LORDI「GET HEAVY」(2002)

  • 2016/10/24(月) 00:00:00

GET HEAVY
【No.481】
★★★★★(2004)

メンバー全員がゾンビ風のコスチューム(特殊メイク?)に身を包んだフィンランドのモンスターバンドLORDIの1stアルバム。本作がリリースされたのは2002年ですが、僕は2004年になってLORDIというバンドの存在を知りHR/HM系サイトで本作が絶賛されているのを見て是非とも聴いてみたいと思い購入しました。実際にCDを手にしてみてまずは力の入りまくったコスチューム姿にビックリ、肝心の音楽を聴いてみて各曲の素晴らしさにまたビックリという作品で、いろんな意味でインパクトがありますね。バンド側の徹底した世界観へのこだわり、エンターテイメント性の高いショウなどKISSを彷彿とさせる点がチラホラありますが、中心人物のMr. Lordi(Vo)はKISSのファンクラブ「KISS ARMY」のフィンランド支部長を務めていたそうです。

イロモノバンドとして片付けられかねないルックスとは裏腹に、本作で聴くことの楽曲群はどれも一度聴いたら口ずさめてしまいそうなものばかりですね。ホラー映画が始まりそうなイントロ①Scarctic Circle Gatheringに導かれてスタートするタイトル曲②Get Heavyを聴いて「なかなか良いね」と思っていたら、キャッチーにドライヴする③Devil Is A Loserでこのアルバムに引き込まれ、リーダートラック⑤Would You Love A Monsterman?ですっかり魅了されました。収録曲のどれもがシングルカットできそうなものばかりなのですが前述の⑤、曲をグイグイ引っ張っていくキーボードと哀愁を撒き散らすメロディが堪らない⑩Last Kiss Goodbye、自然と身体が揺れてくるほどにダンサブルな⑪Dynamite Tonightがハイライト。メランコリックな⑥Icon Of Dominance、メロディアスなサビメロが秀逸な⑦Not The Nicest Guyもかなり気に入っています。

フロントマンのMr. Lordiはダミ声で好き嫌いが分かれそうだし、キャッチーな楽曲群とはミスマッチに思えるものの不思議な魅力(魔力?)があってリピートするうちに気にならなくなってきて、今では「この声でこそLORDIサウンド!」と思うようになりました(笑)。演奏陣もバンド最大の武器であるボーカルメロディを活かす裏方に徹しつつ、キーボードが所々でいい仕事をしている点も見逃せませんね。デビューシングル⑤が母国フィンランドのナショナルチャートで1位を獲得するなど、早くもブレイクした彼等の人気は後にヨーロッパ全土へと拡大していくこととなります。オバマ大統領が2016年のスピーチで「フィンランドは世界の中で人口あたりのヘヴィメタル・バンドの数が一番多く、さらに望ましい政治をしている国として上位に入っている。音楽と政治に何かしらの相互関係があるかはわかりませんが。」と語るほどのメタル大国フィンランドの懐の深さをまざまざと見せつけてくれる1枚です。

【音源紹介】
Would You Love A Monsterman?

【CD購入録】LEPROUS「COAL」(2013)

  • 2016/02/26(金) 00:00:00

【CD購入録】
COAL.jpg
LEPROUS「COAL」(2013)

ノルウェーのダーク・プログレッシブメタルバンドLEPROUSの3作目を買いました。メンバーがブラックメタルの大御所EMPERORやその中心人物Ihsahn(Vo)のソロでバックバンドを務めていた関係で来日経験もあるようですが、メロディ派の僕はEMPERORもIhsahnもよく知らないのでこのバンドもノーチェックでした。他のブロガーさんの記事を見ていると最新作の4th「THE CONGREGATION」(2015)を高く評価されている方が多かったので一度聴いてみたいと思っていたところ、本作を安価で発見したので捕獲。プログレメタルといってもDREAM THEATERのようにテクニカルパートで聴き手を圧倒するのではなく、緻密に組み立てられた楽曲をじっくり聴かせるスタイルでPAIN OF SALVATIONやプログレデススタイルだった頃のOPETHからグロウルを大幅カットしたような感じでしょうか(両バンドの熱心なファンではないのであくまでイメージですが)。そんなLEPROUSサウンドの核となっているのはEinar Solberg(Vo、Key)の卓越した歌唱力。伸びやかなハイトーン、繊細な歌唱から濁声まで幅広いスタイルをこなしていて、中でも④The Cloakにおけるエモーショナルな歌声は絶品です。即効性の高い音楽性ではないため聴き込みが必要だと感じていますが、何度も聴きたくなる不思議な魅力に溢れた1枚ですね。

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「LEVEL ELEVEN」(2014)

  • 2016/01/24(日) 00:00:00

【CD購入録】
LEVEL ELEVEN
LAST AUTUMN'S DREAM「LEVEL ELEVEN」(2014)

2003年にデビューして以降、2012年まで10年連続でアルバムを発表してきたLAST AUTUMN'S DREAMの11作目を買いました。2013年はベスト盤のみの発表だったためオリジナルアルバムの連続リリース記録は途絶えましたが、こうして冬になると新作を届けてくれるバンドには頭が下がりますね。今回のトピックは何と言ってもMikael Erlandsson(Vo)と並ぶバンドの2枚看板であるAndy Malecek(G)が体調不良から不参加となっていることでしょう。過去作品においてもAndyは体調の関係でソロパートのみプレイ、それ以外はPeter Soderstrom(G)が弾いたこともあったし、後任ギタリストもPeterなので一聴しての違和感は希薄ですがデビュー当初からこのバンドを聴いている身としては寂しい限りですね。また近作ではJamie Borger(Ds)が収録曲の半数近くを作曲していたのに対して今回はMikaelが大半の曲を手がけていて⑩Starのような、いかにも彼らしいメロディが聴けるのも特徴でしょうか。上記のような変化はあるものの、根っこの部分はいつも通りのLAST AUTUMN'S DREAMサウンドなので、気がつけば何度もリピートしている1枚ですね。

【CD購入録】LAURI「NEW WORLD」(2011)

  • 2015/12/01(火) 00:00:00

【CD購入録】
NEW WORLD
LAURI「NEW WORLD」(2011)

THE RASMUSのフロントマンLauri YlonenLAURI名義で発表した初のソロアルバムを買いました。バンドの新曲用の曲作りを進める中でTHE RASMUSらしくないものができあがったため、ソロとして発表することになったそうです。こうして聴いてみると、かなりロック色は薄くエレクトロポップと呼べそうな曲もあるので確かにTHE RASMUSの曲としては違和感があるもののアレンジ次第ではバンド名義でも問題なさそうな哀メロチューンもあり、その最たる例がシングルカットもされた②Heavy、⑤In The Cityの2曲ですね。オープニングを飾る①Disco-nnectの曲名に象徴されているようにディスコ調のアレンジが目立つためTHE RASMUSファンとしては微妙な作品ですがLauriのメロディセンスを味わうことができる1枚ではあると思います。

LOSTPROPHETS「LIBERATION TRANSMISSION」(2006)

  • 2015/10/13(火) 00:00:00

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【No.448】
★★★★(2006)
年間ベスト2006年第6位

英国はウェールズ出身のロックバンドLOSTPROPHETSが2006年に発表した3rdアルバム。僕のミュージックライフを振り返ってみると2005年〜2006年にかけては、それまで主食としていたメロディアスなHR/HM勢が低迷気味だったこともあり未知のバンドにトライしていた時期でした。その中でSYSTEM OF A DOWN「MEZMERIZE/HYPNOTIZE」(2005)MY CHEMICAL ROMANCE「THE BLACK PARADE」 (2006)といった名盤に出会うことができたのですが、本作もそんな新規開拓活動がきっかけで購入した1枚です。試聴段階で購入を決心させるほどわかりやすいメロディがテンコ盛りで、一般的にこのバンドはUK産ヘヴィロックにカテゴライズされているようですが本作を聴く限りヘヴィな要素は希薄で僕にしてみればメロディ重視のポップロック作品という印象ですね。

荒々しいシャウトを交えながら疾走するパンキッシュな①Everyday Combatを皮切りにメジャー感に溢れたロックチューンがズラリと並びます。激しさを感じさせるのは①くらいなのでヘヴィな音を期待すると肩透かしをくらうと思うし、実際に初期2作のファンからはソフトになった本作に賛否両論あったようですね。ただしバンドのメロディ作りの上手さは特筆すべきものがあり、アルバムの中でも一際キャッチーな⑥Can't Catch Tomorrow(Good Shoes Won’t Save You This Time)や「ウォオ!ウォオ!ウォオ!ウォオ!」というパートで合唱必至な⑦Everybody's Screaming!!!、哀愁のパワーバラード⑨4:AM Foreverを筆頭に充実した楽曲が並びます(各曲を盛り上げるコーラスワークも効果的)。後半になってもテンションは下がらず全12曲それぞれにフックがあって気に入っているのですが、やたらと長い曲名が多いため覚えにくいのが難点でしょうか。

2006年はFAIR WARNING、HAREM SCAREMといった往年のメロディロックバンドの作品が以前ほどハマらなかったこともあり本作はかなりリピートしていましたね。また非常に聴きやすいアルバムなので、これから洋楽を聴き始める人にも最適の1枚だと思います。これだけの作品をリリースしてくれたバンドなので5th「WEAPONS」(2012)までの全作品を聴いてみました。どのアルバムも悪くはないものの、やはり本作が一番好きですね。そしてその後のLOSTPROPHETSはというとIan Watkins(Vo)が性犯罪容疑で起訴されたことがきっかけで活動休止、2013年に解散の道を辿っています。残されたメンバーはTHURSDAYというハードコア系バンドの元シンガーGeoff Ricklyを迎え、NO DEVOTIONなるバンドを新たに立ち上げているようです。Addition、Stayという2曲を聴く限り「LIBERATION TRANSMISSION」 以上にソフトでデジタル色が強いですね。これらの曲も収録したNO DEVOTIONのデビューアルバム「PERMANENCE」は2015年の9月にリリースされています。

【音源紹介】
Everybody's Screaming!!!

LOST HORIZON「AWAKENING THE WORLD」(2001)

  • 2014/11/03(月) 00:00:00

AWAKENING THE WORLD
【No.411】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第4位

2001年に突如現れた「ヘヴィメタル・メサイア」LOST HORIZONによる衝撃のデビューアルバム。1986年公開の映画「ハイランダー」にインスパイアされたというメンバーが戦士風コスチュームを身に纏い、フェイスペイントを施して「腐り切った世界をヘヴィメタルで救う」とインタビューで語っているところを初めて見た時は「愛すべきメタルバカ」なバンドかと思っていました。ところがLOST HORIZONが生み出すサウンドは、そんじょそこらのイロモノバンドとは比べ物にならないほどのクオリティを誇っていて熱さと男気、そして疾走感に溢れた剛直なヘヴィメタルの数々に圧倒されるばかり。所謂メロパワを好んで聴く僕は正統派メタルの王道を行くバンドは苦手だったりするのですが、LOST HORIZONは北欧ならではの「泣き」や「哀愁」といった要素も併せ持っているのですんなり聴くことができました。

バンドのメインソングライターであり、曲の聴きどころとなるギターソロを次々と繰り出すWojtek Lisicki(G)を筆頭にMartin Furangen(B)のベキベキと唸るベース、Christian Nyquist(Ds)による手数の多いドラムと演奏陣も安定感がありますが、このバンドの主役は何と言っても実力派スキンヘッド・シンガーDaniel Heiman(Vo)です。声質そのものが魅力的なミドルレンジ、吐き捨て系シャウトから強力なハイトーンまで自在に操る彼なくしてLOST HORIZONの世界観がこのレベルにまで到達することはなかったと思います。2000年以降に登場したメタルシンガーの中でも屈指の逸材でしょう。90年代後半から2000年代初頭にかけてはRHAPSODY、SONATA ARCTICAなど有望な若手バンドが次々とシーンに登場していましたが、その中でもLOST HORIZONはインパクトがあったのでたった2枚のアルバムを残しただけで活動を休止(事実上の解散)してしまったことが悔やまれますね。

アルバムは序曲①The Quickeningで幕を開けるや「ハァッ!オッ!ストウッ!」のコーラスに胸が熱くなる灼熱のメタルチューン②Heart Of Storm、LOST HORIZON流メタルアンセムにしてバンドの代表曲③Sworn In The Metal Windへと雪崩れ込み冒頭から怒涛の畳み掛けを見せます。特に③は気持ちを高揚させるかのように早口で捲くし立てるパートと歌詞に込められた熱きメタル魂が「漢(おとこ)」を感じさせる名曲!ピアノによる小インスト④The Song Of Airを挟んで続く後半以降も、そのメタルウォリアーっぷりは衰えることなくDanielの切れ味鋭いシャウトが響き渡る⑤World Through My Fateless Eyes、「オー、オーオーオー♪」というコーラスとタイトルからして勇壮なミドルチューン⑥Perfect Warrior、キラキラしたキーボードサウンドとわかりやすいメロディがメロパワ要素を感じさせる⑦Denial Of Fate、静かな出だしから徐々に盛り上がっていきキャッチーなサビを聴かせる⑧Welcome Back、LOST HORIZONの凄みを9分に凝縮した長編⑨The Kingdom Of My Willからアウトロ⑩The Redintegrationに繋がるというアルバム構成も文句なし。全10曲中3曲が1分弱のインストで収録時間は43分弱とコンパクトな作品なので聴き始めの頃は食い足りない気もしていましたが、中身が非常に濃いアルバムなので聴き疲れを避けるためにもこれくらいの長さがちょうど良いのだと思います。なお本作で凄まじい歌唱を披露しているDanielはLOST HORIZONを脱退して以降、今ひとつパッとしませんでしたが現在はHARMONYというスウェーデンのバンドに在籍しているようです。HARMONYの2nd「CHAPTER II: THE AFTERMATH」(2008)にDanielはゲスト参加していて、彼が歌ったInner Peaceなる曲を聴く限りバンドとの相性は良さそうなので11月26日にリリース予定の3rd「THEATRE OF RDEMPTION」には密かに期待しています。

【音源紹介】
・Sworn In The Metal Wind

LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)

  • 2013/12/03(火) 00:00:00

TEN TANGERINE TALES
【No.390】
★★★★(2012)

2003年にMikael Erlandsson(Vo)Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)を中心としたプロジェクトとして誕生、その後は正式なバンドへと発展し毎年の冬になると優れた作品を届けてくれるLAST AUTUMN'S DREAMの記念すべき10作目。前作のタイトルが「NINE LIVES」で、これまでにリリースしてきたアルバムの枚数を意識していることが感じられましたが今回も「TEN」という数字を作品名に入れてきましたね。なお本作のタイトルは直訳すると「10編の橙色の物語」となり、20秒弱のイントロダクション①Ten Tangerine TalesSWEETのカバー⑪Rebel Rouser(ボーナストラック)を除いた10曲がバンドのオリジナルソングという構成です。そんな10曲のうち半数をJamie Borger(Ds)が手がけた今回のアルバムはバンドの初期作品で感じられた哀愁よりも、優しく温かみのある旋律を前面に出した作品で前作の延長線上にある音楽性となっていますね。

イントロ①に続く②Pickin' Up The Piecesからしてこのバンドらしいポップロックチューンで掴みはOKだし、それ以降も曲によってはモダンなアレンジが見受けられるものの安定感抜群の楽曲が目白押し。特に気に入っているのはJamieらしいポジティブなフィーリングに溢れた④For You、⑤Preludium - The Man I Used To Be、⑥I Will See You Thruという3連発からMikaelの十八番でもある珠玉のバラード⑦When I Found Youに繋がる中盤の流れでしょうか。また今回は、このところメインコンポーザーの座をJamieに譲ったかのように見えていたMikaelのペンによるナンバーが冴えていて、前述の⑦や⑫My Final Love Songといった流石のバラードに加えて爽やかなメロディと共に駆けていく⑨New York Rainなどの充実振りも見逃せません。

というわけで今回も高品質なメロディックロック作品となっているので、安心して聴いていられる1枚です。ただ、前作(というか最近のアルバム)で感じられたマンネリ感や決め曲に欠けるといった課題は解消されているとは言い難いし、MikaelがソロとLAST AUTUMN'S DREAMの初期作品で発揮していた独特の泣きメロ、哀メロが7th「A TOUCH OF HEAVEN」(2009)を境に減退の一途を辿っている点も1995年からMikael Erlandssonというアーティストを聴き続けている身としては寂しくもあります…(客観的に見れば十分楽しめるアルバムなのは間違いないのですが)。なおデビューから10年連続でオリジナルアルバムを発表してきた彼等が2013年の冬にリリースするのはバンドとして2枚目となるベスト盤「PLATFORM - 10TH ANNIVERSARY BEST」だそうです。10年を一区切りとして今後のLAST AUTUMN'S DREAMがどのような活動をしていくのか注目したいですね。

【音源紹介】
・When I Found You

LAST TRIBE「THE UNCROWNED」(2003)

  • 2013/05/20(月) 00:00:00

L TRIBE UNCROWNED
【No.376】
★★★★(2003)
年間ベスト2003年第9位

2001年のデビュー以降、1年に1枚のペースで高品質なアルバムを届け続けるLAST TRIBEの3作目。ソングライティングやギタープレイだけではなくキーボード、プロデュース、ボーナストラックではボーカルまでこなす中心人物Magnus Karlsson(G)のマルチな才能はここに来て一段と輝きを増していますね。前作「WITCH DANCE」(2002)ではプログレテイストもある正統派、躁なメロディを持ったジャーマンメタル調からポップな歌ものまでバラエティに富んだ楽曲が並んでいましたが、今回は上に挙げたタイプの中でも「プログレテイストもある正統派メタル」に焦点を絞ってきたように思います。これまでの作品には少なからず収録されていた疾走系ナンバーがないこと、楽曲がやや画一的になったこともあって地味になった感は否めませんがリピートするうちに味わいが増してくる辺りは流石ですね。

本作は何と言ってもアルバム冒頭が実に強力。重厚かつヘヴィなリフワークから流麗なサビへと展開していく①Healer、メジャーキーを用いた明るい曲調と終盤のアレンジが秀逸な②The Chosen Oneという名曲2連発で幕を開けます。そして、パイプオルガンで荘厳に始まるイントロからエンディングまで一分の隙もないドラマティックメタルの極致④The Uncrownedも本作のハイライトですね。そんなタイトルトラック以降は若干テンションが下がるもののMagnusらしいギターが炸裂する⑤Otherworld、配置も絶妙な1分半の叙情インスト⑥April Skyや本編ラストの⑩Call Of The Tribeなどは確かな聴きどころとなっています。またMagnusが歌う⑪Blessed By The Darkも楽曲、歌唱の両面でボートラだとは信じがたいほどのクオリティを誇っている点にも驚かされました。

このバンドの要がMagnusであることは間違いないのですが、デビュー当時からMagnusの相棒を務めるRickard Bengtsson(Vo/ex-ARMAGEDDON)、屈強のリズム隊としてバンドの屋台骨をしっかり支えるDick Lowgren(B/TIME REQUIEM、ex-ARMAGEDDON etc)、Jaime Salazar(Ds/BAD HABIT、ex-THE FLOWER KINGS etc) といった他のメンバーもLAST TRIBEに欠かせない存在となっている点も見逃せません。特にRickardは1st「THE RITUAL」(2001)やARMAGEDDONの頃と比べて大きく成長しましたね(最大の見せ場は⑨Full Moonのラストでしょうか)。派手さこそないもののデビューから3枚続けて質の高いアルバムを作り上げ、メンバーも定着してきたLAST TRIBEに大きな期待を寄せていたのですが現時点では本作を最後にバンドは自然消滅しています。その才能を高く評価されてMagnusが多くのプロジェクトに引っ張りだこになったことが大きな要因だと思うのですがALLEN/LANDE、STARBREAKER、THE CODEXなど彼が携わったプロジェクトは一定以上の質は担保されているけれどLAST TRIBEほどの感動は得られない作品が大半だというのがファンとしてはもどかしいですね。2013年現在MagnusはMat Sinner(B、Vo/SINNER)、Ralf Scheepers(Vo/ex-GAMMA RAY)を擁するPRIMAL FEARのパーマネントメンバーとなっているし、Rickardはプロデューサーやエンジニアとして活躍、DickはエクストリームメタルバンドMESHUGGAHに10年近く在籍、Jaimeは相変わらず複数のバンドやプロジェクトを掛け持ちするなど多忙なようですが、いつかLAST TRIBEを復活させてもらいたいですね。

【音源紹介】
・The Uncrowned

LAST TRIBE「WITCH DANCE」(2002)

  • 2013/05/17(金) 00:00:00

L TRIBE W DANCE
【No.375】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第6位

Pete Sandberg(Vo)がリーダーだと思っていたらそのPeteが脱退、後任にTALISMANでドラマーを務めていたことがあり後にTHE POODLESを結成することになるJakob Samuel(Vo)を迎えたことで、実はJonas Reingold(B)のバンドだということが明らかになったMIDNIGHT SUN。そのバンドの2代目ギタリストとしてシーンに登場したMagnus Karlsson率いるLAST TRIBEの2ndです。いちプレイヤーに徹していたMIDNIGHT SUNに対して、自分の理想とする音楽を追求するために結成したLAST TRIBEでは弾きまくりのギターや卓越したソングライティング能力で僕を魅了してくれていたので、期待が高まっていましたが本作はそんな期待にきっちり応えてくれる仕上がりとなっていますね。リズム隊にセッションミュージシャンを起用していたこともありプロジェクトっぽさが感じられたデビュー作「THE RITUAL」(2001) からメンバーチェンジがあり、技巧派ベーシストDick Lowgren(B/TIME REQUIEM、ex-ARMAGEDDON etc)とMIDNIGHT SUNでも活動を共にしていた北欧の名手Jaime Salazar(Ds/BAD HABIT ex-THE FLOWER KINGS etc)が加入していて大幅にレベルアップ。Magnus自身も「今のLAST TRIBEは正式なバンド」だと表明しています。

全体的には前作と同じく当時流行っていたメロパワとは一線を画したメロディックメタルで、楽曲が複雑な展開を見せる場面がありつつも歌メロは更にキャッチーになっていて更に聴きやすさが増していますね。序曲①The Gatheringに導かれて劇的なイントロから始まるタイトルトラック②Witch Dance、ミドルテンポの王道的ナンバー③Messengerと繋がる流れは鉄板です。それ以降も絶品のボーカルメロディに「キュイ~ン♪」とうなるMagnusのギターが絡む④Bring Out The Brave、爽やかなメロディがドラマティックに駆け抜けていく⑥Behind Your Eyes、ジャーマンメタル調の明るいメロディも飛び出す⑧Man Of Peace(Magnusの高速フレーズにDickがユニゾンするパートがカッコいい)といったメタリックチューン、ポップとすら言えそうな⑪DreamerBilly JoelHonestyっぽい?)など、多彩かつ高品質なナンバーが目白押し。前作に収録されていた超名曲Black Widowほどのインパクトこそないものの、アルバム全体の出来としては本作の方が上かもしれません。

それにしてもMagnusのギターは聴いていて気持ちがいいですね。良い意味でギタリストのエゴが感じられたデビュー作に比べて今回は楽曲のためのプレイに重きを置きつつ、見せ場もきっちり作ってくれています。それだけでなくMagnusは日本盤ボーナストラック⑫Tell Me Moreではリードボーカルも披露していてアコースティックバラード風の曲調と彼の素直な歌声がマッチしているし、客観的に見ても十分上手いと思います。本作と同時期にリリースされたMIDNIGHT SUNの4作目にしてラストアルバムとなった「METAL MACHINE」(2001)が僕好みの作風ではなかったこともあって、本作を聴きながらMagnusにはLAST TRIBEに専念してもらいたいと思ったことを今も覚えていますね。

【音源紹介】
・Dreamer

【CD購入録】LORDI「BABEZ FOR BREAKFAST」(2010)

  • 2013/04/18(木) 00:00:00

【CD購入録】
BABEZ FOR BREAKFAST
LORDI「BABEZ FOR BREAKFAST」(2010)

モンスターの被り物による見た目と親しみ易い楽曲群の対比がインパクト抜群なフィンランド出身メロディックロック/メタルバンドLORDIが先日リリースした6th「TO BEAST OR NOT TO BEAST」ではなく5作目を買いました。ユーロヴィジョン2006でHard Rock Hallelujahがグランプリに輝いたことで欧州シーンでブレイクし、3rd「THE AROCKALYPSE」(2007)で日本デビューを果たした彼等。しかし楽曲の魅力自体は1st「GET HEAVY」(2002)を頂点として下降線を辿っていたし、前作「DEADACHE」(2008)がLORDIにしては物足りなさが残る出来だったので心配していましたが、今回はなかなかいいですね。メロディのフックが初期2作品の水準に近くなり3rdと同等かそれ以上のお気に入り盤になりそうな気がしています。①Scg 5:It's A BoyがSE、⑫Amen's Lament To Raがインスト小曲とはいえ日本盤ボーナスを含めて全17曲は詰め込み過ぎだと思いますが、3分台とコンパクトに纏められたキャッチーな楽曲群がそれほど長さを感じさせません。分娩室で出産した子供の顔がMr.Lordi(Vo)だったという醜悪なジャケットを表現したと思われる①は毎回スキップしていますが…(苦笑)。

【CD購入録】LIONVILLE「Ⅱ」(2013)

  • 2013/03/23(土) 00:00:00

【CD購入録】
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LIONVILLE「Ⅱ」(2013)

去年、リリースから1年遅れで聴いたセルフタイトルのデビュー作が僕のツボだったLIONVILLEの2作目を買いました。今回も爽やかで清々しいAORソングがズラリと並び、前作収録のWith Youほど飛び抜けた1曲はないものの非常に心地よいサウンドを聴かせてくれています。中心人物のStefano Lionetti(G)Lars Safsund(Vo/WORK OF ART)、Alessandro Del Vecchio(Key/EDGE OF FOREVER、EDEN'S CURSE)を始めとする基本メンバーに加えて、複数のゲストプレイヤーが参加するというデビュー作と同じ体制で作られた今回のアルバムを聴いて改めて感じたのはLarsが素晴らしいシンガーだということ。WORK OF ARTも良いけれど個人的にはLIONVILLEの方が僕好みですね。前作に比べるとややインパクトに欠ける気もしますが④Higher辺りは結構印象に残っています。これからも継続的に活動して欲しいバンドですね。

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)

  • 2012/12/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
TEN TANGERINE TALES
LAST AUTUMN'S DREAM「TEN TANGERINE TALES」(2012)

2003年にデビューして以降、冬になると新作を毎年届け続けて早10年、LAST AUTUMN'S DREAMの記念すべき10作目を買いました。「10編の橙色の物語」というアルバムタイトル、それとリンクして温かみのある色調を用いたジャケットから連想される通りのハートウォーミングなメロディに溢れた1枚だと思います。作品から感じられるイメージとしては3rd「WINTER IN PARADISE」(2005)の対極にあるのではないでしょうか。ここ最近のアルバム同様、哀愁は控えめでキラーチューンと呼べそうなものがないことにもどかしさを感じる一方、作品単体としては心地よく聴けるのも事実なので期待にはきっちり応えてくれています。リリース間隔を空けてじっくり作り込んだLAST AUTUMN'S DREAMのアルバムが聴いてみたい反面、この時期に彼等の新作が聴けないのは寂しくもあり、ファンとしては悩ましいところですね。

LAST AUTUMN'S DREAM「NINE LIVES」(2011)

  • 2012/12/17(月) 00:00:00

NINE LIVES
【No.357】
★★★★(2011)

Mikael Erlandsson(Vo)、Jamie Borger(Ds/TALISMAN、TREAT)という2人の優れたソングライターを擁する叙情派メロディック・ロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMの9thアルバム。MikaelとJamieが半数ずつの曲を書いているほか、Nalley Pahlsson(B/TREAT)のペンによる⑤Golden Cage、恒例のカバーソングとしてANGEL⑪Waited For A Long Timeという曲を収録した構成となっています(⑤のギターリフがモロにTNTIntuitionしているのはご愛敬?)。結成当初は哀愁味に溢れたメロディアスハード路線だったのに対して、7th「A TOUCH OF HEAVEN」(2010)辺りからバンド初期の哀感は薄まり心温まる癒しの旋律を軸にしたサウンドに移行していたのですが今回も近作の延長線上にある作品だと思います。

どこか5th「HUNTING SHADOWS」(2007)を思わせるオーソドックスなロックサウンドに甘美なメロディが乗る①In A Perfect World、いかにもMikaelらしいメロディ運びを見せるタイトル曲②Nine Livesでこのバンドの世界観に誘われたかと思うとエンディングまですんなり聴ける本作も良質のナンバーが揃う安心クオリティに仕上がっています。「メロディアスハードからパワーポップ志向のサウンドに変化してきた」というMikaelの言葉通り、本作は④Merry-Go-Roundや⑤に象徴される明るいムードが強まっていますね。それに拍車をかけているのが複数の楽曲でフィーチュアされているハンズクラップ(手拍子)で、聴いているうちに楽しい気持ちにさせてくれます。バンド初期にあった胸を締め付ける哀メロを求めると肩透かしをくらうと思うし、僕も哀愁に溢れたナンバーの方が好きですが優しいメロディが聴き手を包み込んでくれる⑥All I Can Think Of、本作で最もポップス寄りの⑦Megalomania、バラード系の⑩We Never Said Goodbye、⑫Don't Let Love Fade Awayなど個々の楽曲は魅力的なんですよね。

というわけで総合的にはこれまで同様、手堅いメロディックロック作品であることは事実ながらデビューから9年連続でアルバムを発表し続けていることもあって流石にマンネリズムが漂っている感は否めません。⑧The Last To KnowJeff Scott Soto(Vo/TALISMAN)が、⑨Angel Eyesでは女性シンガーJenny Redenkvistがゲスト参加している辺りは新機軸と呼べそうですが、Mikaelという個性抜群のシンガーを擁するこのバンドにデュエットが必要だったかどうかは疑問が残りますし、⑧の同名異曲が6th「DREAMCATCHER」(2008)に収録されていることについても釈然としません(ちなみに僕は6thの曲の方が好きです)。ハイペースでアルバムを作るあまり同じタイトルの曲を過去にレコーディングしたことを忘れてしまったわけでないと思うのですが…。間もなくリリースされる次回作「TEN TANGERINE TALES」は記念すべき10年連続10枚目のアルバムとなるので、ここを節目にワーカホリック気味な活動ペースを見直してみてもいいのではと個人的には思っています。

【音源紹介】
・Nine Lives

【CD購入録】LINDA BENGTZING「MIN KARUSELL -EN SAMLING」(2011)

  • 2012/09/05(水) 00:00:00

【CD購入録】
MIN KARUSELL EN SAMLING
LINDA BENGTZING「MIN KARUSELL -EN SAMLING」(2011)

元BURRN!、現METALLION誌の藤木さんのオススメでその存在を知り「INGENTING ATT FORLORA」(2006)を聴いて一気にファンになったスウェーデン人女性シンガーLINDA BENGTZINGのベスト/企画盤を買いました。購入前はオリジナル作品だと思い込んでいたので、既発アルバムからのベスト選曲が並ぶ序盤(①Hur Svart Kan Det Va~⑤Jag Ljuger Sa Bra)を聴いて焦りましたがアルバム未収録曲(⑥E Det Fel Pa Mej~⑩Karlekens Barn)も収録されていてホッとしました。それ以降はカラオケバージョンが4曲収められていて全14曲となっています。CDを買う時にはよく調べないといけませんね、反省…。6曲目以降の音源はLindaが他のアーティストとの共作名義でシングルとして発表したものがメインとなっているようで、僕の琴線に触れたのは強力なサビを持つ⑥ですね。どうやらこの曲にはデビュー作収録曲の一部にもクレジットされていたThomas G:son(G/MASQUERADE)がソングライターとして関与している模様。彼にはもっと活躍してもらいたいですね。過去2枚のアルバムを持っている僕にとっては純然たる新曲が5曲だけなので少し食い足りない気もしますが、その5曲はどれも楽しめました。Lindaの作品群を一通りチェックしてみた現時点での印象としては出会いのインパクトも含めてデビュー作が一番のお気に入りで、その後に2nd「VILD & GALEN」(2008)と本作がほぼ同率で続くという感じでしょうか。

【CD購入録】LINDA BENGTZING「VILD & GALEN」(2008)

  • 2012/09/03(月) 00:00:00

【CD購入録】
VILD  GALEN
LINDA BENGTZING「VILD & GALEN」(2008)

極上の北欧ハードポップが詰まった1stアルバム「INGENTING ATT FORLORA」(2006)が素晴らしかったスウェーデンの女性シンガーLINDA BENGTZINGの2作目を買いました。今回も前作と同じく3分台とコンパクトでありながら耳に残る楽曲が目白押しなので安心して聴ける1枚だと思います。基本線は前作と同じでありながら、美しいメロディを紡いでいくしっとり系バラード④Idag,Imorgen & Igar、それとは対照的に情熱的なサウンドで迫って来るタイトルトラック⑦Vild & Galenなど、楽曲のレパートリーが少し広がったようにも感じますが作品トータルで見ると前作に軍配が上がるかな。とはいえ本作も長く愛聴していくアルバムになりそうな予感がしています。

【CD購入録】LINDA BENGTZING「INGENTING ATT FORLORA」(2006)

  • 2012/08/31(金) 00:00:00

【CD購入録】
INGENTING ATT FORLORA
LINDA BENGTZING「INGENTING ATT FORLORA」(2006)

HR/HMを聴き始めた頃から、どんなバンドを聴くかを考える際に大いに参考にさせてもらっていた藤木さんがBURRN!編集部を離れるというニュースは2012年上半期の中でも大きな出来事でした。それがきっかけで過去に藤木さんがお薦めされていたアルバムの中で未聴のものを振り返ってみた時に思い出したスウェーデンの女性シンガーLINDA BENGTZING(カタカナ表記はリンダ・ベンツィング?)の1stアルバムを買いました。レビューの中で藤木さんが書かれていた通りERIKA、TONE NORUMタイプの北欧ハードポップでとにかく曲が良いですね。煌びやかなシンセから始まる①Ingenting Att Forlolaで幕を開けて以降、キャッチーソングから哀愁のバラードまで粒揃いの楽曲がズラリ。とにかくポップで耳に残る②Jug Ljuger Sa Bra、⑥Alla Flickor、⑦Han Ar Min、⑩Diamanter、哀メロ系では④Himlen Ar Du、⑨Vad Hande Sen、⑫Nu Kommer Jag Tillbaksなどが特に気に入っています。曲名からわかるように歌詞は英語ではなく全編スウェーデン語なので歌の内容は全くわかりませんが、それを補って余りある優れたメロディが満載です。Lindaも魅力的な声の持ち主なので何度でも聴きたくなりますね。どうやら彼女はこれまでに3枚のアルバムを発表しているようなので、他の2枚も是非チェックしたいと思います。ちなみに一見HR/HMとは無関係そうな本作ですがJonas Reingold(B/THE FLOWER KINGS、MIDNIGHT SUN etc)、Thomas Gson(G/MASQUERADE)が一部の曲に参加していたり、Lindaがジャケット写真で着ている服にはIRON MAIDENKISSがプリントされていたりします。

【CD購入録】LIONVILLE「LIONVILLE」(2011)

  • 2012/02/06(月) 00:00:00

【CD購入録】
LIONVILLE.jpg
LIONVILLE「LIONVILLE」(2011)

イタリア人ギタリスト/シンガーStefano LionettiLars Safsund(Vo/WORK OF ART)、Alessandro Del Vecchio(Key/EDGE OF FOREVER、EDEN'S CURSE)、Pierpaolo Monti(Ds/SHINING LINE)らと結成したメロディックロック/AORプロジェクトLIONVILLEの1stアルバムを買いました。ちなみにドラマーのPierpaoloは先日購入したSHINING LINEの中心人物で、両プロジェクトはAVENUES OF ALLISなるレーベルに所属しています。SHINING LINEは1曲毎にゲストシンガーを迎えていましたがLIONVILLEはLarsがメインボーカルで一部Stefanoも歌いつつ、バックボーカルでErik Martensson(Vo/ECLIPSE)⑦No End In SightSven Larsson(G/STREET TALK)、一部の作曲とギターソロでTommy Denander(G/RADIOACTIVE etc)といった面々が参加しています。音楽性はというとSHINING LINEやLarsのメインバンドWORK OF ARTよりもメロウでソフトな印象でハードなギターが聴ける場面は皆無に等しく、あくまでも美しいメロディを楽しむための1枚だと思います。現在のお気に入りは伸びやかなサビが爽やか極まりない②With You、Tommy Denanderとの共作でアルバムの中ではハードな部類に入るダイナミックチューン⑧The Chosen Oneです。外部ライターの曲を一部含んでいますが、大半の楽曲を手掛ける中心人物Stefano Lionettiの名前は覚えておきたいですね。

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「NINE LIVES」(2011)

  • 2011/12/15(木) 00:00:00

【CD購入録】
NINE LIVES
LAST AUTUMN'S DREAM「NINE LIVES」(2011)

今年も彼等の季節がやってきた!ということでLAST AUTUMN'S DREAMの9作目を買いました。Mikael Erlandsson(Vo)、Jamie Borger(Ds/TREAT)という2人のソングライターが生み出す楽曲の数々は確かなクオリティを備えているので、今回もメロディックロックファンならば聴いて損はない鉄板アルバムだと思います。①In A Perfect Worldの歌い出し数秒で楽曲を自分の色に染めてしまうMikaelは本当に稀有なシンガーだと思います。だからこそ⑧The Last To KnowJeff Scott Soto(Vo/TALISMAN)⑨Angel Eyesで女性シンガーJenny Redenkvistとデュエットしているのがさほど効果的でないと感じたりもしますが…。ちなみに⑧は6th「DREAMCATCHER」(2008)の10曲目と曲名が同じなのでバージョン違いかと思ったら同名異曲のようです。年に1枚というハイペースで作品をリリースしているLAST AUTUMN'S DREAMが腰を据えて作ったアルバムを聴いてみたい気もしますが、ここまで来たらデビューから10年続けて新作を届けてもらいたいですね。

LAST AUTUMN'S DREAM「YES」(2010)

  • 2011/02/26(土) 00:00:00

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【No.279】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第6位

2003年の結成当初は「天性のメロディメイカーにして絶品哀愁ボイスの持ち主Mikael Erlandsson(Vo)と元FAIR WARNINGの叙情派ギタリストAndy Malecekによる夢の共演」が目玉だったのが、2nd「Ⅱ」(2004)から加入したJamie Borger(Ds/TREAT、TALISMAN)がドラマーとして以上にコンポーザーとしての頭角を表してきて、今やこのバンドを形容する時に「MikaelとJamieのそれぞれが生み出す優れた楽曲にAndyのギターが乗る」といった具合にJamie抜きでは語れなくなってきたLAST AUTUMN'S DREAMの8thアルバム。メンバーMarcel Jacob(B)の自殺という悲劇を乗り越えて作り上げた前作「A TOUCH OF HEAVEN」(2009)はその悲しみを振り払うかのようにポップで明るい作風だったのに対して、今回は聴き手を包み込むような温もりと優しさに満ちた1枚となっています。これまでは切ない哀メロが冴えるナンバーから癒しの旋律、程よくポップセンスの効いた曲までMikaelのペンによる楽曲が大半を占める作品の中で、JamieによるTALISMANの雰囲気を漂わせるロックソングや爽やかな曲が良いアクセントとなっている印象でしたが本作では6曲がJamie、5曲がMikael作、2曲がカバーという構成で曲数的に見るとJamieがメインコンポーザーとなっています。

そしてMikaelが書く曲が減ったからといってアルバムのクオリティが下がるどころか、メロディの充実度が過去最高クラスとなっているのが本作の素晴らしいところ。ガツンと来るような圧巻のキラーチューンこそありませんが、本作の場合はどの曲も高水準であるために突出した1曲がないように感じる作品なんだと思います。MikaelのコーラスとTALISMAN風のリフから始まる①I've Fallen Into You、本作におけるハードポップ系のハイライト⑥To Be With You、終始楽しげなムードで曲が進行する⑧In This Thing Too DeepでJamieが持ち味を発揮すれば、Mikaelも負けじと②The Sound Of A Heartbreak、⑪Survivor、⑫I Forgive You(日本盤ボーナス)など彼にしか生み出し得ない哀愁ソングでMikaelワールドを展開。2人のソングライターによる楽曲が絡み合いながらお互いを高めあっているようにも思えますね。それだけでなく仄かな哀感の中に流れる優しく爽やかな旋律が身も心も癒してくれる名曲③Another Nightに代表されるように、JamieがMikaelのテイストを吸収した曲作りに成功している点も見逃せません。

ここまでMikaelとJamieによる楽曲の素晴らしさばかりに触れてきましたが、バンド結成当時からの大看板であるAndyのギターもしっかりと輝いています。中でも最大の見せ場はブルージーな味わいもある⑨Still Standin' Where Ya Left Meでのプレイでしょうか。恒例のカバー曲はMICHAEL BOLTON④Fool's GameJEFF PARIS⑩Kissin' Goodbye My Tearsの2曲を収録。デモテープに眠っていた曲をたまたまJamieが発見したことで陽の目を見たという後者が特に気に入っています。デビューから8年続けて1年に1枚というハイペースで作品をリリースしつつ、クオリティは並の同系統バンドの上をいくLAST AUTUMN'S DREAMの作曲能力には感服せずにはいられませんね。ただし気になる点もあります。それは作品を重ねるごとにMikaelの曲が減ってきている分をJamieがTALISMAN用のストックを使って補っていると見れなくもないということ。いくらLAST AUTUMN'S DREAMがライブをほとんどしないバンドで、名コンポーザーを擁しているとはいえ毎年フルアルバムを出し続けるのはキツくなってくるのではないかと個人的に心配しています。それにこのバンドがじっくり腰を据えて曲作りをしたら、どんな傑作が出来上がりのか聴いてみたいですしね。勿論本作には満足しているし、毎年安定した品質を誇るこのバンドの作品は冬の風物詩となっています。そんな大好きなバンドだからこそ1年に1枚という制約によって疲弊してしまう前に、その縛りから解放してあげて息の長い活動をしてもらいたいという気持ちもあるんですよね…(余計な心配かもしれませんが)。

【音源紹介】
・Another Night

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「YES」(2010)

  • 2010/12/16(木) 00:00:00

【CD購入録】
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LAST AUTUMN'S DREAM「YES」(2010)

僕のようなメロハーリスナーにとっては年中行事となっている感もあるLAST AUTUMN'S DREAMの新作(通算8枚目)を買いました。今回はJamie Borger(Ds/TREAT、TALISMAN)の作曲割合が全13曲中約半数にまで増していますが、これまで培ってきたLAST AUTUMN'S DREAMサウンドにはいささかの陰りもなく安心して聴ける1枚となっています。Jamieがもたらしたであろう①I've Fallen Into You等で仄かに感じられるTALISMANテイスト、甘く切ないMikael Erlandsson節とそこに絡むAndy Malecekによる叙情ギターなどの聴きどころが本作でも楽しめますね。目新しさはないものの、これぞLAST AUTUMN'S DREAMという作風なので期待通り2010年の年間ベスト候補に絡んできそうです。本作には④Fool's Game(MICHAEL BOLTON)、⑩Kissin' Goodbye My Tears(JEFF PARIS)という2曲のカバーが含まれていますが曲の頭数合わせという印象はなく、知らずに聴いたらバンドのオリジナルと思ってしまうほどハマっています。ちなみに⑥To Be With YouMR.BIGの曲ではなく、Jamie作のハードポップ佳曲です。

そういえば本作を買ったCDショップでMR.BIGの復活作「WHAT IF...」が流れていたので試聴してみました。最初は買う予定が全くなかったので流石に即購入とはいきませんでしたが、なかなか良い感じでした。

LAST AUTUMN'S DREAM「A TOUCH OF HEAVEN」(2009)

  • 2010/07/21(水) 00:00:00

A TOUCH OF HEAVEN
【No.247】
★★★★(2009)

TALISMANでもタッグを組むJamie Borger(Ds)と共に2ndアルバム「Ⅱ」(2004)から加入し、それまでMikael Erlandsson(Vo)Andy Malecek(G)を中心としたプロジェクトの色合いの濃かったLAST AUTUMN'S DREAMにバンドらしさと強力なグルーヴ感をもたらしたMarcel Jacob(B)が自殺してしまうという悲劇に見舞われながらも、後任にNalley Pahlsson(B/TREAT、VINDICTIV)を迎えて1年に1枚のペースを今回も崩すことなく新作をリリースしてくれたLAST AUTUMN'S DREAMの7作目。まずは大きな悲しみを乗り越えてアルバムを届けてくれたバンドに感謝の意を表したいですね。ジャケットに描かれている4枚の枯葉はLAST AUTUMN'S DREAMの4人のメンバーを、その中で天使が手にしている1枚の葉はMarcel Jacobを象徴していて、彼が今は天使と共にいるということを表しているそうです…(涙)。

Marcelの肉声とベースソロをフィーチュアしたイントロ①Heaven And Earth ‐ A Requiem To Marcel Jacobで始まる本作は哀悼ムードいっぱいの作風になるのかと思いきや、中身はその逆でLAST AUTUMN'S DREAMにしてはポップで爽快な1枚だと思います。元々TALISMAN用のマテリアルだったという②Caught In Between、哀メロの中にもポジティブムードが漂う③Top Of The World(練られた構成のギターソロもグッド)と続くアルバム冒頭や⑤Come Rain Or Shine、⑦Last Mistake、⑩What's On Your Mind、⑬Running On Like Waterなどアップテンポの楽曲が多いですね。また3曲収録されているカバーソングもSIX FEET UNDER④Candle In The Darkこそミディアムバラード調ながら、1973年に英国チャート1位に輝いたWIZZARDのご機嫌ロック⑧See My Baby JiveHAREM SCAREMもカバーしたCHEAP TRICKを代表するポップチューン⑫Surrenderの2曲が本作の明るいイメージに拍車をかけています。といってもMikaelの掠れ気味の哀愁ボイスによって各曲とも並々ならぬ哀感が備わっているわけですが。ちなみに⑫では「Daddy's Alright,Mommy's Alright~♪」というサビをエンディングのコーラスで「Jamie's Alright, Nalley's Alright, Mikael's Alright, Andy's Alright~♪」と歌詞を変えて歌っているのは「Marcelの死を乗り越えていくから大丈夫だよ」というメンバー4人からファンへのメッセージなのかな。粒の揃った楽曲が並んでいるものの、このバンド特有の泣き/哀愁という面では物足りないかなと感じていた僕を涙させてくれるのがMikaelの絶唱に聴き入ってしまうバラード⑭Jenny's Eyesで、ここまでの13曲で抑えていた泣きの旋律をこの1曲に注ぎ込んだかのような哀感に胸が締め付けられる名曲ですね。

なお、これまではメンバーの中でただ一人ドイツに住んでいるAndyとスウェーデンに住む他のメンバーが顔を合わせることなくギターソロのデータファイルを送る形でレコーディングが進められていたようですが、今回はAndyがスウェーデンに赴きメンバー同士が顔を合わせてレコーディングが行われたようです。前作ではAndyが前歯を骨折してしまうというアクシデントに見舞われたため収録曲の半分くらいにしか参加していなかったので、このままAndyはフェイドアウトしてしまうのかと不安になりましたが、どうやら大丈夫そうですね(とはいえ本作でもリズムギターの全てはPeter Soderstromというギタリストが弾いているようです…)。カバーが3曲もあり、Jamie作とはいえTALISMAN用の曲だった②やJeff Scott Soto(Vo/TALISMAN)のソロアルバム「ESSENTIAL BALLADS」収録曲のリメイク⑦(Jeffもバックボーカルで参加)が収録されるなどオリジナル曲の割合は過去の作品群の中で最も低いですが、どの曲も強烈な個性で自分達の色に染め上げ、クオリティの高いアルバムに仕上げる辺りは流石ですね。

【音源紹介】
・Jenny's Eyes

【CD購入録】LAST AUTUMN'S DREAM「A TOUCH OF HEAVEN」(2009)

  • 2009/12/17(木) 00:00:00

【CD購入録】
TOUCH OF HEAVEN
LAST AUTUMN'S DREAM「A TOUCH OF HEAVEN」(2009)

Marcel Jacob(R.I.P)の後任にNalle Pahlsson(B/TREAT、VINDICTIV etc)を迎えたLAST AUTUMN'S DREAMの7作目を買いました。まずはメンバーの自殺という悲しみを乗り越えて今年もこうしてアルバムを届けてくれたバンドに拍手を送りたいです。このところ当ブログではこのバンドを集中的に取り上げていて、僕のLAST AUTUMN'S DREAM熱が高まっているので冷静な判断ができていないかもしれませんが、本作も期待にきっちり応えてくれる好盤だと思います。冒頭のイントロ①Heaven and EarthにはMarcelのベースソロと肉声をフィーチュアしていますが、Mikael Erlandsson(Vo)がBURRN!誌のインタビューで語っていたように追悼ムードを作品全体に引きずることはなく、バンドの持ち味である哀愁のメロディアスハードサウンドで貫かれています。現在のキラーチューンはエンディングを飾る⑭Jenny's Eyeですね。LAST AUTUMN'S DREAMの名曲といえばAgain And Again、After Tomorrow's Gone、My Alibiなどアップテンポが多かったように思いますが、この曲はバンド史上最高のバラードかもしれないと思えるほど気に入っています。こうしてLAST AUTUMN'S DREAMの新作を聴いていると、冬だなぁとしみじみ感じますね。

LAST AUTUMN'S DREAM「DREAMCATCHER」(2008)

  • 2009/12/15(火) 00:00:00

DREAMCATCHER
【No.208】
★★★★(2008)
年間ベスト2008年第9位

毎年11月~12月にアルバムを発表している秋/冬の風物詩的バンドLAST AUTUMN'S DREAMの6thアルバム。デビュー作からずっと聴き続けている経験から、このバンドにハズレはないと思っていましたが今回も独特のハスキーボイスが哀愁を増幅させるシンガーMikael Erlandsson(Vo)と、もはや元FAIR WARNINGの肩書きは不要と思えるほどこのバンドに定着したAndy Malecek(G)の2枚看板に加えて、Marcel Jacob(B)とJamie Borger(Ds)というTALISMAN組がリズムを支えるというバンドの旨味をきっちりと聴かせてくれるので過去の作品が気に入ったならば、押さえておいて間違いないアルバムです。

タイトル通りLAST AUTUMN'S DREAMの音世界へと導いてくれる序曲①Welcome...から、いかにもこのバンドらしい哀愁のハードロック②One By Oneへと雪崩れ込み、間髪入れずに③Hold On To My Heart、④Frozen Flowerと畳み掛け、Mikaelの1stソロ作「THE 1」にも通じる泣きメロ全開な⑤Silent Dreamまでのアルバム序盤の充実振りは見事というほかありません。ラップ調のボーカルアプローチを取り入れたアップテンポ⑥Alarmやポップなメロディが光る⑬Me & Youといった明るい楽曲もあるものの、本作制作前にMikaelが離婚を経験するという辛い出来事があったせいか、このバンドにしてはストレートなハードロック路線だった前作以上に「メロウ」な印象が強いです。そして特筆すべきはJamieがソングライティング面で大きく貢献している点。本作の中でも僕の2大フェイバリットソングである③と歌謡曲風の切ないメロディが味わえる⑩The Last To Knowは両方ともJamieの作曲です。メロディの充実度は傑作4th「SATURN SKYLINE」に迫るものがあるだけに曲間のインターバルをやたらと詰めたり、曲のエンディングを強引にフェイドアウトさせたりするのではなく1曲毎の余韻に浸りたかったいような気もしますが…。

本作はレコーディング直前にAndyが前歯を数本折る怪我をしてしまったため、一部の楽曲ではゲストギタリストが参加していると聞いて、作品に影響が出るのではと思っていましたがMartin Krolund、Sayit Dolenというゲストギタリスト2人の踏ん張りもあり、僕はそれほど気になりませんでした。本作の中で一番の名演だと思った⑭When My Love Left Your Heartのギターソロなんて、最初はてっきりAndyが弾いてると思ったら、ライナーノーツにゲストギタリストMartinの演奏だと書いてあってビックリ。このバンドのインタビュー記事を読むと作品を重ねる毎にAndyと他のメンバーの間に距離が生まれているのが少し気になりますね。…と思っていたところにMarcel Jacobが自ら命を絶ってしまうという悲しいニュースが入ってきました。特にライブでこのバンドの大きな魅力だった彼の後任にNalle Pahlsson(B/TREAT、VINDICTIV etc)を迎えた7th「A TOUCH OF HEAVEN」が2009年12月16日にリリースされます。悲しみを乗り越えて作品をリリースしてくれたバンドを応援する意味でも即ゲットする予定です。

【音源紹介】
・When My Love Has Left Your Heart

LAST AUTUMN'S DREAM「LIVE IN GERMANY」(2008)

  • 2009/12/12(土) 00:00:00

LIVE IN GERMANY
【No.207】
★★★★(2008)

僕の中で叙情派メロディックロックの雄としての地位をすっかり確立したLAST AUTUMN'S DREAM初のライブアルバム。本作は4th「SATURN SKYLINE」(2006)発表後に実現した2007年6月の初来日公演を経て、同年9月にドイツで開催されたメロディックロック・フェスティヴァル「UNITED FORCES OF ROCK Ⅲ」に出演した際の音源なのですが、このバンドの場合は1年に1枚というハイペースで作品をリリースし続けているため、このライブ盤が発売されたのは次のアルバム「HUNTING SHADOWS」(2007)よりも後となっています(笑)。

LAST AUTUMN'S DREAMのライブについては4thでバンドらしさがグンと増したものの、アルバムではベーシストMarcel Jacobがリズムギターのほぼ全編を弾き、Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)はソロのみをプレイしていたのでスタジオバンド的なイメージが拭いきれなかったのと、Mikael Erlandsson(Vo)のような掠れ声が魅力のシンガーはライブだと荒さが目立つのではないかという点が気になっていました。ところが、ミュージシャンとして熟練の域にあるメンバーが揃うこのバンドにそんな心配は無用だったみたいです。まず演奏面についてはAndyのソロの素晴らしさは言わずもがなリズムギターに関してもMarcel以上にワイルドな印象だし、ライブでその真価を発揮するリズム隊、特にMarcel独特のベースラインに耳が釘づけです。スタジオ盤では綺麗にまとまったメロディックロックだったのが、ライブではハードロックバンドとしての適度な重さやエッヂの鋭さが加味されていて一層魅力的なんですよね。そしてMikaelのボーカルも彼特有の哀愁を湛えた声質はそのままに、良い意味でラフになっていながらも肝心のメロディはしっかりと歌ってくれています。

そんなLAST AUTUMN'S DREAMがライブバンドであること確認できる充実作ではあるのは事実ながら気になる点もチラホラ…。まずはMikael自身もインタビューで語っていたそうですが、当日のライブでエア・マイクを立てられなかったためにオーディエンスの歓声がほとんど聞こえないということ。オープニングの①For The Young And The Wildのサビの後にスタジオ盤なら入ってくるはずの「オーオオー♪」というコーラスがない(バンドメンバーのバックコーラスもありません)とやはり寂しいし、⑦Rock'N'Roll Is Saving My Soulは会場全体が大合唱している歌声がもう少し聞こえればもっと感動的だったのに…。そして更に痛いのはライブがたった8曲(セットリストは4th中心)+スタジオ新曲2曲という収録曲の少なさ。各曲は本当に素晴らしいだけに最低でも10曲、もっと言えば2枚組で聴きたいぐらいです。などと不満点を挙げつつも、バンドのデビュー作1曲目にしてライブのエンディングを飾る名曲⑧Again And Againの哀メロを聴いていると楽曲、ライブパフォーマンスの両方が素晴らしいと実感できると同時に1995年から応援してきたMikaelが歌うライブ作品をこうして堪能できているんだと感慨深くなりますね。そして曲のラストでMikaelがJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)、Marcel Jacob、Mikael本人(日本表記のミカエルではなくマイケルと発音してますね)の順にメンバー紹介をしてから最後にAndy Malecekの名前をコールしてそのままギターソロに雪崩れ込むという演出は感動モノだし、もうこのラインナップは聴けないんだと思うとウルッと来てしまいました…。2曲収録されている新曲については、良いとは思いますがライブのインパクトが大きすぎるためオマケ感が強いです。

【音源紹介】
・Rock'N'Roll Is Saving My Soul(Live)

LAST AUTUMN'S DREAM「HUNTING SHADOWS」(2007)

  • 2009/12/10(木) 00:00:00

HUNTING SHADOWS
【No.206】
★★★(2007)

ベストアルバム発表、待望の初来日公演など2007年にバンドとしての活動が一気に活発化してきたLAST AUTUMN'S DREAMの5thアルバム。これまでの作品で築き上げてきたLAST AUTUMN'S DREAMブランドとも言える高品質で哀愁たっぷりのメロディアス・ハードロックを軸に、本作はMikael Erlandsson(Vo)のソロ作に収録されてそうな楽曲あり、BON JOVIJOURNEY風のアメリカンなナンバーあり、80年代ハードロックの香りを感じさせるものありと楽曲の幅を広げてきたように感じます。

全体的に見ると哀愁のメロハー色はこれまでと比べて控えめに感じられるものの、Mikaelのソロ作に通じる哀愁ソング②Rainbow Sky、⑤Lost In Moscowや日本に向けて書かれた⑪Overnight Sensationはかなり強力。そんな哀メロナンバーの中でもMikaelソロ時代の名曲It’s Alrightに通じるクサいメロディに乗って泣きまくるAndy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)のギターが胸を締め付けてくれる③My Alibiは、LAST AUTUMN'S DREAMの魅力を凝縮させたかのようなキラーチューンですね。そして今や、このバンドの中でMikaelに次ぐ重要ソングライターとなった感のあるJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)も3曲を提供していて、JOURNEY風バラードの④I’m Not Supposed To Love You Anymoreと爽やかロックチューン⑨Save Our Loveは結構リピートしています。

ライブを経験したことが影響してか、これまでよりもシンプルでオーソドックスなハードロックに近づいた結果、タフなリズム隊が強調されているように思えるのも嬉しいポイント。アルバムを通してダレることなく、すんなり聴き通せるアルバムを連発してくれる辺りはベテランミュージシャン集団のなせる業といえそうですね。あとはMikaelとJamieばかりが曲を書くのではなくて、AndyやMarcel Jacob(B/TALISMAN etc)による曲も聴いてみたいなと思っていたのですが、Marcelに関してはその願いは叶わなくなってしまいました…

【音源紹介】
・My Alibi

LAST AUTUMN'S DREAM「SATURN SKYLINE」(2006)

  • 2009/12/07(月) 00:00:00

SATURN SKYLINE
【No.205】
★★★★(2006)
年間ベスト2006年第7位

2003年にデビューしてからというもの、1年に1枚のペースで上質のアルバムをリリースし続けてくれているLAST AUTUMN'S DREAMの4作目。前作でバンドとしての体勢が整った感があったので、今後に期待していた僕の予想以上に粒の揃った楽曲と安定感抜群の演奏が楽しめる作品となっています。哀愁に満ちた湿り気たっぷりのメロディをMikael Erlandsson(Vo)のハスキーボイスが歌い上げ、Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)のギターがギラリと輝くというバンドの明確な強みはそのままに、TALISMANでもタッグを組むMarcel Jacob(B)Jamie Borger(Ds)によるリズム隊も気持ちいいグルーヴ感をもたらしてくれていますね。

そんなバンドの一体感を象徴するのがTALISMAN風の躍動感あるリズムの中で哀メロが響く②After Tomorrow’s Gone(Jamieが作曲)です。この曲の持ち味である「うねり」はTALISMANのボトムを支えるMaecelとJamieならではのものでしょう。その後も②の勢いを引き継ぎ更に加速する③Pages、ややゴスペルっぽいバラード④Rock’N’Roll Is Saving My Soul、いかにもMikaelらしい哀愁に満ちたコーラスが堪らない⑦Supersonic、曲調とAndyのギターが見事にマッチしたロマンティックバラード⑦Frozen Heart、それとは対照的にポップさが弾ける⑨American Girl、後半のハイライトとなる哀メロチューン⑩Dominoなどなど素晴らしい楽曲が揃っています。過去の作品に少なからずあった印象の薄い曲がなくなりましたね。QUEENっぽいコーラスワークで始まる本編ラストのバラード⑪Still On The Runも好きですが、日本のバンドBEAGLE HATが本作のために書き下ろした⑫Skyscraperの繊細なメロディが秀逸で聴後感もかなり良いです。

作品を重ねるごとに着実に成長を続けるこのバンドは、本作でメロディックロックというジャンルの中でも僕にとって重要バンドのひとつとなりました。これまでのアルバムには必ず収録されていたMikaelのソロ作やFAIR WARNINGのカバーもなくなり、バンドの楽曲で勝負した上で見事なアルバムを作り上げた彼らに拍手を送りたいですね。再結成したFAIR WARNINGのアルバムが霞んでしまうほどの充実作にしてバンドの最高傑作。

【音源紹介】
・Pages

【CD購入録】LEVERAGE「CIRCUS COLOSSUS」(2009)

  • 2009/12/06(日) 00:00:00

【CD購入録】
CIRCUS COLOSSUS
LEVERAGE「CIRCUS COLOSSUS」(2009)

メタル大国フィンランドのバンド勢においても、その超オーソドックスなメロディックメタル/ロックタイプの音楽性が逆に他のバンドとの差別化になっているように感じられるLEVERAGEの3rdアルバムを買いました。過去2作は地味だとは思いつつも、Pekka Heino(Vo)の円熟味あるボーカルと演奏陣の安定したプレイが楽しめたアルバムでしたが今回もその延長線上にある1枚といえそうです。即効性が高いとは言えないこのバンドですが、今回は映画音楽のようなスケールの大きいイントロ①Riseを冒頭に持ってきていたり、PRAYING MANTISの名曲Letting Goを彷彿とさせるサビメロと終盤のドラマティックな展開が堪らないアップテンポ⑩Broken Wingsを収録していたりと、第一印象はLEVERAGE史上最高かもしれません。リピートするうちにジワジワはまっていくバンドなので、聴き込むにつれて本作がどこまでのお気に入り作品になるのか楽しみですね。

LAST AUTUMN'S DREAM「WINTER IN PARADISE」(2005)

  • 2009/12/04(金) 00:00:00

WINTER IN PARADISE
【No.204】
★★★★(2005)

スウェーデンを拠点とする哀愁のメロディアス・ハードロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMの3rdアルバム。前作「Ⅱ」(2004)は楽曲のフックや音質面でやや弱いかなと感じられただけに少し心配していましたが、今回はバンドの集大成と言っても過言ではないアルバムを届けてくれました。メンバーはThomas Lassar(Key/CRYSTAL BLUE)の代わりにMikael Erlandsson(Vo)がキーボードを兼任している以外は、前作と同じです。

しっとりしたピアノイントロからAndy Malecek(G)の叙情ギターへと繋がる開始10数秒で僕の心を鷲掴みにしてくれる①Love To Go、前作からドラマーの座についたJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)作曲のメロディック・ポップロック②Don't Let Our Love Go Down、ゆったりした哀愁のメロディが心地よい③The Way You Smile、そしてMikaelソロ時代の傑作「THE 1」に収録されていたハイライトナンバーのリメイク④It’s Alrightと続く序盤を聴いて前作で感じた物足りなさは吹き飛んでしまいました。④はオリジナル以上にハードロック色を前に出したアップテンポのリズムで曲が進行していくため好みが分かれるかもしれませんが、僕はこちらの方が好きですね。また本作を過去のアルバム以上に気に入っている理由として、コーラスの重ね方や楽曲が醸し 出す雰囲気がMikaelのソロ作に近いという点が挙げられます。これは過去の作品で多くの曲を書いていたRick Brightmanの出番が減り、Mikaelの作曲への関与が大きくなってきたせいかも。

それにしてもAndy Malecekというギタリストは僕の琴線に触れるトーンでギターを演奏してくれるなぁと再確認。FAIR WARNING時代にもLong Gone、Burning Heart、All On Your Ownなどで絶品のソロを聴かせてくれていましたが、スカイギターを操るHelge Engelke(G/FAIR WARNING)のサポート役という印象が拭いきれませんでした。そんな彼がLAST AUTUMN'S DREAMでリードギタリストとなるや、①や③を始めとする曲で響かせる極上の音色、楽曲本来の泣きを最大限に引き出す④のギターソロ、バラード⑩If You’re The Oneにおけるフレージングなど見せ場を次から次へと生み出してくれているのが頼もしい限り。またAndyのギターとMikaelの歌声の相性が最高なんですよね。

【音源紹介】
・Love To Go

LAST AUTUMN'S DREAM「Ⅱ」(2004)

  • 2009/12/01(火) 00:00:00

Ⅱ
【No.203】
★★(2004)

素晴らしい組み合わせだと思いつつも、一回限りのプロジェクトっぽくもあったMikael Erlandsson(Vo)Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)を中心とするメロディックロックバンドLAST AUTUMN'S DREAMが約1年という短いスパンでリリースした2ndアルバム。前作に参加していたEUROPE組に代わってMarcel Jacob(B)Jamie Borger(Ds)というTALISMAN組がバックを支え、前作でも楽曲を提供していたThomas Lassar(Key/CRYSTAL BLUE)が正式メンバーとしてクレジットされています。方向性としては前作同様の哀愁メロハー路線でありつつ、疾走系の割合がやや増えたという感じです。

そんな印象はオープニングトラックにして日本盤ボーナスの①Fire With Fire④Runningといった楽曲で顕著となっています。そういえば同年リリースのDREAM EVILの3rdもそうだったけど、この当時は日本盤ボーナスを敢えて1曲目に持ってくるというのが流行っていたのかな。スピーディーな楽曲が増えたのはハードロックバンドとしては喜ぶべきことなのですが、このバンド最大の武器である哀愁のメロディという点では前作にやや及ばないかなぁというのが正直なところです。暖かみのあるメロディで聴き手を優しく包み込んでくれる②Up In Paradise、⑨So Much Love In The Worldなど、僕がこのバンドに求める楽曲もあるにはあるのですが前作のAgain And Againに匹敵するキラーチューンがないというのが少し残念。⑤(Always Be)You And Iのメロディとアコギが醸しだす雰囲気がEric ClaptonTears In Heavenしているのはご愛嬌ということで…。

本作で楽曲を一番多く手がけているのがMikael Eralndssonではなく前作でも曲を提供していたRick Brightmanというドイツ人ソングライターということもあり、まだバンドというよりはプロジェクト色が強いですね。他にも前作以上にハードロック然とした曲を収録していながら、サウンドプロダクションがデビュー作よりも軽めだったり、恒例のリメイク曲に今回はMikaelの哀愁ボイスとはミスマッチな感が否めないFAIR WARNINGの中でもハードな⑥Heat Of Emotionをチョイスしていたりとチグハグな印象が目立つのも気になります。勿論、1枚の作品としてみれば魅力的なメロディも多いのは確かなんですが、このバンドに対する期待からすると少し物足りなさが残ってしまうんですよね。

【音源紹介】
・Brand New Life

LAST AUTUMN'S DREAM「LAST AUTUMN'S DREAM」(2003)

  • 2009/11/29(日) 00:00:00

LAST AUTUMNS DREAM
【No.202】
★★★(2003)

レコード会社の紹介で北欧屈指のメロディメイカーMikael Eralndsson(Vo)と泣きのギターの名手Andy Malecek(G/ex-FAIR WARNING)がタッグを組み、そのバックをMic Michaeli(Key)、John Leven(B)、Ian Haugland(Ds)というEUROPEのメンバーサポートするという夢のようなバンド(この当時はプロジェクトという印象が強かったですが)LAST AUTUMN'S DREAMのデビュー作。全体的にFAIR WARNING色は薄くて、Mikaelの作品にAndyが参加したかのようなこのアルバムはMikaelの前作ソロ「THE GIFT」にハードロックらしいエッヂが加わったような作風となっています。

楽曲の方はというと、この2人の名前から期待する「叙情メロディ満載でキャッチーな楽曲にエモーショナルなギター絡む」というスタイルそのものズバリな①Again And Againがいきなり炸裂する申し分のないスタートを切ります。ただMikaelが曲作りに関与せず外部ソングライターが提供した楽曲も多いためか、予想していたほど強力な哀メロの畳み掛けはなく中盤から後半にかけては少し弱いかなと思う部分があるのも事実。とはいってもこれはMikael Erlandssonというソングライターの過去作品と比べての話であって、本作も並みのメロディックロックバンドに比べると平均を軽く上回る仕上がりとなっています。お気に入り曲は前述の①、Andyのギターが大活躍する④Break The Chain(Of Destiny)、甘酸っぱいメロディが胸に滲みる⑩Movin' On、いかにもMikaelらしいバラード⑪Going Homeですね。

また、この2人が組むと聞いた時点で期待せずにはいられなかったそれぞれのバンドのリメイク曲もしっかり収録されていて、FAIR WARNINGの②Pictures Of Love(2nd「RAINMAKER」収録)、Mikaelの⑦The One(1st「THE 1」収録)ともに出色の出来。FAIR WARNINGの中でも比較的ソフトでMikaelの哀愁ボイスとマッチする②はナイスチョイスだし、⑦は新たなアレンジを施したことでオリジナルを上回る出来栄えとなっています。余談ですが⑦は僕の結婚式でも使わせてもらいました。ソロ活動では補い切れなかった話題性を手にしたMikael、FAIR WARNINGではセカンドギタリストの座に甘んじていたものの、その実力を遺憾なく発揮できる場を得たAndyの両方にとって意味のあるプロジェクトであるだけでなく、メロディックロック系に明るい話題が少なかった2003年の目玉ともいえるニューバンドのアルバムとして愛聴していた作品です。

【音源紹介】
・Pictures Of Love