BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

  • 2012/04/24(火) 00:00:00

AT THE EDGE OF TIME
【No.325】
★★(2011)

BLIND GUARDIANというジャンル」を築き上げたと言っても過言ではないジャーマンメタル界の重鎮が4年振りに発表した9作目。バンドの大きな特徴でもある綿密に作り込まれたサウンドを徹底的に追求した7th「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)は個人的にあまり好きになれませんでしたが、前作「A TWIST IN THE MYTH」(2006)はBLIND GUARDIANにしては薄味ながらも多様性を感じさせる作風で僕は好意的に受け止めていました。そんな2枚のアルバムに続く本作は6th「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)までの作品群で積み上げてきた「緻密でスケールの大きい曲調」「前のめりな疾走感」「楽曲に山場を生み出すクワイア」「フォーキーで吟遊詩人的な世界観」といったBLIND GUARDIANサウンドをきっちり提示してくれているので安心して聴けるアルバムだと思います。余談ですが、このバンドは6th以降4作品連続でFIFAワールドカップ開催イヤーにアルバムをリリースしていますね。

意外にも初めてオーケストラとの共演を果たした①Sacred Worldsはいかにも今のBLIND GUARDIANらしい9分の長編で、このまま近作に似た壮大な音世界を展開していくのかと思いきや、続く②Tanelorn(Into The Fire)では一転してバンド初期の衝動性を取り戻したメタリックチューンを聴かせてくれます。そんな突進系スピードナンバーは②のみならず④Ride Into Obsession、⑨A Voice In The Dark等も収録されていて、中でも⑨がMirror Mirrorに代表される過去の名曲群を一瞬思い出させてくれるほど強力だというのが嬉しい。今やこういったストレートなメタル曲はBLIND GUARDIANの本道ではなくなっていると頭ではわかっていても、やはりこの手の楽曲が僕は好きなんですよね。そんなメタルサイドの楽曲の合間にはバンドが持つ「静」の魅力を堪能させてくれる民謡調⑤Curse My Name、BLIND GUARDIANらしさに満ち溢れたミドル⑥Valkyriesなどを挟んで緩急をつけ、本編ラストには①同様にオーケストラサウンドをフィーチュアした大作⑩Wheel Of Timeを持ってくるというアルバム構成も良いですね。

Hansi Kursch(Vo)によるとアルバムの基本的なアイディアは4作目の「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)と関連しているようで、確かに作品そのものからは似た雰囲気を感じ取ることはできるのですが、バンドの代表作でもある名盤4thと比べると本作はメロディのフックが弱く印象の薄い1枚と言わざるを得ません。音楽的特徴は紛れもなくBLIND GUARDIANだし、印象的な場面はあるものの僕が最も惹かれていた「熱いクサメロ」というバンドの持ち味が魅力薄だというのが残念。本作でも孤高の世界観を繰り広げている辺りは流石ながら、90年代にバンドが作り上げた名作群に比べると「耳に残るメロディの少なさ」が感じられてしまうんですよね。ちなみに僕が持っている国内盤はボーナストラックとして⑤と⑥の別バージョンが収録しているのに対して、輸入盤ではバージョン違い2曲、カバー1曲とデモ音源3曲に加えてPVとスタジオ・ドキュメンタリーを収録した2枚組仕様も存在しているようです。

【音源紹介】
・A Voice In The Dark

BLIND GUARDIAN「A TWIST IN THE MYTH」(2006)

  • 2012/04/04(水) 00:00:00

A TWIST IN THE MYTH border=
【No.323】
★★(2006)

これまでバンドが追求してきた音楽性を極限まで突き詰めたかのような前作「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)発表後は約1年半にも及ぶ長期ツアーから厳選したテイクを2枚組CDに纏めた「LIVE」(2003)、そして自らのバンド名を冠した集大成的なフェス「BLIND GUARDIAN FESTIVAL」の模様を収めたDVD「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」(2004)を立て続けにリリースするなど、その活動にひとつの区切りをつけた感のあるBLIND GUARDIANが放つ8thアルバム。1988年のデビュー以来、不動のラインナップだったバンドからThomas "Thomen" Stauch(Ds)が方向性の違いを理由に脱退し、後任として無名の若手ドラマーFrederik Ehmkeを迎えたという意味でもバンドの新章の幕開けと言えそうな作品でもあります。そんなバンド状態を象徴するように、随所でBLIND GUARDIANがこれまでに表現してきた要素を散りばめつつ新味も感じさせる作風となっていますね。

過去作品(特に1995年発表の「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」以降)では「さぁ聴くぞ!」と身構えてアルバムと対峙することを求める作風だったとすれば、本作は良い意味で気軽に繰り返し聴ける1枚のような気がします。前作はバンドの特徴でもある「濃密に作り込んだサウンド」を追い求めるあまり装飾過多なアレンジの中にメロディが埋没してしまっていましたが、今回はそれほどメロディの輪郭がぼやけることなく楽曲にメリハリが戻ってきているので聴きやすい作品だと思います。しかし聴き始めの頃は物足りなさも感じていました。というのもバンド初期にあったガムシャラな勢いは影を潜めてしまい、メタルバンドとしての攻撃性や刺々しさが希薄になっているように思えたからです。それはHansi Kursch(Vo)のボーカルにも当てはまっていて、抑揚をつけながら熱く歌い上げるスタイルから余裕を感じさせるクリーンボイス主体にシフトしているため従来作品に漂っていた緊迫感が減退しています。本作発売の約1年前にThomen率いるSAVAGE CIRCUSがリリースしたデビュー作「DREAMLAND MANOR」(2005)が初期BLIND GUARDIANを彷彿とさせる内容だったこともあって、余計に本作が緩く思えたのかもしれません。

ところが聴き込むにつれて、アルバムを代表する「決めの1曲」はない代わりに作品全体が醸し出す唯一無二のBLIND GUARDIANワールドがじわじわと僕の心を掴むようになってきました。冒頭のザクザクしたギターリフで幕を開ける①This Will Never Endsは本作で最もメタリックな興奮を与えてくれるし、ドラマティックなコーラスワークをフィーチュアした②Otherland、ケルティックサウンドとパワーメタルが融合した③Turn The Pageでは「らしさ」を発揮しています。その一方で意欲的なモダンテイストに溢れた④Fly、⑩The EdgeやダイナミックなBLIND GURADIAN流ハードロック⑥Another Stranger Meなどは新鮮味もあって楽曲の幅を広げていますね。バンドが成熟するにつれて初期のクサいメロディやわかりやすさが失われていくということはメロディックメタル界では珍しくなく、BLIND GUARDINANもその道を辿っています。僕自身、本作を聴いていて疾走曲やBLIND GUARDIAN特有の熱さ、高揚感の減退にガッカリしたこともありましたが、今ではバンドの独自性と新境地がほど良いバランスで味わえるスルメ盤だと思えるようになりました。

【音源紹介】
・Another Stranger Me

BLIND GUARDIAN「LIVE」(2003)

  • 2012/03/19(月) 00:00:00

LIVE.jpg
【No.321】
★★★(2009)

ドイツが誇るファンタジック・メタル界の大御所BLIND GUARDIANが敢行した18ヶ月間に及ぶ欧州ツアーの音源を厳選して作り上げた2枚組ライブ盤。バンド初のライブアルバム「TOKYO TALES」(1993)が地元の先輩SCORPIONSのライブ作品に敬意を払いつつ、自分達らしさも込めたタイトルだったのに対して今回はシンプルに「LIVE」と題されています。曲が終わる度にHansi Kursch(Vo)のMCやオーディエンスの歓声が入っているためライブとしての流れは希薄で各地のテイクを寄せ集めた感が強いですが、本作はデビューアルバムから当時の最新作「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)までのフルアルバム7枚全てからの楽曲を網羅しているので本作はBLIND GUARDIAN入門に最適な作品と言えるかもしれませんね。

僕が本作を入門盤に推す理由は、このバンドの場合ライブになると観客の大合唱がスタジオ盤でのクワイアパートを見事に補い、時にはスタジオバージョンを凌駕していることも少なくないからです。その最たる例であるDisc-2④Bard's Songはライブバージョンを聴いてこその1曲だと思います。勿論スタジオ盤のような緻密さをライブで再現しきれていなかったり、Hansiがフェイクしいたりする部分もありますが、メタルバンドBLIND GUARDIANとしての熱さや高揚感を強調したライブテイクの方が僕は好きですね。「TOKYO TALES」を発表したころは勢いのある疾走曲メインだったのに対して、本作はスピードチューンを軸にバラード、大合唱を誘うキャッチーミドルなどで緩急をつけていてバンドの成熟振りを感じさせてくれます。セットリストに関しては他に聴きたかった曲もありますがDisc-1⑤The Script For My Requiem、Disc-2⑤Imaginations From The Other Side、⑪Mirror Mirrorなど僕の大好きな曲は押さえられているし、その他もまずまず手堅い選曲だと思います。

オーディエンスによる合唱のフィーチュア度は「TOKYO TALES」ほどではないものの、曲間では「オーレー オレオレオレー トーメーン!トーメーン!」とThomenことThomas Stauch(Ds)へ声援を送ったり、「チャチャッチャ チャッチャ!ミーラ ミーラ!」と手拍子とともに名曲Mirror Mirrorをリクエストしたりしている会場の盛り上がりが伝わってくるのも良いですね。なおバンドは本作から僅か1年後にBLIND GUARDIANのライブ作品の決定盤ともいえる「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」(2004)というDVD作品をリリースしています。こちらはその名も「BLIND GUARDIAN FESTIVAL」という彼等メインのフェスの模様を収めた内容でThe Last Candle、Somewhere Far Beyond、I'm Alive、Another Holy War、And Then There Was Silence等ライブCDには収録されていなかった僕のお気に入り曲が聴けるので思わず買ってしまいました。

【音源紹介】
・Valhalla(Live)


・The Bard's Song(Live)

BLIND GUARDIAN「A NIGHT AT THE OPERA」(2002)

  • 2012/03/14(水) 00:00:00

A NIGHT AT THE OPERA
【No.320】
★(2009)

メロディック・パワーメタルの枠を越えてドラマティックで緻密なプログレッシブ・パワーメタルスタイルを確立し、前作「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)ではバンド初のコンセプトアルバムも完成させたBLIND GUARDIANの7作目。僕は前作辺りからこのバンドに対する情熱が冷めつつあったので、本作を発表当時はスルーしていて2009年になってようやく聴いてみました。聴き手を飲み込んでしまうほどに作り込まれた音作りが特徴であるBLIND GUARDIANの進化は、本作でひとつの到達点に達したのではないでしょうか。とにかく豪華絢爛、重厚壮大な音像で迫ってくる本作を表現するなら「クライマックスの連続」という感じですね。

ただ、この「クライマックスの連続」というのがなかなかの困りもの。ゾクゾクするイントロが期待を高める①Precious Jerusalem、本作の中ではストレートな部類に入る②Battlefieldくらいまでは良かったのですが、それ以降は押し寄せてくる音の塊と情報量の多さに圧倒されてしまい、肝心のメロディが右から左へと流れていってしまうんですよね。特に聴き始めの頃は②が終わってから、先行シングルにもなった14分の大作⑩And Then There Was Silenceの10:00過ぎに登場する「ララーラ ラーララ ラーラララ~♪」というシンガロングパートにハッとさせられるまで、自分が何曲目を聴いているのかわからなくなっていたほどです。これまではバンド最大の武器であるクワイアパートを劇的なメロディを配したサビとその周辺で重点的に使用し、そこに至るまでのパートとの対比が抜群のドラマ性を演出していたのですが、本作ではHansi Kursch(Vo)が歌うボーカルパートの大半に分厚いハーモニーが幾重にも重ねられていてメリハリに欠けてしまっているように感じられます。それに加えて、曲展開もこれまで以上に複雑かつドラマティックなものをとことん突き詰めた本作を聴いていると、ある程度わかりやすいパワーメタルを好む僕は「どれが主旋律?サビはどこ?」という状態に陥ってしまうんですよね。

Aメロ→Bメロ→サビという一定のフォーマットに縛られることなく、自身のサウンドを追求するこのバンドは今やパワーメタルという枠を超えてBLIND GUARDIANという音楽ジャンルを築いたとさえ感じます。音の壁が圧倒的な力で迫ってくる今回の作風も悪くないとは思うものの、3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)と4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)をこよなく愛する僕にとって本作は「わかりにくく、聴きづらいアルバム」という印象が強いです。今にして思えば、これまでもこのバンドの楽曲はAメロ→Bメロ→サビという構成であっても2周目には若干異なるメロディ運びを見せるなど複雑ではありました。以前はサビメロが強力だったおかげで各曲のキャラ立ちが明確になっていたのに対して、本作は肝心のサビが弱く楽曲がアレンジに埋没してしまっているのが痛いですね。ここまで濃密な作品を生み出したバンドに敬意を払いたい気持ちもありますが、個人的な好みでいえばBLIND GUARDIANの作品群の中で最も印象に残りにくいアルバムかもしれません。

【音源紹介】
・Battlefield

BLIND GUARDIAN「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)

  • 2012/03/04(日) 00:00:00

NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH
【No.319】
★★★(1998)

それまでの猪突猛進型パワーメタルスタイルの頃には感じられなかった深みと緻密さを増したサウンドが特徴的だった5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)でヨーロピアンメタルのトップバンドへとのし上がったBLIND GUARDIANの6作目は意外にもバンド初となるコンセプト・アルバムです。ストーリーは世界的に有名なファンタジー小説「指輪物語」の作者でもあるJ.R.R.トールキンによる「シルマリルの物語」を題材としています。音楽性としては前作から一段と強調されるようになった構築美とドラマティックな展開に重きを置いたプログレッシブなパワーメタルで、初のコンセプト作という意気込みもあってか作り込み度合いは過去最高だと思います。そんな本作でまず驚かされるのはアルバム本編だけで22曲もあるトラック数の多さ。その半分がストーリーや情景を描写するための語りやSEなので、これらが物語を効果的に表現するためのファクターになっているという見方と作品が冗長になってしまっているという見方の両方が出来るかと思いますが、ファンタジー小説に関心の薄い僕はどちらかというと後者寄りですね。

そんな小曲が多いために、緊張感溢れる楽曲を次から次へと繰り出すBLIND GUARDIANならではの怒涛の展開も今回は影を潜めてしまっているように思えるのが残念です。ただし、イントロ①War Of Wrathに続く事実上のオープニングトラックである疾走曲②Into The Storm、「ナァァアァァイ!フォォオォォ~!」という勇壮なコーラスが耳に残る④Nightfall、力強さとエネルギーに満ちた⑬Time Stands Still(At The Iron Hill)など、個々の楽曲を取り出して聴いてみると前作以上に僕好みのナンバーが多いと思います。また本作にはBLIND GUARDIANのレパートリーの中でも最高峰に位置する⑨Mirror Mirrorという超名曲が収録されているのも本作を語る上で外せないポイントですね。BLIND GUARDIAN特有のドラマティックで壮大な世界観は他の追随を許さないレベルに達している反面、バンド初期にあった痛快なまでの突進力と大合唱必至のクサいコーラスパートは確実に減少しています。そういう意味では⑨に象徴されるようなメロディック・パワーメタルバンドとしてのBLIND GUARDIANが好きか、それともファンタジックなBLIND GUARDIANワールドが好きなのかによって評価の分かれる作品といえるかもしれません。

なお本作は「シルマリルの物語」をテーマとしたコンセプト作品でありながら収録曲が描写しているのは物語の途中までのようです。そのせいかアルバム本編の終盤に配された楽曲群がクライマックスになりきれておらず22曲も費やしていながら、聴き終えた後に「to be continued…」的な雰囲気が感じられるというのもコンセプトアルバムとしては中途半端な印象を受けてしまいます。というわけで、1枚の作品として聴くとモヤモヤ感が残ってしまうアルバムではありますが1曲毎のクオリティは確かに高い作品だと思いますね。特に⑨はこの曲のためにアルバムを買っても損はないというほどの逸品です。

【音源紹介】
・Mirror Mirror(Live)

BLIND GUARDIAN「THE FORGOTTEN TALES」(1996)

  • 2012/02/25(土) 00:00:00

THE FORGOTTEN TALES
【No.318】
★★(1996)

5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)が母国ドイツを始めとする欧州メタルシーンでヒットし、一躍スターダムへとのし上がったBLIND GUARDIANによる既発曲のリレコーディングやライブ、カバーソングで構成される企画盤。

【トラックリスト】
01. Mr. Sandman(未発表曲。THE CHORDETTESのカバー)
02. Surfin' USA(未発表曲。THE BEACH BOYSのカバー)
03. Bright Eyes(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲の別バージョン)
04. Lord Of The Rings(3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」収録曲の別バージョン)
05. The Wizard(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」のボーナストラック。URIAH HEEPのカバー)
06. Spread Your Wings(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」のボーナストラック。QUEENのカバー)
07. Mordred's Song(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲の別バージョン)
08. Black Chamber(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲の別バージョン)
09. The Bard's Song(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲のライブバージョン)
10. Barbara Ann / Long Tall Sally(2nd「FOLLOW THE BLIND」の収録曲。THE BEACH BOYSとLITTLE RCHARDSのカバーメドレー)
11. A Past And Future Secret(5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」収録曲と同音源)
12. To France(未発表曲。MIKE OLDFIELDのカバー)
13. Theatre Of Pain(4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」収録曲のオーケストラバージョン)

カバーに関しては僕が元々知っていたのがTHE BEACH BOYSの有名曲②Surfin' USAのみなので原曲との比較はできませんが、曲の後半で激しさを増す②、BLIND GUARDIAN色に仕上げられている⑥Spread Your Wings⑫To France、そしてバンドが初めてトライしたカバー曲でライブの定番としても知られる⑩Barbara Ann / Long Tall Sallyなどがお気に入りです。リレコーディング曲はミドル/バラード調に絞られているので熱き疾走チューンを期待すると拍子抜けしてしまいますが、バンドが持つ牧歌的な魅力や叙情性を強調するものばかりで興味深いですね。中でも楽曲のテンポやキーボードサウンドといった点でメンバーが旧バージョンの出来に満足していなかったという④Lord Of The Ringsは僕も本作バージョンの方が好きかもしれません。そして⑬Theatre Of Painも4作目のボートラとして収録されていたクラシックバージョンとはまた異なり楽曲のスケール感を更に強調したインストアレンジで、作品のエンディングに相応しい出来栄えとなっています。そして本作唯一のライブトラックとして収録されているのは、Hansi Kursh(Vo)の歌声ではなくオーディエンスの大合唱が大半を占める⑨The Bard's Song。日本での人気はそれほど突出していないように思うこの曲ですが、ヨーロッパでは絶大な支持を得ていることが窺えるテイクですね。

といった感じでそれなりに楽しめるアルバムではありますが、バンドのメタリックな部分は全くと言っていいほどフィーチュアされていないため物足りなさを感じるのもまた事実。あくまでスタジオ盤を聴いてBLIND GUARDIANの世界観に惚れ込んだ熱心なファン向けの1枚だと思いました。本作を発表して満足したのかバンドはこれ以降、現時点での最新作「AT THE EDGE OF TIME」(2010)までのスタジオアルバムにカバー曲を収録することはなくなりました(シングルには収録あり)。ちなみに2007年にリリースされた本作の再発盤にはボーナストラックとしてDEEP PURPLEHallelujahJUDAS PRIESTBeyond The Realms Of DeathDIODon't Talk To Strangersのカバー3曲とエンハンスド・ビデオクリップ2曲が追加されているようです。

【音源紹介】
・To France

BLIND GUARDIAN「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)

  • 2012/02/13(月) 00:00:00

IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE
【No.317】
★★★(1995)

前作「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)で分厚いクワイアがサビを盛り上げる劇的かつファンタジックな突進型パワーメタルスタイルをバンドの独自性にまで昇華させたBLIND GUARDIANの5thアルバムは従来のスタイルを残しつつも、これまで以上に緻密で作り込んだプログレッシブ・パワーメタルともいうべき構築美に重点を置いた作風となっています。そんな特徴はオープニングトラック①Imaginations From The Other Sideからして如実に表れていて、過去4作品全ての1曲目が疾走曲だったのに対して本作はミドルチューンで幕を開けます。幾重にも重ねられた音の厚みと細部まで丁寧に練り込まれた壮大で大仰な雰囲気が強いインパクトを残すこのタイトル曲は、これまでのBLIND GUARDIANとは一線を画す濃密なナンバーでA級バンドの凄みに満ちていますね。

今回は全体的に疾走感は控えめなアルバムではありますがスピードチューンもしっかり収録されており、ここに来て一段と存在感を増したThomas "Thomen" Stauch(Ds)が荒々しく叩きまくるドラムとアコースティックギターの絡みが素晴らしい②I'm Alive、これぞBLIND GUARDIANというキャッチーで壮大なコーラスを「リ、タ~ニ~ン オ~ブ ザ~ミラコォ~♪」と合唱したくなる④The Script For My Requiem、畳み掛けてくるサビに胸が熱くなるエネルギッシュな疾走曲⑧Another Holy Warなどはこれまでのスタイルに近い楽曲です。特に④はBLIND GUARDIAN屈指の名曲だと思いますね。そんな疾走チューンの間に配されたフォーキーなアコースティックバラード③A Past And Future Secretや、耳にまとわりつくようなサビメロが印象的なミドル⑦Bright Eyesといったヨーロッパ民謡風ナンバーも作品の主役とはいえないものの、絶妙なつなぎ曲として見事な役割を果たしている点も見逃せません。ただ①や④を差し置いて本作からのシングルカットがこの2曲というのが、個人的には疑問なのですが…。

圧倒的なスケールを誇る①に始まり、曲名からして本編ラストに相応しい壮大なミドルテンポ⑨And The Story Endsで締めくくられる本作は、これまでの作品と比べると即効性は今ひとつながら、聴いているうちにその濃密な音世界に引き込まれてしまう力作です。HELLOWEENフォロワーと呼ばれていた頃の面影はすでになく、これまでに築き上げてきたBLIND GUARDIANスタイルに深みと神秘性を加えた本作でBLIND GUARDIANは名実共にヨーロッパの大物バンドの仲間入りを果たしたといえるのではないでしょうか。このアルバム以降、バンドは初期のアグレッシブサウンドとは趣の異なるよりも緻密な作り込み志向を強めていくことになります。

【音源紹介】
・The Script For My Requiem

BLIND GUARDIAN「TOKYO TALES」(1993)

  • 2012/02/03(金) 00:00:00

TOKYO TALES
【No.316】
★★★★(1995)

BLIND GUARDIAN初の来日公演の模様を収めたバンドにとって初めてのライブ盤。タイトルは同郷ドイツの先輩バンドSCORPIONSの名ライブアルバム「TOKYO TAPES」(1978)にあやかってつけられたようです。出世作となった3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)、ジャーマンメタルシーンの中で磐石の地位を固めた当時の最新作4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)という名盤の楽曲を中心に初期2作品からも②Banish From Sanctuary、⑧Majesty、⑨Valhallaといった名曲をピックアップした本作のセットリストはベストアルバムとしても機能しそうなほどの充実振り。しかも、1st「BATTALIONS OF FEAR」(1988)と「FOLLOW THE BLIND」(1989)はスタジオ盤だとHansi Kursch(Vo、B)のボーカルや音質に甘さが見られたのに対して今回はタイトに仕上がっているので、本作のバージョンを聴いてしまうとスタジオバージョンは聴けなくなってしまうほどです。

メンバー自身が認めているようにパフォーマンスに荒さが残るのは事実ながら、ライナーノーツでHansiが「このライブアルバムを特別なものにしているのはファンの声」と絶賛しているオーディエンスの大合唱が凄い。スタジオ盤でのクワイアパートを観客が見事に再現していて、会場の一体感がCDからも伝わってくるほどです。スタジオで修正が加えられているのかもしれませんがバンドとオーディエンスがひとつとなって、こんなに盛り上がっているライブアルバムにはなかなか出会えないのではないでしょうか。歌わせどころのツボを心得たBLIND GUARDIANの楽曲はライブでより一層強い輝きを放っていて、中でもサビでの大合唱が壮大なスケール感を生み出す⑤Quest For Tanelornはその最たるものでしょう。またスピード感と突進力に満ち溢れた楽曲がメインとなっているセットリストの中でも⑪Lost In The Twilight Hallはやはり孤高の名曲だと再確認しました。こうして聴くと本当に良い曲が多いバンドだと改めて感じさせられますね。

5th「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)以降、大物としての風格さえ漂うようになったバンドの成熟振りとは裏腹に、初期のスピーディーでエネルギッシュな魅力が減退してしまったBLIND GUARDIANに物足りなさを感じている僕としては、本作に収録されているようなノリのいい楽曲をもっと聴きたいと思ってしまいます。CDを聴いているだけで拳を突き上げて一緒に歌いたくなる本作は僕が初めて聴いたライブアルバムであり、今でも僕の心を熱くしてくれる1枚です。後にバンドは2枚組CD「LIVE」(2003)、DVD「IMAGINATIONS THROUGH THE LOOKING GLASS」(2004)といったライブ作品を発表していますが、僕にとってBLIND GUARDIANのライブ盤といえば「TOKYO TALES」ですね。

【音源紹介】
・Lost In The Twilight Hall(Live)

BLIND GUARDIAN「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)

  • 2012/01/28(土) 00:00:00

SOMEWHERE FAR BEYOND
【No.315】
★★★★(1995)

3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)でBLIND GUARDIANサウンドと言うべきアイデンティティを確立したバンドが、その進化を止めることなく更に成長し続けていることを証明して見せた4thアルバム。前作と並んでバンドの最高傑作との呼び声も高い1枚です。「パワー、メロディ、ドラマ性」というメロディックメタルの3大要素がガッチリと噛み合い、緩急をうまくつけながら展開していくこのアルバムでデビュー作から追い求めていたバンドの音楽性が完成の域に達したように思いますね。

物悲しいアコースティックギターのイントロで静かに始まったかと思うと一気に攻撃性を増して勢いよく突っ走り、大合唱せずにはいられないキャッチーなサビが炸裂するBLIND GUARDIANらしさ満点の①Time What Is Timeとそれに続く②Journey Through The Darkの疾走チューン2曲はアルバムの掴みとして最高です。その後もピアノバラード小曲③Black Chamberを挟み、壮大でドラマティックなサウンドの極致④Theatre Of Pain、雄大なサビメロが実に素晴らしい⑤Quest For Tanelornの後に登場する本作第3の疾走曲⑥Ashes To Ashesの配置も絶妙。ヨーロッパファンの間で絶大な人気を誇り、ライブではHansi Kurush(Vo、B)の声を掻き消すほどの大合唱が巻き起こるという2部構成のバラード⑦The Bard's Song(Ⅰ:In The Forest Ⅱ:The Hobbit)とバグパイプによる短いインスト⑧The Piper's Callingを経て、ケルティックパートも交えつつ緻密に織り込まれた旋律が絡み合いながらドラマティックに疾走する名曲⑨Somewhere Far Beyondへと至る流れは圧巻で、個々の楽曲が高品質なだけでなく作品としての構成もこれ以外は考えられないと思えるほど練られています。

これまでのパワーメタルサウンドに加えて、ジャケットに描かれた吟遊詩人のイメージがぴったりな中世ヨーロッパの民族音楽をうまく融合させたバンドのセンスも見逃せません。今ではひとつのジャンルとして確立されたフォークメタル勢のルーツを遡っていけば、本作に辿り着くバンドも多いのではないのでしょうか。またボーナストラックとして収録されているQUEENのカバー⑩Spread Your Wingも、まるでオリジナルソングであるかのような仕上がりとなっていてバンドが自分達の世界観を築き上げたことを如実に物語っています。本作は90年代の欧州メタルシーンを代表する名盤だと思うし、僕はこの頃のBLIND GUARDIANが一番好きですね。

【音源紹介】
・Somewhere Far Beyond(Live)

BLIND GUARDIAN「FOLLOW THE BLIND」(1989)

  • 2012/01/17(火) 00:00:00

FOLLOW THE BLIND
【No.314】
★★(1995)

力強さと重量感を増した「WALLS OF JERICHO」時代のHELLOWEENとでも言うべきサウンドでデビューを果たしたBLIND GUARDIANの2ndアルバム。音楽性としては1st「BATTALIONS OF FEAR」(1988)と同路線の疾走/突進系メロディック・パワーメタルで、本作にはHELLOWEEN脱退直後のKai Hansen(G)がゲスト参加していたこともリリース当時は話題になったようです。彼の参加は単なるゲスト参加以上の意味を持ち「数あるHELLOWEENフォロワーの中でもKaiが認めたのはBLIND GUARDIANだ」という箔がついたのではないでしょうか。ちなみにKaiは本作以降、4th「SOMEWHERE FAR BEYOND」(1992)までの3作品に参加していて、ギターのみならずアルバムによってはリードボーカル、作曲面でも関わっています。

次回作「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)で大きな飛躍を遂げるBLIND GUARDIANですが、この時点ではまだ発展途上という印象が強く本作以降の作品群と聴き比べても「この頃のバンドは良くも悪くも若いなぁ」というのが正直なところですね。ブックレット内でメタルTシャツを着て微笑む朴訥としたメンバーの姿を見てもそれを感じます(笑)。しかし、それだけで終わらないのがBLIND GUARDIANの非凡なところ。まるでお経のような男声コーラスのイントロ①Inquisitionから怒涛の疾走曲②Banish From Sanctuaryへと繋がるアルバム冒頭の展開はメロディック・メタルファンの僕にはガッツポーズものだし、アルバム本編ラスト曲でKaiがボーカルとギターで参加した⑧ValhallaはBILND GUARDIANのライブには欠かせない人気曲となっています。前作のオープニングトラックMajesty同様、彼らは初期作品の中にもこういったキラーチューンをしっかり収録しているんですよね。

ただアルバム全体として見ると突進力がアップしている反面②、⑧以外の楽曲におけるメロディのフックはそれほど強力ではなく、粗削りな印象が強いです。バンド最大の武器であるクワイアパートも、この頃はメンバーが歌うバックコーラスレベルで厚みに欠けるためBLIND GUARDIANの独自性は完成に至ってはいませんが、熱き疾走メタル(ギターメインのインストあり)がぎっしり詰まった本作は本作で魅力的です。ちなみに本作にはボーナストラックとしてNWOBHM系バンドDEMON⑨Don't Break The CircleTHE BEACH BOYS⑩Barbara Annのカバー2曲が収録されています。前者はメタルバンドのカバーなのではまっていると思いますが、とにかくゴキゲンでノリノリなロックナンバーである後者はかなり異色。と言いつつ僕は結構好きなんですけどね。

【音源紹介】
・Banish From Sanctuary(Live)

BLIND GUARDIAN「BATTALIONS OF FEAR」(1988)

  • 2012/01/14(土) 00:00:00

BATTALIONS OF FEAR
【No.313】
★★(1995)

HELLOWEENが「KEPPER OF THE SEVEN KEYS PART1&2」を世界的にヒットさせ、その名を一気に広めた1988年にデビューしたドイツのメロディック・パワーメタルバンドBLIND GUARDIANの1stアルバム。当時のBLIND GUARDIANはHELLOWEENのフォロワー的バンドのひとつとして考えられていたようですが、彼らの場合は多くのバンドが影響を受けた所謂キーパーサウンドではなく、Kai Hansen(G、Vo)がボーカルも兼ねていた「WALLS OF JERICHO」(1985)時代の雰囲気を強く感じさせる作風です。バラードは一切なく、スラッシュメタルばりにザクザクした激しいリフと一打一打が重いドラム、そしてKai以上に太い声でアグレッシブな歌い方をするHansi Kurush(Vo、B)のボーカルが合わさって、デビュー当時のHELLOWEENを更に骨太にした印象となっています。

本作のハイライトはアルバム冒頭でいきなり訪れます。遊園地を思わせる楽しげなイントロを遮るように轟く雷鳴と鋭いギターから始まる①Majestyはバンドがベテランとなった現在もライブでしばしば演奏される名曲で、デビュー作の1曲目に一風変わった始まり方をする7分台のこの曲を持ってくる大胆さにはニヤリとしてしまうし、バンドがこの曲に自信を持っているのが伝わってきます。他の曲もゴリ押し感の強いサウンドで突き進みんでおいてバンドの揺るぎない個性である歌いやすいコーラスワークをサビに持ってくるというスタイル中心で、タイトル的にバンドの表題曲といえそうなタイトルの②Guardian Of Blind、「ハ!ロ!ウィン!」というコーラスに笑みがこぼれる③Wizard's Crown、良い意味でとっちらかった感のあるタイトルチューン⑦Battalions Of Fearなど、なかなかの佳曲が並んでいます。音楽的なBLIND GUARDIANらしさは、その片鱗が感じられる程度なのに対して歌詞面ではバンド特有のファンタジックな世界観が既に出来上がっていて、①や⑧By The Gate of Moria、日本盤ボーナス⑨Gandalf's Rebirth(2曲ともインスト)など「指輪物語」をテーマにした楽曲が多いですね。

出世作となった3rd「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)以降の作品に比べると物足りなさがあり、B級メタル感も漂ってはいますが緻密で壮大な作風を目指した「NIGHTFALL IN MIDDLE-EARTH」(1998)以降の作品では影を潜めるようになってきたメタルバンドとしてのアグレッションや刺々しさといった魅力は、この頃の方がありますね。リリース当時は輸入盤市場で注目を集めたらしい本作と次作2nd「FOLLOW THE BLIND」(1989)は、日本デビュー作となった3rdと同時発売という形で1990年に日本盤が発売されています。

【音源紹介】
・Majety(Live)

【CD購入録】BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

  • 2011/04/03(日) 00:00:00

【CD購入録】
AT THE EDGE OF TIME
BLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」(2010)

HELLOWEEN、GAMMA RAYと並ぶジャーマンメタル、いやメロディックメタル界の大御所バンドBLIND GUARDIANの9作目を買いました。音楽、歌詞の両面でファンタジックかつドラマティシズムに満ち溢れた音世界は流石の一言なのですが、このバンドにはキャッチーでクサいメロディを大合唱させてくれる曲を期待する僕としてはもう少しメロディのフックが欲しかったかな。シングルにもなった⑨A Voice In The Darkのようなわかりやすいパワーメタルを今のBLIND GUARDIANに求めてはいけないのかもしれませんが…。

2010年はHELLOWEEN、GAMMA RAY、BLIND GUARDIANというドイツ産パワーメタルのBIG3による新作が揃い踏みした年でした。それぞれの印象としては、バンドの個性でもあったコミカルさを抑制してストイックなメタルサウンドを提示したHELLOWEEN「7 SINNERS」、デビューから20年に渡って不変のメタル道を追求し続けているGAMMA RAY「TO THE METAL」、バンドサウンドがファンタジックでドラマティックなパワーメタルというよりも「BLIND GUARDIANというひとつのジャンル」になったと感じさせられるBLIND GUARDIAN「AT THE EDGE OF TIME」という感じですね。

BLIND GUARDIAN「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)

  • 2008/07/16(水) 21:19:40

TALES FROM THE TWILIGHT WORLD

【No.011】
★★★★(1995)

前作までは荒さも目立ち、HELLOWEENの後続バンドという印象がついてまわっていたBLIND GUARDIANが大化けを果たした出世作にして3枚目のアルバム。HELLOWEEN以上にドラマティックでアグレッシブなBLIND GUARDIANサウンドが本作で確立されてます。

なんといってもアルバム前半が凄い。やや前のめり気味な突進力で突き進み、親しみやすいメロディを勇壮なクワイアで盛り立てるというBLIND GUARDIANワールドが完成の域に達した①Traveler In Time、タメのあるサビがドラマ性を増幅させる②Welcome To Dyingといった2曲のスピードチューンで掴みはバッチリ。テクニカルかつスピーディーなギターインスト③Weird Dreamsと名作ファンタジー「指輪物語」をタイトルに冠した小バラード④Lord Of The Ringsの対比、そしてジャーマンメタル史に残るであろう名曲⑤Goodbye My Friend、ドラマティックな展開のお手本のような⑥Lost In The Twilight Hallで興奮は最高潮を迎えます。後半ややテンションが下がるものの、サビメロのインパクトは本作でも随一の⑦Tommyknockers、「Guardian Guardian Guardian Of The Blind~」という歌詞が耳から離れない⑨The Last Candleもハイレベル。

一度聴いただけで耳に残るメロディが多く、曲展開も起伏に富んでいて聴き応えがある名盤です。思えば、この頃のBLIND GUARDIANが僕は一番好きでした。一般的にも評価の高いこのアルバムですが、僕もBLIND GUARDIAN入門には本作がベストだと思います。

【音源紹介】
・Goodbye My Friend