【CD購入録】NOCTURNAL RITES「PHOENIX」(2017)

  • 2017/09/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
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NOCTURNAL RITES「PHOENIX」(2017)

2010年頃からニューアルバムを制作中という噂は聞かれたものの、続報が入ることがなかったため自然消滅または解散したものとばかり思っていたNOCTURNAL RITES10年振りの新作(通算9枚目)を買いました。ライナーノーツによるとバンド側としては解散するつもりは毛頭なく、しばらくリフレッシュ期間を設けるつもりが、どんどんその期間が長くなってしまったとのことです。前作「8TH SIN」(2007)発表後にメインソングライターNils Norberg(G)が脱退、後任にChris Rorland(G)を迎えるも人気バンドSABATONにも在籍する彼がNOCTURNAL RITESとの活動を並行させることは難しく離脱。今年になってSCAR SYMMETRYの中心人物でもあるPer Nilsson(G)が加入したことでバンドが活性化し、完成したのが本作のようです。待望の新作なので期待を胸に抱きつつ、10年という長いブランクがあったので一抹の不安も感じていましたが第一印象としてはNOCTURNAL RITESらしい1枚に仕上がっていると思います。若干ヘヴィになった感はありますが、スピードに頼ることなくドッシリと構えた重厚なヘヴィメタルサウンドとJonny Lindkvist(Vo)の熱唱が今回も堪能できますね。即効性の高い楽曲は少ないですが何度も聴きたくなる魅力を備えています。現時点でのお気に入りは前任ギタリストChrisが曲作りにも参加した②Before We Waste Awayですね。

NOCTURNAL RITES「8TH SIN」(2007)

  • 2013/03/31(日) 00:00:00

NOCTURNAL 8SIN
【No.370】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第4位

前作「GRAND ILLUSION」(2005)リリース後にはバンド初の単独来日を果たすなど、着実にステップアップし続けているスウェーデンの本格派メタルバンドNOCTURNAL RITESの8thアルバム(邦題は「第八の罪」)。今回はギターサウンドが従来よりもモダンでヘヴィロック系バンドを連想させる音色になっていて①Call Out To The Worldのイントロが流れてきた時には違和感がありましたが、楽曲の核となっているのはメタルバンドとしての熱さと北欧ならではの哀メロを兼ね備えたノクタ節そのものです。スピード感を抑えたミドルテンポを軸にメロディで真っ向勝負を挑むというスタイルはそのままに、今回はバンドの看板シンガーJonny Lindqvistの絶品歌唱をメインに据えた歌ものアルバムと呼べそうな作風に仕上げてきましたね。歌メロが一段とキャッチーになっていることもあって、曲によってはメタルというよりはメロディアス・ハードロックバンドがビルドアップされたように感じるものもあります。

まずはメタリックな逞しさとメロハー的な爽快感が同居するサビが素晴らしい①と劇的ドライヴィングチューン⑤Not Like Youが素晴らしいですね。これら2曲は僕の中でバンドの新たな名曲と言えるほど大好きなナンバーだし、本作の特徴であるモダンなアレンジとキャッチーなメロディが融合した⑧Strong EnoughThe Legend Lives On(3rd「THE SACRED TALISMAN」収録)以来となるピュアバラード⑨Meの対比もお見事。特に⑨はボーカルとピアノだけというシンプルな作りだからこそ一層際立つJonnyの哀愁ボイスと、それに絡む女性ボーカルCarolina Miskovskyのデュエットが実に感動的ですね。前作ではKristoffer Olivius(Vo/NAGLFAR)のグロウルをフィーチュアしていたCuts Like A Knifeが新鮮でしたが、今回は対照的なピアノバラードで新境地を開拓している辺りも頼もしいし、アウトロの役割を果たすバンド初のインスト⑪Fool's Paradeも出色の出来だと思います。

バンド最高傑作との呼び声も高かった前作と比べて大きな成長を見せているわけではないものの相変わらず質が高いことに加え、サウンドがこれまで以上にタフになりギターが前に出てきているのは嬉しいポイントですね。それに関連してかNils Norberg(G)も過去最高の弾きっぷりを見せてくれていて、バンドのこれからが非常に楽しみだったのですがNilsは音楽活動に対する意欲が薄れたことを理由に2008年にバンドを脱退してしまいます。1995年のデビュー以来、1~2年の間隔でアルバムを発表し続けてきたNOCTURNAL RITESにとってNilsの脱退は影響が大きかったのかバンドはしばらく沈黙期間に入ってしまいます。そんな彼等も2010年に後任としてChris Rorlandなるギタリストを迎えて1~2年前からアルバム制作中というニュースは届いていますが、アルバムの詳細発表には至っていません。今年こそは彼等の新作が聴きたいです。

【音源紹介】
・Call Out To The World

NOCTURNAL RITES「GRAND ILLUSION」(2005)

  • 2013/03/25(月) 00:00:00

NOCTURNAL G ILLUSION
【No.369】
★★★★(2005)
年間ベスト2005年第4位

クサメロ満載のメロパワから威風堂々とした正統派メタルへと見事な転身を遂げたNOCTURNAL RITESの7thアルバム。路線変更を打ち出したのが4th「AFTERLIFE」(2000)だったので、本作でもって現スタイルのアルバム数がクサメタル時代を越えましたね。前作「NEW WORLD MESSIAH」(2004)がかつてのクサメタルサウンドへの揺り戻しを感じさせる作風だったので、そちらに回帰していくのかと思いきや今回は5th「SHADOWLAND」(2002)で掴んだストロングスタイルを推し進めた音像となっています。日本では今ひとつブレイクできてない感のある彼等ですが地元スウェーデンのみならず欧州メタルシーンでは着実にステイタスを築いているようで、本作にはJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)、Kristoffer Olivius(Vo/NAGLFAR)、Henrik Danhage(G/EVERGREY)、Stefan Elmgren(G/HAMMERFALL)、そしてリードギタリストNils Norbergの実弟でPERSUADER、SAVAGE CIRCUSに在籍するEmil Norberg(G)など、これまで以上に豪華なゲストが迎えられています。

疾走チューンと呼べそうなものは作品を重ねる毎に減っているため速い曲が好きな僕としては微妙な印象もありましたが、哀愁と力強さに溢れた本作の楽曲群を聴いているとテンポが速いか遅いかなど関係なく胸が熱くなってきます。そんなスタイルを象徴するかのように堂々たるメロディを持ったミドルチューン①Fools Never Die、軽快なスピード感に乗ったキャッチーな歌メロが耳を捉える②Never Trust、そしてNOCTURNAL RITES史上最高クラスの高揚感ある劇メロが展開されるキラーチューン③Still Aliveと続いた時点で勝負あり。特に③はこれまでに聴いたメタルソングの中から大好きな曲を10曲選ぶとしたら、その候補にノミネートされそうなほどのお気に入りです。それ以降も④Something Undefined、⑤Our Wasted Days、⑨One By Oneなど、今や「ノクタ節」と呼べる個性を確立したナンバーが並びます。またKristofferによるグロウル、いかにもJensらしい鍵盤サウンドが曲を彩るヘヴィチューン⑥Cuts Like A Knifeは今回の新機軸と言えそうな1曲で、イーヴルな雰囲気が漂う曲調の中で響くデスボイスやJensの客演など、本作と同年にリリースされたKAMELOT「THE BLACK HALO」収録のMarch Of Mephistoとの共通点が多いのも興味深いですね。

かつてB級メロスピを追求して人気を博したバンドがスピードを抑えてもなお人気が衰えなかったばかりか、ファン層を拡大している例はあまり思い浮かびません。スピードに頼ることなく、あくまで優れたメロディで勝負をしてくるバンドの姿勢と、これだけフックに溢れた曲を揃えられたソングライティング能力には脱帽です。というわけで総合的には名盤クラスの作品ではあるのですが、敢えて注文をつけるとすればアルバム前半に比べて後半は少しテンションが下がってしまう傾向が見られる点でしょうか(同系統の曲が多いバンドの宿命かもしれませんが)。といっても、これはNOCTURNAL RITESの作品内で比較しての話であって、アルバム後半も単体で見れば佳曲ばかりなので贅沢なリクエストだとは分かっているのですが、このバンドには期待したくなるんですよね。それにしてもこれだけの実力派バンドのメンバーが現在も音楽だけでは生計が立てられず、いわゆる昼間の仕事もしているとインタビューで語っていたというのが信じられません…。

【音源紹介】
・Still Alive

NOCTURNAL RITES「NEW WORLD MESSIAH」(2004)

  • 2013/03/20(水) 00:00:00

NOCTURNAL NW MESSIAH
【No.368】
★★★★(2004)

前作「SAHDOWLAND」(2002)で叙情メロディを軸とした正統派ヘヴィメタル(若干クサメロあり)というアイデンティティを確立した感のあるNOCTURNAL RITESによる6枚目のアルバム。バンド初期はサポートメンバー、近作では正式メンバーとしてクレジットされていた鍵盤奏者Mattias Bernhardssonが脱退しています。そんなメンバーチェンジをよそに今回も前作同様、ドラマティックな楽曲をJonny Lindqvist(Vo)が情感たっぷりに歌い上げるというスタイルは健在で、Mattiasが抜けたことで今までよりも硬質なメタルに傾倒するかと思いきや、キーボードはこれまでと同じくらいフィーチュアされていて3rd「THE SACRED TALISMAN」(1999)までのバンドが追求していたクサメタルの要素が戻ってきている印象ですね。

現在のバンドサウンドと、かつてのクサいメロディが見事に組み合わさった飛翔感が素晴らしい③Avalonを筆頭に、安心して聴けるNOCTURNAL RITES流ヘヴィメタルが作品全体で展開されています。ありがちなメロディックスピードメタル曲とは一線を画す重厚感が気持ちいいアップテンポ①New World Messiah、前作で開眼した劇的なメロディで迫って来るミドルチューン②Against The World、スピーディな曲調かと思いきやサビではペースダウンして再び劇メロが炸裂する④Awakening、曲名から連想されるアラビア風の旋律からDREAM THEATERを彷彿とさせるインストパートに突入する⑤Egypticaなど楽曲の表情も多彩です。アルバム前半に若干及ばないものの後半も佳曲がズラリと並んでいるし、2曲のボーナストラックを含めて弱い曲は見当たりません。後半では心地よいスピード感と共に駆け抜ける⑨One Nationが特に好きだし、NOCTURNAL RITESにしては珍しくハードロック調の⑪Another Stormはボーナスにしておくには勿体ないナンバーだと思います。

そんな充実の楽曲群を更に感動的なものにしているのがNils Norberg(G)のギタープレイ。各曲に山場を生み出す彼のギターソロとJonnyの説得力に満ちた歌声はバンドの大きな武器ですね。NOCTURNAL RITESのここ最近のアルバム聴いていると、ボーカルとギターに華のあるバンドは強いとつくづく感じます。近作で骨太なメタル道を進みつつあった彼等がかつてのクサメロを増量させたことについてはバンドが再び軟派になったと見る向きもあるかもしれませんが、正統派メタルど真ん中のサウンドはキャッチーさが足りないと感じてしまう僕にとっては本作もまたお気に入りの1枚です。

【音源紹介】
・Avalon

NOCTURNAL RITES「SHADOWLAND」(2002)

  • 2013/03/11(月) 00:00:00

SHADOWLAND
【No.367】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第3位

ハスキーな声質で力強く、エモーショナルに歌い上げることができる実力派Jonny Lindqvist(Vo)が加入した前作「AFTERLIFE」(2000)で従来のクサメタルから正統派メタルへと音楽性を変化させたNOCTURNAL RITESの5thアルバム。前作は路線変更が急激だったこと、随所に施されていたデジタルエフェクトが効果的ではなかったことが影響してか賛否両論ありましたが、本作ではデジタルエフェクトを減らして前作同様の正統派メタルを踏襲しつつクサメロのエッセンスを微増させるという僕好みの作風となっています。今回のアルバムを聴いてまず感じるのは、メロディの質がこれまで以上に劇的でドラマティックなものになっているという点です。僕にそう感じさせている最大の要因が説得力に満ちたJonnyの歌声で、前任者では表現しきれなかった世界がここにあると思います。歌メロは勿論、楽曲そのものにもこれまで以上の情感が込められていて僕の心を震わせてくれるのが嬉しいですね。

そんな劇的メロディが炸裂している代表例がタイトルトラック②Shadowlandとジャーマンスタイルの疾走曲④Revelationで、これら2曲はキラーチューンと呼ぶに相応しい出来栄えです。それ以外にもバンドが以前から持っていた「スピードに頼らずとも魅力的な曲が書ける」という強みを雄弁に物語る③Invisible、⑧Faceless Godといったミドルチューン、ノリのいい曲調が気持ちいい⑤Never Dieや本作最速のスピードで駆け抜ける⑦Vengeanceなど僕を魅了して止まない楽曲がズラリと並んでいます。大胆な音楽性の変化を伴っていた前作がバンド成長の過渡期に当たるアルバムだと思えたのに対して、本作では正統派メタル路線が板についてきた上に、メロディのフックも過去最高クラスなのでNOCTURNAL RITESの新たなスタンダードを築き上げた1枚と言えそうですね。かつてはボーカルとサウンドプロダクションが弱点として挙げられていたバンドが本作でそれらを改善し、A級としての風格を漂わせるほどの成長を見せつけてくれています。

なお日本盤ボーナストラック⑪Iron Force(2002 Version)は3rd「THE SACRED TALISMAN」(1999)収録曲のリメイクで、クサメロ疾走曲が多数収録されていた3rdから敢えて勇壮なミドルチューンであるこの曲を選ぶ辺りからもバンドがこれから目指す方向性が窺えますね。前作を聴いた時点では従来のクサメタル路線に未練もありましたが、そんな僕に「現スタイルのバンドを応援していきたい」と思わせるのには十分のクオリティを誇る充実盤です。本作発表後、同郷スウェーデンのメタルバンドHAMMERFALLのオープニングアクトという形ながら念願の初来日を実現、ヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIRへの出演を果たすなど、これまで以上の規模で活動を展開していくこととなります。

【音源紹介】
・Shadowland

NOCTURNAL RITES「AFTERLIFE」(2000)

  • 2013/03/05(火) 00:00:00

NOCTURNAL A LIFE
【No.366】
★★★(2000)

前作「THE SACRED TALISMAN」(1999)でデビュー当時から追求してきたクサメロに溢れたパワーメタルをひとつの完成型に到達させたNOCTURNAL RITESの4作目。本作で注目すべきは良くも悪くもバンドの個性だったAnders Zackrisson(Vo)が脱退し、新ボーカリストにJonny Lindqvistを迎えている点でしょう。シンガー交代劇が影響しているのか、今回はB級クサメタルの極致を行く従来路線から若干ダークな正統派メタルへと方向転換していて、何の情報もなく聴くと同じバンドとは思えないほどの変貌振りです。ジャケットに関してもこれまでのファンタジック調とは違い近未来的でSFを連想させるものになっています。

まず驚かされるのがJonnyの堂々たる歌いっぷり。Mats Levin(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN etc)、Pete Sandberg(Vo/MIDNIGHT SUN etc)風のハスキーボイスにMike Vescera(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN etc)、Rob Rock(Vo/ex-IMPELLITERI)の伸びやかさを加えた絶品歌唱を響かせる彼ほどの実力者が今まで注目されずにいたとは…。スウェーデン恐るべし。ヘタウマながら不思議な魅力も感じられた前任者とは異なり、野太い声による熱唱スタイルを軸に力強いハイトーンからドスの効いた低音までを歌いこなす彼の存在はバンドに漂っていたB級色を振り払うのに一役も二役も買っていますね。

楽曲面においては薄味になったとはいえバンドの看板でもあるクサメロは健在で、新生NOCTURNAL RITESの硬派なメロディックメタルを体現する①Afterlife、文字通り死者が目覚めるほどにパワフルな②Wake Up Dead、ヘヴィで攻撃的な曲調がサビでは一転ペースダウンしてダイナミズムを生み出す③Sinner's Cross、胸を焦がす叙情メロディが冴える④Hell And Backと続く序盤4曲の流れはお見事。それ以降はメロディがこのバンドにしては弱いような気もしますが、曲名に反して明るいメロディもチラリと登場する⑥Devil's Child、本作の中では従来路線に近い⑨Temple Of The Deadなど好きな曲もあります。惜しむらくはヘヴィな正統派メタル化と共に導入されたデジタルエフェクトが効果的だと思えない点でしょうか。ボーカルや曲間にもデジタル処理が施されているためにアルバム全体が暗くマシーナリーな印象になっているほか、これまで楽曲に華を添えていたNils Norberg(G)のギターソロに施された妙なエフェクトは、感情移入を妨げてしまっているように思えてしまうのが残念ですね。

【音源紹介】
・Afterlife

NOCTURNAL RITES「TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION」(1997)

  • 2013/02/24(日) 00:00:00

TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION
【No.365】
★★★(1997)

デビュー作「IN A TIME OF BLOOD AND FIRE」(1995)では粗削りな部分があったものの、類い稀なるメロディセンスを凝縮した楽曲群がメロパワマニアの間で好評を博したNOCTURNAL RITESの2ndアルバム(邦題はなぜか「エンド・オブ・ザ・ワールド」)。このバンドの作品の中で僕が最初に聴いた1枚でもあります。後にバンドの看板ギタリストとして名を馳せるNils Norbergを迎えた本作は軽めのサウンドプロダクション、独特な味わいがあるものの上手いとは言えないボーカル面の弱さを強力なクサメロが補うという図式はデビュー作と同じながら確かな成長が感じられる良盤に仕上がっていますね。

軽快に疾走し和音階と共にフェードアウトしていく①Dark Secretこそオープニングとしては若干パンチに欠けますが、その後はバンド初期を代表するクサ疾走チューン②Lost In Time、サビメロから放たれる並々ならぬクサさと哀愁が堪らない③Test Of TimeHELLOWEENのコミカルサイドに通じる明朗なメロディがインパクト大な④Change The Worldの流れに魅了されました。特に③は初めて聴いた時から口ずさめてしまうほどのメロディが秀逸。アルバム中盤以降はYNGWIE MALMSTEEN的な⑤End Of The World、⑧Pentagramや勇壮でスケール感のある曲調の中でギターが咽び泣く⑦Warriors Returnに胸を熱くなるし、後半にややテンションが落ちて来たかなと思っていたところに登場するパッヘルベルのカノンをアレンジしたイントロから7分に及ぶクッサクサな世界へ誘ってくれるキラーチューン⑩Ring Of Steelで本編を締める構成にやられました。

また日本盤ボーナストラックの3曲どれもがオマケにしておくには勿体ない出来だというのも好印象。特に⑬Living For Today(Demo)はデモ音源ではなく正式なテイクを聴きたいと思ってしまうほどです。僕が勝手に「クサメタルの教科書」に認定している次作「THE SACRED TALISMAN」(1999)での化けっぷりを考えると発展途上にあるのは否めませんが、個々の楽曲やフレーズが生み出す感動の瞬間最大風速は本作の方が上かもしれません。特に③と⑩は個人的にこのバンドを代表する名曲だと思っています。ちなみに本作の輸入盤はジャケットと曲順が異なっていて⑩がオープニングに配されていたり国内盤ボーナスの⑬が未収録だったりしていましたが、デビュー作との2枚組再発盤「LOST IN TIME」(2005)では曲順は従来のままで日本盤と同じ全13曲となっています。

【音源紹介】
・Test Of Time

NOCTURNAL RITES「IN A TIME OF BLOOD AND FIRE」(1995)

  • 2013/02/18(月) 00:00:00

IN A TIME OF BLOOD AND FIRE
【No.364】
★★(2005)

3rd「SACRED TALISMAN」(1999)発表後に起きたシンガー交代劇に伴ってクサメタルから骨太な正統派メタルへと変貌を遂げ、今や母国スウェーデンのみならず欧州メタルシーンを代表するバンドのひとつへと成長したNOCTURNAL RITESの1stアルバム(ちなみに前身はNECROMONICというデスメタルバンドだったそうです)。このバンドのファンになった頃には既に本作の国内盤は入手困難(現在は廃盤)となっていたこともあり、僕が持っているのは2nd「TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION」(1997)との2枚組仕様による輸入盤「LOST IN TIME - THE EARLY YEARS OF NOCTURNAL RITES」(2004)です。ちなみに「LOST IN TIME」には2代目シンガーJonny Lindqvistが歌うデビューアルバムのリメイク曲として⑪In A Time Of Blood And Fire(2004 Version)、⑫Winds Of Death(2004 Version)が追加収録されていて、僕が本作を購入した主な動機もこの2曲だったりします。リメイクに関してはバッキングを極力シンプルにしたアレンジが施されていることもあり、オリジナルとは大きく印象が異なる仕上がりとなっています。こうしたアコースティック調で聴くとJonnyの情感溢れる歌声が更に際立ちますが、原曲に近いアレンジで初期3作品のJonnyバージョンを聴いてみたくもなりますね。

アルバム本編はというと、北欧のバンドらしい叙情性を感じさせつつも躁なジャーマンメタルにクサメロを配したスタイルが基本となっていて、ボーカルや音質などで粗さが残るため「いかにもB級」な空気を振り撒いてはいるもののクセになるメロディが随所で聴けるので、ついリピートしてしまう不思議な魅力を持った作品です。エンディングがやや唐突ながら軽快にアルバムの幕開けを告げる①Sword Of Steelから③Black Deathまで矢継ぎ早に畳み掛けてくるアップテンポの連続で掴みはOK。それ以降も疾走系を軸にしつつ④In A Time Of Blood And Fire、⑥Lay Of Ennuiのようにスピードを抑えた楽曲でも独特のメロディセンスを発揮している辺りがいいですね。中でも⑥は何度も繰り返し聴きたくなります。そんな奇妙な中毒性はAnders Zackrisson(Vo)の歌声にも感じられ、最初は不安定さばかりが気になっていたのに今では味のあるボーカルだと思えるようになりました。

客観的に見るとイモ臭い部分がかなりあるので聴き手を選ぶ作品だし、現在のNOCTURNAL RITES像をイメージして聴くと肩透かしをくらうのは必至です。僕自身、後追いで本作を聴いたので最初は戸惑いも感じました。しかし、このバンド特有のクサメロセンスがデビュー時点で確立されていたことが本作から窺えるだけでなく、堂々たる威厳すら身に纏うようになった今の彼等にない魅力がキラリと光っているのも事実なので聴いてみる価値は十分にあったと思います。なお、このブログに掲載しているアルバムケットは1995年のオリジナル盤のものです。

【音源紹介】
・Lay Of Ennui

NOCTURNAL RITES「THE SACRED TALISMAN」(1999)

  • 2008/07/27(日) 23:09:39

THE SACRED TALISMAN
【No.016】
★★★★(1999)
年間ベスト1999年第5位

クサいメロディが持ち味のスウェディッシュ・メロディックパワーメタルバンドNOCTURNAL RITESの3作目。以前に2ndアルバムも聴いたことがあって、その時は好きな曲とそうでない曲の差が激しいバンドという印象だったので、今回はパスする予定だったんですけどラジオから流れてきた①Destiny Callingに完全ノックアウトされて、すぐさま本作を買いに走ってしまいました。

今回驚いたのはメロパワの理想型ともいえる①の素晴らしさもさることながら、前作で見られた楽曲のバラつきがなくなり、アルバムトータルで楽しめる作品になっていること。「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」時代のHELLOWEENに「陽」のエッセンスと大仰なメロディを注入し、Nils Norberg(G)のネオクラシカルギターが乱舞する本作は正にクサメタルと呼ぶに相応しい1枚です。僕がクサメタルという言葉を知ったのも本作がきっかけでした。そんなクサさはオープニングの①やギターソロも聴きどころとなっている④Free At Last、サビメロが一発で耳に残る⑤Hold On To The Flameで特に強烈。アルバムの大半が疾走曲(特に終盤の3連発は強力)だというのも嬉しいし、勇壮な正統派ミッドテンポ②The Iron Forceや叙情バラード⑧The Legend Lives Onなど楽曲が粒揃いなのも好印象。更にこのバンドの特徴はサビだけでなく、イントロのギターメロディにおいてもそのクサさを発揮しているところですね。

前作から成長したとはいえ、まだ軽さの残る音質やAnders Zackrisson(Vo)の線の細いボーカルなどB級メタルの域を出ていないと思える節もありながら、北欧バンドらしからぬジャーマン臭とクサメロ、そして楽曲から発散される仄かな哀愁がたまりません。次回作からバンドは正統派メタルへと路線変更したため本作は、クサメタル期のNOCTURNAL RITESの代表作であると同時にクサメタルの教科書ともいうべき作品となっています。「クサメタル」と聞いて僕が連想するのは本作とDARK MOORの2nd「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」ですね。

【音源紹介】
・Destiny Calls