【CD購入録】SARGANT FURY「DO YOU REMEMBER THE ANTHOLOGY」(2009)

  • 2011/09/30(金) 00:00:00

【CD購入録】
DO YOU REMEMBER THE ANTHOLOGY
SARGANT FURY「DO YOU REMEMBER THE ANTHOLOGY」(2009)

Andrew "Mac" McDermott(Vo)の訃報に触れ、僕が唯一持っている彼の関連作品であるTHRESHOLD「DEAD RECKONING」(2007)を聴き返したくなり先日記事にしました。「DEAD RECKONING」をリピートしているうちに、その卓越した歌唱力に魅せられて彼がかつて在籍していたSARGANT FURYというバンドの作品も聴きたいと思っていたところ、まるで僕のためにあるような作品を見つけたので買ってみました。本作はタイトルにあるようにアンソロジー作品となっていてSARGANT FURYが残した3枚のフルアルバムを網羅していて、お値段はなんと2200円だったので1枚あたり約700円というお買い得盤です。3枚をサラリと聴いた今の印象としては、どの作品も聴き応えがあるという感じですね。

ここでSARGANT FURYの簡単なバイオグラフィに触れておくと、バンドはドイツのハノーヴァーで1987年にKai Steffen(G)、Haiko Heike(Ds)がオランダ人ベーシストBauke de GrootOlaff Grosser(G)らとともに結成。約2年に及ぶシンガー探しの後にイギリス人シンガーAndrew "Mac" McDermottが加入して1991年に「STILL WANT MORE」でデビュー。音楽性は骨太で爽快感もあるハードロックで、リリースした3枚のアルバムは全て日本盤が発売されていましたが現在はどれも廃盤となっているようです。ちなみに3作目にしてラストアルバムの「TURN THE PAGE」は、90年代に多くの美旋律マニアを涙させてくれたレーベル「ゼロ・コーポレーション」からリリースされていました。バンド解散後、Andrewは1998年にTHRESHOLDに加入して5枚のスタジオアルバムでリードシンガーを務めましたがSARGANT FURYの他のメンバーの動向はわかりませんでした。

上記ジャケットは「DO YOU REMEMBER THE ANTHOLOGY」のものなので、オリジナル盤のジャケットと一言感想を書いてみようと思います。

STILL WANT MORE
SARGANT FURY「STILL WANT MORE」(1991)
デビュー作ということもあってアルバム全体から若さやエネルギーが発散されている1枚。そして驚くべきはAndrewによる圧巻のボーカルパフォーマンスで、おそらく本作が彼にとって初参加アルバムだと思うのですが、その堂々たる歌いっぷりは新人の域を越えていますね。楽曲面では問答無用のカッコよさを誇る⑦Do You Rememberに痺れました。僕が買ったアンソロジー作品のタイトル元になるだけのことはある名曲です。

LITTLE FISH
SARGANT FURY「LITTLE FISH」(1993)
1stアルバムよりも重量感を増してハードになった印象なのでメロディアスという面では他の2作品に一歩譲りますが、バンドの硬派な側面が強調されています。飛び抜けた1曲こそないものの佳曲揃いで、終盤に進むにつれて激しさを増していくハードチューン⑥T.T.A.から叙情バラード⑦Goodbyeの流れが好きです。また⑤EagleABBAのカバーで、HR/HM系バンドによるカバーを集めたオムニバス作品「ABBA METAL TRIBUTE TO ABBA」(2001)にも収録されています。

TURN THE PAGE
SARGANT FURY「TURN THE PAGE」(1995)
大人びたサックスサウンドや土の香りのするブルージーテイストをフィーチュアした今回のアルバムはハードロックの枠を越えて成熟した印象で、それに伴ってAndrewの歌声も一段とソウルフルになっています。ちなみに⑦Maniacは映画「フラッシュダンス」のサントラに収録されていたディスコチューンの好カバーで、ギリシャ人ギタリストGus G.率いるFIREWINDも5th「THE PREMONITION」(2008)でカバーしていた曲です。ハイライトは従来路線に最も近い②Best I Canで、この曲はゼロ・コーポレーションが速い曲をテーマとして制作したコンピレーションアルバム「瞬(FAST)」(1996)にも収録されています。

以上、バンドの知名度は低いものの3作品とも掘り出し物と言えるクオリティを備えていると思いました。
また、このバンドは密かにプロデューサーに有名どころを迎えていてデビュー作はHELLOWEENの初期作品にも関わっていたTommy Newton、2ndはCharlie Bauerfeindそして3rdはCharlieとSascha Paethが手がけています。アルバム内容自体もなかなか良かったので、きっかけさえ掴んでいれば大ブレイクしていたバンドだったのかもしれませんね。