SHAKRA「BACK ON TRACK」(2011)

  • 2017/09/24(日) 00:00:00

BACK ON TRACK
【No.501】
★★★★(2011)
年間ベスト2011年第8位

日本での知名度は今ひとつながら本国スイスではアルバムがナショナルチャート上位にランクインするなど成功を納めているSHAKRAの8作目。4th「RISING」(2003)から加入し、長きに渡ってバンドの顔であり続けたMark Fox(Vo)が脱退したため後任にインド生まれのスイス人John Prakesh(Vo)を迎えての第1弾となります。SHAKRAの音楽性は初期GOTTHARDの名盤3rd「G.」(1996)を彷彿とさせる骨太なハードロックでGOTTHARDよりもブルージーな土っぽさが希薄、それでいてメタル成分は多めという印象ですね。Johnの歌唱は故Steve Lee(Vo/GOTTHARD) meets Michael Bormann(Vo/ex-JADED HEART、ZENO etc)と表現したくなる熱唱スタイルで、これまで無名だったのが不思議なほどの実力派です。

オープニングの①B True B Youからして硬派なSHAKRA流ハードロックが炸裂。それ以降も生後5ヶ月でインドから養子としてスイスに送られたため実の両親のことを全く知らないJohnの想いを歌詞に乗せた哀愁ミドル②I'll Be、一転してノリの良いサウンドを聴かせる③Crazy、疾走感溢れるタイトルトラック④Back On Trackと勢いをつけておいてバラード⑤When I See Youに繋ぐという構成もニクいですね。冒頭の5曲が充実しているため⑥MMTWGR(Money Makes The World Go Round)以降は若干テンションが下がりますが、個々の楽曲としては聴き応えのあるものばかりだし本編ラストを締めくくる⑬Stronger Than Everは文句なしのカッコよさを誇っています。ちなみにボーナストラックの⑭Whyは前作「EVEREST」(2009)収録曲のリメイク。YouTubeで前任者バージョンと比べてみた感想としてはJohnの方が好きですね。そのJohnは外見が完全にインド人なのでメンバー写真を見ると1人だけ浮いているように感じますが、本作のライナーノーツによると「SHAKRAというバンド名の由来はインド起源の神秘的身体論におけるエネルギーの通過点チャクラから来ている」とのことなのでバンドがインドと繋がりを持つことは運命だったのかもしれません。

スイス出身のハードロックバンドとなるとGOTTHARDとの比較は避けられませんが、本作はGOTTHARDの名作群と比べても遜色のない仕上がりだと思います(超えたとは言えませんが)。1998年のデビューからブレずに、ストイックに正統派サウンドを追求する姿勢は清々しいほど。ただしガッツ溢れるハードロックがズラリと並ぶためメリハリに欠けるのも事実で贅沢を言えば、もう少し楽曲にバリエーションがあると良かったかなという気もします。これまでの経験上、SHAKRAのように楽曲の振り幅が狭く自分達のサウンドを貫くタイプのバンドは他の作品を聴いても結局はバンドとの出会いの1枚が最も好きな作品だったというケースが多いんですよね。そのため彼等が本作以降にリリースしたアルバムについては興味を持ちつつも聴くことなく今日に至っています。なおJohnは次回作「POWERPLAY」(2013)リリース後に脱退、通算10枚目となる「HIGH NOON」(2016)では前任のMark Foxが復帰しているようです。

【音源紹介】
Back On Track

【CD購入録】SHAKRA「BACK ON TRACK」(2011)

  • 2011/10/03(月) 00:00:00

【CD購入録】
BACK ON TRACK
SHAKRA「BACK ON TRACK」(2011)

地元スイスではナショナルチャートの常連になるなどGOTTHARDに次ぐ国民的ハードロックバンドとなっているらしいSHAKRAの8作目を買いました。実はこのバンドの作品を聴くのは3rd「POWER RIDE」(2001)以来約10年振りなのですが、ガッツィーで男気溢れるハードロックという軸にブレがないばかりかグルーヴィなうねりとヘヴィネス、そして絶妙なさじ加減で注入される哀愁のバランスが堪らない作品だと感心せずにはいられません。楽曲的にも粒が揃っていて、パワフルな中にほんのり哀感漂うミドルテンポ②I'll Be⑥MMTWGR、気持ち良く駆け抜けていくドライヴィングチューン④Back On Track、切なさが滲むバラード⑤When I See You、理屈抜きでカッコイイ本編ラスト⑬Stronger Than Ever辺りが特に好きですね。そして特筆すべきは本作から加入したというインド生まれのスイス人John Prakesh(Vo)の絶品歌唱。やや掠れ気味の声質でエモーショナルかつパワフルに歌い上げる彼の存在は非常に大きいですね。例えるとすればSteve Lee(R.I.P. Vo/GOTTHARD) meets Michael Bormann(Vo/ex-JADED HEART、ZENO etc)という感じでしょうか。こんな逸材がまだいたのであれば、スイスという国にはSteveの後任シンガーという重責を務められる「まだ見ぬ実力派シンガー」が眠っているのかもしれないと思えてきます。褒めすぎかもしれませんが、このJohnがGOTTHARDに加入したと聞いても僕は不思議に思わないし、好意的に受け止められそうな気もしますね。