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CIRCUS MAXIMUS「NINE」(2012)

  • 2018/08/15(水) 00:00:00

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【No.520】
★★★★(2012)

2nd「ISOLATE」(2007)で日本デビューを果たし、プログレメタルシーン期待の若手として注目を集めるCIRCUS MAXIMUSの3rdアルバム。 前作リリース後、Michael Eriksen(Vo)はバンドを離脱したRoy Khan(Vo)の代役としてKAMELOTのステージに立ったり、Torsti Spoof(G/LEVERAGE)と結成したメロディックロック・プロジェクトTHE MAGNIFICENTでアルバムを発表したりと活動の幅を広げCIRCUS MAXIMUSの知名度も上がっていましたが5年とやや長いスパンでの新作となりました。リリース間隔が長くなった要因はMichaelの課外活動もさることながら、創設メンバーで作曲面の中心となっているMats Haugen(G)が腕を痛めるなど予期せぬトラブルに依るところが大きかったらしく、当初予定していた2010年頃の完成時期が後ろ倒しになってしまったようです。

本作でまず目を惹くのはジャケットですね。従来の絵画的な雰囲気とは別物の無機質でアーティスティックなアルバムカバーはデザイナーでもあるMatsの奥さんによるものだそうですが、本作を聴く前はこのような変化がサウンド面にも表れているのではないかと一抹の不安を感じていました。実際に聴いてみても過去2作品とは趣きが違っていて親しみやすいボーカルメロディが残っているとはいえ登場頻度は減少、いかにもプログレメタル風の展開が増えています。全体的な印象としては過去のアルバムがDREAM THEATERの「IMAGES & WORDS」(1992)に北欧らしい叙情メロディを加味した作風だとすれば今回は「OCTAVARIUM」(2005)期のDREAM THEATERに近いように思いますね。そんな変化は音作りにも表れていてボーカルのボリュームがやや小さいミックスとなっている一方で、Matsのギターソロはこれまで以上に目立っていて大きな聴きどころとなっています。

聴き始めの頃は今回の変化に違和感を覚えましたが不思議とリピートしたくなる魅力を持った作品でもあります。序曲①Forgingを経てスタートする②Architect Of Fortuneはいきなり10分越えの長編で本作で聴けるCIRCUS MAXIMUSらしさが凝縮されているし、③Namasteは一転してコンパクトかつ曲名から連想される通りオリエンタルな雰囲気を放つ中毒性の高いナンバーです。僕がイメージするCIRCUS MAXIMUSらしさに最も近いのは⑥I Am、それに次ぐのが⑩Last Goodbyeでしょうか。それ以外は即効性が高くないため地味な印象を持ちますが聴くほどに味わいが増す曲が多いスルメ盤ですね。中でも哀愁と清涼感が交錯する⑩のサビはこれまでにCIRCUS MAXIMUSが生み出してきたメロディの中でも一番のお気に入りとなっていてROYAL HUNT、AT VANCEがそうだったように「Last Goodbyeという曲名にハズレなし」という法則を再確認しました。過去のアルバムで見せてくれた歌モノプログレメタルという個性やインパクトはこれまでで最も希薄ながら、バンドとしては着実に成長していると感じさせてくれる1枚です。

【音源紹介】
Last Goodbye

CIRCUS MAXIMUS「ISOLATE」(2007)

  • 2018/07/21(土) 00:00:00

C MAXIMUS ISOLATE
【No.519】
★★★★(2007)

2005年リリースのデビュー作「THE 1ST CHAPTER」が輸入盤市場で注目を集めていたノルウェー産プログレメタルバンドCIRCUS MAXIMUSの2作目にして日本デビュー盤。音楽性は前作同様、初期DREAM TEHATERをベースとしつつ本家以上に歌心を大切にしたサウンドとなっています。バンドの持ち味であるメロディアスハードにも通じる親しみやすい歌メロと、テクニカルな側面という2つの要素が絶妙に絡み合っていますね。デビュー作以上にキャッチーさを増したように感じられますが、その要因としては収録曲の大半が4〜5分台とコンパクトになったことと、ポップな方向に振り切れた⑤Arrival Of Loveに依るところが大きいと思います。

楽曲的には⑤のインパクトが頭ひとつ抜けている感はあるものの、爽快なサビメロがクセになる②Abyssも前作におけるハイライトとなっていたAliveを彷彿とさせるCIRCUS MAXIMUSらしいナンバーです。また聴けば聴くほどに味わいが増すオープニング①Darkened Mind、後にMichael Eriksen(Vo)Roy Khan(Vo)の後任候補としてKAMELOTへの加入が噂されたことにも納得できる魅惑の低音ボーカルが胸に沁みるバラード⑥Zeroなども聴きどころとなっていますね。そしてアルバム後半には12分台の⑦Mouth Of Madness、9分台の⑨Ultimate Sacrificeといった長編を配していて、こちらでも複雑になり過ぎることなく良質なメロディを聴かせる姿勢に揺るぎはありません。それどころがメロディの起伏やドラマ性が強調されていてコンパクトな楽曲との対比もお見事。また日本盤ボーナストラック⑩Silenceは1stアルバムに収録されていたバラードSilence From Angels Aboveのリメイクで、こちらはライヴで演奏する時のバージョンだそうです。ギターのイントロや効果的なキーボードなどオリジナル以上に劇的な仕上がりとなっていてバンドの成長振りが窺えますね。

そんな楽曲群を歌うシンガーのMichael Erikssenは敬愛しているというGeoff Tate(Vo/QUEENSRYCHE)や母国ノルウェーが誇るTNTのフロントマンTony Harnellを彷彿とさせるハイトーンに加え、低音域では前述した通りRoy Khanのような深みも感じさせてくれます。ボーカルメロディを大切にする姿勢を更に強化した今回のアルバムにおける彼の貢献度はかなり大きいですね。ちなみに本作はジャケットに描かれている「どん底でもがき苦しむ男」の人生にまつわるコンセプトアルバムだそうで、テーマとしてはダークで重いように感じますが音楽自体は前作よりも聴きやすくメロディアスなので、プログレメタルというよりはプログレッシブな要素もあるメロディックメタルと表現したくなるよう作風となっています。

【音源紹介】
Arrival Of Love

CIRCUS MAXIMUS「THE 1ST CHAPTER」(2005)

  • 2018/07/09(月) 00:00:00

THE 1ST CHAPTER
【No.518】
★★★★(2006)

ノルウェーから現れたプログレメタルの新星CIRCUS MAXIMUSのデビューアルバム。本作がリリースされた2005年当時は国内盤が発売されませんでしたが、輸入盤市場で話題になっていたので即購入した思い出がありますね。その後2nd「ISOLATE」(2007)が好評で日本でも人気に火がつき2008年に本作の日本盤がリリースされています。ちなみにCIRCUS MAXIMUSというバンド名は同郷ノルウェーのメロディックロックバンドDA VINCIの2nd「BACK IN BUSINESS」(1989)の収録曲から取っているのかと思いきや、全く関係なく主要メンバーMats(G)Truls(Ds)Haugen兄弟がプレイしていたゲームでCIRCUS MAXIMUSという単語を偶然目にしたことがバンド名を決めるきっかけとなったそうです。

本作のサウンドはこのジャンルの大御所DREAM THEATERの影響下にあることが明白なスタイルで2nd「IMAGES AND WORDS」(1992)を彷彿とさせますね。それでいてボーカルメロディは本家以上にメロディアスでわかりやすいのがCIRCUS MAXIMUSの強みです。プログレメタルも好きなジャンルではあるけれど難解な曲は苦手という僕のようなリスナーにとってある意味理想的なサウンドかもしれません。その大きな要因となっているのがMichael Eriksen(Vo)の透き通った歌声です。線はやや細いし聴いていて圧倒されるような凄みこそないものの、メロディの良さをしっかり届けてくれる彼のボーカルは心地よく胸に響いてきますね。そんな歌ものプログレメタルと呼べそうなCIRCUS MAXIMUSの魅力を凝縮したのが優雅でキャッチーなサビが冴え渡る名曲②Alive、「ワーィ、アーマァヒー♪」と一緒に歌いたくなる⑥Why Am I Hereでしょう。またアコギが演出するリラックスした雰囲気で始まりメロハーに通じる親しみやすさと緊迫感のあるインストパートが交錯する⑦The Prophecyもいいですね。

一方で本作が1stアルバムということもあってバンドとしてのオリジナリティは確立されておらず①Sinのヘヴィなギターから中近東風のフレーズに繋がるイントロや、演奏陣が火花を散らすインスト曲④BiosfearはDREAM THEATERを連想させるし、10分越えの③Glory Of The EmpireではまるでSYMPHONY Xなピアノが登場、叙情バラード⑤Silence From Angels AboveKAMELOTのアルバムに収録されていそうなナンバーだったりします。デビュー作でありながら19分に及ぶ⑧The 1st Chapterもこの超大作を収録したチャレンジ精神は良いと思いますが、未整理な部分が目に付いたりします。…といった感じでいくつか注文を付けたくなる点はあるものの、それは期待の裏返しであって総じて見れば音楽的な面は勿論ジャケット、ブックレットに至るまでデビューアルバムとは思えないほどのクオリティを誇っています。僕としては一般的に評価の高い「ISOLATE」と同じかそれ以上のお気に入り盤ですね。

【音源紹介】
Alive

【CD購入録】CIRCUS MAXIMUS「HAVOC」(2016)

  • 2016/03/03(木) 00:00:00

【CD購入録】
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CIRCUS MAXIMUS「HAVOC」(2016)

ノルウェーが誇るプログレッシブ・メタル界のホープCIRCUS MAXIMUSの4作目を買いました。アルバムリリースに先駆けて公開された楽曲群を聴いて、歌メロ重視だった初期2作品と比べてやや内省的だった前作「NINE」(2012)に近いものを感じていました。実際にアルバムを聴いてみての第一印象としては作品前半にヘヴィなナンバーが多く、後半に進むにつれて僕がこのバンドに期待する繊細なメロディが楽しめるという感じでしょうか。特に⑥Loved Ones〜⑨Chivalryの流れは秀逸ですね。聴き始めの感触としては前作より良いし「NINE」も聴き込むほどに好きになっていった作品なので、これからどんどんハマっていきそうな気がしています。なお僕が買った初回限定盤にはLOUD PARK 12でのパフォーマンスを収録した8曲入りボーナスCDが付いていて、こちらも聴き応えがありますね。

【CD購入録】CIRCUS MAXIMUS「NINE」(2012)

  • 2012/06/21(木) 00:00:00

【CD購入録】
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CIRCUS MAXIMUS「NINE」(2012)

最近ではKAMELOTのツアーにサポートとして帯同したり、THE MAGNIFICENTTorsti Spoof(G/LEVERAGE)と結成したことでも知られる実力派シンガーMichael Eriksen擁するノルウェー産プログレメタルバンドCIRCUS MAXIMUSの3作目を買いました。歌メロを大切にするプログレメタルというこのバンドのスタイルが好みだったのですが、過去2作品とジャケットイメージも異なる本作は僕が買った国内盤に先駆けてリリースされた輸入盤のレビューを見ると賛否両論あったので期待と不安を胸に聴いてみました。前作「ISOLATE」(2007)の延長線上にある作品とは言い難いという事前情報があったせいか、本作を数回聴いた現時点ではそれほど大きな違和感はありません。前作で時折感じられたメロハーテイストはTHE MAGNIFICENTの方で出し切ってしまったのかArrival Of Loveのようなわかりやすいキャッチーソングはないものの、これまで以上に懐の深さを感じさせてくれる作品なので聴き込むにつれて、このアルバムに対する印象がどう変わっていくのか楽しみです。