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【CD購入録】AFTER ETERNITY「THE LEAP OF PAIN」(2017)

  • 2018/07/25(水) 00:00:00

【CD購入録】
THE LEAP OF PAIN
AFTER ETERNITY「THE LEAP OF PAIN」(2017)

ノルウェー出身のプログレッシブ・メタルバンドAFTER ETERNITYが2017年にリリースした1stアルバムを買いました。このバンドについては全く知らなかったのですがCIRCUS MAXIMUSのことを調べているうちにデビュー作「THE 1ST CHAPTER」(2005)発表後にEspen Storoというキーボードプレイヤーがバンドを脱退したこと、そして彼が現在はAFTER ETERNITYに在籍していることを知って音源をチェックしたところ、良さげだったので購入した次第です。バンドは5人編成でEspen以外のメンバーはDALE、DEFECTIVE、OCEANS OF TIME等で活動した経歴があるようですが知らないバンドばかり(苦笑)なのでEspenが一番の有名人ということになるのかもしれません。音楽性はというとCIRCUS MAXIMUSに通じるものがありつつ、彼等が2nd「ISOLATE」(2007)でキャッチー路線に舵を切ったのに対して本作は「THE 1ST CHAPTER」以降もプログレッシブな方向に踏み込んだらこうなったという感じですね。どの曲もミドルテンポでほぼ全てが6分以上だし、歌メロもさほどキャッチーではないので聞き流している場面もあったりしますがスリリングな演奏もあって心地よく聴ける1枚ではあります。シンガーErik Salminenは無名ながらMichael Eriksen(Vo/CIRCUS MAXIMUS)Mats Leven(Vo/ex-AT VANCE、YNGWIE MALMSTEEN etc)寄りにしたような歌声の持ち主でなかなか魅力的ですね。ちなみに僕が調べた限り本作はCDとしての販売はされておらずiTunesやAmazonでデジタル音源が入手できるようです。

【CD購入録】ALMANAC「TSAR」(2016)

  • 2018/06/22(金) 00:00:00

【CD購入録】
TSAR.jpg
ALMANAC「TSAR」(2016)

テクニカルギタリストVictor Smolski(ex-RAGE)率いるシンフォニックメタルバンド(プロジェクト?)ALMANACの1stアルバムを買いました。ALMANAC名義では初めての作品となりますがVictor自身がプロのミュージシャンとして20年以上のキャリアを持っているし、ボーカルにはDavid Readman(PINK CREAM 69 etc)、Andy B. Franck(BRAINSTORM)というベテラン2名が名を連ねているためニューアクトというイメージは薄いですね。VictorによるとALMANACは彼がRAGE在籍時に立ち上げたLINGUA MORTIS ORCHESTRAの音楽性を引き継ぐ存在だそうで、今回もオーケストラとのコラボを念頭に置いたサウンドで描くコンセプトアルバムとなっています。ちなみにLINGUA MORTIS ORCHESTRAでは中世ヨーロッパの魔女狩り、本作ではロシアの皇帝イヴァン4世を題材にしているようです。一聴して感じるのはLINGUA MORTIS ORCHESTRAよりもメタリックでメロディのフックが増しているということ。ドラマティックで高揚感に溢れる①Tsar、PVも制作された②Self Blinded Eyesの流れは掴みとして上々だし、勢いで押しまくる④Hands Are Tiedとそこから一転してヒロイックなサビが合唱を誘う⑤Children Of The Futureと続く中盤、エンディングを飾る壮大な⑨Flames Of Fateなどがお気に入りです。

【CD購入録】ANGRA「ØMNI」(2018)

  • 2018/04/17(火) 00:00:00

【CD購入録】
ØMNI
ANGRA「ØMNI」(2018)

看板ギタリストで創設メンバーの1人でもあるKiko LoureiroMEGADETHに加入したため、その動向に注目が集まっていたブラジルの至宝ANGRAの9作目を買いました。Kikoの後任に迎えられたのはEdu Falaschi(Vo/ex-ANGRA)のメインバンドでANGRAのFelipe Andreoli(B)もかつて在籍していたALMAHのギタリストMarcelo Barbosa。彼のことはALMAHの2nd「FRAGILE EQUALITY」(2008)を聴いた時から印象に残っていたので順当な人選だと思います。ANGRAとKikoについても良好な関係を維持しているようで⑥War HornsのレコーディングにはKikoも参加していますね。KikoがMEGADETHのギタリストとして長期間活動し続ける可能性はそれほど高くない気がするので、いつかバンドに復帰する線もあると思います。ANGRAとしてはメロディックパワーメタル色を強めに出しつつ、プログレメタルや彼等ならではのブラジリアンテイストを程よく織り交ぜた今回の作風は僕が聴きたいANGRA像に近いですね。オープニングを飾る①Light Of Transcendenceで聴けるスピーディな曲調と耳に残るギターメロディはかなり気に入っています。Fabio Lione(Vo/LIONE/CONTI etc、ex-RHAPSODY OF FIRE)という実力者を擁していながらRafael Bittencourt(G)がリードボーカルをとる曲があることに疑問は残りますがリピート率はかなり高い1枚ですね。

AMARANTHE「MAXIMALISM」(2016)

  • 2018/03/16(金) 00:00:00

MAXIMALISM.jpg
【No.510】
★★★(2016)

デビュー以降コンスタントにアルバムを発表し、その度に単独で来日したりメタルの祭典LOUD PARK2011、2014に出演したりと日本でもすっかり地位を確立した新世代メタルバンドの注目株AMARANTHEの4thアルバム。本作がリリースされる直前にはHELLOWEENのジャパンツアーのスペシャルゲストとして来日しています。初期2作品に比べて3rd「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)は良くも悪くもメタル度が減少していましたが今回は更にメタル離れが進み、デジロックサウンドが強調されているように思います。メタルの要素が存在するのは事実ながら、コテコテのサウンドとは真逆の洗練性がありポップミュージックの要素も大胆に取り入れたAMARANTHEの作風をリーダーOlof Morck(G/DRAGONLAND)は「ハイブリッド・メタル」と表現しているようですが納得感がありますね。

Jake E(Vo)、Henrik Englund(Vo)のクリーンボイスとグロウルが絡み合いながら緊張感を高めていきElize Ryd(Vo)がサビで開放感のあるメロディを歌う①Maximize、キャッチーなサビからスタートするAMARANTHEの王道チューン②Boomerangの2曲で掴みはOK。③That Songは他の曲と毛色が違うため異彩を放つもののQUEENWe Will Rock Youを彷彿とさせる「ドン ドン シャッ」のリズムがインパクト大だし、続く④21も前作収録のDrop Dead Cynicalに似た縦ノリ系なのでこういった曲調がAMARANTHEの新たな定番となってきている感がありますね。個人的には①、②やダンサブルな⑤On The Rocksのような曲の方が好きですが。そんな音楽性の拡散に合わせるようにElizeのボーカルもこれまでになかったようなアプローチを取り入れていて⑤で聴ける「フゥッ!」の掛け声はカッコいいし、⑩Supersonicではソプラノボイスにも挑戦しています。またアルバム本編を締めくくる⑫EndlesslyはElizeの独唱によるバラードでハリウッド映画の主題歌としても使えそうなスケールの大きさを誇っています。

Elizeの存在感が一段と増す中でも本作はHenrikがメインで歌うメロデスタイプ⑦Fury(ElizeとJakeをディスった歌詞も面白い/笑)、Jakeが作曲に加えて歌唱面でも大きく貢献した⑧Faster、⑨Break Down And Cryなど影が薄くなりがちだった男性ボーカル陣にスポットが当たっているのも好印象。これを契機にElize偏重気味だったトリプルシンガーのパワーバランスがよくなっていくことを期待していたのですが、本作をリリースして1ヶ月も経たないうちにJakeが活動休止を発表、その2ヶ月後にはAMARANTHEを脱退してしまいました…。バンドは後任にDYNAZTYのフロントマンNils Molinを迎え、JakeはJesper Stromblad(G/DIMENSION ZERO、ex-IN FLAMES)CYHRAを結成しています。既にDYNAZTYて一定のステイタスを築いているNilsがトリプルボーカル体制のAMARANTHEにマッチするのか期待と不安の両方がありますね。

【音源紹介】
Maximize

AMARANTHE「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)

  • 2018/03/04(日) 00:00:00

MASSIVE ADDICTIVE
【No.509】
★★★★(2014)

2011年にセルフタイトル作でデビューするや、メロデス/メタルコア風のサウンドに乗るキャッチーなメロディを個性の異なる3人のシンガーが入れ替わり立ち替わり歌うというスタイルが人気を博し、若手バンドの注目株となったAMARANTHEの3作目。前作「THE NEXUS」(2013)リリース後にグロウルシンガーAndyが脱退、後任にHenrik Englund(Vo/ex-SCARPOINT)を迎えたためAMARANTHEとして初めてメンバーチェンジを経て制作されたアルバムですが影響はそれほど感じられません。良くも悪くもボーカルパートはElize Ryd(Vo)に依るところが大きいことを再確認しました。そのElize嬢は①Dynamiteで炸裂する「ダァイナマァァイ♪」のシャウトで顕著なように、これまで以上に艶と張りのある歌唱を披露していてAMARANTHEでその名を知られて以降KAMELOT、TIMO TOLKKI'S AVALONなどにゲスト参加したことが成長に繋がっているようですね。

シンガーの交代以上に本作はバンドが音楽的アプローチを変えてきたことの方が印象に残ります。従来がメロディックメタル/メロデスに親しみやすいメロディとダンス風のアレンジを加えた作風だとすれば、今回はより幅広い層にアピールできそうなポップロックに通じる大衆的な楽曲を基本としつつメタル的な重さも備えているという感じでしょうか。それを象徴しているのが縦ノリのリズムで進行していく②Drop Dead Cynicalですね。またタイトル曲④Massive Addictiveは文字通り中毒性抜群で、この2曲がアルバムの核となっています。余談ですが「マッシヴ・アディクティヴ」というタイトルは口に出して読みたくなりますね(笑)。

インタビュー記事を読む限りメインソングライターOlof Morck(G/DRAGONLAND)は意図的に変化を狙って曲を書いていたようですが⑤Digital World、⑦Unreal、⑨Danger Zone、⑪An Ordinary Abnormalityなどで聴けるAMARANTHE節も健在。特に⑨のサビはかなりクセになりますね。またこのバンドEでは6曲目に配置されることでお馴染みのバラードは⑥Trueもさることながら⑧Over And Doneが出色の出来だし、その⑧や⑬Exhaleで奏でられる儚げなピアノも今までにはなかった魅力だと思います。トリプルボーカル体制のAMARANTHEはいつかこの単語を使うだろうと思っていた③Trinityもなかなかの佳曲です。メロパワ色が薄まっていることもあって一発で聴き手ををねじ伏せるような爆発力は減退したため、初めの頃はメロディの魅力が低下したように感じたもののリピートするうちに過去作品同様のお気に入り盤となりました。

【音源紹介】
Drop Dead Cynical

AMARANTHE「THE NEXUS」(2013)

  • 2018/02/20(火) 00:00:00

THE NEXUS
【No.508】
★★★★(2013)
年間ベスト2013年第8位

2009年に発表したデモ音源「LEAVE EVERYTHING BEHIND」の時点から注目を集め、国内盤リリース直後には来日公演が決定するなど華々しいデビューを飾ったスウェーデンの新星AMARANTHEの2ndアルバム。セルフタイトルのデビュー作は男女混合のトリプルシンガー体制というもの珍しさもさることながら、キャッチーなメロディに溢れた3分台の楽曲をズラリと並べたクオリティの高い1枚でした。ボーカリストが3人いるので2ndでは新しい表現にチャレンジしてくるのか注目していましたが、今回も充実のデビュー盤で展開していた音楽性をそのまま踏襲していますね。本作の特徴としては元々フィーチュア度の高かった女性シンガーElize Rydの登場頻度が更に上がっていること、ダンス/テクノ風のアレンジが強調されていることが挙げられると思います。AMARANTHEサウンドのど真ん中をゆく①Afterlife、②Invincibleの冒頭2曲を聴いた時点で、前作のファンなら思わずガッツポーズが出てしまうのではないでしょうか。

バンドの根幹部分は変わっていないので、どれだけ充実したメロディが聴けるかが肝になってくるわけですが結論から言うと僕は1stより本作の方が好きですね。アルバムジャケット/ブックレットの世界観とリンクする近未来的なMVが制作されたリーダートラック③The Nexusの哀メロは流石だし④Theory Of Everything、⑤StardustもAMARANTHEらしさ全開のキャッチーなメタルソングです。ここまで③以外はアップテンポの曲ばかりなので、やや一本調子かなと思っていたところに男女クリーンボイスのみで歌うバラード⑥Burn With Me、AMARANTHEにしては珍しくネオクラシカル風のギターソロを盛り込んだドッシリ感のあるミドル⑦Mechanical Illusionで変化をつけているのも好印象。またノリのよさが際立つ⑧Razorbladeのサビは思わず口ずさんでしまうほどだし、ダンサブルなメタル曲⑩Electroheart、ジャーマンメタルを彷彿とさせる躁系メロディが耳に残る⑪Transhuman、スケール感のあるサビメロで本編を締めくくる⑫Infinityなどお気に入り曲を挙げるとキリがありません。

デビュー作の時点で既に完成されたサウンドだったので2枚目のジンクスにハマってしまうのではないかと心配していましたが、本作で新世代メタルのホープとしての地位を確立したと思います。ただし筋金入りのメタルファンからの評価は今ひとつのようで、メタルバンドのデータベースサイトとして僕も重宝しているEncyclopaedia Metallum: The Metal Archivesには掲載されてなかったりします(苦笑)。コンパクトな楽曲を矢継ぎ早に繰り出すのがAMARANTHEの特徴だとは思いますが、前作にもあった「インパクトはあるが飽きがくるのも早い」という課題は今回も感じられます。少し長めの曲を収録するだけでも印象が変わってきそうな気もするのですが…。特に⑫の壮大なメロディはもう少し丁寧に聴かせて欲しかったですね。いくつか注文をつけたくなる点があるものの本作が僕にとってAMARANTHEの最高傑作であることは間違いありません。

【音源紹介】
The Nexus

AMARANTHE「AMARANTHE」(2011)

  • 2018/02/04(日) 00:00:00

AMARANTHE.jpg
【No.507】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第10位

男女クリーンボイスにデス声担当を加えたトリプルボーカル体制が話題となったスウェーデンの新星AMARANTHEのデビューアルバム。バンドの創設者はメロパワバンドDRAGONLANDの中心人物Olof Morck(G)で、彼が一時期DREAM EVILにも在籍したことのあるJake E(Vo/DREAMLAND)とプロジェクトを立ち上げたことがAMARANTHE誕生のきっかけのようです。当初は多くのゲストを迎える予定だったそうですが女性ボーカルElize Ryd、グロウル担当のAndyが歌った時に2人のパフォーマンスがバンドには最適と判断し、そこから本格的なバンドへと変化したそうです。シンガーが3人いることに注目が集まりがちですが、メロデス風のスタイルを基本としつつテクノ/トランス風のアレンジも取り入れたSOILWORK meets BLOOD STAIN CHILDと表現できそうなサウンドの中で輝くキャッチーな歌メロがAMARANTHE最大の武器でしょう。

まずは冒頭4曲①Leave Everything Behind、②Hunger、③1.000.000 Lightyears、④Automaticがいずれも即効力抜群で一気にAMARANTHEの世界に引き込まれます。どれも甲乙付け難いですが中でも③はこのバンドの魅力を凝縮した1曲だと思うし、本作唯一のバラード⑥Amaranthineもしっとり聴かせる高品質な仕上がりとなっています。また⑧Call Out My Nameのようなダンスメタルも収録していてB級感が抜け切らないメロパワバンドDRAGONLANDのギタリストOlofが、これほどポップで大衆性を備えたメロディセンスを持っていたとは驚きです。AMARANTHEはOlofとJake Eが作曲の中心となっているようなので2人のケミストリーによって、AMARANTHEサウンドができあがっているのかもしれませんね。

初めて聴いた時から口ずさめそうなキャッチーな楽曲群はどれも3〜4分台のコンパクトなものばかりで聴きやすいし、アルバムとしてもデビュー盤とは思えないほどの完成度を誇っているので普段メタルを聴かないリスナーをも取り込む魅力を秘めているのではないでしょうか。日本での注目度も高く2011年4月にデビューすると7月に初来日、10月にはLOUD PARK 11に出演するなどニューアクトとして申し分のないスタートを切っています。ただし各曲が似通っていることもあってアルバムとしてのメリハリがあまり感じられないのも事実で、中盤以降は何曲目を聴いていたのかわからなくなることもありますね。聴き始めの頃はかなりのお気に入り盤だったのですが、個人的には繰り返し聴いているうちに飽きがくるのも早かったりします。というわけで注文をつけたくなる点がなくはないものの新世代メタルの大型新人として十分のインパクトを持った1枚です。

【音源紹介】
1.000.000 Lightyears

【CD購入録】ARCH ENEMY「WILL TO POWER」(2017)

  • 2017/09/02(土) 00:00:00

【CD購入録】
WILL TO POWER
ARCH ENEMY「WILL TO POWER」(2017)

3代目ボーカルAlissa White-Gluz(Vo/ex-THE AGONIST)を迎えての2枚目、元NEVERMOREのギタリストJeff Loomis加入後のラインナップでは初のフルレンスアルバムとなるARCH ENEMYの10作目を買いました。前作「WAR ETERNAL」(2014)は名盤と呼べるほどの仕上がりだったし、先行で公開されていた③The World Is YoursがいかにもARCH ENEMYらしい1曲だったので今回も期待していたのですが、それにきっちりと応えてくれていますね。大御所となった今も彼等のチャレンジは続いているようでバンド初のバラード(?)⑤Reason To BelieveではAlissaがクリーンボイスも披露しています。Alissa加入時にMichael Amott(G)は「ARCH ENEMYで彼女がクリーンボイスで歌うことはない」と語っていた記憶があるので、いきなりの前言撤回に驚きもありますが個人的には歓迎です。またMichaelの実弟でバンドを2度脱退したことのある(笑)Christopher Amott(G)が一部の曲作りに関わっていたり、Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS)が3曲で客演しているのもサプライズですね。ChristopherとJensが関与した⑨Dream Of Retributionはアルバム後半の聴きどころとなっています。今年の9月はGALNERYUSNOCTURNAL RITESなど注目盤が多いのですが幸先の良いスタートとなりました。

【CD購入録】ADAGIO「LIFE」(2017)

  • 2017/08/17(木) 00:00:00

【CD購入録】
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ADAGIO「LIFE」(2017)

David Readman(Vo/PINK CREAM 69 etc)、Richard Andersson(Key/TIME REQUIEM、SPACE ODYSSEY)を含むラインナップで2001年にデビューしたフランス産ネオクラシカル・プログレッシブメタルバンドADAGIOが約8年振りに発表した5作目を買いました。このバンドについてはSYMPHONY X同様、音楽性としては僕好みではあるものの分かり易いメロディがそれほど多くないため、とっつきにくいイメージがありました。久々の新作が出ると知った時もさほど興味はわかなかったのですがアルバム本編のエンディング曲⑨Tornの哀メロはかなりツボだったし、バンドのYouTubeオフィシャルチャンネルでアルバム全曲が試聴できたので聴いているうちに「これはいいかも」と思い購入した次第です。9分もあるタイトル曲①Lifeは派手さこそないもののグイグイと引き込まれるし、モダンでアグレッシブな③Subrahmanya、叙情バラード⑧Trippin' Awayなども気に入っています。中心人物でもあるマエストロStephan Forte(G)のギターは相変わらず冴え渡っているし、最近ではMYRATHのプロデューサーとしても注目されたKevin Codfert(Key)が作り出す音世界といったADAGIOに欠かせない要素も健在です。そして本作から新加入したアメリカ人シンガーKelly Sundown Carpenterも力強い歌唱で盛り立ててくれています。彼のことはよく知りませんでしたが調べてみるとNils Patrik Johansson(Vo/ASTRAL DOORS、WUTHERING HEIGHTS)の後任としてCIVIL WARにも籍を置いているようですね。ADAGIOはここ最近シンガーが固定できていませんでしたが、本作のラインナップはなかなか強力だと思うのでこのまま活動してくれることを願っています。

【CD購入録】ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)

  • 2017/06/30(金) 00:00:00

【CD購入録】
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ANCESTRAL DAWN「SOULDANCE」(2017)

2013年にデビューしたペルー産パワーメタルバンドNAUTILUZの元メンバーJorge Higginson(B)が立ち上げたANCESTRAL DAWNの1stアルバムを買いました。HigginsonはNAUTILUZのデビュー作「LEAVING ALL BEHIND」(2013)に複数の楽曲を提供していたもののアルバムリリース前に脱退、ANCESTRAL DAWNでリードボーカルを務めるJorge Segersbolも2011年までNAUTILUZに籍を置いていたそうなので、このバンドはNAUTILUZの分家と言えるかもしれません。ANCESTRAL DAWNの音楽性はSegersbolのハイトーンが響き渡る典型的なメロディックパワーメタルでHigginsonが演奏する民俗楽器パンフルートが時折トライバルな雰囲気を醸し出していてブラジルの至宝ANGRAを連想させますね。また本作はFabio Lione(Vo/ANGRA、ex-RHAPSODY OF FIRE)、Mark Boals(Vo/ex-ROYAL HUNT、YNGWIE MALMSTEEN etc)、Ralf Scheepers(Vo/PRIMAL FEAR)、Rick Altzi(Vo/MASTERPLAN、AT VANCE)、Amanda Somerville(Vo)といった実力派シンガーがゲスト参加し与えられた役を演じるメタルオペラでもあるので、この点はAVANTASIAを彷彿とさせます。メロパワの優等生的作品という感はあるものの豪華ゲスト陣が華を添えているし、新人のデビューアルバムとしては高いクオリティを誇っていると思います。

ARI KOIVUNEN「FUEL FOR THE FIRE」(2007)

  • 2017/01/23(月) 00:00:00

FUEL FOR THE FIRE
【No.484】
★★★★(2008)

フィンランドのアイドル発掘番組、その名も「Idols」でHR/HMソングを歌って優勝を果たしたAri Koivunenのデビューアルバム。本作の目玉はフィンランドメタル界の有名人がAriに楽曲を提供している点でしょう。Timo Tolkki(G/ex-STARTOVARIUS)、Marco Hietara(B、Vo/NIGHTWISH)、Tony Kakko(Vo/SONATA ARCTICA)LEVERAGE、THUNDERSTONEといったバンドのメンバーが手掛ける楽曲群は流石の出来栄え。またJanne Wirman(Key/CHILDREN OF BODOM)、Nino Laurenne(G/THUNDERSTONE)、Mirka Rantanen(Ds/THUNDERSTONE)といったプレイヤーが名を連ねる演奏陣も本作ではバッキングに徹しているせいか派手さこそないものの流石の安定感を誇っていますね。盤石の体制でのバックアップとAri自身の人気もあってか、本作はフィンランドのナショナルチャートで12週連続1位を記録したそうです。

50曲以上の候補から厳選されたという本作の収録曲は僕好みのものが多く程よい疾走感を持った①God Of Warで幕を開け、ミッドテンポの②Hear My Callに繋がる構成はベタながらも掴みとしてはバッチリだし、後者の哀メロはなかなか強力。それ以降もストレートなハードロック④Don't Try To Break Me、前曲から一転してじっくり聴かせるTimo Tolkkiによる泣きのバラード⑤Angels Are Calling、曲名通りの飛翔感にテンションが上がる⑥I Fly、ズシリと響く重厚感を持ったヘヴィチューン⑦Our Beast、Tony Kakko作の軽快なロックソング⑧Losing My Insanity、力強さとフックに満ちたメロディが秀逸な⑨Stay Trueと続く怒涛の展開に心を奪われました。ちなみにボーナストラックにはカバー曲としてフィンランド人シンガーKirka⑫Hetki LyoBilly Joel⑬Piano Man、「Idols」のオリジナルソング⑭On The Top Of The Worldと日本盤限定で④、⑤のライブ音源が収録されていて穏やかなバラード⑭は結構好きだったりします。

楽曲面の充実振りが目立つ本作で聴けるAriの歌唱は良く言えば北欧らしい透明感と繊細さを持ったスタイル、裏を返せば線の細いハイトーンタイプですね。Ariと同じくオーディション番組(American Idol)出身のChris Daughtry、James Durbin辺りと比べると凄みは感じられませんが歌声自体には独特のオーラがあって将来性を感じさせてくれます。それまで無名だった新人のデビュー作、ソコソコの歌唱力、名だたるソングライターが提供した楽曲群といった特徴を総合するとAGNES「WHEN THE NIGHT FALLS」(2006)と共通点が多いように思いますね。Ariは2nd「BECOMING」(2008)をリリースした後、フィンランドのメタルバンドAMORALに加入、長年フロントマンを務めたもののバンドは2017年1月5日にファイナルライブを行い解散しています。Ariのソロ名義によるアルバムは現時点では2枚のみですがAMORALが解散した今、新たなソロ作品がリリースされるかもしれませんね。

【音源紹介】
Stay True

【CD購入録】AMARANTHE「MAXIMALISM」(2016)

  • 2016/10/20(木) 00:00:00

【CD購入録】
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AMARANTHE「MAXIMALISM」(2016)

2016年9月にHELLOWEENと共に来日した新世代メタルバンドの注目株AMARANTHEの4作目を買いました。冒頭の①Maximize、②Boomerangでいきなり発揮される「男女クリーンボイスとグロウルが絡み合うキャッチーなメタルサウンド」というAMARANTHEらしさは本作でも健在です。QUEENWe Will Rock Youを彷彿とさせるリード曲③That Songを先行で聴いた時は従来とは異なる曲調に戸惑いもありましたが、アルバムの流れの中で聴くとなかなか好感触。正直なところ個々の楽曲のインパクトとしては初期2作品に及ばないし、金太郎飴状態になりつつある感も否めませんが魅力的なメロディ満載のコンパクトな楽曲群はリピートを誘われますね。

【CD購入録】AIR SUPPLY「THE DEFINITIVE COLLECTION」(1999)

  • 2016/07/26(火) 00:00:00

【CD購入録】
THE DEFINITIVE COLLECTION
AIR SUPPLY「THE DEFINITIVE COLLECTION」(1999)

Graham Russell(G、Key、Vo)、Russell Hitchcock(Ds、Vo) からなるAORデュオAIR SUPPLYが1999年に発表したベスト盤を買いました。彼等については以前から気になる存在ではありつつも聴くに至らずいたところ、マイブームとなっているJim SteinmanMaking Love Out Of Nothing At Allなる曲(本作では15曲目に収録)を提供していたことを知り購入。AIR SUPPLYの音楽性は「ペパーミントサウンド」と評されることが多いようですが、その表現がピッタリの爽やかな楽曲群がズラリと並んでいますね。お目当ての⑮は美しいピアノの旋律に導かれてドラマティックに展開していく期待通りのナンバーだし、それ以外にも④Every Woman In The World、⑤The One That You Love、⑨Even The Nights Are Better、⑩Now And Forever、⑯I Can Wait Foreverなどお気に入り曲を挙げていくとキリがありません。今年の夏は清涼感に溢れた本作を聴いて乗り切りたいですね。

【CD購入録】Age Sten Nilsen's AMMUNITION「SHANGHAIED」(2014)

  • 2016/06/17(金) 00:00:00

【CD購入録】
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Age Sten Nilsen's AMMUNITION「SHANGHAIED」(2014)

2014年に解散を発表したノルウェーの国民的バンドWIG WAMのフロントマンGlamことAge Sten Nilsenが新たに結成したAMMUNITIONの1stアルバムを買いました。本作でAgeの相棒を務めているのは自身のバンドECLIPSEW.E.T.を始めとする多くのプロジェクトで、その作曲能力を発揮しているErik Martensson(G)です。本作の音楽性はWIG WAMにも通じるメロディアスなハードロックですが、各曲のインパクトはWIG WAMに及ばないかな。耳に残るメロディよりもロックの楽しさ、ノリのよさを全面に出しているように感じます。このアルバムも悪くはないもののリピートしているうちにWIG WAMが聴きたくなってしまいますね…。⑧Do You Like ItでAgeが「カモンカモンカモン♪」と歌っているのを耳にするとWIG WAMの代表曲In My Dreamsが頭をよぎります(笑)。あとはボーナストラックの⑬Access Deniedが結構好きだったりします。

【CD購入録】TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「GHOSTLIGHTS」(2016)

  • 2016/01/31(日) 00:00:00

【CD購入録】
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TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA「GHOSTLIGHTS」(2016)

2016年の新譜初買いは、誕生から15年を数えるTobias Sammet(Vo/EDGUY)主宰のメタルオペラ・プロジェクトTOBIAS SAMMET'S AVANTASIAの7作目です。今回のゲストシンガー陣の主な顔ぶれはMichael Kiske(Vo/UNISONIC、ex-HELLOWEEN)、Jorn Lande(Vo/JORN、ALLEN-LANDE)、Ronnie Atkins(Vo/PRETTY MAIDS)、Bob Catley(Vo/MAGNUM)といった以前からのメンバーに加えDee Snider(Vo/TWISTED SISTER)、Geoff Tate(Vo/ex-Queensryche)、Marco Hietala(B、Vo/NIGHTWISH)らが初参加しています。前作「THE MYSTERY OF TIME」(2013)がAVANTASIAの作品としては今ひとつツボにはまらなかったし、EDGUYも僕の好みから徐々にずれてきているように感じていたので一抹の不安もありましたが今回はなかなか良さげですね。コンパクトかつキャッチーな歌モノから劇的な大作、ミステリアスなナンバー、メロディアスなバラードなどTobiasの多彩なソングライティング能力が遺憾なく発揮されているアルバムの中でもKiskeのハイトーンが冴え渡るタイトル曲⑤Ghostlightsがいいですね。この手のメロパワは大好物です。また僕が買った初回生産限定盤にはライブ音源11曲入りのボーナスCDが付いているので聴き応えがありますね。同時に買ったDREAM THEATER「THE ASTONISHING」をなかなか聴けずにいます(笑)。

ASTRAL DOORS「CLOUDBREAKER」(2003)

  • 2015/07/04(土) 00:00:00

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【No.435】
★★★(2004)

Richard Andersson(Key/TIME REQUIEM、ex-MAJESTIC)が新たに立ち上げたSPACE ODYSSEYのリードボーカルとしてシーンに登場するやRonnie James Dio、Tony Martinといった大御所シンガーを彷彿とさせる力強い歌唱で一躍注目を集めるようになったPatrik Johansson(Vo)のメインバンドASTRAL DOORSによる1stアルバム。日本デビューに先駆けてリリースされていた欧州盤は「OF THE SON AND THE FATHER」というタイトルでジャケットも異なっていましたが、キングレコードの意向でジャケットとタイトルが変更されています。たしかに日本盤ジャケットの方が断然いいですね(というかオリジナルがヒドイ/苦笑)。ASTRAL DOORSの音楽性はRAINBOW、DIO、Tony Martin在籍時のBLACK SABBATHに例えられることが多いハードロックの王道をゆくサウンドで人によっては懐かしさを感じるのかもしれませんが、上記バンドをあまり聴かない僕にとってはかえって新鮮だったりします。さほど目立たないものの各曲で鳴り響くオルガンサウンドもいいですね。

ASTRAL DOORS最大の武器であるPatrikのボーカルはとにかく熱く、パワフルで圧倒されます。本作のベストパフォーマンスは「ニョォ!ニョォ!ニョォ!ニョォ!ニョォオ〜♪」と歌い上げる⑧Burn Down The Wheel、暑苦しさの度合いとしては⑥In Prison For Lifeがトップですね(笑)。全体的にSPACE ODYSSEYの時よりものびのびと歌っているように思います。楽曲面では勢いとフックに満ちたアップテンポ①Cloudbreaker、自然と身体が揺れてくるシャッフルナンバー④Slay The Dragon、一際キャッチーなサビメロが耳に残る⑪Man On The Rock辺りが特に気に入っています。それ以外にも荘厳かつヘヴィな②Of The Son And The Father、どストレートなハードロック③Hungry People、⑤Ocean Of Sandなどアルバム序盤はなかなか強力です。

ズバ抜けた名曲こそないものの個々の楽曲は聴き応えがあるし、どっしりと腰を据えた仕上がりとなっている本作からは新人らしからぬ落ち着きが感じられますね。難点としては似たタイプの曲が続き、Patrikのボーカルも9割方が力押しなので後半になると聴き疲れしてしまうことでしょうか。若手の中でも古き良きHR/HMをとことん追求し、ここまでの作品を生み出せるバンドは貴重だしPatrikほどの歌い手がいることは大きなアドバンテージなので頑張ってほしいですね。といいつつ、僕の好みからするとキャッチーなメロディが少し足りないように思えて次作以降は聴いてなかったりするのですが…。

【音源紹介】
Cloudbreaker

ALMAH「FRAGILE EQUALITY」(2008)

  • 2015/02/19(木) 00:00:00

FRAGILE EQUALITY
【No.419】
★★★(2010)

ブラジルの至宝ANGRAの2代目フロントマンEdu Falaschi率いるALMAHの2ndアルバム。デビュー作「ALMAH」(2006)ではEmppu Vuorinen(G/NIGHTWISH)、Lauri Porra(B/STRATOVARIUS)、Casey Grillo(Ds/KAMELOT)という豪華ゲストを迎えたEduのソロプロジェクトという印象でしたが、本作ではバンドメンバーを全員ブラジル人に一新しています。ANGRAでも活動を共にしているFelipe Andreoli(B)、メロスピバンドBURNING IN HELLのリーダーでもあるMarcelo Moreira(Ds)もさることながら注目すべきはMarcelo BarbosaPaul Schroeberのギターコンビでしょう。時にやかましく感じれるほどのギターの弾きっぷりが楽曲のハイライトになっているし、自己主張の強いベースと手数の多いドラムが織りなすインストパートに圧倒され、結果としてEduが一番目立っていない気すらしますね(苦笑)。

そのEduの歌唱スタイルはANGRAの「REBIRTH」(2001)や「TEMPLE OF SHADOWS」(2004)で披露していたハイトーンは控えめで当時の最新作「AURORA CONSURGENS」(2006)同様、中音域を軸としているのですがメロディのフックはこちらの方が上なので、こういう歌い方のEduも魅力的に感じられますね。音楽性はANGRA以上に骨太で正統派寄りのヘヴィメタルです。冒頭のギターメロディを聴いただけで気分が高揚してくる①Birds Of Prey、パワフルに押し寄せてくる②Beyond Tomorrow、ジャーマンメタルっぽい明るさを持った③Magic Flameとメタルチューンを立て続けに繰り出す序盤でアルバムの世界にグッと引き込まれます。その後もメロウチューン、ブラジリアンテイストが感じられるゆったり系、ANGRAではできなさそうな激しいナンバーなど正統派メタルを軸に異なる表情を見せてくれるのが良いですね。

贅沢を言えばドラムがやたら前に出た音作りのため聴き疲れしてしまう、「これ!」というキラーチューンが欲しかったなど不満点もありますが「AURORA CONSURGENS」と比べると明らかに僕好みの作風ですね。本作がリリースされた当時のANGRAは契約の問題で事実上の活動休止状態だったので、ALMAHをバンド化させたEduの動きがANGRA解散に繋がるのではと噂されたりしていました。結局EduはANGRAでハイトーンを使い過ぎたことから喉を痛めてしまい2012年にバンドを脱退。ALMAHの次作以降ではメロパワから距離を置き、高音域で歌うことを求められないモダンなサウンドを取り入れながら活動を継続しています。

【音源紹介】
・Birds Of Prey

【CD購入録】ALMAH「MOTION」(2011)

  • 2015/02/16(月) 00:00:00

【CD購入録】
MOTION.jpg
ALMAH「MOTION」(2011)

ANGRAの6th「AURORA CONSURGENS」(2006)辺りからボーカルパフォーマンスが不安視されることが増えたEdu Falaschi(Vo/ANGRA)のメインバンドALMAHの3作目を買いました(Eduは結局2012年にANGRAを脱退)。本作がリリースされる頃にはEduが喉を痛めていることは周知の事実になりつつあったのが関係してか、音楽性も前作「FRAGILE EQUALITY」(2008)のようなメロディックメタルではなくモダンな要素も取り入れたメタル作品となっています。音楽性が変化した上にEduは今回も中低音メインで歌っているのですが、さほど悪くないしANGRAの近作よりも好きかもしれません(ギターチームが今回も弾きまくっているのも好印象)。ドラマティックなイントロの後に「これがEduか!?」と思わずにいられないシャウトが炸裂する①Hypnotized、派手さはないかわりにキャッチーな歌メロを聴かせてくれる②Living And Driftingという掴みは上々だし⑤Zombies Dictatorや日本盤ボーナス⑪Get A Wishといったメロパワ系もしっかり収録しています。特に日本のファンに捧げる曲だという⑪は出色の出来。ANGRAは勿論、前作時点でのALMAHとも別バンドかというほどに路線は変わっていますが意外と気に入りそうな予感がしています。

【CD購入録】ANGRA「AQUA」(2010)

  • 2015/02/07(土) 00:00:00

【CD購入録】
AQUA.jpg
ANGRA「AQUA」(2010)

ブラジルが誇るメロディックメタルの雄ANGRAの7作目を買いました。前作「AURORA CONSURGENS」(2006)があまり好きになれなかったのと、本作の評判があまりよろしくなかったことから聴くのが先延ばしになっていました。いざ聴いてみての第一印象は「Carry OnNova Eraが大好きな僕にとってはやや厳しいかな」という感じですね。本作のウィークポイントとしてEdu Falaschi(Vo)のボーカルに覇気がない、音質が軽いといった点が指摘されていますが僕としては耳に残るメロディが非常に少ないのが痛いですね。Eduの喉の調子を考慮した結果なのかもしれませんが高音域で歌う場面は皆無、淡々とメロディが流れていきます。数回聴いて印象に残ったのは癒し系バラード④Lease Of Lifeくらいでしょうか(聴き込むにつれて味が出てくるのかもしれませんが)。ANGRAで歌うことに限界を感じていたEduは本作を最後にバンドを脱退し、自身のバンドALMAHでの活動に集中していくこととなります。そしてANGRAの方はゲストボーカルになんとFabio Lione(Vo/RHAPSODY OF FIRE)を迎えてツアーを敢行することを発表。昨年12月17日にはFabioをフロントマンに据えたラインナップで8作目「SECRET GARDEN」をリリースしたので、いつかそちらも聴いてみようと思っています。

ANGRA「REBIRTH」(2001)

  • 2015/02/04(水) 00:00:00

REBIRTH
【No.417】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第8位

クラシックとパワーメタルを高次元で融合させた「ANGELS CRY」(1993)でデビューを果たし「ブラジルの至宝」と称賛されたANGRAでしたが、3rd「FIREWORKS」(1998)制作時から囁かれていた人間関係のもつれが表面化。アルバム完成後に中心人物のAndre Matos(Vo)がリズム隊を引き連れてバンドを脱退した時点でANGRAはもう解散してしまうだろうと思っていました。ところが残されたKiko Loureiro、Rafael Bittencourtのギターチームは諦めることなく後任メンバーを迎えてリリースに漕ぎ着けたのが通算4枚目にあたる本作です。僕はAndre特有の声がひっくり返るハイトーンが苦手で、世間での評価が高いデビュー盤を含むANGRAの過去作品にもさほど思い入れがなかったので「Andre不在のANGRAも聴いてみるか」という軽い気持ちで本作を手に取ったのですが、これが予想以上の名盤で驚きました。

本作の注目ポイントは何と言っても新加入ボーカリストEdu Falaschi(Vo/ex-SYMBOLS)のパフォーマンスでしょう。力強さだけでなくAndreに通じる繊細さも感じさせる彼のボーカルは絶品です(Eduも本作ではAndreを意識して歌ったと後に告白しています)。それでいて裏声になることもないので、僕にとっては結果的にANGRAに対する苦手意識がひとつ解消されたので嬉しいですね。また楽曲面でも期待を煽る序曲①In Excelsisに続き、正しく「ANGRA新時代」の到来を宣言するに相応しい名曲②Nova Eraやブラジリアンテイストを巧みに取り入れた2部構成からなる⑥Unholy Wars(Part I - Imperial Crown、Part II - Forgiven Return)、バンド分裂後最初に書かれた曲で終盤のハイライトとなっている⑨Running Aloneといった疾走曲には思わずガッツポーズが出てしまいます。それに加えて本作はミドル、バラード系も味わい深く魅力的なナンバーが多いという点も見逃せません。

各所で指摘されているようにアルバム構成はデビュー盤とよく似ていて「ANGELS CRY」を意識し過ぎているという声もあるようですが、解散寸前の状態からアルバムタイトル通りの「再生」を果たした作品だし、各曲のメロディがかなり充実しているので気になりません。楽曲単位で比べるとメロパワ史にその名を刻むCarry Onを筆頭にAngels Cry、Evil Warningといった「ANGELS CRY」の収録曲ほどの凄み、濃密さは感じられないもののNova Eraがバンドの代表曲であることは間違いないし、1枚のアルバムとして見れば僕にとっては本作こそがANGRAの最高傑作です。メンバー間の確執からバンドが分裂してしまったにも関わらず、こうしてポジティブな空気に満ちた復活作を生み出したKikoとRafaelに拍手を送りたいですね。ちなみにAndreの方もSHAMANというバンドを立ち上げ2002年に1stアルバム「RITUAL」を発表しています。

【音源紹介】
・In Excelsis~Nova Era

【CD購入録】AVIARY「AVIARY」(1979)

  • 2014/12/24(水) 00:00:00

【CD購入録】
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AVIARY「AVIARY」(1979)

プログレハード界の隠れた名盤との呼び声も高いAVIARYの1stアルバムにして唯一のオリジナル作品(2013年再発のリマスター盤)を買いました。メインソングライターでもあるBrad Love(Vo)による透明感のあるハイトーンボーカルが魅惑のメロディを歌い上げ、バックを重厚なコーラスとドラマティックなサウンドが彩る楽曲群が実に気持ちいいですね。AVIARYの音楽性についてはQUEENがよく引き合いに出されているようですが、僕が最初に連想したのはこのバンドと同じく1979年にデビューアルバムを発表したNEW ENGLANDでした。本作最大の聴きどころは何といっても哀愁に満ち溢れたバラード①Soaringでしょう。この曲を初めて耳にしたのは現代プログレハードの女王LANA LANEのカバー集「COVERS COLLECTION」(2003)のバージョンでしたが、Bradの儚い歌声の方が楽曲の魅力を引き出していると思います。それ以外のナンバーも①の影に隠れがちではあるものの佳曲揃いで全9曲、37分があっという間に過ぎてしまいます。

AT VANCE「ONLY HUMAN」(2002)

  • 2014/11/24(月) 00:00:00

ONLU HUMAN
【No.413】
★★★★(2003)

1999年にデビューして以降、新鮮味には欠けるものの高品質なネオクラシカルアルバムを毎年リリースし続けるAT VANCEの4作目。2nd「HEART OF STEEL」(2000)が素晴らしかったため期待に胸を膨らませて聴いた前作「DRAGONCHASER」(2001)は曲単体としては光るものがあるけれど、1枚のアルバムとしては物足りなさが残る内容でした。そんな3rdの印象が尾を引き、本作を聴いたのはリリースから1年以上経ってからだったのですが今回は最高傑作との呼び声が高いのも頷ける起死回生の作品となっていますね。何と言っても楽曲の充実度が過去最高クラスで疾走曲からミドル、バラード、インストなどバラエティに富んでいるだけでなくバンドの代表曲と呼べそうなナンバーも収録されています。

ダークな雰囲気を纏いながら疾走するAT VANCEの王道①The Time Has Come、バンド屈指の名曲として語り継がれるであろう②Only Human、歌メロが耳に残るミッドテンポ③Take My Pain、渋い低音で歌っていたサビを終盤では伸びやかなハイトーンで歌い上げるOliver Hartmann(Vo)の歌唱力に魅了される④Fly To The Rainbowと続く流れがまず素晴らしい。アルバム中盤は曲数をもう少し絞っても良かったかなという気はするものの、アンセミックなコーラスをフィーチュアした⑩Sing This Song、妖しい笑い声が不気味さを醸し出す一方でメロディ自体は明るい⑪Witches Dance、物悲しく重厚なバラード⑫Wings To Fly、原曲を忠実に再現しつつオリジナルにないエンディング部分ではOlaf Lenk(G)が独自色を出して弾きまくるRAINBOWのカバー⑬I Surrenderなど後半にも強力なナンバーが並んでいるので聴き終えた時の満足感は高いですね。日本盤ボーナス⑭Heroes Of Honorも前作収録のAges Of Gloryに通じるハイテンションなジャーマンメタルで本編に入らなかったのが不思議なほどです。前作では8分に及ぶクラシックカバーBeethoven, 5th Symphonyを4曲目に配したことがアルバムの勢いを削いでいたのに対して、今回は⑥Four Seasons/Spring、⑨Solfeggietto共に3分以内とコンパクトにまとめられているため良いアクセントとなっているのも好印象。

そんな楽曲面のみならずB級臭さを発散していた音質、ジャケット(特に前作は酷かった/苦笑)についてもミキシングをSascha Paethが担当、アルバムカバーにはLuis Royoのイラストを用いるなどしてグレードアップしています。バンドとしての成長を見せつけてくれた本作を聴いて、AT VANCEが中堅ポジションから飛躍することを期待していたのですがバンドの顔でもあるOliverが本作を最後に脱退。2nd以降は不動だった演奏陣も離脱が相次ぎAT VANCEはOlafのソロプロジェクト色を強めていくことになります。一方Oliverは自身のバンドHARTMANNを立ち上げメロハー寄りの作品(特に1st「OUT IN THE COLD」がお気に入りです)をリリースしたり、AVANTASIAを始めとするプロジェクトにゲスト参加したりしていますがメタルから距離を置くようになってしまったのが残念。彼をシンガーに迎えたいと考えるバンドは少なくないと思うんですけどね(Oliverがその手のサウンドに興味を持たなくなったのかもしれませんが)。

【音源紹介】
・Only Human

AT VANCE「DRAGONCHASER」(2001)

  • 2014/11/12(水) 00:00:00

DRAGONCGASER_20140908213432d60.png
【No.412】
★★(2001)

1999年に「NO ESCAPE」で彗星の如くデビュー、僅か5ヶ月後に2nd「HEART OF STEEL」(2000)をリリースしたドイツ産ネオクラシカルメタルバンドAT VANCEによる3rdアルバム。前作から1年も経たずに発表された本作はドイツの国民的英雄叙事詩「ニーベルンゲンの歌」を題材としたコンセプトアルバムとなっています。前作と同じラインナップで制作された今回のアルバムではOlaf Lenk(G)、Oliver Hartmann(Vo)だけでなくUli Muller(Key)も存在感を発揮しており、バンドらしさが強まってきていますね。

「HEART OF STEEL」が近年稀に見るネオクラメタルの名盤だったので今回も期待していたのですが、鐘の音と轟く雷鳴のSEを切り裂くように流れ込んでくるギターで幕を開けるネオクラチューン①Dragonchaser、AT VANCE史上最速を誇るクサメロ疾走曲②Ages Of Glory、いかにもこのバンドらしい佳曲③Crucifiedと続く冒頭3曲は「2ndをも上回るのではないか」と思わせるだけの勢いがありますね。ところがアルバム中盤でその勢いは失速してしまいます。その大きな要因となっているのがベートーベンの超有名曲「運命」をカバーした④Beethoven, 5th Symphony。これまでにもクラシック曲をカバーしてきたAT VANCEなので流石の出来ではあるのですが、この位置に8分に及ぶクラシックカバーを配したことで中弛みしてしまっているんですよね。しかもそれに続く⑤Heaven Can Waitもダークな曲調なのでアルバム序盤のいい流れが寸断されているように思います。その後は3作連続となるABBAのカバーの中でも最高の仕上がりとなった⑥The Winner Takes It All(オリジナル以上に好きです)、ストーリーの関係もあってか暗く悲しい雰囲気が支配的なバラード⑦My Bleeding Heart、②に匹敵するほどの高揚感をもたらしてくれるスピードチューン⑨Too Lateもあって結構楽しめるのですがアルバム全体の印象としてはもどかしさが残ります。

リアルタイムで本作を聴いていた時は中盤にダレるというイメージが強くて好きになれず、次回作「ONLY HUMAN」(2002)の購入をためらってしまうほどでした。ところがこのブログ記事を書くために本作をリピートしていると、そんなマイナス面だけでなく①、②、⑨といったキラーチューン候補やAT VANCEによるカバー曲の最高峰⑥の素晴らしさを再発見できたと思います。こうして考えてみると「本作のキーはやはり④」というところに戻ってしまうんですよね。この曲が2~3分の長さだったり、もう少し緩急をつけたアレンジとなっていればアルバムの印象もグッと良くなったと思うのですが…。というわけで個々の楽曲を取り出して聴くとAT VANCEでも屈指の名曲があるものの、アルバムの流れが良くないため損をしている1枚と言えそうですね。

【音源紹介】
・Ages Of Glory

AT VANCE「HEART OF STEEL」(2000)

  • 2014/10/19(日) 00:00:00

HEART OF STEEL
【No.410】
★★★★(2000)
年間ベスト2000年第5位

Olaf Lenk(G)、Oliver Hartmann(Vo)という2枚看板を擁するネオクラメタル界の新星AT VANCEがデビュー作「NO ESCAPE」(1999)から僅か5ヶ月という短いインターバルで発表した2作目。ベーシストがリズムギターに転向、ドラマーは実力不足を理由に解雇されたためリズム隊が一新された6人編成となっています。今回のアルバムはそんなメンバーチェンジの影響を微塵も感じさせないばかりか、前作から成長した姿をまざまざと見せつけてくれる名盤に仕上がっています。

物悲しいアコギによるイントロ①Preludeから、その旋律を引き継ぐクサメロ疾走曲②Soldier Of Timeへ至る流れは「メタルアルバムの幕開けはかくあるべし!」と言わんばかりのオープニングで胸が熱くなりますね。それ以降もメジャーキーを使ったアップテンポ③The Brave And The Strong、曲名が示す通り鋼鉄魂を鼓舞してくれるミドル④Heart Of Steel、理屈抜きでカッコいいと思える疾走チューンズ⑥King Of Your Dreams⑩Don't You Believe A Stranger(特に前者はグイグイ引っ張っていくOlafのギターリフが気持ちいい)、Oliverの渋い声質が素晴らしい泣きのバラード⑦Princess Of The Night、クラシカルな美旋律が舞う⑧Goodbyeなど前作以上に充実したナンバーが目白押しです。また曲としては地味ながら⑨Why Do You Cry?でフィーチュアされている「ボン♪」という男声コーラスはAT VANCEの隠れた代名詞だと思うのは僕だけでしょうか。そしてこのバンドに欠かせないカバー曲はABBAシリーズ第2弾の⑤S.O.S.、ショパンの曲をOlafが弾きまくる⑪Chopin/Etude No. 4SUPERTRAMP⑫Logical Songを収録。どれもなかなかの出来映えでアレンジ力の高さが窺えますね。

デビューアルバムの時点で既に高かった楽曲のクオリティは更に向上しているしギタリスト、シンガーというバンドのセンターラインに実力者が揃っているため安心して聴くことができます。特にOliverは声質が太いこともあってハイトーンで歌っていても常に余裕を感じさせるボーカルパフォーマンスで作品をワンランク上に押し上げていますね。前作より音は良くなっているもののパタパタ感が残るドラムサウンドが残念ではありますが、それ以外の要素がそんな弱点を見事に補っています。一般的にAT VANCEの最高傑作と言えば4作目にしてOliver在籍時のラストアルバムとなった「ONLY HUMAN」(2002)が挙げられることが多いようですが僕は本作の方が好きですね。

【音源紹介】
・Goodbye

【CD購入録】AMARANTHE「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)

  • 2014/10/16(木) 00:00:00

【CD購入録】
MASSIVE ADDICTIVE
AMARANTHE「MASSIVE ADDICTIVE」(2014)

2011年にデビューして以降、順調に活動を続けるAMARANTHEの3作目を買いました。前作「THE NEXUS」(2013)リリース後にデス声担当のAndy(Vo)が脱退、後任にHenrik Englund(Vo/ex-SCARPOINT)が加入しています。本作を聴く限りメンバーチェンジの影響はさほど感じられず、今回もAMARANTHEらしいキャッチーでコンパクトな楽曲が並んでいます。基本線はこれまでと同じですがバンドの独自性でもあるテクノサウンドとの融合をより大胆に取り入れていること、フィーメルシンガーElize Rydの歌声に艶と張りを増している点に進化の跡が感じられますね。楽曲面でも先行で公開されていた②Drop Dead Cynicalを筆頭に④Massive Addictive、⑨Danger Zone、⑫Exhaleなどは1度聴いただけでメロディが耳から離れない強力なナンバーとなっています。ただ過去2作品の序盤にあったような圧倒的な畳み掛けが今回はないので、このバンドのアルバムにしては第一印象のインパクトは若干弱い気もしますね。

AT VANCE「NO ESCAPE」(1999)

  • 2014/10/03(金) 00:00:00

NO ESCAPE
【No.409】
★★★(1999)

CENTERSというバンドで活動を共にしていたOlaf Lenk(G)Oliver Hartmann(Vo)が新たに結成したネオクラシカル・パワーメタルバンドAT VANCEの1stアルバム。YNGWIE MALMSTEENからHR/HMに入門した僕にとってネオクラ系メタルは最重要ジャンルのひとつなのですが、90年代末期はこの手のサウンドに食傷気味でもありました。その当時にデビューしたバンドの中でよく聴いていたのが以前にブログで紹介したMAJESTICとこのAT VANCEですね。やり過ぎなほどに弾きまくるキーボードと大胆な借用フレーズが話題となったMAJESTICに対してAT VANCEはこれがデビュー作とは思えないほど質の高いサウンドで僕を魅了してくれました。

本作を語る上で外せないのがフロントマンOliver(本作ではHardmannと表記)による抜群の歌唱力。Jeff Scott Soto(Vo/TALISMAN)にも似たハスキーな声質と高音域も難なく歌いこなすレンジの広さを併せ持つ彼は本作以降、Tobias Sammet(Vo/EDGUY)主宰のプロジェクトAVANTASIAやソロ活動でその名を広めていくこととなります。その相棒でメインソングライターのOlafも丁寧に組み立てられたソロパートで流麗なプレイをビシバシ決めています。楽曲についてもネオクラシカルなムード漂う疾走曲①Flying High、②No Escape、スピーディーなインスト小曲③No Speakと続く冒頭の流れは文句なしのカッコよさ。フックに満ちたサビメロが冴えるミドル④Die In Your Arms、荘厳なオルガンサウンドで幕を開けシンガロングを誘うコーラスへと繋がるキャッチーソング⑤All For One, One For Allといった速さに頼らないナンバー、哀愁のバラード⑧Lost In Your LoveからGAMMA RAY直系の爽快ジャーマンメタル⑨Power & Gloryなどバリエーションも豊富です。

ボーカルとギター、そして楽曲というバンドの根幹部分がしっかりしているため新人離れした安定感がありますね(OlafもOliverもCENTERSでのキャリアがあるので当然かもしれませんが)。また巧みな選曲とアレンジを用いてカバー曲でも楽しませてくれるのがAT VANCEの特徴で、本作ではABBA⑥Money, Money, Money、ヴィヴァルディの「四季」をギターインストに仕上げた⑦The Four Seasons - SummerSURVIVORの大ヒット曲⑪Eye Of The TigerTEARS FOR FEARS⑫Shoutと4曲も収録していながらどれも上々の出来となっています。惜しむらくは迫力に欠ける音質と本編ラストを凡庸なミディアムチューン⑩Seven Seasで締めくくっている点でしょうか。とはいえデビュー作としては十分なクオリティを誇っているし、楽曲の充実度は後の作品群と比べても遜色ないと思います。

【音源紹介】
・Power & Glory

【CD購入録】ARCH ENEMY「WAR ETERNAL」(2014)

  • 2014/06/06(金) 00:00:00

【CD購入録】
WAR ETERNAL
ARCH ENEMY「WAR ETERNAL」(2014)

4th「WAGES OF SIN」(2001)から加入し、バンドの飛躍に大きく貢献したAngela Gossow(Vo)が脱退するだけでなくシンガー業からも引退しマネージメントに専念することを表明、後任にAlissa White-Gluz(Vo/ex-THE AGONIST)を迎えるという超サプライズ人事を発表してファンを驚かせたARCH ENEMYの9作目を買いました。まず注目しなくてはならないボーカルパートについては、リリース前の噂通りAlissaがクリーンボーカルを封印していることもあってびっくりするほど違和感がなく、何の事前情報もなく本作を聴けばAngelaが歌っていると思ってしまうほど。そしてシンガー交代劇の陰に隠れてしまったものの今回のアルバムがARCH ENEMYデビューとなるNick Cordle(G)もバンドに溶け込んでいますね。ARCH ENEMYのアルバムとしてはどこかユルく感じられた前作「KHAOS LEGIONS」(2011)と比べて、本作は②Never Forgive, Never Forget、⑪On And Onを筆頭にブルータリティと魅惑のギターメロディが見事に融合した楽曲が目白押しで5人中2人のメンバーが交代したとは思えないほど「らしい」仕上がりとなっています。新機軸として挙げられるのは「バンド初となるオーケストラの起用」で⑨Time Is Blackなどアルバム後半でそれが顕著に表れていますね。リリース前は劇的なメンバーチェンジがあったために注目していましたが、いざ聴いてみるとそのファーストインパクトたるや今年に購入した新譜の中でもトップクラス。年間ベストにもランクインしそうな勢いです。

ALLEN-LANDE「THE SHOWDOWN」(2010)

  • 2013/06/12(水) 00:00:00

THE SHOWDOWN
【No.379】
★★★(2012)

Russell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)という実力派シンガー2人の名前を冠したプロジェクトでありながらMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR、STARBREAKER、ex-LAST TRIBE)がサウンドの鍵を握るALLEN-LANDEの3rdアルバム。ラインナップはこれまでと同じでMagnusがギターのみならずベース、キーボードも演奏、ドラムはLAST TRIBE時代の盟友Jaime Salazar(BAD HABIT)が叩いているほか、2体の巨大生物が対決するアートワークも3作連続でRodney Matthewsが手掛けるという鉄壁の布陣で制作されています。その一方で過去作品ではMagnusがドラム以外の全楽器、作詞作曲をこなしていたのに対して今回は3曲でゲストピアノ奏者を迎えていたり、歌詞の大半をTomas Erlandssonなる人物が書いていたりしています(作曲は全てMagnusなので個人的には気になりませんが)。

今回のアルバムは「ショウダァァウゥ!」という強烈なシャウト(歌い手はおそらくJorn)がインパクト大なタイトル曲①The Showdown、ALLEN-LANDEとして初のPVが作られた②Judgement Dayと続く流れで幕を開けます。疾走曲のみならず過去作品には少なからず収録されていたアップテンポのナンバーまでも姿を消し、本作は重厚なミドルチューンとバラードで構成されていることもあって、聴き始めの頃はこれまで以上に各曲のキャラ立ちの弱さやマンネリ化が目につき「ALLEN-LANDEも潮時か…」と思ったりもしました。ところが聴き込むうちに味わいが増してきてリピートしてしまう辺りが希代のソングライターMagnus Karlssonの為せる業といったところでしょうか。伸びやかなメロディが心地よい④Turn All Into Gold、アルバム随一のキャッチーなサビを持った⑤Bloodlines、1st「THE BATTLE」(2005)に通じるメロハーチューン⑦We Will Rise AgainDREAM THEATERのバラードWait For Sleep(名盤「IMAGES AND WORDS」収録)のピアノメロディに勇壮なギターアレンジを施したかのようなリフが楽曲を覆う劇メロナンバー⑩The Artistなどが気に入っています。Russellが歌うバラード⑥CopernicusReach A Little Longer、Master Of Sorrow(どちらもボーカルはJorn)に比べるとやや薄味ながらも魅力的。なお僕が持っている日本盤にはボーナストラックとして⑥のアコースティックバージョンが収められていますが輸入盤はAliasという未発表曲を収録しているようです。この記事を書いている今日現在、YouTubeに音源がアップされているので聴いてみたところボーナス扱いなのが不思議なくらいの良曲でした。

過去2作品はリリースされてすぐにゲットしていましたが、本作はなかなか購入に踏み切れずにいました。いざ聴いてみるとALLEN-LANDEがこれまでのアルバムで提示してきた高品質なメロディックメタルは今回も健在なので買って損はなかったと思っています(アルバム全体のメリハリに欠ける、RussellとJornのスタイルが似ていて上手いボーカルが2人いる強みを活かせていないといったマイナス面としっかり引き継いでいますが…)。iPodでシャッフルして聴いている時に本作の曲が登場するとハッとさせられるのに1枚のアルバムとして聴くと物足りないという意味で「HIGHER」(2003)以降のHAREM SCAREMと似ているかもしれませんね。①の歌詞和訳にもある通り「最終決戦」と訳すことができる「THE SHOWDOWN」という単語をアルバムタイトルにしていることを踏まえると本作がラストアルバムなのかもしれませんが、次回作があるならばきっと買うと思います。

【音源紹介】
・We Will Rise Again

ALLEN-LANDE「THE REVENGE」(2007)

  • 2013/06/04(火) 00:00:00

THE REVENGE
【No.378】
★★★(2007)

FRONTIERS RECORDS主導の単発プロジェクトかと思いきや予想に反して制作されたALLEN-LANDEの第2弾アルバム。前作「THE BATTLE」(2005)から約2年のスパンがあるとはいえ、中心人物のMagnus Karlsson(G/LAST TRIBE)はその間にTony Harnell(Vo/TNT)とタッグを組んだSTRABREAKERのセルフタイトル作、元PRAYING MANTISのシンガーTony O'hora初のソロアルバム「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)に全面参加、Mike Andersson(Vo/CLOUDSCAPE)を中心としたPLANET ALLIANCEにも大きく関わるなどしていたので、Magnusのワーカホリック振りには頭が下がります。FRONTIERSの社長Serafino PerginoLAST TRIBEよりもAORに近い曲を要請されたことからスタートし、誰がシンガーとなるのかわからない状況でソングライティングを進めた前作とは異なり、当初からRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/ex-MASTERPLAN)が歌うことをイメージしてMagnusが書き上げた楽曲群は全体的に1stよりもヘヴィでメタリックな仕上がりとなっているように思います。

「THE BATTLE」がアルバム序盤の畳み掛けで勢いをつけ最後まで聴かせるタイプだったとすれば、今回は聴き進めるにつれて充実感を増していく作品と言えそうです。そんなアルバムのハイライトとなっているのがJornが感情を込めまくって歌い上げる名バラード④Master Of Sorrow。ライナーノーツでMagnus自身も「今まで書いたバラードの中でもベスト」と語るこの曲以降⑤Will You Follow、⑥Just A Dream、⑦Her Spell、⑨Wake Up Callといったキャッチーなアップテンポ、メロハー風のアプローチを取り入れた⑧Gone Too FarWITHIN TEMPTATIONにインスパイアされたというMagnusのコメントも頷けるシンフォニックなミドル⑪Who Can You Trustなど良曲がズラリと並びます。個々の楽曲のインパクトでは前作に分があるかもしれませんが、アルバム全体の完成度では本作が上かもしれません。ラストをしっとり聴かせるバラード⑫When Time Doesn't Healで締める構成もグッド。日本盤ボーナストラックにその⑫のリミックス(アンプラグド)バージョンが収められているのですが、僕としては④の別バージョンを聴きたかったかな…。

というわけで今回も期待に十分応えるだけの逸品ではあるものの地味な印象は拭い切れないし、RussellとJornの共演がケミストリーを起こすことまではできていないという前作の課題はそのままです。それに加えて2003年を最後にLAST TRIBEが活動を停止して以降MagnusがこのALLEN-LANDEで2枚、STARBREAKER「STARBREAKER」(2005)、TONY O'hola「ESCAPE INTO THE SUN」(2006)、PLANET ALLIANCE「PLANET ALLIANCE」(2006)そして本作発表後にはMark Boals(Vo/RING OF FIRE、ex-YNGWIE MALMSTEEN)と結成したTHE CODEX「THE CODEX」(2007)をリリースするなど、供給過多と言えるほどにアルバムを乱発していることも僕の本作に対する印象に少なからず影響を与えているように思います。当初はLAST TRIBE以外でMagnusの曲が聴けることに興奮していた僕もMagnus絡みのプロジェクトが質は高いが決め手に欠けるものばかりだったこともあって、有難味が薄れてきてしまってるんですよね。数々のプロジェクトに携わる職人ソングライターのようなMagnusの活動スタイルに対して、一定以上の満足感を得ながらも「多忙な中でこれだけ良質な作品を連発できるなら、じっくり腰を据えてアルバムを制作して名盤を生み出してほしい」という複雑な心境になる1枚でもあります。

【音源紹介】
・Master Of Sorrow

ALLEN-LANDE「THE BATTLE」(2005)

  • 2013/05/27(月) 00:00:00

THE BATTLE
【No.377】
★★★(2005)
年間ベスト2005年第9位

Magnus Karlsson(G/LAST TRIBE)が書いた楽曲をRussell Allen(Vo/SYMPHONY X)Jorn Lande(Vo/MASTERPLAN)が歌うプロジェクトALLEN-LANDEの1stアルバム。とはいえこのプロジェクトを企画したのでは彼等ではなくFRONTIERS RECORDSの社長Serafino PerginoがMagnusにAOR寄りの曲作りをオーダーしたところから始まり、Magnusが作曲を進めるのと平行してFRONTIERSがシンガーを選定した結果RussellとJornに白羽の矢が立ったというのがALLEN-LANDE誕生の経緯のようです。ちなみに上記の2人と言えばRoland Grapow(G/ex-HELLOWEEN)Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN)MASTERPLAN結成する際、Russellに加入を要請したものの断られたためJornに打診、結果的にJornがシンガーの座に就いたというエピソードがありましたね。また、このプロジェクトの仕掛人Serafinoは本作と同じ2005年にMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)をフィーチュアしたPLACE VENDOMEのアルバムをリリースするなどしていたので、僕の中で彼に対する注目度が高くなってきたのもこの頃だったと思います。LAST TRIBEのシンガーRickard Bengtssonも作品を重ねる度に成長はしていたものの、Magnusが手掛けた曲をトップクラスのシンガーの歌唱で聴きたいという気持ちがあったのでALLEN-LANDEの話を初めて耳にした時は期待に胸が膨らみました。

このアルバムに収められているのはSYMPHONY Xタイプのネオクラ系プログレメタルでもMASTERPLANのようなパワーメタルでもないサウンドで、曲によってはLAST TRIBEよりもソフトなメロディアスHR/HM路線です。こうしてJornがメロハー系の曲を歌っているのを耳にするとMILLENIUMの傑作「HOURGLASS」(2000) をふと思い出したりしますね。プロジェクト名の影響もあってボーカルに注目が集まりがちですが、Magnusファンとしては楽曲面の充実振りに目が(というか耳が)いきます。軽快なハードロック②Hunter's Night、爽やかなサビメロが冴え渡る③Wish For A Miracle、LAST TRIBE時代には希薄だったメジャー感溢れるバラード④Reach A Little Longer、攻撃的なギターリフとポップなサビの対比が印象的な⑤Come Aliveと続くアルバム前半がハイライトでしょうか。レーベルから「こんなタイプの曲を書いてほしい」と依頼されて、指定された音楽性の枠内でここまでの仕事ができるMagnusの才能には脱帽ですね。

LAST TRIBEの3rd「THE UNCROWNED」(2003)と同じく、スピードに頼らずメロディの良さで勝負するそのスタイルは楽曲の幅が狭くなりがちなので間延び感がしてしまうのは否めませんが、曲毎に取り出して聴けばどれも高品質なものばかり。ただMagnusが作詞作曲を担当しRussellとJornという実力的に申し分ない2人のシンガーが単独で歌い、曲によってはデュエットするというこのプロジェクトに対する事前の期待値からすると物足りなさを感じるというのも事実だったりします。その要因のひとつがプロジェクトの肝であるシンガー2人はそれぞれ素晴らしい歌を聴かせてくれてはいるものの声質が似ているためブックレットを見ないとどちらが歌ってるかわかり難く、コラボレーションによる相乗効果が生まれるには至っていないことでしょうか。この辺りは参加メンバーに対する期待が大きいためハードルが高くなっていることが関連していると思うし、客観的に見れば満足できる作品であることには間違いないんですけどね…。

【音源紹介】
・Wish For A Miracle