PRIDE「SIGNS OF PURITY」(2003)

  • 2015/03/16(月) 00:00:00

SIGNS OF PURITY
【No.423】
★★★★(2003)
年間ベスト2003年第10位

イギリス出身のメロディアス・ハードロックバンドPRIDEの2作目にしてラストアルバム。前作「FAR FROM THE EDGE」(2002)同様、メロハーの王道を行くサウンドでありながら、手堅すぎて面白味に欠ける感もあったデビューアルバムに比べるとハードな曲からポップチューンまでの振り幅が大きくメリハリのついた作品となっています。それに加えて、掠れ気味の声質がいい味を出しているMatt Mitchell(Vo)、練り上げられたギターソロで各曲に華を添えるChris Green(G)といった看板プレイヤーのパフォーマンスにも更に磨きがかかっていますね。バンドのブレインであるIvan Gunn(Key/ex-BALANCE OF POWER)も終始バッキングに徹しているものの楽曲を煌びやかに彩っています。

Chrisが冒頭30秒に渡って挨拶がわりのギターソロを決め、Mattのエモーショナルなボーカルがそれを引き継ぐというPRIDEの魅力が凝縮された①Could You Believeでアルバムは幕を開けます。それ以降も前作にはなかったアグレッシブさを強調したアップテンポ②Somewhere Someway、⑦Learn To Flyや青空系の爽快チューン③Story Of Our Lives、⑤No Reasons Why、そしてIvanのポップセンスが炸裂する④It's Just Me、⑥Say Your Not Lonelyなど楽曲面の充実振りが素晴らしいですね。特に④はデビュー作に収録されていた名曲Hands Of A Healerと並んでPRIDEを代表するナンバーです。注文をつけるとすればヘヴィな⑨I.O.U.、切ないバラード⑩Heaven's Waiting、壮大かつドラマティックな⑪Still Rainingとスローな曲が終盤に続き失速したように感じられるため、曲順にもう少し工夫してほしかったという点くらいでしょうか。個々の楽曲としては聴き応えがあるものばかりなので贅沢な話かもしれませんが…。

このアルバムがリリースされた2003年といえばFAIR WARNINGTERRA NOVAは解散状態、HAREM SCAREMにもかつての勢いがなかったためメロディックロックは不遇の時期というイメージがありました。そんな中で本作のような名盤を届けてくれたPRIDEは僕にとってメロハー界の希望の光だったのですが、彼等を評価したのは一部のマニアのみだったようでバンドはやむなく解散の道を辿っています。MattとChrisはもっと売れる音楽を目指してモダンなヘヴィメタルバンドFURYONを結成したと知った時にはやるせない気持ちになりました…。Chrisは既にバンドを脱退し、FIREHOUSEのフロントマンC.J SnareRUBICON CROSSを立ち上げ2014年にデビューアルバムを発表しています。RUBICON CROSSではメロディアスな要素も復活していますがPRIDE時代(特に2nd)に比べると物足りなさが残りますね。2000年代メロディックロックの隠れた名盤といえば本作が最初に思い浮かびますが、知る人ぞ知るアルバムにしておくには勿体ない1枚です。

【音源紹介】
It's Just Me

PRIDE「FAR FROM THE EDGE」(2002)

  • 2015/03/13(金) 00:00:00

FAR FROM THE EDGE
【No.422】
★★★(2003)

英国産メロディアスHR/HMバンドBALANCE OF POWERの中心人物でありながら、バンドから解雇されるという憂き目に遭ったIvan Gunn(Key)が地元で偶然出会ったMatt Mitchell(Vo)、その友人のChris Green(G)と新たに結成したメロハーバンドPRIDEの1stアルバム。Ivanが生み出す楽曲群は派手さこそないものの爽やかで仄かな哀愁が漂うものが多く僕好みだし、それらを歌うMattはMichael Bormann(Vo/JADED HEART)、Pete Sandberg(Vo/MIDNIGHT SUN)を彷彿とさせるハスキーボイスの持ち主でPRIDEサウンドとの相性は抜群です。それに加えてChrisが弾くギターソロは構築美に溢れ、華を添えるだけでなく各曲をワンランク上に押し上げていますね。主要メンバー3人が担う楽曲、ボーカル、ギターというセンターラインがしっかりしているため非常に安定した仕上がりとなっています。

キャッチーなコーラスを配した②Saviour Of A Broken Heart、ゆったりしたメロディが気持ちいいバラード④If It Ain't Loveもさることながら本作のハイライトはアルバム中盤でしょう。瑞々しいメロディが躍動する極上のドライヴィングチューン⑤Hands Of A Healer、重厚かつドラマティックな⑥Hold On、癒しの旋律が聴き手を優しく包む⑦Best Of Meの流れは強力。ちなみに⑥はBALANCE OF POWERとのトラブルの後に初めて書いた曲で、当時のIvanの想いが込められたナンバーだそうです。BALANCE OF POWERは作品を重ねる毎にヘヴィメタル色を強めていったので、本作のような産業ロック/AOR路線を目指すIvanと袂を分かつのは必然だったのかもしれませんね。

メロディアスハードの教科書と言えそうなナンバーがズラリと並ぶので、この手の音楽性が好きな人なら聴いて損はしないと思います。ただし個人的には⑤のような突き抜けたメロディ、わかりやすさがもう少し欲しかったですね。この煮え切らなさがブリティッシュ・ハードロックバンドらしさなのかもしれませんが…。また「ディ〜ス、タァ〜イム♪」というコーラスから唐突に始まる①This Timeが掴みとして弱いのも気になります。僕は名盤2nd「SIGNS OF PURITY」(2003)でこのバンドを知り、その素晴らしさに胸を打たれ後追いで本作を聴いたのでどうしてもセカンドアルバムの方に思い入れが強く、このアルバムに関しては物足りなさを感じてしまうんですよね…。

【音源紹介】
Hands Of A Healer

【現在の愛聴盤】PRIDE「SIGNS OF PURITY」(2003)

  • 2008/07/31(木) 23:20:03

【現在の愛聴盤】
SIGNS OF PURITY
PRIDE「SIGNS OF PURITY」(2003)

このところ、ほんっとに暑くて仕事で外に出ては汗だくになる毎日です。そんな時には爽やかメロディアス・ハードを聴こうということで、PRIDEの2ndアルバムを聴いてます。メインライターIvan Gunn(Key/ex-BALANCE OF POWER)が生み出す愁いあるメロディックな楽曲もさることながら、Chris Green(G)の構築美を感じさせるギターワークと、Matt Mitchell(Vo)甘い響きのあるハスキーボイスに惹かれますね。本作がリリースされた2003年といえば、FAIR WARNINGとTERRA NOVAは解散状態、HAREM SCAREMもかつての勢いがなくなったかなと思ってたので、このアルバムはかなりリピートしてました。メロディアス・ハードの隠れた名盤だと思います。本作を最後に解散してしまい、メンバーに関する情報も入ってこなくなってしまったのが残念ですね。特にChris Greenには再びシーンに戻ってきてもらいたいなぁ。