【CD購入録】SPIRITUAL BEGGARS「SUNRISE TO SUNDOWN」(2016)

  • 2016/10/05(水) 00:00:00

【CD購入録】
SUNRISE TO SUNDOWN
SPIRITUAL BEGGARS「SUNRISE TO SUNDOWN」(2016)

LOUD PARK16に所謂「アモット枠」で出演するのでは、という大方の予想に反して単独来日公演を10月に行うことが発表されたSPIRITUAL BEGGARSの9作目を買いました。3代目シンガーのApollo Papathanasioが加入して3枚目のアルバムとなります。前任のJB(Vo/GRAND MAGUS)が在籍している頃は大好きなバンドだったのですが、現体制になってからは今ひとつのめり込めずにいました。あまり期待せずに本作を聴いたこともあってか第一印象としては好感触。勢いのあるハードロック①What Doesn't Kill You、キャッチーなギターメロディが曲を引っ張る②Sunrise To SundownPer Wiberg(Key)のハモンドサウンドが存在感を発揮している③Diamond Under PressureLudwig Witt(Ds)が作詞作曲した④Hard Roadと続く序盤は特に良い感じですね。後半に進むにつれてトーンダウンしているように思うし、ボーナストラックにカバー2曲とライヴ5曲を収録というのは流石に多すぎて間延びしてしまっているのが残念ですが…。iPodに本編11曲とカバーソングだけを取り込んでリピートしています。

SPIRITUAL BEGGARS「DEMONS」(2005)

  • 2015/09/19(土) 00:00:00

S BEGGARS DEMONS
【No.444】
★★★★(2005)
年間ベスト2005年第3位

現代HR/HMシーンにおける最重要人物のひとりMichael Amott(G/ARCH ENEMY)ARCH ENEMYで追求しているメロデスとは異なる音楽性でその才能を発揮するSPIRITUAL BEGGARSの6thアルバム。4th「AD ASTRA」(2000)リリース後のフロントマン交代劇には驚きましたが、またもメンバーチェンジがありRoger Nilsson(B/THE QUILL)が脱退、後任にARCH ENEMYファミリーでもあるSharlee D'Angelo(B)を迎えています。前作「ON FIRE」(2002)で確立したオールドスタイルのロックサウンドにMichael Amottの泣きのギターが乗るというスタイルはそのままに、ややマイルドな印象もあった5thに比べるとメタリックな質感が強調されているように感じますね。

序曲の①Inner Strength(Intro)に続いて②Throwing Your Life Away、③Salt In Your Woundsとノリのいい曲が並ぶため前作よりも即効性は高いし、キャッチーかつグルーヴィなリフが絶大なインパクトを誇る④One Man Armyへと至るアルバム序盤の流れは流石です。印象的なリフワークという点でいえば⑪Elusiveも素晴らしいし、このバンドのレパートリーで最も聴きやすい部類に入りそうなドライヴィングチューン⑥Treading Waterも秀逸。そんな楽曲群の充実振りもさることながら前作から加入したJB(Vo)のボーカルパフォーマンスは目を見張るものがありますね。⑤Through The Halls、⑬No One HeardではDavid Coverdale(Vo/WHITESNAKE)を彷彿とさせるディープな歌声を披露、そうかと思えば曲によってはブルータルなボーカルで攻めてくる幅広いスタイルを持つ彼は紛れもなく逸材でしょう。

バンドの中心人物がMichaelであることは間違いないのですが前述のJBは勿論、今やSPIRITUAL BEGGARSに欠かせないオルガンサウンドで楽曲を彩るPer Wiberg(Key)そしてLudwig Witt(Dr)とSharleeのリズム隊など各パートにタレントが揃っているのもこのバンドの強みですね。Michaelは2005年にARCH ENEMY名義でも「DOOMSDAY MACHINE」というアルバムを発表していますが、当時はSPIRITUAL BEGGARSの方が好きでした。また本作の初回限定盤には渋谷AXでのライブ音源8曲が収録されたボーナスCDが付属しています。8曲中2曲がカバーソング、1曲はギターソロであること、そもそも収録時間が30分弱と短いことから食い足りなさを感じますがJBがライブでも優れたシンガーであることが確認できます(MCで話す時の声も渋い!)。残念ながらJBは自身のバンドGRAND MAGUSの活動に専念するため、本作を最後にSPIRITUAL BEGGARSを離れてしまうこととなります…。

【音源紹介】
・One Man Army

SPIRITUAL BEGGARS「ON FIRE」(2002)

  • 2015/09/13(日) 00:00:00

ON FIRE
【No.443】
★★★★(2002)

メンバー間の不和からSpice(Vo、B)が脱退、後任にJBことJanne Christoffersson(Vo/GRAND MAGUS)Roger Nilsson(B/THE QUILL)を迎えて5人編成となったSPIRITUAL BEGGARSの5thアルバム。Spiceは抜群に上手いというわけではなかったものの、適度にラフな荒くれ歌唱がアンダーグラウンド臭と妖気漂うSPIRITUAL BEGGARSにマッチしていたのでシンガー交代がどんな影響をもたらすのか不安もありました。いざ聴いてみると、このJBという歌い手が予想以上の実力者でビックリ。前任者に負けず劣らずの力強さに加えてソウルフルな低音が胸に響くJBの歌声にすっかり魅了され、彼のメインバンドGRAND MAGUSの作品をチェックするようになったほどです。中でも4th「IRON WILL」(2008)はお気に入り盤となっています。

本作に話を戻すと4th「AD ASTRA」(2000)が感性に直接訴えかけてくる理屈抜きでカッコいいサウンドだったのに対して、今回は整合感が増して小奇麗にまとまっているように感じられます。バンドとしての成長が窺える一方、前作にあった魅力が削がれているようにも思えて最初のうちはあまり好きになれませんでした。本作の魅力がわかるようになってきたのはアルバムを買って1〜2年が経過した後でしょうか。アップテンポの曲が少なく、前作収録のSedatedや3rd「MANTRA Ⅲ」(1998)のEuphoria級のキラーチューンがないため、即効性には欠けますが本作が醸し出す渋さとカッコよさを併せ持ったサウンドは正に大人のハードロック。聴き始めの頃は各曲が小粒だと感じていましたが飛び抜けたナンバーがないのではなく、ハイライトになり得る楽曲が並んだ1枚だと今では思っています。

「ドンテイキ フォ グラァンテェ〜♪」と歌うキャッチーなサビを持った①Street Fighting Savioursからして過去作品になかったメジャー感が備わっているし、JBのディープボイスに惚れ惚れしてしまう④Fools Goldなどもこれまでにない魅力ですね。また本作はアルバム構成もよく練られていて圧倒的な重量感で迫ってくる⑤Black Feathers、それとは対照的に小気味よく刻まれるギターリフに自然と身体が揺れてくる⑥Beneath The Skin、静かなインスト小品⑦Fejee Mermaidから⑧Dance Of The Dragon Kingに至る一連の流れは秀逸。そして終盤の見せ場となっている⑨Tall Tales、⑩The Lunatic Fringe、⑪Look Backの畳み掛けも実に強力です。特に泣きメロ職人Michael Amott(G/ARCH ENEMY)らしいエモーショナルなギターソロが楽しめる⑪は素晴らしいの一言。本来苦手なヘヴィでスローな曲でも、このバンドだと不思議と楽しめるんですよね。70年代のロックバンドに造詣がある人にとってはアルバムに散りばめられたオマージュを楽しむこともできる作品のようですが、それらのバンドをよく知らない僕にとってはかえって新鮮でした。「IRON WILL」同様、聴き込むほどに味わいが増す「これぞスルメ盤」と言うべきアルバムですね。

【音源紹介】
Look Back

SPIRITUAL BEGGARS「MANTRA Ⅲ」(1998)

  • 2015/08/29(土) 00:00:00

MANTRA Ⅲ
【No.442】
★★★(2001)

Michael Amott(G/ARCH ENEMY、ex-CARCASS)がリーダーを務めるトリオ編成のハードロックバンドSPIRITUAL BEGGARSの3作目。僕は次作4th「AD ASTRA」(2000)を聴いてバンドのファンになり後追いでこのアルバムを聴きましたが、こちらも毒々しくサイケデリックな荒くれハードロックというSPIRITUAL BEGGARSならではの魅力に溢れた良作でBLACK SABBATH、DEEP PURPLEといった70年代の有名バンドからの影響を感じられると評されることの多いアルバムでもあります。正直なところ、僕はその時代のロックバンドを聴いてもあまりピンと来ないのですが、本作はレトロなサウンドでありながら古臭さを感じさせないし、当時のバンドを改めて聴きたいと思わせるだけの魅力を備えていますね。再トライの結果、70年代のバンドにのめり込むことはありませんでしたが…(苦笑)。

「AD ASTRA」以上にドゥーミーな空気に満ちているものの、重たいだけで終っていない辺りは流石。それを象徴するのがヘヴィなイントロから幻想的なオルガンサウンドに導かれて極上のサビへと繋がる③Euphoriaで、この曲は間違いなく本作のハイライトですね。そこから一転してファンキーな④Broken Morningもカッコいいし、タイトル通りのボッサな曲調に驚かされるインスト⑥Superbossanovaまでこなしてしまうバンドの懐の深さと、アルバム中盤にこの曲を配するセンスに脱帽です(2000年に再発されたリマスター盤では1曲目になっているようですが)。それ以降も終盤にスローダウンする展開にグッとくる⑦Bad Karma、Michaelらしい泣きのギターが炸裂する⑧Send Me A Smile、前曲から間髪入れずに始まり勢いで押し切るロックチューン⑨Cosmic Romanceの3連発は強力だし、⑪Sad Queen Boogieも好きな楽曲ですね。

このバンドに関してはドゥーム/ストーナーロックに分類されることが多かったため「音楽はまずメロディありき」と考える僕とは相性が良くないかと思っていました。本作に関しても全曲がストライクというわけではないものの、退廃的なムードと聴き手をねじ伏せる凄みに溢れたSPIRITUAL BEGGARSサウンドはクセになりますね。その中心となっているのがMichael Amottのギターとソングライティングであることは間違いないのですがゲストプレイヤーとして参加しているPer Wiberg(Key/DEATH OTGAN etc)のオルガンサウンドも本作で重要な役割を担っています。どの曲でも大きな存在感を放っているので、次の作品からPerが正式メンバーとして迎えられたのも納得。次作以降SPIRITUAL BEGGARSはアンダーグラウンド臭を薄め、アルバムを重ねる度に洗練性を増していくこととなります。

【音源紹介】
Euphoria

SPIRITUAL BEGGARS「AD ASTRA」(2000)

  • 2014/06/09(月) 00:00:00

S BEGGARS AD ASTRA
【No.398】
★★★★★(2000)
年間ベスト2000年第2位

「リヴァプールの残虐王」の名で一世を風靡したデスメタルバンドにして代表作「HEARTWORK」(1993)がメロデスというジャンルの先駆けとなったとも言われるCARCASSから脱退したMichael Amott(G/ARCH ENEMY)率いるSPIRITUAL BEGGARSの4thアルバム。現在の一般的な知名度はARCH ENEMYの方が上ですがCARCASS脱退後のMichaelは1993年に結成したSPIRITUAL BEGGARSをメイン、1995年に立ち上げたARCH ENEMYをサイドプロジェクトと見なしていたようですね。ところがARCH ENEMYの方が先に人気が出たため両方がメインバンド(事実上ARCH ENEMYがファーストプライオリティ?)となったようです。SPIRITUAL BEGGARSの初期2作品は当初輸入盤でしかリリースされていなかったので、ARCH ENEMY人気を受けて3rd「MANTRA Ⅲ」(1998)から日本盤が出るようになったのではないかと推測しています。僕もARCH ENEMYの3rd「BURNING BRIDGES」(1999)が非常に素晴らしかったので「Michaelが所属しているもうひとつのバンドも聴いてみなくては!」という気持ちで本作を購入した次第です。

怒涛の攻撃性とそこに突如として流れ込んでくる美麗ツインギターとの対比が持ち味のARCH ENEMYとはまた異なるSPIRITUAL BEGGARSのサウンドは独特の妖気を発散するグルーヴィーなハードロックという印象で、直感的にカッコいいと思える楽曲がズラリと並びます。歪んだベースとそこに絡むドラム、その上にギターと重厚なハモンドオルガンが重なってくる①Left Brain Ambassadorsの開始10秒で本作の世界に引き込まれました。中でも徐々に緊張感を高めていくリフと官能的なギターソロに聴き惚れてしまう③Sedatedが僕的にはハイライトですね。それ以外にもアルバム随一のキャッチーなメロディが冴え渡る②Wonderful World④Angel Of Betrayal、グルーヴィーな曲調がサビでは一転してポジティブになりアウトロのギターも非常にメロディアスな⑨Escaping The Fools、耽美的なムードから盛り上がっていく展開がドラマティックな⑫Mantraなどを筆頭に極上のハードロックが満載。また小気味良く刻まれるギターリフで始まる⑥Per Aspera Ad Astra、手拍子に合わせて歌うサビをフィーチュアした⑩On Dark Riversを聴いていると自然と身体が揺れてきます。

バンドの看板であるMichaelのギターはメランコリックなものからキャッチー、ファンキーなものまでソロ/リフの両面で素晴らしいプレイを連発してくれているし、それに絡んでくるPer Wiberg(Key/DEATH OTGAN etc)による鍵盤サウンドがお互いを引き立てあっていますね。これまでのサポートから正式メンバーに昇格したPerのキーボードなくして本作は語れません(ちなみに彼は本作のサイケデリックなジャケットも手掛けているのだとか)。そんな相性抜群の2人に加えて、バンド創設者の1人でもあるLudwig Witt(Dr)のズシリと腹に響いてくるドラミングとそれらをまとめあげた北欧の名プロデューサーFredrik Nordstromによるサウンドプロダクションも秀逸。フロントマンSpice(Vo、B)の荒々しい吐き捨て型ボーカルもこの音楽性にマッチしていますね。残念ながら彼は本作を最後に脱退、バンドは後任に圧倒的な歌唱力を誇るJB(Vo/GRAND MAGUS)を迎えて更に飛躍していくことになるのですが「本作のラインナップの先にあるもの」を聴いてみたかった気もします。SPIRITUAL BEGGARSに対してはドゥーム/ストーナー系バンドというイメージがありましたが、本作を聴いてそれが一変しました。このアルバムにすっかり魅了された僕は過去のアルバムも買い揃え、これ以降の新作も全てチェックしていますが「AD ASTRA」こそがバンドの最高傑作だと思います。それに次ぐのが5th「ON FIRE」(2002)、6th「DEMONS」(2005)というJB時代の2作品ですね。

【音源紹介】
・Sedated

【CD購入録】SPIRITUAL BEGGARS「EARTH BLUES」(2013)

  • 2013/11/29(金) 00:00:00

【CD購入録】
EARTH BLUES
SPIRITUAL BEGGARS「EARTH BLUES」(2013)

Michael Amott(G)ARCH ENEMYと並行して活動させているSPIRITUAL BEGGARSの8作目を買いました。シンガーが3代目のApollo Papathanasio(ex-FIREWIND、TIME REQUIEM etc)に交代して初のアルバムでもあった7th「RETURN TO ZERO」(2010)は流石のクオリティではあったものの、今ひとつのめり込めずにいたのですが今回は前作よりも聴きやすい印象ですね。基本線は近作と同じオールドスタイルのハードロックでMichaelのギターが随所で見せ場を作っていて④Hello Sorrow、⑤One Man's Curse などはなかなか魅力的。ただ、やはり名盤「AD ASTRA」(2000)や前任ボーカルJB(GRAND MAGUS)在籍時の作品に比べると物足りないような気もします。ARCH ENEMYの最新作「KHAOS LEGIONS」(2011)も以前の作品ほどハマることがなかったのでMichaelが生み出す楽曲と僕の嗜好がズレてきたのかな…。

【CD購入録】SPIRITUAL BEGGARS「RETURN TO ZERO」(2010)

  • 2010/12/09(木) 00:00:00

【CD購入録】
RETURN TO ZERO
SPIRITUAL BEGGARS「RETURN TO ZERO」(2010)

5th「ON FIRE」(2002)から加入した実力派ボーカリストJBが自身のバンドGRAND MAGUSに専念するために脱退、後任にApollo Papathanasio(Vo/FIREWIND etc、ex-MAJESTIC、TIME REQUIEM etc)を迎えたMichael Amott(G/ARCH ENEMY)率いるSPIRITUAL BEGGARSの7作目を買いました。今回の注目はなんと言ってもニューシンガーApolloですね。僕は彼が現在メインに活動しているFIREWINDよりもマフィアっぽい風貌とRichard Anderson(Key/TIME REQUIEM、SPACE ODYSSEY etc)が書く難しい高音域をカスレ気味ながら、なんとか歌っていたMAJESTIC~TIME REQUIEM時代の印象が強くApolloがSPIRITUAL BEGGARSのサウンドとマッチするのか疑問に思っていましたが、これが予想以上のはまりっぷりで驚きました。メロディックメタルだけでなく、こういう70年代ハードロックまでも歌いこなす器用さを持っていたとは…。JBの野太い歌声に比べると、やや線が細く感じられるもののそれは相手が悪すぎるというものでしょう。FIREWINDやTIME REQUIEMでのApolloでは披露していなかった渋いディープボイスが良いですね。楽曲に関しては元来、聴けば聴くほど味の出るスルメ体質のバンドであるため即効性の高いキラーチューンはなく、聴き込みを必要としそうですがリピートを誘う魅力は確かに存在していますね。目下ヘヴィローテーション中です。