【CD購入録】NOCTURNAL RITES「PHOENIX」(2017)

  • 2017/09/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
PHOENIX.jpg
NOCTURNAL RITES「PHOENIX」(2017)

2010年頃からニューアルバムを制作中という噂は聞かれたものの、続報が入ることがなかったため自然消滅または解散したものとばかり思っていたNOCTURNAL RITES10年振りの新作(通算9枚目)を買いました。ライナーノーツによるとバンド側としては解散するつもりは毛頭なく、しばらくリフレッシュ期間を設けるつもりが、どんどんその期間が長くなってしまったとのことです。前作「8TH SIN」(2007)発表後にメインソングライターNils Norberg(G)が脱退、後任にChris Rorland(G)を迎えるも人気バンドSABATONにも在籍する彼がNOCTURNAL RITESとの活動を並行させることは難しく離脱。今年になってSCAR SYMMETRYの中心人物でもあるPer Nilsson(G)が加入したことでバンドが活性化し、完成したのが本作のようです。待望の新作なので期待を胸に抱きつつ、10年という長いブランクがあったので一抹の不安も感じていましたが第一印象としてはNOCTURNAL RITESらしい1枚に仕上がっていると思います。若干ヘヴィになった感はありますが、スピードに頼ることなくドッシリと構えた重厚なヘヴィメタルサウンドとJonny Lindkvist(Vo)の熱唱が今回も堪能できますね。即効性の高い楽曲は少ないですが何度も聴きたくなる魅力を備えています。現時点でのお気に入りは前任ギタリストChrisが曲作りにも参加した②Before We Waste Awayですね。

【CD購入録】THE NIGHTS「THE NIGHTS」(2017)

  • 2017/09/10(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE NIGHTS
THE NIGHTS「THE NIGHTS」(2017)

フィンランド出身のグラム系HR/HMバンドRECKLESS LOVEのプロデューサー/ソングライターとしてデビューから最新作まで全てのアルバムに参加しているIlkka Wirtanen(G)Sami Hydeなるシンガーと組んだメロディック・ロックプロジェクトTHE NIGHTSのデビュー作を買いました。THE NIGHTSという名前の新プロジェクトが存在していることは知っていましたが名前、ジャケットともに地味だったこともありスルー状態でした。ところが、ふとYouTube上で③Julietteを聴いて好感触だったので他の曲もチェックしてみたところ僕好みの楽曲が多そうだったので調べてみるとIlkkaはRECKLESS LOVEではBack To Paradise、So Happy I Could Dieなど多数の作曲に関わり、THE MAGNIFICENTの隠れた名曲Driveも手掛けていると知り購入。重厚なサウンドの中でフックに満ちたメロディが流れる①Welcome To The Showで幕を開けるや前述の③を筆頭に⑤In A Blink Of An Eye、⑥Hold On、⑩I Wanna Be Your Superheroなど一度聴いただけで口ずさめそうな楽曲群の充実振りは流石の一言です。ボーカルのSamiもやや鼻にかかった甘い歌声の持ち主でこの手の曲を歌うにはピッタリだと思います。2017年注目のニューアクトの登場ですね。

【CD購入録】THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「SKYLINE WHISPERS」(2015)

  • 2017/08/25(金) 00:00:00

【CD購入録】
SKYLINE WHISPERS
THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「SKYLINE WHISPERS」(2015)

酔った勢いで結成に至ったという経緯、Bjorn“Speed”Strid(Vo/SOILWORK)を始めとする主要メンバーがメインバンドとのかけ持ちであることなどから、単発プロジェクトだとばかり思っていたTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAがリリースしたまさかの2作目を買いました。北欧エクストリームメタル界の重鎮によるバンドとは思えないほどクラシックロックのど真ん中をひた走る作風はデビュー作「INTERNAL AFFAIRS」(2012)と同じですが、本作の方が若干ヘヴィになっているように思います。キャッチーなメロディ作りの上手さは今回も健在で勢いよく突っ走る①Sail On、レトロなサウンドが心地よい②Living For The Nighttime、弾きまくりのキーボードソロをフィーチュアした⑨Demon Princess、プログレッシブな展開を盛り込んだ⑫The Heather Reportsなど曲によって異なる表情を見せてくれるのも好印象。楽曲の充実度で言えば前作に分があるように思いますが、このところのSOILWORK以上に僕の琴線に触れる楽曲が多いし、Bjornのクリーンボイスも魅力たっぷりなので「このバンドをメインにしてもらってもいいかも」なんて思ってしまいますね(笑)。

NIGHTWISH「OCEANBORN」(1999)

  • 2017/06/21(水) 00:00:00

OCEANBORN.jpg
【No.495】
★★★(1999)

本国フィンランドのみならず、後に欧州メタルシーン屈指の人気バンドへと成長することになるシンフォニックメタルバンドNIGHTWISHが1999年に発表した2ndアルバム。今や女性ボーカルが在籍するバンドが続々と登場しているものの、本作が日本でリリースされた1999年当時はまだまだ珍しく僕が初めて聴いた女性シンガーを擁するメタルバンドのアルバムは本作かSINERGY「BEWARE THE HEAVENS」(1999)だったと思います。NIGHTWISH最大の特徴は名門シベリウス音楽院で声楽を学んだ(本作レコーディング時はまだ在学中)というTarja Turunen(Vo)のオペラティックな歌唱ですね。ヘヴィメタルとクラシックを融合させたサウンドにTarjaのソプラノボイスが乗ることで完成するNIGHTWISHの世界観はこの当時からオリジナリティに溢れています。

本作はそんなNIGHTWISHらしさを凝縮しパワーメタリックに仕上げたキラーチューン①Stargazersで幕を開けます。名曲の予感しかしないイントロ、ギターメロディに導かれる疾走感に満ちた曲調と神々しく響き渡るTarjaの歌声は絶大なインパクトを誇っています。この①があまりに強力過ぎるためにそれ以降の楽曲が弱く思えてしまうほどですが、何度も聴くうちに段々と他の曲も好きになってきました。曲後半で聴けるTarjaのオペラ歌唱が大きな見せ場となっているドラマティックチューン⑤Passion And The Opera、美旋律バラードの極致と呼びたくなる⑥Swanheart、ロシア民謡を連想させるクサメロが炸裂するインスト⑦Moondanceと続く中盤は異なるタイプの曲を並べつつ、それぞれが充実していてかなり好感触です。またアルバム本編を締めくくる⑩Walking In The AirRAINBOWがインストでカバーしたことでも知られるアニメ「SNOWMAN」の挿入歌で、原曲以上に幻想的な仕上がりとなっていますね。ちなみにRAINBOWのカバーはSnowmanという曲名で「BENT OUT OF SHAPE」(1983)に収録されています。

他のメタルバンドとの差別化という点でTarjaに注目が集まりがちですが、収録曲のほぼ全てを手掛けるリーダーTuomas Holopainen(Key)のメロディセンスも秀逸。彼の作る曲は即効性が高いとは言えないもののリピートするうちにジワジワくるし、カバー曲⑩に象徴されるアレンジの妙や北欧らしい世界観を演出するキーボードパートでも大きな役割を担っています。本作の時点では後にTuomas、Tarjaと並ぶ重要メンバーとなるMarko Hietala(B、Vo)が未加入のため男性ボーカルパートが弱いですがNIGHTWISHを語る上で外せない1枚でしょう。NIGHTWISHは後続バンドにも多大な影響を与えているようでSimone Simons(Vo/EPICA)は本作を聴き衝撃を受けて声楽を学ぶようになったそうだし、LIV MOONはNIGHTWISHが4th「CENTURY CHILD」(2002)でカバーしたThe Phantom Of The Opera(オペラ座の怪人)がきっかけで誕生したのだとか。それだけにTarjaが2005年に解雇という形でバンドを離れてしまったのが残念でなりません…。僕はTarjaの後任Anette Olzon(Vo/ex-ALYSON AVENUE)、現任のFloor Jansen(Vo/ex-AFTER FOREVER)時代は未聴ですがNIGHTWISHのアルバムの中では本作が一番好きですね。

【音源紹介】
Stargazers

【CD購入録】NIVA「NO CAPITULATION」(1994)

  • 2016/02/19(金) 00:00:00

【CD購入録】
NO CAPITULATION
NIVA「NO CAPITULATION」(1994)

2nd「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)から遡ること17年前にスウェーデン産メロディック・ロックバンドNIVAがリリースした1stアルバムを買いました。本作の国内盤はゼロ・コーポレーションから発売されていましたが廃盤となり、輸入盤も含めて長らく入手困難な状況となっていたため結構なプレミア価格になっていたようです。僕も普通の金額なら聴いてみたいと思っていたことろ、最近になってデジタルアルバムとしてAmazonで販売(1,500円)されていたのでダウンロードしました。2nd以降のNIVAは爽やかなメロディとハイトーンが気持ちいいメロハー路線なのに対して、本作はやや骨太で北欧メタル然としたサウンドですね。特にオープニングの①Love Is A Killerなどはハードな側面を強調したサウンドとなっています。次作以降と比べると楽曲にばらつきがあったり、垢抜けていなかったりしますがデビュー作としては悪くないと思います。ちなみにバンドは1995年頃にレコーディングしていたもののお蔵入りになっていたアルバム「RELIEVIN' RAIN」を2015年にリリースしているようです。

【CD購入録】NIVA「INCREMENTAL IV」(2014)

  • 2016/02/16(火) 00:00:00

【CD購入録】
INCREMENTAL 4
NIVA「INCREMENTAL IV」(2014)

17年振りの復活作「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)以降、精力的に活動するようになったスウェーデンのメロディック・ロックバンドNIVAの4作目を買いました。今回は前作「GRAVITATION」(2013)から僅か10ヶ月というハイペースでの新作となります。このバンドは僕にとって今やメロハーの安心ブランドのひとつになっているものの「次のアルバムも絶対聴きたいと思わせてくれる何か」が前作に感じられなかったので、チェックするのが後回しになっていました。いざ聴いてみると爽やかな楽曲群の中でのびのびと歌うTony Niva(Vo)のハイトーンか心地よい良盤で、メロハーファンなら聴いて損のない1枚だと思います。また今回はソロパートでRoger Ljunggren(G/T'BELL)がこの手のサウンドには場違いと思えるほど弾きまくっているのも特徴。現在のお気に入りは伸びやかな⑦Play The Game、爽系ナンバーが多いアルバムの中で哀メロが光る⑪Coming Back To Youですね。アレンジや曲のイントロ、エンディングが単調に感じられるのが残念ではありますがメロディの充実度は高いので、これに文句をつけるのは贅沢というものでしょう。

【CD購入録】NIVA「GRAVITATION」(2013)

  • 2013/11/25(月) 00:00:00

【CD購入録】
GRAVITATION.jpg
NIVA「GRAVITATION」(2013)

17年振りの作品となる2nd「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)が素晴らしい出来だったスウェーデンのメロディックロックバンドNIVAの3作目を買いました。本作ライナーノーツに「十数年ぶりに復活を遂げたバンドがアルバム1枚で終わるケースも多い」ということが書かれていましたが、僕もこのバンドが継続してくれるのか心配していたクチなので、こうして新作を届けてくれたことにまず拍手を送りたいですね。それだけでなく中身の方も伸びやかなTony Niva(Vo)のハイトーンボイスが冴え渡る3分台のコンパクトな楽曲がズラリと並ぶ充実作に仕上がっています。前作のタイトル曲のようなキラーチューンこそないものの③My First And Only One、④Just Another Heartacheなどはかなり気に入っています。ちなみに本作は日本以外では何故か「MAGNITUDE」というタイトル(収録曲は同じ)でリリースされているようですね。

NIVA「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)

  • 2013/09/22(日) 00:00:00

GOLD FROM THE FUTURE
【No.387】
★★★★(2011)

Goran Edman(Vo)Mats Levin(Vo)がフロントマンを務めたこともあるSWEDISH EROTICAでの活動を経て、Tony Niva(Vo)NIVA名義で1994年にゼロ・コーポレーションから日本限定でリリースした1st「NO CAPITULATION」に続く2ndアルバム。僕は未聴の前作から17年振りとなる今回のアルバムではNiva以外のメンバーがガラリと変わっています。中心となっているのはRoger Ljunggren(G/T'BELL)、Marcus Persson(Key)そしてNivaで、彼等3人が共作した楽曲群は80年代メロディックロックに北欧メタルのエッセンスを加えた僕好みのサウンドに仕上がっています。

「NO CAPITULATION」発表後、 LION'S SHAREの4th「ENTRANCE」(2001)に参加した以外は目立った活動のなかったNivaを表舞台にに呼び戻すきっかけになったという①Janitor Of Loveから始まる爽快メロハー3連発は掴みとして申し分ないし、T'BELLの中心人物Patrik Tibell(Vo)が曲作りに参加して実に彼らしい洗練されたメロディを堪能させてくれるバラード④I Rememberも素晴らしいですね。しかし本作のハイライトはタイトル曲⑤Gold From The Futureでしょう。北欧メタル然とした疾走感と哀愁が堪らない1曲です。それ以降も曲名とは裏腹に優しいメロディが聴ける⑥We Must Fight、「ドゥルドゥルドゥルドゥル…」というハードなギターによる幕開けからへヴィチューンを予測していたら一転してリズミックなサビへと繋がる⑧Final Warning、アルバム本編を見事に締めくくってくれるバラード⑩Youなど僕好みの楽曲が並んでいます。日本盤ボーナストラック込みで約37分というコンパクトさもあって何度もリピートしたくなる1枚ですね。

NivaのハイトーンボイスはTony Mills(Vo/TNT、ex-SHY)にも似ていて伸びやかで聴きやすいし、アルバムの曲調もあってかGRAND ILLUSIONや往年のTNTを彷彿とさせる場面もあります(実際RogerはGRAND ILLUSIONのアルバムに関わっていたし、Marcusのお気に入りアルバムはTNTの代表作「INTUITION」だそうです)。前作から17年ものスパンがありましたが、充実した今回のアルバムを聴いているとコンスタントな活動を期待したくなりますね。なお本作を日本で先行リリースした翌年にバンドは名義をOXYGEN、アルバムタイトルを「FINAL WARNING」に変えて発売しています。ほぼ同じ内容のアルバムを異なる名義で出す必要があったのかという疑問ですし「FINAL WARNING」ではアルバム名になった⑧は何故か収録されていないのでNIVA「GOLD FROM THE FUTURE」の方が商品価値は高いと言えそうですね。

【音源紹介】
・Gold From The Future

【CD購入録】NAUTILUZ「LEAVING ALL BEHIND」(2013)

  • 2013/07/06(土) 00:00:00

【CD購入録】
LEAVING ALL BEHIND
NAUTILUZ「LEAVING ALL BEHIND」(2013)

南米ペルーから登場したメロディックパワーメタルバンドNAUTILUZのデビューアルバムを買いました。南米というとANGRAHIBRIAを輩出したブラジルはともかく、その他の国はメタル未開の地というイメージがあったのですが「ペルーにこんな逸材がいたのか!」と驚いてしまうほどのクオリティですね、これは。キャッチーで適度にクサいメロディを歌うハイトーンボーカル、弾きまくりのギターとそこに絡むキーボードが乱舞する本作のサウンドは5th「EPISODE」(1996)~8th「INFINITE」(2000)期STRATOVARIUSタイプで僕の大好物です。この手の若手メロパワバンドはシンガーが弱い印象があるのですがSebastian Flores(Vo)の歌唱にB級臭さは感じられないし、演奏やサウンド面も安定しています。楽曲面でもスピードチューンのみならずメロハーっぽい③Burning Hearts、泣きのバラード⑥Unwritten Serenade、女性ボーカルとのデュエット曲⑦Eden's Lairもあっていいアクセントになっていますね。キラーチューンこそないもののアルバムを通して楽しめる本作はデビューアルバムとしては上々の仕上がりだと思うので、これからも今の路線で突っ走ってもらいたいです。なお1,000枚限定プレスとなる本作にはシリアルナンバーがふられていて、僕が買ったのは908番でした。このアルバムがたった1,000枚しかないのは勿体ないな、と思っていたらどうやら8月14日に国内盤がSpiritual Beastからリリースされるようです。

NOCTURNAL RITES「8TH SIN」(2007)

  • 2013/03/31(日) 00:00:00

NOCTURNAL 8SIN
【No.370】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第4位

前作「GRAND ILLUSION」(2005)リリース後にはバンド初の単独来日を果たすなど、着実にステップアップし続けているスウェーデンの本格派メタルバンドNOCTURNAL RITESの8thアルバム(邦題は「第八の罪」)。今回はギターサウンドが従来よりもモダンでヘヴィロック系バンドを連想させる音色になっていて①Call Out To The Worldのイントロが流れてきた時には違和感がありましたが、楽曲の核となっているのはメタルバンドとしての熱さと北欧ならではの哀メロを兼ね備えたノクタ節そのものです。スピード感を抑えたミドルテンポを軸にメロディで真っ向勝負を挑むというスタイルはそのままに、今回はバンドの看板シンガーJonny Lindqvistの絶品歌唱をメインに据えた歌ものアルバムと呼べそうな作風に仕上げてきましたね。歌メロが一段とキャッチーになっていることもあって、曲によってはメタルというよりはメロディアス・ハードロックバンドがビルドアップされたように感じるものもあります。

まずはメタリックな逞しさとメロハー的な爽快感が同居するサビが素晴らしい①と劇的ドライヴィングチューン⑤Not Like Youが素晴らしいですね。これら2曲は僕の中でバンドの新たな名曲と言えるほど大好きなナンバーだし、本作の特徴であるモダンなアレンジとキャッチーなメロディが融合した⑧Strong EnoughThe Legend Lives On(3rd「THE SACRED TALISMAN」収録)以来となるピュアバラード⑨Meの対比もお見事。特に⑨はボーカルとピアノだけというシンプルな作りだからこそ一層際立つJonnyの哀愁ボイスと、それに絡む女性ボーカルCarolina Miskovskyのデュエットが実に感動的ですね。前作ではKristoffer Olivius(Vo/NAGLFAR)のグロウルをフィーチュアしていたCuts Like A Knifeが新鮮でしたが、今回は対照的なピアノバラードで新境地を開拓している辺りも頼もしいし、アウトロの役割を果たすバンド初のインスト⑪Fool's Paradeも出色の出来だと思います。

バンド最高傑作との呼び声も高かった前作と比べて大きな成長を見せているわけではないものの相変わらず質が高いことに加え、サウンドがこれまで以上にタフになりギターが前に出てきているのは嬉しいポイントですね。それに関連してかNils Norberg(G)も過去最高の弾きっぷりを見せてくれていて、バンドのこれからが非常に楽しみだったのですがNilsは音楽活動に対する意欲が薄れたことを理由に2008年にバンドを脱退してしまいます。1995年のデビュー以来、1~2年の間隔でアルバムを発表し続けてきたNOCTURNAL RITESにとってNilsの脱退は影響が大きかったのかバンドはしばらく沈黙期間に入ってしまいます。そんな彼等も2010年に後任としてChris Rorlandなるギタリストを迎えて1~2年前からアルバム制作中というニュースは届いていますが、アルバムの詳細発表には至っていません。今年こそは彼等の新作が聴きたいです。

【音源紹介】
・Call Out To The World

NOCTURNAL RITES「GRAND ILLUSION」(2005)

  • 2013/03/25(月) 00:00:00

NOCTURNAL G ILLUSION
【No.369】
★★★★(2005)
年間ベスト2005年第4位

クサメロ満載のメロパワから威風堂々とした正統派メタルへと見事な転身を遂げたNOCTURNAL RITESの7thアルバム。路線変更を打ち出したのが4th「AFTERLIFE」(2000)だったので、本作でもって現スタイルのアルバム数がクサメタル時代を越えましたね。前作「NEW WORLD MESSIAH」(2004)がかつてのクサメタルサウンドへの揺り戻しを感じさせる作風だったので、そちらに回帰していくのかと思いきや今回は5th「SHADOWLAND」(2002)で掴んだストロングスタイルを推し進めた音像となっています。日本では今ひとつブレイクできてない感のある彼等ですが地元スウェーデンのみならず欧州メタルシーンでは着実にステイタスを築いているようで、本作にはJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)、Kristoffer Olivius(Vo/NAGLFAR)、Henrik Danhage(G/EVERGREY)、Stefan Elmgren(G/HAMMERFALL)、そしてリードギタリストNils Norbergの実弟でPERSUADER、SAVAGE CIRCUSに在籍するEmil Norberg(G)など、これまで以上に豪華なゲストが迎えられています。

疾走チューンと呼べそうなものは作品を重ねる毎に減っているため速い曲が好きな僕としては微妙な印象もありましたが、哀愁と力強さに溢れた本作の楽曲群を聴いているとテンポが速いか遅いかなど関係なく胸が熱くなってきます。そんなスタイルを象徴するかのように堂々たるメロディを持ったミドルチューン①Fools Never Die、軽快なスピード感に乗ったキャッチーな歌メロが耳を捉える②Never Trust、そしてNOCTURNAL RITES史上最高クラスの高揚感ある劇メロが展開されるキラーチューン③Still Aliveと続いた時点で勝負あり。特に③はこれまでに聴いたメタルソングの中から大好きな曲を10曲選ぶとしたら、その候補にノミネートされそうなほどのお気に入りです。それ以降も④Something Undefined、⑤Our Wasted Days、⑨One By Oneなど、今や「ノクタ節」と呼べる個性を確立したナンバーが並びます。またKristofferによるグロウル、いかにもJensらしい鍵盤サウンドが曲を彩るヘヴィチューン⑥Cuts Like A Knifeは今回の新機軸と言えそうな1曲で、イーヴルな雰囲気が漂う曲調の中で響くデスボイスやJensの客演など、本作と同年にリリースされたKAMELOT「THE BLACK HALO」収録のMarch Of Mephistoとの共通点が多いのも興味深いですね。

かつてB級メロスピを追求して人気を博したバンドがスピードを抑えてもなお人気が衰えなかったばかりか、ファン層を拡大している例はあまり思い浮かびません。スピードに頼ることなく、あくまで優れたメロディで勝負をしてくるバンドの姿勢と、これだけフックに溢れた曲を揃えられたソングライティング能力には脱帽です。というわけで総合的には名盤クラスの作品ではあるのですが、敢えて注文をつけるとすればアルバム前半に比べて後半は少しテンションが下がってしまう傾向が見られる点でしょうか(同系統の曲が多いバンドの宿命かもしれませんが)。といっても、これはNOCTURNAL RITESの作品内で比較しての話であって、アルバム後半も単体で見れば佳曲ばかりなので贅沢なリクエストだとは分かっているのですが、このバンドには期待したくなるんですよね。それにしてもこれだけの実力派バンドのメンバーが現在も音楽だけでは生計が立てられず、いわゆる昼間の仕事もしているとインタビューで語っていたというのが信じられません…。

【音源紹介】
・Still Alive

NOCTURNAL RITES「NEW WORLD MESSIAH」(2004)

  • 2013/03/20(水) 00:00:00

NOCTURNAL NW MESSIAH
【No.368】
★★★★(2004)

前作「SAHDOWLAND」(2002)で叙情メロディを軸とした正統派ヘヴィメタル(若干クサメロあり)というアイデンティティを確立した感のあるNOCTURNAL RITESによる6枚目のアルバム。バンド初期はサポートメンバー、近作では正式メンバーとしてクレジットされていた鍵盤奏者Mattias Bernhardssonが脱退しています。そんなメンバーチェンジをよそに今回も前作同様、ドラマティックな楽曲をJonny Lindqvist(Vo)が情感たっぷりに歌い上げるというスタイルは健在で、Mattiasが抜けたことで今までよりも硬質なメタルに傾倒するかと思いきや、キーボードはこれまでと同じくらいフィーチュアされていて3rd「THE SACRED TALISMAN」(1999)までのバンドが追求していたクサメタルの要素が戻ってきている印象ですね。

現在のバンドサウンドと、かつてのクサいメロディが見事に組み合わさった飛翔感が素晴らしい③Avalonを筆頭に、安心して聴けるNOCTURNAL RITES流ヘヴィメタルが作品全体で展開されています。ありがちなメロディックスピードメタル曲とは一線を画す重厚感が気持ちいいアップテンポ①New World Messiah、前作で開眼した劇的なメロディで迫って来るミドルチューン②Against The World、スピーディな曲調かと思いきやサビではペースダウンして再び劇メロが炸裂する④Awakening、曲名から連想されるアラビア風の旋律からDREAM THEATERを彷彿とさせるインストパートに突入する⑤Egypticaなど楽曲の表情も多彩です。アルバム前半に若干及ばないものの後半も佳曲がズラリと並んでいるし、2曲のボーナストラックを含めて弱い曲は見当たりません。後半では心地よいスピード感と共に駆け抜ける⑨One Nationが特に好きだし、NOCTURNAL RITESにしては珍しくハードロック調の⑪Another Stormはボーナスにしておくには勿体ないナンバーだと思います。

そんな充実の楽曲群を更に感動的なものにしているのがNils Norberg(G)のギタープレイ。各曲に山場を生み出す彼のギターソロとJonnyの説得力に満ちた歌声はバンドの大きな武器ですね。NOCTURNAL RITESのここ最近のアルバム聴いていると、ボーカルとギターに華のあるバンドは強いとつくづく感じます。近作で骨太なメタル道を進みつつあった彼等がかつてのクサメロを増量させたことについてはバンドが再び軟派になったと見る向きもあるかもしれませんが、正統派メタルど真ん中のサウンドはキャッチーさが足りないと感じてしまう僕にとっては本作もまたお気に入りの1枚です。

【音源紹介】
・Avalon

NOCTURNAL RITES「SHADOWLAND」(2002)

  • 2013/03/11(月) 00:00:00

SHADOWLAND
【No.367】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第3位

ハスキーな声質で力強く、エモーショナルに歌い上げることができる実力派Jonny Lindqvist(Vo)が加入した前作「AFTERLIFE」(2000)で従来のクサメタルから正統派メタルへと音楽性を変化させたNOCTURNAL RITESの5thアルバム。前作は路線変更が急激だったこと、随所に施されていたデジタルエフェクトが効果的ではなかったことが影響してか賛否両論ありましたが、本作ではデジタルエフェクトを減らして前作同様の正統派メタルを踏襲しつつクサメロのエッセンスを微増させるという僕好みの作風となっています。今回のアルバムを聴いてまず感じるのは、メロディの質がこれまで以上に劇的でドラマティックなものになっているという点です。僕にそう感じさせている最大の要因が説得力に満ちたJonnyの歌声で、前任者では表現しきれなかった世界がここにあると思います。歌メロは勿論、楽曲そのものにもこれまで以上の情感が込められていて僕の心を震わせてくれるのが嬉しいですね。

そんな劇的メロディが炸裂している代表例がタイトルトラック②Shadowlandとジャーマンスタイルの疾走曲④Revelationで、これら2曲はキラーチューンと呼ぶに相応しい出来栄えです。それ以外にもバンドが以前から持っていた「スピードに頼らずとも魅力的な曲が書ける」という強みを雄弁に物語る③Invisible、⑧Faceless Godといったミドルチューン、ノリのいい曲調が気持ちいい⑤Never Dieや本作最速のスピードで駆け抜ける⑦Vengeanceなど僕を魅了して止まない楽曲がズラリと並んでいます。大胆な音楽性の変化を伴っていた前作がバンド成長の過渡期に当たるアルバムだと思えたのに対して、本作では正統派メタル路線が板についてきた上に、メロディのフックも過去最高クラスなのでNOCTURNAL RITESの新たなスタンダードを築き上げた1枚と言えそうですね。かつてはボーカルとサウンドプロダクションが弱点として挙げられていたバンドが本作でそれらを改善し、A級としての風格を漂わせるほどの成長を見せつけてくれています。

なお日本盤ボーナストラック⑪Iron Force(2002 Version)は3rd「THE SACRED TALISMAN」(1999)収録曲のリメイクで、クサメロ疾走曲が多数収録されていた3rdから敢えて勇壮なミドルチューンであるこの曲を選ぶ辺りからもバンドがこれから目指す方向性が窺えますね。前作を聴いた時点では従来のクサメタル路線に未練もありましたが、そんな僕に「現スタイルのバンドを応援していきたい」と思わせるのには十分のクオリティを誇る充実盤です。本作発表後、同郷スウェーデンのメタルバンドHAMMERFALLのオープニングアクトという形ながら念願の初来日を実現、ヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIRへの出演を果たすなど、これまで以上の規模で活動を展開していくこととなります。

【音源紹介】
・Shadowland

NOCTURNAL RITES「AFTERLIFE」(2000)

  • 2013/03/05(火) 00:00:00

NOCTURNAL A LIFE
【No.366】
★★★(2000)

前作「THE SACRED TALISMAN」(1999)でデビュー当時から追求してきたクサメロに溢れたパワーメタルをひとつの完成型に到達させたNOCTURNAL RITESの4作目。本作で注目すべきは良くも悪くもバンドの個性だったAnders Zackrisson(Vo)が脱退し、新ボーカリストにJonny Lindqvistを迎えている点でしょう。シンガー交代劇が影響しているのか、今回はB級クサメタルの極致を行く従来路線から若干ダークな正統派メタルへと方向転換していて、何の情報もなく聴くと同じバンドとは思えないほどの変貌振りです。ジャケットに関してもこれまでのファンタジック調とは違い近未来的でSFを連想させるものになっています。

まず驚かされるのがJonnyの堂々たる歌いっぷり。Mats Levin(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN etc)、Pete Sandberg(Vo/MIDNIGHT SUN etc)風のハスキーボイスにMike Vescera(Vo/ex-YNGWIE MALMSTEEN etc)、Rob Rock(Vo/ex-IMPELLITERI)の伸びやかさを加えた絶品歌唱を響かせる彼ほどの実力者が今まで注目されずにいたとは…。スウェーデン恐るべし。ヘタウマながら不思議な魅力も感じられた前任者とは異なり、野太い声による熱唱スタイルを軸に力強いハイトーンからドスの効いた低音までを歌いこなす彼の存在はバンドに漂っていたB級色を振り払うのに一役も二役も買っていますね。

楽曲面においては薄味になったとはいえバンドの看板でもあるクサメロは健在で、新生NOCTURNAL RITESの硬派なメロディックメタルを体現する①Afterlife、文字通り死者が目覚めるほどにパワフルな②Wake Up Dead、ヘヴィで攻撃的な曲調がサビでは一転ペースダウンしてダイナミズムを生み出す③Sinner's Cross、胸を焦がす叙情メロディが冴える④Hell And Backと続く序盤4曲の流れはお見事。それ以降はメロディがこのバンドにしては弱いような気もしますが、曲名に反して明るいメロディもチラリと登場する⑥Devil's Child、本作の中では従来路線に近い⑨Temple Of The Deadなど好きな曲もあります。惜しむらくはヘヴィな正統派メタル化と共に導入されたデジタルエフェクトが効果的だと思えない点でしょうか。ボーカルや曲間にもデジタル処理が施されているためにアルバム全体が暗くマシーナリーな印象になっているほか、これまで楽曲に華を添えていたNils Norberg(G)のギターソロに施された妙なエフェクトは、感情移入を妨げてしまっているように思えてしまうのが残念ですね。

【音源紹介】
・Afterlife

NOCTURNAL RITES「TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION」(1997)

  • 2013/02/24(日) 00:00:00

TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION
【No.365】
★★★(1997)

デビュー作「IN A TIME OF BLOOD AND FIRE」(1995)では粗削りな部分があったものの、類い稀なるメロディセンスを凝縮した楽曲群がメロパワマニアの間で好評を博したNOCTURNAL RITESの2ndアルバム(邦題はなぜか「エンド・オブ・ザ・ワールド」)。このバンドの作品の中で僕が最初に聴いた1枚でもあります。後にバンドの看板ギタリストとして名を馳せるNils Norbergを迎えた本作は軽めのサウンドプロダクション、独特な味わいがあるものの上手いとは言えないボーカル面の弱さを強力なクサメロが補うという図式はデビュー作と同じながら確かな成長が感じられる良盤に仕上がっていますね。

軽快に疾走し和音階と共にフェードアウトしていく①Dark Secretこそオープニングとしては若干パンチに欠けますが、その後はバンド初期を代表するクサ疾走チューン②Lost In Time、サビメロから放たれる並々ならぬクサさと哀愁が堪らない③Test Of TimeHELLOWEENのコミカルサイドに通じる明朗なメロディがインパクト大な④Change The Worldの流れに魅了されました。特に③は初めて聴いた時から口ずさめてしまうほどのメロディが秀逸。アルバム中盤以降はYNGWIE MALMSTEEN的な⑤End Of The World、⑧Pentagramや勇壮でスケール感のある曲調の中でギターが咽び泣く⑦Warriors Returnに胸を熱くなるし、後半にややテンションが落ちて来たかなと思っていたところに登場するパッヘルベルのカノンをアレンジしたイントロから7分に及ぶクッサクサな世界へ誘ってくれるキラーチューン⑩Ring Of Steelで本編を締める構成にやられました。

また日本盤ボーナストラックの3曲どれもがオマケにしておくには勿体ない出来だというのも好印象。特に⑬Living For Today(Demo)はデモ音源ではなく正式なテイクを聴きたいと思ってしまうほどです。僕が勝手に「クサメタルの教科書」に認定している次作「THE SACRED TALISMAN」(1999)での化けっぷりを考えると発展途上にあるのは否めませんが、個々の楽曲やフレーズが生み出す感動の瞬間最大風速は本作の方が上かもしれません。特に③と⑩は個人的にこのバンドを代表する名曲だと思っています。ちなみに本作の輸入盤はジャケットと曲順が異なっていて⑩がオープニングに配されていたり国内盤ボーナスの⑬が未収録だったりしていましたが、デビュー作との2枚組再発盤「LOST IN TIME」(2005)では曲順は従来のままで日本盤と同じ全13曲となっています。

【音源紹介】
・Test Of Time

NOCTURNAL RITES「IN A TIME OF BLOOD AND FIRE」(1995)

  • 2013/02/18(月) 00:00:00

IN A TIME OF BLOOD AND FIRE
【No.364】
★★(2005)

3rd「SACRED TALISMAN」(1999)発表後に起きたシンガー交代劇に伴ってクサメタルから骨太な正統派メタルへと変貌を遂げ、今や母国スウェーデンのみならず欧州メタルシーンを代表するバンドのひとつへと成長したNOCTURNAL RITESの1stアルバム(ちなみに前身はNECROMONICというデスメタルバンドだったそうです)。このバンドのファンになった頃には既に本作の国内盤は入手困難(現在は廃盤)となっていたこともあり、僕が持っているのは2nd「TALES OF MYSTERY AND IMAGINATION」(1997)との2枚組仕様による輸入盤「LOST IN TIME - THE EARLY YEARS OF NOCTURNAL RITES」(2004)です。ちなみに「LOST IN TIME」には2代目シンガーJonny Lindqvistが歌うデビューアルバムのリメイク曲として⑪In A Time Of Blood And Fire(2004 Version)、⑫Winds Of Death(2004 Version)が追加収録されていて、僕が本作を購入した主な動機もこの2曲だったりします。リメイクに関してはバッキングを極力シンプルにしたアレンジが施されていることもあり、オリジナルとは大きく印象が異なる仕上がりとなっています。こうしたアコースティック調で聴くとJonnyの情感溢れる歌声が更に際立ちますが、原曲に近いアレンジで初期3作品のJonnyバージョンを聴いてみたくもなりますね。

アルバム本編はというと、北欧のバンドらしい叙情性を感じさせつつも躁なジャーマンメタルにクサメロを配したスタイルが基本となっていて、ボーカルや音質などで粗さが残るため「いかにもB級」な空気を振り撒いてはいるもののクセになるメロディが随所で聴けるので、ついリピートしてしまう不思議な魅力を持った作品です。エンディングがやや唐突ながら軽快にアルバムの幕開けを告げる①Sword Of Steelから③Black Deathまで矢継ぎ早に畳み掛けてくるアップテンポの連続で掴みはOK。それ以降も疾走系を軸にしつつ④In A Time Of Blood And Fire、⑥Lay Of Ennuiのようにスピードを抑えた楽曲でも独特のメロディセンスを発揮している辺りがいいですね。中でも⑥は何度も繰り返し聴きたくなります。そんな奇妙な中毒性はAnders Zackrisson(Vo)の歌声にも感じられ、最初は不安定さばかりが気になっていたのに今では味のあるボーカルだと思えるようになりました。

客観的に見るとイモ臭い部分がかなりあるので聴き手を選ぶ作品だし、現在のNOCTURNAL RITES像をイメージして聴くと肩透かしをくらうのは必至です。僕自身、後追いで本作を聴いたので最初は戸惑いも感じました。しかし、このバンド特有のクサメロセンスがデビュー時点で確立されていたことが本作から窺えるだけでなく、堂々たる威厳すら身に纏うようになった今の彼等にない魅力がキラリと光っているのも事実なので聴いてみる価値は十分にあったと思います。なお、このブログに掲載しているアルバムケットは1995年のオリジナル盤のものです。

【音源紹介】
・Lay Of Ennui

【CD購入録】THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「INTERNAL AFFAIRS」(2012)

  • 2012/11/17(土) 00:00:00

【CD購入録】
INTERNAL AFFAIRS
THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA「INTERNAL AFFAIRS」(2012)

SOILWORKで活動を共にするBjorn“Speed”Strid(Vo)David Andersson(G)が飲みながらロックについて語り合ううちに酔った勢いで結成、そこにSharlee D'Angelo(B/ARCH ENEMY、SPIRITUAL BEGGARS)らが加わったプロジェクトTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAの1stアルバムを買いました。メンツ的には北欧エクストリームメタルにおける夢のプロジェクトのようではありますが、本作で聴けるのはメタルはおろかハードロックと呼ぶことすらも憚られる古きよきロックミュージックでBjornも勿論全編をノーマルボイスで歌っています。「爽やか」「ゴキゲン」といった言葉を連想させる楽曲群はどれも印象的なメロディを持っていて②California Morning、④West Ruth Ave辺りはかなり気に入っています。クリアボーカルでもこれだけ歌えるBjorn擁するSOILWORKの次回作「THE LIVING INFINITE」は2枚組のコンセプトアルバムになるそうなので、どんな作品に仕上がるのか興味津々ですね。バンド創設メンバーでリーダーだったPeter Wichers(G)不在のラインナップで制作された「SWORN TO A GREAT DIVIDE」(2007) が好きになれなかった身としては、一時バンドに復帰したものの再脱退してしまったPeterを欠く今のSOILWORKが僕好みのアルバムを届けてくれるのか?という一抹の不安があるのも事実ですが…。

【CD購入録】NIVA「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)

  • 2012/05/03(木) 00:00:00

【CD購入録】
GOLD FROM THE FUTURE
NIVA「GOLD FROM THE FUTURE」(2011)

1994年にあのゼロ・コーポレーションから1stアルバム「NO CAPITULATION」(僕は未聴)をリリースしたものの、その後は活動停止状態だったスウェーデンのメロディアス・ハードロックバンドNIVAが17年振りに発表した2作目を買いました。中心人物のTony Niva(Vo)Goran Edman(Vo)Mats Levin(Vo)が在籍していたこともあるSWEDISH EROTICA、暑苦しいまでの熱唱が持ち味のNils Patrik Johansson(Vo/ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)が現在はフロントマンを務めるLION'S SHAREでの活動経験もあるハイトーン系シンガーで、僕はTony Mills(Vo/TNT、ex-SHY)を連想しました。そんなTonyがRoger Ljunggren(G)、Marcus Persson(Key、B)と共作して生み出した楽曲群は80年代メロディックロックと北欧メタルの空気をたっぷり吸い込んだサウンドで僕の好みにピッタリです。RogerはPatrik Tibell(Vo)T'BELLで活動していたという経歴があり、本作でも④I Rememberの曲作りにPatrikが参加しているというのはメロディ愛好家にとって興味をそそられる情報かもしれませんね。藤木さんがレビューで「北欧美旋律マニア失禁必至」と絶賛していたタイトルトラック⑤Gold From The Futureを筆頭に僕の琴線に触れるメロディが満載の本作はなかなかの掘り出し物だと思います。

またNIVAに関してはBURRN!誌でもインタビューが実現していないようですがWEB上でインタビューページを見つけましたのでリンクを貼っておきます。こちら

NICKELBACK「DARK HORSE」(2008)

  • 2011/11/15(火) 00:00:00

DARK HORSE
【No.310】
★★★★(2009)

これまでに全世界のアルバム総売上で約2,700万枚という驚異的な数字を記録しているカナダのモンスターロックバンドNICKELBACKの6thアルバム。このバンドは一般的にヘヴィロック、ポストグランジと分類されているようですが、僕がこのバンドの中で唯一聴いたことのある4th「THE LONG ROAD」はやや単調で耳に残るメロディが少ないように思えて聴き込むには至りませんでした。しかし本作では大きく印象が異なっていて、個人的には「高品質な正統派ハードロック」と呼びたくなる1枚となっています。ここまで聴きやすくなった変化についてはDEF LEPPARDの代表作「HYSTERIA」(1987)などを手掛けた有名プロデューサーでヒット請負人とも言われるMutt Langeの影響なのかもしれません。NICKELBACKの場合、これまでも好調なセールスを記録していましたが、本作で更にスケールが大きくなったようにも感じます。

本作は何と言っても楽曲が素晴らしいということに尽きますね。アルバムの掴みとして申し分ないハードロック①Something In Your Mouth、ノリのいいリズムにエネルギッシュなサビと「ヘイ!」の掛け声が乗る②Burn It To The Groundでガツンとかましておいて、ポップなメロディが絶大なインパクトを残すシングルにして名曲の③Gotta Be Somebody、そして男の哀愁を感じさせるバラード④I'd Come For Youと来た時点で名盤だと直感しました。中盤をタイトに引き締める⑤Next Go Round、⑥Just To Get Highといったハードチューンを経て、作品後半に配された楽曲についても分厚いコーラスが印象的なバラード⑦Never Gonna Be Alone、本作のロックソングの中でも一番好きな⑨S.E.X.、リラックスムードを醸し出しながら爽やかに作品を締めくくる⑪This Afternoonなど、バラエティ豊かなアルバム構成と見事な曲順で一気に聴かせてくれます。

このアルバムを聴くまでNICKELBACKがこんなに豊潤なメロディを書けるバンドだとは知りませんでした。このサウンドが売れるのであればスイスのGOTTHARDなども世界的にブレイクしても不思議ではないと思うし、個人的には同郷カナダ出身で残念ながら2008年に解散してしまったHAREM SCAREMを思い出しました。⑦における高音域を張り上げても野太さはそのままなChad Kroeger(Vo)の歌声はHarry Hess(Vo/HAREM SCAREM)を彷彿とさせるだけでなく、メロディの運び方、コーラスの乗せ方に至るまでHAREM SCAREMらしさが感じられて、後期HAREM SCAREMが到達できなかった高みにあるのが本作なのではないかなんて思えてくるほど。末永く愛聴できそうなメロディック・ロックアルバムですね。

【音源紹介】
・Gotta Be Somebody

【CD購入録】NELSON「LIGHTNING STRIKES TWICE」(2010)

  • 2011/10/11(火) 00:00:00

【CD購入録】
LIGHTNING STRIKES TWICE
NELSON「LIGHTNING STRIKES TWICE」(2010)

Matthew(Vo、B)Gunnar(G etc)、双子のNelson兄弟によるバンドNELSONの11年振りとなる復活アルバム(通算6作目)を買いました。デビューアルバムにしてバンド最大のヒット作「AFTER THE RAIN」(1990)の続編だそうで、サウンド面でも類似点は多いように思います。爽やかで気持ちのいいメロディが秀逸なオープニング①Call Me、⑤You're All I Need Tonightのようなメロハーあり、⑥To Get Back To You、⑧Take Me Thereのような涙を誘う哀愁のバラードありと僕好みの作品ですね。意外だったのはブルージーかつノリの良さで勝負する大味なロックソングが結構多かったことでしょうか。現時点でのお気に入りは、まるでMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)の1stソロで泣きの名盤「THE 1」(1995)に収録されてそうなクサい泣きメロが胸を締め付ける④How Can I Miss Youですね。もし本作を去年に聴いていたら年間ベストにランクインしていたのでは?と思える好盤です。

【CD購入録】NEGATIVE「SWEET & DECEITFUL」(2004)

  • 2011/02/15(火) 00:00:00

【CD購入録】
SWEET AND DECEITFUL
NEGATIVE「SWEET & DECEITFUL」(2004)

NEGATIVEの6th「NEON」(2010)が僕のツボに大ハマリだったので、彼らの過去作品について調べてみたところ評判の良かった2ndアルバムを買いました。本作でも僕を惹きつけてくれるメロディは確かに存在しますがメジャー感バリバリたった「NEON」に比べると楽曲、Jonne Aaron(Vo)の歌唱ともに荒削りで発展途上という感じなので物足りなさがありますね(「NEON」よりも先に本作を聴いていたらもう少し好印象になっていたような気もしますが…)。ゴシックテイスト漂うメロディックロックを軸にラフなロックンロール系も少々という感じでしょうか。ちなみに⑩Until You're MineではSENTENCEDVille Laihiala(Vo)がゲスト参加してデュエットしているのですが、圧倒的な存在感でJonneを食ってしまってますね(笑)。

NEGATIVE「NEON」(2010)

  • 2011/02/12(土) 00:00:00

NEON.jpg
【No.276】
★★★★★(2010)
年間ベスト2010年第3位

母国フィンランドではナショナルチャート上位の常連で、ここ日本でも「北欧のヨン様」と呼ばれる美形フロントマンJonne Aaronが話題となり「WAR OF LOVE」(2003)でデビューした当時からBURRN!誌でもプッシュされていたメロディックロックバンドNEGATIVEの6thアルバム。日本販売元のビクターやB!誌では大きく扱われていたので意外だったのですが、本作がメジャーレーベルと契約して初のアルバムでワールドデビュー作ということになるようです。僕はB!誌などを読んでこのバンドの名前やJonneの顔は知っていたもののルックス先行バンドという印象が拭い切れずにいたため、これまで聴いていなかったのですが本作はそんな聴かず嫌いのせいでNEGATIVEとの出会いが遅れてしまったことを素直に後悔せずにいられないほど素晴らしいアルバムとなっています。

何と言っても楽曲がどれも充実しているというのが本作最大の強み。月並みな表現ですが、どの曲がシングルカットされてもおかしくないほどフックに満ちたメロディが次から次へと登場するため、曲名を見ただけで全曲のサビを口ずさめるようになるまで時間はかからなかったですね。スケール感のある大陸系⑤Believe、激しく胸を揺さぶる哀感が堪らない⑥Celestial Summer、感情を爆発させるようなメロディが秀逸な泣きのバラード⑦Jealous Skyというバラード系3連発、それらとは対照的に本作の中で最もHR/HM寄りのアップテンポ2曲⑧Days I'm Living For、⑨Since You've Been Goneと続く辺りがアルバムのハイライトでしょうか。それ以外にもメロウな旋律から力強いサビへ移行する②End Of The Line、躍動感溢れるハードロック③Love That I Lost、ノリのいい曲調が気持ちいいキャッチーソング④Blood On Blood、アコースティックバラードから徐々に盛り上がっていきBEATLESHey Judeを意識した大合唱でエンディングを迎える⑪Fucking Worthlessなど曲調の幅はそれほど大きくないものの、お気に入り曲を挙げだすとキリがありません。⑪の余韻を引き継いでアルバム本編を締める⑫Neon Rainがアコースティックサウンドと女性の語りメインというのも映画のエンドロールのようでグッド。日本盤ボーナスに本編とは質感の異なるストレートなロックソング⑬Eat Me Aliveを収録している点も「メインディッシュ後の別腹デザート」的な楽しみ方ができて良いと思います。

Jonneのボーカルに関しては、そのルックスから繊細なスタイルの歌い手だとばかり思っていましたが、彼は意外なほどに骨太で男前な声の持ち主なんですね。⑨のコーラスがHAREM SCAREMの名盤2nd「MOOD SWINGS」(1994)に収録されているEmpty Promisesを彷彿とさせることもあり、Jonneの歌声がHarry Hess(Vo/FIRST SIGNAL、ex-HAREM SCAREM)のように聴こえる場面も少なくありません(力を込めて歌った時や単語の語尾の節回し、声の抜き方など)。アルバムの全体像としては本作からアメリカのメジャーレーベルWarnerと契約した事実にも納得の高品質作品で、僕が知っているバンドを引き合いに出すと現代アメリカン・メロディックロックの王道をゆくDAUGHTRY、NICKELBACK辺りと北欧ならではの泣きの旋律美が持ち味のTHE RASMUSを融合させたという感じでしょうか。聴く前の期待値は高くなかったのですが、本作ですっかりNEGATIVEのメランコリック・ロックワールドに魅了されました。

【音源紹介】
・Celestial Summer

【CD購入録】NEGATIVE「NEON」(2010)

  • 2010/11/23(火) 00:00:00

【CD購入録】
NEON.jpg
NEGATIVE「NEON」(2010)

デビュー当時からBURRN!誌でも大々的に取り上げられていたこともあってバンド名と美形フロントマンJonne Aaron(一部ファンの間では「北欧のヨン様」と呼ばれているとか)の顔は知っていましたがB誌!やHR/HM系サイト、ブログのレビューを読んでビジュアル先行型バンドとの印象が強かったため本作が初聴きとなるNEGATIVEの5作目を買いました。購入前から各所で「今回は化けた」と評判の本作、過去のアルバムを知らない僕はメランコリックなメロディが光るメインストリーム系ハードロック作品としてかなり愛聴しています。どの曲にも僕を惹きつけてくれるメロディがあって、素直に良いと思えるものが多いすね。Jonneのボーカルについては良くない評判を耳にしたこともありますが、本作でのパフォーマンスを聴いてルックス抜きにしても魅力的なシンガーだと思いました。HAREM SCAREMEmpty Promises(2nd「MOOD SWINGS」収録)を連想させるメロディがある⑨Since You've Been Goneなど楽曲的にも類似点が見られるため、時々Jonneの歌声が今年の8月にFIRST SIGNALでシーン復帰を果たしたHarry Hess(Vo/ex-HAREM SCAREM)っぼく聴こえるような気もします。NEGATIVEをルックス重視のバンドと考えていたため本作との出会いが遅くなってしまったことを僕に後悔させるには十分の好盤。本作以前の作品も聴いてみたいですね。

【CD購入録】NUCLEAR BLAST ALLSTARS「OUT OF THE DARK」(2007)

  • 2010/07/03(土) 00:00:00

【CD購入録】
OUT OF THE DARK
NUCLEAR BLAST ALLSTARS「OUT OF THE DARK」(2007)

ドイツの大手メタルレーベルNUCLEAR BLASTの創設20周年を記念した企画盤の第2弾を買いました。第1弾「INTO THE LIGHT」はVictor Smolski(G/RAGE)が曲を手がけたメロディックメタル作品だったのに対し、本作は2005年にSOILWORKを脱退(2008年に復帰)したPeter Wicher(G)のペンによる楽曲をNUCLEAR BLASTゆかりのエクストリーム/デス系シンガーが歌うという内容です。

曲名と参加シンガーはこちら。
01. Dysfunctional Hours (feat. Anders Friden / IN FLAMES)
02. Schizo (feat. Peter Tagtgren / HYPOCRISY、PAIN)
03. Devotion (feat. Jari Maenpaa / WINTERSUN)
04. The Overshadowing (feat. Christian Alvestam / SCAR SYMMETRY)
05. Paper Trail (feat. John Bush / ANTHRAX)
06. The Dawn Of All (feat. Bjorn “Speed” Strid / SOILWORK)
07. Cold Is My Vengeance (feat. Maurizio Iacono / KATAKLYSM)
08. My Name Is Fate (feat. Mark Osegueda / DEATH ANGEL)
09. The Gilded Dagger (feat. Richard Sjunnesson & Roland Johansson / SONIC SYNDICATE)
10. Closer To The Edge (feat. Guillaume Bideau / MNEMIC)

僕はエクストリーム系メタルに疎い方なので、本作に参加しているボーカリストについては知らない人も多いのですが、Christianの持ち味を活かした④はかなりSCAR SYMMETRYっぽくて好きだし、Bjornがクリーンボーカル主体で歌うバラード?⑥も印象的です。「ツアーに疲れた。ソングライター/プロデューサーの道を進みたい」という理由でSOILWORKを脱退したPeterにとって初の音源となるこのアルバムはSOILWORK的な要素を垣間見せつつ⑤のようなSOILWORKでは有り得ないナンバーもあり楽曲の幅はこれまで以上に広くなっていて、Peterのソロ作品に豪華ゲストシンガー陣が参加したという感じもしますね。

【CD購入録】NICKELBACK「DARK HORSE」(2008)

  • 2009/05/07(木) 08:35:55

【CD購入録】
DARK HORSE
NICKELBACK「DARK HORSE」(2008)

カナダ出身のロックバンドNICKELBACKの6thアルバムを買いました。実はこのバンドは以前に「THE LONG ROAD」というアルバムを聴いたことがあって、僕にはちょっと合わないかなぁと思っていました。ところが相互リンクさせていただいてるブログ様でも結構好評だったので聴いてみることに。これは僕の予想を上回る充実作ですね。ザクザクしたリフから始まるロックソング①Something In Your Mouthからリラックスムード漂う⑪This Afternoonまで一気に聴けてしまいます。中でも大ヒットシングル③Gotta Be Somebody、一瞬HAREM SCAREMかと思えるコーラスが耳に残るバラード⑦Never Gonna Be Aloneと個人的ハイライトの⑨S.E.Xが気に入ってます。アルバム構成、曲順ともによく練られているし、下手にボーナストラックをいれることなく本編11曲のみというのも好印象。これは昨年に聴いてたらトップ10に食い込んでたかもしれませんね。

NOCTURNAL RITES「THE SACRED TALISMAN」(1999)

  • 2008/07/27(日) 23:09:39

THE SACRED TALISMAN
【No.016】
★★★★(1999)
年間ベスト1999年第5位

クサいメロディが持ち味のスウェディッシュ・メロディックパワーメタルバンドNOCTURNAL RITESの3作目。以前に2ndアルバムも聴いたことがあって、その時は好きな曲とそうでない曲の差が激しいバンドという印象だったので、今回はパスする予定だったんですけどラジオから流れてきた①Destiny Callingに完全ノックアウトされて、すぐさま本作を買いに走ってしまいました。

今回驚いたのはメロパワの理想型ともいえる①の素晴らしさもさることながら、前作で見られた楽曲のバラつきがなくなり、アルバムトータルで楽しめる作品になっていること。「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」時代のHELLOWEENに「陽」のエッセンスと大仰なメロディを注入し、Nils Norberg(G)のネオクラシカルギターが乱舞する本作は正にクサメタルと呼ぶに相応しい1枚です。僕がクサメタルという言葉を知ったのも本作がきっかけでした。そんなクサさはオープニングの①やギターソロも聴きどころとなっている④Free At Last、サビメロが一発で耳に残る⑤Hold On To The Flameで特に強烈。アルバムの大半が疾走曲(特に終盤の3連発は強力)だというのも嬉しいし、勇壮な正統派ミッドテンポ②The Iron Forceや叙情バラード⑧The Legend Lives Onなど楽曲が粒揃いなのも好印象。更にこのバンドの特徴はサビだけでなく、イントロのギターメロディにおいてもそのクサさを発揮しているところですね。

前作から成長したとはいえ、まだ軽さの残る音質やAnders Zackrisson(Vo)の線の細いボーカルなどB級メタルの域を出ていないと思える節もありながら、北欧バンドらしからぬジャーマン臭とクサメロ、そして楽曲から発散される仄かな哀愁がたまりません。次回作からバンドは正統派メタルへと路線変更したため本作は、クサメタル期のNOCTURNAL RITESの代表作であると同時にクサメタルの教科書ともいうべき作品となっています。「クサメタル」と聞いて僕が連想するのは本作とDARK MOORの2nd「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」ですね。

【音源紹介】
・Destiny Calls