、過去のリメイク9曲、新曲1曲という構成です。オリジナルアルバムでは歌ものだった曲も、ボーカルメロディをアコースティックギターが奏でるインスト曲になっています。新曲⑦Ocean Sonataは可もなく不可もなくという感じかな。僕がこのアルバムを買った動機は①Forever One、②Like An Angel、④Brothers、⑥Save Our LoveなどYNGIWEの楽曲の中でも大好きな曲が、アコースティック曲としてどう生まれ変わっているか聴きたかったからなのですが、全体的な感想としてはオリジナルバージョンを越えていると思える曲はなく、「ながら聴き」するのに適したBGMという印象です。どの曲もアコースティックギター(一部エレクトリックギター)とキーボードが中心で歌もドラムもなし、ひたすらメロディを聴かせるという作品なので、全10曲とも似たようなカラーになってしまっているのがその要因かもしれません。メタラーとしては物足りなさが残る本作ですが、裏を返せばバラード作品という性質上、YNGWIEのオリジナルアルバムは受け付けないという非メタラーの人にYNGWIEのメロディセンスを味わってもらうのに持ってこいの作品といえそうです。

【現在の愛聴盤】YU CHYI「C'EST LA VIE」(1999)

  • 2008/12/08(月) 08:02:59

【現在の愛聴盤】
YU CHYI CEST LA VIE
YU CHYI「C'EST LA VIE」(1999)

寒さ本番となってきたこの時期にムショーに聴きたくなるのが、台湾の歌姫Yu Chyi(発音はユ・チャイまたはユ・チー?)のアルバム「C’EST LA VIE」(1999)です。本国ではかなり有名な人らしく1979年のデビュー以来、コンスタントに活動を続けています。どうして僕が彼女の作品に関心を持つようになったかというと、本作にはSTRATOVARIUSの名バラードForeverのカヴァーが収録されているからなんです。Timo Kotipelto(Vo)の脆くも切ない歌唱も良かったですが、本作のヴァージョンを聴いて改めて良い曲だなぁとしみじみ。本作は他にもE.L.PC’est La VieBette MidlerThe Roseをカヴァーしてたり、オリジナル曲も収録されていたりと充実の2枚組です(歌詞は曲によって英語/中国語)。

Foreverをライブで歌っている音源がありましたので、ご紹介します。
・Forever(Live)

見た目もお美しいというのもポイントですね。

YNGWIE J. MALMSTEEN’S RISING FORCE「ALCHEMY」(1999)

  • 2008/10/04(土) 06:28:07

ALCHEMY
【No.050】
★★★(1999)

前作「FACING THE ANIMAL」はインストが1曲しか収録されておらずYNGWIE MALMSTEENにとっては歌ものアルバムとなったその反動からか、この10枚目のアルバムでは「ギタリストYNGWIE MAMSTEENここにあり」と言わんばかりに弾きまくってますね。ボーナストラック込みで14曲中5曲がインストというソロデビュー作以来のインストの多さもさることながら、ボーカル曲でもギターの存在感がデカすぎ。「TRILOGY」で見事なハイトーンを響かせたMark Boals(Vo)という主役級シンガーが参加してるにもかかわらず、それを押しのけるかのような弾きっぷりにやられました。

挨拶代わりにYNGWIEらしいインスト①Blitzkriegをぶつけた後は、ミドルチューンが続くためアルバムの掴みとしては地味な印象はあるものの荘厳な男声コーラスが重厚さをもたらす②Leonardo、Markの絶唱にクラクラな③Playing With Fire、これまでにないタイプのサビメロを持った新機軸といえそうな④Stand(The)と、どれもがいい出来栄え。そして本作のハイライトは中盤にやってきます。待ってましたのスピードチューン⑤Wield My SwordはYNGWIEの新たなアンセムというべき名曲だし、文字通りブルージーなインストバラード⑥Blueを挟んでの疾走チューンズ3連発は強力!

と、ここまではいい感じのアルバムなのに⑩Voodoo Nights以降で一気にテンションが下がってしまうのが痛い。YNGWIE自身が「難曲」と語るインスト組曲Asylum(⑪I: Asylum、⑫II: Sky Euphoria、⑬III: Quantum Leap)も技巧的には凄そうだけど、肝心のメロディが響いてこないんです。そうなってくるとギターサウンドが荒いとか、新加入のドラマーJohn Macaluso(Ds)のテクニカルなドラミングも、このギター弾きまくりの鋼鉄サウンドとやり合うにはもう少し力強さが欲しいと思えるなどウィークポイントが気になってきたり。⑨Hangar 18, Area 51までの楽曲でアルバムを構成していれば、アルバム全体の印象も変わったと思うのになぁ。

【音源紹介】
・Hanger 18, Area 51

YNGWIE MALMSTEEN「LIVE!!」(1998)

  • 2008/10/02(木) 06:10:55

YNGWIE LIVE!!
【No.049】
★★★(2007)

1989年発表の「TRIAL BY FIRE: LIVE IN LENINGRAD」以来となるYNGWIE MALMSTEEN2作目のライブアルバム(2枚組)。傑作「FACING THE ANIMAL」のツアーということで、リリース前は凄く興味があったんですが、2枚合わせて全15曲(うち2曲はRAINBOWDEEP PURPLEのカバー)で収録時間は「TRIAL BY FIRE」より短い約66分と聞いて、買うのを少しためらってしまいました。せっかく2枚組というボリュームなのに、この曲数では物足りないと感じたし、自身のカバーアルバム「INSPIRATION」に収録していた曲とはいえ、カバーよりもオリジナル曲を多く聴きたいと思ったからです。

と、文句を言いつつ聴いてみたところ意外と良いんですよ、これが。特にDisc-1は「FACING THE ANIMAL」の中でもお気に入りの①My Resurrectionで幕を開け、粘り気あるメロディラインが耳に残る②Facing The Animal、速弾きだけでないYNGWIEのメロウな側面にスポットを当てたバラード⑥Like An Angel - For Aprilといった新作からの楽曲の間に、永遠の名曲③Rising Force、YNGWIEを代表するインスト⑤Far Beyond The Sun、名盤の誉れ高い7thアルバムのタイトルトラック⑧Seventh Signと、新旧の名曲がズラリと並べられています。良くも悪くもYNGWIEらしいなと思ったのは、恐らく何百回とプレイしているであろうデビュー作収録のインスト2曲(Disc-1⑤、Disc-2⑤Black Star)が曲の原型を半分くらいしか残さないほどにインプロヴァイズ全開となっている点。Jens Johansson(Key)という華のあるプレイヤーがバンドにいないこともあり、インストはYNGWIEの独壇場という印象が更に強くなっていて、これはほとんどギターソロですね。しかもDisc-2⑨Guitar Solo (Trilogy Suite, Red House, Badinere)は15分(!)に渡るギターソロ(ブルーズ曲Red HouseではYNGWIE自身が歌ってます)で流石に聴き疲れてしまいます。ラスト2分の「ギュイ~~ン!」はほとんどノイズだし…。

個人的に注目していたMats Leven(Vo)に関しては、Disc-1⑧のような難曲も歌えていて良い意味で荒れたハスキーボイスはライブでも魅力的。だからこそAnother Timeを筆頭に新作からの楽曲をもっと聴きたかったし、定番曲のYou Don’t Remember, I’ll Never Forget、超難曲Motherless Childにもチャレンジして欲しかったというのが正直な気持ちです。「TRIAL BY FIRE」同様、選曲やアルバム構成(ギターソロ長すぎ!)にやや不満は残るものの、総合的には結構楽しめるライブ盤かな。YNGWIEは本当に優れた楽曲が多いのでグレイテストヒッツ的なセットリスト(できれば「FACING THE ANIMAL」までの作品から)でのライブ音源を残して欲しいものです。

【音源紹介】
・My Ressurection(Live)

YNGWIE J. MALMSTEEN「FACING THE ANIMAL」(1997)

  • 2008/09/30(火) 06:27:18

YNGWIE Facing-the-Animal
【No.048】
★★★★★(1997)
年間ベスト1997年第4位

ネオクラシカルメタルの開祖の9作目。前作「MAGNUM OPUS」が全く僕の好みと合わなかったYNGWIE MALMSTEENですが、今回はやってくれました!僕の好きな「ODYSSEY」以来の歌ものアルバムといえるソングオリエンテッドな内容(インストは1曲のみ)で、楽曲も前作とは打って変わって充実しています。

このアルバムの目玉はハードロック界の名ドラマーCozy Powell(ex-RAINBOW etc)が全面参加してることでしょう。凄い凄いといわれる彼のドラミングを本作で初めて聴きましたけど、こりゃ実際凄いですね。バシャンバシャンと派手に鳴るシンバル、一音一音の重みが違うCozyのパワーヒットが曲を一層魅力あるものにしてくれてます。そしてシンガーもMats Levin(Vo/ex-SWEDISH EROTICA、TREAT etc)にチェンジしていて、彼のハスキーながら中高音域もしっかり歌えるボーカルはYNGWIEのネオクラサウンドにぴったりはまってますね。そんな2人の新メンバーの活躍に刺激されたかのようにYNGWIEのギタープレイもここ数作にあった手癖フレーズが減少し、かつての構築美を若干取り戻しているのが嬉しいところ。

楽曲の方もアルバム冒頭こそやや地味だけど、YNGWIEのエモーショナルなギターと美しいメロディが鳥肌もののバラード⑤Like An Angel - For April、哀愁とフックに満ちたハードロック⑥My Ressurection、メロディが秀逸なハードポップ⑦Another Timeとタイプの異なる名曲群で畳み掛ける中盤で一気にテンションが上がります。アルバム後半も「ODYSSEY」収録のHeaven Tonightタイプのポップチューン⑨Alone In Paradise、メロディアスな⑩End Of My Rope、物悲しくも勇壮なサビメロがたまらない⑪Only The Strongと聴きどころが続きます。YNGWIEのアルバムの弱点である手癖フレーズの多さ、音質の悪さ(今作はChris Tsangaridesによるプロデュース)をあまり感じない傑作。YNGWIEの作品群で好きなアルバムは本作と「ODYSSEY」が同率首位、その次に来るのが「RISING FROCE」、「SEVENTH SIGN」ですね。

【音源紹介】
・Like An Angel

YNGWIE MALMSTEEN「MAGNUM OPUS」(1995)

  • 2008/09/28(日) 06:16:20

YNGWIE MAGNUM OPUS
【No.047】
★(1995)

名盤「SEVENTH SIGN」に続くYNGWIE MALMSTEENの8作目。僕にとっては初めてリアルタイムで聴くYNGWIEのアルバムで、しかもタイトルが「傑作」を意味する「MAGNUM OPUS」ということで大きな期待を持って聴いてみました。ところが、これが自分でも驚くほどにメロディが胸に響いてこないんです。

方向性自体は前作と同じだと思うし、前作に引き続きMike Vescera(Vo)の力強い歌唱力は健在なので一定のクオリティを備えてはいるんだけど楽曲自体は、過去の作品と比べて聴き劣りするものが多いように思います。だからといって、本作が全く聴きどころのないアルバムかというと勿論そうではなく、いかにもYNGWIEらしいフレーズを散りばめた①Vengeance、劇的な展開美と哀愁のメロディのお手本のような⑩Fire In The Skyという2曲のスピードナンバーやHeaven Tonight、Teaserタイプの爽やかポップ路線④The Only Oneなんかは前作に収録されてても遜色のないレベルです。特に⑩はYNGWIEのレパートリーの中でも屈指の名曲だと思います。

ただ1枚のアルバムとして見ると、これまでに聴いたYNGWIEの作品の中で最も印象の薄い1枚と言わざるを得ないですね。期待が大きすぎたせいかもしれませんが、楽曲の魅力不足ではないかと。1995年当時、本作を聴いてちょっとYNGWIE熱が冷めてしまいました。まぁ、そのお陰でYNGWIE一辺倒だった僕の音楽的興味がHELLOWEENBLIND GUARDIANをはじめとするジャーマン系やROYAL HUNTといった他のバンドに広がっていき、素晴らしい作品に出会えたので痛し痒しというところですね。

【音源紹介】
・The Only One

YNGWIE MALMSTEEN「SEVENTH SIGN」(1994)

  • 2008/09/26(金) 06:26:36

YNGWIE 7TH SIGN
【No.046】
★★★★(1995)

3rdアルバム「TRILOGY」と並んでファンの間で人気が高く、YNGWIE MALMSTEENの最高傑作と言われることも多い7作目。個人的に90年代以降のYNGWIEスタイルは、このアルバムで確立されたと思っています。煌めくギターサウンドによって奏でられるクラシカルフレイヴァー満載のフレーズが衝撃的だったデビュー作「RISING FORCE」~「MARCHING OUT」、いい意味でアメリカナイズされたメジャー志向のサウンドを追求した「TRILOGY」~「ODYSSEY」、華麗で瑞々しい北欧メタルの規範を示した「ECLIPSE」~「FIRE & ICE」そして本作以降は繊細で湿り気のある北欧的な質感を減退させ、ドライで力強いネオクラシカルメタル道を邁進しているという印象です。

そんな現在のYNGWIEミュージックの中でも、本作は純粋に曲が良いということに尽きますね。それでいて収録曲がバラエティに富んでいて、ネオクラシカルメタルの創始者が放つこのジャンルの理想型ともいえそうなバランスを持った作品です。イントロの凄まじい速弾きから一気に疾走するオープニングソング①Never Die、ゴリ押しのヘヴィチューン⑤Hairtrigger、ブルージーなジミヘン風ナンバー②I Don’t Know、⑧Bad Blood、メロディの印象度がハンパなく高い③Meant To Beといった曲もあれば、YNGWIEが泣きのギタリストとしても一流であることを再認識させてくれるインスト⑥Brothers、バラードも④Forever One、⑨Prisoner Of Your Loveの2曲ともが素晴らしい。特に⑨はバッハの「G線上のアリア」を上手く取り入れ気品ある仕上がりになってます。極めつけはネオクラシカルメタルのマスターピース⑦Seventh Sign、⑪Crash And Burnでとどめをさされますね。

新加入のボーカリストMike Vescera(Vo/ex-OBSESSION、LOUDNESS)もこれまで聴いたことない人だったけど、ハードな曲ではアグレッシブに、バラードでは伸びやかかつクリーンに歌いこなせる人材で、本作のような音楽性にはピッタリ。ただ、この頃からYNGWIEのギターソロにかつてあった構築美が失われてきて手癖フレーズが気になり始めるんですよね・・・。

【音源紹介】
・Crash And Burn(Live)

YNGWIE MALMSTEEN「FIRE & ICE」(1992)

  • 2008/09/24(水) 06:07:29

YNGWIE Fire--Ice
【No.045】
★★(1995)

日本ではオリコン初登場で第1位を獲得というビックリの記録を持つYNGWIE MALMSTEENの6作目。そんな輝かしい話題とは裏腹に、YNGWIE自身が後になって楽曲の弱さを認めたとBURRN!誌で書かれたこともあってか、YNGWIEの作品群の中ではそれほど人気がない1枚という印象です。僕も本作は嫌いじゃないけど、CDラックから取り出す回数は少ないですね。

まずは15曲というボリュームでありながら疾走曲と呼べるものが⑥No Mercy、⑩Forever Is A Long Timeしかないというのがちょっと寂しい。アルバム冒頭の2曲なんかは幻想的ではあるんだけど、マッタリ感の方が印象に残るためアルバムの掴みが弱くなってるのも痛いところ。とはいっても⑩は過去の名曲群に肩を並べるレベルだし、流石YNGWIEと思わせてくれる佳曲もチラホラ。Heaven Tonightを更に明るくしたような底抜けの明るさが新鮮な③Teaser、メロディアスなミドルテンポ④How Many Miles To Babylon、しんみりとアコギの旋律を聴かせるインスト小曲⑬Golden Dawn、タイトルからして本編ラストに相応しい荘厳な⑭Final Curtain、そしてボーナストラックにしておくのが勿体ないほど切ないメロディが胸を締め付ける⑮Broken Glassなんかは結構好きです。こうして見ると、ミッドテンポの曲が集中するアルバム中盤が個人的にちょっと退屈かな。

YNGWIE自身が築き上げたネオクラシカルスタイルを基本に、シタールを用いた中近東風フレーズやフュージョンっぽさを取り入れるなど実験的要素も顔をのぞかせる本作が、散漫にならず北欧らしさを保つことができているのはGoran Edman(Vo)の歌声に依るところが大きいと思います。この人って声質自体がウェットで哀愁が漂っていて、⑮なんかは彼が歌うことで曲の魅力がアップしてます。といった感じで本作ならではの良さもあるのは確かなんですが、スピードチューンの少なさと楽曲の地味さが15曲という曲数以上に冗長なイメージをアルバムにもたらしてしまっている印象を受けました。

【音源紹介】
・Teaser

YNGWIE MALMSTEEN「TRIAL BY FIRE: LIVE IN LENINGRAD」(1989)

  • 2008/09/23(火) 06:18:14

TRIAL BY FIRE: LIVE IN LENINGRAD
【No.044】
★★★(1995)

名盤「ODYSSEY」に伴うツアーを収めたYNGWIE MALMSTEEN初のライブアルバム。アルバムではYNGWIE自身が弾いていたベースをBarry Dunaway(B)がプレイしている以外は「ODYSSEY」と同じラインナップで、ボーカルはJoe Lynn Turner、キーボードはJens Johanssonといった華のあるメンバーによるライブ音源となっています。

本作の特徴として挙げられるのは、YNGWIEのギターがスタジオアルバム以上に弾きまくり、攻撃性を増している点。これまでスタジオ盤でのYNGWIEしか知らなかった当時の僕にとっては、その弾き倒しっぷりに衝撃を受けました。またバッハの「小フーガ」や「G線上のアリア」、ベートーベンの「運命」などYNGWIEのルーツであるクラシックのみならず、⑦You Don’t Remember, I’ll Never Forgetではポール・モーリアの「恋はみずいろ」といったポップミュージックをも曲の中に巧みに取り入れたライブアレンジがいいですね。スタジオ盤ではほとんどなかったブルージーなフレーズがいきなり飛び出したり、Jimi Hendrixのカバー⑪Spanish Castle Magicを演奏してるのも興味深いです。

セットリストの方は「ODYSSEY」のオープニングトラックにして、YNGWIEの代表曲であるはずのRising Forceが収録されていないことを除けば、それなりに手堅い内容です。3rd「TRILOGY」と4th「ODYSSEY」を中心とする選曲の中で、一際輝いているのがソロデビュー作に収録されている名インスト④Far Beyond The Sunのライブバージョンです。驚異的なスピードとクラシカルフレーズによる構築美が素晴らしいスタジオ版もいいけど、パガニーニのヴァイオリン協奏曲~アルビノーニのアダージョ~Icarus' Dream(デビュー作収録)をイントロとして演奏することでドラマティックさを増しつつ、程よいラフさと即興性がある本作のバージョンがまた凄いですね。Jensのキーボードとのバトルも超スリリング。怒涛のインスト④からポップな⑤Heaven Tonightに至る流れが本作のハイライトですね。あと⑧Guitar Solo(Trilogy Suite Op: 5/Spasebo Blues)は良いんだけど、正直長すぎです…。

【音源紹介】
・You Don't Remember, I'll Never Forget(Live)

YNGWIE J. MALMSTEEN’S RISING FROCE「ODYSSEY」(1988)

  • 2008/09/20(土) 06:25:45

ODYSSEY
【No.043】
★★★★★(1995)

YNGWIE MALMSTEENJoe Lynn Turner(Vo/ex-RAINBOW etc)と組んだことが大きな話題となった4作目。名手Jens Johansson(Key)、Anders Johansson(Ds)のヨハンソン兄弟も引き続き参加していて、今見ると錚々たるメンバーですね。これまでのYNGWIE流ネオクラシカル路線にJoeが持ち込んだと思われるキャッチーな歌メロとポップフィーリングが加わることで素晴らしい作品となっています。

YNGWIEの代名詞ともなっている名曲①Rising Forceをはじめ、⑥Riot In The Dungion、⑦Déjà vu(これまた名曲)、⑩Faster Than The Speed Of Lightという従来路線の曲の充実度もさることながら、出だしからしてキャッチーなコーラスが僕を惹きつける③Heaven Tonight、Joeのメロディセンスが活かされた新機軸⑧Crystal Ball、⑨Now Is The Timeといったメジャー感たっぷりの曲まで、これまでの作品と比べて音楽性に更なる広がりを見せたアルバムです。とにかく楽曲の出来が素晴らしく、YNGWIEの数ある作品の中でも非常にリピート率の高い1枚なので世間的に名盤とされている3rdアルバム「TRILOGY」よりも、こちらの方が断然好きですね。

YNGWIE本人はこのアルバムの制作中に遭った交通事故が原因で、従来の作品ほどイニシアチブを握ることができなかったので本作を気に入っていないという話も聞きますが、結果としてJoeのインプットが大きかったことが本作のキャッチーな作風につながっていると思います。交通事故の後遺症からYNGWIEのプレイに精彩を欠くという事実は否定できないものの、それはあくまで本作以前のアルバムと比べての話。90年代後半の勢い任せのギタープレイよりは充分聴き応えがありますよ。総合的に見て、このアルバムは初期YNGWIEの名盤です。

【音源紹介】
・Rising Force(Live)

YNGWIE J. MALMSTEEN「TRILOGY」(1986)

  • 2008/09/19(金) 06:24:54

TRILOGY
【No.042】
★★★(1995)

一般的にYNGWIE MALMSTEENの代表作として語られることの多いソロ3作目の本作は、相変わらずのスリリングな速弾きをたっぷりフィーチュアしつつも過去2作と比べるとダークな質感を抑えてこれまで以上にメジャー感溢れるコンパクトな楽曲が多く、歌ものアルバムという印象が強い1枚となってます。そんな楽曲を歌うのは、現代メタルシーンにおけるハイトーンシンガーの代表的存在となったMark Boals(Vo)で、前任者を上回る強烈な歌声を披露してくれています。このアルバムに参加するまで注目を集める存在ではなかったMarkのような逸材を発掘するあたり、YNGWIEのシンガーを見る目は確かなものがあったと感じさせられます。

このアルバムのキーワードとなる「メジャー感」「コンパクトな聴きやすさ」という要素はYNGWIEの代表曲①You Don't Remember, I'll Never Forget③Queen In Love、⑥Fireといったキャッチーソングで顕著に表れてるし、前作寄りの雰囲気を持った疾走曲②Liar、練りこまれた歌メロが秀逸な⑦Magic Mirrorと聴きどころはたっぷり。またインストもきっちり2曲収録されてて、特にあのFar Beyond The Sunに匹敵するYNGWIEの代表曲⑨Trilogy Suite Op 5でのプレイは圧巻です。

ただアルバムトータルで見ると傑作であることには間違いないんだけど、YNGWIEの他のお気に入りアルバムと比べて、それほど胸が熱くならないのも事実。あくまで好みの問題かもしれませんが。このアルバムが最高傑作だという声はよく聞くし、YNGWIEファンなら外せない作品だと思います。

【音源紹介】
・Liar(Live)

YNGWIE J. MALMSTEEN'S RISING FORCE「MARCHING OUT」(1985)

  • 2008/09/17(水) 06:56:54

MARCHING OUT
【No.041】
★★(1995)

STEELERALCATRAZZでの活動を経て、前作「RISING FORCE」でソロデビューするや、その革新的なギタープレイとクラシックからの影響を色濃く反映させた楽曲で当時のメタルシーンにインパクトを与えたYNGWIE MALMSTEENのソロ2作目。インストメインだった前作に対して本作はデビュー作では2曲で歌うのみだったJeff Scott Soto(Vo)によるボーカルメインの作風(インストは3曲)となっています。またバックの演奏陣も前作に続いて参加のJens Johansson(Key)と、その実兄で後にHAMMERFALLで活躍するAnders Johansson(Ds)に加え、北欧の名ベーシストMarcel Jacob(B)という北欧の有名どころが顔を揃えたラインナップになってます。

1995年1月に「ECLIPSE」(1990)で初めてYNGWIEを知り、そのギタープレイと音楽性に衝撃を受けた僕は「RISING FORCE」(1984)から当時の最新作「SEVENTH SIGN」(1994)までをまとめ買いして聴いていたわけですが、本作はその中でもCDトレイに乗る回数が少なかった作品です。その最大の理由は音質の悪さ。音量を2~3上げてようやく他のCDと同じボリュームで聴こえるわ、音が篭りまくりで明瞭さに欠けるわで、当時の僕はYNGWIEの他の作品から彼の世界にはまっていきました。それ以降はROYAL HUNTDREAM THEATERなど、YNGWIE以外のアーティストの作品を聴く機会が増えていき、本作は「音の悪いYNGWIE初期の作品」というイメージのままCDラックに眠ったままになってました。

ところがYNGWIEタイプ(またはフォロワー)といわれる他のバンドも聴くようになってから、久し振りに本作を聴いてみると「あ、ここはあのバンドっぽい」とか「これはあのバンドにありそうな展開」など、本来はこちらがオリジナルなのに逆デジャブな感じがしてビックリ。リフワーク、ギターとキーボードソロの絡め方、曲展開に至るまで本作にはネオクラシカルメタルの基本型が詰まってますね。デビュー作のFar Beyond The Sunほどのキラーチューンはないし、次回作「TRILOGY」ほど垢抜けてはいないんだけど、繊細で煌びやかなギターが素晴らしく、名曲②I’ll See The Light, Tonightも収録されている本作は、ネオクラシカルというジャンルの礎を築いたYNGWIE MALMSTEENの本質を見事に凝縮した1枚といえそう。最近リマスター盤が出たようですが、音の方はどうなんでしょうか?

【音源紹介】
・I'll See The Light, Tonight(Live)

YNGWIE J. MALMSTEEN’S RISING FORCE「RISING FORCE」(1984)

  • 2008/09/15(月) 07:23:57

RISING FORCE
【No.040】
★★★★★(1995)

クラシック音楽の要素とハードロック/ヘヴィメタルを融合させ、新たなジャンルを築き上げた天才ギタリストにしてネオクラシカルメタルの祖YNGWIE MALMSTEENのソロデビュー作。最近(というか90年代以降)のYNGWIEは手癖フレーズが多く、そのギタープレイの評価は下降線を辿ってますが本作に収められた鬼気迫る彼のプレイは別次元のレベルですね。全8曲中6曲がインストという偏った構成ながら、独自のメロディセンスとズバ抜けたギターテクニックに圧倒される名盤です。

アコースティックギターの儚い旋律から悶絶級のクラシカルフレーズへと展開する①Black Star、そしてメタル史に残る名演を収めた神曲②Far Beyond The Sunという冒頭2曲からしてインパクト絶大。YNGWIEのギタープレイの静と動を象徴するかのようなこの2曲を聴いた段階で、当時の彼が他のプレイヤーを凌駕する存在であったことを思い知らされます。特に②は徹底的に弾きまくるスピードチューンでメロディ、曲構成ともに完璧。また⑤Icarus' Dream Suite op. 4では、クラシックフレーズを引用した導入部からエンディングまでドラマティックで哀愁に満ちた旋律美が胸に響いてきます。とにかく全編を通してYNGWIEの超絶テクと美しい音色、泣きのトーン、メロディが素晴らしくギターという楽器が持つ凄みを感じさせてくれます。そのYNGWIEのギターと張り合うのは後にSTRATOVARIUSでも活躍する北欧の名プレイヤーJens Johansson(Key)、④Evil Eyeでのギターとせめぎ合うような速弾きや、⑦Little Savage後半での美旋律など大活躍。ちなみにベースはMarcel Jacob(B)が弾いてるのかのようなカッコいい音だけど、クレジットを見るとYNGWIE自身が弾いているそうです。

後にあのJOURNEYにも在籍したJeff Scott Soto(Vo)が歌うボーカル曲の2曲も結構いいんだけど、本作中の好きな曲を挙げていくと上記のインスト曲が先に来てしまいますね。ほんっとに当時のYNGWIEのギターは尋常じゃないほど速いだけでなく、一音一音が宝石のように煌めいていてギタリストとしての格の違いを見せつけてくれます。後に「ODYSSEY」や「FACING THE ANIMAL」といった名盤をリリースしてますが、ギタープレイの凄まじさという点では本作がお気に入り度ナンバーワンです。惜しむらくは(YNGWIEの作品全般にいえるけど)音質が悪く、音が篭っているように感じること。極上のプロダクションで本作を聴ければ、感動が更に増幅されそうなのに。

【音源紹介】
・Far Beyond The Sun(Live)

YNGWIE MALMSTEEN 「ECLIPSE」(1990)

  • 2008/06/25(水) 14:53:08

ECLIPSE.jpg
【No.001】
★★★(1995)
僕のブログで最初に紹介するのはこの1枚と決めていました。

RAINBOW~DEEP PURPLEという大御所バンドで歌っていたJoe Lynn Turner(Vo)と共演した名盤「ODYSSEY」発表後、メンバーを一新して制作された5thアルバム。シンガーにはMr.北欧ヴォイスの持ち主Goran Edman(Vo/ex-MADISON, JOHN NORUM etc)、キーボードプレイヤーには今作以降長きに渡ってYNGWIEの片腕として活躍することになるMats Olausson(Key)が加入といった一般的な情報はさておき、本作は僕がメタルにドップリはまるきっかけとなった珠玉の名曲が2曲収められている重要アルバムなんです。

その2曲とは③Save Our Love④Motherless Child。前者は雄大かつ優しさを持った美旋律に包まれたバラード、後者はメロディ、歌いまわし、ギターソロの全てが僕のツボを激しく突きまくるスピードチューンで、YNGWIEの全レパートリーの中でも間違いなくナンバーワンといえる1曲です。この2曲に出会ってからというもの、もっと多くの素晴らしいメロディ、楽曲に巡り会いたいという想いで自分の好きな音楽探しに没頭するようになりました。思い入れの強いこれらの曲のインパクトがあまりに大きいですが、それ以外にもミステリアスな空気に覆われた⑤Devil In Disguise⑥Judasといったミドルチューン、メロディアスに疾走するインスト⑪Eclipseなど佳曲の多いアルバムです。

僕が初めて聴いたYNGWIE MALMSTEENのアルバムが本作だったからかもしれないけど、YNGWIEの作品の中でも最も北欧のエッセンスが強い作品はこの「ECLIPSE」だと思っています。若干ダークで冷たい質感を持った雰囲気の中に哀感を持ったメロディラインを繊細でクリアなボーカルが歌い、煌めくキーボードサウンドが楽曲を包み込むそんな北欧らしさ満点のアルバムです。YNGWIEが敬愛するギタリストJimi Hendlixの影響を曲に反映させた②Bedroom Eyesも、ブルージーな空気感と北欧の繊細さがいいバランスで保たれた1曲となってます。曲単位では大好きな楽曲があるけど、YNGWIEのアルバムの中には他にもっと好きな作品があるというのが正直なところです。

【音源紹介】
・Save Our Love