【CD購入録】ARCH ENEMY「WAR ETERNAL」(2014)

  • 2014/06/06(金) 00:00:00

【CD購入録】
WAR ETERNAL
ARCH ENEMY「WAR ETERNAL」(2014)

4th「WAGES OF SIN」(2001)から加入し、バンドの飛躍に大きく貢献したAngela Gossow(Vo)が脱退するだけでなくシンガー業からも引退しマネージメントに専念することを表明、後任にAlissa White-Gluz(Vo/ex-THE AGONIST)を迎えるという超サプライズ人事を発表してファンを驚かせたARCH ENEMYの9作目を買いました。まず注目しなくてはならないボーカルパートについては、リリース前の噂通りAlissaがクリーンボーカルを封印していることもあってびっくりするほど違和感がなく、何の事前情報もなく本作を聴けばAngelaが歌っていると思ってしまうほど。そしてシンガー交代劇の陰に隠れてしまったものの今回のアルバムがARCH ENEMYデビューとなるNick Cordle(G)もバンドに溶け込んでいますね。ARCH ENEMYのアルバムとしてはどこかユルく感じられた前作「KHAOS LEGIONS」(2011)と比べて、本作は②Never Forgive, Never Forget、⑪On And Onを筆頭にブルータリティと魅惑のギターメロディが見事に融合した楽曲が目白押しで5人中2人のメンバーが交代したとは思えないほど「らしい」仕上がりとなっています。新機軸として挙げられるのは「バンド初となるオーケストラの起用」で⑨Time Is Blackなどアルバム後半でそれが顕著に表れていますね。リリース前は劇的なメンバーチェンジがあったために注目していましたが、いざ聴いてみるとそのファーストインパクトたるや今年に購入した新譜の中でもトップクラス。年間ベストにもランクインしそうな勢いです。

ARCH ENEMY「KHAOS LEGIONS」(2011)

  • 2013/01/14(月) 00:00:00

KHAOS LEGIONS
【No.360】
★★★(2011)

デビュー当初から高い人気を獲得していた日本と違って欧米では知名度が低い所謂「ビッグ・イン・ジャパン」状態だったものの、女性グロウルシンガーの草分け的存在のAngela Gossowが加入した4th「WAGES OF SIN」(2001)以降、一気にスターダムへと上り詰めていったARCH ENEMYの8thアルバム。前作「RISE OF THE TYRANT」(2007)からは4年振りの作品となりますが、その間もバンドは前任シンガーJohan Liivaが在籍していた初期3作品の楽曲をAngelaが歌い直したリメイク盤「THE ROOT OF ALL EVIL」(2009)を発表したほか、中心人物のMichael Amott(G)Sharlee D'Angelo(B)と活動を共にするもうひとつのバンドSPIRITUAL BEGGARSで7th「RETURN TO ZERO」(2010)を、Michaelの実弟Christopher Amott(G)も初のソロアルバム「FOLLOW YOUR HEART」(2010)をリリースするなど精力的に活動していたので気が付けは4年が経過していたという感じですね。ちなみに本作からバンド名のカタカナ表記が「アーク・エネミー」から英語本来の発音に近い「アーチ・エネミー」に変更されています。

プロデューサーにFredrik Nordstrom(G/DREAM EVIL)を迎えた前作がバンド最大の武器であるAmott兄弟のギターを強調した音作りだったのに対して、Rickard Bengtsson(Vo/ex-ARMAGEDDON、LAST TRIBE)とバンドが共同プロデュース、Andy Sneap(G/HELL)がミックスを担当した本作は各楽器の整合感に重きを置いている印象です。そんなサウンドの中で展開されるARCH ENEMY流エクストリームメタルには一切の揺らぎもなく大物バンドとしての風格が漂う本作の特徴は、これまで以上に練り込まれたギターパートと1曲の中で緩急が目まぐるしく変わる曲構成でしょうか。「激烈」という言葉が相応しいほどの攻撃性とスピード感に溢れていた前作に比べて、今回の楽曲は一筋縄でいかないものが多くブルータルで速い曲だと思って聴いていると、途中で失速する場面もあって正直なところ僕はモヤモヤ感が残りました。曲中のあるパートが盛り上がる前に次の展開に移行していくため、結局ひとつの楽曲として印象に残るものが少ないというか…。これまでは暴虐性たっぷりのサウンドとメロディアスなギターの対比がスムーズに行われていましたが、本作ではメロディックなパートが楽曲の流れに水を差してしまっているように感じることもしばしば。個人的には⑪Thorns In My Flesh、⑬Vengeance Is Mine、⑭Secretsのようにわかりやすく突っ走る曲がもう少し聴きたかったですね。

疾走感を抑えて楽曲の練り込みを重視したためインパクトが弱い本作には若干の不満を感じる一方で、これはARCH ENEMYが持つ底力が為せる業なのか、僕がこのバンドに心酔しているからなのか定かではありませんがリピートさせるだけの魅力は依然として存在しているし、ARCH ENEMYの持ち味とアルバムのクオリティは高水準で保たれているので最終的にはそれなりに楽しめました。今回バンドが挑戦したエクストリームメタルと複雑な曲展開を融合させるというスタイルが今後のアルバムにどう活かされてくるのか期待したいと思います。なお今回のアルバム発表後にChristopherがバンドを再脱退してしまったため、バンドは後任にNick Cordle(G/ARSIS)を迎えて本作に伴うツアーを敢行しています。2005年に脱退して2007年に復帰した時にChristopherは「自分が最後に辞めるメンバーだ」と語っていたにも関わらず「エクストリームなメタルを演奏することに違和感を覚えるようになった」との理由で再び脱退した彼がARCH ENEMYに戻ることはないでしょうね…。Amott兄弟のツインギターが聴けなくなるのは残念ですが、Christopherは今後もソロとしてだけではなくARMAGEDDON復活させるなどして音楽活動を続けていくようなのでARCH ENEMYとあわせてこれからも応援していきたいと思っています。

【音源紹介】
・Vengeance Is Mine

ARCH ENEMY「THE ROOT OF ALL EVIL」(2009)

  • 2011/10/18(火) 00:00:00

ROOT OF ALL EVIL
【No.306】
★★(2009)

今や北欧メロデス/エクストリームメタルの代表的存在としてワールドワイドな活動を展開しているARCH ENEMYですが、デビューしてしばらくは日本における注目度はそれなりに高かったものの、美貌と獣性を併せ持った2代目シンガーAngela Gossow嬢(Vo)が加入して制作された4th「WAGES OF SIN」(2001)でブレイクを果たすまで欧米ではマイナーな存在でした。本作は日本以外ではあまり知られていない1st「BLACK EARTH」(1996)、2nd「STIGMATA」(1998)、3rd「BURNING BRIDGES」(1999)という初期3作品の収録曲を現在のラインナップでリメイクした企画盤です。リーダーのMichael Amott(G)によると「デビュー当初から注目を集めていた日本と違い、世界的に見るとJohan Liiva(Vo)が歌っていた初期3作品の知名度は低い。しかし、これらのアルバムにも良い曲が多いのでもっと知ってもらいたい」という意図で制作された作品のようです。

【トラックリストと収録作品】
01. The Root Of All Evil (Intro)(SE)
02. Beast Of Man(「STIGMATA」)
03. The Immortal(「BURNING BRIDGES」)
04. Diva Satanica(「STIGMATA」)
05. Demonic Science(「BURNING BRIDGES」)
06. Bury Me An Angel(「BLACK EARTH」)
07. Dead Inside(「BURNING BRIDGES」)
08. Dark Insanity(「BLACK EARTH」)
09. Pilgrim(「BURNING BRIDGES」)
10. Demoniality(Instrumental)(「BLACK EARTH」)
11. Transmigration Macabre(「BLACK EARTH」)
12. Silverwing(「BURNING BRIDGES」)
13. Bridge Of Destiny(「STIGMATA」)

以下は日本盤ボーナストラック
14. Wings Of Tomorrow(EUROPEのカバー。未発表音源)
15. Walk In The Shadows(QUEENSRYCHEのカバー。ヨーロッパ盤シングル「REVOLUTION BEGINS」)
16. Bury Me An Angel(Live)(「LIVE APOCALYPSE」)
17. The Immortal(Live)(「LIVE APOCALYPSE」)
18. Bridge Of Destiny(Live)(「LIVE APOCALYPSE」)

ARCH ENEMYを聴く際にボーカルパートをそれほど重視してこなかった僕ですが、こうしてJohanが歌っていた楽曲とAngelaでリメイクした音源を聴き比べてみると各シンガーそれぞれの持ち味がより明確に感じられますね。Johanは良くも悪くも歌い方が荒くて感情を込めようとするあまり声が裏返ってしまったり曲のテンポに合っていなかったり(本作収録曲では③The Immortalで顕著)していましたが、それが逆に独特の緊張感やグルーヴ、疾走感を生み出しています。それに対してAngelaは持ち前のリズム感を活かして歌詞をきっちりとメロディに乗せつつ、無慈悲なシャウトでブルータルな側面もしっかりアピールするという感じでしょうか。Johanは感情に任せた荒々しさと声自体に宿る邪悪なムードが、Angelaは狂暴性を振り撒きつつも洗練性と整合感を保っているというのが魅力ですね。どこかで「不良のJohan」に対して「優等生のAngela」という表現を見かけましたが、なかなか言い得て妙だと思いました。そんなボーカルアプローチに呼応するかのように楽曲自体のイメージも違ってきていて、本作のバージョンはオリジナルよりもキーが高く、テンポも若干抑え気味になっています。僕はボーカルの違い以上にギターソロのアレンジも含めて楽曲そのものから受ける印象が異なっていることに聴き始め当初は違和感を覚えましたね。全体的な印象として本作はオリジナルバージョンにあった突き抜けるような疾走感があまり感じられない代わりにシャープで硬質、きっちりと整った音像となっているためJohan時代のアルバムよりもボーカルや各楽器の分離は良好で、バンドがこのような音作りを目指すのであればAngelaの方が合っていると思います。

今回のリメイクをしっかり味わうために本作収録曲をそのまま聴く、原曲を本作の順番に並べて聴く、JohanバージョンとAngelaバージョンの同じ曲を交互に並べて聴くという3つの聴き方を試してみましたが僕の心に最も響いてきたのは2つ目、つまり本作のJohanバージョンでした。本作を聴くまではJohanが楽曲のテンポに乗り切れていない場面をマイナス要素として見ていましたが、その微妙な前のめり感こそが彼にしか出せない味だということに気づきました。勿論Angelaが加入したことでバンドの人気に火がついたのは事実だし、彼女のステージパフォーマンスや存在感はJohanにはないものなのでシンガーを交代させたバンドの決断は正解だったとも思います。というわけで、僕にとって本作はAngelaが歌うバンド初期の曲を楽しむ以上に2人のシンガーの違いを味わい、Johanを再評価するための1枚という印象が強いですね。そしてARCH ENEMYというバンドがデビュー当初から素晴らしい楽曲を多く生み出していることも再確認できました。それだけにカバー曲や既発のライブDVD「LIVE APOCALYPSE」(2006)からのテイクで、しかも本編と同じ曲のライブバージョンを3つも入れるのではなくFields Of Desolation、Angelcrawといった僕の大好きな2曲のAngelaバージョンを収録して欲しかったですね。

【音源紹介】
・Beast Of Man

【CD購入録】ARCH ENEMY「KHAOS LEGIONS」(2011)

  • 2011/05/19(木) 00:00:00

【CD購入録】
KHAOS LEGIONS
ARCH ENEMY「KHAOS LEGIONS」(2011)

僕にとってメロデス/エクストリーム系の最重要バンドのひとつARCH ENEMYが4年振りにリリースした8作目を買いました。前作「RISE OF THE TYRANT」(2007)から4年のスパンがあったとはいえ、その間にライブ盤「TYRANT OF THE RISING SUN」(2008)、前任シンガーJohan Liivaが在籍していた初期3作品の楽曲を現メンバーでリメイクした企画盤「THE ROOT OF ALL EVIL」(2009)があったので前作から4年間も経っていたのかというのが正直なところです。本作は日本盤ボーナスを含めて全16曲というボリュームなので、まだ十分に聴き込めていませんが前作の路線を継承したという前評判通り、怒涛の攻撃性と溢れんばかりギターメロディがぎっしり詰まった好盤だと思います。ギターソロが楽曲を包み込む⑪Thorns In My Fresh、怒りと狂気に満ちた⑬Vengeance Is Mine、パワーメタルの要素も感じさせる曲調がバンド初期の作風を想起させる⑭Secretsといったアルバム終盤が現在のお気に入りですね。2nd「STIGMATA」(1998)からARCH ENEMYをリアルタイムで聴き続けていますが、僕の期待を裏切ることなく一定レベル以上の作品を毎回届けてくれるバンドに拍手を送りたいです。

ちなみに本作からバンド名のカタカナ表記がこれまでの「アーク・エネミー」ではなく「アーチ・エネミー」に変わっています。

ARCH ENEMY「TYRANTS OF RISING SUN -LIVE IN JAPAN」(2008)

  • 2009/10/20(火) 00:00:00

ARCH ENEMY TYRANTS OF THE RISING SUN LIVE IN JAPAN
【No.190】
★★★★(2008)

これまでにCDで「BURNING JAPAN LIVE 1999」(2000)、DVDで「LIVE APOCALYPSE」(2004)というライブ作品をリリースしてきたARCH ENEMYの通算3枚目のライブ音源となる本作はバンドの好調振りを証明するかのようにDVD、2枚組CDという2種類のフォーマットでリリースされています。上に挙げた過去のライブ音源2作品を振り返ってみると、前者は選曲に不満が残るものだったし、後者はARCH ENEMY作品群の中ではさほどお気に入り度の高くない5th「ANTHEMS OF REBELLION」に伴うツアー時のもので、発売時にはChristopher Amott(G)が既に脱退(後に復帰)していたという事情も重なって不完全燃焼なイメージがありました。ところが本作は名曲の数々とAmott兄弟、Daniel Erlandsson(Ds)のソロを含めたセットリスト、楽曲、演奏など全ての面で過去2枚のライブ作品を上回る出来栄えとなっています。

ライブは現時点での最新作「RISE OF THE TYRANT」と同じくDisc-1①Intro/Blood On Your Handsでけたたましく鳴り響くサイレンの音と重く鋭いギターリフから始まります。この曲ではAngela Gossow(Vo)による「Re! member~!!」のシャウトをオーディエンスと一緒に叫んでしまいますね。それ以降もギターメロディに合わせて「オーオ オーオーオー」と大合唱が起こる②Ravenous、6th「DOOMSDAY MACHINE」のオープニングトラックだった③Taking Back My Soul、シングルカットもされた5thの代表曲④Dead Eyes See No Futureと、Angela加入後の4作品それぞれの代表曲で畳み掛けてくる序盤は掛け値なしの素晴らしさ。めでたくバンド復帰を果たしたChristopherのギターソロ⑦Christopher Soloの後に収録されている⑧Silverwingではギターメロディに新たなアレンジが加えられていて更に爽やかなイメージに仕上がっています。また①Buring Angelから始まるDisc-2も最高で本編ラストを飾る④Vultures、そして⑤Enemy Within以降のアンコールは名曲のオンパレード。4th「WAGES OF SIN」のエンディングをそのまま再現した叙情インスト⑥Snowbound~⑦Shadow And Dustの流れ、会場に一体感を生み出すメタルアンセム⑧Nemesis、そして最後は全世界でも最初にARCH ENEMYに注目、評価して彼らがデビューした1996年からサポートし続けている日本のファンへAngelaが感謝の意を述べた後に⑨We Will Rise~⑩Fields Of Desolation/Outroを演奏するという文句のつけようのないエンディングで幕を降ろします。

2nd「STIGMATA」からの楽曲は収録されていませんが、ベスト盤としても通用しそうなセットリストで構成された本作はARCH ENEMYの魅力を凝縮したライブアルバムなので入門盤にも最適だと思います。これだけの選曲でありながら、Bury Me An Angel、Beast Of Man、Bridge Of Destiny、The Immortal、The Last Enemy、The Revolution Beginsなどなど他にも名曲を抱えるARCH ENEMYは凄いバンドですね。やはり名曲の多いバンドは強い!こんな素晴らしいバンドが1stアルバム発表時にCATHEDRALの前座として来日したときは、一過性のプロジェクトで終わる可能性があったということに驚くと同時に、その来日公演での観客の熱い反応を見てMichael Amott(G)がARCH ENEMYを継続させる決心をしたというのエピソードは日本のARCH ENEMYファンとしては嬉しい限りです。

【音源紹介】
・Ravenous(Live)


We Will Rise~Fields Of Desolation/Outro(Live)

ARCH ENEMY「RISE OF THE TYRANT」(2007)

  • 2009/10/17(土) 00:00:00

RISE OF THE TYRANT
【No.189】
★★★★(2007)
年間ベスト2007年第3位

メロデス界の帝王ARCH ENEMYの7thアルバム。前作完成時にChristopher Amott(G)脱退という衝撃ニュースもありましたが、結局Christopherは本作制作直前にバンドに復帰し、このアルバムでも目を瞠るほどのプレイをしてくれていてファンとしては一安心。アルバムの方向性はMichael Amott(G)がBURRN!誌上でも語っていたように3rd「BURNING BRIDGES」、4th「WAGES OF SIN」両アルバムの頃の路線になっていますね。

メロディックな方向にベクトルを向けた作風ではあったものの、今ひとつ好きになりきれなかった前作「DOOMSDAY MACHINE」以上に本作は楽曲のメロディラインがよく練られていて、一撃必殺のギターソロを聴かせるというよりも楽曲全体を包み込む極上のギターサウンドが聴き手を魅了するという作品になっています。前作にあった名曲Nemesisほどの突出したキラーチューンはないけれど、①Blood On Your Hand②The Last Enemyの泣きをたっぷり含みつつもアグレッシブなギターメロディは聴いてて背筋がゾクゾクする感覚をもたらしてくれます。キャッチーなギターメロディと「ヘイ!ヘイ!」というかけ声が絡まり、終盤のギターソロへと移行するパートがたまらなくカッコいいミドルチューン⑤Revolution Beginsはライブで盛り上がること間違いなし!本編ラストもARCH ENEMYとしては珍しくネオクラシカルなプレイをフィーチュアした⑪Vulturesでカッコよく締めてくれます。贅沢を言えば⑪に至るまでにもうひと盛り上がり欲しいなぁ、という気もしますが、どの曲も濃厚なほどにメロディアスなので僕としては満足です。

久し振りにプロデューサーFredrik Nordstromと組んだこともあってかAndy Sneepが手がけた作品にあった機械的な冷たさを持った音作りとは質感が異なり、ギターの音がここ数作でも類を見ないほど強調されていてAmott兄弟のギターを堪能できます。逆にリズム隊も凄いバンドなのに影が薄くなってますが、Amott兄弟のギターこそがARCH ENEMYだと思ってる僕にとっては、それほど気になりません。個人的に思い入れの強い「BURNING BRIDGES」を超える満足度ではないけれど、「WAGES OF SIN」と同等か、それ以上のお気に入りアルバムです。

【音源紹介】
・The Last Enemy

ARCH ENEMY「DOOMSDAY MACHINE」(2005)

  • 2009/10/14(水) 00:00:00

DOOMSDAY MACHINE
【No.188】
★★★(2005)

ストレートでシンプルな作風を目指した前作「ANTHEMS OF REBELLION」から一転して、ギターワークの量が大幅増となったARCH ENEMYの6作目。多くのファンが感じたと思われる前作に対する物足りなさを敏感に感じ取ったのか、Michael Amott(G)自身も製作段階から「次回作ではメロディックなギターを増やす」と公言していただけに、期待を胸に聴いた1枚でした。イントロとなる①Enter The Machineに続く②Taking Back My SoulFIREWINDのギタリストGus.Gが客演)、③Nemesisというインパクト抜群の冒頭の流れは僕の好きなARCH ENEMYの復活だと思わせてくれるし、バンド初期を連想させるデスラッシュ風の⑥I Am Legend/Out For Blood、これまでにない明るく曲調のインスト⑧Hybrids of Steelなどオッと思わせる場面があり、1回聴いた時点では新たな名盤の誕生かと思えるほどでした。

ところがリピートするうちにモヤモヤ感が募ってくるんですよね。確かにメロディアスなギターは十分楽しめるけど、3rd「BURNING BRIDGES」や4th「WAGES OF SIN」と比べると、どうにもアルバム全体のダイナミズムに欠けるというかアルバム序盤の勢いが後半まで持続できていないように感じられます。勿論、この作品を他のバンドがリリースしていたらスゴイ作品だと言えそうだけど、これまで僕の心に大きな感動を刻んでくれたARCH ENEMYのアルバムとしてはちょっと物足りなく感じてしまいます。

ボーナストラックとして⑫Heart Of Darkness(「WAGES OF SIN」収録)と名曲⑬Bridge Of Destiny(2nd「STIGMATA」収録)のライブが収録されていて過去の名曲との対比ができるだけに、本編の方に「さすがはARCH ENEMY」と思わせてくれる場面がもっと欲しかったですね。そんな中、激しくスピーディーなリフの応酬に始まりシンガロング必至のキャッチーなサビとそのバックでクサいメロディを奏でる③は文句なしの名曲で、バンドがこれまでに生み出した名曲群に匹敵する出来栄えです。それにしても前作に対するファンの声に反応して、意図的に方向性を変化させるMichaelの柔軟性と、それを実行しつつも一定水準以上のアルバムを作り上げてしまうセンスに脱帽ですね。ちなみに本作完成直後にChristopher Amott(G)がバンドを脱退したため、後任にFredrik Akesson(G/ex-TALISMAN)の加入が発表されましたがChristopherは次作「RISE OF THE TYRANT」レコーディング前に復帰しています。

【音源紹介】
・Nemesis

ARCH ENEMY「ANTHEMS OF REBELLION」(2003)

  • 2009/10/09(金) 00:00:00

ANTHEMS OF REBELLION
【No.187】
★★(2003)

2作続けて名盤と呼べる作品をリリースしてくれたARCH ENEMYの5thアルバムは、従来の作品とはやや趣の異なる1枚ですね。前作「WAGES OF SIN」に伴う長期ツアーの間にMichael Amott(G)の中で次回作はリフ、リズム主体のライブ映えするシンプルな楽曲を収録したいという気持ちが募っていったようで、大仰なメロディと泣きのギターソロというARCH ENEMYの看板的要素が大幅にカットされてます。

ファンの間でも賛否両論(やや否が多いかな)分かれている本作を気に入るかどうかは、ARCH ENEMYに何を求めているかによると思います。荒々しくブルータリティに満ちた楽曲と、そこに流れ込んでくるAmott兄弟の美しいツインリードの対比こそがARCH ENEMYの肝だと考えている僕のようなリスナーにとって、本作はやや厳しい内容だと言わざるを得ません。ブルータルな音楽性は健在なんですが、もうひとつの重要ファクターであるギターと叙情メロディの量が少なすぎるんですよね。楽曲もミッドテンポが主体なのもマイナス。といいつつも、従来路線の②Silent Warsやライブで真価を発揮しそうなグルーヴ感が心地よいミドル③We Will Rise、そして過去の楽曲と比べても遜色ないARCH ENEMYの王道チューン④Dead Eyes See No Futureへと至る序盤の流れは好きだったりします。後半も④と共通するメロディを持ったアコギインスト⑧Marching On A Dead End Roadからデスラッシュな⑨Despicable Heroesに繋ぐという静と動のコントラストはありがちながら悪くないし、Christopher Amott(G)がクリーンボイスでバックボーカルを担当した⑩End Of The Line、NU METALっぽい(?)⑪Dehumanizationあたりの新機軸も悪くない。そう、「悪くない作品」ではあるんですけど、これまでのアルバムにあったような突き抜けたメロディと楽曲の魅力に欠けるように思えてしまいます。

そんな不満点の残るアルバムではありますが、サウンドプロダクションの面に関しては過去最高のクオリティを誇っています。前作ではミキシングを担当するに止まったAndy Sneapをプロデューサーとして迎え、彼の得意とする硬質で冷徹な音作りを施した本作は前作以上に各パートの音がクリアに聴こえます。そして、Amott兄弟によるギターのフィーチュア度が低いこのアルバムで主役となっているのが美形ドラマーDaniel Erlandssonです。これまでにも増して彼のドラミングは耳に残るし、メロディよりリズムに重きを置いた本作では彼のプレイこそがサウンドの核になっていると思います。これが加入後2作目となるAngela Gossow(Vo)の咆哮も凶暴性を増してて、バンド全体のレベルアップが感じられるだけに、本来バンドの主役であるはずのギターワークとメロディが控えめになっているのが残念。この音質で「BURNING BRIDGES」みたいな作品を作ってくれたらなぁ、というのが本音です。

【音源紹介】
・Dead Eyes See No Future(Live)

ARCH ENEMY「WAGES OF SIN」(2001)

  • 2009/10/06(火) 00:00:00

WAGES OF SIN
【No.186】
★★★★(2001)
年間ベスト2001年第6位

メロディックデスメタルの中で、僕が最も気に入っている作品のひとつ「BURNING BRIDGES」に続くARCH ENEMYの4thアルバム。本作の話題は何といっても、Johan Liiva(Vo)の後任に麗しの女性デスメタルシンガーAngela Gossow(Vo)が電撃加入したことでしょう。今でこそ女性がデスメタル系バンドで歌うことは珍しくなくなってきてますが、このアルバムが発表された2001年当時はホンットに衝撃的で、これが女性の歌声か?と驚嘆したものです。個人的には歌声に悲壮感が漂っていたJohanも好きですが、Angela加入後にARCH ENEMYが大躍進を遂げたことを考えると、このメンバーチェンジは成功といえるのではないでしょうか。

Angelaにばかり注目が集まりがちな本作ですがアルバムの完成度も高く、清らかなピアノの音色に続いて切り込んでくる強靭なドラミングと、そこに絡むギターリフが凄まじい①Enemy Withinからしてとびきりのカッコよさです。楽曲のインパクト、メロディのクサさという面では前作に一歩譲るものの、タメの効いた泣きのギターソロが鳥肌ものの②Burning Angel、極上のリフとダイナミックな展開に聴き惚れてしまう④Ravenous、不気味なリフワークに始まり曲終盤では叙情フレーズが炸裂する⑨Behind The Smileなどは前作の名曲群と同じくらい好きな曲ですね。他にもメロデスバンドとしての暴虐性を前に出した⑥Dead Bury Their Dead~⑦Web Of Liesへと間髪入れずに繋がる怒涛の流れ、泣きのインスト小曲⑩Snowboundからスケールの大きなミドルテンポ⑪Shadows And Dustでアルバムを締めるという構成も流石です。

このバンドの主役はあくまでもAmott兄弟の流麗なツインリードであるということは間違いありませんが、本作ではリズム隊のタイトさが非常に目立ちます。中でもDaniel Erlandson(Ds)の超絶ドラミングはAndy Sneapのクリアなミキシングのせいもあり、これまで以上にアタック感が強く抜けのいい音で録音されていてDanielの凄さがダイレクトに耳に届くんですよね。Amott兄弟のギター、屈強なリズム隊があまりに凄いため、Angelaのデスボイスも健闘してるんだけど影が薄くなってしまってるように思えます。メロディアスな要素が強かった前作の路線をベースに、初期のアグレッションを注入した本作もまた名盤です。

【音源紹介】
・Enemy Within(Live)

ARCH ENEMY「BURNING JAPAN LIVE 1999」(2000)

  • 2009/10/03(土) 00:00:00

BURNING JAPAN LIVE 1999
【No.185】
★★(2000)

ARCH ENEMYというバンドの中だけでなく、メロディックデスメタルというジャンルの中でもダントツでお気に入りの名盤「BURNING BRIDGES」に伴う来日公演の模様を収めたバンド初のライブアルバム。初代シンガーJohan Liivaが在籍するラインナップとしては最後の作品であり、彼のライブパフォーマンスを収録した唯一のアルバムでもあります。残念ながらJohanは「ライブパフォーマンスに問題あり」という理由で後に解雇されていますが本作を聴く限り、そこまで致命的な問題は見当たりません。確かにステージングの華やかさでは後任のAngela Gossow(Vo)に分があるし、本作収録の①The Immortalではスタジオ盤以上に突進力を増した演奏陣のリズムについていけてないようにも思いますが…。

それにしてもMichael Amott(G)Christopher Amott(G)によるギターパートはライブでも強力ですね。その激情の極みともいうべき圧巻のプレイは本作にもしっかりと刻まれていて、スタジオ盤にも増してエモーショナルに響いています。中でも①や⑥Silverwing、⑪Angelclawといった当時の最新作3rd収録曲におけるソロパートは本当に素晴らしい名演です。またリズム隊も安定感抜群で、特にハンサムドラマーDaniel Erlandssonのドラミングは只事ではなく、バンドの大きな推進力となっていますね。Johanのボーカルについても危なっかしさを感じなくはないものの良い意味での荒さ、アグレッシブさがあると思います。

と、ここまでは本作の好きな点を書きましたが、このライブ盤については収録曲の少なさとベストと言えないセットリストに不満が残ります。ライブの出来が良いだけに全11曲というのは物足りなさを感じるし、Amott兄弟のギターソロセクションや1stに収録されている彼らの代表曲Bury Me An Angel、Fields Of Desolationも入っていません。そして個人的に残念だったのは⑨Bridge Of Destiny最大の聴きどころである終盤のギターソロがごっそりカットされていること。「来るぞ来るぞ」と期待していたのに、いきなり次の⑩Transmigration Macabreに繋がった時は「オイオイ!」と突っ込みを入れてしまいました(苦笑)。ライナーノーツにもあるように、バンド側は「3枚のスタジオ盤しか出していない時点で、ボリュームのあるライブ作品を出すのは時期尚早。本作は日本のファンへのちょっとした贈り物」と考えているようですが、ファンとしてはその時のバンドによるベストな作品を聴きたいですね。そんな僕の欲求を満たしてくれるARCH ENEMY最高のライブ作品「TYRANTS OF RISING SUN -LIVE IN JAPAN」(2008)がDVDと2枚組CD両方のフォーマットでリリースされた今となっては、本作を聴く機会は激減してしまいましたが上記の不満を除けばなかなかのライブ作品だと思います。

【音源紹介】
・The Immortal(Live)

【CD購入録】ARCH ENEMY「THE ROOT OF ALL EVIL」(2009)

  • 2009/10/01(木) 00:00:00

【CD購入録】
ROOT OF ALL EVIL
ARCH ENEMY「THE ROOT OF ALL EVIL」(2009)

前任者Johan Liiva(Vo)が歌っていたARCH ENEMYの初期3作品(「BLACK EARTH」、「STIGMATA」、「BURNING BRIDGES」)の楽曲を現ボーカルAngela Gossow(Vo)を含む現在のメンバーでリメイクした企画盤を買いました。

以前の記事にも書きましたがトラックリストはこちら。
01. The Root Of All Evil (Intro) (SE)
02. Beast Of Man (STIGMATA)
03. The Immortal (BURNING BRIDGES)
04. Diva Satanica (STIGMATA)
05. Demonic Science (BURNING BRIDGES)
06. Bury Me An Angel (BLACK EARTH)
07. Dead Inside (BURNING BRIDGES)
08. Dark Insanity (BLACK EARTH)
09. Pilgrim (BURNING BRIDGES)
10. Demoniality (Instrumental) (BLACK EARTH)
11. Transmigration Macabre (BLACK EARTH)
12. Silverwing (BURNING BRIDGES)
13. Bridge Of Destiny (STIGMATA)

以下は日本盤ボーナストラック
14. Wings Of Tomorrow (EUROPEのカバー)
15. Walk In The Shadows (QUEENSRYCHEのカバー)
16. Bury Me An Angel(Live)
17. The Immortal(Live)
18. Bridge Of Destiny(Live)

こうして見るとアルバム本編13曲は、Johan在籍時唯一のライブ盤「BURNING JAPAN LIVE 1999」(全11曲)と9曲(①、⑤、⑥、⑩以外)も被ってますね。本作の聴きどころはAngelaがJohan時代の楽曲をどのように歌っているかという点だとは思うのですが、個人的にARCH ENEMYを聴くときにはボーカルをさほど重視していないため、Amott兄弟によるギターメロディのアレンジと初期の曲が「今のARCH ENEMY」のサウンドプロダクションで聴くとどうなるのかが楽しみでした。数回聴いた印象では僕の期待に応えてくれる1枚といえそうですね。ただ、オリジナルヴァージョンを聴きまくっていたせいか、はたまた既に楽曲が完成の域にあったせいか、新鮮味や原曲を凌駕するものは感じられないかな。本作は「1st~3rdアルバムが入手困難な欧米のファンにバンド初期の名曲を知ってもらうための作品」という立ち位置なので、妥当な出来なのかもしれません。しつこいかもしれませんが、やっぱりFields Of Desolationは収録して欲しかったなぁ…。ちなみに⑯以降のライブ音源は2005年にDVDとしてリリースされた「LIVE APOCALYPSE」からのテイクです。

ARCH ENEMY「BLACK EARTH」(1996)

  • 2009/09/30(水) 00:00:00

BLACK EARTH
【No.184】
★★(2002)

今やメロディックデスメタル界の頂点に君臨するARCH ENEMYの記念すべきデビューアルバム。この当時はCARCASSを脱退したMichael Amott(G)のサイドプロジェクトという位置付けで、メンバーはMichaelの実弟Christopher Amott(G)と旧友のJohan Liiva(Vo、B)Daniel Erlandsson(Ds)という4人体制です。

全体的な印象としては荒削りな部分はあるものの、ARCH ENEMYの代名詞であるツインギタースタイル(Michael Schenkerばりのエモーショナルなスタイルの兄Michaelとテクニカルに弾きまくるYngwie Malmsteenタイプの弟Christoper)は既に築かれています。ただ、この時点ではまだ2人のギターは2nd「STIGMATA」(1998)と比べてもフィーチュア度は低めですね。その反面3rd「BURNING BRIDGES」以降に失ってしまった禍々しさやアンダーグラウンド臭がムンムンしてます。楽曲自体も3rd以降と比べてよりエクストリームで荒々しい音なので、メロディ重視派の僕としてはちょっとキツイ部分もありますが作品全体から感じられる勢いは、この頃が一番だと思います。

クサメロとブルータリティが見事に合体した①Bury Me An Angelや、感動的なギターメロディを持った⑨Fields Of DesolationといったARCH ENEMY初期の名曲もしっかり収録されています。僕は自分の好みに合ったメロディック路線の3rd、4thの後に本作を聴いたせいもあって衝撃度はそれほど大きくなかった(⑨は3rd収録のギターソロ拡張バージョンの方が断然お気に入り)のですが、1996年のデビュー当時にこれを聴いていたらもっと印象が違ってたと思います。ここ最近のARCH ENEMYはメロディ重視に走りすぎて物足りない、なんて人は本作の方が気に入るかもしれませんね。

【音源紹介】
・Bury Me An Angel

【CD購入録】ARCH ENEMY「TYRANTS OF THE RISING SUN -LIVE IN JAPAN」(2008)

  • 2008/11/28(金) 07:52:40

【CD購入録】
TYRANTS OF THE RISING SUN LIVE IN JAPAN
ARCH ENEMY「TYRANTS OF THE RISING SUN -LIVE IN JAPAN」(2008)

今年3月の来日公演の模様を収めたARCH ENEMYのライブ作品を買いました。DVD盤も同時にリリースされていますが、今の僕の音楽スタイル(DVD鑑賞する時間があまりないんです)を考えてCD2枚組の方をチョイス。以前のライブDVD「LIVE APOCALYPSE」に比べて、本作の選曲の方が断然僕好み。現時点での最新作「RISE OF THE TYRANT」も非常に好きな作品だったし、本作にはMichael Amott(G)Christopher Amott(G)両名のギターソロが入っているのも嬉しいですね。まだ数回しか聴いてませんがライブ作品としてはARCH ENEMYの最高傑作ではないでしょうか。とにかく今のバンドの充実振りがヒシヒシと伝わってくる全20曲です。個人的な聴きどころは、Disc-1ではAngela Gossow(Vo)による「Re~member~!」のシャウトで大合唱の①Intro/Blood On Your Handsの後に続くバンドの代表曲②Ravenous、③Taking Back My Soul、④Dead Eyes See No Futureという畳み掛け、新たなギターアレンジが施された僕にとっての最重要曲⑧Silverwingですね。また①Buring Angelから始まるDisc-2も最高で本編ラストを飾る④Vultures、そして⑤Enemy Within以降のアンコールは名曲のオンパレード。Amott兄弟のギターソロは言うまでもなく聴き応え満点だし、叙情インスト⑥Snowboundも良いアクセントになってます。いやぁ、このライブ盤聴いてると泣きのメロディを紡ぎ出すAmott兄弟の姿を観たくなってきました。DVDも買おうかな…。

ARCH ENEMY「BURNING BRIDGES」(1999)

  • 2008/08/05(火) 08:09:14

BURNING BRIDGES
【No.020】
★★★★★(1999)
年間ベスト1999年第2位

Amott兄弟率いるARCH ENEMYの出世作となった3rdアルバム。前作はヘヴィでブルータルな楽曲の中に、Amott兄弟が繰り出す悶絶級のギターソロがギラリと輝く作品で、裏を返せばギターソロはほんとに素晴らしいんだけど曲自体は面白みに欠け、ギターパートを待ちわびる状態だったのも事実でした。ところが、今回はギターソロだけが聴きどころになっているのではなく、曲そのものの魅力が大きく向上したのが嬉しい。もちろんギターも最高ですけどね。

強烈なインパクトを持つ①Immortalで幕を開けるアルバムは、その後もブルータルでメロディックな楽曲を連発。優れた楽曲が詰まった本作の中で一際輝いているのが超名曲④Silverwingです。メロデスに大胆なメジャーキーを取り入れ、ソロパートでは徹底的に泣きまくるこの曲を初めて聴いた時の衝撃は凄まじいものがありました。好きなアルバムを選ぶとすればDREAM THEATERの「METROPOLIS PT.2」かROYAL HUNTの「PARADOX」のどちらかですけど、好きな曲ってことになるとダントツでSilverwingですね。どうやったら、こんなに素晴らしいメロディが出てくるのか…。Amott兄弟の才能を改めて実感しました。他には前述の①やソロ後半がジャーマンメタル風な⑦Angelclawも気に入ってますが、このアルバムに関しては、どれも甲乙つけがたいほどの充実振りです。

本編ラストの⑧Burning Bridgesはやたらとスローでヘヴィな異色の曲ですが、その後に収録にされてるボーナストラック2曲で再びテンションが上がります。1曲目はスウェーデンの大先輩EUROPEのカバー⑨Scream Of Angerで、原曲にないイントロを加えただけでなくオリジナルのイメージをぶち壊すほどのブルータルな仕上がり具合。そしてもう1曲はデビュー作に収められていた名曲のリメイク⑩Fields Of Desolation 99です。デビュー作でも素晴らしい出来だったのが、今の布陣で録り直したことでタイトさが増しているのがグッド!しかもラストの1分ではオリジナルになかったツインギターをたっぷりフィーチュアしていて、これを聴いてしまったらもうオリジナル版は聴けないほどカッコよくなってます。ありがたみのないボーナストラックも少なくない中、この2曲はファンとしてホントに嬉しいボーナスです。ARCH ENEMYはIN FLAMES、DARK TRANQUILLITYと並んでメロデス御三家と呼ばれていますが、僕は断然ARCH ENEMY派ですね。本作を聴いて、その想いが強くなりました。

【音源紹介】
・Silverwing
お気づきかと思いますが、当ブログのタイトルはこの曲名からいただきました。

ARCH ENEMY「STIGMATA」(1998)

  • 2008/07/12(土) 21:41:19

STIGMATA

【No.009】
★★★(1998)
年間ベスト1998年第9位

僕がメロディックデスメタルを聴くきっかけとなったARCH ENEMYの2ndアルバム。僕のメロデス初体験はIN FLAMESのデビュー作「LUNAR STRAIN」でしたが、メロディアスなメタルを中心に聴いてきたその当時の僕にとっては、デス声があまりに衝撃的、刺激的過ぎて、「聴いてはいけないものを聴いてしまった」という拒否反応に近い感想を抱いてしまったのを覚えてます。それ以降、デスメタル系を聴くことなく過ごしていたところに「とにかくギターが素晴らしい」とBURRN!誌上で取り上げられていたのが本作でした。

これが前評判に違わぬギターパートの充実振りで、一気にこのバンドが好きになりましたね。爆走型デスラッシュで勢いよく突進しまくる楽曲と、そこに流れ込んでくるMichael Amott(G)Christopher Amott(G)のメロディアスなツインギターの対比が素晴らしすぎ。曲名通り野獣の如き獰猛さとメロディックギターが渾然となって襲い掛かってくる①Beast Of Manに始まり、Amott兄弟のギターメインの叙情インスト②Stigmataを挟んで繰り出される③Sinister Mephisto④Dark Of The Sunの2曲におけるツインギターは、ギターソロのパートだけをリピートさせるほどの魔力を持ってますね。その後、中盤から後半はややテンションが下がりますが、①に匹敵する突進力で突っ走る⑨Diva Satanicaとアルバムのラストを飾るに相応しいドラマティックチューン⑫Bridge Of Destinyは出色の出来。特に⑫終盤のどこか希望を感じさせるギターメロディは何度聴いても感動的です。ただ、この時点では後のARCH ENEMYに比べて曲そのものに叙情メロディの割合が少ないので、楽曲全体を楽しむというよりは、殺伐としたブルータリティの中で煌くギターパートを心待ちにしているという印象が強いかな。

とはいえ、ヘヴィかつダークで荒々しい要素だけでなくメロディックなギターを存分に盛り込んだ本作は、僕が抱いていたデスメタルに対する苦手意識を払拭する大きなきっかけになった1枚です。本作を聴いてなければ、翌年1999年にリリースされたARCH ENEMYの3作目「BURNING BRIDGES」や、CHILDREN OF BODOMの「HATEBREEDER」といった名盤と出会うこともなかったかもしれません。そう考えると、このアルバムは僕のミュージックライフの幅を広げてくれた重要作品と言えますね。

【音源紹介】
・Bridge Of Destiny