PINK CREAM 69「ELECTRIFIED」(1998)

  • 2014/05/25(日) 00:00:00

PC69 ELECTRIFIED
【No.397】
★★★★(1998)
年間ベスト1998年第4位

HELLOWEENの現ボーカルAndi Derisが在籍していたバンド、というよりは引く手数多のプロデューサーにして最近ではMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)、Kai Hansen(G/GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)らとUNISONICを結成したDennis Ward(B)が在籍するバンドと言った方が通りが良さそうなPINK CREAM 69の6thアルバム。僕がこのバンドを知ったのはAndiがきっかけで、彼がHELLOWEENで発揮しているメロディセンスが気に入ったのでPINK CREAM 69がセルフタイトルで1989年に発表したデビュー作と2nd「ONE SIZE FITS ALL」(1991)の2枚を聴いてみたところ哀愁とヒネリの効いたAndi節はこの頃から既に確立されていたことを実感できる好盤でした。ところが3rd「GAMES PEOPLE PLAY」(1993)辺りからダークになり、Andi脱退後は当時流行っていたグランジへ傾倒していったという噂をよく耳にしていたのでAndi=PINK CREAM 69というイメージが強くなってしまい3作目以降は聴いていませんでした。そんな彼等が1998年になりメロディアスな路線に戻ってきたという評判とともにリリースしたのが本作です。

大して期待もせずに聴いてみるとこれが予想以上に素晴らしくてビックリ。Andi在籍時のように繊細で、どこか女性的な切ないメロディとはまた異なる魅力を持った新生PINK CREAM 69の音楽性を端的に言い表すならば「男っぽさもあるガッツィーなハードロックで時折見せる哀感が絶妙」といった感じでしょうか。オープニングを飾る①Shameは正にそんなタイプの名曲だし、爽快感と共に疾走する③Break The SilenceRalf Sheepers(Vo/PRIMAL FEAR)D.C Cooper(Vo/ROYAL HUNT)がゲスト参加してこれまで以上にメタリックな側面を強調した⑤Over The Fireとそれに肩を並べるほどのハードチューン⑧Burn Your SoulなどはAndi=PINK CREAM 69という僕の先入観を粉砕するには十分過ぎるほどのインパクトがありました。穏やかなムードの⑨Rocket Rideからボーナストラックの⑫Always Love Youまではメロハーとさえ呼べそうなミディアム/バラード系が並ぶものの各曲ともにメロディが充実しているので最後までダレることなく聴き通せます。ただし⑫の後に2分足らずの無音時間を挟んでシークレットトラックとして収録されている⑪Gone Againの別バージョンは歌い方が変なこともあって完全に蛇足だと思っていますが。

4th「CHANGE」(1995)からバンドに加入したDavid Readman(Vo)については本作を聴くまでバンドをグランジ化させた張本人だとばかり思っていたのですが、調べてみると音楽性の変化はメンバーの総意だったようだし肝心の歌唱力についてもAndiを遥かに上回っていると思います。Andi特有のメロディがここにはないため名盤とも言われる初期2作品とは質感が異なりますが、本作で繰り広げられている堂々としたハードロックサウンドは理屈抜きでカッコいいですね。バンドもこの「ELECTRIFIED」を通して自分達が求めるサウンド像を見つけたようで、本作以降は同じ路線でアルバムを発表し続けています(後追いでこのバンドのオリジナルアルバムは現時点での最新作「CEREMONIAL」まで全て聴きました)。ただ「ELECTRIFIED」が素晴らしすぎることもあってか、後の作品群はこのアルバムを上回るには至らずマンネリ化が進行しているように思えるのも事実だったりするんですけどね…。

【音源紹介】
・Shame

【CD購入録】PINK CREAM 69「CEREMONIAL」(2013)

  • 2014/05/22(木) 00:00:00

【CD購入録】
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PINK CREAM 69「CEREMONIAL」(2013)

シンガーのDavid ReadmanVOODOO CIRCLEなどでも活動、メインソングライターのDennis Ward(B)はプロデューサーとして引っ張りだこ状態の中で新たにMichael Kiske(Vo/ex-HELLOWEEN)、Kai Hansen(G/GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)らとUNISONICを結成するなど多忙だったので自然消滅したのかと思っていたPINK CREAM 69がバンド結成25周年の節目に再集結。約6年振りにリリースした通算11作目を買いました。このバンドについては現在の音楽スタイルを掴んだ傑作6th「ELECTRIFIED」(1998)を頂点として、その後は一定以上の品質はキープしつつもマンネリ感が拭えないイメージがあるのですが今回も同様の作風ですね。予想以上にヘヴィなサウンドに驚かされるもののサビがいかにも彼等らしい①Land Of Confusion、明るくキャッチーな②Wasted Years、メロディが耳に残る③Specialなどアルバムの滑り出しはいいのに聴き終えた時の感想はいまひとつというのが正直なところです。ボーカルパフォーマンスや演奏などでベテランならではの安定感を見せつけてくれてはいるのですが…。

【CD購入録】PINK CREAM 69「LIVE IN KARLSRUHE」(2009)

  • 2010/09/16(木) 00:00:00

【CD購入録】
LIVE IN KARLSRUHE
PINK CREAM 69「LIVE IN KARLSRUHE」(2009)

今やすっかりFRONTIERS RECORDSレーベルお抱えのプロデューサー/ソングライターという印象が強くなったDennis Ward(B)のメインバンドで、かつてはAndy Deris(Vo/HELLOWEEN)も在籍していたPINK CREAM 69のデビュー20周年を祝してバンドの故郷ドイツはカールスルーエで行われたライブの模様を収めた2枚組ライブ盤を買いました。僕はAndy在籍時の初期2作品と現シンガーDavid Readmanが歌う6th「ELECTRIFIED」(1998)は好きですが、それ以外のアルバムにはピンと来なかったものもありました。さらりと聴いた印象では、流石20年もHR/HM界で活躍しているだけあって安定感のあるライブだと思う反面、7th「SONIC DYNAMITE」(2000)を聴いて感じた「手堅いが故に面白味に欠ける場面」もあるような気がします。ライブならではの熱さや良い意味での荒さは希薄で、ふとスタジオ盤を聴いているのかと思ってしまうこともしばしば。メロディをフェイクすることなく丁寧に歌うDavidも素晴らしいのですが「ヘイ!ヘイ!」とオーディエンスを煽る場面でも妙にお上品なので違和感がありますね。セットリストに関しては本作で初めて聴く楽曲も多いのですが、やはり僕の好きな「PINK CREAM 69」(1989)、「ONE SIZE FITS ALL」(1991)、「ELECTRIFIED」の3作品からの曲(Disc-1⑨Break The Silence、Disc-1⑩One Step Into Paradise、Disc-2①Livin' My Life For You、Disc-2⑥Shame)が印象に残っています。