【CD購入録】HAREM SCAREM「UNITED」(2017)

  • 2017/06/18(日) 00:00:00

【CD購入録】
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HAREM SCAREM「UNITED」(2017)

カナダが誇るメロディック・ロックバンドHAREM SCAREMの14作目を買いました。再結成後初めてのオリジナルアルバムとなった前作「THIRTEEN」(2014)に伴う来日公演の際にメンバーは次のアルバムについて明言を避けていましたが2015年にライヴ盤「LIVE AT THE PHOENIX」をリリース、そして早くも本作を完成させたということはHAREM SCAREMが本格的に復活したということでしょうか。Harry Hess(Vo)によると今回はサビがパッと明るくなる曲作りを心掛けたとのことで、実際に聴いていてもサビの盛り上がりは近作以上だと思いますね。このアルバムからは現時点で4曲がオフィシャルで公開されているのですが、その第1弾④Sinking Shipをチェックした時からして好感触でした。HAREM SCAREMは既に音楽性が確立されているバンドなのでハズレ作品はなく、あとは僕好みのメロディがどれだけあるかに注目しているのですが今回のアルバムは彼等の作品群の中でも上位にくる1枚ですね。

【CD購入録】HAREM SCAREM「THIRTEEN」(2014)

  • 2016/03/31(木) 00:00:00

【CD購入録】
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HAREM SCAREM「THIRTEEN」(2014)

「HOPE」(2008)を最後に解散していたHAREM SCAREMが再結成して発表したタイトル通りの13作目を買いました。代表作「MOOD SWINGS」(1993)の20周年記念再録盤のために再結成した彼等ですがHarry Hess(Vo)は「HAREM SCAREMでの音楽活動はやり尽くした」と以前から語っていたし、中心人物のHarryとPete Lesperance(G)の両名がソングライター/プロデューサーとしても十分やっていける実力者なので今回の新作発表は予想外でしたね。実際に聴いてみると前作「HOPE」から6年ものインターバルがあるとは思えないほど真っ当なHAREM SCAREMサウンドが展開されています。Harryの野太いボーカル、Peteのテクニカルなギターワーク、各曲を彩る分厚いコーラスなど楽曲を構成する各要素にはこのバンドならではのアイデンティティが満載。抜群の安定感を誇る1枚である一方で、こちらの予想を上回るほどの盛り上がりがあるかというと、それは微妙だったりします。並のロックバンドと比べればクオリティの高い作品ながら、彼等ならこれくらいやってくれるだろうと思ってしまうのも事実。といいつつも一定以上の満足感は得られているので、新作が出ればチェックするつもりです。

【CD購入録】HAREM SCAREM「MOOD SWINGS Ⅱ」(2013)

  • 2013/08/25(日) 00:00:00

【CD購入録】
MOOD SWINGS2
HAREM SCAREM「MOOD SWINGS Ⅱ」(2013)

HAREM SCAREMの2ndアルバムにしてバンドの出世作であり、その後の活動に良くも悪くも多大な影響を与えた「MOOD SWINGS」(1993)の発売20周年を記念して制作された再録盤を買いました。普段はリレコーディング作品をほとんど買わない僕ですが、思い入れが強い「MOOD SWINGS」となれば話は別です。内容の方は基本的にオリジナルを忠実に再現していますがドラムがクリアになっていたり、ダークな雰囲気や独特の緊張感が薄れていたりと興味深い仕上がりとなっていますね。と言いつつも1996年に「MOOD SWINGS」と出合い何度も何度も聴いてきた身としては(思い出補正もあって)オリジナルを越えていると思えないし、本作の⑩Just Like I Planned⑪Had Enoughのアレンジに違和感を覚えたのも事実。特にアカペラだった⑩が普通のアコースティックバラードに変わってしまったのは残念ですね。インスト(⑦Mandy)やアカペラも収録した「何が出てくるか予測不可能なハードロック作品」というのが「MOOD SWINGS」の魅力のひとつだと思っていたので…。また本作には新曲が3曲収録されていて、いずれも後期HAREM SCAREMを思わせるナンバーです。

日本で絶大な人気を誇り、僕自身も大好きな「MOOD SWINGS」ですが、Harry Hess(Vo)はこれまでに「あの作品はそれほど好きではない、ファンの間でなぜ評価が高いのかわからない」という主旨の発言していたのでHAREM SCAREMが再結成をして「MOOD SWINGS」をリメイクするというニュースを聞いた時にはとても驚きました。BURRN!誌のインタビューや本作の初回限定盤付属DVDでの発言から察するに、ようやくバンド自身もこのアルバムの重要性に気づいてくれたようで嬉しいですね。現時点では本作リリース後に「MOOD SWINGS」の発売20周年記念ツアーを行うこと以外は決まっていないようですが、これからのHAREM SCAREMの動向に注目したいと思います。

HAREM SCAREMのベストアルバム5作品

  • 2012/10/02(火) 00:00:00

僕の中でFAIR WARNING、GOTTHARD、TERRA NOVAと並ぶ「メロディック・ロック四天王」の一翼を担うHAREM SCAREMのオリジナルアルバム、ライブ/企画盤を紹介してきましたが最後は彼等が発表した5枚のベストアルバムに関する記事でHAREM SCAREM特集を締めくくりたいと思います。
まずは各ベスト盤のトラックリストと簡単な感想から。

THE BEST OF
「THE BEST OF」(1998)

【トラックリストと収録作品】
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
03. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
04. Blue(3rd「VOICE OF REASON」)
05. Believe(Kevin Elson Mix)(4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
06. Rain (Full Band Version) (4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
07. Turn Around(5th「BIG BANG THEORY」)
08. Staying Away(Kevin Elson Mix)(4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
09. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
10. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
11. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
12. So Blind(Kevin Elson Mix)(5th「BIG BANG THEORY」)
13. Tables Turning(Kevin Elson Mix)(5th「BIG BANG THEORY」)
14. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
15. Morning Grey(Kevin Elson Mix)(4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
16. New Religion(Remix)(「LIVE AT THE SIREN」)
17. What I Do(未発表曲)
デビュー作「HAREM SCAREM」(1991)~5th「BIG BANG THEORY」(1998)までの楽曲からなるバンド初のベストアルバム。押さえるべき楽曲は概ね収録されているし、最初のベスト盤ということもあって「彼等のベストと言えば本作」という印象が強いですね。シングルカットもされた未発表曲⑰はインダストリアルな雰囲気漂うロックソングで当時のバンドはこういうモダンな方向性を目指していたことが窺えます。また既発曲は全てリマスターされているほか、4th「BELIEVE」収録曲の大半と5th「BIG BANG THEORY」の代表曲⑫などにリミックスが施されていてオリジナル盤とは異なる仕上がりとなっています(僕はオリジナルミックスの方が好みですが)。

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「BALLADS」(1999)

【トラックリストと収録作品】
01. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
02. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
03. Something To Say(1st「HAREM SCAREM」)
04. Stranger Than Love(2nd「MOOD SWINGS」)
05. If There Was A Time(2nd「MOOD SWINGS」)
06. Just Like I Planned(2nd「MOOD SWINGS」)
07. Mandy(2nd「MOOD SWINGS」)
08. Let It Go(3rd「VOICE OF REASON」)
09. Necessary Evil(3rd「VOICE OF REASON」)
10. Rain(4th「BELIEVE」)
11. Hail, Hail(4th「BELIEVE」)
12. The Mirror(4th「BELIEVE」のSPECIAL EDITION」)
13. In My State Of Mind(5th「BIG BANG THEORY」)
14. Without You(シングル「SO BLIND」)
15. More Than You'll Ever Know(「LIVE IN JAPAN」)
16. Remember(未発表曲)
17. Why(未発表曲)
6th「RUBBER」(1999)に伴う来日の記念盤として発表されたバラードベスト。収録曲の大半が「THE BEST OF」と異なっているにもかかわらず、バラードという枠の中でこれだけ多彩な楽曲を揃えられるHarry Hess(Vo)Pete Lesperance(G)の作曲能力の高さには脱帽ですね。ちなみにHarryは自他共に認めるバラードライターで、本作のオープニングを飾るバンドの代表曲①を弱冠17歳で書き上げたという有名なエピソードがあるほどです。未発表曲はどちらもなかなかの佳曲で僕は特に後者が好きですね。

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「ROCKS」(2001)

【トラックリストと収録作品】
01. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
02. With A Little Love(1st「HAREM SCAREM」)
03. How Long(1st「HAREM SCAREM」)
04. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
05. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
06. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
07. Sentimental Blvd.(2nd「MOOD SWINGS」)
08. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
09. Believe(4th「BELIEVE」)
10. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
11. Turn Around(5th「BIG BANG THEORY」)
12. Climb The Gate(5th「BIG BANG THEORY」)
13. Sometimes I Wish(5th「BIG BANG THEORY」)
14. Stuck With You(6th「RUBBER」)
15. Trip(6th「RUBBER」)
16. If I'd Been Awake(未発表曲)
17. Going Nowhere(未発表曲)
「BALLADS」(1999)の約2年後にリリースされたロックソングベスト。アルバムタイトル、ジャケットからもわかるとおり、「BALLADS」と対になっている本作はRUBBER名義で発表された唯一のアルバム「ULTRA FEEL」(2001)の来日記念盤でもあります。選曲自体は手堅いものの僕の好きなロックチューンは「THE BEST OF」や翌年発表の「THE VERY BEST」で一通り聴けるので本作でしか聴けない楽曲に関して言うと、このバンドのロックソングとしては2番手に位置する佳曲でバラードの穴埋めをしたという印象も…。また新曲2曲についても⑯はどちらかというとバラード風で、ガツンと来るハードロックを期待していた身からすると作品の主旨から外れているように思えることもあって「BALLADS」と比べて満足感はやや低めだったりします。

THE VERY BEST OF HAREM SCAREM
「THE VERY BEST」(2002)

【トラックリストと収録作品】
01. Freedom(未発表曲)
02. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
03. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
04. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
05. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
06. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
07. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
08. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
09. Blue(4th「BELIEVE」)
10. Believe(4th「BELIEVE」)
11. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
12. Rain(4th「BELIEVE」)
13. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
14. Climb The Gate(5th「BIG BANG THEORY」)
15. Turn Around(5th「BIG BANG THEORY」)
16. Without you(シングル「SO BLIND」)
17. Stuck With You(6th「RUBBER」)
18. Draggin' Me Down(RUBBER名義「ULTRA FEEL」)
改名騒動の末に再びHAREM SCAREMとして活動していくことを表明した記念に(?)リリースされたベスト盤。「THE VERY BEST」と銘打っているだけあって、デビュー作からRUBBER名義の「ULTRA FEEL」までの全アルバムから選曲されているので網羅性は過去最高です。ただし収録曲を見ると新曲①を除く17曲中12曲は「THE BEST OF」でも聴けるので7th「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)でHAREM SCAREMに興味を持った新規ファン向けの1枚という印象が強いですね。「THE BEST OF」との差別化としては、デビュー作のオープニングにして名曲の②が収録されている点とアルバム順に曲が並んでいるのでバンドの音楽性が変化していくのを楽しめることでしょうか。

THIS AINT OVER BEST OF AVALON YEARS
「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」(2009)

【トラックリストと収録作品】
01. Weight Of The World(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
02. Next Time Around(10th「HUMAN NATURE」)
03. Higher(8th「HIGHER」)
04. Days Are Numbered(11th「HOPE」)
05. Don't Come Easy(9th「OVERLOAD」)
06. Killing Me(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
07. Watch Your Back(11th「HOPE」)
08. Human Nature(10th「HUMAN NATURE」)
09. Give It To You(8th「HIGHER」)
10. If You(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
11. Shooting Star(11th「HOPE」)
12. Afterglow(9th「OVERLOAD」)
13. Voice Inside(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
14. Daggar(9th「OVERLOAD」)
15. Lost(8th「HIGHER」)
16. This Ain't Over(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
17. Tomorrow May Be Gone(10th「HUMAN NATURE」)
18. If There Was A Time(アコースティックバージョン)
19. Honestly(アコースティックバージョン)
バンド名をRUBBERからHAREM SCAREMに戻した7th「WEIGHT OF THE WORLD」~ラストアルバム11th「HOPE」までの作品から選ばれたバンド後期としては唯一のベストアルバム。7作目以降は1枚のアルバムとして聴いた時に物足りなさを感じることも少なくなかったのですが、こうして選りすぐりの楽曲群を聴くと改めてメロディ作りの上手さにうならされますね。「この曲よりもあちらが聴きたかった」というものも2~3曲ありますが、この内容であれば文句なし。バンド後期については各アルバムに好きな曲が点在している印象を持っていた僕にとっては非常にありがたいアイテムですね。本編の後に収録されている既発曲のアコースティックバージョン2曲は日本未発売の企画盤「MELODICROCK EP」(2008)からのテイク。前者は初のアコースティクアレンジ、後者はアコースティクギター・バージョンだった「LIVE AND ACOUSTIC」(1994)のテイクとは、一味違うピアノバージョンで今回も見事な出来栄えです。

以上、各アルバムを振り返ってみると1991年にデビューしてから2008年に解散するまでの約17年間でベスト盤を5枚も発売していて供給過多の感は否めません。特に1997年~2002年の間にRUBBER名義を含めるとスタジオアルバム5枚、ベスト盤を4枚、ライブ作品を3枚、B面曲を集めた企画盤、90年代後半には複数のシングルがリリースされているため、どうしても食傷気味になってしまいますね。当時のHAREM SCAREMは3rd「VOICE OF REASON」(1995)がバンドの作品に対する満足感とは裏腹にセールス面で失敗に終わったため、レーベル側が制作に介入した4th「BELIEVE」(1997)を発表するなどしていたので、作品濫発の原因はレコード会社にあるのだとは思いますが…。
ベスト盤5作品に話を戻すと、これからこのバンドを聴くという方に1枚だけ選ぶとすれば網羅性の高さとバランスの良さから「THE VERY BEST」、もし2枚選べるなら、これと「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」をお薦めしたいですね。この2枚を聴けばHAREM SCAREMの11枚とRUBBFR名義を合わせた全12アルバムの収録曲を一通り押さえることができるので。また、バンドの初期~中期を深堀りしたいという場合には「BALLADS」と「ROCKS」が最適ではないでしょうか。個人的に最も満足感が高かったのは「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」ですが、これはバンド後期に絞ったベスト盤なので、HAREM SCAREMに初めて触れるという方にはChange Comes AroundHonestlyといった初期の名曲をまずは聴いていただきたいですね。

というわけで最後に僕が選ぶHAREM SCAREMのロック/バラードベストそれぞれ15曲を曲順も一応考えてピックアップしてみました。YouTube上で音源が公開されているものについてはリンクを貼っています。

【ROCK SIDE】
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
キャッチーなメロディ、テクニカルかつ歌心溢れるギター、分厚いコーラス、先の読めない展開などHAREM SCAREMサウンドの全てを詰め込んだ超名曲。彼等の楽曲群の中で一番好きな曲です。
02. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
デビューアルバムのオープニングを飾るハードポップナンバー。ライブで演奏されることも多いバンドの代表曲です。
03. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
典型的なHAREM SCAREM流ロックソング。爽やかな曲調の中、絶妙なバランスで配合された哀愁が堪りません。
04. All I Want(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
キャッチーでメロディアスなサビが強力。初めて聴いた時から一緒に歌っていた記憶があります。
05. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
ライブで必ずと言っていいほど演奏されるバンドを代表する1曲です。オリジナルもさることながら、解散したバンドが日本のために再び集結して新たに提供してくれた「ONE FOR ALL ALL FOR ONE 東日本大震災チャリティ・アルバム」(2011)収録バージョンも実に感動的。
06. If You(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
従来のハーレムサウンドとは意図的に距離を置き、パワーポップに傾倒していたRUBBER期を経た後だからこそ生まれた名曲。「If you never go away, how can I, can I miss you~♪」というウィットの効いた歌詞も良いですね。
07. Baby With A Nail Gun(4th「BELIEVE」)
一度聴いただけで口ずさめてしまうメロディを持ったギターインスト。Peteのソロ作品ではこういうタイプの曲がもっと聴きたいですねぇ。
08. Weight Of The World(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
バンド名をHAREM SCAREMに戻した復活作「WEIGHT OF THE WORLD」のオープニングにしてタイトルトラック。「MOOD SWINGS」に近い音楽性になるという宣言通りのハードロックサウンドが展開されるこの曲でアルバムが幕を開けた時点で、テンションが上がったことは言うまでもありません。
09. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
これまでとは印象の異なるパワーポップ調に移行し始めた「BIG BANG THEORY」のリードトラック。メロディの組み立ての上手さが抜群ですね。
10. Staying Away(4th「BELIEVE」)
HarryではなくDarren Smith(Ds)がリードボーカルを務めた哀愁のドライヴィングチューン。Darrenのラフな歌声がマッチしています。
11. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
Change Comes Aroundと並ぶ「MOOD SWINGS」の代表曲にしてバンドが誇る至高のハードロックナンバー。僕とHAREM SCAREMの出会いはこの曲でした。
12. Give It To You(8th「HIGHER」)
If Youと同系統の軽快なパワーポップチューン。サビは勿論、そこに至るまでのメロディも僕の琴線を刺激してくれます。
13. Killing Me(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
「WEIGHT OF THE WORLD」のオープニングに配されたタイトル曲が持つハードな質感とは対照的にポップなナンバー。どことなくデビュー作を彷彿とさせるキャッチーなメロディが一発で耳に残ります。
14. Empty Promises(2nd「MOOD SWINGS」)
「MOOD SWINGS」特有のダークな緊張感が色濃く出た1曲。このバンドならではのコーラスワークが歌うサビの哀メロもグッド。
15. Tomorrow May Be Gone(10th「HUMAN NATURE」)
後期HAREM SCAREMの中で一番好きなロックナンバー。フックに満ち溢れた旋律美がもたらしてくれる高揚感が最高です。

【BALLAD SIDE】
01. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
HAREM SCAREM最高のハードロックがChange Comes Aroundだとすればバラードはこの曲で決まりです。バラード作りの天才Harry Hessの真骨頂。
02. Stranger Than Love(2nd「MOOD SWINGS」)
ドラマティックでスケールの大きな1曲。バラードと捉えていいのか迷う面もありますが「BALLADS」にも収録されていたのでバラード扱いとしました。そんな分類などお構いなしに優れたナンバーだと思います。
03. Higher(8th「HIGHER」)
丁寧に紡がれる繊細なメロディが胸に沁みます。「HUMAN NATURE」のボーナストラックとして収録されたアコースティックバージョンも秀逸。
04. Rain(4th「BELIEVE」)
バンドを代表するアコースティックバラード。温かさに満ちた至福のメロディにただただ酔いしれるのみ。
05. Tables Turning(5th「BIG BANG THEORY」)
「Love me~♪」と歌うサビで感情を一気に爆発させるパワーバラード。このバンドにしては珍しいオルガンサウンドもはまっています。
06. If There Was A Time(2nd「MOOD SWINGS」)
美しいイントロからHarryのハイトーンへと至る流れで勝負あり。この曲におけるギターソロはPete Lesperanceの名演のひとつですね。
07. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
デビュー当時のAOR路線を代表するバラード。HR/HMファンに限らず、幅広い層にアピールできそうな大衆性を備えた1曲です。
08. In My State Of Mind(5th「BIG BANG THEORY」)
ビアノとボーカルのみで聴かせるシンプルな一品。余計な装飾がない分、より一層メロディが胸に迫ってきます。
09. Shooting Star(11th「HOPE」)
最後のアルバム「HOPE」に収録された往年の名曲に勝るとも劣らない1曲。哀愁/泣きのメロディが大きな感動をもたらしてくれます。
10. Mandy(2nd「MOOD SWINGS」)
2分弱の短い曲でありながらドラマティック極まりないギターインスト。聴き手のイマジネーションを刺激しつつ、聴き終える頃には爽やかな余韻を残してくれます。
11. This Ain't Over(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
Harryの温かみのある歌声を最大限に活かした王道的な1曲。5枚目のベスト盤のタイトルがここから取られたことにも納得できる後期HAREM SCAREMを代表するバラードですね。
12. Never Have It All(5th「BIG BANG THEORY」)
そこかしこにQUEENへの敬意が感じられるナンバー。Harryの力強い歌唱とともに後半に進むにつれて劇的になっていく展開も感動的です。
13. Just Like I Planned(2nd「MOOD SWINGS」)
バンドの特徴のひとつであるボーカルハーモニーに焦点を当てたアカペラソング。こういう曲ができるのも彼等ならではの強みですね。
14. Something To Say(1st「HAREM SCAREM」)
アコースティックギターのリリカルな調べに導かれ、清らかなサビへと繋がっていくデビュー作の本編ラストナンバー。どうしてもHonestlyに注目が集まりがちですが、この曲も隠れた名バラードだと思います。
15. Nothing Without You(11th「HOPE」)
バンドのキャリアを締めくくったラストアルバム「HOPE」の本編エンディング曲。派手さはないものの、じんわりと感動をもたらしてくれるナンバーです。

こうして見ると5枚のベスト盤に収録されていないのは30曲の中でEmpty Promises、Baby With A Nail Gun、Never Have It All、All I Want、Nothing Without Youの5曲だけなので、かなりベタなチョイスになってしまいました。上記30曲以外にもこのバンドには良い曲がたくさんあるので、このブログがきっかけとなって一人でも多くの方にHAREM SCAREMを聴いてくれると嬉しいですね。「足りないのは名声だけ」という帯タタキの名盤2nd「MOOD SWINGS」で日本デビュー、結局最後まで名声を得られなかった彼等ですがHAREM SCAREMこそ僕にとって「カナダ最強のハードロックバンド」です。

HAREM SCAREM「HOPE」(2008)

  • 2012/09/21(金) 00:00:00

HAREM SCAREM HOPE
【No.345】
★★★(2008)

自主制作の11曲入りデモ音源(2003年にボーナス4曲を追加して企画盤「THE EARLY YEARS」として発売)が大手レーベルWARNERの目に留まり1991年に本国カナダでデビュー後、2nd「MOOD SWINGS」(1993)で日本上陸を果たすと一気にブレイクしたものの、続く3rd「VOICE OF REASON」(1995)が日本受けしないグランジ路線だったことからケチがつき始め、改名騒動など紆余曲折あったHAREM SCAREMのラストアルバムにして通算11枚目の作品(RUBBER名義を除く)。前作「HUMAN NATURE」(2006)に伴うツアーで来日した時には、あと1枚のアルバムを制作した後に解散することが決まっていたため、メンバーも本作をレコーディングする前から「最後にスペシャルな作品を残したい」と語っていましたが、いざ聴いてみるとここに「特別な何か」と呼べる要素はなくHAREM SCAREMというバンドの現在進行形の姿が収められています。前作はハーレムサウンドの中でもポップで明るい側面が表れていたのに対して本作は一般的に問題作扱いされることが多いものの、実はHarry Hess(Vo)Pete Lesperance(G)が揃って好きな作品に挙げる3rd「VOICE OF REASON」(1995)に通じる陰りのあるムードが強まっていて、過去作品の中では9th「OVERLOAD」(2005)に近いように感じました。最後だからと気負うことなく自分達のやりたいように仕上げてきた辺りがHAREM SCAREMらしいなと思う一方で、初期2作品のサウンドに思い入れがある身としては少し寂しくもありますね。

アルバム全体の印象としては近作と同じく、ヴァース~ブリッジでは抑制気味な感情をサビで爆発させるような流れのミディアムテンポが主体となっていて、熟練の域に達したソングライティングに舌を巻く場面も少なくありません。ギターとドラムの絡みが面白いパートから哀愁のサビに繋がる②Time Bomb、これぞハーレム節なアップテンポ④Days Are Numberedもさることながら本作最大の聴きどころはアルバム終盤ですね。過去の名バラード群に勝るとも劣らない感動をもたらしてくれる⑧Shooting Star、本作の中でも僕が思い描くHAREM SCAREM流ロックに最も近い⑨Calm Before The Storm、派手さはないもののメロディが胸に沁みるアコースティックバラード⑩Nothing Without Youと続く展開は素晴らしいの一言。そんな余韻を引き継ぐボーナストラック⑪Stranger Than Love(「MOOD SWINGS」収録)のアコースティックバージョンも含めて、この流れは本作の締めくくりだけでなくバンドの最後の花道を見事に飾ってくれています。

メンバーはバンド解散の理由を「HAREM SCAREMとしてできることはやり尽くした。これ以上続けていても同じことの繰り返しになってしまうから」と語っていますが、僕も8th「HIGHER」(2003)辺りから同じようなことを感じていました。一般的に見ると十分魅力的である反面、アルバム全体に漂う安定感がマンネリに繋がっているというか…。そういうこともあって、バンドが解散を発表した時も驚きよりも「遂にその時が来たか…」というのが率直な感想でした。そして本作を聴き終えてみても、解散を惜しむ以上にお疲れ様でしたという言葉が出てきます。HR/HM歴2年目の1996年に出会って以降、一時期迷走はしたものの僕のミュージックライフにおいて大切なバンドのひとつでした。素晴らしい音楽を届けてくれたカナダ最強のハードロックバンドHAREM SCAREMに感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう、HAREM SCAREM!

【音源紹介】
Shooting Star

HAREM SCAREM「RAW AND RARE」(2008)

  • 2012/09/15(土) 00:00:00

RAW AND RARE
【No.344】
★★(2008)

10thアルバム「HUMAN NATURE」(2006)リリース後にD.C. Cooper(Vo/ex-ROYAL HUNT)率いるメロディックメタルバンドSILENT FORCEとのやや異色なカップリングという形で約5年振りの来日が決定したHAREM SCAREMでしたが、来日公演の2ヶ月前に「もう1枚のスタジオアルバムを制作した後にバンドはそれぞれ別の道を進むことを決めた。今回のツアーが最後の公演となる」とHarry Hess(Vo)が電撃発表してファンを驚かせました。本作は来日ツアーから約1ヶ月後の2007年10月27日に英国ノッティンガムで開催されたメロディックロックの祭典「FIREFEST Ⅳ」に出演した事実上のラストライブを全曲収録した作品で、バンド通算5枚目となるライブ盤です。内容は当日の模様に加えて、映像と音は良いとは言えませんが1994年の「MOOD SWINGS TOUR」からの12曲やバックステージ、最終公演前に行われたインタビューなどの貴重映像を収録したDVDと「FIREFEST」の音源をそのまま収めたCDの2枚組となっています。「FIREFEST」の映像を見て、まず感じたのはHarryを始めとする各メンバーの表情がラストライブだとは思えないほどリラックスしているということ。ベーシストBarry Donaghyに至っては「巨根」とプリントされた黒Tシャツという出で立ちです(苦笑)。最終公演当日のインタビューでも「I quit the band now I just play with myself」と書かれた赤いTシャツを着ていたBarryは、こういうのが好きなんでしょうね。

【トラックリストと収録アルバム】
LIVE AT FIREFEST Ⅳ
01. Dagger(9th「OVERLOAD」)
02. Human Nature(10th「HUMAN NATURE」)
03. Caught Up In Your World(10th「HUMAN NATURE」)
04. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
05. With A Little Love(1st「HAREM SCAREM」)
06. Killing Me(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
07. If There Was A Time(2nd「MOOD SWINGS」)
08. Don't Come Easy(9th「OVERLOAD」)
09. Voice Of Reason(3rd「VOICE OF REASON」)
10. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
11. Karma Cleansing(4th「BELIEVE」)

1994 MOOD SWINGS TOUR
01. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Empty Promises(2nd「MOOD SWINGS」)
03. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
04. Sentimental Blvd.(2nd「MOOD SWINGS」)
05. If There Was A Time(2nd「MOOD SWINGS」)
06. Mandy(2nd「MOOD SWINGS」)
07. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
08. Distant Memory(1st「HAREM SCAREM」)
09. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
10. Stranger Than Love(2nd「MOOD SWINGS」)
11. Guitar Solo
12. Had Enough(2nd「MOOD SWINGS」)

同年9月に行われた最後の来日公演では「FIREFEST」と同じ11曲の他にも1st「HAREM SCAREM」(1991)収録のHard To Love、Honestly、2nd「MOOD SWINGS」(1993)収録のChange Comes Aroundといったバンド初期の人気ナンバーもプレイしたようですが「FIREFEST」のセットリストを見る限り、これを最終公演とするにはかなり微妙な選曲ですね…。バンドの歴史を総括する趣向が凝らされているわけではないし①Dagger、②Human Natureという佳曲ではあるが掴みとしては強力と言い難い前作「OVERLOAD」(2005)と最新作収録の2曲からライブがスタートしていることもあって、このツアーが新作を出した後に行うライブ以上でも以下でもないという印象が強いです。それに加えて演奏と歌の両方が淡泊なのも気になりますね。音圧の低いパワーポップに傾倒していた「LAST LIVE」(2000)、バンド名をHAREM SCAREMに戻してハードロックの質感を強めていた「LIVE AT THE GODS」(2002)という最近のライブ盤2作品でそうだったように、このバンドはその時に目指している音楽性がライブに反映されることが多かったのですが、その傾向は本作にも見られるように思います。堅実かつ無難である反面エキサイトメントに欠け、どうにも熱くなれないんです…。

そんな僕にとっては特典映像の「1994 MOOD SWINGS TOUR」の方が数段魅力的だったりします。映像自体は会場の後方から固定カメラで撮影されたものなので画面下半分は観客で隠れ、メンバーの姿は上半身しか見えませんが今のバンドが失ってしまったエネルギーと緊張感に溢れています。世界で最もHAREM SCAREMを評価していたと言っても過言ではない日本では、特に人気の高い2nd「MOOD SWINGS」(1993)を完全再現するとか、RUBBER期を含めた全作品からのベストライブを行うなどのファンサービスをして欲しかったですね。グランジ寄りのサウンドからパワーポップまで音楽面ではその時々に興味を持ったサウンドを積極的に取り込み、毎回一定レベル以上のアルバムを作り上げる器用さを持っていたバンドですが、ファンの心を掴むことに関しては不器用だったと言わざるを得ません。これがラストツアーであることなどお構いなしに自然体で素のライブ収めたパートを「RAW」、1994年の秘蔵ライブ映像などで構成されるパートを「RARE」と考えると本作のタイトルにも納得できるものの、メインである「RAW」パートを見ても感慨深くなることがなく魅力薄だというのがファンとして何とも歯痒いですね。

・Human Nature(Live)


・Saviors Never Cry(Live)

本作とは異なるテイクです。

HAREM SCAREM「HUMAN NATURE」(2006)

  • 2012/09/07(金) 00:00:00

H SCAREM H NATURE
【No.343】
★★★(2006)

過去のドタバタ劇が嘘のように7th「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)で復活して以降、コンスタントに安定感ある作品をリリースしているHAREM SCAREMの10thアルバム。近年の作品は悪くはないけれど楽曲の振り幅が狭く、メロディも地味なため各曲を取り出して聴くとそれなりに楽しめる一方でアルバムとしてはインパクトに欠けるという印象を持っていたのですが今回はなかなか好感触です。「ファンが求める初期2作品の音楽性を目指した」とHarry Hess(Vo)が語る通り、前作「OVERLOAD」(2005)では希薄だった気持ちを高揚させてくれるメロディや爽快感はグッと強まっているし、バンドのトレードマークでもあるコーラスワークも分厚くなっていますね。なおバックボーカルにはTony Harnell(Vo/ex-TNT)のほか、今回も元メンバーのDarren Smith(Ds)が参加しています。

2nd「MOOD SWINGS」(1993)の頃を連想させるギターで始まり「ヒュー!マァン!ネェ~ェイチャ~♪」という覚えやすいサビに繋がるタイトルトラック①Human Nature、バンドのダーク/シリアス路線の代表曲No Justice(「MOOD SWINGS」収録)をポップに仕上げたかのような②Next Time Aroundという冒頭2曲がポジティブな雰囲気を放っているため、全体的にドンヨリしていた前作とは印象が大きく異なりますね。また本作はアルバム後半に進むにつれて楽曲のテンションが上がっていくので、近作で見受けられたダレを誘う場面も減少しています。個人的には伸びやかなサビが特徴の⑨Starlight、バンドの爽やかな持ち味を活かした⑩Going Under、フック満載のメロディで本編を締めくくってくれる⑪Tomorrow May Be Goneがハイライトですね。

アルバム全体としても王道のメロディックロックを軸にしつつメランコリックなバラード、前作に通じるモダンロック調からQUEENへのリスペクトが滲む⑦Give Love/Get Loveまで粒が揃っていて、ガツンと来るハードロックこそないもののHAREM SCAREMらしさが随所に感じられるのも好ポイント。これまで以上に歌ものアルバムという印象が強い本作に相応しいボーナストラック⑫Higherは8th「HIGHER」(2003)のタイトル曲のアコースティックバージョンで、オリジナル以上に繊細なメロディが胸に沁みる好アレンジだと思います。正直なところマンネリ感を拭いきれていなかったり、どこかで聴いたフレーズが散見されるのも事実ですが過去2作品では行われなかった来日公演が本作発表後に実現したことにも納得の充実盤ですね。

【音源紹介】
・Next Time Around

HAREM SCAREM「OVERLOAD」(2005)

  • 2012/08/28(火) 00:00:00

OVERLOAD
【No.342】
★★(2005)

前作「HIGHER」(2003)発表後もPete Lesperance(G)が初のソロアルバム「DOWN IN IT」(2004)を、本作と同じ2005年にはCreighton Doane(Ds)が通算2枚目となるソロ作品を発表、Harry Hess(Vo)はCreightonの前任ドラマーDarren Smith率いるBLACK STARのアルバムプロデュースを手がけ、Barry Donaghy(B)もCDこそ発売していないものの自身のプロジェクトで精力的に活動するなど、各メンバーが多忙な日々を送るHAREM SCAREMの9作目(RUBBER名義を含めれば記念すべき10枚目)となるアルバム。今やベテランバンドの域に入りつつある彼等はこれまでも基本線を守りながら作品毎に異なる表情を見せてくれていましたが、今回は3rd「VOICE OF REASON」(1995)にも通じる内省的でダークな印象が強くHAREM SCAREM流モダンロックと呼べそうな作風に仕上がっていますね。作品イメージとしてはPeteのソロ「DOWN IN IT」に近いような気がします。

前作のオープニング曲Reach同様、掴みとしては微妙ながらもサビメロが耳に残るミドル①Daggerに続く近年のパワーポップ路線を継承した②Afterglowへ至る流れ、一際キャッチーな響きと風変わりなリズムギターが面白い④Don't Come Easy、メタリックなリフから②に通じる威勢の良さが弾ける⑥Forgive & Forget、Harryが情感を込めて歌い上げるバラード⑧Leading Me Onなどは結構好きですね。ただ、前作(特に後半)でも感じられた作品全体を覆うメリハリのなさが気になります。楽曲単体としては流石のクオリティを備えてはいるものの、1枚のアルバムとして聴くとどうにも単調に思えてしまうんですよね。収録曲の大半が静かに始まりヘヴィにうねるギターを従えながら地味に展開していき、サビでHAREM SCAREMらしいメロディが聴けるという画一的な曲構成となっていることが影響しているのかもしれません。これまで無名のバンドが本作をリリースしたのならば「なかなかいいね」と思えたんでしょうけれど、HAREM SCAREMのアルバムとして見ると物足りなさが残ります。

またHarry自身が書いたライナーノーツの曲解説を読んでいると、湧き出た曲のアイデアをじっくり練り上げることをあまりせずにアルバムに収録しているように感じられるのも気になりました。他のアーティストのプロデュースを手がけることも多く、HAREM SCAREM以外にも常にレコーディング作業を行っているHarryとPeteは元々そういう手法でソングライティングをしてきたのかもしれませんが、更に時間をかけてマテリアルを厳選することで作品の印象をもっと良くすることができたように思うのですが…。同じくダークな路線だった3rdに比べると印象的なメロディはこちらの方が多いし歌や演奏、楽曲に大きな弱点は見当たらないのに盛り上がることなくアルバムが終了してしまっているのが残念。BURRN!誌のレビューで小澤さんが本作を「Bサイドコレクション」と表現しているのを見ても、それに反論するだけの決め手もないため言い得て妙と納得してしまう…そんな1枚です。

【音源紹介】
・Don't Come Easy

HAREM SCAREM「HIGHER」(2003)

  • 2012/08/21(火) 00:00:00

H SCAREM HIGHER
【No.341】
★★★(2003)

改名騒動の末、HAREM SCAREM名義で発表した前作「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)は多くのファンが求める2nd「MOOD SWINGS」(1993)を彷彿とさせるサウンドをベースに、これまでのキャリアを総括したかのようなバンドの音楽性が見事に結実した傑作でした。本作はHAREM SCAREMとして復活してから2作目、通算8枚目のアルバムです(RUBBER名義を除く)。前作で文字通りの復活を果たしたとはいえ、このバンドにはファンの期待と異なる大胆な方向転換をした前科(苦笑)があるので本作を聴くまで彼等が本当に帰ってきてくれたのか懐疑的でしたが基本的には「WEIGHT OF THE WORLD」の延長線上にあり、一段とメロディアスな作品に仕上がっていると思います。また、2000年にバンドを脱退したDarren Smith(Ds)が前作に続いてバックコーラスで参加していてバンド初期の質感を出すことに貢献しています。

まず印象的なのはアルバム全編に溢れるポジティブフィーリングで、前作発表後もライブアルバム「LIVE AT THE GODS 2002」(2002)、Harry Hess(Vo)のソロ「JUST ANOTHER DAY」(2003)、バンドの初期音源集「THE EARLY YEARS」(2003)と精力的な活動を続けてきたバンド状態の良さを象徴しているかのようですね。アルバムの幕開けとしてガツンとくるインパクトは不足しているものの「Reach For The Sun~♪」の伸びやかなサビが印象的な①Reach、程よい哀感が堪らない②Waited、前向きなポップロックチューン③Torn Right Out⑥Run And Hide、RUBBER路線を継承した新たな名曲④Give It To You、淡々としていながら丁寧に美しいメロディを紡いでいくバラード⑤Higherといったアルバム前半はなかなか充実していますね。

ただし「MOOD SWINGS」ばりのハードロックにバラード、インストからパワーポップに至るまでバラエティ豊富だった前作に比べると、今回は④を除いてミディアムテンポ/バラード系が主体となっているため起伏に乏しく感じられるのも事実。日本盤ボーナスを含めて全11曲で40分弱というコンパクトな作品でありながら、どうにも淡泊に感じられて後半は聞き流してしまいがちだし、フェイドアウトがやや唐突な曲が多いのも気になります。勿論、楽曲単体で見れば流石のクオリティを備えているので、他のバンドの曲とシャッフルしながらiPodで聴いている時に本作の曲が流れてくると素直に良いと思えるものばかりなんですけどね。かつてのバンドから感じられた僕の心を熱くしてくれる「何か」が欠けている気もしますがハーレムサウンドを構成する要素をきっちり押さえ、熟練の域に達したソングライティングチームが生み出す楽曲は安定感抜群なので本作は堅実で無難ながら良質なメロディが詰まった1枚だと思います。

【音源紹介】
・Higher

HAREM SCAREM「THE EARLY YEARS」(2003)

  • 2012/08/16(木) 00:00:00

H SCAREM E YEARS
【No.340】
★★★(2003)

カナダが誇るメロディックロック界の至宝HAREM SCAREMがデビュー作「HAREM SCAREM」(1991)からRUBBER名義で「ULTRA FEEL」(2001)を発表するまでの約10年間在籍していたWARNERとの契約を勝ち取るきっかけとなった11曲のデモ音源集に未発表曲(①Whatever I Want、②When The Morning Comes、③Say Goodbyeと日本盤ボーナス⑮Lost In Yesterday)を追加した企画盤。何でも前述の11曲入りデモはプレミア価格がついていたそうで、その話を聞いたバンド側の「より多くの人に聴いてほしい」という思いから商品化されました。デモ制作当時のメンバーはHarry Hess(Vo)、Pete Lesperance(G)、Mike Gionet(B)、Darren Smith(Ds)という3rd「VOICE OF REASON」(1995)までと同じラインナップです(Mikeは1995年、Darrenは2000年に脱退)。HAREM SCAREMは本作をリリースした2003年までにベスト盤とライブアルバムをそれぞれ4枚、未発表曲を収録したシングル多数、そんなシングルのB面曲を集めた企画盤をリリースするなど商魂逞しいところがあったので今回もその手の作品かと高をくくっていたのですが、これが予想以上に粒揃いの内容となっています。

全15曲の中には既発曲も含まれていて⑤All Over Again、⑥Honestlyは1stアルバム、⑨Staying Awayは4th「BELIEVE」(1997)、①と⑭Out Of LoveはHarryとPeteが全面バックアップしたFIOREのデビュー作「TODAY TILL TOMORROW」(1998)に収録されています(一部歌詞やメロディが違う部分があったりロックソングは基本的にテンポが速くなったりしていますが)。「Harryが弱冠17歳で書き上げた」という枕詞でお馴染みの名バラード⑥が本作の時点で既に完成の域に達しているのには驚かされるし、「BELIEVE」ではDarrenが歌っていた⑨のHarryバージョンがここで聴けるのは嬉しいですね。上記以外に僕がわかっているだけでも③のブリッジは5th「BIG BANG THEORY」(1998)収録のTable Turning、⑮のヴァース~ブリッジは4th収録のDie Off Hard⑪One Of The Woundedのイントロ~ヴァースはFIOREの1st収録のAnythingなど、HAREM SCAREMやFIOREの楽曲の元ネタとなっているパートやどこかで聴いた気のするフレーズが散見されるので、このバンドを聴き込んだファンにとって興味深い内容だと思います。

だからといって本作がコアなファン向けの1枚かと言うとそうではなく、とにかく楽しげでHAREM SCAREM節全開のキャッチーソング④Looking Back、そのままアルバムに収録しても通用しそうなバラード⑫The Right Timeなど、そんじょそこらのメロディックロック作品以上に魅力的な楽曲が収録されています。あくまでデビュー前のデモ音源なのでHarryのボーカルは発展途上の段階にあるし、音質にも荒さが残りますがメロディの組み立て方の上手さとPeteの類い稀なるギターセンスには既にその片鱗が見受けられますね。楽曲の充実振りで考えると、デビュー当時のHAREM SCAREMが好きな人ならば他のアルバムよりもまず本作を聴いてみるのもいいかもしれないと思えるほどです(褒め過ぎかもしれませんが…)。

【音源紹介】
・Looking Back

HAREM SCAREM「LIVE AT THE GODS」(2002)

  • 2012/08/07(火) 00:00:00

H SCAREM LIVE GODS
【No.339】
★★★★(2002)

バンド名をRUBBERからHAREM SCAREMに戻して発表した「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)はRUBBER時代の迷走っぷりを払拭する傑作でした。そんな名実ともの復活作をリリースしたHAREM SCAREMが2002年に英国で開催されたメロディックロックイベント「THE GODS 2002」に出演した時の模様を収めたライブ作品。バンドは2008年に解散するまでに5枚ものフルレンスライブ盤を発表していますが、その中でも僕が最も気に入っているのが本作です。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Killing Me(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
03. Stuck With You(6th「RUBBER」)
04. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
05. Who-Buddy(6th「RUBBER」)
06. You Ruined Everything(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
07. This Ain t Over(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
08. See Saw(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
09. If You(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
10. Warming A Frozen Rose(3rd「VOICE OF REASON」)
11. How Long(1st「HAREM SCAREM」)
12. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
13. Outside Your Window(7th「WEIGHT OF THE WORLD」)
14. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
15. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
16. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)

セットリストは最新作を中心に、メンバー自身が「気に入っていない作品」と公言している4th「BELIEVE」(1997)とRUBBER名義の「ULTRA FEEL」(2001)を除く全作品からバランス良く16曲が選曲されています。ライブのオープニングを飾る名曲①Change Comes Aroundを筆頭に④Hard To Love、⑫Honestly、⑭So Blind、⑯No Justiceといった代表曲をしっかり押さえているだけでなく今回初めてライブ盤に収録される⑪How Longのような曲もあって個人的にはかなり満足度の高いセットリストになっています。中でもスタジオ盤以上に力強いHarry Hess(Vo)の歌唱とPete Lesperanceのギターのみというシンプルなアレンジで圧巻のパフォーマンスを披露してくれる⑫は鳥肌ものです。また僕があまり好きになれなかった2作品からの楽曲に関しても、ダークでヘヴィな印象が強かった「VOICE OF REASON」(1995)収録曲は躍動感を増し、シンプルなサウンドを目指すあまりに音が軽くなっていた「RUBBER」(1999)収録曲はエッヂの効いたロックサウンドを強化したライブバージョンとなっていて好印象。

本作を聴いているとHAREM SCAREMがどれほど素晴らしい曲をたくさん生み出してきたか、そして最新作にはグレイテストヒッツ的なセットリストの中でも遜色ないほどの楽曲が並んでいたことを思い知らされますね。内容的にはHAREM SCAREMがこれまでに歩んできた道の集大成とも呼べる1枚なのでベストアルバムとしても機能しそうだし、このバンドは作品によって微妙に(時には大きく)音楽性が異なるので、統一感のあるサウンドで各アルバムからの曲を聴くことができる本作は入門盤にも最適だと思います。

【音源紹介】
・Honestly(Live)

HAREM SCAREM「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)

  • 2012/08/04(土) 00:00:00

H SCAREM W OF THE WORLD
【No.338】
★★★★(2002)

HAREM SCAREMという名前では日本以外で思うような成功をおさめられなかったバンドが状況を打開するために名義をRUBBERに変更するという奇策(苦肉の策?)に打って出たものの、地元カナダでそれほど効果がなかっただけでなく一連の改名騒動のおかげで日本での人気にも悪影響が出始めたため再びHAREM SCAREM名義に戻してリリースした通算7枚目のアルバム(このブログではHAREM SCAREMとRUBBERは別バンドと見なしています)。カナダ等ではRUBBERの1st、日本ではHAREM SCAREM6作目としてリリースした「RUBBER」(1999)に伴うツアーの後にバンド名をRUBBERで統一することを発表、そして日本では結果的にRUBBERとして唯一のアルバムとなった「ULTRA FEEL」(2001)の来日公演時にはHAREM SCAREM復活を宣言するという切り替えの早さ、というか節操のなさ(苦笑)には唖然としましたが、本作の素晴らしさが今回の改名騒動によるドタバタ劇を帳消しにしてくれています。

ミステリアスな導入部に被さるヘヴィかつメロディアスなリフから始まりサビではビッグなコーラスが炸裂するハードロック①Weight Of The Worldからは傑作「MOOD SWINGS」(1993)の世界観が感じられるし、②Killing Meにおける爽やかでキャッチーなメロディを歌うコーラスワークはデビュー作を彷彿とさせてくれます。またHarry Hess(Vo)の温かい歌声を存分に活かしたバンドの新たな名バラード⑤This Ain't Over、4th「BELIEVE」(1997)収録のBaby With A Nail Gun以来となる「これぞPete Lesperance」なギターインスト⑨See Sawなど、RUBBER時代には聴くことができなかったHAREM SCAREMならではの強みを取り戻してくれているのも嬉しいポイント。それだけでなくポップセンスの弾ける④All I Wantやパワーポップの極致⑨If YouのようにRUBBER時代を経た今だからこそ可能な楽曲もあって過去を振り返るだけの作品に終わっていない辺りに、このバンドの底力を感じますね。HAREM SCAREMの中心メンバーであるHarryとPeteはB!誌のインタビューで「MOOD SWINGS」の再来を求める声に対して「過去と同じようなアルバムはいつでも作れる」という趣旨の受け答えをしていたように記憶しているのですが、本当にここまでの力作を作り上げてくれたバンドに脱帽です。4th「BELIEVE」(1997)もそれまでの3作品を集約したような印象はありましたが本作の方が高品質でHAREM SCAREMというバンドの集大成的作品になっていると思いますね。また本作には元ドラマーのDarren Smithがバックコーラスにゲスト参加していて、バンド初期の音楽性を再現するのに一役買っています。

バンド名の変更問題は迷走以外の何ものでもなかったし、RUBBER期は自らの強みであった楽曲の構築美やPeteのギターソロを排除してしまっていたため、個人的にはもうこのバンドを聴くことはないと思った時期もありました。ところが本作ではRUBBER時代に磨いたメロディセンスだけでなく緻密な曲展開、テクニカルかつ歌心あるギターワーク、分厚いコーラスといったかつての持ち味が見事に甦っているので名実ともにHAREM SCAREMの復活作と呼べると思います。名義をHAREM SCAREMに戻した後の作品の中では断トツで好きな1枚であり、バンド全体の中でも3本の指に入るお気に入り盤ですね。

【音源紹介】
・Weight Of The World

HAREM SCAREM「LAST LIVE」(2000)

  • 2012/07/21(土) 00:00:00

LAST LIVE
【No.336】
★(2007)

6th「RUBBER」(1999)リリースに際して、日本以外ではバンド名をHAREM SCAREMからRUBBERに変更して活動していくことを発表し、ファンを驚かせたHAREM SCAREMの通算3枚目となるライブアルバム。本作は1999年11月~12月にかけて過去最大規模で行われた来日公演からのテイクを収めたものですが、その来日後に創設メンバーでもあるDarren Smith(Ds)の脱退と日本でもRUBBERと名乗ることをアナウンスしたため、HAREM SCAREMとしては最後のライブとなることから「LAST LIVE」というタイトルがつけられています(2002年にはHAREM SCAREM名義を復活させることになるわけですが)。なおバンドは来日記念盤として新曲2曲を含むバラードベスト「BALLADS」(1999)をリリースしています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Stuck With You(6th「RUBBER」)
02. Turn Around(5th「BIG BANG THEORY」)
03. It's Gotta Be(6th「RUBBER」)
04. Headache(6th「RUBBER」)
05. Coming Down(6th「RUBBER」)
06. Climb The Gate(5th「BIG BANG THEORY」)
07. Sunshine(6th「RUBBER」)
08. Without You(シングル「SO BLIND」)
09. Pool Party(6th「RUBBER」)
10. Trip(6th「RUBBER」)
11. Face It(6th「RUBBER」)
12. Who-Buddy(6th「RUBBER」)
13. So Blind(5th「BIG BANG THEORY」)
14. Lauralie(未発表曲)
15. Another Nail For My Heart(未発表曲。SQUEEZEのカバー)

このライブ盤に関して、まず触れておかなければならないのは収録曲が5th「BIG BANG THEORY」(1998)と「RUBBER」期からのみ選ばれたという事実でしょう。このバンドはこれまでもデビュー作「HAREM SCAREM」(1991)~3rd「VOICE OF REASON」(1995)の3枚から選曲した「LIVE IN JAPAN」(1996)、4th「BELIEVE」(1997)収録曲を軸に初期の名曲を厳選した「LIVE AT THE SIREN」(1997)という収録曲がほとんど重ならない2枚のライブ作品を発表していたので今回も既発のライブ盤に入っていない曲が多くなるのではと予測していましたが、ここまで徹底するとは驚きました。当日のライブでは他のアルバムからの曲もプレイしたにもかかわらず、ライブアルバム収録曲をここ最近の2作品に絞っている点はHAREM SCAREM時代との決別宣言のように受け取れますね。

かつては「カナダの技巧派集団」と称されるなど、そのライブパフォーマンスにも定評があったのに対して本作では「RUBBER」の雰囲気を継承して肩の力を抜いたライブとなっているように感じます。ロックバンドとしてのエナジーや迫力といったものは皆無に等しく、従来のバンド像を期待すると拍子抜けしてしまうこと必至だと思います。そんな緩さは「BIG BANG THEORY」からの楽曲にも如実に表れていてスタジオ盤よりも大人しく感じられてしまうのが残念。「RUBBER」を試聴した時点で購入をためらってしまい、バンドがHAREM SCAREMに名義を戻してから後追いでRUBBER期の作品をチェックした僕としては、このアルバムにも①Stuck With You、⑫Who-Buddy、⑬So Blindといったお気に入りナンバーは確かに収録されているものの、それ以上に当時のバンドが従来のハーレムサウンドを払拭して新しいバンドRUBBERになったことをアピールするのに躍起になっているような印象が強くて素直に楽しめなかったりするんですよね。というわけでHAREM SCAREMの作品群の中でもデビュー作や2nd「MOOD SWINGS」(1993)、4th辺りを好む僕には厳しい内容である半面、「RUBBER」が好きだという人は結構ツボにはまるかもしれません。なお本作には2つのスタジオ曲が追加されていて、Pete Lesperance(G)がリードボーカルを担当した⑭Lauralieは明るい曲調がメインだった「RUBBER」のナンバーとは味わいの異なるゆったり系のミッドテンポ、もうひとつの⑮Another Nail For My HeartSQUEEZEなるバンドのカバーで当時のHAREM SCAREMにぴったりのポップロックチューンです。

【音源紹介】
・Who-Buddy(Acoustic Live)

本作とは異なるテイクです。

HAREM SCAREM「RUBBER」(1999)

  • 2012/07/14(土) 00:00:00

RUBBER.jpg
【No.335】
★★(2007)

前作「BIG BANG THEORY」(1998)発表後にバンド初のベスト盤「THE BEST OF」(1998)、シングルのB面曲集「B-SIDE COLLECTION」(1998)をリリースして、活動にひと区切りを付けた感のあるHAREM SCAREMの6作目はいろんな意味で注目を集めるアルバムとなりました。その最大の要因はバンドが日本以外ではHAREM SCAREMではなくRUBBERという名前で活動していくことを発表した改名騒動です。バンドによると「これまでにリリースしてきた作品から、本国カナダなどではHAREM SCAREM=古臭いHR/HMバンドというイメージが定着してしまい、新しい音楽性にチャレンジしてもレコード会社やラジオが関心を持ってくれないという状態になってしまったため、バンド名を変えることで先入観なしに自分達の音楽を聴いてもらうチャンスが欲しい」との想いから、HAREM SCAREMの名でステイタスを築いた日本以外での改名に踏み切ったとのことです。僕がこれまで聴いてきたバンドの中でも、ここまで大胆な賭けに出たのは彼等が初めてだったので期待よりも不安が大きい中で聴いてみたところ、悪い予感が的中してしまったというのが率直な感想です。

まずはプレイボタンを押した後に流れてくる①It's Gotta Beで披露されている歪みを抑えた軽めのギター、これまでの高揚感あるメロディとは対照的な脱力系のサビに強い違和感を覚えました。改名に至った経緯を踏まえると従来とは異なるサウンドで勝負してくることは予想していましたが、ここにはバンドが日本で人気を博した適度な愁いを帯びた旋律美とそれを効果的に聴かせる分厚いコーラス、ドラマティックな曲展開や華やかなギターワークといった要素はなく、とにかく耳当たりの良いパワーポップが展開されています。HAREM SCAREMはこれまでも同じサウンドに留まることなく新しい要素をアルバムに持ち込んでいたし、バンドのパワーポップ化自体は前作から感じられていたので順当な進化と言えるかもしれません。また彼等はデビュー当初からオリジナル曲のアコースティックバージョンを頻繁に発表してきたこともあり、シンプルなアレンジで楽曲を聴かせることには長けている上に器用さも持ち合わせていて、実際に②Who-Buddy、④Stuck With You、⑨Headache辺りはパワーポップ路線を代表するナンバーだと思います。しかし、アルバムトータルで聴くと音楽性が変わったこと以上にメロディそのものの魅力が減退してしまったように思えて物足りないんですよね。そしてカントリーの影響も感じる②、ループやボーカルエフェクトを取り入れて従来とは違う意味での作り込みが見られる⑤SunshinePete Lesperance(G)が初めてリードボーカルを担当した⑦Trip、HAREM SCAREM流ゴシックソング(?)⑩Everybody Elseなどで見られる実験的要素も正直微妙です。

バンド名変更が功を奏したのか⑤がカナダのナショナルチャートで健闘し、ラジオでも頻繁にオンエアされるなどHAREM SCAREM時代以上の成功をおさめた一方、日本ではデビュー当時からバンドを知るファンの間で問題作扱いされることの多い1枚。個人的に本作の方向性自体は嫌いではないのですが、この手のサウンドであればMARVELOUS 3や当時MR.BIGを脱退していたPaul Guilbert(G)のソロ作品の方が魅力的に感じられますね。バンドは本作リリース後に日本でもRUBBER名義で活動していくことを発表し、次のアルバム「ULTRA FEEL」(2001)は日本でもRUBBER名義で発表しています。ちなみに事実上の解散前ラストツアーとなった2007年のSILENT FORCEとのカップリング来日時のインタビューで「HAREM SCAREMで最も思い入れのあるアルバムは?」と質問されて、Harry Hess(Vo)が「自分達の狙い通りの仕上がりになったから」という理由で3rd「VOICE OF REASON」(1995)と本作という僕があまり好きでない2枚を挙げていたのは複雑でしたね…。

【音源紹介】
・Stuck With You

HAREM SCAREM「B-SIDE COLLECTION」(1998)

  • 2012/07/07(土) 00:00:00

B SIDE COLLECTION
【No.334】
★★(1998)

1991年にセルフタイトル作でデビューして以来、2008年に11作目(RUBBER名義「ULTRA FEEL」は除く)「HOPE」を最後に解散するまでHAREM SCAREMはHR/HMバンドとしては異例なほどシングルを多くリリースしてきました。本作は過去の企画盤や4th「BELIEVE」(1997)~5th「BIG BANG THEORY」(1998)に関連するシングルのB面曲と未発表新曲を1枚に纏めた作品で、これまでシングルをコツコツ買ってきた方にとっては何とも歯痒いのではないかと推測します。僕はよほど聴きたい音源がない限りシングルやミニアルバムは買わないので結構嬉しかったですね。

【トラックリストと収録作品】
01. So Blind(アコースティックバージョン)(未発表テイク)
02. Climb The Gate(アコースティックライブ)(シングル「WHAT I DO」)
03. Without You(アコースティックライブ)(シングル「WHAT I DO」)
04. Cages(アルバム未収録曲)(シングル「SO BLIND」、4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
05. The Mirror(アルバム未収録曲)(シングル「SO BLIND」、4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
06. Surrender(アルバム未収録曲)(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
07. Change Comes Around(アコースティックバージョン)(「LIVE ONES」)
08. Turn Around(アコースティックライブ)(シングル「TURN AROUND」)
09. Hard To Love(アコースティックライブ)(シングル「TURN AROUND」)
10. Good Enough(未発表新曲)
11. Wasted Time(アルバム未収録曲)(シングル「SO BLIND」)
12. Without You(アルバム未収録曲)(シングル「SO BLIND」)
13. Blue(ライブバージョン)(シングル「NEW RELIGION」)
14. No Justice(ライブバージョン)(シングル「NEW RELIGION」)
15. More Than You'll Ever Know(アルバム未収録曲)(「LIVE IN JAPAN」)

オリジナルアルバムとライブ盤を買い揃えている僕としては④Cages、⑤The Mirror、⑥Surrender、⑩Good Enough、⑪Wasted Time、⑫Without Youが目当てでしたが、これらの中で最も僕の琴線に触れたのは切ないサビメロが胸を締め付けるバラード⑫でした。本作に同曲のアコースティックライブバージョンが収められているほか、後にリリースされる「BALLADS」(1999)や「THE VERY BEST OF HAREM SCAREM」(2002)といったベストアルバムにも収録されていることから、バンドがこの曲に自信を持っていることが窺えます。その他に本作でしか聴けないのは当時の最新作「BIG BANG THEORY」のリードトラックの別バージョン①So Blind、温かみのあるメロディをしっとり聴かせるバラード⑩の2曲で、ギターパートをアコースティックに差し替えたのみでボーカルなどはオリジナルと同じに聴こえる前者は微妙ですが後者はオリジナルアルバムに入っていても遜色ないクオリティだと思います。

というわけで、このアルバムで初めて聴いたナンバーについては一定レベル以上の満足感が得られたので「流石はHAREM SCAREM」と思える部分もありますが、いちファンとしてはモヤモヤ感が残る1枚というのが正直な感想です。その大きな要因は本作が当時のスタジオ盤未収録曲をフォローしきれていないこと。「タイトルにある通りシングルB面曲を集めた作品だから」だと言われてしまえばそれまでですがシングル曲What I Do(「THE BEST OF」収録)、New Religion(「THE BEST OF」、「LIVE AT THE SIREN」収録)は本作で聴くことができないし、⑮More Than You'll Ever Knowと一緒に「LIVE IN JAPAN」に入っていた僕の好きなインストPardon My Zingerも何故か外されています。本作のような企画盤はオリジナル作品は勿論チェックした上で未発表曲も聴きたいというファンをターゲットにしているはずなのに、そういう視点からすると中途半端な作品になってしまっているため「ファンの中でもかなり熱心な人向けの1枚」と言わざるを得ないのが残念。そして、そういう人はシングルも買っていると思うのでバンドの商魂逞しさが印象づけられてしまうのでは?と心配になってみたり…。HAREM SCAREMは本作発表後、バンド名変更騒動もあって人気が下降したため日本ではシングルをリリースすることはなくなりましたが未発表新曲を必ずと言っていいほど収録したベストやライブ作品は頻繁に発表していたので、解散前にそんなスタジオ盤未収録曲全てが聴ける作品集を出してくれれば嬉しかったんですけどね。そんな思いからHAREM SCAREMが発表したライブ作や5枚のベスト盤をレンタルしてレアトラック音源集を作って聴いてみたところ、これが意外と悪くない。というかバンド後期(特に8th「HIGHER」以降)のアルバムより好きかもしれないほどです。また、このバンドには既発曲のアコースティックバージョンも多数存在するのでそれらをアコースティック音源集として聴いてもなかなか好印象でした。

【音源紹介】
・Hard To Love(Acoustic Live)


自分で作ってみたレアトラック/アコースティック音源集はこちら。発表されたアルバム順に曲を並べており、音源の見つかったものはそのリンクを貼っています。
【レアトラック音源集】
01. Pardon My Zinger(「LIVE IN JAPAN」)
02. More Than You'll Ever Know(「LIVE IN JAPAN」)
03. What I Do(「THE BEST OF」)
04. Cages(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
05. The Mirror(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
06. Surrender(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
07. New Religion(「LIVE AT THE SIREN」)
08. Good Enough(「B-SIDE COLLECTION」)
09. Wasted Time(「B-SIDE COLLECTION」)
10. Without You(「B-SIDE COLLECTION」)
11. Lauralie(「LAST LIVE」)
12. Another Nail For My Heart(SQUEEZEのカバー「LAST LIVE」)
13. Remember(「BALLADS」)
14. Why(「BALLADS」)
15. If I'd Been Awake(「ROCKS」)
16. Going Nowhere(「ROCKS」)
17. Freedom(「THE VERY BEST OF HAREM SCAREM」)

【アコースティック音源集】
01. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
02. How Long(1st「HAREM SCAREM」)
03. Hard To Love(1st「HAREM SCAREM」)
04. Honestly(LIVE AND ACIUSTIC)
05. Jealousy(LIVE AND ACIUSTIC)
06. Candle(3rd「VOICE OF REASON」)
07. Change Comes Around(「LIVE ONES」、「B-SIDE COLLECTION」)
08. So Blind(「B-SIDE COLLECTION」)※リンク先は別音源
09. Climb The Gate(ライブ)(「B-SIDE COLLECTION」)
10. Without You(ライブ)(「B-SIDE COLLECTION」)
11. Turn Around(ライブ)(「B-SIDE COLLECTION」)
12. Hard To Love(ライブ)(「B-SIDE COLLECTION」)
13. Higher(10th「HUMAN NATURE」)
14. Stranger Than Love(11th「HOPE」)
15. If There Was A Time(「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」)
16. Honestly(「THIS AIN'T OVER - BEST OF THE AVALON YEARS」)

HAREM SCAREM「BIG BANG THEORY」(1998)

  • 2012/06/18(月) 00:00:00

H SCAREM BBTHEORY
【No.333】
★★★(1998)

カナダを代表するメロディアス・ハードロックバンドHAREM SCAREMの5作目。これまでも作品毎に異なる表情を見せていたバンドが今回提示してきたのは、今まで以上にストレートでシンプルなパワーポップサウンドでした。この音楽性の変化には前作「BELIEVE」(1997)のスペシャルエディションでパワーポップバンドの祖ともいえるCHEAP TRICKSurrenderをカバーしたことが影響しているようで、日本での人気を決定づけた2nd「MOOD SWINGS」(1993)や賛否両論あった3rd「VOICE OF REASON」(1995)などで顕著だった楽曲を盛り上げる分厚いコーラスや緻密なアレンジ、練り込まれた曲構成といった要素は大きく減退しています。

まずは本作の路線を象徴する名曲①So Blindからして従来のHAREM SCAREMとは異なる印象を受けますね。このバンドの作品を聴く時に心のどこかで「MOOD SWINGS」の再来を求めてしまう僕にとって、楽曲のシンプル/パワーポップ化はHAREM SCAREMの理想像と異なるのは事実ながら楽曲のメロディセンスは相変わらず一級品なので結構楽しめました。オープニングの①以降ではタメの効いたサビメロが秀逸なパワーバラード④Table TurningQUEENテイストを見事に昇華してみせた⑧Never Have It All、ピアノとボーカルのみというシンプルさがメロディの良さを浮き彫りにしたバラード⑩In My State Of Mindが特に気に入っています。この作品を聴いた1998年当時、「いつまでも『MOOD SWINGS』の面影を追い求めるのではなく今のバンドを応援しよう」という気持ちになりましたね。バンド名変更に乗り出す次作「RUBBER」(1999)ではポップな方向性に傾きすぎていましたが、本作ではバンドが持つハードな側面と親しみやすいメロディのバランスが良好でPete Lesperance(G)も控えめながら巧みなギターワークで魅せてくれます。

その一方で惜しい点があるのも事実で、装飾や作り込みを排除した今回のアルバムカラーを「ポップセンスが光る快活なロック作品」たらしめているのは③Relord、⑤Turn Around、⑦Sometimes I Wish(リードボーカルはベーシストBarry Donaghy)、⑨Lyingといったストレートなロックソングなのですが同系統の①が突出しているため、その後で聴くと物足りなく感じてしまうのは否定できません(1曲1曲は十分に魅力的なのですが…)。また前作に続き今回も同じアルバムの別バージョンがリリースされているようで、日本盤の他にカナダ盤が2種類存在します。各バージョンを比較してみるといずれも収録曲は違えど全10曲、収録時間は約40分となっており日本盤「BIG BANG THEORY」に未収録のWasted Time、Without Youの2曲はシングル「SO BLIND」(1998)または「B-SIDE COLLECTION」(1998)で聴くことができます。各国のマーケットを意識した上での戦略とはわかっていても僕は好きなバンドの曲はひとつでも多く聴きたいので、こういう売り方はあまり嬉しくないですね…。

【音源紹介】
・So Blind

HAREM SCAREM「LIVE AT THE SIREN」(1998)

  • 2012/06/13(水) 00:00:00

H SCAREM LIVE SIREN
【No.332】
★★★(1998)

カナダ産ハードロックバンドHAREM SCAREMが4thアルバム「BELIEVE」(1997)発表後に敢行した地元カナダでのツアーの模様を収めたバンド通算2作目のライブ作品。4枚のスタジオアルバムに対してライブ盤が2枚というのは多すぎる気もしますが、ライブパフォーマンスには定評のある彼らだけあって内容的には流石のクオリティを備えています。

【トラックリストと収録アルバム】
01. Believe(4th「BELIEVE」)
02. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
03. Die Off Hard(4th「BELIEVE」)
04. Morning Grey(4th「BELIEVE」)
05. Staying Away(4th「BELIEVE」)
06. Honestly(1st「HAREM SCAREM」)
07. Baby With A Nail Gun(4th「BELIEVE」)
08. Cages(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
09. Rain(4th「BELIEVE」)
10. Karma Cleansing(4th「BELIEVE」)
11. Surrender(4th「BELIEVE」のスペシャルエディション)
12. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
13. Table Turning(未発表曲)
14. New Religion(未発表曲)

前回のライブ盤「LIVE IN JAPAN」(1996)とできるだけ重複しないように選ばれたライブトラックは、12曲中9曲が最新作からという偏ったセットリストとなっています(⑧CagesCHEAP TRICKのカバー⑪Surrenderの2曲は「BELIEVE SPECIAL EDITION」に収録)。「BELIEVE」は過去3枚のHAREM SCAREMサウンドをミックスしたような作品だったし①Believe、③Die Off Hard、⑤Staying Away、⑦Baby With A Nail Gun、⑨Rainといった僕のお気に入り曲はしっかり押さえてくれているので、新作偏重の選曲はあまり気になりませんでした。スタジオ盤でDarren Smith(Ds)がリードボーカルを務めていた⑤はライブでもDarrenがパワフルな歌声を披露していて、Harry Hess(Vo)はバックボーカルに専念しています。そしてバンドの代表曲で名バラードの⑥Honestlyや名盤「MOOD SWINGS」(1993)収録の②Saviors Never Cry、⑫Change Comes Aroundといった初期作品の名曲がきっちり収録されているのも嬉しいところ。Change Comes Aroundは他のライブ作品だとオープニングに収録されていますが、ドラマティックな曲展開を持つこの曲は終盤に演奏した方が感動的だと思いますね。

メンバー全員が歌えるバンドという強みを活かしてスタジオ盤同様の分厚いコーラスハーモニーを見事に再現しているだけでなく、演奏面でも安定感があるので安心して聴いていられる1枚です。総合的には2002年発表のライブ盤「LIVE AT THE GODS 2002」に軍配が上がりますが、あちらには「BELIEVE」からの曲は全く収録されていないのでファンとしては両方聴いて損はないと思います。また新曲も2曲収録されていて、⑬Table Turningは次作「BIG BANG THEORY」(1998)にも収録されるパワーバラード、⑭New Religionはオリジナルアルバムで聴くことはできませんが後にシングルカットされたほか、バンド初のベスト盤「THE BEST OF」(1998)にリミックスバージョンが収録されているロックソングの佳曲です。

【音源紹介】
・Honetly(Live)

HAREM SCAREM「LIVE ONES」(1997)

  • 2012/06/05(火) 00:00:00

LIVE ONES
【No.331】
★★(1997)

2nd「MOOD SWINGS」(1993)のヒットを受けて本国カナダから約3年遅れでリリースされた1st「HAREM SACREM」(1991)の直後に発表されたミニアルバム「LIVE AND ACOUSTIC」(1994)と1996年に実現した初来日公演を収めたライブ盤「LIVE IN JAPAN」(1996)を「LIVE ONES」というタイトルでカップリングした作品(邦題は「カナダ技巧派集団来日記念盤」)。この2枚組仕様が発売されたのは4th「BELIEVE」(1997)に伴う来日公演の約1ヶ月前なので帯タタキにもあるように4作目で初めてHAREM SCAREMを知ったファン向けの作品のようで、実際に2枚組がCD1枚分の価格で買えるお得盤です。

【トラックリスト】
Disc-1「LIVE AND ACOUSTIC」
01. Honestly(アコースティックバージョン)
02. If There Was A Time(エディットバージョン)
03. No Justice(ライブ)
04. Mandy(ライブ)
05. Hard To Love(ライブ)
06. Jealousy(アコースティックバージョン)
07. Something To Say(エディットバージョン)

Disc-2「LIVE IN JAPAN」
01. Change Comes Around(2nd「MOOD SWINGS」)
02. Saviors Never Cry(2nd「MOOD SWINGS」)
03. Warming A Frozen Rose(3rd「VOICE OF REASON」)
04. Blue(3rd「VOICE OF REASON」)
05. Candle(3rd「VOICE OF REASON」)
06. Slowly Slipping Away(1st「HAREM SCAREM」)
07. Breathing Sand(3rd「VOICE OF REASON」)
08. Had Enough(2nd「MOOD SWINGS」)
09. Empty Promises(2nd「MOOD SWINGS」)
10. The Paint Thins(3rd「VOICE OF REASON」)
11. Voice Of Reason(3rd「VOICE OF REASON」)
12. No Justice(2nd「MOOD SWINGS」)
13. Pardon My Zinger(未発表曲)
14. More Than You'll Ever Know(未発表曲)
15. Change Comes Around(未発表テイク。アコースティックバージョン)

Disc-1「LIVE AND ACOUSTIC」の聴きどころとしてまず挙げられるのが、デビュー作収録の名バラードをギターだけのアコースティックアレンジで仕上げた①Honestlyでしょうか。シンプルであるが故にメロディそのものが胸に迫ってきます。また、もうひとつのアコースティックバージョン⑥Jealousyのテイクもおそらく本作でしか聴けないので貴重だと思います。そして定評のあるライブパフォーマンスについても③No Justice、⑤Hard To Loveといった代表曲だけでなく叙情インスト④Mandyが収録されているのがファンとしては嬉しいところ。その一方で②If There Was A Time⑦Something To Sayのエディットバージョンは前者がギターソロを、後者が冒頭のアコギパートをカットしているため楽曲の魅力が半減してしまっているのが残念かな(エディットバージョンがオリジナルを越えることそうそうないとは思いますが…)。何でもこのDisc-1は日本のレコード会社の要望でバンドのプロモ資料用に録音された音源だそうです。当時のバンドがいかに注目され、レコード会社もそれをサポートしていたかを物語っていますね。

そしてバンド初のフルレンスライブ盤となるDisc-2「LIVE IN JAPAN」は当時の最新作「VOICE OF REASON」(1995)を中心に構成されたセットリストとなっていてデビュー作からは⑥Slowly Slipping Awayのみというのが寂しいですがライブ当日はHonestlyなども演奏されたようです。バンドは後にライブ盤を乱発していくことになりますが本作でしか聴けない⑧Had Enough、⑨Empty Promisesはファンとしてはチェックしておきたいところですね。ただ、本作以降のライブ作品に比べるとバンドのトレードマークでもあるコーラスの厚みにやや欠けるような気も…。ライブ本編12曲の後に収録されているのは、来日公演でもプレイされたというアップテンポのギターインスト⑬Pardon My Zingerと「VOICE OF REASON」にも通じる陰欝なムードを漂わせつつも伸びやかなサビが印象的なバラード⑭More Than You'll Ever Knowというスタジオ未発表曲で、どちらももなかなかの出来映えです。HAREM SCAREMはベストやライブ作品の最後に未発表曲をだいたい2曲収録することが多いのですが、この⑬と⑭はその中でもかなり好きな部類に入りますね。なお「LIVE ONES」として再発される際、新たに⑮Change Comes Aroundのアコースティックバージョンが追加されています。

【音源紹介】
・Mandy(Live)


・Slowly Slipping Away(Live)

HAREM SCAREM「BELIEVE」(1997)

  • 2012/05/31(木) 00:00:00

H SCAREM BELIEVE
【No.330】
★★★(1997)

透明感あるハードポップサウンドだったデビュー作「HAREM SCAREM」(1991)、センス豊かな音楽的魅力を凝縮した2nd「MOOD SWINGS」(1993)で日本のメロディック・ロックファンの心をガッシリ掴んだものの、前作「VOICE OF REASON」(1995)が大方のファンの期待を裏切るヘヴィ/ダーク路線だったHAREM SCAREMの4thアルバム。僕も前作の音にはショックを受けた1人だったので、初めて本作を聴いた時は前作のムードを継承しつつも基本的には初期2作品のメロディアス路線にシフトした音楽性に一安心したのを覚えていますが、元々「KARMA CLEANSING」というタイトルで曲順のみならず収録曲も異なっていたものを、レコード会社から注文が入ったため日本でのみ若干内容が異なる「BELIEVE」としてリリースされたという、いわくつきの作品でもあります。

上記のような経緯から「レコード会社に迎合して作られた商品」という見方をされてしまいがちなのに加えて、後にメンバー自身が「納得できるアルバムではなかった」と語っていることもあってある意味、問題作なのかもしれません。ただし個人的には結構気に入っていて、曲構成が2nd収録の名曲Change Comes Aroundに似た①Believe、いかにもHAREM SCAREMらしいシングル曲②Die Off Hardというロックソング2曲による掴みは良好だし、Harry Hess(Vo)よりも荒々しい歌い方をするDarren Smith(Ds)のリードボーカルをフィーチュアした哀愁のドライヴィングチューン④Staying Away、まるでPete Lesperance(G)のギターが歌っているかのようにメロディアスなインスト⑤Baby With A Nail Gun、アコースティックギターとストリングスでしっとり聴かせるバラード⑧Rainなどは僕の大好きな曲です。それでいて前作に近い曲調の③Hail, Hail、ほのぼのムード漂う⑥Morning Greyなどの配置も良い意味での箸休め的な役割を果たしていると思います。とはいえ、この曲順を決めたのはレーベル側であって、バンドとしては日本以外でタイトル曲となっている⑩Karma Cleansingのインダストリアルっぽくもある実験的サウンドこそが当時の真の姿だという気持ちがあったのかもしれませんが…。

そんな本作はオリジナル盤発表の約半年後に収録曲の半分(①、③、④、⑥、⑧)にMR.BIG等との活動でも知られるKevin Elsonがリミックスを施しているほか「KARMA CLEANSING」に収められていたCages、The Mirrorと新録曲SurrenderCHEAP TRICKのカバー)を追加した「BELIEVE SPECIAL EDITION」をリリースしています。このスペシャルエディションも聴いてみたところ「リミックスされた曲についてはオリジナルの方が好みだけど曲数が多く聴けるのは良いかな」という感じですね。「KARMA CLEANSING」にのみ収録されていた2曲については悪くないものの、これらの代わりに「BELIEVE」に収められていた④、⑤の方が僕は断然好きです。またSurrenderをカバーしたことがきっかけとなって、バンドは次作5th「BIG BANG THEORY」(1998)でパワーポップ色をがグッと強めていくことになります。

【音源紹介】
・Rain

HAREM SCAREM「VOICE OF REASON」(1995)

  • 2012/05/21(月) 00:00:00

VOICE OF REASON
【No.329】
★(1996)

情感豊かなHarry Hess(Vo)の歌声と厚みのあるバックコーラス、センス溢れるPete Lesperance(G)のギターワーク、そして安定感のあるリズム隊を土台にデビュー作「HAREM SACREM」(1991)では甘口ハードポップ、2nd「MOOD SWINGS」(1993)では構築美とドラマティシズムに満ちたメロディックロックを聴かせてくれたHAREM SACREMの3rdアルバムにして一般的には問題作と言われることも多い1枚。僕はHR/HM歴2年目の1996年にHAREM SCAREMの初期2作品に出会い、その音楽性にすっかり魅了されたので大きな期待を胸に聴いたアルバムでした。本作に関しては賛否両論あって、中には「もっと再評価されるべき」という声もあるようですが僕にとっては「HAREM SCAREMの作品群の中でもCDトレイに乗せる回数が少ないアルバム」です。オープニングの①Voice Of Reasonの冒頭で前作を彷彿とさせる捻りの効いたギターリフが流れてきた時は手応えを感じましたが、その①を含む楽曲がどうにも地味で過去2作にあったポジティブムードから意図的に距離を置いたかのようなヘヴィでダークなものが多いため、キャッチーでメロディアスな音を好む僕にはかなりキツかったですね。本作を買った1996年当時はいろいろなバンドのアルバムを聴き漁っていたので、本作は数回聴いただけでCDラックに眠ったままになっていました。

そんな僕がこのアルバムを再び聴くようになったのは、バンドが名義をRUBBERからHAREM SCAREMに戻して最初のライブ盤となる「LIVE AT THE GODS 2002」(2002)に収録されている本作の③Warming A Frozen Rose、⑧The Paint Thinsを聴いて「今までは気づかなかったけどカッコいいな」と思ったのがきっかけでした。そうして改めて本作と対峙してみると、リリース当時に抱いていたダークな作品という表面的なイメージの下に確かに存在する②Blueや③のメランコリックな旋律美、比較的キャッチーな歌メロとPeteらしいギターワークをフィーチュアした⑥Breathing Sand、「MOOD SWINGS」の路線に近く本作では異色と言えるほど躍動感がある⑧などはグッときました。ただしアルバムトータルで見ると、どこか弱いと感じてしまうんですよね。その要因としては、それまでのバンドの歴史を総括したかのような「LIVE AT THE GODS 2002」のセットリストで2~3曲演奏される分には問題ないけれど「VOICE OF REASON」という1枚の作品として聴くとダークな雰囲気が支配的でカラフルさに欠けるため、アルバムジャケットに通じるモノクロな印象が強く残ってしまうからではないかと思います。

HAREM SCAREMというバンドは2008年に解散するまで「HAREM SCAREM」、「MOOD SWINGS」という初期2作品の亡霊と常に戦っていたように思うのですが全ては本作から始まったと言っても過言ではありません。2ndが日本でヒットした影響で当初国内盤リリースの予定がなかった(であろう)1stも発売され、タイプの異なる2枚でありながら両方とも日本受けする作風でファンの期待が高まったところに、バンドの支持基盤の間では不人気なグランジ寄りの本作を発表したというタイミングの悪さもバンドにとっては逆風でした。日本では批判的な意見が多かったものの、バンド側は「VOICE OF REASON」が自信作でもあったために本作以降HAREM SCAREMはファンやレコード会社からの意見と自分達がやりたい音楽とのジレンマに苦しむことになってしまうのでした…。問題作と見なされることが多いのは事実ながら前述したように高く評価する声も根強く、玄人受けしている感があるので聴いてみるとツボにはまるという方も少なくないようですが僕はもっと華やかで耳に残る楽曲が欲しかったですね。

【音源紹介】
・The Paint Thins (Live)

HAREM SCAREM「HAREM SCAREM」(1991)

  • 2012/05/14(月) 00:00:00

H SCAREM H SCAREM
【No.328】
★★★★(1996)

通算2作目となる「MOOD SWINGS」(1993)で日本デビューを果たすや、キャッチーなメロディとそれを歌い上げる重厚なコーラス、テクニカルなだけでなく歌心にも溢れたギター、緻密で先の読めない曲展開といった持ち味で日本のHR/HMファンを魅了したHAREM SACREMの1stアルバム。本国カナダでは1991年に発表されていますが日本盤は「MOOD SWINGS」から約1年遅れでリリースされています。2ndが少しダークな雰囲気を醸し出していたのに対して、本作はハードポップ/AOR系の爽やかさと透明感に満ちた1枚となっていますね。HAREM SCAREMの作品群において最もソフトな本作はハードロックバンドらしさを求めると物足りなさを感じるかもしれませんが、メロディの充実度はトップクラスで非常にとっつき易いアルバムといえそうです。

一部の楽曲で外部ソングライターからのインプットはあるものの、基本的にはHarry Hess(Vo)Pete Lesperance(G)の2人が曲を手がけていて、その新人離れしたソングライティング能力は目を見張るものがありますね。特にアルバム序盤は「強力」の一言で「You're hard to love, but it's hard to let you go~♪」と惚れた男の苦悩を爽やかに歌うオープニング曲①Hard To Love、サビは勿論そこに至るまでのメロディ展開も秀逸な②Distant Memory、フックに満ちたギターのイントロが流れてきた時点で勝負ありの③With A Little Love、Harryが弱冠17歳の時に書いたとは思えないほどの完成度を誇る名バラードにしてバンドの代表曲でもある④Honestlyへと続く流れは文句のつけようがありません。瑞々しさと甘い旋律を武器に、後のHAREM SCAREMでは得がたい感動を与えてくれる本作の中でも、この冒頭4曲は別格だと思いますね。アルバム中盤は似たカラーの楽曲が続くため若干テンションは下がるものの⑥Slowly Slipping Awayを筆頭に並のバンドであればアルバムのハイライトになってもおかしくないほど高品質なナンバーが並んでいます。そしてポップセンスが光る⑨How LongとPeteのアコースティックギターによるイントロから心洗われる清らかな旋律へと繋がっていく⑩Something To Sayというアルバム本編ラストに配された2曲がまた素晴らしいのも大きなポイント。特に⑩はバンドの隠れた名バラードと呼びたくなる逸品で、個人的には④に勝るとも劣らないほど大好きな曲です。

また本作の収録曲(①、⑥、⑨)にアコースティックアレンジを施したボーナストラック3曲も見事で、その巧みなアレンジからは新人バンドとは思えない風格すら感じられるほどです。デビュー作でありながらRay Coburn(Key/HONEYMOON SUITE)など地元カナダの先輩バンドのメンバーがゲスト参加していることからも、周囲から高いポテンシャルを認められていたことが窺えますね。①、④などはバンドのキャリアを通してライブで演奏されてきた代表曲だし、本作はHR/HMリスナー以外にも受け入れられ易い普遍的な魅力を持ったアルバムだと思います。それだけに彼等がこのアルバムの路線に立ち戻ることなく解散の道を辿ってしまったことが残念ですね…。後のHAREM SCAREMに降りかかる方向性の模索、バンド名変更問題といったネガティブな要素を一切感じさせないハードポップの名盤。ビッグになったバンドのデビュー作を「磨けば光るダイヤの原石」と表現することがよくありますが、本作は原石と呼ぶにはあまりに洗練されていてバンドの並々ならぬ才能を感じさせられます。

【音源紹介】
・Something To Say

【CD購入録】HAREM SCAREM「HOPE」(2008)

  • 2008/11/13(木) 08:59:58

【CD購入録】
HAREM SCAREM HOPE
HAREM SCAREM「HOPE」(2008)

遅ればせながらHAREM SCAREMのラストアルバム「HOPE」(2008)を入手しました。RUBBER時代を含むと12枚目かな。正直、ここ最近のHAREM SCAREMにはそれほど関心がなく、本作も「今までお世話になったから」という義理(?)で買ったようなものだと告白しておきます。リリース前にバンドの解散が予告されていた作品といえば、SENTENCEDの「FUNERAL ALBUM」(2005)を思い出します。あちらがラストアルバムでバンドを葬るという明確なコンセプトを持ち、本編ラストをEnd Of The Roadという「正にこれが最期」という曲で締めくくっていたのに対し、HAREM SCAREMは聴く側が拍子抜けするほど「いつもの良質ロックアルバム」でした。まるで、2~3年後には次のアルバムが出そうな気さえします。僕の中でのメロハー御三家FAIR WARNING、TERRA NOVAそしてHAREM SCAREMの全てが解散の憂き目にあってるところをみると、このジャンルで食っていくのは難しいのかな。自分の好きなバンドを心の中で応援するだけでなく、「CDを買う」「ライブに足を運ぶ」といった行動に移す重要性を感じる今日この頃です。他の2バンドのようにHAREM SCAREMも復活してくれると信じてますよ!と未練がましいことを言ってしまうのは、バンド名義騒動でもRUBBER→HAREM SCAREM復活という前例があるから。FAIR WARNINGとTERRA NOVAが解散した時のような実感がまだないんですよね。ちなみに僕のお気に入りアルバムは「MOOD SWINGS」(1993)、「HAREM SCAREM」(1991)、「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)がトップ3で「VOICE OF REASON」(1995)とRUBBER期は好きじゃないというベタなハレスキャ・ファンです。

HAREM SCAREM「MOOD SWINGS」(1993)

  • 2008/07/01(火) 10:51:57

MOOD SWINGS

【No.004】
★★★★★(1996)

カナダのメロディアス・ハードロッカーの2ndアルバム。これはメロディアス・ハードの歴史に残る名盤です。デビュー作はソフトなメロディック・ロックアルバムだったのに対し、今回は曲調がより骨太にハードになっています。アメリカ、カナダ系ならではのスケールが大きく高揚感のあるロックソングがあるのも特徴ですね。

HAREM SCAREMの美味しいところを詰め込んだ名曲①Saviors Never CryからPete Lesperance(G)のメロディアスなギターにのって心地よく疾走する⑪Had Enoughまで一気に聴けるし、その中でブルージーな⑤Jealousy、エモーショナルなギターが胸に迫るインスト⑦Mandy、メンバー全員が歌えるという強みを活かしたア・カペラの⑩Just Like I Plannedなど幅広いタイプの曲があって、飽きることがありません。それに加えて超名曲④Change Comes Aroundの存在が大きいですね。耳をこねくり回されてるかのような奇抜なリフワークから見事な流れでキャッチーなサビメロへと展開し、曲の後半ではスローダウンしてサビを合唱、最後に歌心を感じさせるギターが絡んでくるという抜群の構成美を持つこの曲は、アルバム最大のハイライトです。

先の読みにくい展開でありながらキャッチーさも兼ね備えた楽曲、Peteのテクニカルなギタープレイ、Harry Hess(Vo)の力強い歌唱、よく練りこまれた分厚いコーラスワーク…といったHAREM SCAREMの魅力が凝縮された本作は、初めてこのバンドの音に触れる人やこれからハードロックを聴こうとしている人に是非ともお薦めしたいアルバムです。

【音源紹介】
・Change Comes Around