SHAMAN「RITUAL」(2002)

  • 2015/02/13(金) 00:00:00

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【No.418】
★★★(2002)

人間関係のもつれからANGRAを脱退したAndre Matos(Vo)が新たに結成したバンドSHAMANの1stアルバム。Andreと共にANGRAを離れたリズム隊Luis Mariutti(B)、Ricardo Confessori(Ds)、そしてLuisの実弟Hugo Mariutti(G)が脇を固めDerek Sherinian(Key/ex-DREAM THEATER)Tobias Sammet(Vo/EDGUY、AVANTASIA)がゲストとして参加しています。衝撃的な分裂劇を乗り越えてKiko Loureiro(G)、Rafael Bittencourt(G)率いる新生ANGRAがデビュー作「ANGELS CRY」(1993)を彷彿とさせる「REBIRTH」(2001)で文字通り復活したのに対して、SHAMANは民族音楽色が濃くANGRAの2nd「HOLY LAND」(1996)をシンフォニックメタル寄りにした印象を受けますね。

本作を聴いてまず驚いたのがAndreの歌唱法が別人かと思うほどに変化している点です。ANGRA時代と比べると荒れ気味でアグレッシブな歌い方となっていて透明感は失われているものの妙な裏声ハイトーンも激減しているので、これはこれでアリかもしれません。イントロダクションとしては3分とやや長めで壮大な①Ancient Windsに続くメタリックな攻撃性とAndreらしい優雅さを併せ持った疾走曲②Here I Amはインパクト抜群。その後もダイナミックなサビメロに加えてインストパートも充実した③Distant Thunder、南米フォークロア調のイントロから始まるパワーバラード④For Tomorrow、②に比べると薄味ながら軽快に駆け抜けるサウンドが気持ちいい⑤Time Will Come、ダークな出だしからドラマティックに展開していく⑥Over Your Head(キーボードソロはDerekがプレイ)とアルバム中盤まではかなり良い感じです。後半は失速気味ではありますがAndreとTobiasがデュエットしたストレートなメタルチューン⑩Prideでラストを締めくくっているので全体的には好印象。

民族音楽テイストとシンフォニックメタルサウンドが絡み合う演奏パート、そこに個性的なAndreのボーカルが乗ることで確固たるアイデンティティを築いていますね。アルバムの総合力としてはANGRA「REBIRTH」に軍配が上がりますがSHAMANの第1作目としては上々の滑り出しと言えるのではないでしょうか。今回の分裂劇はひとつのバンドがANGRAとSHAMANに別れ、その両方が聴き応えのある作品をリリースしてくれたので僕としては結果オーライという感じですね。本作を聴いた時点では2nd「REASON」(2005)をリリース後、ドラマーのRicardoを除く全員がバンドを脱退することになるとは夢にも思いませんでした…。バンドは今も存続していてAndreを欠く現体制でも2枚のアルバムを発表しています。

【音源紹介】
・Here I Am

【CD購入録】SHAMAN「IMMORTAL」(2007)

  • 2010/05/25(火) 00:00:00

【CD購入録】
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SHAMAN「IMMORTAL」(2007)

ブラジルの至宝ANGRAを脱退したAndre Matos(Vo)、Ricardo Confessori(Ds)、Luis Mariutti(B)の3人がLuisの実弟Hugo Mariutti(G)を加えて結成したメロディック・メタルバンドSHAMANの3作目を買いました。1st「RITUAL」がトライバルな風味もあるメロディックメタルの好盤だったものの、前作(未聴)でゴシカルな路線になったと聞いて迷走気味かと思っていたら、なんとAndreとMariutti兄弟が脱退してしまうという事件が発生。普通ならここで解散の道を選ぶのでしょうがRicardoは不屈の闘志でバンドを立て直し、Thiago Bianchi(Vo/KARMA)らのブラジル出身プレイヤーを迎えてリリースしたのが本作です。今回は「RITUAL」をパワーメタル寄りにしたような音楽性だし、ThiagoのハイトーンがAndreに似ていることもあって、やはりANGRAやデビュー当時のSHAMANを連想させますね。キラーチューンと呼べるものがないのが少し寂しいですが、各曲ともに安定感があります。ちなみに本作のタイトル「IMMORTAL」は「インモータル」と読むようです。ANTHEM「IMMORTAL」(2006)しかり、BOB CATLEY「IMMORTAL」(2008)しかり、ARCH ENEMYの名曲Immortal(「BURNING BRIDGES」収録)しかり、「不滅」と訳されるこの単語のカタカナ表記は「イモータル」だと思うのですが、確かに「イモータル」より「インモータル」の方が「SHAMANは不滅だ」というRicardoの想いや、バンドを去った3人への怨念がこもっているような気がしますね(笑)。と思っていたら、なんとなんとRicardoがANGRAに復帰したのだとか。SHAMANはANGRAの分家のようなバンドなので今後どうなるのか気になっていましたが、SHAMANも継続しているようで近々アヴァロン・レーベルより新作「ORIGINS」をリリースするようですね。