【CD購入録】TWILIGHT FORCE「HEROES OF MIGHTY MAGIC」(2017)

  • 2017/05/06(土) 00:00:00

【CD購入録】
HEROES OF MIGHTY MAGIC
TWILIGHT FORCE「HEROES OF MIGHTY MAGIC」(2017)

デビューアルバム「TALES OF ANCIENT PROPHECIES」(2014)がクサメタラーの間で好評だったアドヴェンチャー・メタルバンドTWILIGHT FORCEの2作目を買いました。トワイライトキングダムを舞台としたストーリーアルバムでもある本作は2016年夏に輸入盤で発売され、評判も良さげだったので日本盤ボーナストラックに期待して国内盤を待ち続けていました。その日本盤は輸入盤から半年近く遅れて、本編のカラオケバージョンとライヴ音源1曲が入った2枚組限定盤、通常盤の2バージョンが発売されたもののカラオケには興味がないので通常盤を購入。待った甲斐があまりなかったような気もしますが、アルバムに登場する各キャラクターの設定やステータスの和訳が付いているのでアルバムの世界観に浸るにはいいのかもしれません(笑)。中身の方は前作を気に入った方なら今回もイケるであろうシンフォニックなメロパワで相変わらず明るめのメロディが目立ちます。個人的にはもう少し哀メロが欲しいし、似た曲調が続くためアルバムとしての抑揚に欠ける感はありますが、疾走曲を次から次へと繰り出すその作風はそんな不満を吹き飛ばすだけのパワーに溢れています。お気に入り曲はいきなりクサメロが炸裂するオープニング①Battle Of Arcane MightFabio Lione(Vo/ANGRA、ex-RHAPSODY OF FIRE)がゲスト参加した長編⑤There And Back Again辺りでしょうか。それ以外の楽曲も高揚感満載のメロパワチューンで否が応でもテンションが上がりますね。ちなみに⑪Epilogueは6分近くもある語り、⑫Knights Of Twilight's Mightはトワイライトキングダムの国歌だそうです(笑)。前作を聴いて膨らんだ期待を裏切らないメロディック・クサメタルの充実盤だと思います。

【CD購入録】TWILIGHT FORCE「TALES OF ANCIENT PROPHECIES」(2014)

  • 2017/05/02(火) 00:00:00

【CD購入録】
TALES OF ANCIENT PROPHECIES
TWILIGHT FORCE「TALES OF ANCIENT PROPHECIES」(2014)

自らの音楽を「アドヴェンチャー・メタル」と称するスウェーデンの新鋭TWILIGHT FORCEの1stアルバムを買いました。「アドヴェンチャー・メタル」というワード、火を吹くドラゴンが描かれたジャケットから想像がつく通り、剣と魔法が登場するシンフォニック・クサメタルでRHAPSODYGLORYHAMMERを彷彿とさせますね(後者は特にメンバーのコスチューム的に/笑)。これらのバンドよりも明るいメロディが目立っているのがTWILIGHT FORCEの特徴でしょうか。ジャケットははっきり言ってチープですが、中身の方は意外と(?)しっかりしていてデビュー作としては上々の出来栄えです。若かりし頃のTobias Sammet(Vo/EDGUY、AVANTASIA)にも似たシンガーChristian Erikssonが高音域で時折苦しそうになるのも、この手のバンドではよくあるケースなのでさほど気になりません。アップテンポの曲を中心としつつ、後半に配されたバラードかいいアクセントになっているし、なんと言っても各曲のクサメロが光っています。その中でも際立っているのがアルバムに先駆けて配信されていたという②The Power Of The Ancient Force。サビでバンド名が高らかに歌い上げられるこの曲はTWILIGHT FORCEのテーマソングと呼べそうですね。また日本盤ボーナストラックにはHELLOWEENの超名曲⑫Eagle Fly Freeのカバーを収録。このバンドのカラーに合った壮大な仕上がりではあるものの基本的にオリジナルに近いアレンジとなっています。

【CD購入録】TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」(2016)

  • 2016/10/31(月) 00:00:00

【CD購入録】
RABBITS HILL PT2
TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.2」(2016)

「ハッピーメタル」を標榜するイタリアのメロディック・パワーメタルバンドTRICK OR TREATの4作目を買いました。タイトルからもわかる通り、バンド初のコンセプトアルバム「RABBITS' HILL」の後編にあたる1枚です。前作「RABBITS' HILL PT.1」(2012)は持ち前の爽系メロパワサウンドから距離を置き、多様性を見せた作風ではあったものの僕の琴線に触れるメロディは減少していたので今回は購入を迷っていました。そんな中、各所で本作の良い評判を耳にしたので聴いてみたのですが、これがなかなか好感触。牧歌的な②Together Againでいきなりスローダウンしてしまうのはマイナスですが、バンド初のデス声をフィーチュアした①Inle'(The Black Rabbit Of Death)、これぞTRICK OR TREAT!な③Cloudrider⑥The Great Escape、クサいメロディと劇的な展開が秀逸な10分越えの大作⑩The Showdownなど聴きどころが多いですね。恒例となっている感のあるゲストシンガーとしてはSara Squadrani(Vo/ANCIENT BARDS)がドラマティックなバラード⑤Never Say GoodbyeTim "Ripper" Owens (Vo/ex-JUDAS PRIEST、ICED EARTH)がパワフルな⑦They Must DieTony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)がフォーキーな⑨Unitedで客演していて、特にSaraとTimが持ち味を発揮しています。

【CD購入録】TREAT「GHOST OF GRACELAND」(2016)

  • 2016/04/14(木) 00:00:00

【CD購入録】
GHOST OF GRACELAND
TREAT「GHOST OF GRACELAND」(2016)

6th「COUP DE GRACE」(2010)が「最後の一撃」という邦題通りラストアルバムになる予定だったTREATが解散宣言を撤回してリリースした7作目を買いました。前作はここ数年に聴いた全てのCDの中でもナンバーワンと呼べる超名盤だっただけに、本作にも並々ならぬ期待とそれに応えてくれるのかという不安が交錯していましたが「流石はTREAT」と思える仕上がりとなっています。ただし全体的にはジャケットやタイトル曲①Ghost Of Gracelandに象徴されるように、ダークで重厚な要素が強まっているように思います。現時点でのお気に入りはアルバム発表前から公開されていた⑤Endangered、⑥Infernoの2曲と一際キャッチーな⑧Nonstop Madnessですね。バラードの⑪Together AloneRobert Ernlund(Vo)を差し置いてギタリストのAnders Wikstromが歌っていると聞いて一抹の不安もありましたが、なかなかの歌声を披露してくれています。

TIME REQUIEM「OPTICAL ILLUSION」(2006)

  • 2015/08/16(日) 00:00:00

OPTICAL ILLUSION
【No.440】
★★(2006)

MAJESTIC、TIME REQUIEM、SPACE ODYSSEYで発表した5作品から厳選した10曲をリメイクしたベスト盤「THE ULTIMATE ANDERSSON COLLECTION」(2006)をリリースしたRichard Andersson(Key)が僅か半年のスパンで放つTIME REQUIEM名義での3作目。TIME REQUIEMの前身バンドMAJESTICの2nd「TRINITY OVERTURE」(2000)から在籍していたMagnus Nordh(G)、Apollo Papathanasio(Vo)はバンドを離れRichardの幼馴染みでSPACE ODYSSEYのギタリストでもあるMagnus Nilssonが加入、シンガーにはGoran Edman(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN etc)を迎え、リズム隊はAndy Rose(B)、Jorg Andrews(Ds)という「THE ULTIMATE ANDERSSON COLLECTION」と全く同じラインナップとなっています。リメイク作品とオリジナル盤とはいえRichardが同じメンバーでアルバムを制作したのは今回が初めてですね。ちなみにGoranはもうメタルを歌わないと思っていたのですがネオクラ系バンドからのオファーをほとんど断っている中、Richardは本物だと感じることができたため参加したそうです。

SPACE ODYSSEYの2nd「THE ASTRAL EPISODE」(2005)がTIME REQUIEM寄りのプログレメタル風だったので、TIME REQUIEMの音楽性がどうなるのか注目していたのですがデビュー作で顕著だった張り詰めるような緊張感、その中でキラリと光る哀メロといったTIME REQUIEMのアイデンティティはかなり薄れていますね。このバンドにしては珍しいアコギと笛の音色に導かれて始まるオリエンタルなムードを湛えた①Sin To Sinからして違和感があります。その一因となっているのがシンガーの交代でしょう。野太いハスキーボイスが特徴だった前任者Apolloとは対照的なGoranの声質を考えると、この変化は自然なのかもしれませんが別バンドになってしまったかのように感じる場面も少なくありません。その最たる曲がYNGWIE MALMSTEENバンドでGoranが歌ったTeaser(「FIRE AND ICE」収録)に通じる明るさを持った⑦Miracle Manですね。曲全体としては薄味ながらサビではクサメロパートに移行する②The Talisman、④The Ashen Soulには「ハッ」とさせられるし、ネオクラの王道をゆく⑧Sphere Of Fantasyは気に入っていますが、過去のアルバムほどのめり込めない自分がいます。

Richardのキーボードに関しては、これまでのような速弾き一辺倒で曲を覆い尽くすことはなく、彼にしては押し引きをわきまえたプレイになっていますね。それと比例するようにギターパートも増量されているので客観的に見ればバランスが良くなったようにも感じますが、限界以上に弾きまくるのがRichardのスタイルだったことを思うと物足りなかったりもします。というわけでTIME REQUIEMがこれまでに築き上げてきた個性が希薄になっているので戸惑ってしまう部分が多いのが気になりますね。TIME REQUIEMの作品であるかどうかを別にして繰り返し聴くうちにジワジワと好きになっていった1枚なので、別バンドとしてリリースしてくれた方がすんなり受け入れることができたように思います。

【音源紹介】
The Talisman

TIME REQUIEM「THE INNER CIRCLE OF REALITY」(2004)

  • 2015/07/19(日) 00:00:00

THE INNER CIRCLE OF REALITY
【No.437】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第10位

メンバーの5人中4人は前身のMAJESTICと同じながらバンド名を冠した1stアルバムで一段と濃密、そしてテクニカルなサウンドへと変化したTIME REQUIEMの2作目。前作リリース後には初来日、その模様を収めたライブ盤「UNLEASHED IN JAPAN」(2003)を発売したり、新たにSPACE ODYSSEYを立ち上げたりと活動を更に加速させているRichard Andersson(Key)の創作意欲は留まるところを知らないようで、SPACE ODYSSEYのデビュー作「EMBRACE THE GALAXY」(2003)から僅か半年ほどで届けられたTIME REQUIEMの新作となります。リズム隊がメロデス畑の人選からJonas Reingold(B/ex-MIDNIGHT SUN etc)、Zoltan Csorsz(Ds)というTHE FLOWER KINGS組に替わったことが影響してか、前作ほどガッチガチにタイトな演奏ではなく音の隙間が感じられるサウンドになった印象がありますね。

そんな変化が如実に表れているのが、これまでにないプログレッシブ・ロックのような空気を放ちつつテクニカルに進行していく11分超のタイトル曲②The Inner Circle Of Realityです。3分近くに及ぶソロパートではRichardのキーボードは言うまでもありませんが、Zoltanのドラムも凄いことになっていますね。MAJESTICの2nd「TRINITY OVERTURE」(2000)辺りから顕著になってきたSYNPHONY Xテイストが色濃く出たダークなプログレメタル①Reflections、ネオクラシカルメタルの王道をひた走る④Attar Of Rosesやクラシカルなメロディが乱舞する⑧Hidden Memoriesといった従来路線の楽曲も出色の出来。作品のインパクトとしてはデビュー作に及びませんが今回もネオクラファンにとっては十分楽しめる内容となっています。Richard Anderssonの関連作品を語る上で避けられない他のバンドからのパクリに関しては確かにSYMPHONY XやYNGWIE MALMSTEEN、DREAM TEHATERを連想させる場面はあるものの前作ほど露骨ではないように思います(今回は前作やMAJESTICの曲と似ているパートがチラホラあったりしますが…)。

ただRichardが曲調とは関係なく弾きまくるキーボードの音色はバリエーションに乏しく大半が「ピロピロピロピロ…」という電子系の音なので、どうにも単調なムードになってしまうのはマイナス。泣きの叙情バラード⑥Quest Of A Million Soulsはピアノサウンドなどを使っていれば、更に感動を増幅できたと思うのですが…。SPACE ODYSSEYは幼馴染みでもあるMagnus Nilsson(G)と組んだバンドということもあってギターもそれなりに目立っていましたがRichardの独裁体制下で制作されるTIME REQUIEMではギターをかき消さんばかりにキーボードが楽曲を覆い支配しています。全体的なバランスとしてはどうかと思いますが、ここまで来ると強烈な個性として受け入れるしかありませんね(笑)。いくつかの不満点があるとはいえRichardの生み出す楽曲はやはり僕の琴線に触れまくりなので、かなりリピートしていた作品です。

【音源紹介】
The Inner Circle Of Reality

RICHARD ANDERSSON'S TIME REQUIEM「TIME REQUIEM」(2002)

  • 2015/06/13(土) 00:00:00

TIME REQUIEM
【No.433】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第10位

Richard Anderson(Key)による圧倒的に速いキーボードテクニックとYNGWIE MALMSTEEN、SYMPHONY Xといったバンドからの絶妙な引用フレーズが僕のツボだったスウェーデン産ネオクラシカル・メタルバンドMAJESTICが、契約上の問題からバンド名をTIME REQUIEMへと変更して放つ第1弾アルバム。メンバーはべーシストに若きテクニシャンDick Lovgren(B/LAST TRIBE、ex-ARMAGEDDON etc)が加入していることを除けばMAJESTICの2nd「TRINITY OVERTURE」(2000)と同じです。本作最大の特徴はこれまでのネオクラシカル路線にプログレメタルの要素を加味し、タイトかつテクニカルに生まれ変わっている点でしょう。各メンバーの演奏力にこれまでよりもスポットが当たる作風となっていて、プログレメタルからエクストリーム系まで幅広いバンドに在籍経験のあるPeter Wildoer(Ds/DARKANE、ex-ARCH ENEMY etc)のドラミングがMAJESTIC以上に活かされていますね。

バンド名を冠した9分の長編①Time Requiemでの並外れた緊張感はMAJESTICにはなかったもので、冒頭からTIME REQUIEMというバンドが目指すヴィジョンを明確に示しています。またMAJESTICの作品でも散見された借用フレーズも健在であるばかりか一層大胆になっていますね。いくつか挙げるとすれば歌いまわしがSYMPHONY Xを連想させる②Watching The Tower Of The Skies、YNGWIEのLiar(「TRILOGY」収録)な歌メロが登場する③Milagros CharmDREAM THEATER風のイントロからネオクラ疾走曲へと展開する⑥Visions Of New Dawnなど、といったところでしょうか。それにもかかわらず各曲が今まで以上にカッコいい仕上がりとなっているので、もうこれはRichardの才能だと認めるしかないですね(苦笑)。そんなRichard流コラージュメタル(?)の極致ともいうべき楽曲が⑦Grand Opus。YNGWIEがライブでFar Beyond The Sunのイントロとして演奏することでも有名な「パガニーニのヴァイオリン協奏曲第4番二短調」にボーカルメロディを乗せた歌い出しに始まり、サビメロはYNGWIEのWield My Sword(「ALCHEMY」収録)、そしてキーボードソロでは超有名クラシック曲「モーツァルトの交響曲40番の第4楽章」を挟むというやりたい放題なこの曲は、その継ぎはぎっぷりが奇跡の相乗効果を生み出している名曲です。

そんなパクリッシュサウンドと双璧をなすRichardの個性である鍵盤捌きについても、聴いているこちらの腕がつってしまいそうなほどの速弾きが炸裂する超絶インスト⑤Brutal Mentorを筆頭にもう笑うしかないほどの凄まじさ。Richardが書く難解なパートをきっちりこなす力量を持ちつつもエゴはないApollo Papathanasio(Vo)、Magnus Nordh(G)の両名と屈強のリズム隊も良い仕事をしています。アルバム2枚で消滅したMAJESTIC、Richardが2003年に立ち上げた別バンドSPACE ODYSSEY、そしてこのTIME REQUIEMの3バンドいずれにおいても同じラインナップでアルバムが制作されたことは一度もありませんでしたが、本作のメンバーでもう一度活動してもらいたいですね。借用フレーズの絶妙なセンス、各メンバーの力量など様々な面でRichardの関連アルバムにおいては本作が一番のお気に入りとなっています。

【音源紹介】
Grand Opus

【CD購入録】TERRA NOVA「REINVENT YOURSELF」(2015)

  • 2015/03/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
REINVENT YOURSELF
TERRA NOVA「REINVENT YOURSELF」(2015)

オランダが誇るメロディックロックの雄TERRA NOVAがデビュー20周年を迎える2015年に発表した6作目を買いました。2013年頃には前作「COME ALIVE」(2010)に続く新作をレコーディング中だという噂があったものの、それ以降は音沙汰がなかったので解散してしまったのかと心配していましたがライナーノーツでその事情が明らかになっています。どうやら本作の音楽性をめぐってFRONTIERS RECORDSのSerafino Pergino社長と意見が合わず、別のレーベルと契約しなくてはならなかったためアルバムリリースが当初の予定から大幅に遅れてしまったようですね…。Serafinoは解散していたTERRA NOVAを「ESCAPE」(2005)で見事に復活させた立役者なので、彼と音楽性の相違が生じたという話に不安がよぎりましたがプレイボタンを押すとおなじみのTERRA NOVAサウンドが流れてきて一安心。このバンド特有の爽やかな楽曲群のみならず、能天気なロックソング⑥Rock Armyやポコポコと軽いドラムサウンドなどマイナス面も含めて「らしい」アルバムとなっています。この内容で何故FRONTIERS RECORDSから離れる必要があったのか不思議でなりません。お気に入りは「ネバキ ネバキ〜♪」のサビ(Never keepと歌っています)が耳に残る④Promises、先行で公開されていた淡いバラード⑤Jennaですね。過去の名盤を凌駕するほどではないにせよTERRA NOVAファン、メロディックロックを好んで聴く方なら聴いて損はない1枚だと思います。

【CD購入録】TALISMAN「7」(2006)

  • 2014/12/03(水) 00:00:00

【CD購入録】
TALISMAN7
TALISMAN「7」(2006)

スウェーデンの重鎮TALISMANによるタイトル通りの7作目を買いました。正直なところ4th「LIFE」(1995)をピークとしてTALISMAN関連の作品に物足りなさを感じていたのですが今回は一味違いますね。勢いに満ちたハードロック①Fallingで幕を開けるやMarcel Jacob(B)のベースが全編でうなり、グルーヴィなナンバーからポップソング、バラードまで多彩な表情を見せてくれます。従来のバンドにはなかったタイプの曲が書けるJamie Borger(Ds)の存在も大きく、彼のペンによる産業ロック系⑨Shed A Tear Goodbyeが良いアクセントになっていますね。TALISMANが持つ音楽的要素がバランスよく溶け合っているという意味では入門盤に相応しい1枚と言えるかもしれません。これだけの充実作を生み出しておきながら当時のメンバーは課外活動に忙しくMarcelとJamieはLAST AUTUMN'S DREAMで毎年アルバムを発表、Fredrik Akesson(G)ARCH ENEMYにも在籍、そしてJeff Scott Soto(Vo)は憧れのバンドでもあったJOURNEYのシンガーの座を射止めたこともあって本作がラストアルバムになるのではないかと囁かれていました。結局FredrikはARCH ENEMYを、JeffはJOURNEYを脱退したのですがMarcelの自殺という形で本作がTALISMAN最後のアルバムとなってしまったのが残念でなりません…。アヴァロン・レーベルによるとバンドは未発表音源を収録したアルバムの制作を予定しているそうです。

【現在の愛聴盤】TALISMAN「CATS AND DOGS」(2003)

  • 2014/11/30(日) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
CATS DOGS
TALISMAN「CATS AND DOGS」(2003)

今年に入ってマイブームとなっているTALISMANの後期作品の中で以前から持っていた唯一のアルバム(6作目)をヘビロテ中です。前作「TRUTH」(1998)とHUMANIMALで活動を共にしていたPontus Norgren(G)は脱退、前任者Fredrik Akesson(G)が復帰しています。「ヘ!ヘ!ヘェェェイ!!」というJeff Scott Soto(Vo)のシャウトとファンク要素の強い①Skin On Skinに面食らうものの、HR/HM好きなら理屈抜きで熱くなれるアップテンポ②Break It Down Again、リピートするに連れて味わいが増してくる③In Make Believe、④Love Will Come AgainMarcel Jacob(B)を中心とした演奏陣にスポットを当てた⑤Outta My Wayと続くアルバム前半はなかなかの手応え。後半にテンションが下がってしまうのが残念ですがJamie Borger(Ds)のペンによる爽やか系ミドル⑦Sorryは本作で一番のお気に入りです。ベテランらしい貫禄のある作品である一方、初期のアルバムに収録されていたような名曲が欲しくなる1枚でもありますね。

【CD購入録】TALISMAN「TRUTH」(1998)

  • 2014/11/27(木) 00:00:00

【CD購入録】
TRUTH.jpg
TALISMAN「TRUTH」(1998)

独特のグルーヴ感と叙情メロディが織り成すTALISMANサウンドを完成させた傑作「LIFE」(1995)を発表後、別プロジェクトHUMAN CLAYを結成して2枚のアルバムをリリースしたMarcel Jacob(B)Jeff Scott Soto(Vo)が再びTALISMANの名の下でタッグを組んだ通算5枚目のアルバムを買いました。ドラマーはお馴染みのJamie Borgerですが、ギタリストはPontus Norgren(ex-GREAT KING RAT)にチェンジしています。まず驚かされるのはTALISMANとしては3年振りの復活作でありながらQUEENのカバー①Let Me Entertain Youで幕を開けるという点です。自他共に認める(?)ひねくれ者で皮肉屋のMarcelらしいと言えばそうなのかもしれませんが。アルバムの作風としては前作「LIFE」、前々作「HUMANIMAL」(1994)ほどのヘヴィさはなく、全体的にマイルドな仕上がりになっています。中でも⑤I'll Be There 4 U、⑧Heaven's Got Another Hero、⑨Your Manといったバンドのソフトサイドを担う楽曲が充実していますね。特に⑤はJamie Borger(Ds)が書いたナンバーで、後にLAST AUTUMN'S DREAMで発揮される作曲センスが窺える1曲です。一方、メタリックチューンとしては⑬Pavilion Of Oblivionのような「らしい」曲はあるものの過去の名曲と比べると物足りない気もしますね。それなりに楽しめるアルバムではありますが決め曲に欠けていたり、音楽性を拡げすぎた感があったりするのでTALISMANの作品としては微妙かな。

【CD購入録】TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.1」(2012)

  • 2014/10/31(金) 00:00:00

【CD購入録】
RABBITS HILL PT1
TRICK OR TREAT「RABBITS' HILL PT.1」(2012)

バンド名と音楽性の両方で清々しいほどのHELLOWEENフォロワー振りを見せているイタリアン・パワーメタラーTRICK OR TREATの3作目を買いました。 前作「TIN SOLDIERS」(2009)にはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)がゲスト参加していましたが、今回はAndre Matos(Vo/ex-ANGRA)が客演していてます。過去2作品では微笑ましいまでのキーパーサウンド愛が溢れていたのに対して今回はそんな要素をキープしつつフォークメタル調、ジャズっぽい雰囲気を持つナンバーなど音楽性を広げた感があります。バンドの将来を考えると、いつまでもキーパー風メタル一筋で行くわけにもいかないのだとは思いますが僕が心惹かれるのは②Prince With A 1000 Enemies、⑤Wrong Turn、⑧Rabbits' Hillといったメロパワ系の曲ばかりだったりします(苦笑)。本作はイギリスではベストセラーとなっている(らしい)児童文学「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」を題材としたコンセプトアルバムで2部構成となっているようなので、どうしてもHELLOWEENの名盤「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」が頭をよぎりますね。Part 1にあたる本作を聴く限り微妙な印象は拭いきれませんが、この「RABBITS' HILL」以降にTRICK OR TREATがどのような進化を遂げるのか注目したいと思います。

【現在の愛聴盤】TALISMAN「LIFE」(1995)

  • 2014/09/06(土) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
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TALISMAN「LIFE」(1995)

9月3日にTALISMANの1st「TALISMAN」(1990)、2nd「GENESIS」(1993)がリマスター再発されたことを受けてTALISMAN特有の音楽性が完成の域に達した4th「LIFE」(1995)をリピート中です。初期2作品も良いけれど僕にとってTALISMANと言えば本作ですね。新しく取り入れたヘヴィネスとグルーヴが前作「HUMANIMAL」(1993)では強調され過ぎていた感がありましたが、今回は持ち前のメロディセンスと見事に融合しています。①Tears In The Sky、⑥Loveblind、⑨Bodyなどはこのバンドならではの名曲ですね。なお本作は先行で発売された国内盤と、リマスターの上ボートラとして未発表曲1曲とデモ音源3曲を追加した欧州盤とで曲順やミックスが異なります。僕はゼロ・コーポレーションから出ていた日本盤を最初に聴き、1993年に行われた初の来日公演の模様を収めたライブアルバム「5 OUT OF 5 LIVE IN JAPAN」と本作のヨーロッパ盤がセットになった2枚組を後で購入しました(勿論お目当てはライブの方)。聴き比べてみると音質の良さ、曲間が短くクロスオーバー気味に楽曲が繰り出されるミックスのハマリ具合などからヨーロッパ盤の方が好きなのですが不満がひとつあります。それは国内盤では①のラストで繰り広げられていたボーカルとベースの応酬がカットされていること。アルバム全体で見ても大きな聴きどころになっていたのに何故このようなミックスにしたのか疑問です…。この点にさえ目をつぶればライブとセットになった輸入盤の方が断然お得だと思います。

【CD購入録】TALISMAN「HUMANIMAL」(1994)

  • 2014/08/20(水) 00:00:00

【CD購入録】
HUMANIMAL
TALISMAN「HUMANIMAL」(1994)

Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)という元YNGWIE MALMSTEEN組を中心としたスウェーデン産ハードロックバンドTALISMANの3作目を買いました。1994年のリリース当時は日本とヨーロッパで収録曲が異なるバージョンが発売されていましたが今回僕が買ったのは再発盤の2枚組仕様です。

トラックリストはこちら
DISC-1
01. 3233 + Colour My XTC
02. Fabricated War
03. Tainted Pages
04. TV Reality
05. Seasons
06. All + All
07. D.O.A.P.S.
08. Blissfull Garden
09. Lonely World
10. Delusions Of Grandeur
11. Since You've Gone
12. Humanimal
13. Doin' Time Wit' My Baby

DISC-2
01. Animal Ritual
02. You Cannot Escape From The Revelation Of The Identical By Seeking Refuge In The Illusion Of The Multiple
03. My Best Friends Girl
04. Dear God
05. Hypocrite
06. Wastin' R Time
07. To Know Someone Deeply(Is To Know Someone Softly)
08. Todo Y Todo(All + Allのスペイン語バージョン)

デビュー作は北欧メタルの王道、2ndアルバムではそこにグルーヴィな味わいを加えるなど音楽性を変化させてきた彼等ですが、今回は一段とヘヴィなサウンドに傾倒していますね。このアルバムで展開されている路線がTALISMANの持ち味のひとつであることは確かながら、バンドのダークサイドをかなり強調した仕上がりとなっていてデビュー当時とはまるて別バンドのよう。特にDISC-1①Colour My XTCPVは曲調もさることながらラッパーのような風貌と振り付けで歌うJeffに驚かされました。僕は本作を後追いでチェックしたため、ある程度の耐性はできていましたがリアルタイムで聴いていたらショックだったでしょうね…。ただ過去の音楽性と切り離して聴くと決して悪い作品ではないし、DISC-1⑨Lonely World、⑫HumanimalはTALISMANらしさ全開の好メタルチューンとなっています。ちなみにタイトルが異様に長いDISC-2②You Cannot Escape From The Revelation Of The Identical By Seeking Refuge In The Illusion Of The Multipleはテクニカルな演奏をバックにJeffが曲名をメロディに乗せて歌う実験的なナンバーです。全21曲という長尺のボリューム、曲調の振り幅の大きさなどから冗長、散漫といったイメージもありますがもう少し聴き込んでみようと思います。

TALISMAN「GENESIS」(1993)

  • 2014/08/16(土) 00:00:00

GENESIS_20120810161737.jpg
【No.404】
★★★(1995)

結成当初はMarcel Jacob(B/ex-YNGWIE MALMSTEEN)のスタジオプロジェクトと見なされていたTALISMANの2ndアルバム。バンド名を冠したのデビュー作から約3年振りとなる今回のアルバムでもJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)がMarcelの相棒を務めていますが、JeffはもうひとつのバンドEYESに専念するために一時TALISMANを脱退するなど再びタッグを組むまでは紆余曲折があったようです。またギタリストにはオーディションで発掘した新人Fredrik Akessonを迎えており、彼は後のTALISMAN作品にも多く参加することとなります。Fredrikは2005年にChristopher Amott(G)ARCH ENEMYから脱退した際にツアーギタリストとして加入(2007年にChristopherが復帰したためスタジオ盤には不参加)、今ではOPETHに在籍するなど現代北欧ミュージックシーンで名うてのギタリストとしての地位を確立しているのでMarcelは見る目があったということですね。

音楽性はというと「典型的な北欧メタル」だった前作から一皮剥けて、後のTALISMANサウンドのキーとなる「独特のうねり」が顔を出すようになっているためデビュー作はMarcelのソロ、今回がTALISMANとしてのリアルファーストアルバムと捉えることができるかもしれません。そんな変化を象徴するかのように1stアルバムで楽曲を彩っていたキーボードは大幅に減少してサウンドが骨太になっています。グルーヴィなバッキングとキャッチーなサビメロが耳に残る①Time After TimeYNGWIE MALMSTEENの「MARCHING OUT」(1985)に収録されてそうなハードチューン②Comin' Homeで掴みはOK。HR/HMには似つかわしくないファンキーなアレンジを巧みに取り入れた④If U Would Only Be My Friendを聴いているとTALISMANが凡百の北欧メタルバンドと一線を画す存在だと感じさせられますね。そんなバンドの新生面が強調されている今回のアルバムは楽曲のインパクトという面ではデビュー作に一歩譲りますが、強力な哀メロが炸裂する⑨Give Me A Signはバンドを代表する名曲です(サビ直前のアコギもいい!)。また、MR.BIGの有名曲Addicted To That Rushに酷似した⑤All Or Nothingは冒頭の歌詞までもがそっくりなのできっと確信犯でしょうね(笑)。

TALISMAN最大の特徴であるMarcelのベースはかなり目立ってきているし、Jeffの剛柔を巧みに使い分けたボーカルも安定感を増しています。「お行儀のいい」タイプの曲が多かったデビュー盤よりも、本作ぐらい適度にロックした作風の方がJeffの声が活かされていますね。さほどのめり込めない曲があるのも事実だし音質が良くなかったり、ドラムが打ち込みであるため迫力に欠けるといった弱点は今回も改善されていませんが「GENESIS」(=「創世記」、「起源」)と題された本作でTALISMANは自分達のサウンドを掴んだと言えると思います。なおアヴァロン・レーベルから9月3日にリリースされる再発盤は2012年に輸入盤でのみ発売されていたバージョンと同じ内容のようです。

【音源紹介】
・Give Me A Sign

TALISMAN「TALISMAN」(1990)

  • 2014/08/12(火) 00:00:00

TALISMAN.jpg
【No.403】
★★★(1995)

10代の頃からYngwie Malmsteen(G)と音楽活動を共にし、 彼のソロ名義で2作目にあたる「MARCHING OUT」(1985)にも参加していたスウェーデン屈指のベースプレイヤーMarcel Jacob(故人。2009年7月に自殺)が自分のやりたい音楽を追及するために結成したTALISMANの1stアルバム。後にMarcelとJeff Scott Soto(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN)を中心としたバンドへと成長していったTALISMANですが、結成当時はMarcelのソロプロジェクト的な色合いが強かったようでシンガーもJeffではなく「Mr.北欧ボイス」ことGoran Edman(Vo/ex-MADISON)が想定されていたのだとか。ところがGoranがYngwieに引き抜かれたためMarcelが「MARCHING OUT」のバンドメンバーでもあったJeffに声をかけたという経緯があったようです。なおキーボードプレイヤーとしては後のYngwieバンドに長期間(1989年から2001年まで)在籍することとなるMats Olaussonも参加していて良い仕事をしています。

TALISMANは後にファンキーでグルーヴィーな要素を強めていきますが、本作は透明感あるキラキラサウンドと瑞々しいメロディの数々が楽しめる「これぞ北欧メタル」な1枚となっています。力強くもキャッチーな歌メロをフィーチュアしたオープニングチューン①Break Your Chains、冒頭のアカペラからして爽快感に溢れたハードポップ③I'll Be Waiting、北欧ならではの哀メロが冴え渡る⑤Just Between Us、⑨Day By Dayなどはこのバンドのみならず北欧メタルを代表するナンバーだと思います。また上記4曲には一歩譲るもののハードにドライヴィングする⑦Queenも結構好きだし、それ以外も佳曲揃いでMarcelが優れたソングライターであることを証明してくれていますね。アルバムの中で明らかに浮いているロックンロール⑩Women, Whiskey, And Songsこそ微妙ですが、本編を締めくくるインスト⑪Great Sandwichでは泣きのギターとMarcelらしいベースソロが楽しめて好印象。

このアルバムにはいくつかのバージョンが存在していて、僕が最初に聴いたのはオリジナルの11曲にボーナストラックとしてライヴ音源が6曲も追加されたゼロ・コーポレーションからの国内盤でした。追加音源の中にはMarcelも参加していたJohn Norum(G/EUROPE)の1stソロ「TOTAL CONTROL」に収録されていたLet Me Love You、Eternal FlameやMarcelがJoey Tempest(Vo/EUROPE)と共作したEUROPE随一のメタルチューンScream Of Angerといった興味深いナンバーも含まれていますが音質が極めて悪いためほとんど聴いていません(苦笑)。また2003年には本作のナンバーをGoranが歌ったデモバージョン7曲とインスト1曲が追加されたリマスター盤が再発され、GoranによるTALISMANの曲が聴きたくて買い直しました。一部、曲タイトルや歌詞が異なるGoranバージョンはJeffが歌うオリジナルと聴き比べても遜色ないばかりか、中にはDay By DayのようにGoranの方がはまっていると思える曲もあるほどです。バンドはJeffの持ち味を活かすため作を重ねるごとに今回のアルバムで展開しているような北欧サウンドから離れていくことになるのですが、もしGoranがフロントマンになっていたらTALISMANがどのような方向性へ進んでいたのか聴いてみたい気もしますね。ちなみに9月3日にアヴァロン・レーベルから再発される国内盤にはGoranが歌っている音源は収録されていないようです。

【音源紹介】
・I'll Be Waiting

【CD購入録】TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

  • 2013/06/29(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE LAND OF NEW HOPE
TIMO TOLKKI'S AVALON「THE LAND OF NEW HOPE」(2013)

Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)らと一種のスーパーバンドSYMFONIAを結成したものの、僅か1枚で解散したばかりか音楽業界からの引退をも示唆するコメントを発表したTimo Tolkki(G/ex-STRATOVARIUS)でしたが、FRONTIERS RECORDS社長Serafino Perginoから多くのゲストを迎えたメタルオペラ・プロジェクトの提案を持ちかけられ誕生したTIMO TOLKKI'S AVALONの1stアルバムを買いました。プロジェクト名からしてTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAを連想せずにはいられませんが、ゲストを見てみるとMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Sharon Den Adel(Vo/WITHIN TEMPTATION)、Elize Ryd(Vo/AMARANTHE)、Russell Allen(Vo/SYMPHONY X、ADRENALINE MOB)、Rob Rock(Vo/DRIVER、ex-IMPELLITTERI)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS) 、Derek Sherinian(Key/BLACK COUNTRY COMMUNION、ex-DREAM THEATER)、Alex Holzwarth(Ds/RHAPSODY OF FIRE)といった顔ぶれでAVANTASIAに参加していた人もチラホラ、というかシンガーではElyzeとTony以外はAVANTASIAファミリーですね。歌っている比率を踏まえるとTolkkiとElyze、Rob Rockを基本メンバーとしたプロジェクトと言えるかもしれません。内容の方はAVANTASIAがメタルオペラを名乗っていた初期2作品ほどメロパワ一辺倒ではなく、その後の「THE SCARECROW SAGA」を歌ものメタルっぽくした感じでしょうか。ライナーノーツによると、Tolkkiがこのプロジェクトのために書き上げたストーリー「THE LAND OF NEW HOPE」は3部作を予定しているそうなので、 アルバム契約が4枚分あったというSYMFONIAを投げ出した前科があるTolkkiですが(苦笑)今回は完結まで頑張ってもらいたいですね。

【CD購入録】TRICK OR TREAT「EVIL NEEDS CANDY TOO」(2006)

  • 2012/10/31(水) 00:00:00

【CD購入録】
EVIL NEEDS CANDY TOO
TRICK OR TREAT「EVIL NEEDS CANDY TOO」(2006)

バンド名からしてHELLOWEENフォロワーだということが伝わってくるイタリアン・パワーメタラー…というか今ではLUCA TURILLI'S RHAPSODYのシンガーに抜擢されたAlessandro Conti(Vo)が在籍するバンドと言った方が通りがいいかもしれないTRICK OR TREATが今年の10月24日にリリースした3作目ではなく1stアルバムを買いました。2nd「TIN SOLDIERS」(2009)や3rd「RABBITS HILL」と違って本作の日本盤リリースはありませんが、メロパワ好きの僕としては結構楽しめそうな気がしています。このバンドの特徴はメロディック・パワーメタルとしてだけでなく、コミカルさという面でもキーパーサウンドからの影響を取り入れている点でしょうか。パロディ丸出しのジャケットやドナルド・ダックの声(?)が挿入された④Like Donald Duck、アルバム中盤に配されたCyndi Lauperのカバー⑤Girls Just Want To Have Funなどもそれを物語っていると思います。2nd同様に本作もオリジナリティは希薄ですが、それを理由に聴かずにおくのは勿体ないアルバムですね。

【CD購入録】TOBY HITCHCOCK「MERCURY'S DOWN」(2011)

  • 2012/05/19(土) 00:00:00

【CD購入録】
MERCURYS DOWN
TOBY HITCHCOCK「MERCURY'S DOWN」(2011)

それまでは無名だったもののJim Peterik(G/ex-SURVIVOR)に見出だされるや、その伸びやかな歌声でメロディック・ロックファンの注目を集めることとなったToby Hitchcock(Vo)による初のソロアルバムを買いました。Jimと組んだPRIDE OF LIONSで発表した3枚のアルバムで素晴らしい歌声を披露してくれていたので、彼がJim以外のソングライターと組むとどんな作品が出来上がるのか興味があったし、ソロの相棒がECLIPSEW.E.T.で目下売り出し中の若手注目株Erik Martensson(Vo、G)だと聞いて期待値がグッと上がったことは言うまでもありません。本作で聴けるのはPRIDE OF LIONSよりも若干ヘヴィながらキャッチーさをしっかり保ったメロディアスハードで流石のクオリティを備えています。現時点でのお気に入りはPVも制作された①This Is The Moment~②Strong Enoughという冒頭の流れと本編を締めくくるタイトル曲⑫Mercury's Downですね。ただし本作がメロディックロックの充実盤であるのは確かながら、この2人ならこれくらいはやってくれるだろうという想定内の出来だというのも事実だったりします。FRONTIERS RECORDSの作品によくある「良いアルバム止まり」というか…。贅沢な望みだというのはわかっているんですけどね。

THRESHOLD「DEAD RECKONING」(2007)

  • 2011/09/27(火) 00:00:00

DEAD RECKONING.jpg
【No.304】
★★★★(2008)

英国産プログレッシブメタルバンドTHRESHOLDの8thアルバム。以前からこのバンドの名前は知っていたものの、良くも悪くも「永遠の中堅」というイメージが強く購入には至っていませんでした。ところが、メタルレーベルNUCLEAR BLASTの創立20周年記念企画盤NUCLEAR BLAST ALL STARS「INTO THE LIGHT」(2007)のボーナスディスクにたまたま収録されていた①Slipstreamの素晴らしさに魅了されて本作を買う決意を固めた次第です。このアルバムが僕にとってTHRESHOLD初体験盤なので過去作品との比較はできませんが本作を聴く限り、このバンドはプログレメタルといってもDREAM THEATERのように超絶技巧で聴き手を圧倒するのではなく楽曲の軸足を常にボーカルメロディに置いている印象です。そんな歌メロ重視の姿勢は最近のプログレメタルシーンで注目を集めるCIRCUS MAXIMUSSEVENTH WONDERといった北欧の若手バンドを連想させますね。変拍子を交えながらも小難しさはほとんどないし、時にはメロディアスハードかと思うほど耳馴染みの良いメロディを次から次へと繰り出してくる辺りは間違いなく僕好みのサウンドです。

まずは重いギターリフからゲスト参加のDan Swano(Vo/EDGE OF SANITY)によるデス声パートを経て愁いを帯びつつもどこか優しげなサビメロへと繋がる前述の①、出だしこそ前曲以上にヘヴィながらボーカルパートでは一転してノリの良さとポップセンスが弾けるメロディアスチューン②This Is Your Life、ややダークな曲調の中で響く浮遊感あるサビメロが心地よい③Elusiveという冒頭3曲でガッチリ心を掴まれました。上記は比較的コンパクトな楽曲ですが、それだけではなくプログレテイスト漂う長尺曲も複数収録していて、中でも流暢な起承転結の展開が9分に及ぶ曲の長さを感じさせない⑤Pilot In The Sky Of Dreamsは見事な構築美を誇っています。それ以外にもモダンテイストを上手く取り入れた⑦Disappear、素晴らしいギターメロディでアルバムを締めくくってくれる⑨One Degree Downなどがお気に入りですね。

リーダーのKarl Groom(G)が紡ぎ出すギターパートは楽曲にハイライトを生み出しているし、Richard West(Key)もバックに徹するばかりでなく華麗なソロを披露しています。そんなインストパートもさることながら、バンドの音楽性的にも重要なファクターとなっているのがAndrew "Mac" McDermott(Vo/ex-SARGANT FURY)による安定感抜群の歌唱。素晴らしいシンガーですね。楽曲的にいわゆる疾走曲というものはなくミッドテンポ、バラード調がメインなので即効性は高くないですが各曲の美旋律がじんわりと胸に沁み渡ります。ベテランらしい手堅い演奏と表現力豊かなボーカルが絡み合うメロディアスで聴きやすいプログレメタル作品だと思います。ただ本作発表後にシンガーAndrewが脱退し、オリジナルシンガーのDamian Willson(Vo)がバンドに復帰しています。しかも残念なことにAndrewは2011年8月3日に亡くなってしまったのだとか…(ソースはこちら)。彼のボーカルなくして本作がここまで完成度の高いアルバムになることはなかったと思うので本当に残念でなりません。

【音源紹介】
・Slipstream

【CD購入録】TEN「STORMWARNING」(2011)

  • 2011/05/17(火) 00:00:00

【CD購入録】
STROMWARNING.jpg
TEN「STORMWARNING」(2011)

Gary Hughes(Vo)率いる英国産メロディック・ロックバンドTENが4年振りにリリースした9作目を買いました。実はこのバンドを熱心に聴いていたのはVinny Burns(G)が在籍していた6th「FAR BEYOND THE WORLD」(2002)までだったので、僕がTENの新譜を聴くのは約10年振りということになります。本作を聴いてみて印象に残ったのは、中音域をメインにGaryが歌う煮え切らないメロディとそこに絡む叙情ギターというバンドのアイデンティティがデビューして15年近く経つ今でもしっかり保たれているという点です。僕はここ最近の2作品は聴いてはいないものの余り良い評判を耳にしなかった2代目ギタリストChris Francisに代わって本作から加入したNeil Fraser(G)のプレイも好印象。今のお気に入りはギターメロディがツボの哀愁メロディックチューン⑨Destinyですね(僕はこの曲のメインメロディを聴いてテトリスのBGMを思い出しました)。それ以外にも派手さこそないものの、じんわり胸に沁みるGary節ともいえる美旋律がたっぷり楽しめる1枚だと思います。

それにしてもGaryはかなりルックスイメージが変わりましたね…。

TREAT「COUP DE GRACE」(2010)

  • 2011/01/18(火) 00:00:00

COUP DE GRACE
【No.274】
★★★★★(2010)
年間ベスト2010年第1位

後にYNGWIE MALMSTEENAT VANCE等でも活躍することになるMats Leven(Vo)を2代目シンガーとして迎えた5th「TREAT」(1992)を最後に解散していた80年代北欧メタルの代表的バンドTREATが、2006年にオリジナルシンガーRobert Ernlundを含めたラインナップで再結成してリリースしたベスト盤「WEAPONS OF CHOICE 1984-2006」(2006)に続いて発表したオリジナルアルバムとしては18年振りとなる作品にして通算6枚目。北欧の哀メロファンを自認していながら、TREATとは何故か縁がなく今回初めて聴いた僕ですが、これが予想以上に素晴らしい作品で驚きました。このバンドはかつて「ポストEUROPE」と称されていたようで、再結成後に音楽性を変えて賛否両論あるEUROPEに対してTREATの復活作は上記のベストアルバムの後に聴いても違和感のない80年代北欧メタルらしい1枚となっており、何と言っても楽曲が素晴らしいということに尽きます。日本盤ボーナス込みで15曲(うち1曲はイントロ)という長丁場ながら、どれもがシングルカットできそうな秀曲揃いで、このクオリティの高さはベスト盤リリース後の4年間、いや活動休止中の18年間をソングライティングに費やして選りすぐりの楽曲だけを収録したのでは?(実際そういうわけではないようですが)と思いたくなるほどハイレベルです。

本作の収録曲は「ここで盛り上がってほしい」というところでしっかりハイライトを作ってくれるその「痒い所に手が届くメロディ展開」が秀逸で、僕の琴線に触れまくりなんですよね。その代表例が④Papertiger⑤Roarで、この2曲のサビメロを初めて聴いた時は「やられたぁ」という感嘆のため息が自然と出ました。その他に大好きな楽曲を挙げると、序曲①Prelude:Coup De Graceに導かれて始まるメロディアスハードのお手本のようなアップテンポ②The War Is OverJOURNEYっぽいAORバラード⑥A Life To Die ForRudolf Schenker(G/SCORPIONS)も作曲に関わったスケールの大きい⑧Skies Of MongoliaTERRA NOVA風の爽快感が気持ちいいSteve Lee(Vo/GOTTHARD)との共作によるロックチューン⑪No Way Without You(派手に弾きまくるギターもグッド)、明るい中にどこか甘酸っぱい切なさ漂う⑫We Own The Night、冒頭のギターメロディで勝負ありの⑬All For Loveなどですね。楽曲の大半を手がけているAnders Wikstrom(G)はTREAT解散時もソングライターとして精力的に活動していて、スイスのハードロックバンドGOTTHARDなどに楽曲を提供しています。ちなみにAndersが作曲者としてクレジットされているGOTTHARDの楽曲としては「LIPSERVICE」(2005)収録のAll We Are、Lift U Up、The Other Side Of Meや「DOMINO EFFECT」(2007)収録のThe Oscar Goes To…などがあるようです。

そんな楽曲の素晴らしさもさることながらアップテンポ、哀愁のミドルからパワフルなナンバー、バラードまでバラエティ豊富だし、そのメロディを全盛期以上の安定感で歌い上げるRobert、ツボを押さえたプレイで各曲を盛り上げるギタリストAnders、LAST AUTUMN'S DREAMでもタッグを組むリズム隊Nalley Pahlsson(B)Jamie Borger(Ds)も文句なしですね。80年代的な懐かしさだけでなく⑩I'm Not Runnin'などでは現代風のヘヴィネスも適度に盛り込むことで、甘くなり過ぎていないサウンドプロダクションも高ポイント。僕にとって本作がTREAT初体験盤ということもあってインパクトが大きいからかもしれませんが、この「COUP DE GRACE」はベストアルバムを超えているのではないかと思えてくるほどです。ここ10年間で聴いた全てのメロディックロック作品の中でも3本の指に入る大傑作!

【音源紹介】
・Roar

【CD購入録】TREAT「WEAPONS OF CHOICE 1984-2006」(2006)

  • 2011/01/15(土) 00:00:00

【CD購入録】
WEAPONS OF CHOICE 1984-2006
TREAT「WEAPONS OF CHOICE 1984-2006」(2006)

オリジナルアルバムとしては18年振りとなる6th「COUP DE GRACE」(2010)のあまりの素晴らしさに感銘を受け、過去の作品群も聴きたいと思っていたスウェーデンのメロディックロックバンドTREATのベスト盤を買いました。セルフタイトル作5th「TREAT」(1992)を最後に解散していたバンドが再結成してリリースしたのが本作のようで新曲2曲、未発表曲1曲を含む全19曲というボリュームです。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Rev It Up(2nd「THE PLEASURE PRINCIPLE」)
02. I Burn For You(新曲)
03. World Of Promises(3rd「DREAMHUNTER」)
04. Conspiracy(4th「ORGANIZED CRIME」)
05. Ride Me High(2nd「THE PLEASURE PRINCIPLE」)
06. Mr. Heartache(4th「ORGANIZED CRIME」)
07. We Are One(1st「SCRATCH AND BITE」)
08. Sole Survivor(3rd「DREAMHUNTER」)
09. Go!(新曲)
10. Ready For The Taking(4th「ORGANIZED CRIME」)
11. Changes(1st「SCRATCH AND BITE」)
12. Get You On The Run(4th「ORGANIZED CRIME」)
13. Strike Without A Warning(2nd「THE PLEASURE PRINCIPLE」)
14. Too Wild(1st「SCRATCH AND BITE」)
15. Outlaw(3rd「DREAMHUNTER」)
16. You're The One I Want(3rd「DREAMHUNTER」)
17. Learn To Fly(5th「TREAT」)
18. Still In Heaven(未発表曲)
19. Party All Over(4th「ORGANIZED CRIME」)

流石、80年代北欧メタル史にその名を刻んだバンドだけあってキャッチーな中にも哀愁を感じさせる楽曲が次から次へと登場しますね。5th以前の作品を聴いたことがないので詳しいことはわかりませんが初心者の僕でも曲名は見かけたことがある③(IN FLAMESがカバーしてましたよね)や⑫なども収録されているし、問題作という噂も耳にする「TREAT」からは1曲だけですが5枚全てから選曲しているようなので手堅いベストと言えるのかな。また特筆すべきは②、⑨という新曲の素晴らしさで、他の曲と比べて遜色ないばかりか②は本作のベストチューン候補です。たまに顔を出すグルーヴィーな曲調が個人的には苦手だったりしますが、長く楽しめそうな1枚だと思います。

TERRA NOVA「COME ALIVE」(2010)

  • 2010/12/24(金) 00:00:00

COME ALIVE
【No.273】
★★★(2010)

1999年の解散後、AQUILA名義でリリースした2枚のアルバムを挟んで2005年に再結成作4th「ESCAPE」、2006年には初のベスト盤「BEST OF +5」(選曲は1st~3rdより)を発表したTERRA NOVAの5作目にして復活後2枚目のアルバム。本作は2008年後半の時点ではレコーディングも順調で2009年1月に発売される予定だったはずが、突然リリースが無期延期になってしまったためバンドにトラブルが発生したのかと心配していました。リーダーのFred Hendrix(Vo)によると本作の発売が延期になったのは「機材故障など想像し得る限りのあらゆることが起こったのとレーベル側の発売日設定が遅れたことが原因」だそうでFred、Gesuino Derosas(G)、Ron Hendrix(Key)というTERRA NOVAサウンドを形成するキーパーソン3人が健在なだけでなく、前作には不参加だったオリジナルドラマーLars Beuvingも復帰しています。そのせいかドラムサウンドも前作ほど軽くありません。

今回バンドはデビュー作「LIVIN' IT UP」(1996)への回帰をテーマにしていたそうで、その意図は爽やかなオープニングチューン①Come Aliveの「Fire It Up~♪」という歌い出しがデビューアルバムの1曲目Livin' It Up冒頭の「Livin It Up~♪」にソックリなところからも感じられます。それ以外にも序盤~中盤に強力な楽曲を並べ、エンディングを美しいバラードで締めるというアルバム構成も初期TERRA NOVAらしくて良いですね。ただ、ラストのバラード前に僕がこのバンドに求めていない大味なロックソングや前半と比べてメロディが弱い曲が配されているところまで似ているのはあまり嬉しくなかったりしますが…。そんなマイナス要素を帳消しにしてくれているのがアルバム前半の素晴らしさ。前述した①の勢いそのままに哀感漂うハードロック②Fighting Yourself、いかにもTERRA NOVAな「ナーナー ナーナーナーナー♪」のコーラスが耳に残る③Holy Grail、ゆったりした旋律に身を委ねたくなる④Here Comes The Nightと続く流れが発散するポジティブな空気はTERRA NOVA以外の何者でもありません。アルバムの山場はバラード⑤Those Eyesの余韻を引き継ぐリリカルなピアノから一転してアップテンポに展開していく中で奏でられる哀メロが涙を誘う⑥Under Pressureですね。そしてJOURNEYの名バラードFaithfullyを連想せずにはいられないピアノ伴奏とFredの独唱による前半、バンドサウンドと合流して曲が盛り上がる後半からなる2部構成風の⑩The Final Curtain、ボーナストラックにしておくには勿体ない佳曲⑪One September Morningというバラード2連発でエンディングを迎えます。

ただアルバムの根底に流れるのは一聴してそれとわかるTERRA NOVAサウンドながら、前作の時点でも感じられた「突き抜けるような爽快感や無邪気なまでの元気さを控えめにした方向性」は更に推し進められているようで、初期3作品に比べて良く言えば成熟した、悪く言えば地味(あくまでTERRA NOVAにしてはというレベルですが)な印象を受けます。若々しさや弾けるようなポップフィーリングを抑えた作風にどこか物足りなさを感じる面もあるので本作が最高傑作とは言えませんが、こういう落ち着いたTERRA NOVAもアリかなと思っています。またFredも年齢とともに高音で歌うのが厳しくなってきているようで、中低音域メインの歌唱となっているものの彼のような掠れ気味の声質の場合、年を重ねるにつれて独自の旨みを増しているのでこれからも楽しみですね。楽曲、歌詞、ボーカルなどでノリの良さや勢いは薄れていますが「大人なTERRA NOVA」を味わえる1枚だと思います。

【音源紹介】
・Come Alive

TERRA NOVA「BEST OF +5」(2006)

  • 2010/12/18(土) 00:00:00

BEST OF +5
【No.272】
★★★(2006)

一時解散していたものの6年振りとなる4th「ESCAPE」(2005)で再結成し、多くのメロハーファンを歓喜させたTERRA NOVA初のベストアルバム。本作には全部で17曲が収録されていて、その中の12曲がデビュー作「LIVIN' IT UP」(1996)~3rd「MAKE MY DAY」(1999)より厳選されたナンバー、5曲が2nd「BREAK AWAY」(1998)制作時にレコーディングした未発表曲という構成です。ポップでキャッチー、超爽やかな楽曲の数々を歌い上げるFred Hendrix(Vo)のハスキーでエモーショナルな歌声と演奏パートのハイライトとなるGesuino Derosasのギター(本作の収録曲では④と⑦のソロが特に好きです)、各曲を華麗に彩るRon Hendrix(Key)というTERRA NOVAの旨みがギッシリ詰まった1枚です。

【トラックリストと収録アルバム】
01. I Wanna Know(未発表曲)
02. Break Away(2nd「BREAK AWAY」)
03. Livin' It Up(1st「LIVIN' IT UP」)
04. Love Sick(3rd「MAKE MY DAY」)
05. Not Here With Me(2nd「BREAK AWAY」)
06. Hey Babe(1st「LIVIN' IT UP」)
07. Right Now(2nd「BREAK AWAY」)
08. Once Bitten Twice Shy(1st「LIVIN' IT UP」)
09. How(3rd「MAKE MY DAY」)
10. Make My Day(3rd「MAKE MY DAY」)
11. Holding On(2nd「BREAK AWAY」)
12. Eye To Eye(3rd「MAKE MY DAY」)
13. Love Of My Life(1st「LIVIN' IT UP」)
14. Against The Wind(未発表曲)
15. Reminiscing(未発表曲)
16. I'm The One(未発表曲)
17. Holy Water(未発表曲)

既発の12曲に関しては3枚のアルバムからバランス良く選ばれているだけでなく、それぞれのオープニングナンバーを贅沢に並べた②~④、オリジナル作品ではアルバム中盤に配されていた「これぞTERRA NOVA!」な⑦と⑧を連続させている辺りがかなり強力。またバラードについても3枚全てから選曲しており、失恋ソングの⑤、自ら恋人に別れを告げることの辛さを歌った⑨、真っ直ぐな王道ラブバラード⑬をチョイスしていて、「爽」と「哀」というバンドの2枚看板をたっぷり堪能させてくれますね。基本的にTERRA NOVAのバラードにハズレはないと思っているので、どれが入っても納得できるのですが上記の通り歌詞のテーマを重複させることなく選んでいたり、デビュー作のラストを見事に飾った名バラード⑬をベストアルバムの部のラストに持ってきたりするなど選曲、曲順の両面でツボを押さえていると思います。僕としてはデビュー作でTERRA NOVA史の幕開けを爽やかに告げた「Whoo, Let's rock the night away~♪」のコーラスからスタートする③をオープニングにして欲しかった、バンドの楽曲の中で一番思い入れの強い珠玉のバラードOnly For Youも入れて欲しかったなど細かい要望もありますが、これはあくまで個人的な希望なので客観的に見ればTERRA NOVAを知るには最適と言える12曲でしょう。「個々の楽曲は素晴らしいのにアルバム後半はやや息切れ気味」という僕がバンドの初期3作品に対して抱いていた数少ないマイナスイメージも、本作では感じられません(ベスト盤なので当然といえば当然ですが)。

そして3枚のオリジナル作品を持っている僕としては未発表曲に注目していたのですが、この5曲については良い曲だとは思うけれどTERRA NOVAとしてはアウトテイクレベルかなぁというのが正直なところです。その中で印象に残ったのはTERRA NOVAのレパートリーの中でもかなりハードな部類に入る①でしょうか。ただ、この曲はTERRA NOVAの本道からは外れ気味だし、ベスト盤のオープニングを飾るほどのインパクトはないと思うので他の4曲と同じくアルバム後半に並べて欲しかったかな。ファン心理としては、本作未収録の佳曲がこのバンドにはまだあると思うので純粋なベストアルバムとして17曲くらいを収録したDisc-1、「LOVE OF MY LIFE」と「MAKE MY DAY」という2枚のシングルにのみ入っていた曲と今回の5曲を合わせた未発表曲集のDesc-2という2枚組でリリースしてくれれば最高という感じですね。というわけで、これまでTERRA NOVAを応援してきた身としては若干の物足りなさもありますが、もし僕が「ESCAPE」でこのバンドを知ったのであれば大満足したであろう作品です。

【音源紹介】
・Love Of My Life

TERRA NOVA「ESCAPE」(2005)

  • 2010/12/13(月) 00:00:00

ESCAPE.jpg
【No.271】
★★★(2005)

TERRA NOVA解散後に結成したAQUILA名義で2001年、2004年とコンスタントに2枚のアルバムをリリースしていたのでFred Hendrix(Vo)は今後AQUILAとして活動していくのかと思っていた2004年後半に「TERRA NOVA復活!」のニュースが飛び込んで来ました。BURRN!誌2005年9月号に掲載されていたFredのインタビュー記事によると、この復活劇はバンド側が言い出したことではなくFRONTIERS RECORDSの社長Serafino Perginoが仕掛け人だったようです。後にSerafinoはメロディックロックファンを歓喜させるバンド/プロジェクト(ALLEN-LANDE、PLACE VENDOME、W.E.Tなど)を次々と世に送り出していますがTERRA NOVA復活にも関わっていたとは…。この人には本当に感謝してもしきれませんね。元々、TERRA NOVA解散劇には地元オランダのレーベルとの契約のもつれが関係していて、TERRA NOVAの名前で活動することができなくなったためFredはソロから発展した別バンドAQUILAで活動する道を選んだようですが、オランダのレーベルとの契約が満了した後でSerafinoからFredにTERRA NOVA復活を持ちかけたそうです。

そういうわけで晴れてTERRA NOVAとして再始動することができるようになったバンドの4thアルバムは良い意味で不変のTERRA NOVAサウンドが貫かれています。AQUILA名義での2作品も好きですがTERRA NOVAを越えるアルバムとまではいかなかったので「Fredのメロディセンスが枯渇してきたのでは…」という一抹の不安もありましたが、いかにも「らしい」オープニングトラック①Long Live Rock'N'Roll~②Rock Bottomを聴いた瞬間にそんな気持ちは吹っ飛びました。やはりAQUILAとTERRA NOVAは似て非なる音楽を聴かせるバンドだったんだと実感。そんなロックチューン2連発の後はポップな本編を叙情的な歌メロが冴えるイントロとアウトロが挟むという一風変わった構成の③Hold The Line、デビュー時に完成していたというセンチメンタルなバラード④Heaven KnowsRon Hendrix(Key)の煌めくキーボードがバンド持ち前の明るさを強調し、ソロパートではRonとGesuino Derosas(G)の掛け合いもフィーチュアしたタイトル曲⑤Escapeという流れも素晴らしいです。またこのバンドの作品に欠かせないキラーバラードも前述の④とFredの奥様に捧げられたラブソング⑦You Are The Oneの2曲が収録されていて、きっちり泣かせてくれます。本編ラストのバラード⑫Yesterdayもメロディの魅力こそ上記2曲に一歩譲りますが、幻想的なサウンドがアルバムの締めとしてグッド。その他には優しげなメロディと重厚なハーモニーが味わえる⑧Sole Survivor、心温まるサビメロが秀逸なAOR風⑨Lonely Is The Night、「音楽に古いも新しいもない。俺達は80年代のロックが大好きなんだ!」というバンドの精神性を曲名と歌詞に凝縮した80年代讃歌⑩Back In The Eightiesなども好きですね。

FredとRonの Hendrix兄弟とGesuinoが正式メンバーでリズム隊はサポートメンバーという編成ながら、この3人が揃えばTERRA NOVAサウンドが完成されることを本作で証明してくれています。各曲に息づく良質なメロディと爽やかなコーラス、そして楽曲を鮮やかに彩るギターとキーボードなど、どこを見ても6年間のブランクを感じさせない充実作ですね。気になった点を挙げるとすればドラムサウンドに迫力がないため楽曲自体が軽く聴こえてしまうことと、前半に比べて後半の楽曲がやや弱く感じられることでしょうか。特にドラムの軽さはアップテンポの曲では楽曲のキレを鈍らせ、バラードでは感情移入を妨げている場面があるように思えるのが残念。とはいえ、全体的な印象としては過去3作品の集大成と言える内容で、バンド復活を宣言するには十分なインパクトを備えた1枚だと思います。

【音源紹介】
・Long Live Rock'N'Roll

TERRA NOVA「MAKE MY DAY」(1999)

  • 2010/11/25(木) 00:00:00

MAKE MY DAY.jpg
【No.268】
★★★★(1999)
年間ベスト1999年第7位

「LIVIN' IT UP」(1996)と「BREAK AWAY」(1997)という2枚のアルバムを聴いて、僕の中ではロビー様ことROBBY VALENTINEに替わってオランダを代表するバンドになり、今後のメロハー界を担う存在として期待を寄せるバンドとなったTERRA NOVAの3作目。結論から言うと、今回も期待を裏切らない作品をリリースしてくれました。過去のアルバムは素晴らしいメロディを有していたのは事実ながら、作品のフォーマットが似通っていたので今後は楽曲の類型化という課題とどう向き合っていくのか少し気になっていましたが、本作はTERRA NOVAらしいナンバーを中心としつつ楽曲の幅を広げた意欲作に仕上がっています。

オープニングにはインパクトのあるロックソングを配するというTERRA NOVAの伝統は今回も健在です。開始3秒で僕を魅了してくれる①Lovesickは疾走感と哀愁が同居したメロディと中盤のドラムソロからセンス良くまとめられたギターソロへ至るインストパートカッコいいし、TERRA NOVA史上1、2を争うキャッチーなメロディをホーンセクションが更に盛り上げる楽しさ満点のロックチューン②Make My Dayも含めてアルバムの掴みとしては完璧。その後のスカッと晴れやかな③Eye To Eye、王道を行くバラード④Here's To Youまでは従来路線ですが、それ以降の楽曲にバンドの新たな側面が登場します。これまでもインスト的な曲はありましたが独立したインストとしては初となる⑤Anomaly(ギタリストGesuino Derosas作)やRon Hendrix(Key)のアコーディオン演奏をフィーチュアして「ズンチャッチャ、ズンチャッチャ♪」とワルツ風に進行する⑩I Will Be Thereは新たな試みとして面白いし、その他にもTERRA NOVA流カントリーソング⑦I Can't Wait、スペイシーなキーボード主体の⑧Nothingなどマンネリを打破しようという姿勢が窺えます。ただ⑨Where I Stand冒頭のギターは「BREAK AWAY」の2曲目Those Were The Daysに酷似していたりしますが…。

また従来と異なるアプローチは歌詞面にも見られます。基本的には「恋愛」「青春」「ロックンロール」といったキーワードを連想させる世界観なのですが⑩ではメルヘンチックな曲調に合わせてかDragon という単語が使われているほか、エンディング曲⑫Howもバラードといえば「愛する人への気持ちを歌にしたラブソング」であったり「失恋ソング」であったりするのが一般的なところを、この曲は恋人に自分から別れを告げる際の辛さがテーマとなっており、僕はこういうテーマをここまでストレートに歌ったバラードにはお目にかかったことがありません。楽曲 、歌詞の両面で新たな試みを取り入れたTERRA NOVAですが、⑨や⑪Promise You Waitのようなこのバンドらしい爽やかなロックソング、ベタなんだけどそこが魅力のバラード④、⑫もしっかり収録されているので過去2作同様の爽快感が味わえる1枚です。これだけ素晴らしい作品を残しておきながらバンドはレーベルとのゴタゴタもあって1999年に解散してしまったため、Fred Hendrix(Vo)はTERRA NOVAの遺志を継ぐ存在としてAQUILAを立ち上げることとなります。

【音源紹介】
・Lovesick

TERRA NOVA「BREAK AWAY」(1997)

  • 2010/11/20(土) 00:00:00

TERRA_NOVA_B AWAY
【No.267】
★★★★(1997)
年間ベスト1997年第9位

その煌めくようなサウンドイメージと1stアルバム「LIVIN' IT UP」(1996)のインパクトから「彗星の如くデビューした」という表現がピッタリのオランダ産メロディアス・ハードロックバンドTERRA NOVAが僅か1年のスパンで放った2ndアルバム。今回も前作同様、爽やかなジャケットとリンクする清涼感と透明感に満ちた爽やかな楽曲が目白押しの作品となっています。アルバムタイトルを冠する元気なロックソングで幕を開け、明るさの中に時折仄かな哀愁を感じさせる充実の楽曲群がズラリと並ぶ序盤~中盤、後半に若干テンションが下がるもののラストを美しいバラードで締めくくるというアルバム構成、メロディの質の高さともに前作に勝るとも劣らない充実盤ですね。2枚目のジンクスなど、どこ吹く風という感じです。

まずは何と言っても①Break Awayが素晴らしい。軽快なドラムの後に入って来るキーボードサウンドを聴いた開始10秒で「TERRA NOVAだ!」と確信させ、「ブレイカウェ~ェ~、ヘ~エ♪」の涼しげなコーラスとともに駆け抜けていく①が終わったかと思うと、カラッとしたロックソングを基調にしながらサビでは哀メロが顔を覗かせる②Those Were The Days、アコギとピアノそしてバックではオルガンが曲を盛り立てるアップテンポ③Wasting Timeの3連発でいきなり畳み掛けてきます。そんなバンドの勢いはミディアムテンポのロック④City Lights/Nocturnal Silence以降も止まることを知りません。この④は曲名にもあるように2部構成となっていて4:00過ぎからの1分半はRon Hendrix(Key)の独壇場となるインストです。そんなNocturnal Silenceの余韻に浸っているところに続くのが感動的なバラード⑤Only For Youで、優しいピアノの調べで始まりダイナミックなサビで大きく盛り上がって再びピアノでしっとり終わるこの曲は僕の結婚披露宴でも使わせていただいた想い出深い1曲だったりします(この曲を含む結婚式ソングの記事はこちら)。TERRA NOVAらしさに満ちた中盤のハイライト⑥Right Now以降も陽気なキャッチーロック⑦I Keep On Dreaming、爽やかなハーモニーが印象的な⑧Holding Onと強力なナンバーが続きます。またTERRA NOVAにしては異色のハードロック⑪Real Thingもカッコよく、曲終盤にはベースソロを合図に疾走パートへなだれ込むという展開も面白い。ラストはお約束のバラード⑫Not Here With Me。どこか演歌に通じる雰囲気も感じさせるこの曲を含め、TERRA NOVAのバラードにハズレなしですね。

前作との違いを挙げるとすれば、Ron Hendrix(Key)の操る音色にオルガン風のサウンドが多くなったことで従来の透明感に加えてロックっぽいダイナミズムがより感じられることと、ライブを意識してか一緒に歌えそうなパートが増えたことでしょうか(前述の④、⑪や⑩Two Days Of Heaven's Paradiseなど)。特に④はスタジオ盤なのにFred Hendrix(Vo)が「Come On Sing」と煽っていることもあって、つい「ナーナーナーナナーナナー♪」と歌ってしまいます。それにしてもバンドの中心人物Fredは前作以上に歌の上手さ、表現力が増したのではないでしょうか。単語に情感をたっぷり込めて歌う彼のボーカルには同性ながらうっとりしてしまうこともしばしば。最初に書いたように楽曲の雰囲気やアルバムの作り的にはデビュー作と似ているため新鮮味こそありませんが、作品のクオリティは非常に高い1枚だと思います。

【音源紹介】
・Break Away

TERRA NOVA「LIVIN' IT UP」(1996)

  • 2010/11/15(月) 00:00:00

LIVIN IT UP
【No.266】
★★★★(1996)
年間ベスト1996年第3位

ドイツ、スウェーデン、フィンランドといったHR/HM大国に比べると数は少ないもののVANDENBERG、ELEGY、ROBBY VALENTINE、VALENSIAなど注目すべきバンドを輩出してきたオランダから突如として現れたハードポップバンドTERRA NOVAのデビュー作。このバンドの音楽性はFAIR WARNING、デビュー当時のHAREM SCAREMなどと同系統のメロディアスハードですがTERRA NOVA最大の武器は楽曲が発散する「突き抜けるような爽快感」でしょう。この点においてTERRA NOVAの右に出るバンドはいないと言っても過言ではないと思います。それでいてバラードでは一転して胸を締め付ける哀メロを聴かせてくれるのですから堪りません。

逆再生ボイスから繋がる分厚いハーモニーに続き、適度なヘヴィさで刻まれるギターにキラキラキーボードが絡むイントロで勝負ありの①Livin' It Upを聴いた時点で本作のジャケットに通じる清く爽やかなTERRA NOVAワールドに引き込まれます。そんなデビューアルバムの幕開けに相応しくバンドの魅力がぎっしり詰まった名曲①のアウトロを引き継いで始まる曲名そのままの間奏的インスト小曲②Interludeを挟み、ヴァースとブリッジは切なく聴かせておいてサビではパッと明るくなる③Hey Babeに至るという流れには心を奪われました。元気いっぱいの①とサビまではメロウな③が続いていたら違和感があるところを約30秒の②が見事な橋渡し役を果たしています。ただ良い曲を並べるだけでなく、こうした捻りの効いた構成で聴かせるセンスに脱帽。たかが30秒、されど30秒ですね。そんなバンドのセンスの良さは曲順やアルバム構成にも活かされていて、アコースティックギターとオルガンが温かさを演出するほのぼの系④If Dreams Are Forever、ひたすらポップで楽しげな⑤Come Onとポジティブな空気に満ちた2曲、切ないひと夏の恋を歌った名バラード⑥SummernightsVAN HALENJumpを彷彿とさせるシンセでスタートするTERRA NOVA節全開の爽快チューン⑦Once Bitten, Twice Shyまでは曲の良さもさることながら、不思議とこの順番で聴くべきだと思えてくるんですよね。8曲目以降は少し弱いかなと思う楽曲もありますが、エンディングを珠玉のバラード⑩Love Of My Lifeで感動的に締めてくれているので聴後感は良好です。

全ての楽曲を手がけるFred Hendrix(Vo)は作曲能力の高さだけでなくシンガーとしても力量十分で、彼独特のハスキーボイスとバンドの爽やかな楽曲は相性抜群ですね。そしてGesuino Derosas(G)のギタープレイはポップになりがちなTERRA NOVAサウンドにロックバンドらしさと華やかさを添えているし、瑞々しいTERRA NOVAサウンドの鍵を握るFredの実弟Ron Hendrix(Key)の煌びやかなキーボードが優れた楽曲群の魅力を増幅させてくれています。このバンドの初期3作品はどれも甲乙付け難い名盤だと思うし、とにかく聴く者に元気を与えてくれるバンドなので普段はHR/HMを聴かないという人にも(というか、そういう人にこそ?)自信を持ってお薦めしたいアルバムですね。

【音源紹介】
・Summernights

【CD購入録】TERRA NOVA「COME ALIVE」(2010)

  • 2010/08/26(木) 00:00:00

【CD購入録】
COME ALIVE
TERRA NOVA「COME ALIVE」(2010)

当初は2009年1月にリリースされる予定だったのに、発売が無期限延期になってしまっていたオランダのハードポップバンドTERRA NOVAの5作目を買いました。新作に関する情報がプッツリ途絶えた時はバンドにトラブルがあったのかと心配していたので、こうして無事にアルバムをリリースしてくれたことがまずは嬉しいですね。中身の方も「これぞTERRA NOVA!」なスカッと爽やかメロハーサウンドなので安心して聴くことができます。今回バンドは原点回帰、中でもデビュー作「LIVIN' IT UP」(1996)を意識してレコーディングしていたそうで、確かにオープニングチューン①Come Aliveの「Fire It Up~♪」という歌い出しはデビューアルバムの1曲目Livin' It Up冒頭の「Livin It Up~♪」にソックリですね(イントロも含めて)。現在のお気に入りはヴァース、ブリッジのメロディがツボなハードロック②Fighting Yourself、TERRA NOVAらしいバラード⑤Those Eyesの余韻を引き継いでしっとりしたピアノで始まり中盤はLAST AUTUMN'S DREAMばりの哀愁を発散する⑥Under Pressureです。また日本盤ボーナスの⑪One September Morningもなかなか優れたバラードだと思います。爽快なTERRA NOVAサウンドに一点の曇りもなし!ですね。