MIKAEL ERLANDSSON「THE GIFT」(2002)

  • 2009/11/24(火) 00:00:00

THE GIFT
【No.201】
★★★(2002)

97年発表の「UNFAMILIAR」以降、Mikael Erlandsson(Vo)に関しては音沙汰がなかったのでBenny Soderberg(Vo、Key/ex-FORTUNE)率いるCLOCKWISEや民族音楽色も感じさせるギターインストの傑作「GYPSY POWER」を作り上げたSteven Anderson(G)に続き、僕のお気に入り北欧アーティストがまた1人、表舞台から姿を消してしまったのかと半ば諦めていたところに突如飛び込んできた「Mikael復活」のニュースには大喜びしました。作品を重ねるごとにメロディの魅力が下降線を辿っていたため一抹の不安もありましたが、本作のオープニングトラック①Out Of Champagneを聴いた途端にそんな不安は消し飛びましたね。

アルバム全体のイメージとしては2ndの作風に最も近く、デビュー作にもあったエッヂの効いたサウンドも盛り込まれているといった感じです。本作の特徴は彼独特の哀愁という要素は控えめとなっている反面、印象的なギターフレーズから始まる③I Love Youや明るくポップなメロディが弾ける⑥Million Dollar Girlといったアップテンポの曲が多いため「躁」な印象が強いということでしょうか。哀愁が控えめといっても、それは「Mikael Erlandssonにしては」という話であって、年齢を重ねるごとに哀愁味を増している彼特有のハスキーボイスとメロディセンスは僕のツボです。優しげなハーモニーから始まる⑦I Send You My Heart、デビュー作を彷彿とさせるクサメロチューン⑩Excuse Me Babyそして本作のハイライト⑪Love’s Got A Hold On Meといった従来のメロディックロック路線に加えて、今回は新機軸としてR&B風のバラード④Soul Is My Nameも収録されていて、楽曲の幅に広がりが見えるのも好印象。

本作で見事な復活を遂げたMikael Erlandssonは翌年の2003年にAndy Melecek(G/ex-FAIR WARNING)LAST AUTUMN’S DREAMを結成。その後はLAST AUTUMN’S DREAM名義で年1枚のペースを守りつつ良質のアルバムをコンスタントにリリースしています。LAST AUTUMN’S DREAMも好きですが、強烈な泣きメロナンバー満載というよりは普遍的なロックに近い印象なので、またソロで哀愁路線を突き詰めた作品も出して欲しいなぁ。

【音源紹介】
・I Love You

MIKAEL ERLANDSSON「VERY BEST OF MIKAEL ERLANDSON」(2002)

  • 2009/11/22(日) 00:00:00

VERY BEST OF MIKAEL ERLANDSSON
【No.200】
★★★★(2009)

無名ながら優れたバンド/アーティストを発掘してくれていたレーベル「ゼロ・コーポレーション」から「THE 1」でデビューするや、その哀愁と叙情味溢れる美旋律サウンドが好評を博し、1995年度のBURRN!誌人気投票のブライテスト・ホープ(新人賞)部門で第3位を獲得したスウェーデンのシンガーソングライターMikael Erlandsson(Vo)の「THE 1」、「UNDER THE SUN」、「UNFAMILIAR」という初期3作品から厳選された17曲と未発表曲2曲からなるベスト盤。彼のベストアルバムは1998年にも「TEARS OF HEART」(全15曲)というタイトルで発売されていたのですが、5年振りとなる4th「GIFT」での復活に先駆けて発表されたのが本作です。

【トラックリストと収録アルバム】
01. It's Alright(1st「THE 1」)
02. Can't Turn Back Now(2nd「UNDER THE SUN」)
03. Show Me(1st「THE 1」)
04. Life Is A Hard Game To Play(1st「THE 1」)
05. Touch You Now(2nd「UNDER THE SUN」)
06. A Lot Of Love(3rd「UNFAMILIAR」)
07. Carousel Of Seasons(3rd「UNFAMILIAR」)
08. Down To Earth(2nd「UNDER THE SUN」)
09. Wish You Were Here(1st「THE 1」)
10. Open Book(2nd「UNDER THE SUN」)
11. Hold Back The Tears(3rd「UNFAMILIAR」)
12. A Place To Hide In Town(2nd「UNDER THE SUN」)
13. Reason(1st「THE 1」)
14. Television(2nd「UNDER THE SUN」)
15. Can't Keep Hiding(1st「THE 1」)
16. 1000 Years(2nd「UNDER THE SUN」)
17. The 1(1st「THE 1」) 
18. Delirious(未発表曲)
19. Tell Me(未発表曲)

選曲については1st、2ndからそれぞれ7曲ずつ、3rdからは3曲と初期2枚に集中していますが、ライナーノーツで藤木さんも書かれているように良い曲を選ぶとこういう結果になると思うので妥当なチョイスかと。まぁ個人的には2ndのタイトルトラックUnder The Sunを入れて欲しかったところですが。曲順に関してもアルバム毎に収録曲を羅列するのではなく、Mikaelの代名詞でもあるコテコテのクサメロナンバー①で始まり、デビュー作のエンディング曲⑰で本編を締める辺りにこだわりが感じられて嬉しいですね。

未発表だった2曲については、流石にベスト盤本編の収録曲には及ばないものの、前者は哀メロの効いたメロディックロック、後者はパンク調の佳曲なのでファンとしては嬉しいオマケです。残念ながらオリジナル作品3枚と「TEARS OF HEART」の発売元であるゼロ・コーポレーションが倒産してしまった関係でそれら4作品の国内盤は廃盤なので、LAST AUTUMN’S DREAM結成前のMikaelを知るには打ってつけのアルバムだと思います。Mikael ErlandssonといえばLAST AUTUMN'S DREAMの人というイメージが強いかもしれませんが、LAST AUTUMN'S DREAMはMikaelだけでなくバンドメンバーのJamie Borger(Ds/TALISMAN etc)や外部ライターが楽曲を手がけるハードロックバンドなのでMikael節の真髄に触れるなら、やはりソロ作品ですね。ちなみに①、⑫、⑰はLAST AUTUMN’S DREAMでカバーしています。

【音源紹介】
・Wish You Were Here


・Open Book

MIKAEL ERLANDSSON「UNFAMILIAR」(1997)

  • 2009/11/19(木) 00:00:00

UNFAMILIAR
【No.199】
★★(1997)

僕に泣きメロ/哀メロの何たるかを教えてくれた名盤「THE 1」(1995)、肩の力を抜いたアコースティックサウンドで質感は違えど相変わらずのメロディセンスを発揮してくれた2nd「UNDER THE SUN」(1996)に続く、Mikael Erlandsson(Vo)の3作目は前作の路線を引き継ぐ淡い色彩とリラックスムードが漂う作品となっています。僕としては、1stの頃のような泣きと哀メロを期待していたんですが…。

瞬間的にはMikaelならではの極上のメロディが顔をのぞかせるものの、「泣きメロの権化」Mikaelの作品としては物足りないと言わざるを得ない1枚ですね。とはいえ⑤Hold Back The Tears以降は流石のクオリティで、歌詞を詰め込んだ早口パートで気持ちを高めておいてサビで落とす⑥Don’t Be A Strangerの歌メロは凄く耳に残るし、明るくポップな⑦Carousel Of Seasons、改めてMikaelのメロディ作りの上手さを思い知らされる⑨What It’s All About、これぞMikael Erlandssonな⑩A Lot Of Love、楽しげな曲調でアルバムのラストを飾る⑪Hold Tightと続く後半を聴いていると、やはり彼は並のソングライターではないと思い知らされます。

アルバム購入当初はデビュー作を頂点として彼の音楽性が僕の好みから離れつつある印象もあり、Mikael Erlandssonのソングライティングに衰えが見え始めたのかと心配しましたが、過去のアルバムと切り離して聴いてみれば良質のメロディが詰まったポップロック作品だとわかってきました。本作を発表後、Mikaelは2002年に4thアルバム「THE GIFT」でカムバックを果たすまで、表舞台からは姿を消してしまうことになります。

【音源紹介】
・Hold Back The Tears

MIKAEL ERLANDSSON「UNDER THE SUN」(1996)

  • 2009/11/16(月) 00:00:00

MIKAEL UNDER THE SUN
【No.198】
★★★(1996)

北欧美旋律サウンドの極致「THE 1」(1995)で彗星の如くデビューしたMikael Erlandsson(Vo)の2ndアルバム。まず一聴して驚いたのが、前作での繊細な雰囲気は減退していて肩の力を抜いたアコースティック風のサウンドとなっていること。大らかなメロディで優しく包んでくれる①Open Bookに始まり、ノリのいいポップロックチューン②Can’t Turn Back Now、ほのぼのムードが漂う③Todayと続くアルバム冒頭からして、前作とは印象が大きく異なります。

聴き始めの頃はその変化に違和感を覚えましたが、Mikaelの抜群に上手いメロディセンスという根幹部分に変わりはないので、徐々に好きになっていきました。中でも、都会的でオシャレなアレンジのポップソングに哀愁のサビを持ってきた④Under The Sunは絶品です。一方で新たな側面として、ロックンロール色を前面に出した⑥Hot Shoes、Mikael流のパンク⑩The Loserなども面白いですが、やはりこの人には⑦Down To Earth⑫A Place To Hide In Townのような胸を締め付けるような哀愁バリバリのメロディを期待してしまいますね。

演歌に通じる泣きとクサメロが胸を打つ⑨Supposeはあるものの、前述の②や⑤Touch You Now、⑧Televisionなど軽快で明るい感じの楽曲が多いので、前作そのままの路線を期待すると肩透かしをくらいますが、メロディ自体は相変わらず強力。Mikael本人の味わい深いハスキーボイスも健在なので、彼の持ち味をしっかり発揮した1枚だと思います。

【音源紹介】
・Open Book

MIKEAL ERLANDSSON「THE 1」(1995)

  • 2008/07/05(土) 10:28:43

THE 1

【No.006】
★★★★★(1995)
年間ベスト1995年第1位

YNGWIE MALMSTEENをきっかけに音楽(主にメタル)を聴き始めた1995年に、僕が出会った珠玉の名盤。スウェーデンから突如現れたシンガーソングライターで、現在はLAST AUTUMN’S DREAMでも活躍しているMikael Erlandsson(Vo)が音楽キャリアを本格スタートさせたソロデビュー作です。ほど良くハードで、哀愁のメロディが満載の本作は僕が初めて心から感動したアルバムかもしれません。北欧の音楽に共通する美旋律、繊細さ、哀感といった要素がぎっしり詰まっていて、僕にとって「北欧らしさ」という基準はこのアルバムがもとになっています。

心地よいエッヂの効いたイントロに始まりサビでパッと空気が明るくなる①Wish You Were Here、大らかなバラード②Show Me、ピアノとアコースティックギターが奏でる優しいメロディが絶品の③Reasonといった具合に次から次へと僕の琴線に触れるメロディが続き、僕が探していた音楽はこれだ!という想いすら、こみ上げてくるほどです。またMikaelの代表曲となっている⑤It’s Alrightが発散する強烈なクサいメロディはインパクト絶大。その他にも⑥I Believeやアルバムを感動的に締めくくるバラード⑪The 1とお気に入りの曲が目白押し。その中でも特にリピート率が高いのは③と⑪かな。

本作で特筆すべきは収録曲がどれも素晴らしいだけでなく、その曲を歌うMikael Erlandssonの歌声がまた絶品だということ。若干カスレ気味の声で切々と歌い上げる彼の歌唱は、感情がダイレクトに響いてきて曲の魅力を大きく増幅させています。1995年にこのアルバムを聴いた僕は、その後「北欧系ミュージック」をいろいろ聴きましたが、このアルバムはやはり別格。北欧らしい音楽を求める人にはまず、この作品を強くお薦めしたいですね。

【音源紹介】
・The 1