【CD購入録】BAROCK PROJECT「DETACHMENT」(2017)

  • 2017/09/14(木) 00:00:00

【CD購入録】
DETACHMENT.jpg
BAROCK PROJECT「DETACHMENT」(2017)

鍵盤奏者Luca Zabbini率いるイタリアン・プログレッシブロックバンドBAROCK PROJECTの5作目を買いました。僕はこのバンドのことを全く知らなかったのですが、中心人物のLucaは伝説的キーボードプレイヤーで昨年他界したKeith Emersonに強い影響を受けているようです。ピアノが優雅な雰囲気を演出するプログレッシブロックを基調にクラシック、ジャズなどの音楽をミックスさせつつ所々で民族音楽的なフレーズや電子系のアレンジも顔を出します。超絶技巧で聴き手を圧倒するのではなく美旋律で優しく包み込むようなサウンドですね。専任シンガーが前作「SLYLINE」(2015)を最後に脱退してしまったためLucaがボーカルも兼任しているのですが、彼の甘い歌声も曲調にマッチしていると思います。お気に入りはピアノの優しい調べで始まり終盤には泣きのギターを聴かせてくれる③Happy To See You、アルバム最長となる9分の長さを感じさせない⑥Broken、一際ポップで親しみやすいメロディが楽しめる⑨Rescue Meですね。それ以外にも聴いていて心地よい楽曲が目白押しなのでリピート中です。

【CD購入録】BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)

  • 2017/04/28(金) 00:00:00

【CD購入録】
UNORTHODOX JUKEBOX
BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)

ソロデビュー前から他のアーティストに提供した曲がヒット、1st「DOO WOPS & HOOLIGANS」(2010)を発表するや、こちらも大ヒットを記録し「キング・オブ・メロディ」と呼ばれるようになったBruno Marsの2作目を買いました。デビューアルバムも珠玉のメロディが詰まった1枚でしたが僕としては本作の方が気に入っています。Bruno Marsというアーティストに関心を持った直後に調べてみるとYouTubeで全曲試聴できたので数曲聴いてみたのですが即座に購入を決めました。オープニングの①Young Girlsは「舞い降りてきたメロディ」と表現したくなる旋律だし、ビルボードチャートで6週連続1位を獲得したという②Locked Out Of Heavenで聴ける「ウゥ!」も耳から離れません。曲によって表情は異なるものの、どれもフック満載のメロディを持っていてBruno Marsというソングライターの力量を見せつけてくれます。コンパクトな楽曲が10曲並び約35分というボリュームもいいですね。しばらくは至福のメロディとBrunoの絶品ボーカルに溢れた本作のリピートから抜け出せそうにありません。

【CD購入録】BRUNO MARS「DOO WOPS & HOOLIGANS」(2010)

  • 2017/04/24(月) 00:00:00

【CD購入録】
DOO-WOPS AND HOOLIGANS
BRUNO MARS「DOO WOPS & HOOLIGANS」(2010)

ハワイ出身のシンガーソングライターBruno Marsの1stアルバムを買いました。普段HR/HMを主に聴いている僕は彼のことを全くと言っていいほど知らなかったのですが、シングルが全米1位に輝いたり、グラミー賞を2度受賞したりするなどかなり有名なアーティストのようです。相互リンク先のむーじゅさん(はぐれメタラーの音遊生活)の記事を読んでBruno Marsに興味を持ちました。いざ聴いてみると、いきなり全米No.1ソング2連発となるアルバム冒頭①Grenade、②Just The Way You Areからして美メロが炸裂。それ以降もムーディーな③Our First Time、ファンキーに駆けていく④Runaway Baby、曲名通りのけだるいムードに包まれた⑤The Lazy Song、一転してハッピーな曲調で楽しませてくれる⑥Marry You、メロウなバラード⑦Talking To The Moonなど様々なタイプの楽曲を聴かせてくれます。どこか懐かしく感じる80年代ポップスを軸にしつつR&B、ヒップホップやレゲエの要素も感じられ、あっという間に聴けてしまう1枚ですね。本作と一緒に2nd「UNORTHODOX JUKEBOX」(2012)も買ったので、そちらの記事も近々書こうと思っています。

【CD購入録】BE THE WOLF「IMAGO」(2015)

  • 2017/02/26(日) 00:00:00

【CD購入録】
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BE THE WOLF「IMAGO」(2015)

イタリアはトリノ出身のスリーピースバンドBE THE WOLFの1stアルバムを買いました。イタリアといえばRHAPSODY、TRICK OR TREATといったパワーメタル系、LIONVILLEのようなメロハーバンドが思い浮かびますがBE THE WOLFはエモ/スクリーモ系に分類されそうなサウンドですね。個人的にはMY CHEMICAL ROMANCEっぽさを感じました。リーダーでもあるFederico Mondelli(Vo、G)が生み出す楽曲群はハードでありながら適度な哀愁を含んでいて僕が好きなタイプだし、幅広いロックファンにアピールできそうなメジャー感もあって本作がデビューアルバムだとは思えませんね。調べてみるとバンドの結成は2011年にまで遡り、2013年からYouTubeでPVを続々とアップしていて本作の収録曲のうち8曲がYouTubeで公開していた音源なのだとか。お気に入りは「ウウ ウウウ〜♪」と歌うコーラスが耳に残る③The Fallですね。今回のアルバムはバンドが結成以来、書き溜めてきた曲を纏めた1枚という見方もできるので次作から真価が問われるのかもしれません。その2nd「ROUGE」(2016)も、いつか聴いてみようと思っています。

【CD購入録】BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

  • 2017/02/18(土) 00:00:00

【CD購入録】
BRINGER OF PAIN
BATTLE BEAST「BRINGER OF PAIN」(2017)

ジャケットからしてインパクト抜群なBATTLE BEASTの4作目を買いました。過去のアルバムで創作面のイニシアティブを握っていたAnton Kabanen(G)が前作「UNHOLY SAVIOR」(2015)リリース後に脱退したと聞いた時にはバンドがどうなるのか心配でしたが、ここに届けられた新作はそんな不安を吹き飛ばすばかりか最高傑作なのではないかと思えるほどの充実盤となっています。シンセサウンドを纏いながら駆け抜けていくアップテンポ①Straight To The Heartを聴いて今まで以上に僕好みのメロディアスな作風で手応えを感じていたら、それ以降もテンションが下がることなくあっという間に聴き終えてしまったという感じです。メロディ志向の楽曲群の中でガツンと来るタイトル曲②Bringer Of Pain、重厚なヘヴィサウンドでアルバムに起伏をつけている⑥Lost In Wars、「ウィ!ウィル!ファァィ!」と初めて聴いた時から歌えてしまった⑧We Will Fight、タイトル通りのダンサブルチューン⑨Dancing With The Beast、本編を見事に締めくくるバラード⑩Far From Heaven などバラエティに富んでいる点も見逃せません。それに加えてボーナストラックもBATTLE BEASTらしいメタルソング⑪God Of War、クワイアが荘厳な雰囲気を醸し出す⑫The Eclipse、ロックンロールテイストに溢れた⑬Rock Trashと充実しています。バンド史上最大の危機を見事に乗り越えた本作は気が早いかもしれませんが2017年の年間ベスト入りは確実だと思います。

【CD購入録】BONNIE TYLER「SECRET DREAMS AND FORBIDDEN FIRE」(1986)

  • 2016/07/22(金) 00:00:00

【CD購入録】
SECRET DREAMS AND FORBIDDEN FIRE
BONNIE TYLER「SECRET DREAMS AND FORBIDDEN FIRE」(1986)

力強いハスキーボイスが魅力の女性シンガーBonnie Tylerの6作目を買いました。僕は彼女のことをよく知らなかったのですが、MEAT LOAFの「BAT OUT OF HELL」シリーズに深く関わっているJim Steinmanが本作をプロデュースしていると知り購入した次第です。昭和の青春ドラマ「スクール☆ウォーズ」の主題歌「ヒーロー」の原曲⑨Holding Out For A Heroは子供の頃から知っている大好きな曲だし、その⑨を含む3曲をJimが作曲していること、それ以外にもDesmond Child、Bryan Adamsといった錚々たる顔ぶれが楽曲を提供している点でも期待値が上がりましたね。そして実際の出来もその期待を裏切らない仕上がりとなっています。キラーチューン⑨もさることながら、それ以上にJim Steinman節が色濃く表れている①Ravishing、③Loving You's A Dirty Job But Somebodys Gotta Do Itが印象的だし、BON JOVIのヒット曲You Give Love A Bad Nameの原型と言われるDesmond作の②If You Were A Woman(And I Was A Man)も興味深いですね。ドラムが人工的な打ち込みということもあって、普段HR/HMを聴いている身としては音の軽さが気になりますが楽曲とBonnieの歌唱は流石のクオリティを誇っています。ちなみに③はMEAT LOAFがJim Steinmanとタッグを組んで2016年9月にリリース予定の新作「BRAVER THAN WE ARE」にも収録されるようです。

BBMAK「SOONER OR LATER(U.S.A VERSION)」(2000)

  • 2015/01/19(月) 00:00:00

SOONER OR LATER USA
【No.415】
★★★★(2000)
年間ベスト2000年第9位

大学時代に友人から「これいいよ」と薦められてその存在を知ったイギリス出身の男性3人組ボーカルグループBBMAK(ビービーマック)のデビューアルバム。グループ名はMark Barry(Vo)、Christian Burns(Vo、G)、Stephen McNally(Vo、G)というメンバーの名前から取られているようです。美形揃いのルックスから、見た目重視のアイドルグループかと思いきや音の方はアコースティック主体の高品質ポップスに仕上がっていて、いい意味で予想を裏切られました。外部ライターによる楽曲もいくつかあるものの、基本的にはメンバー達がソングライティングしているのも好印象。友人が貸してくれた「SOONER OR LATER」は世界に先駆けて日本を含むアジア諸国で1999年にリリースされた全11曲入りのオリジナル盤、僕が持っているのは翌年にオリジナル盤から選ばれた6曲に新曲7曲(⑬Mary's PrayerはボーナストラックでGary Clarkのカバー)を加えた全米デビュー記念盤です。ちなみに2001年には本作から⑬を外して新曲2曲を追加、曲順も一新して母国イギリスでリリースしたUK盤も発表されていて1枚のアルバムが3パターンも存在するというややこしい事態となっています(苦笑)。

そんな事情はさておき中身は素晴らしいの一言。ポップセンスとメロウな雰囲気、美しさを併せ持ったメロディ、聴きやすい英語で歌われる歌詞、そして3人による見事なコーラスワークがBBMAKの強みですね。アルバム前半6曲は、このUSAバージョンのために書き下ろされた新曲でオリジナル盤の収録曲以上に僕好みのものが多く、中でも「ラ~ヴ、イ~ズ、アンプレディクタボー♪」というサビをつい口ずさんでしまうポップチューン③Unpredictable、分厚いハーモニーをフィーチュアしたバラード④Ghost Of You And Meがハイライトですね。インタールード的な役割を果たす1分弱の⑥Always以降はオリジナル盤からのナンバーで構成されていて、これまた佳曲揃い。特に記念すべきデビューシングル⑦Back Here、落ち込んだ時に聴くと元気を与えてくれそうなセカンドシングル曲⑩Still On Your Sideは出色の出来です。

BBMAKがデビューした当時は男性ボーカルグループ全盛期でBACKSTREET BOYS*NSYNCなどの方がもてはやされていたので彼等のアルバムも聴いてみたりもしましたが、このジャンルでの僕の一押しは断然BBMAKですね。どれくらい好きだったかというと新曲を聴きたいがために後日、本作のUK盤も買ってしまったほどです(中古ですが)。それほどツボにはまったアーティストだっただけに彼等が2nd「INTO YOUR HEAD」(2002)をリリースした後、2003年に解散してしまったことが残念でなりません…。オリジナル盤、UK盤のジャケットと概要をまとめると以下のようになるかと思います。ちなみに僕のお気に入り度としてはUSA盤とUK盤が同等、オリジナル盤は一歩譲るかなという感じです 。

SOONER OR LATER
BBMAK「SOONER OR LATER」(1999)
世界で最も早くリリースされたBBMAKのアルバムは日本盤でした。7曲目~11曲目はUSA盤には未収録(⑪More Than WordsはあのEXTREMEのカバー)。

SOONER OR LATER UK
BBMAK「SOONER OR LATER(UK VERSION)」(2001)
アジアでリリースされたオリジナル盤、全米デビューを飾ったUSAバージョンに続き、彼等の母国イギリスでリリースされた3枚目の「SOONER OR LATER」。新曲については飛び抜けたものはないけれどBBMAKらしさに溢れた⑧If I Could Fly、⑪Save Me Tonight、更にシークレットトラックとして彼等にしてはヘヴィなギターを取り入れたインストが追加されています。曲順も変更されていますが「Back HereはこのUK盤やオリジナル盤のように1曲目にあるべき」というのが持論です。

【音源紹介】
・Still On Your Side

【CD購入録】BATTLE BEAST「UNHOLY SAVIOR」(2015)

  • 2015/01/16(金) 00:00:00

【CD購入録】
UNHOLY SAVIOR
BATTLE BEAST「UNHOLY SAVIOR」(2015)

2代目シンガーNoora Louhimo(Vo)を迎えた2nd「BATTLE BEAST」(2013)リリース後に初来日、昨年はLOUD PARKにも出演し高い評価を得るなど日本でもその名を広めつつあるフィンランド産メタルの雄BATTLE BEASTの3作目を買いました。先行でリリックビデオが公開されていたTouch In The Nightがこれまでとは毛色の異なる曲調だったので一抹の不安もありましたが①Lionheartのイントロを聴いた時点でそんな心配は吹き飛びました。キャッチーな④Madness、気持ちよく疾走する⑥Speed And Dangerは初めて聴いた時から印象に残っているし⑦Touch In The Nightもアルバムの流れで聴いた方がいい感じです。それにしてもNooraは激しいシャウトから女性らしいクリーンボイスまでを巧みに使い分ける逸材ですね。2015年は幸先のいいスタートとなりました。

BRAINS BEAT BEAUTY「FIRST CAME MOSES, NOW THIS… 」(1997)

  • 2014/07/05(土) 00:00:00

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【No.400】
★★★★★(1998)

スウェーデンの男性ポップデュオBRAINS BEAT BEAUTYが1997年に発表した1stアルバムにして現時点で唯一の作品。中心となっているのはGoran Danielsson(Vo)なる人物で、その相棒を務めるのは本作リリース当時は活動休止中だったEUROPEのドラマーIan Haugland、またMic Michaeli(Key/EUROPE)も数曲に参加しています。ライナーノーツによるとグループ名は「知は美に勝る」という慣用句「BRAINS BEFORE BEAUTY」のBEFOREをBEATに置き換えたもので「ルックスだけのグループより、素晴らしい音楽をやってる俺達の方が売れるに決まってる!」という意味が込められているようです。確かに中心メンバーの2人はイケメンという言葉とは無縁のオジサマなので言い得て妙なネーミングかもしれません(笑)。

僕はBURRN!誌上で藤木さんが本作を取り上げていたのがきっかけで彼等のことを知り軽い気持ちで買ってみたのですが、いざ聴いてみるとMY琴線に触れまくりなメロディの数々に圧倒されました。BRAINS BEAT BEAUTYサウンドにとって重要なファクターであるストリングスで幕を開ける①Where Broken-Hearted People Go、バッキングで流麗に舞うピアノが印象的な②Live At The Opera Houseの時点でかなりの手応えを感じていましたが、本作の本領が発揮されるのはそれ以降でした。ゆったりとしたメロディがとにかく心地よい③Shine A Light、抜群の歌メロセンスが光るミディアムチューン④I Close My Eyes、30秒足らずの小インスト⑤Politicsを挟んでこれまでとは打って変わってポップに弾ける⑥Open Heart、Micが奏でるピアノによるイントロの時点で名曲認定の極上バラード⑦Heroesと続く流れは超強力。⑧Tiger's Eyeではこちらが「ギョッ」となるくらいコミカルなテクノサウンドを導入していたり、⑦までが素晴らしすぎるためアルバム後半で少しテンションが下がり気味だったりしますが本編ラストをバラード⑪Steinway & Sons And Meで綺麗に締めくくっている点はお見事。それに加えてアカペラで魅せてくれる⑫Hurry Home、軽快なポップソング⑬Life In The Undergroundといったボーナストラックにも抜かりはありません。ちなみに本作はコンセプトアルバムだそうですが、情報が少ないためその内容はよくわかりません(歌詞を読む限り恋愛ストーリーのようです)。

そんな素晴らしい楽曲を歌うGoranの低音域メインで深みがあるボーカル、それを包み込むストリングスアレンジと効果的に配されたバックのハーモニーや女声コーラスが曲の更なる魅力を引き出すことに成功しているし、④などで顕著なMikael Larsson(G)の情感に満ちたプレイもいいですね。僕はYNGWIE MALMSTEENHELLOWEENがきっかけでHR/HMを聴くようになり、中でも北欧のアーティストが出す音が好きでいろいろ聴き漁りましたが本作は北欧哀メロハードポップの名盤MIKAEL ERLANDSSON「THE 1」(1995)ERIKA「COLD WINTER NIGHT」(1990)に勝るとも劣らない1枚だと思っています。それだけに、これほどのアルバムが現在廃盤だという事実が信じられません。ビクターから発売されていた国内盤を見ると①に「彷徨うハート」という邦題が付けられていて、当時はそれなりに注目されていたことが窺える節もあるんですけどね…。

【音源紹介】
・Where Broken-Hearted People Go

【CD購入録】BLACK VEIL BRIDES「WRETCHED & DIVINE :STORY OF THE WILD ONES」(2013)

  • 2014/01/21(火) 00:00:00

【CD購入録】
WRETCHED AND DIVINE
BLACK VEIL BRIDES「WRETCHED & DIVINE :STORY OF THE WILD ONES」(2013)

アメリカはオハイオ州出身の5人組HR/HMバンドBLACK VEIL BRIDESの3作目を買いました。年間ベスト2013年の記事に本作がベストアルバムだとコメントを下ったにB!13さんを始め、複数の方にお薦めいただいていた作品でもあります。ゴス/ヴィジュアル系バンドを連想させる派手なルックスとは裏腹にどっしり構えたHR/HMサウンドを展開していますね。また本作はバンド初のコンセプトアルバムとなっているのですが、楽曲群は小難しさとは無縁のコンパクトかつキャッチーなものばかり。全19曲のうち7曲は語りや小インストながら作品を間延びさせるどころか曲間を効果的に繋ぐ役割を果たしていて終盤の⑯Lost It All、⑰F.E.A.R. Transmission 3: As War Fades、⑱In The Endという流れは実に感動的。Andy Biersack(Vo)の歌声も想像以上に男らしくVille Valo(Vo/HIM)、Ville Laihiala(Vo/POISONBLACK、ex-SENTENCED)といった味のあるシンガーを彷彿とさせる場面もありました。楽曲とボーカル、そして作品をドラマティックに盛り上げるストレングスアレンジなど様々な面で若手らしからぬ成熟振りを見せつけてくれたバンドの更なる活躍に期待したいし、過去作品もチェックしたくなりました。

【CD購入録】BRIAN MELO「THE TRUTH」(2010)

  • 2013/12/15(日) 00:00:00

【CD購入録】
THE TRUTH
BRIAN MELO「THE TRUTH」(2010)

カナダのオーディション番組「CANADIAN IDOL SEASON5」(2007年)の優勝者でもあるシンガーソングライターBrian Meloの2作目を買いました。僕が彼に関心を持ったきっかけはHarry Hess(Vo/HAREM SCAREM)の2ndソロ「LIVING IN YESTERDAY」(2010)の曲作りに参加していたからなのですが、本作ではHarryがプロデュースを手がけているほかPete Lesperance(G/HAREM SCAREM)がギターとベース、Creighton Doane(Ds/HAREM SCAREM)がドラムパートで参加しています。気になるBrianの歌声についてはルックスから勝手に「AMERICAN IDOL SEASON5」(2006年)のファイナリストで、現在はDAUGHTRYとして活動しているChris Daughtry(Vo)のような野太くて温かみのあるタイプを想像していましたが、本作を聴いて最初に連想したシンガーはMikael Erlandsson(Vo/LAST AUTUMN'S DREAM)でした。オープニングを飾るタイトル曲①The Truthの「オッオッオー オ オッオッオー♪」というコーラスを筆頭に若干掠れ気味なBrianのボーカルが独特の哀愁を放っていて良いですね。かと思えばMikael以上に逞しく、それこそChris Daughtryのように力強く歌う場面もあってなかなかの逸材だと思います。彼が中心となって手がけた楽曲群に関してもメロディが胸に沁みるミディアムチューンを軸に軽快なナンバーやほのぼの系、女性シンガーとのデュエットもあって飽きることなく聴けます。現時点では日本盤リリースのないBrianですが、今後の動向に注目したいアーティストですね。

【CD購入録】BATTLE BEAST「BATTLE BEAST」(2013)

  • 2013/07/25(木) 00:00:00

【CD購入録】
BATTLE BEAST
BATTLE BEAST「BATTLE BEAST」(2013)

母国フィンランドから約1年遅れで国内盤がリリースされたデビュー作「STEEL」(2012)が素晴らしく、このブログで2012年のブライテストホープに選出させてもらったBATTLE BEASTの2作目を買いました。前作発表後、バンドは精力的にツアーを敢行していたようですが、バンドのアイデンティティーのひとつでもあった女性ボーカルNitte Valoが「家族との時間を優先したい」という理由で突如脱退。後任にNoora Louhimo(Vo)嬢を迎えています。本作の注目点は何と言ってもニューシンガーNooraですが、ややハスキーな声質で時にはNitte以上に女性らしい歌声も披露しつつバンドに欠かせない強烈なシャウトも炸裂させる実力者でバンドサウンドと見事にマッチしています。シンガーは交代したもののバンドの基本線に変化はなく正統派メタルの王道を今回もひた走りつつ、彼等の特徴でもあるキーボードによる効果的な味付けは更に強化され、楽曲自体も前作以上にキャッチーな仕上がりとなっていて同郷のモンスター集団LORDIを思い出すほど親しみやすいメロディもありますね。前作を聴いて膨らんでいた僕の期待にきっちり応えてくれる1枚だと思います。

BATTLE BEAST「STEEL」(2012)

  • 2013/07/14(日) 00:00:00

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【No.381】
★★★★(2012)
年間ベスト2012年ノミネート作品

フィンランドから彗星のごとく現れたメタル界の野獣BATTLE BEASTの1stアルバム。僕は全く予備知識がなかったのですがライナーノーツによるとデビュー前から華々しい経歴を持ったバンドのようで、ヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIRで行われる大会METAL BATTLEで見事優勝して注目を集め、2011年に母国フィンランドで本作をリリースするやナショナルチャートで7位を記録。その勢いに乗って2012年にNUCLEAR BLASTからワールドデビューを果たしています。本作で繰り広げられているのは純度120%の正統派メタル。この手のピュアメタルをあまり得意としていない僕も絶妙なさじ加減で加えられた哀愁とキャッチーなメロディがあるため本作はかなり聴きやすく、一発で気に入りました。ちなみに僕が持っている日本盤のジャケットはバンド、アルバム名が表記されただけのシンプルなものですが輸入盤ではバンド名を体現したような野獣キャラが描かれていて断然輸入盤の方が好きですね。

本作についてまず触れなくてはならないのはNitte Valo姐さん(Vo)の存在でしょう。SINERGYのシンガーとして一世を風靡したKimbery Gossに匹敵するインパクトも去ることながら、KimberyやMarta Gabriel(Vo/CRYSTAL VIPER)を彷彿とさせる低音域、男性シンガー顔負けの強力無比なシャウトを駆使して楽曲の凄みをアップさせるボーカルパフォーマンスは圧巻。オーディションでほんの数秒歌っただけでバンドの度肝を抜いたというエピソードにも納得ですね。そんな歌の側面だけでなくバンドの中心人物で時折Udo Dirkschneider(Vo/ U.D.O.、ex-ACCEPT)ばりの金切り声も響かせるAnton Kabanen(G)Juuso Soinio(G)によるギターワーク、楽曲のアレンジに大きく貢献しているキーボードの使い方の上手さもあって古臭さは感じられず、その巧みなアレンジセンスは本当に新人かと疑ってしまうほどですね。

個々の楽曲をについても文字通りBATTLE BEASTの音世界へと引き込んでくれるオープニング①Enter The Metal Worldからしてインパクト抜群だし、アルバムの約半分を占めるアップテンポのメタリックチューンズが僕のメタル魂を鼓舞してくれます。中でも④Justice And Metal、⑦Cyberspace、⑧Show Me How To Die、⑪Victory辺りがお気に入りですね。そんな速めの曲だけでなく「Death of the batllefield」だとか「Shake the world with heavy metal」といったメタルバカ全開(褒めてます)の歌詞を覚えやすいメロディに乗せた③The Band Of The Hawk、⑤Steelなどのミドル、メロウな曲も魅力的だと証明してみせた本作唯一のバラード⑨Savage And Saint、スケールの大きなシンフォアレンジからNitteの強烈なシャウトが炸裂するサビに繋がるドラマティックナンバー⑩Iron Handなどバリエーションも多彩です。正直なところ、お気に入り度は★★★★★にしてもいいくらい気に入っているのですが本作はデビューアルバムなので、次回作が今回以上の出来だった時のことを考えてお気に入り度★★★★にしているくらいです。残念ながら本作で重要な役割を担っていたNitte姐さんは脱退してしまいましたが、7月24日に発売予定の2nd「BATTLE BEAST」に収録されるBlack NinjaのPVを見る限り、後任のNoora Louhimoも実力者のようなので期待が募ります。

【音源紹介】
・Enter The Metal World

BLIND VENGEANCE「BLIND VENGEANCE」(1985)

  • 2012/11/29(木) 00:00:00

BLIND VENGEANCE
【No.355】
★(2007)

Harry Hess(Vo/HAREM SCAREM)HAREM SCAREM結成前にDarren Smith(Ds/HAREM SCAREM)と共に活動していたバンドBLIND VENGEANCEが残した唯一のアルバム。1984年に発表した「A TASTE OF SIN」という作品をリミックス、ジャケットを差し替えて曲順を変更したのが本作です。ちなみにメンバーのクレジットを見るとドラマーにはTerry Josephという名前が記載されていて、メンバーショットを見ても若かりし頃のHarryは確認できますがDarrenは特定できないので本作の時点でDarrenはメンバーではなかったのかもしれません。

全10曲のうちHarryと他のソングライターによる共作が大半を占める本作で唯一Harryが単独で手がけた③ManikanにHAREM SCAREMの片鱗が垣間見られるものの、その③と①Night Musicを除いて②Leave Me Tonightに代表されるような荒々しさと勢いに任せた80年代メタルという感じなのでHAREM SCAREMのデビュー作で聴けたメロディックロックを期待すると肩透かしをくらうのは必至ですね。メンバー全員が10代の時に制作されたアルバムということもあってか全体的に野暮ったく感じられるし、Harryのボーカルに関しても一聴して彼の歌声だと分かりますが「THE EARLY YEARS」として2003年にリリースされた初期HAREM SCAREMのお蔵入り音源集以前に制作されたアルバムなので、その歌唱力は磨けば光るダイヤの原石状態といったところでしょうか。

英語で書かれた本作のブックレットによると、このバンドはライブでJUDAS PRIESTGreen Manalishi、The RipperIRON MAIDEN2 Minutes To Midnightなどをカバーしていたそうなので、そういう方向性を目指していたのだとは思いますが如何せんメロディにフックが不足しているため「そこそこアグレッシブなメタリックチューンが並ぶアルバム」以上の感想が出てこなかったりします(苦笑)。というわけでHarryがHAREM SCAREM以前にどんな音楽をプレイしていたのか聴いてみたいというファンなら興味をそそられるかもしれない1枚という印象なので、一般的にはあまりお薦めできませんね。僕自身、本作の購入動機が上記のような理由だったので買った当初に数回聴いた後はCDラックで眠っていました。今回の記事を書くために久し振りに聴いてみたのですが、残念ながら感想は変わりませんでしたね…。

【音源紹介】
・Leave Me Tonight

BLACK STAR「BLACK STAR」(2005)

  • 2012/11/24(土) 00:00:00

BLACK STAR
【No.354】
★★★★(2005)

HAREM SCAREM結成前からHarry Hess(Vo)BLIND VENGEANCEなるバンドで活動を共にしていたDarren Smith(Ds)がHAREM SCAREM脱退後に初めて発表した自身のバンドBLACK STARの1stアルバムで、海外ではDARREN SMITH BANDの「KEEP THE SPIRIT ALIVE」としてリリースされている作品。HAREM SCAREMの創設メンバーでもあるDarrenはパワフルなドラミングに加えてHarryとは一味違う荒々しく逞しい歌声をSentimental Blvd.(2nd「MOOD SWINGS」収録)とStaying Away(4th「BELIEVE」収録)で披露して人気を博していましたが、日本を除く地域ではバンド名をRUBBERに変えて発表した6th「RUBBER」(1999)に伴うツアー終了後に、自身がリードボーカルを務めるバンドJUICEに専念したいという理由でHAREM SCAREMを脱退してしまいました。それ以降は地元カナダの後輩バンドEMERALD RAINに助っ人ドラマーとして参加したとか、噂レベルではRalph Santolla(G)率いるMILLENIUMのシンガーに迎えられたという話を耳にした以外、彼の動向について伝わってこなかったので自分のバンドを率いてカムバックを果たしてくれたことが嬉しいですね。なお、本作のプロデュースをHarryが手がけているほか、Pete Lesperance(G)もゲスト参加するなどHAREM SCAREMのメンバーとは脱退後も良好な関係が続いているようです。

本作で聴けるのはHAREM SCAREMにも通じるメロディアスハードでありながら、よりオーソドックスなロックやブルーズの影響も感じさせるサウンドでHAREM SCAREMファンならば十分楽しめる内容だと思います。まず驚かされるのはDarrenがソングライターとしても非凡な才能を持っていたということ。尊敬するソングライターにHarryとPeteの名前を挙げるDarrenは「自分より彼等の方が良い曲を書くから」という理由で、HAREM SCAREM在籍時は自分の曲をメンバーに聴かせることすらなかったそうですが、なかなかどうして彼のインプットがあればバンドには良い意味で違う未来があったのではないかと思えるほどです。メロディのフックとノリの良さが絶妙なアップテンポ②Keep The Spirit Alive、Harryと共作した躍動感溢れる⑪Why Do Iは本家を凌駕するほどの出来栄えだと言えるのではないでしょうか。

BLACK STARはアルバム完成時には正式なバンドとなったようですが、レコーディング当初はDarrenのプロジェクトという位置付けだったこともあり②以外のドラムはDarrenが叩いています。そんな中途半端感はアルバム構成にも表れていて本編11曲中、BLACK STARのオリジナルは5曲であとはカバーソングとなっています。だからといって本作が散漫な内容になっているかと言うと、そうではありません。原曲が魅力的だからか、BLACK STARのオリジナル曲と同じように仕上げるだけの力量がバンドとプロデューサーのHarryにあったからか、はたまたその両方なのかはわかりませんが1枚のアルバムとして統一感があるんですよね。カバー曲で最も惹きつけられたのは70年代に活躍したというロックバンドNAZARETHのバラードを見事なロックチューンに料理した⑥Love Hurtsですね。その他にもCRUSHというバンドから③There You Go、⑤King For A Day、⑧Everybody Knowsが、John Boswellというソングライターから④When I Was You、⑦Still On My Radioがチョイスされていて、これら5曲はプロデューサーのHarryからDarrenに薦めたカナダ人アーティストのナンバーで、どれもが原曲を聴きたくなる佳曲だと思います。また本作にはボーナストラックとして、DarrenがHAREM SCAREMを辞める理由となったJUICEの音源が3曲収録されていますが、こちらはBLACK STARの曲に比べるとメロディのフックに乏しいため僕は退屈でした。参考資料として聴くならアリという感じですね。ちなみにJUICEに関してはラップを取り入れようとする他のメンバーと音楽性の相違が明らかになったためDarrenはバンドを脱退しているようです。JUICEの楽曲が蛇足気味ではありますが、総合的に見るとHAREM SCAREMの関連作品の中ではHarryとPeteのソロアルバムを差し置いて本作が一番好きですね。

【音源紹介】
・Why Do I

BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

  • 2012/04/24(火) 00:00:00

AT THE EDGE OF TIME
【No.325】
★★(2011)

BLIND GUARDIANというジャンル」を築き上げたと言っても過言ではないジャーマンメタル界の重鎮が4年振りに発表した9作目。バンドの大きな特徴でもある綿密に作り込まれたサウンドを徹底的に追求した7th「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)は個人的にあまり好きになれませんでしたが、前作「A TWIST IN THE MYTH」(2006)はBLIND GUARDIANにしては薄味ながらも多様性を感じさせる作風で僕は好意的に受け止めていました。そんな2枚のアルバムに続く本作は6th「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)までの作品群で積み上げてきた「緻密でスケールの大きい曲調」「前のめりな疾走感」「楽曲に山場を生み出すクワイア」「フォーキーで吟遊詩人的な世界観」といったBLIND GUARDIANサウンドをきっちり提示してくれているので安心して聴けるアルバムだと思います。余談ですが、このバンドは6th以降4作品連続でFIFAワールドカップ開催イヤーにアルバムをリリースしていますね。

意外にも初めてオーケストラとの共演を果たした①Sacred Worldsはいかにも今のBLIND GUARDIANらしい9分の長編で、このまま近作に似た壮大な音世界を展開していくのかと思いきや、続く②Tanelorn(Into The Fire)では一転してバンド初期の衝動性を取り戻したメタリックチューンを聴かせてくれます。そんな突進系スピードナンバーは②のみならず④Ride Into Obsession、⑨A Voice In The Dark等も収録されていて、中でも⑨がMirror Mirrorに代表される過去の名曲群を一瞬思い出させてくれるほど強力だというのが嬉しい。今やこういったストレートなメタル曲はBLIND GUARDIANの本道ではなくなっていると頭ではわかっていても、やはりこの手の楽曲が僕は好きなんですよね。そんなメタルサイドの楽曲の合間にはバンドが持つ「静」の魅力を堪能させてくれる民謡調⑤Curse My Name、BLIND GUARDIANらしさに満ち溢れたミドル⑥Valkyriesなどを挟んで緩急をつけ、本編ラストには①同様にオーケストラサウンドをフィーチュアした大作⑩Wheel Of Timeを持ってくるというアルバム構成も良いですね。

Hansi Kursch(Vo)によるとアルバムの基本的なアイディアは4作目の「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)と関連しているようで、確かに作品そのものからは似た雰囲気を感じ取ることはできるのですが、バンドの代表作でもある名盤4thと比べると本作はメロディのフックが弱く印象の薄い1枚と言わざるを得ません。音楽的特徴は紛れもなくBLIND GUARDIANだし、印象的な場面はあるものの僕が最も惹かれていた「熱いクサメロ」というバンドの持ち味が魅力薄だというのが残念。本作でも孤高の世界観を繰り広げている辺りは流石ながら、90年代にバンドが作り上げた名作群に比べると「耳に残るメロディの少なさ」が感じられてしまうんですよね。ちなみに僕が持っている国内盤はボーナストラックとして⑤と⑥の別バージョンが収録しているのに対して、輸入盤ではバージョン違い2曲、カバー1曲とデモ音源3曲に加えてPVとスタジオ・ドキュメンタリーを収録した2枚組仕様も存在しているようです。

【音源紹介】
・A Voice In The Dark

【CD購入録】BATTLE BEAST「STEEL」(2012)

  • 2012/04/22(日) 00:00:00

【CD購入録】
STEEL.jpg
BATTLE BEAST「STEEL」(2012)

フィンランドから突如として現れた正統派メタルの超新星BATTLE BEAST(ツインギターに鍵盤奏者を要する6人組)の1stアルバムを買いました。デビュー前からヨーロッパ最大級のメタルフェスWACKEN OPEN AIRに出場するなど注目を集める中、2011年に本国デビュー。続く2012年にNUCLEAR BLASTからワールドデビューを果たした注目株のようなのですが、恥ずかしながら僕はB!13さんからこちらの記事のコメント欄でお薦めいただいて①Enter The Metal World⑧Show Me How To Dieにノックアウトされるまでは全くノーマークでした。音楽性はヘヴィメタルの王道ど真ん中と言うべき内容であるだけでなく時には勇壮に、時にはシンフォニックにと絶妙なさじ加減で曲調に幅があるし、どの曲もキャッチーなメロディで溢れています。そして特筆すべきはNitte Valo姐さん(Vo)の存在。ミドルレンジではCRYSTAL VIPERのフロントウーマンMarta Gabriel(Vo)、スクリームすると性別を超越して元ACCEPTU.D.O.Udo Dirkschneider(Vo)ばりの金切り声を響かせるその驚愕パフォーマンスは圧巻の一言に尽きます。…と思っていたらUdoばりのスクリームをキメているのはバンドの中心人物Anton Kabanen(G)だそうです。ただ、それを差し引いてもこれほどインパクトのある女性メタルシンガーは久し振りですね。ギターパートもかなり充実しているし、キーボードのアレンジも巧みで新人バンドとは思えないクオリティを備えています。2012年ブライテストホープの最有力候補の登場です。それにしてもフィンランドのメタルシーンは懐が深いですねぇ。
最後になりましたがB!13さん、素晴らしいバンドを紹介いただきありがとうございました!

BLIND GUARDIAN「A TWIST IN THE MYTH」(2006)

  • 2012/04/04(水) 00:00:00

A TWIST IN THE MYTH border=
【No.323】
★★(2006)

これまでバンドが追求してきた音楽性を極限まで突き詰めたかのような前作「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)発表後は約1年半にも及ぶ長期ツアーから厳選したテイクを2枚組CDに纏めた「LIVE」(2003)、そして自らのバンド名を冠した集大成的なフェス「BLIND GUARDIAN FESTIVAL」の模様を収めたDVD「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」(2004)を立て続けにリリースするなど、その活動にひとつの区切りをつけた感のあるBLIND GUARDIANが放つ8thアルバム。1988年のデビュー以来、不動のラインナップだったバンドからThomas "Thomen" Stauch(Ds)が方向性の違いを理由に脱退し、後任として無名の若手ドラマーFrederik Ehmkeを迎えたという意味でもバンドの新章の幕開けと言えそうな作品でもあります。そんなバンド状態を象徴するように、随所でBLIND GUARDIANがこれまでに表現してきた要素を散りばめつつ新味も感じさせる作風となっていますね。

過去作品(特に1995年発表の「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」以降)では「さぁ聴くぞ!」と身構えてアルバムと対峙することを求める作風だったとすれば、本作は良い意味で気軽に繰り返し聴ける1枚のような気がします。前作はバンドの特徴でもある「濃密に作り込んだサウンド」を追い求めるあまり装飾過多なアレンジの中にメロディが埋没してしまっていましたが、今回はそれほどメロディの輪郭がぼやけることなく楽曲にメリハリが戻ってきているので聴きやすい作品だと思います。しかし聴き始めの頃は物足りなさも感じていました。というのもバンド初期にあったガムシャラな勢いは影を潜めてしまい、メタルバンドとしての攻撃性や刺々しさが希薄になっているように思えたからです。それはHansi Kursch(Vo)のボーカルにも当てはまっていて、抑揚をつけながら熱く歌い上げるスタイルから余裕を感じさせるクリーンボイス主体にシフトしているため従来作品に漂っていた緊迫感が減退しています。本作発売の約1年前にThomen率いるSAVAGE CIRCUSがリリースしたデビュー作「DREAMLAND MANOR」(2005)が初期BLIND GUARDIANを彷彿とさせる内容だったこともあって、余計に本作が緩く思えたのかもしれません。

ところが聴き込むにつれて、アルバムを代表する「決めの1曲」はない代わりに作品全体が醸し出す唯一無二のBLIND GUARDIANワールドがじわじわと僕の心を掴むようになってきました。冒頭のザクザクしたギターリフで幕を開ける①This Will Never Endsは本作で最もメタリックな興奮を与えてくれるし、ドラマティックなコーラスワークをフィーチュアした②Otherland、ケルティックサウンドとパワーメタルが融合した③Turn The Pageでは「らしさ」を発揮しています。その一方で意欲的なモダンテイストに溢れた④Fly、⑩The EdgeやダイナミックなBLIND GURADIAN流ハードロック⑥Another Stranger Meなどは新鮮味もあって楽曲の幅を広げていますね。バンドが成熟するにつれて初期のクサいメロディやわかりやすさが失われていくということはメロディックメタル界では珍しくなく、BLIND GUARDINANもその道を辿っています。僕自身、本作を聴いていて疾走曲やBLIND GUARDIAN特有の熱さ、高揚感の減退にガッカリしたこともありましたが、今ではバンドの独自性と新境地がほど良いバランスで味わえるスルメ盤だと思えるようになりました。

【音源紹介】
・Another Stranger Me

BLIND GUARDIAN「LIVE」(2003)

  • 2012/03/19(月) 00:00:00

LIVE.jpg
【No.321】
★★★(2009)

ドイツが誇るファンタジック・メタル界の大御所BLIND GUARDIANが敢行した18ヶ月間に及ぶ欧州ツアーの音源を厳選して作り上げた2枚組ライブ盤。バンド初のライブアルバム「TOKYO TALES」(1993)が地元の先輩SCORPIONSのライブ作品に敬意を払いつつ、自分達らしさも込めたタイトルだったのに対して今回はシンプルに「LIVE」と題されています。曲が終わる度にHansi Kursch(Vo)のMCやオーディエンスの歓声が入っているためライブとしての流れは希薄で各地のテイクを寄せ集めた感が強いですが、本作はデビューアルバムから当時の最新作「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)までのフルアルバム7枚全てからの楽曲を網羅しているので本作はBLIND GUARDIAN入門に最適な作品と言えるかもしれませんね。

僕が本作を入門盤に推す理由は、このバンドの場合ライブになると観客の大合唱がスタジオ盤でのクワイアパートを見事に補い、時にはスタジオバージョンを凌駕していることも少なくないからです。その最たる例であるDisc-2④Bard's Songはライブバージョンを聴いてこその1曲だと思います。勿論スタジオ盤のような緻密さをライブで再現しきれていなかったり、Hansiがフェイクしいたりする部分もありますが、メタルバンドBLIND GUARDIANとしての熱さや高揚感を強調したライブテイクの方が僕は好きですね。「TOKYO TALES」を発表したころは勢いのある疾走曲メインだったのに対して、本作はスピードチューンを軸にバラード、大合唱を誘うキャッチーミドルなどで緩急をつけていてバンドの成熟振りを感じさせてくれます。セットリストに関しては他に聴きたかった曲もありますがDisc-1⑤The Script For My Requiem、Disc-2⑤Imaginations From The Other Side、⑪Mirror Mirrorなど僕の大好きな曲は押さえられているし、その他もまずまず手堅い選曲だと思います。

オーディエンスによる合唱のフィーチュア度は「TOKYO TALES」ほどではないものの、曲間では「オーレー オレオレオレー トーメーン!トーメーン!」とThomenことThomas Stauch(Ds)へ声援を送ったり、「チャチャッチャ チャッチャ!ミーラ ミーラ!」と手拍子とともに名曲Mirror Mirrorをリクエストしたりしている会場の盛り上がりが伝わってくるのも良いですね。なおバンドは本作から僅か1年後にBLIND GUARDIANのライブ作品の決定盤ともいえる「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」(2004)というDVD作品をリリースしています。こちらはその名も「BLIND GUARDIAN FESTIVAL」という彼等メインのフェスの模様を収めた内容でThe Last Candle、Somewhere Far Beyond、I'm Alive、Another Holy War、And Then There Was Silence等ライブCDには収録されていなかった僕のお気に入り曲が聴けるので思わず買ってしまいました。

【音源紹介】
・Valhalla(Live)


・The Bard's Song(Live)

BLIND GUARDIAN「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)

  • 2012/03/14(水) 00:00:00

A NIGHT AT THE OPERA
【No.320】
★(2009)

メロディック・パワーメタルの枠を越えてドラマティックで緻密なプログレッシブ・パワーメタルスタイルを確立し、前作「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)ではバンド初のコンセプトアルバムも完成させたBLIND GUARDIANの7作目。僕は前作辺りからこのバンドに対する情熱が冷めつつあったので、本作を発表当時はスルーしていて2009年になってようやく聴いてみました。聴き手を飲み込んでしまうほどに作り込まれた音作りが特徴であるBLIND GUARDIANの進化は、本作でひとつの到達点に達したのではないでしょうか。とにかく豪華絢爛、重厚壮大な音像で迫ってくる本作を表現するなら「クライマックスの連続」という感じですね。

ただ、この「クライマックスの連続」というのがなかなかの困りもの。ゾクゾクするイントロが期待を高める①Precious Jerusalem、本作の中ではストレートな部類に入る②Battlefieldくらいまでは良かったのですが、それ以降は押し寄せてくる音の塊と情報量の多さに圧倒されてしまい、肝心のメロディが右から左へと流れていってしまうんですよね。特に聴き始めの頃は②が終わってから、先行シングルにもなった14分の大作⑩And Then There Was Silenceの10:00過ぎに登場する「ララーラ ラーララ ラーラララ~♪」というシンガロングパートにハッとさせられるまで、自分が何曲目を聴いているのかわからなくなっていたほどです。これまではバンド最大の武器であるクワイアパートを劇的なメロディを配したサビとその周辺で重点的に使用し、そこに至るまでのパートとの対比が抜群のドラマ性を演出していたのですが、本作ではHansi Kursch(Vo)が歌うボーカルパートの大半に分厚いハーモニーが幾重にも重ねられていてメリハリに欠けてしまっているように感じられます。それに加えて、曲展開もこれまで以上に複雑かつドラマティックなものをとことん突き詰めた本作を聴いていると、ある程度わかりやすいパワーメタルを好む僕は「どれが主旋律?サビはどこ?」という状態に陥ってしまうんですよね。

Aメロ→Bメロ→サビという一定のフォーマットに縛られることなく、自身のサウンドを追求するこのバンドは今やパワーメタルという枠を超えてBLIND GUARDIANという音楽ジャンルを築いたとさえ感じます。音の壁が圧倒的な力で迫ってくる今回の作風も悪くないとは思うものの、3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)と4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)をこよなく愛する僕にとって本作は「わかりにくく、聴きづらいアルバム」という印象が強いです。今にして思えば、これまでもこのバンドの楽曲はAメロ→Bメロ→サビという構成であっても2周目には若干異なるメロディ運びを見せるなど複雑ではありました。以前はサビメロが強力だったおかげで各曲のキャラ立ちが明確になっていたのに対して、本作は肝心のサビが弱く楽曲がアレンジに埋没してしまっているのが痛いですね。ここまで濃密な作品を生み出したバンドに敬意を払いたい気持ちもありますが、個人的な好みでいえばBLIND GUARDIANの作品群の中で最も印象に残りにくいアルバムかもしれません。

【音源紹介】
・Battlefield

【CD購入録】BLESSED BY A BROKEN HEART「FEEL THE POWER」(2012)

  • 2012/03/07(水) 00:00:00

【CD購入録】
FEEL THE POWER
BLESSED BY A BROKEN HEART「FEEL THE POWER」(2012)

前作「PEDAL TO THE METAL」(2008)収録のMove Your Body00年代の名曲20選に挙げさせてもらったカナダの新世代メタルバンドBLESSED BY A BROKEN HEARTの3作目を買いました。2ndのパーティーロック調の楽しげな雰囲気やキーボードのキラキラ感を若干抑え、よりメタリックな印象が強くなった本作でもとにかくキャッチーなメロディは健在で初めて聴いた時から口ずさめてしまいそうな楽曲が目白押しです。中でもアルバム前半の流れは実に強力で①Deathwish、②Shut Up And Rock、④Foreverやバンド初と思われるバラード⑦I've Got Youが特に気に入っています。惜しむらくは、前半に比べるとやや息切れ気味に感じられるアルバム終盤に配された日本盤ボーナス3曲のうちShred Sean(G)のソロ作品に収録予定のインスト2曲が蛇足に思える点でしょうか。今後リリース予定だというShredのソロの予告的な意味合いもあったのだと思いますが、アルバムの流れ的にもこれはない方が良かったのでは…?という気がしますね。

BLIND GUARDIAN「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)

  • 2012/03/04(日) 00:00:00

NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH
【No.319】
★★★(1998)

それまでの猪突猛進型パワーメタルスタイルの頃には感じられなかった深みと緻密さを増したサウンドが特徴的だった5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)でヨーロピアンメタルのトップバンドへとのし上がったBLIND GUARDIANの6作目は意外にもバンド初となるコンセプト・アルバムです。ストーリーは世界的に有名なファンタジー小説「指輪物語」の作者でもあるJ.R.R.トールキンによる「シルマリルの物語」を題材としています。音楽性としては前作から一段と強調されるようになった構築美とドラマティックな展開に重きを置いたプログレッシブなパワーメタルで、初のコンセプト作という意気込みもあってか作り込み度合いは過去最高だと思います。そんな本作でまず驚かされるのはアルバム本編だけで22曲もあるトラック数の多さ。その半分がストーリーや情景を描写するための語りやSEなので、これらが物語を効果的に表現するためのファクターになっているという見方と作品が冗長になってしまっているという見方の両方が出来るかと思いますが、ファンタジー小説に関心の薄い僕はどちらかというと後者寄りですね。

そんな小曲が多いために、緊張感溢れる楽曲を次から次へと繰り出すBLIND GUARDIANならではの怒涛の展開も今回は影を潜めてしまっているように思えるのが残念です。ただし、イントロ①War Of Wrathに続く事実上のオープニングトラックである疾走曲②Into The Storm、「ナァァアァァイ!フォォオォォ~!」という勇壮なコーラスが耳に残る④Nightfall、力強さとエネルギーに満ちた⑬Time Stands Still(At The Iron Hill)など、個々の楽曲を取り出して聴いてみると前作以上に僕好みのナンバーが多いと思います。また本作にはBLIND GUARDIANのレパートリーの中でも最高峰に位置する⑨Mirror Mirrorという超名曲が収録されているのも本作を語る上で外せないポイントですね。BLIND GUARDIAN特有のドラマティックで壮大な世界観は他の追随を許さないレベルに達している反面、バンド初期にあった痛快なまでの突進力と大合唱必至のクサいコーラスパートは確実に減少しています。そういう意味では⑨に象徴されるようなメロディック・パワーメタルバンドとしてのBLIND GUARDIANが好きか、それともファンタジックなBLIND GUARDIANワールドが好きなのかによって評価の分かれる作品といえるかもしれません。

なお本作は「シルマリルの物語」をテーマとしたコンセプト作品でありながら収録曲が描写しているのは物語の途中までのようです。そのせいかアルバム本編の終盤に配された楽曲群がクライマックスになりきれておらず22曲も費やしていながら、聴き終えた後に「to be continued…」的な雰囲気が感じられるというのもコンセプトアルバムとしては中途半端な印象を受けてしまいます。というわけで、1枚の作品として聴くとモヤモヤ感が残ってしまうアルバムではありますが1曲毎のクオリティは確かに高い作品だと思いますね。特に⑨はこの曲のためにアルバムを買っても損はないというほどの逸品です。

【音源紹介】
・Mirror Mirror(Live)

BLIND GUARDIAN「THE FORGOTTEN TALES」(1996)

  • 2012/02/25(土) 00:00:00

THE FORGOTTEN TALES
【No.318】
★★(1996)

5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)が母国ドイツを始めとする欧州メタルシーンでヒットし、一躍スターダムへとのし上がったBLIND GUARDIANによる既発曲のリレコーディングやライブ、カバーソングで構成される企画盤。

【トラックリスト】
01. Mr. Sandman(未発表曲。THE CHORDETTESのカバー)
02. Surfin' USA(未発表曲。THE BEACH BOYSのカバー)
03. Bright Eyes(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲の別バージョン)
04. Lord Of The Rings(3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」収録曲の別バージョン)
05. The Wizard(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」のボーナストラック。URIAH HEEPのカバー)
06. Spread Your Wings(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」のボーナストラック。QUEENのカバー)
07. Mordred's Song(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲の別バージョン)
08. Black Chamber(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲の別バージョン)
09. The Bard's Song(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲のライブバージョン)
10. Barbara Ann / Long Tall Sally(2nd「FOLLOW THE BLIND」の収録曲。THE BEACH BOYSとLITTLE RCHARDSのカバーメドレー)
11. A Past And Future Secret(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲と同音源)
12. To France(未発表曲。MIKE OLDFIELDのカバー)
13. Theatre Of Pain(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲のオーケストラバージョン)

カバーに関しては僕が元々知っていたのがTHE BEACH BOYSの有名曲②Surfin' USAのみなので原曲との比較はできませんが、曲の後半で激しさを増す②、BLIND GUARDIAN色に仕上げられている⑥Spread Your Wings⑫To France、そしてバンドが初めてトライしたカバー曲でライブの定番としても知られる⑩Barbara Ann / Long Tall Sallyなどがお気に入りです。リレコーディング曲はミドル/バラード調に絞られているので熱き疾走チューンを期待すると拍子抜けしてしまいますが、バンドが持つ牧歌的な魅力や叙情性を強調するものばかりで興味深いですね。中でも楽曲のテンポやキーボードサウンドといった点でメンバーが旧バージョンの出来に満足していなかったという④Lord Of The Ringsは僕も本作バージョンの方が好きかもしれません。そして⑬Theatre Of Painも4作目のボートラとして収録されていたクラシックバージョンとはまた異なり楽曲のスケール感を更に強調したインストアレンジで、作品のエンディングに相応しい出来栄えとなっています。そして本作唯一のライブトラックとして収録されているのは、Hansi Kursh(Vo)の歌声ではなくオーディエンスの大合唱が大半を占める⑨The Bard's Song。日本での人気はそれほど突出していないように思うこの曲ですが、ヨーロッパでは絶大な支持を得ていることが窺えるテイクですね。

といった感じでそれなりに楽しめるアルバムではありますが、バンドのメタリックな部分は全くと言っていいほどフィーチュアされていないため物足りなさを感じるのもまた事実。あくまでスタジオ盤を聴いてBLIND GUARDIANの世界観に惚れ込んだ熱心なファン向けの1枚だと思いました。本作を発表して満足したのかバンドはこれ以降、現時点での最新作「AT THE EDGE OF TIME」(2010)までのスタジオアルバムにカバー曲を収録することはなくなりました(シングルには収録あり)。ちなみに2007年にリリースされた本作の再発盤にはボーナストラックとしてDEEP PURPLEHallelujahJUDAS PRIESTBeyond The Realms Of DeathDIODon't Talk To Strangersのカバー3曲とエンハンスド・ビデオクリップ2曲が追加されているようです。

【音源紹介】
・To France

BLIND GUARDIAN「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)

  • 2012/02/13(月) 00:00:00

IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE
【No.317】
★★★(1995)

前作「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)で分厚いクワイアがサビを盛り上げる劇的かつファンタジックな突進型パワーメタルスタイルをバンドの独自性にまで昇華させたBLIND GUARDIANの5thアルバムは従来のスタイルを残しつつも、これまで以上に緻密で作り込んだプログレッシブ・パワーメタルともいうべき構築美に重点を置いた作風となっています。そんな特徴はオープニングトラック①Imaginations From The Other Sideからして如実に表れていて、過去4作品全ての1曲目が疾走曲だったのに対して本作はミドルチューンで幕を開けます。幾重にも重ねられた音の厚みと細部まで丁寧に練り込まれた壮大で大仰な雰囲気が強いインパクトを残すこのタイトル曲は、これまでのBLIND GUARDIANとは一線を画す濃密なナンバーでA級バンドの凄みに満ちていますね。

今回は全体的に疾走感は控えめなアルバムではありますがスピードチューンもしっかり収録されており、ここに来て一段と存在感を増したThomas "Thomen" Stauch(Ds)が荒々しく叩きまくるドラムとアコースティックギターの絡みが素晴らしい②I'm Alive、これぞBLIND GUARDIANというキャッチーで壮大なコーラスを「リ、タ~ニ~ン オ~ブ ザ~ミラコォ~♪」と合唱したくなる④The Script For My Requiem、畳み掛けてくるサビに胸が熱くなるエネルギッシュな疾走曲⑧Another Holy Warなどはこれまでのスタイルに近い楽曲です。特に④はBLIND GUARDIAN屈指の名曲だと思いますね。そんな疾走チューンの間に配されたフォーキーなアコースティックバラード③A Past And Future Secretや、耳にまとわりつくようなサビメロが印象的なミドル⑦Bright Eyesといったヨーロッパ民謡風ナンバーも作品の主役とはいえないものの、絶妙なつなぎ曲として見事な役割を果たしている点も見逃せません。ただ①や④を差し置いて本作からのシングルカットがこの2曲というのが、個人的には疑問なのですが…。

圧倒的なスケールを誇る①に始まり、曲名からして本編ラストに相応しい壮大なミドルテンポ⑨And The Story Endsで締めくくられる本作は、これまでの作品と比べると即効性は今ひとつながら、聴いているうちにその濃密な音世界に引き込まれてしまう力作です。HELLOWEENフォロワーと呼ばれていた頃の面影はすでになく、これまでに築き上げてきたBLIND GUARDIANスタイルに深みと神秘性を加えた本作でBLIND GUARDIANは名実共にヨーロッパの大物バンドの仲間入りを果たしたといえるのではないでしょうか。このアルバム以降、バンドは初期のアグレッシブサウンドとは趣の異なるよりも緻密な作り込み志向を強めていくことになります。

【音源紹介】
・The Script For My Requiem

BLIND GUARDIAN「TOKYO TALES」(1993)

  • 2012/02/03(金) 00:00:00

TOKYO TALES
【No.316】
★★★★(1995)

BLIND GUARDIAN初の来日公演の模様を収めたバンドにとって初めてのライブ盤。タイトルは同郷ドイツの先輩バンドSCORPIONSの名ライブアルバム「TOKYO TAPES」(1978)にあやかってつけられたようです。出世作となった3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)、ジャーマンメタルシーンの中で磐石の地位を固めた当時の最新作4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)という名盤の楽曲を中心に初期2作品からも②Banish From Sanctuary、⑧Majesty、⑨Valhallaといった名曲をピックアップした本作のセットリストはベストアルバムとしても機能しそうなほどの充実振り。しかも、1st「BATTALIONS OF FEAR」(1988)と「FOLLOW THE BLIND」(1989)はスタジオ盤だとHansi Kursch(Vo、B)のボーカルや音質に甘さが見られたのに対して今回はタイトに仕上がっているので、本作のバージョンを聴いてしまうとスタジオバージョンは聴けなくなってしまうほどです。

メンバー自身が認めているようにパフォーマンスに荒さが残るのは事実ながら、ライナーノーツでHansiが「このライブアルバムを特別なものにしているのはファンの声」と絶賛しているオーディエンスの大合唱が凄い。スタジオ盤でのクワイアパートを観客が見事に再現していて、会場の一体感がCDからも伝わってくるほどです。スタジオで修正が加えられているのかもしれませんがバンドとオーディエンスがひとつとなって、こんなに盛り上がっているライブアルバムにはなかなか出会えないのではないでしょうか。歌わせどころのツボを心得たBLIND GUARDIANの楽曲はライブでより一層強い輝きを放っていて、中でもサビでの大合唱が壮大なスケール感を生み出す⑤Quest For Tanelornはその最たるものでしょう。またスピード感と突進力に満ち溢れた楽曲がメインとなっているセットリストの中でも⑪Lost In The Twilight Hallはやはり孤高の名曲だと再確認しました。こうして聴くと本当に良い曲が多いバンドだと改めて感じさせられますね。

5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)以降、大物としての風格さえ漂うようになったバンドの成熟振りとは裏腹に、初期のスピーディーでエネルギッシュな魅力が減退してしまったBLIND GUARDIANに物足りなさを感じている僕としては、本作に収録されているようなノリのいい楽曲をもっと聴きたいと思ってしまいます。CDを聴いているだけで拳を突き上げて一緒に歌いたくなる本作は僕が初めて聴いたライブアルバムであり、今でも僕の心を熱くしてくれる1枚です。後にバンドは2枚組CD「LIVE」(2003)、DVD「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」(2004)といったライブ作品を発表していますが、僕にとってBLIND GUARDIANのライブ盤といえば「TOKYO TALES」ですね。

【音源紹介】
・Lost In The Twilight Hall(Live)

BLIND GUARDIAN「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)

  • 2012/01/28(土) 00:00:00

SOMEWHERE FAR BEYOND
【No.315】
★★★★(1995)

3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)でBLIND GUARDIANサウンドと言うべきアイデンティティを確立したバンドが、その進化を止めることなく更に成長し続けていることを証明して見せた4thアルバム。前作と並んでバンドの最高傑作との呼び声も高い1枚です。「パワー、メロディ、ドラマ性」というメロディックメタルの3大要素がガッチリと噛み合い、緩急をうまくつけながら展開していくこのアルバムでデビュー作から追い求めていたバンドの音楽性が完成の域に達したように思いますね。

物悲しいアコースティックギターのイントロで静かに始まったかと思うと一気に攻撃性を増して勢いよく突っ走り、大合唱せずにはいられないキャッチーなサビが炸裂するBLIND GUARDIANらしさ満点の①Time What Is Timeとそれに続く②Journey Through The Darkの疾走チューン2曲はアルバムの掴みとして最高です。その後もピアノバラード小曲③Black Chamberを挟み、壮大でドラマティックなサウンドの極致④Theatre Of Pain、雄大なサビメロが実に素晴らしい⑤Quest For Tanelornの後に登場する本作第3の疾走曲⑥Ashes To Ashesの配置も絶妙。ヨーロッパファンの間で絶大な人気を誇り、ライブではHansi Kurush(Vo、B)の声を掻き消すほどの大合唱が巻き起こるという2部構成のバラード⑦The Bard's Song(Ⅰ:In The Forest Ⅱ:The Hobbit)とバグパイプによる短いインスト⑧The Piper's Callingを経て、ケルティックパートも交えつつ緻密に織り込まれた旋律が絡み合いながらドラマティックに疾走する名曲⑨Somewhere Far Beyondへと至る流れは圧巻で、個々の楽曲が高品質なだけでなく作品としての構成もこれ以外は考えられないと思えるほど練られています。

これまでのパワーメタルサウンドに加えて、ジャケットに描かれた吟遊詩人のイメージがぴったりな中世ヨーロッパの民族音楽をうまく融合させたバンドのセンスも見逃せません。今ではひとつのジャンルとして確立されたフォークメタル勢のルーツを遡っていけば、本作に辿り着くバンドも多いのではないのでしょうか。またボーナストラックとして収録されているQUEENのカバー⑩Spread Your Wingも、まるでオリジナルソングであるかのような仕上がりとなっていてバンドが自分達の世界観を築き上げたことを如実に物語っています。本作は90年代の欧州メタルシーンを代表する名盤だと思うし、僕はこの頃のBLIND GUARDIANが一番好きですね。

【音源紹介】
・Somewhere Far Beyond(Live)

BLIND GUARDIAN「FOLLOW THE BLIND」(1989)

  • 2012/01/17(火) 00:00:00

FOLLOW THE BLIND
【No.314】
★★(1995)

力強さと重量感を増した「WALLS OF JERICHO」時代のHELLOWEENとでも言うべきサウンドでデビューを果たしたBLIND GUARDIANの2ndアルバム。音楽性としては1st「BATTALIONS OF FEAR」(1988)と同路線の疾走/突進系メロディック・パワーメタルで、本作にはHELLOWEEN脱退直後のKai Hansen(G)がゲスト参加していたこともリリース当時は話題になったようです。彼の参加は単なるゲスト参加以上の意味を持ち「数あるHELLOWEENフォロワーの中でもKaiが認めたのはBLIND GUARDIANだ」という箔がついたのではないでしょうか。ちなみにKaiは本作以降、4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)までの3作品に参加していて、ギターのみならずアルバムによってはリードボーカル、作曲面でも関わっています。

次回作「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)で大きな飛躍を遂げるBLIND GUARDIANですが、この時点ではまだ発展途上という印象が強く本作以降の作品群と聴き比べても「この頃のバンドは良くも悪くも若いなぁ」というのが正直なところですね。ブックレット内でメタルTシャツを着て微笑む朴訥としたメンバーの姿を見てもそれを感じます(笑)。しかし、それだけで終わらないのがBLIND GUARDIANの非凡なところ。まるでお経のような男声コーラスのイントロ①Inquisitionから怒涛の疾走曲②Banish From Sanctuaryへと繋がるアルバム冒頭の展開はメロディック・メタルファンの僕にはガッツポーズものだし、アルバム本編ラスト曲でKaiがボーカルとギターで参加した⑧ValhallaはBILND GUARDIANのライブには欠かせない人気曲となっています。前作のオープニングトラックMajesty同様、彼らは初期作品の中にもこういったキラーチューンをしっかり収録しているんですよね。

ただアルバム全体として見ると突進力がアップしている反面②、⑧以外の楽曲におけるメロディのフックはそれほど強力ではなく、粗削りな印象が強いです。バンド最大の武器であるクワイアパートも、この頃はメンバーが歌うバックコーラスレベルで厚みに欠けるためBLIND GUARDIANの独自性は完成に至ってはいませんが、熱き疾走メタル(ギターメインのインストあり)がぎっしり詰まった本作は本作で魅力的です。ちなみに本作にはボーナストラックとしてNWOBHM系バンドDEMON⑨Don't Break The CircleTHE BEACH BOYS⑩Barbara Annのカバー2曲が収録されています。前者はメタルバンドのカバーなのではまっていると思いますが、とにかくゴキゲンでノリノリなロックナンバーである後者はかなり異色。と言いつつ僕は結構好きなんですけどね。

【音源紹介】
・Banish From Sanctuary(Live)

BLIND GUARDIAN「BATTALIONS OF FEAR」(1988)

  • 2012/01/14(土) 00:00:00

BATTALIONS OF FEAR
【No.313】
★★(1995)

HELLOWEENが「KEPPER OF THE SEVEN KEYS PART1&2」を世界的にヒットさせ、その名を一気に広めた1988年にデビューしたドイツのメロディック・パワーメタルバンドBLIND GUARDIANの1stアルバム。当時のBLIND GUARDIANはHELLOWEENのフォロワー的バンドのひとつとして考えられていたようですが、彼らの場合は多くのバンドが影響を受けた所謂キーパーサウンドではなく、Kai Hansen(G、Vo)がボーカルも兼ねていた「WALLS OF JERICHO」(1985)時代の雰囲気を強く感じさせる作風です。バラードは一切なく、スラッシュメタルばりにザクザクした激しいリフと一打一打が重いドラム、そしてKai以上に太い声でアグレッシブな歌い方をするHansi Kurush(Vo、B)のボーカルが合わさって、デビュー当時のHELLOWEENを更に骨太にした印象となっています。

本作のハイライトはアルバム冒頭でいきなり訪れます。遊園地を思わせる楽しげなイントロを遮るように轟く雷鳴と鋭いギターから始まる①Majestyはバンドがベテランとなった現在もライブでしばしば演奏される名曲で、デビュー作の1曲目に一風変わった始まり方をする7分台のこの曲を持ってくる大胆さにはニヤリとしてしまうし、バンドがこの曲に自信を持っているのが伝わってきます。他の曲もゴリ押し感の強いサウンドで突き進みんでおいてバンドの揺るぎない個性である歌いやすいコーラスワークをサビに持ってくるというスタイル中心で、タイトル的にバンドの表題曲といえそうなタイトルの②Guardian Of Blind、「ハ!ロ!ウィン!」というコーラスに笑みがこぼれる③Wizard's Crown、良い意味でとっちらかった感のあるタイトルチューン⑦Battalions Of Fearなど、なかなかの佳曲が並んでいます。音楽的なBLIND GUARDIANらしさは、その片鱗が感じられる程度なのに対して歌詞面ではバンド特有のファンタジックな世界観が既に出来上がっていて、①や⑧By The Gate of Moria、日本盤ボーナス⑨Gandalf's Rebirth(2曲ともインスト)など「指輪物語」をテーマにした楽曲が多いですね。

出世作となった3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)以降の作品に比べると物足りなさがあり、B級メタル感も漂ってはいますが緻密で壮大な作風を目指した「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)以降の作品では影を潜めるようになってきたメタルバンドとしてのアグレッションや刺々しさといった魅力は、この頃の方がありますね。リリース当時は輸入盤市場で注目を集めたらしい本作と次作2nd「FOLLOW THE BLIND」(1989)は、日本デビュー作となった3rdと同時発売という形で1990年に日本盤が発売されています。

【音源紹介】
・Majety(Live)

【CD購入録】BOREALIS「FALL FROM GRACE」(2011)

  • 2011/11/27(日) 00:00:00

【CD購入録】
FALL FROM GRACE
BOREALIS「FALL FROM GRACE」(2011)

ツインギターにキーボード奏者も擁するカナダ出身の5人組メタルバンドBOREALISの2作目にして日本デビュー盤を買いました。本作完成後にギタリストの1人が脱退しているようです。サウンドの方は正統派メタルを基盤に北欧メロデス風バッキングとなかなかメロディアスなギターソロ、プログレメタルっぽいキーボードワークの上に中心人物Matt Marinelli(Vo、G)の力強く歌い上げるタイプのボーカルが乗るという感じです。一聴して心を奪われるようなキラーチューンはありませんが終始、良い手応えを感じながら聴ける1枚だと思います。今後の更なる成長に期待したくなるバンドですね。

【CD購入録】BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

  • 2011/04/03(日) 00:00:00

【CD購入録】
AT THE EDGE OF TIME
BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

HELLOWEEN、GAMMA RAYと並ぶジャーマンメタル、いやメロディックメタル界の大御所バンドBLIND GUARDIANの9作目を買いました。音楽、歌詞の両面でファンタジックかつドラマティシズムに満ち溢れた音世界は流石の一言なのですが、このバンドにはキャッチーでクサいメロディを大合唱させてくれる曲を期待する僕としてはもう少しメロディのフックが欲しかったかな。シングルにもなった⑨A Voice In The Darkのようなわかりやすいパワーメタルを今のBLIND GUARDIANに求めてはいけないのかもしれませんが…。

2010年はHELLOWEEN、GAMMA RAY、BLIND GUARDIANというドイツ産パワーメタルのBIG3による新作が揃い踏みした年でした。それぞれの印象としては、バンドの個性でもあったコミカルさを抑制してストイックなメタルサウンドを提示したHELLOWEEN「7 SINNERS」、デビューから20年に渡って不変のメタル道を追求し続けているGAMMA RAY「TO THE METAL」、バンドサウンドがファンタジックでドラマティックなパワーメタルというよりも「BLIND GUARDIANというひとつのジャンル」になったと感じさせられるBLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」という感じですね。