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【CD購入録】H.E.A.T「H.E.A.T II」(2020)

  • 2020/03/10(火) 00:00:00

【CD購入録】
HEATⅡ
H.E.A.T「H.E.A.T II」(2020)

3rd「ADDRESS THE NATION」(2012)に収録されたLiving On The Runを管理人が選ぶ2010年代のベストチューン20曲に選出したスウェーデン産メロディック・ロックバンドの雄H.E.A.Tの6th。ここ最近の彼等の音楽性は拡散傾向にあり第一印象は微妙ながら繰り返し聴いていると好きになっていくアルバムが多かったのに対して、本作は始めて聴いた時から心を掴まれましたね。「ロッキャ バ〜ディ、ロッキャ バ〜ディ♪」のサビが耳に残るロックアンセム①Rock Your Bodyはオープニングとして申し分ないし②Dangerous Ground、③Come Clean、④Victoryの3連発は実に強力。タイトル通りアドレナリンがドバドバ出そうなハードチューン⑥Adrenalineもカッコいいですね。先行で公開されていた②や③、⑦One By One、⑪Riseを聴いて高まった期待値を更に上回る充実盤です。気が早いかもしれませんが今年を代表するメロディック・ロックアルバムだと思います。

【CD購入録】HELLOWEEN「UNITED ALIVE IN MADRID」(2019)

  • 2019/10/31(木) 00:00:00

【CD購入録】
UNITED ALIVE IN MADRID
HELLOWEEN「UNITED ALIVE IN MADRID」(2019)

期間限定ではあるもののMichael Kiske(Vo)Kai Hansen(G、Vo)が復帰して7人体制となったHELLOWEENのPUMPKINS UNITED WORLD TOURの模様を収録した3枚組ライヴアルバム(Disc-3は4曲は入りボーナスディスク)。HELLOWEENは僕がHR/HMを聴くようになるきっかけを与えてくれた重要バンドのひとつなので、僕がHR/HMと出会った1995年時点で既に脱退していたKiskeとKaiが復帰すると知った時は本当に嬉しかったし驚きました。このライヴ作品の大きな特徴は夢のラインナップが実現したことは勿論ながら選曲の素晴らしさにもありますね。多くのファンが期待しているであろうキーパー時代の楽曲を軸にしながらKai、Kiske、Andi Deris(Vo)という各シンガー毎のシングル曲は幅広く収録されているし、メドレー形式ながらDisc-2②Livin’ Ain’t No Crimeのような珍しい曲あり、初めてライヴ盤に収録された超名曲Disc-2⑥Eagle Fly FreeありというセットリストはHELLOWEENの歴史を網羅していると言っても過言ではなく、これまでにバンドがリリースしたライヴ作品を闇に葬り去ってしまうほど充実した内容です。こうして見ると改めてHELLOWEENには名曲が多いことを再認識させられますね。バンドはこの7人編成でニューアルバムを制作することを発表しているので今から楽しみです。

【CD購入録】HARDCORE SUPERSTAR「YOU CAN'T KILL MY ROCK 'N' ROLL」(2018)

  • 2018/10/03(水) 00:00:00

【CD購入録】
YOU CANT KILL MY ROCK N ROLL
HARDCORE SUPERSTAR「YOU CAN'T KILL MY ROCK 'N' ROLL」(2018)

今年の11月には約7年振りとなる来日公演も決定しているHARDCORE SUPERSTARの10作目を買いました。まずはアルバムタイトルがいいですね。これだけで聴きたくなります。本作については昨年の段階でタイトルと2018年秋にリリース予定というニュースが届いていて、それ以降バンドは収録曲の半数にあたる6曲ものMVをアルバム発売に先駆けて公開するなど力が入っていました。実際に公開された①AD/HD、②Electric Rider、⑤You Can’t Kill My Rock N’ Roll、⑦Have Mercy On Me、⑨Baboon、⑩Bring The House Downはいずれも好感触だったので期待していましたが、これらの楽曲にはMVを制作するだけの魅力があったんだなというのが率直な感想です。それ以外の曲については「なぜこれがシングルカットされなかったの?」と思うものはないように思いますね。全体的にメタリックな質感は減退、そのかわりバンド初期にあった軽快なノリの良さが戻ってきている感じでしょうか。個人的にはここ最近のアルバムに物足りなさがあったので、今回の変化は嬉しいですね。

【CD購入録】HALESTORM「INTO THE WILD LIFE」(2015)

  • 2018/04/25(水) 00:00:00

【CD購入録】
INTO THE WILD LIFE
HALESTORM「INTO THE WILD LIFE」(2015)

これまでに発表した2枚のアルバムがどちらも優れた歌モノハードロック作品だったHALESTORMの3作目を買いました。前作「THE STRANGE CASE OF...」(2012)が素晴らしい出来だったので本作には期待をしていたのですがリリース当時の評判がいまひとつだったこと、2015年は聴きたいアルバムが他に沢山あったことなどから買うのが遅くなってしまいました。いざ聴いてみると確かに世間の(主に日本での?)評価がさほど高くないというのもわかる気がします。端的に言うならHR/HMらしさが減退し、一度聴いただけで口ずさめそうなメロディも少なくなっているので第一印象が弱く感じられます。過去2作品はキャッチーなサビから始まるIt's Not You、バンド屈指のハードチューンLove Bites(So Do I)といった即効性抜群の曲をオープニングに配していたのに対して、本作の①Screamはゆっくりとアルバムの幕開けを告げるタイプで従来とは違う要素を感じさせます。徐々に激しさを増していく②I Am The Fire、アルバム随一のアグレッションで攻め立てる⑦Mayhemなどもありますが、一聴して胸が空くようなナンバーは少ないのでどうしても地味に感じてしまいますね。といいつつリピートするうちにこれはこれでアリかもと思わせるのはLzzy Hale嬢(Vo)の歌唱力に依るところが大きいかな。ピアノ主体のバラード⑤Dear Daughter、印象的なギターメロディとナーナーコーラスが耳に残る⑨Gonna Get Mineから⑩The Reckoningに繋がる流れも気に入っています。HALESTORMを初めて聴く方には過去作品をオススメしたいですが、本作もスルメ盤的な魅力がありますね。

HALESTORM「THE STRANGE CASE OF...」(2012)

  • 2018/04/21(土) 00:00:00

STRANGE CASE OF
【No.512】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

2009年にバンド名を冠した1st「HALESTORM」でシーンに登場すると本国アメリカで好調なセールスを記録、翌年のLOUD PARK10出演のタイミングで日本デビューも果たしたハードロックバンドHALESTORMの2ndアルバム。デビュー作の時点で新人離れした完成度を誇っていましたが、今回は更に進化していて「化けた」と言っても過言ではないほどのパワーアップを遂げていますね。元々魅力的だったメロディはキャッチーさを増しているしハードに畳み掛ける曲からバラード、ポップチューン、ブルーズ風などバラエティにも富んでいます。そんな中でも突出しているのが前作にはなかったゴリゴリのハードチューン①Love Bites(So Do I)でしょう。バンドはこの曲で第55回グラミー賞の最優秀ハード・ロック/メタル・パフォーマンスを受賞しています。ちなみに2017年に1stアルバム「AWAKENING FROM ABYSS」をリリースした国産ガールズメタルLOVEBITESのバンド名はこの曲から来ているそうです。

そんな①でガツンとかました後も②Mz. Hyde、③I Miss The Misery、④Freak Like Meとパンチの効いたナンバーを立て続けに繰り出したかと思うと⑤Beautiful With Youからは一転してバラード3連発。前作でもバラードを中盤に2曲続けていましたが今回もメジャー感たっぷりの⑤、曲が進むに連れて盛り上がっていく⑥In Your Room、ピアノでしっとり聴かせる⑦Break Inと各曲のキャラが立っていて飽きさせません。後半もリズミカルな曲調にライヴの楽しさを歌った歌詞が乗る⑧Rock Show、「ナ〜ナ、ナナナ」の力強いコーラスで始まる⑨Daughters Of Darkness、ダーティな歌い回しがカッコいい⑩You Call Me A Bitch Like It's A Bad Thing、土臭い古き良きロックサウンド風に始まりシンガロングを誘うコーラスへ繋がる⑪American Boysときてラストを牧歌的なバラード⑫Here's To Usで本編を締めくくる構成もいいですね。

また僕が持っている国内盤にはボーナストラックとしてバンドが2011年に発表した6曲入りカバーEP「ReAniMate: The CoVeRs eP」からSKID ROW、LADY GAGA、TEMPLE OF THE DOG、HEART、THE BEATLESのカバー5曲を聴くことができます(何故かGUNS N'ROSESOut Ta Get Meだけ未収録)。どの曲もHALESTORMらしい仕上がりとなっていますが、やはり⑬Slave To The Grindが秀逸ですね。ボートラも含めると全17曲と収録曲数は多めながらダレることがないのも好印象。そして特筆すべきはLzzy Hale(Vo)の存在感抜群の歌声で、彼女のボーカルパフォーマンスが作品の格を一段も二段も上げていることは間違いありません。②ではジキル博士とハイド氏を意識した曲名にあるような二面性をボーカルで表現しているほか、吐き捨て系の歌い方を披露したかと思えば、メロウな曲では一転して可憐な表情を見せたりと多彩。Lzzyは現代の女性ロックシンガーの中でも屈指の存在ですね。アルバムトータルで見ても僕にとってはNICKELBACK「THE DARK HORSE」(2008)、SHINEDOWN「THE SOUND OF MADNESS」(2008)と肩を並べるアメリカン・ハードロックの名盤です。

【音源紹介】
Love Bites(So Do I)

HALESTORM「HALESTORM」(2009)

  • 2018/03/28(水) 00:00:00

HALESTORM.jpg
【No.511】
★★★(2010)

アメリカはペンシルバニア州出身の4人組ハードロックバンドHALESTORMのデビューアルバム。バンドの歴史は意外と長く紅一点のLzzy Hale(Vo、G)Arejay Hale(Ds)のHale姉弟によって90年代後半に結成、当初は2人の父親がベースをプレイするなどしていたようですが、本作のラインナップが固まった2004年から2018年現在に至るまでメンバーチェンジはありません。複数のアルバムを発表していて結成時からメンバーが不変のHR/HM系バンドは結構珍しいですね。安定しているのはラインナップだけではなく作風も同じで超大手レーベルATLANTICからデビュー、プロデューサーはDAUGHTRY、FOOBASTANK、MY CHEMICAL ROMANCEなどを手掛けたHoward Bensonという前評判通りメジャー感バリバリのアメリカン・ハードロックに仕上がっています。

デビュー作とは思えないほどの風格が漂う本作ですが、それをより盤石なものにしているのがフロントウーマンLzzy Haleの歌唱です。女性でありながらAxel Rose(Vo/GUNS N' ROSES)、Sebastian Bach(Vo/ex-SKID ROW)が引き合いに出されることもある彼女の歌声は骨太かつパワフルで聴き応えがありますね。楽曲面も充実していて開始数秒で心を掴まれるキャッチーソング①It's Not You、力強さを前に出した②I Get Offへと続くシングル2曲を冒頭に配した構成は文句なし。③Bet U Wish U Had Me BackはDAUGHTRYを彷彿とさせる大らかなナンバーで、僕にとってはこういう曲こそ典型的アメリカン・ハードロックというイメージが強いですね。中盤は効果的なストリングスが曲を盛り上げるバラード⑤Familiar Taste Of Poison、前曲と同系統ながら歌とメロディの魅力で楽しませてくれる⑥I'm Not An Angelでスローダウンしておいて「ヘイ!ヘイ!」というコーラスをフィーチュアした⑦What Were You Expecting?で再びテンションが上がります。

Lzzyのボーカルパフォーマンスに注目してしまいがちですがバックを支える演奏陣も適度にヘヴィ、それでいて安定感があるので総合的に見ても歌モノハードロックの充実盤だと思います。ほぼ全曲が3分台、アルバム1枚で約37分とコンパクトに纏まっているのも好印象。贅沢を言えば、一度聴いただけで口ずさめそうなサビが印象的な⑩Dirty Workクラスの曲が後半にあと2〜3曲欲しかった気もしますが。2009年にリリースされた本作は全米で50万枚のセールスを記録、アメリカで話題の新人ロックバンドとして紹介されているCDショップの試聴コーナーが僕とHALESTORMの出会いでした。興味半分で試聴したその場でCDをレジに持っていってしまうほどのインパクトがありましたね。僕が持っているのは11曲入りの輸入盤ですがバンドがLOUD PARK10に出演直後のタイミングでライヴ音源2曲を追加した国内盤が発売されています。

【音源紹介】
It's Not You

HAMMERFALL「GLORY TO THE BRAVE」(1997)

  • 2017/12/16(土) 00:00:00

GLORY TO THE BRAVE
【No.505】
★★★(1997)

正統派メタルが不遇の時代を迎えていた90年代後半(1997年)に突如現れ、「ピュアメタルの救世主」として注目を集めたスウェーデン産メタルバンドHAMMERFALLのデビュー作。発売当時はJesper Stromblad(G/IN FLAMES)、Mikael Stanne(Vo/DARK TRANQUILLITY)がかつて在籍していたバンドとして話題になっていた記憶があります。僕自身、IN FLAMESの熱心なファンというわけではありませんが名ソングライターとして名高いJesperが書くメロデス以外の曲を聴いてみたいというのが本作の購入動機のでした(ちなみにJesper、Mikaelの両名ともアルバムリリース時は既に脱退)。また1995年からHR/HMを聴くようになった僕としては鋲付きレザージャケットに身を包み、外見や曲名からして「いかにもヘヴィメタル」なバンドは逆に新鮮で興味をそそられたというのもありますね。中心人物Oscar Dronjak(G)がその細身に鎧風のコスチュームを纏った姿はいろんな意味でインパクトがありました(笑)。

HAMMERFALLの強みは正統派メタルを基盤としつつジャーマンメタル風のわかりやすいメロディを持ち、北欧ならではの哀愁を湛えているという点だと思います。個人的にはヘヴィメタルの王道ど真ん中よりはメロディックパワーメタルの方が好きなのでこの音楽性は歓迎です。オープニングを飾る①The Dragon Lies Bleedingは特にジャーマンテイストが強く、一度聴いたら耳から離れないサビメロの威力は抜群だしエンディングでしつこいほどにサビを繰り返す構成もいいですね。曲名にMetalという単語が使われるのは珍しいなと当時思った②Metal Age、「ハァ〜ンマ、フォ〜」のコーラスが印象的なバンドのテーマソング③HammerFallときて、哀愁のバラード④I Believeと繋がる流れも絶妙(僕の中でメタルアルバム4曲目はバラードが定石というイメージがあります)。後半も⑤Child Of The Damned、⑥Steel Meets Steel、⑧Unchainedといった疾走感のあるメタルチューン(⑤はWARLORDのカバー)を軸にイントロのギターメロディと漢臭いコーラスがいかにもヘヴィメタルなミドル⑦Stone Cold、そして作品を荘厳に締めくくる悲哀に満ちたバラード⑨Glory To The Braveがハイライトとなっています。歌詞の内容的には鎮魂歌と呼ぶに相応しい⑨は90年代のメタルバラードを代表する1曲と言えるのではないでしょうか。

というわけで楽曲面は結構充実しているし疾走曲①、バラード⑨という「動」と「静」の両方でキラーチューンが存在しているのは大きいですね。ただし本作が大好きなアルバムだったかというと、そうでもないというのが正直なところです。その理由としてはJoacim Cans(Vo)による線の細い歌声と演奏面での魅力不足の2点が挙げられます。Joacimに関してはバラードではなかなか味のある歌唱を聴かせてくれるものの、ヘヴィメタルを歌うにはもっと力強さが欲しいところですね。本作をパワフルなシンガーが歌っていたら更にワンランク上のアルバムになっていたと思います。といいつつもリピートしているうちにこのミスマッチ具合がクセになってきたりもしていますが…。HAMMERFALLはそれほど熱心に追いかけてきたバンドではありませんが、本作は時々聴きたくなるアルバムですね。日本での人気はそこそこながら、ヨーロッパでは絶大なる人気を誇り母国スウェーデンではアルバムが国内チャート1位を獲得するなどしています。なお本作の20周年記念盤が2CD+DVDという豪華仕様で2017年12月8日にリリースされたようで、その人気の高さが窺えますね。

【音源紹介】
The Dragon Lies Bleeding

【CD購入録】HELLOWEEN「PUMPKINS UNITED」(2017)

  • 2017/10/31(火) 00:00:00

【CD購入録】
PUMPKINS UNITED
HELLOWEEN「PUMPKINS UNITED」(2017)

Kai Hansen(G、Vo)Michael Kiske(Vo)が電撃復帰し、7人体制で敢行するPUMPKINS UNITED WORLD TOURで来年3月に来日予定のHELLOWEENが現ラインナップで緊急リリースしたデジタルシングル、その名もPumpkins Unitedを買いました。作詞作曲はKai、Andi Deris(Vo)、Michael Weikath(G)の3人、ボーカルはKai、Kiske、Andiという歴代シンガーが共演しています。曲調はキーパー時代を彷彿とさせる親しみやすいメロディを持ったパワーメタルで現メンバーによるスタジオ盤への期待が高まる1曲となっていますね。また歌詞には「riding the sky」、「eagle」、「we burn」、「wake up the mountain」、「walls in Jericho」などファンならニヤリとしてしまう単語が散りばめられている点も見逃せません。HELLOWEENは僕がHR/HMにハマるきっかけとなったバンドのひとつですが1995年当時はKaiとKiskeは既にバンドを離れていて、彼等がHELLOWEENに復帰するのは夢のまた夢という感じだったので今回の新曲リリースは感慨深いですね。D.C. Cooper(Vo)ROYAL HUNT復帰に続いて、不可能だと思っていたラインナップの復活がただただ嬉しくてヘビロテしています。ちなみにこの曲は11月1日発売予定の3CD+1DVD仕様のベストアルバム「SWEET SEDUCTIONS」には収録されないようです。

【CD購入録】H.E.A.T「INTO THE GREAT UNKNOWN」(2017)

  • 2017/10/02(月) 00:00:00

【CD購入録】
INTO THE GREAT UNKNOWN
H.E.A.T「INTO THE GREAT UNKNOWN」(2017)

2009年にデビューして以降、コンスタントに良作を届け続けてくれているスウェーデンのメロディックロックバンドH.E.A.Tの5作目を買いました。ラインナップが安定しないバンドというイメージが強い彼等ですが、今回もメンバーチェンジがあり2013年に脱退したDave Dalone(G)が復帰しています。音楽性は今回もアリーナロック風の溌剌としたナンバーやキャッチーなメロハーが並びつつも、僕の好きな哀愁や泣きの要素は減少傾向にあると思います。バンド初期に比べると音楽性は拡散しているため散漫になっている感はあるものの、各曲に魅力的なメロディがあるのがH.E.A.Tの強みですね。スペーシーなキーボードが曲を引っ張る④Time On Our SideErik Gronwall(Vo)の歌い出しがMikael Erlandsson(Vo)っぽく聴こえるバラード⑥Eye Of The Storm、躍動感のあるサビを持った⑦Blind Leads The Blind、ドラマティックな展開を見せてくれる⑧We Ruleと続く中盤の流れがいいですね。今回もなかなかの出来栄えだと思います。

【CD購入録】HAREM SCAREM「UNITED」(2017)

  • 2017/06/18(日) 00:00:00

【CD購入録】
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HAREM SCAREM「UNITED」(2017)

カナダが誇るメロディック・ロックバンドHAREM SCAREMの13作目を買いました。再結成後初めてのオリジナルアルバムとなった前作「THIRTEEN」(2014)に伴う来日公演の際にメンバーは次のアルバムについて明言を避けていましたが2015年にライヴ盤「LIVE AT THE PHOENIX」をリリース、そして早くも本作を完成させたということはHAREM SCAREMが本格的に復活したということでしょうか。Harry Hess(Vo)によると今回はサビがパッと明るくなる曲作りを心掛けたとのことで、実際に聴いていてもサビの盛り上がりは近作以上だと思いますね。このアルバムからは現時点で4曲がオフィシャルで公開されているのですが、その第1弾④Sinking Shipをチェックした時からして好感触でした。HAREM SCAREMは既に音楽性が確立されているバンドなのでハズレ作品はなく、あとは僕好みのメロディがどれだけあるかに注目しているのですが今回のアルバムは彼等の作品群の中でも上位にくる1枚ですね。

【CD購入録】HEVISAURUS「JURAHEVIN KUNINKAAT」(2009)

  • 2016/10/28(金) 00:00:00

【CD購入録】
JURAHEVIN KUNINKAAT
HEVISAURUS「JURAHEVIN KUNINKAAT」(2009)

フィンランドから現れた恐竜着ぐるみバンドHEVISAURUSの1stフルレンスアルバムを買いました。なぜメンバーがこんな格好をしているかというと、彼等は子ども向けヘヴィメタルバンドだからだそうで日本で言うところのガチャピンとムック、または「おかあさんといっしょ」に出てくる着ぐるみキャラによるバンドという感じでしょうか。6,500万年前のジュラヘヴィ期という時代から眠りについていた恐竜達が魔女の力によってメタリックな卵から孵ったというのが公式設定だそうですが、実際のメンバーはHEVISAURUSの発案者でもあるMirka Rantanen(Ds/THUNDERSTONE) を筆頭にJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)、Henrik Klingenberg(Key/SONATA ARCTICA)、Nino Laurenne(G/THUNDERSTONE)、Mikko Salovaara(Vo/ex-KIUAS)といったフィンランドメタル界の有名人がレコーディングに参加していることもあってクオリティの高い仕上がりとなっています。曲調もバラエティに富んでいて正統派ヘヴィメタル、フォーク/ヴァイキングメタル風から哀愁のバラード、シンガロングを誘うアリーナロックまであって楽しめますね。歌詞は全てフィンランド語なので内容はわかりませんが、「ウンガチャカ ウンガチャカ♪」に始まり「ウィーゥウィーゥ ウィッキッウッ♪」のサビへと繋がる⑧Intiaanin Sotahuuto、「ポッポッポー♪」と歌うサビが頭から離れない⑪Popkornipullaなど、気づけは口ずさんでいる曲も少なくないし、IRON MAIDENテイストに溢れた疾走曲⑬Louhikaarme Ja Ritariも文句なしのカッコよさです。被り物バンド(?)の先駆者として同じくフィンランドにLORDIがいますがHEVISAURUSも負けていません。こうして小さい頃からメタルの英才教育を受けられるフィンランドの子どもたちが羨ましいですね(笑)。

【CD購入録】HAREM SCAREM「THIRTEEN」(2014)

  • 2016/03/31(木) 00:00:00

【CD購入録】
THIRTEEN.jpg
HAREM SCAREM「THIRTEEN」(2014)

「HOPE」(2008)を最後に解散していたHAREM SCAREMが再結成して発表した12作目を買いました。RUBBER名義でリリースした「ULTRA FEEL」(2001)を含めると13枚目のアルバムになるのでタイトルはそこから来ているのでしょう。代表作「MOOD SWINGS」(1993)の20周年記念再録盤のために再結成した彼等ですがHarry Hess(Vo)は「HAREM SCAREMでの音楽活動はやり尽くした」と以前から語っていたし、中心人物のHarryとPete Lesperance(G)の両名がソングライター/プロデューサーとしても十分やっていける実力者なので今回の新作発表は予想外でしたね。実際に聴いてみると前作「HOPE」から6年ものインターバルがあるとは思えないほど真っ当なHAREM SCAREMサウンドが展開されています。Harryの野太いボーカル、Peteのテクニカルなギターワーク、各曲を彩る分厚いコーラスなど楽曲を構成する各要素にはこのバンドならではのアイデンティティが満載。抜群の安定感を誇る1枚である一方で、こちらの予想を上回るほどの盛り上がりがあるかというと、それは微妙だったりします。並のロックバンドと比べればクオリティの高い作品ながら、彼等ならこれくらいやってくれるだろうと思ってしまうのも事実。といいつつも一定以上の満足感は得られているので、新作が出ればチェックするつもりです。

HELLOWEEN「MY GOD-GIVEN RIGHT」(2015)

  • 2015/10/31(土) 00:00:00

MY GOD-GIVEN RIGHT
【No.451】
★★★★(2015)
年間ベスト2015年第7位

デビュー30周年を迎えたメロディックパワーメタルの始祖HELLOWEENの15thアルバム。80年代に現代メロパワの金字塔「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」をリリース、その後は迷走した時期があったもののAndi Deris(Vo/ex-PINK CREAM 69)を迎えた「MASTER OF THE RINGS」(1994)で復活。Andiの在籍期間は20年を超え、現在のラインナップになってからは10年間メンバーが固定されるなど、HELLOWEENはここに来て黄金期を迎えたと言いたくなるほどの安定感を誇っています。前作「STRAIGHT OUT OF HELL」(2013)がAndi期HELLOWEENの最高傑作と呼びたくなるほどの内容だったので今回も期待していました。Michael Weikath(G)は本作を「既発の曲が入っていないベストアルバムのようなもの」と表現しているようですが、いかにもHELLOWEENらしいポジティブでキャッチーなメロディに溢れた1枚となっていますね。

所属レーベルNUCLEAR BLASTの社長がいたくお気に入りでオープニングに推薦したという①Heroesこそ佳曲レベルながら、それ以降が実に強力。Weikath節が炸裂する典型的なHELLOWEENソング②Battle's Won、いかにもAndiらしい哀愁のメロディラインが秀逸なタイトル曲③My God-Given Rigthtと中心人物2人がそれぞれの持ち味を発揮しています。またPINK CREAM 69風味も感じさせるAndi曲の④Stay Crazy、コミカルかつ軽快に駆けていく⑤Lost In America、ロシアっぽい(?)リフと無骨でシンプルなサビが耳に残る⑥Russian Ruleと続くアルバム前半を聴いた時点では前作を超える名盤となる予感すらありました。ところが⑦The Swing Of A Fallen World、⑧Like Everybody Elseで失速。アルバム後半の見せ場となっているWeikath曲⑨Creatures In Heaven、サビメロが「GAMBLING WITH THE DEVIL」収録のFinal Fortuneソックリですが僕好みのメロディなので許せてしまう⑩If God Loves Rock 'N' Roll、ここ最近ソングライターとしての存在感が増してきているMarkus Grosskopf(B)作曲の⑪Living On The Edge辺りで盛り返すものの近作と比べると物足りなさが残りますね。

今のHELLOWEENの強みは優れたソングライターが4人もいる点だと思いますが、本作に関してはSascha Gerstner(G)による楽曲が今ひとつでしょうか。また国内盤の限定ボーナストラックを含めると全16曲、収録時間73分という尺の長さもダレを誘っているように思います。HELLOWEENの曲は1曲でも多く聴きたいと思い、限定ボーナスも入った初回盤を買っておきながら言うのも何ですが、もう少し曲数を絞ってくれた方が好印象でしたね。このバンドの場合、楽曲には一定のフォーマットがありメンバーもファンが期待するHELLOWEENらしい曲を提供することに徹していることもあってか、既発曲に似たメロディがチラホラ存在する点も気になります。というわけで注文をつけたくなる部分もありますが総合的に見れば、そんじょそこらの若手には到達できない高みにいることは間違いないし、僕好みのメロパワを量産してくれています。HELLOWEENは今後もこのジャンルのトップに君臨し続けるであろうことを予感させるには十分の充実盤だと思いますね。

【音源紹介】
Battle's Won

【CD購入録】HELLOWEEN「MY GOD-GIVEN RIGHT」(2015)

  • 2015/05/28(木) 00:00:00

【CD購入録】
MY GOD-GIVEN RIGHT
HELLOWEEN「MY GOD-GIVEN RIGHT」(2015)

2007年発表の12th「GAMBLING WITH THE DEVIL」以降、全てのオリジナルアルバムが僕にとっては名盤クラスという抜群の安定感を誇るHELLOWEENの15作目(初回限定盤)を買いました。前作「STRAIGHT OUT OF HELL」(2013)はバンドの全作品の中でも上位に来る出来だったので今回も期待していましたが、そのハードルをきっちりと越えてくる辺りは流石ですね。先行で公開されていた②Battle's Won、⑤Lost In Americaを含む冒頭6曲は特に強力。ただアルバムトータルとしては前作に分があるという気もしますね。また僕が買った初回限定盤には「STRAIGHT OUT OF HELL」同様にバンダナが特典として付いています。前回も使い道に迷いましたが結局は子供の弁当箱を包むのに丁度よかったので、今回も同じように使わせてもらおうと思っています。あと僕が買ったCDショップではバンドのマスコットであるカボチャと各メンバーがビックリマン風にデフォルメされたオマケステッカーが付いていました。HELLOWEENのファン層にはビックリマン世代が多いと見込んでのことなのかもしれませんが、僕はドンピシャでその世代なのでこういうオマケは面白いですね(笑)。

【CD購入録】HARDCORE SUPERSTAR「HCSS」(2015)

  • 2015/04/16(木) 00:00:00

【CD購入録】
HCSS.jpg
HARDCORE SUPERSTAR「HCSS」(2015)

北欧ロックンロールバンドのベテランHARDCORE SUPERSTARの9作目を買いました。タイトルの「HCSS」はバンド名Hard Core Super Starの頭文字を取ったもので、僕が初めて聴いたこのバンドの作品で名盤の4th「HARDCORE SUPERSTAR」(2005)に続き2枚目のセルフタイトル作ということになります。ここ最近の彼等のアルバムは安定感がある一方でマンネリ気味だったので様子見しようかと思っていたのですが、先行で公開されていた①Don't Mean Shit⑨Glueが好感触だったので聴いてみました。現時点での感想は良くも悪くもHARDCORE SUPERSTARらしい作品という感じですね。⑤Flyはブルージーで渋さを前面に出したナンバーで新機軸と言えそうですが、こういうサウンドはあまり得意ではないんですよね…。ボーナストラックの⑫Run To Your Mama(Demo Version)は7th「SPLIT YOUR LIP」(2010)に収録されたピアノバラードのデモ音源。メンバーによると、この曲は元々ロックソングとして書いたものに色んなアレンジを試しているうちにピアノと歌のみのというシンプルな形に行き着いたらしいので、本作で聴けるバージョンは曲の原型に近いのかもしれません。本作のようなアレンジも良いと思いますね。

HARTMANN「OUT IN THE COLD」(2005)

  • 2014/12/06(土) 00:00:00

OUT IN THE COLD
【No.414】
★★★(2006)

ネオクラシカル・メタルバンドAT VANCEの実力派シンガーとして名を馳せたOliver Hartmannがバンド脱退後に結成した自身のプロジェクトHARTMANN名義で放つ1stアルバム。AT VANCEがYNGWIE MALMSTEEN直系のサウンドだったのに対して、本作は肩の力を抜いたメロディアスハード路線となっています(Tシャツにジーンズ姿のOliverが写ったブックレットも新鮮)。「より広い音楽性に挑戦したい」という思いでOliverはバンドを離れたそうですが、AT VANCE時代はOlaf Lenk(G)が創作面のほぼ全てを担っていたため彼の作曲能力は未知数で一抹の不安もありました。ところが本作にはそんな心配を一蹴するだけの楽曲が並んでいます。

ボーカリストによるプロジェクトということもあり、各曲の中心に据えられているのは「歌」。それでいて楽曲はミドルテンポ、バラードが大半を占めるためAT VANCEの要素を求めると肩透かしをくらいますが、ひとつの作品として聴くと十分楽しめる1枚となっていますね。本作の中では珍しいアップテンポ⑥What If I、⑩Listen To Your Heartは出色の出来だし、アルバム随一のヘヴィチューン④The Same Againもカッコいい。バラードに関しても優しく爽やかなメロディが心地よい⑤I Will Carry On、曲名の通り眩い光に向けて歩むOliverの姿が目に浮かぶ壮大な⑫Into The Light辺りが印象に残りました。そして一際素晴らしいのが哀感を爆発させたパワーバラード③Brazenですね。この曲は丸坊主の女性シンガーSkin擁するヘヴィロックバンドSKUNK ANANSIEのカバーで選曲の妙もさることながら、ファルセットを交えたボーカルパフォーマンスが圧巻でハイライトとなっています。

そんな③に象徴されるように本作をワンランク上に押し上げているのがOliverの歌唱力。David Coverdale(Vo/WHITESNAKE)のような深みとEric Martin(Vo/MR.BIG)ばりのソウルフルな響きを併せ持つ彼のボーカルは絶品です。音楽性の関係もあってAT VANCE時代と比べると声を張り上げて歌う場面は激減、HARTMANNではマイルドかつ表情豊かなアプローチとなっていてシンガーとしての力量はこちらの方が活かせているような気もします。AT VANCEから脱退してしまったのは残念ですがHR/HMというジャンルにOliverを止めておくべきではないのかもしれませんね。個人的にはHARTMANNと並行して、どこかのメタルバンドのパーマネントメンバーとして活動して欲しいというのが正直なところですが…。

【音源紹介】
・What If I

【CD購入録】HUMANIMAL「HUMANIMAL」(2002)

  • 2014/10/28(火) 00:00:00

【CD購入録】
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HUMANIMAL「HUMANIMAL」(2002)

Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)、Pontus Norgren(G)というTALISMANのメンバー3人が在籍するニューアクト(?)HUMANIMALの1stアルバムを買いました。ちなみにドラマーはTomas Bromanなる人物です。ラインナップからしてTALISMANとの違いがよくわからないのですが、元々はPontusとMarcelで新しいプロジェクトを立ち上げようという話からHUMANIMALが誕生、その後Tomasが加入し、レーベルの意向でシンガーがJeffに決まったという経緯があり結果的にこのようなラインナップになったのだとか(何故TALISMANの3rdアルバムと同じプロジェクト名にしたのかは謎ですが…)。Pontus主導と言いながらもソングライティングはMarcelとJeffのコンビが手掛けているので本作がTALISMANらしくないわけがありません。相違点を挙げるとすれば楽曲の幅を広げすぎて散漫にも感じられたTALISMANの5th「TRUTH」(1998)よりもギターオリエンテッドでオーソドックスなHR/HMに焦点が定まっていることでしょうか。ただ近年のTALISMANやHUMAN CLAY同様、質は高いが決め手に欠けるので聞き流してしまいがちです。そんな中⑦Iは初めて聴いた時から印象に残っていますね。

【CD購入録】HUMAN CLAY「U4IA」(1997)

  • 2014/10/25(土) 00:00:00

【CD購入録】
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HUMAN CLAY「U4IA」(1997)

TALISMANサウンドの中核を担うMarcel Jacob(B)Jeff Scott Soto(Vo)によるHUMAN CLAYの2作目を買いました。「HUMAN CLAYは単発プロジェクト」という大方の予想に反して、セルフタイトルの前作から僅か1年のインターバルで発表された今回のアルバムでは新たにJamie Borger(Ds/TALISMAN)が加入していて、TALISMANとの差別化がますます難しくなっています(ギターは全てMarcelがプレイ)。 TALISMAN時代から曲名や歌詞でYouの発音を「U」、Forの発音を「4」と表記したりしていましたが、パッと見ただけでは読めない本作のタイトルはその極みですね。アルバムタイトルの読みはユーフォリア=「EUPHORIA(幸福感の意)」だそうです。Marcel曰く「HUMAN CLAYの音楽性は自分達が影響を受けたアーティストへの思いを表現したもの」とのことですが、聴く人によっては露骨と感じるほどのオマージュも少なくないようでライナーノーツでもMarcel自身がそれを認め、楽しんでいることも含めて言及されています。個人的にパクリはそれほど気にならないものの、デビュー作よりも耳に残るメロディが少ないということが残念ですね。そんな中④Pain & Deceptionはカッコいいなぁと思っていたら、この曲はYNGWIE MALMSTEENがデビュー前に制作したEP「MERLN'S CASTLE」(ベースはMarcelがプレイ)のタイトル曲の焼き直しだとライナーで暴露されています(苦笑)。

【CD購入録】HUMAN CLAY「HUMAN CLAY」(1996)

  • 2014/10/22(水) 00:00:00

【CD購入録】
HUMAN CLAY
HUMAN CLAY「HUMAN CLAY」(1996)

4作目「LIFE」(1995)リリース後にギタリストのFredrik Akessonが脱退、レーベルとの関係が悪化したことなどもあって活動停止状態となったTALISMANの中心人物Marcel Jacob(B)、Jeff Scott Soto(Vo)が新たに結成したHUMAN CLAYの1stアルバムを買いました。本作にはYngwie Malmsteen、Brian Young(BEAU NASTY)そしてFredrik Akessonという3人のギタリストがゲスト参加しているものの、基本メンバーはMarcelとJeffだけでMarcelがベースのみならずギターとキーボード、ドラムのプログラミングまでもこなしています。TALISMANファンであれば最も気になるであろうYngwieと共演した④Jealousyについては、曲調がヴァイキングメタル風ということもあって彼のギターが見事にハマっていますね。それ以外の楽曲についてもファンキーな要素が薄くなっている他はTALISMANの新作と呼んでも差し支えなさそうなナンバーが並び、メロハーテイストの⑧Don't Look Backが収められているなど「本作はTALISMANが2nd「GENESIS」(1993)の次に発表したアルバム」と言われればすんなり受け入れられそうなほどです。その一方で「LIFE」に収録されていた名曲Bodyのリメイク⑨Holdin' Onは持ち味だったグルーヴ感が大きく減退した仕上がりでガッカリ…。全体的に飛び抜けたナンバーこそありませんが、一定レベル以上の佳曲をこうして並べられる辺りは流石と言うべきでしょうか。

【CD購入録】H.E.A.T「TEARING DOWN THE WALLS」(2014)

  • 2014/04/18(金) 00:00:00

【CD購入録】
TEARING DOWN THE WALLS
H.E.A.T「TEARING DOWN THE WALLS」(2014)

2013年7月にツインギターの片翼にして、主にソロパートを演奏していたDave Daloneが脱退したものの同年10月に行われたメロディックロックの祭典FIREFESTに出演、今年のFIREFESTではヘッドライナーを務める予定だというH.E.A.Tの4作目を買いました。BLESSED BY A BROKEN HEART「FEEL THE POWER」を彷彿とさせるジャケットを見て路線変更したのかと思いましたがそんなことはなく、先行シングル②A Shot At Redemptionに象徴されるアメリカンなノリと威勢のよさに溢れ、北欧のバンドながら哀愁は薄めというH.E.A.Tらしいアルバムとなっています。2代目シンガーErik Gronwallが加入して初のアルバムとなった前作「ADRESS THE NATION」(2012)収録のLiving On The Run級のキラーチューンこそありませんが明るさ弾ける③Infernoはかなり好きだし、アルバム全体としても非常に手堅い仕上がりだと思います。

HEAVENS GATE「LIVIN' IN HYSTERIA」(1991)

  • 2014/02/06(木) 00:00:00

LIVIN' IN HYSTERIA
【No.392】
★★★★(1996)

HELLOWEENの「KEEPER OF THE SEVEN KEYS」(邦題「守護神伝」)がきっかけとなり、ジャーマンメタル旋風が吹き荒れていた80年代後半にデビューし、数あるフォロワーの中でも日本ではなかなかの人気を博していたHEAVENS GATEの2ndアルバム。ただこのバンドを紹介する場合、ジャーマンメタルブームの中で登場したバンドと言うよりもAVANTASIA、EDGUY、KAMELOT、RHAPSODY(OF FIRE)など数々のメロディックメタルバンドを手掛けるプロデューサーSascha Peath(G)が在籍していたバンドと言った方が今は通りが良さそうですね。僕はリアルタイムで聴いていたわけではないのですがBLIND GUARDIANとほぼ同時期にデビューした当初は同等クラスだったのに、その後は明暗がはっきり分かれた印象があります。1990年に3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」をリリースしたBLIND GUARDIANがその後大きく飛躍して欧州メタルのトップバンドへのし上がっていったのに対し、このバンドはジャーマンメタルの枠に縛られない音楽性を見せながらも本作以上にファンの心を掴むアルバムを生み出すことができず5th「MENERGY」(1999)を最後にひっそりと解散しています…。

というわけで残念ながらバンドとして成功を収めたとは言いがたいHEAVENS GATEですが本作がメロディ、パワー、スピードの三拍子が揃った名盤だということは間違いありません。何といってもタイトルチューン①Livin' In Hysteriaと曲名からしてバンドのテーマソングであることが明白な⑩Gate Of Heavenというオープニング/エンディング曲の素晴らしさが群を抜いていて、これらを聴くためにアルバムを買う価値があると思えるほど。この2大キラーチューンが強烈すぎるために他の曲は影が薄くなっているかというとそんなことはなく、正統派メタルの空気を吸い込んだ②We Got The Times⑨We Want It All、いかにもジャーマンメタルな明るいムードを持った④Empty Way To Nowhereやアルバム中最速を誇る疾走曲⑦Flashesなども魅力的です。それに加えて重厚でドラマティックなミドル③The Never Ending Fire、スリリングなギターインスト⑤Fredless、この手のバンドとしては珍しくノリ重視で聴かせる⑥Can't Stop Rockin'、叙情メロディが冴える名バラード⑧Best Days Of My Lifeなど歌ものメタルチューン以外でも見せ場があるというのも本作の強みですね。個々の楽曲の素晴らしさもさることながら曲順もこれしかないと思えるほどハマっていて、アルバムの流れも文句のつけようがありません。またSaschaと並ぶメインソングライターでもあるThomas Rettke(Vo)Michael Kiske(Vo/HELLOWEEN)ほどクリアな声質でもなければ、Hansi Kursh(Vo/BLIND GUARDIAN)のように中音域をメインに歌うわけでもない適度な荒さを持ったハイトーン系シンガーで正統派メタルの要素もあるバンドのサウンドにマッチしていますね。

本作に収録された疾走曲は最近のメロパワバンドに比べるとテンポ自体は遅いのですが楽曲に漲るエネルギーと勢いこちらの方が断然上でカッコいいし、アルバムが発表されてから20年以上が経過した今聴いても古臭さを感じさせません。そんな「狙っていても身に付けられない凄味」を持つ本作はシーンに数少なく存在する時代を超えた1枚と言っても過言ではないでしょう。アルバム単体のクオリティとしてはHELLOWEEN、BLIND GUARDIANにも負けていません。ただバンドにとっては「諸刃の剣」的なアルバムという見方ができるのも事実で、かつてのHAREM SCAREM「MOOD SWINGS」(1993)がそうだったように2枚目という早い時点でシーンに名を刻む名盤を作り上げてしまったことが重荷となり、結果的にバンドを苦しめ解散へと繋がってしまったのかもしれませんね…。

【音源紹介】
・Gate Of Heaven

HELLOWEEN「STRAIGHT OUT OF HELL」(2013)

  • 2013/10/31(木) 00:00:00

STRAIGHT OUT OF HELL
【No.389】
★★★★(2013)
年間ベスト2013年第2位

アルバムによって若干の出来・不出来はあるものの常にメロディックパワーメタルの第一線で活躍し続けるHELLOWEENの14thアルバム。メンバーチェンジが頻繁に起こるバンドではありますが11th「KEEPER OF THE SEVEN KEYS -LEGACY」(2005)で現ラインナップが固まって以降、その安定感は盤石のものとなったように思いますね。オープニングを飾る①Nabataeaが7分に及ぶ曲の中でプログレッシブな展開とAndi Deris(Vo)の歌唱が緊迫感を放つメタリックチューンなので、 攻撃性重視の姿勢に賛否両論あった(僕は好きですが) 前作「7 SINNERS」(2010)のテイストを今回も継承しているのかと思いきや②World Of War以降では帯タタキにもある通り「メロディアスでハッピーでポジティブ」なHELLOWEEN流メタルが次から次へと飛び出してきます。

キーパーサウンドに魅了されてメタルに入門した身としては上記の②や④Far From The Stars、⑤Burning Sunのような疾走曲が並ぶアルバム前半を聴いた時点で本作が名盤だと確信しました。Andiが在籍していたPINK CREAM 69時代のマテリアルをAndiとSascha Gerstner(G)で仕上げた③Live Now!(シンプルなサビが耳に残ります)、いかにもAndiらしい哀メロが堪能できる⑥Waiting For The Thunderを疾走チューンズの間に配する辺りもお見事だし、QUEENWe Will Rock Youを意識したという2分弱の⑧Wanna Be Godも作品の前半と後半を繋ぐ絶妙な役割を果たすなどアルバム構成もよく練られています。そしてアルバム後半は最近ソングライターとしての成長著しいMarkus Grosskopf(B)によるタイトル曲⑨Straight Out Of Hellからしてエンジン全開。「これぞヴァイキーの真骨頂!」な⑪Years、切迫感のあるパートからSTRATOVARIUSBlack Diamondっぽいサビメロへ展開していく⑫Make Fire Catch The Fly、Saschaお得意のドラマティックチューン⑬Church Breaks Downと繋がる怒濤の流れで本編を締めるなど隙がありません。またボーナストラックの充実振りも流石で国内盤デラックス・エディション限定の⑭No Eternityはおまけにしておくには勿体ない佳曲だし、シングル曲⑤のバージョン違い⑮Burning Sun(Hammond Version)もなかなかの仕上がりです。

ベテランならではの安定感を持ったアルバムであると同時にベテランらしからぬフレッシュさをも併せ持った1枚。HELLOWEENは長い歴史においてシーンを象徴する名曲を生み出してきたバンドなので、本作の収録曲が過去のマスターピースを越えたとは言えないもののアルバム全体の完成度としては圧倒的なオリティを誇っています。このバンドにはかつてKai Hansen(G/GAMMA RAY、UNISONIC)、Michael Kiske(Vo/UNISONIC)といったメロディックメタル界のレジェンド達が在籍していましたが、伝統と革新性が絶妙なバランスで融合した高品質メタルを量産できる現体制もバンドの黄金期と言えると思います。

【音源紹介】
・Years

【CD購入録】HAREM SCAREM「MOOD SWINGS Ⅱ」(2013)

  • 2013/08/25(日) 00:00:00

【CD購入録】
MOOD SWINGS2
HAREM SCAREM「MOOD SWINGS Ⅱ」(2013)

HAREM SCAREMの2ndアルバムにしてバンドの出世作であり、その後の活動に良くも悪くも多大な影響を与えた「MOOD SWINGS」(1993)の発売20周年を記念して制作された再録盤を買いました。普段はリレコーディング作品をほとんど買わない僕ですが、思い入れが強い「MOOD SWINGS」となれば話は別です。内容の方は基本的にオリジナルを忠実に再現していますがドラムがクリアになっていたり、ダークな雰囲気や独特の緊張感が薄れていたりと興味深い仕上がりとなっていますね。と言いつつも1996年に「MOOD SWINGS」と出合い何度も何度も聴いてきた身としては(思い出補正もあって)オリジナルを越えていると思えないし、本作の⑩Just Like I Planned⑪Had Enoughのアレンジに違和感を覚えたのも事実。特にアカペラだった⑩が普通のアコースティックバラードに変わってしまったのは残念ですね。インスト(⑦Mandy)やアカペラも収録した「何が出てくるか予測不可能なハードロック作品」というのが「MOOD SWINGS」の魅力のひとつだと思っていたので…。また本作には新曲が3曲収録されていて、いずれも後期HAREM SCAREMを思わせるナンバーです。

日本で絶大な人気を誇り、僕自身も大好きな「MOOD SWINGS」ですが、Harry Hess(Vo)はこれまでに「あの作品はそれほど好きではない、ファンの間でなぜ評価が高いのかわからない」という主旨の発言していたのでHAREM SCAREMが再結成をして「MOOD SWINGS」をリメイクするというニュースを聞いた時にはとても驚きました。BURRN!誌のインタビューや本作の初回限定盤付属DVDでの発言から察するに、ようやくバンド自身もこのアルバムの重要性に気づいてくれたようで嬉しいですね。現時点では本作リリース後に「MOOD SWINGS」の発売20周年記念ツアーを行うこと以外は決まっていないようですが、これからのHAREM SCAREMの動向に注目したいと思います。

HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)

  • 2013/08/21(水) 00:00:00

LIVING IN YESTERDAY
【No.385】
★★★(2012)

2008年にHAREM SCAREMが解散した後は第一線から身を引き、ソングライター/プロデューサーとして多くのアーティストを手がけるというスタイルで音楽活動を続けてきたHarry Hess(Vo/ex-HAREM SCAREM)の2ndソロアルバム。Harryといえば2010年にFRONTIERS RECORDS主導のプロジェクトFIRST SIGNALでも衰えぬ歌声を披露していましたが、あちらは外部ライターがHAREM SCAREMを意識して書いた曲を歌うことがテーマだったので、Harryのペンによる楽曲で構成されたアルバムとしては解散後初めてということになりますね。1stソロ「JUST ANOTHER DAY」(2003)を9年前にリリースした時はHAREM SCAREMと差別化するためかソロではソフト路線となっていたのに対して、今回はロック色が強調されていて全体的にHAREM SCAREM寄りのサウンドとなっています。

HarryをバックアップしているのはPete Lesperance(G)、Creighton Doane(Ds)、Darren Smith(Ds)といった前作と同じHAREM SCAREM時代の盟友(Peteはベースもプレイ、Darrenはドラムではなくバックコーラスで参加)なので、HAREM SCAREMらしい仕上がりになるのも自然なことだったんだと思います(強いて言えばギターを始めとするバッキングが若干軽いのがバンドとの相違点でしょうか)。上記の基本メンバー以外にもHarryがバンド解散後の活動で築いた人脈から多くのゲストが作曲や演奏面で参加していて、余談ですが本作は英語だとHESS名義となっているのに対して日本語表記では「ハリー・ヘス・アンド・フレンズ」となっています。そんな「フレンズ」の中で僕の目を引いたのは①Living In Yesterdayのギターソロを弾いているMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR)⑧I Live For YouをHarryと共作しているFredrik Bergh(Key/STREET TALK、BLOODBOUND)、ギターとキーボードの一部を演奏し⑨I Don't Wanna Want Youの作曲にも参加しているTommy Denander(G/RADIOACTIVE etc)⑩Where To RunでギターソロをプレイしているChris Green(G/ex-PRIDE)ですね。英国のメロハーバンドPRIDE解散後に僕の中で消息不明扱いとなっていたChris Greenのギターを久し振りに聴きましたが、やはり彼は僕好みのプレイを聴かせてくれます。現在はFURYONなるバンドで活動していると知ったのでYouTubeで聴いてみたらメロハーとは縁遠いモダンなヘヴィロック的な音楽性でビックリしました(ギターは素晴らしいのですが…)。

アルバム本編10曲の半数以上がミドル~スローテンポの楽曲で占められている辺りは、自他ともに認める(?)バラードライターHarryのソロらしい作風と言えそうですね。ともすれば、まったりしたアルバムになりがちな本作をメリハリあるものにしてくれているのはキャッチーなボーカルハーモニーによる歌い出しで聴き手の心を掴む①、爽やか系メロハーの王道を行く②Reach For You、後期HAREM SCAREMの作品に収録されてそうなポップロック⑥Nothing Lasts Forever、Harry節が色濃く表れている本作で新鮮味が感じられる数少ないナンバー⑨といったロックソングの充実によるところが大きいと思います。正直なところバンド時代を凌駕しているわけではないし、超名曲が収録されているわけでもないのですがメロディ、歌、アレンジなど様々な面で安心して聴ける1枚ですね。

【音源紹介】
・Living In Yesterday

【CD購入録】HARDCORE SUPERSTAR「C'MON TAKE ON ME」(2013 )

  • 2013/04/03(水) 00:00:00

【CD購入録】
CMON TAKE ON ME
HARDCORE SUPERSTAR「C'MON TAKE ON ME」(2013 )

バッドボーイズロック系バンドの中で僕が一番注目しているHARDCORE SUPERSTARの8作目を買いました。今回のアルバムを聴いて思い浮かぶ言葉は「実験的」でしょうか。冒頭のイントロ①Cutting The Slackからしてシンセ主体でミステリアスなものとなっているし、⑥Stranger Of Mineでは退廃的でブルージーなサウンドを追求したり、⑦Won't Take The Blame Pt.1~⑧Won't Take The Blame Pt.2(Sect Meeting)で2部構成の楽曲にチャレンジしたりしている辺りも新たな試みと言えそうです。それ以外の特徴としてはこのバンドらしさはキープしつつ、前作に溢れていたエネルギーや衝動性は控えめになり歌メロがキャッチーになったという点でしょうか。ここ最近の作風に3rd「NO REGRETS」(2003)の要素を注入したようにも感じます。「らしさ全開」の③One More Minute⑪Too Much Businessがツボですね。

【現在の愛聴盤】HARDCORE SUPERSTAR「THE PARTY AIN'T OVER 'TIL WE SAY SO...」(2011)

  • 2013/02/14(木) 00:00:00

【現在の愛聴盤】
THE PARTY AINT OVER TIL WE SAY SO
HARDCORE SUPERSTAR「THE PARTY AIN'T OVER 'TIL WE SAY SO...」(2011)
2000年に「BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA」でワールドワイドデビューを果たし、これまでにフルアルバム7枚とライブDVDを1枚リリースしてきたHARDCORE SUPERSTAR初のベストアルバムをレンタルして聴いています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. We Don't Need A Cure(新曲)
02. We Don't Celebrate Sundays(4th「HARDCORE SUPERSTAR」)
03. Moonshine(7th「SPLIT YOUR LIP」)
04. My Good Reputation(4th「HARDCORE SUPERSTAR」)
05. Wild Boys(4th「HARDCORE SUPERSTAR」)
06. Someone Special(1st「BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA」)
07. Dreamin' In A Casket(5th「DREAMIN' IN A CASKET」)
08. Into Debauchery(6th「BEG FOR IT」)
09. Here Comes That Sick Bitch(7th「SPLIT YOUR LIP」)
10. Last Call For Alcohol(7th「SPLIT YOUR LIP」)
11. Beg For It(6th「BEG FOR IT」)
12. Liberation(1st「BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA」)
13. Bastards(5th「DREAMIN' IN A CASKET」)
14. Medicate Me(5th「DREAMIN' IN A CASKET」)
15. Standin' On The Verge(4th「HARDCORE SUPERSTAR」)
16. Still I'm Glad(3rd「NO REGRETS」)
17. Have You Been Around(1st「BAD SNEAKERS AND A PINA COLADA」)
18. Shame(2nd「THANK YOU(FOR LETTING US BE OURSELVES)」)
19. Honey Tongue(3rd「NO REGRETS」)
20. Run To Yur Mama(7th「SPLIT YOUR LIP」)

このバンドのスタジオ盤を全て持っている僕としては未発表新曲①We Don't Need A Cureが目当てで本作を聴いてみたのですが、その肝心の①は子供のコーラスや民謡風のテイストもあるHARDCORE SUPERSTARとしては異色のミドルチューンでなかなかの佳曲。バンドの本道とは違うスタイルの楽曲なのでベスト盤の1曲目ではなくラストに配置すべきナンバーのような気もしますが、敢えて冒頭に持ってくるという不敵さも彼等らしいですね。それ以降の19曲については「これは外せない」というものから「他の曲を入れて欲しかった」というものまでありますが、CDランニングタイムの限界近くまで収録してくれているので、このバンドに入門するためのベスト盤としてはありがたいかもしれません。初期3作品はバンドが音楽性を模索している状態だったので当たり外れががある一方で意外性が感じられ、4th「HARDCORE SUPERSTAR」(2005)以降では自身のサウンドが固まってきて、その枠の中で優れた曲を量産してくれているという印象ですね。現在の安定感も捨て難いけれど、初期のような冒険をしてくれても面白いかな…とデビュー作から3rd「NO REGRETS」(2003)までの曲が続く終盤を聴いて思いました。

HARDCORE SUPERSTAR「SPLIT YOUR LIP」(2010)

  • 2013/02/11(月) 00:00:00

SPLIT YOUR LIP
【No.363】
★★★(2010)

メジャーデビューから約10年が経過し、今やベテランバンドの域に達した感がある北欧随一のバッドボーイズ・ロックンロールバンドHARDCORE SUPERSTARの7thアルバム。前作「BEG FOR IT」(2009)がこのバンドにしてはメロディの輪郭がハッキリした整合感のあるメロディアスなメタル寄りの作風だったのに対して、今回はバンドの本質的要素でもある破天荒なサウンドが前面に出ていますね。またJocke Berg(Vo)もメロディをきっちりなぞるのではなく、いい感じに荒れたしゃがれ声で歌っているためアルバムから感じられる熱気や衝動性も前作以上だと思います。

まずはオープニングの①Sadistic GirlsがいかにもHARDCORE SUPERSTARらしいロックチューンだし、「ラス、コー!フォ、アルコ!ホー!」のコーラスが理屈抜きでカッコいい③Last Call For Alcohol、パワフルなサビに合唱必至なタイトルトラック④Split Your Lip、曲の進行と共に加速していき終盤には裏打ち疾走する⑤Moonshineなど、アルバム前半に好きな楽曲が多いですね。アルバムに一貫して流れているのは4th「HARDCORE SUPERSTAR」(2005)の延長線上にあるサウンドではあるものの⑦What Did I Doではグロウル、⑩Honeymoonではスラッシュメタルのテイストを取り入れるなど新鮮さも垣間見せています。また⑥Here Comes That Sick Bitchではアコギ、本編ラストの⑪Run To Your Mamaではピアノのみというシンプルなアレンジで聴かせるバラード2曲もなかなか魅力的で、Jockeの声質にしっとり系のバラードが合うのか疑問でしたが結構いい味を出していますね。ちなみにバラードらしからぬ曲名の⑥は元々ロックソングとして書いたものに色んなアレンジを試しているうちに今の形に行き着いたのだとか。オリジナル(?)のロックバージョンも聴いてみたい1曲です。

アルバム全体の印象としては勢いとノリの良さで勝負する作風が純粋にカッコよく、安心して聴いていられるので自身の音楽スタイルを完成させたバンドならではの強みを感じます。ただバンドが今の音楽性に到達したセルフタイトル作の4thに魅了されてHARD CORE SUPERSTARを聴くようになった身としては、「ここ最近のアルバムも好盤ではあるけれども4作目を越えるには至っていない」と感じてしまうのも事実(この辺りは個人の思い入れによるところも大きいと思いますが…)。次のアルバムは、若干残るそんなモヤモヤ感を問答無用で吹き飛ばしてくれるほどの快作となることを期待したいですね。

【音源紹介】
・Sadistic Girls

【CD購入録】HELLOWEEN「STRAIGHT OUT OF HELL」(2013)

  • 2013/01/17(木) 00:00:00

【CD購入録】
STRAIGHT OUT OF HELL
HELLOWEEN「STRAIGHT OUT OF HELL」(2013)

ここ最近のアルバムが抜群の安定感を誇るジャーマンメタル、いやメロディックメタル界の王者HELLOWEENの14作目を買いました。前作「7 SINNERS」(2010)がこのバンドにしてはかなり攻撃的な作風だった反動からか、今回は帯タタキにもある通りメロディアスでハッピーでポジティブなHELLOWEEN流メタルがぎっしり詰まっています。本作(僕はデラックス・エディションを購入)は15曲収録で約70分にも及ぶ長丁場でありながら何度も繰り返し聴きたくなる魅力がありますね。4人のソングライターが各自の持ち味を出しながらも各曲がHELLOWEENらしさを保持しているのが素晴らしく、今のラインナップが過去最高とメンバーが自負しているのもうなずけます。お気に入り曲を挙げればキリがないほど好きな曲が多いですが一番印象的なのは、いかにもMichael Weikath(G)らしい⑪Yearsですね。2013年初買いのCD購入録記事でこんなことを書くのも何ですが、早くも年間ベスト当確アルバムが登場したかもしれません。デラックス・エディションの特典のバンダナはこれから使い道を考えたいと思います(苦笑)。

【CD購入録】HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)

  • 2012/12/09(日) 00:00:00

【CD購入録】
LIVING IN YESTERDAY
HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)

HAREM SCAREM解散後はソングライター/プロデューサーという裏方にまわり、多くのアーティストを手がけるというスタイルで音楽活動を続けてきたHarry Hess(Vo/ex-HAREM SCAREM)の2枚目となるソロアルバムを買いました。Harryといえば2010年にFRONTIERS RECORDS主導で外部ライターが書いたHAREM SCAREM的な楽曲を歌うプロジェクトFIRST SIGNALでの活動もありましたが、ソロ作となると「JUST ANOTHER DAY」(2003)以来、約9年振りのリリースとなります。本作でHarryをバックアップするのはPete Lesperance(G)、Creighton Doane(Ds)、Darren Smith(Ds)といった前作と同じHAREM SCAREM時代の盟友(Darrenはドラムではなくバックコーラスで参加)に加えて、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR)、Tommy Denander(G/RADIOACTIVE etc)といった顔ぶれです。1stソロはHarryらしいメロディが楽しめる良盤ではあったものの大人しめの仕上がりだったのに対して、今回はロック色が強調されているのが個人的には嬉しいし、個々の楽曲に関しても後期HAREM SCAREMのアルバム以上に魅力的なメロディが多いように思います。爽やかなサビメロから始まるオープニングの①Living In Yesterdayはインパクト大で一気に本作に引き込まれました。Harryお得意のバラード系③It's Over、⑧I Live For YouなどHAREM SCAREMを思い出させるナンバーが多い中、⑨I Don't Wanna Want Youはバンド時代にはあまりなかったタイプと言えそうですね。

HESS「JUST ANOTHER DAY」(2003)

  • 2012/11/09(金) 00:00:00

JUST ANOTHER DAY
【No.351】
★★★(2010)

バンド名をRUBBERからHAREM SCAREMに戻してリリースした復活作「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)が好評を博し、イギリスで開催されるメロディックロックの祭典THE GODS FESTIVALにも初出演を果たしたHAREM SCAREMの中心人物Harry Hess(Vo)Pete Lesperance(G)、Creighton Doane(Ds)、Darren Smith(Ds)といった現/元HAREM SCAREMメンバーや地元カナダのプレイヤー達のサポートを受けてHESS名義で発表した初のソロアルバム。ちなみにPeteは全曲に参加していますがHAREM SCAREM色が強くなりすぎてしまうという理由から主にアコースティックギターを担当しているようです。目を引くゲストとしてはEric Martin(Vo/ex-MR.BIG)①Look Right Through Meのバックボーカルで参加していますね(彼が歌っているとわかるのは曲がフェイドアウトする直前ですが…)。HAREM SCAREMでは、そのバンド名が一定のサウンドを連想させるため音楽性にある程度の制約があったことをバンドの歴史が証明しているので、より自由な環境で制作できるソロではどんな音を聴かせてくれるのかと思っていたところ、過去のHAREM SCAREM作品群の中でも今やキャリアの黒歴史となった感のあるRUBBER名義「ULTRA FEEL」(2001)に穏やかで大人びたアレンジを施した作風となっているように思います。

Harry自身が「最も自然に書けるタイプの曲」と語る②Wasted Awayに象徴されるHAREM SCAREM風のメロディがそこかしこで聴ける今回のアルバムと本家の違いを挙げるとすれば、本作の方がよりボーカルオリエンテッドで楽曲の装飾を排除したシンプルな仕上がりとなっている点でしょうか。僕のお気に入り曲はとにかくポップで前向きなフィーリングが心地よい③Everybody、シンプルなアレンジだからこそメロディのフックが浮き彫りになったバラード④Just Another Day、RUBBER期を思い出させるパワーポップ⑧WhyQUEENからの影響を感じさせるボーカルハーモニーをフィーチュアした⑨Miles Awayなどですね。また2nd「MOOD SWINGS」(1993)ではDarrenが歌っていた⑩Sentimental Blvd.をセルフカバーしていて、このアルバムのテイクは91年~92年に録音した音源を基本にしつつ歌とドラムを差し替えたもののようです。Harryが歌う本バージョンも興味深くはありますが、基本的には原曲に近いハードな印象なのでリラックスムードが漂う本作に必要だったのかは疑問が残りますね。

本家と比べるとパンチに欠けるように思いますが、これまでも類稀なるソングライティングのセンスを見せつけてくれていたHarryのソロ作品だけあってどの曲も繰り返し聴きたくなる魅力を持っていますね。日本盤ボーナスながらゆったりしたメロディがアルバムを締めくくってくれる⑪Up Hill Climbもなかなか効果的。ロックソングと呼べそうなのは⑧くらいだし、派手さはないもののメロディがじんわりと胸に沁みる1枚です。それにしても2002年に7th「WEIGHT OF THE WORLD」で復活して以降、同年にライブ盤「LIVE AT THE GODS」、2003年には本作に加えてHAREM SCAREMの初期音源集「THE EARLY YEARS」と新作「HIGHER」の3枚、2004年にはPeteが1stソロ「DOWN IN IT」をリリースするなど、HarryとPeteのワーカホリック振りには驚かされますね。

【音源紹介】
・Just Another Day