SYMFONIA「IN PARADISUM」(2011)

  • 2013/06/21(金) 00:00:00

IN PARADISUM
【No.380】
★★★(2011)

契約や金銭面、人間関係がもつれにもつれた結果STRATOVARIUSを脱退して新バンドREVOLUTION RENAISSANCEを誕生させたもののアルバム3枚をリリースしたのみで解散してしまったTimo Tolkki(G)Andre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)と新たに結成したSYMFONIAの1stアルバム。TolkkiとAndreの脇を固めるのは長きに渡ってSTRATOVARIUSの屋台骨を支えてきた実績を持つJari Kainulainen(B/ex-STRATOVARIUS)SONATA ARCTICAでの活動で注目を集めて以降、複数のバンドを渡り歩いてきたMikko Halkin(Key/ex-SONATA ARCTICA etc)GAMMA RAY、HELLOWEENというメロディック・パワーメタルの大御所2バンドでのプレイ経験もあるUli Kusch(Ds/ex-GAMMA RAY、HELLOWEEN、MASTERPLAN etc)という豪華な顔ぶれです。僕のようなメロパワファンにとっては一種のスーパーバンドと言えますが、かつては第一線で活躍していたものの名前を久し振りに聞いた人もいるので冷静になってみると、その当時Tolkkiが声を掛けやすかったメンバーを揃えた感が無きにしも非ずだったりします。

REVOLUTION RENAISSANCEでは、これまでとは異なる音楽性を模索していた印象がありましたが本作はプレイボタンを押した瞬間にメロパワの王道、というかTimo Tolkkiの音世界へと引き込まれます。正直なところ、まんまTolkki在籍時STRATOVARIUSのサウンド(主に5th「EPISODE」~8th「INFINITE」)なのでMatias Kupiainen(G)加入後、ややプログレッシブに音楽性が変わった今のSTRATOVARIUSよりもメロパワファンの受けは良いかもしれません。ただ、いかにもTimo Tolkkiらしい楽曲のオンパレードといってもその焼き直し度がかなり高いんですよね。オープニングの①Fields Of AvalonからしてSTRATOVARIUSのGlory Of The World(「INFINITE」収録)だし、タイトルトラック⑦In ParadisumはSTRATOVARIUSのSoul Of A Vagabond(9th「ELEMENTS PART1」収録)、REVOLUTION RENAISSANCEのRevolution Renaissance(1st「NEW ERA」収録)など、一聴して具体的な曲名が思い浮かぶものもあるほどです。そしてAndreの歌声もSHAMAN時代からそうだったようにANGRAにいた時のような声の透明感は減退しているので、メンバー各人の力が融合して作品に好影響を与えるといったケミストリーは希薄と言わざるを得ません。

そんな気になる点がありつつも(Tolkki在籍時の)後期STRATOVARIUSやREVOLUTION RENAISSANCEに比べると僕好みのサウンドである本作を愛聴しているのも事実で、①以外にもヘヴィなギターリフから始まる③SantiagoやTolkki節全開で高揚感に溢れた⑤Forevermoreなどこの手のバンドに求められる疾走曲はしっかり聴かせてくれるし、Hunting High And Lowタイプのキャッチーメタル、抒情的なメロディが胸に沁みるバラードに長編ナンバーと楽曲のバリエーションも一通り押さえていますね。メロディック・パワーメタルというジャンルが好きで、過去の焼き直しがあっても気にならないなら聴いて損はしないと思います。個人的にはTolkkiがここまで分かりやすいメロパワの世界に帰って来てくれたことが嬉しいし、本家STRATOVARIUSと分家SYMFONIAという形でシーンを盛り上げてくれることを期待していましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。本作リリース後にツアーを敢行したものの、その時点でドラマーのUliは体調不良を理由に不参加、その後にバンドは解散しています。メンバーを見る限り長続きしないかもしれないな…とは思っていましたが予想以上に早い幕切れでしたね。

【音源紹介】
・Forevermore

【CD購入録】SYMFONIA「IN PARADISUM」(2011)

  • 2011/12/03(土) 00:00:00

【CD購入録】
IN PARADISUM
SYMFONIA「IN PARADISUM」(2011)

STRATOVARIUSをゴタゴタ騒動の末に脱退した後、REVOLUTION RENAISSANCEをプロジェクトからバンドに発展させたもののアルバム3枚で解散してしまったTimo Tolkki(G)が新たに結成した新バンドSYMFONIAの1stアルバムを買いました。このバンドの注目ポイントは何と言っても、その参加メンバー。キーパー時代のHELLOWEENでメロディックメタルに魅了され、その後も長きにわたり愛聴している身としてはAndre Matos(Vo/ex-ANGRA、SHAMAN etc)、Jari Kainulainen(B/ex-STRATOVARIUS)、Mikko Halkin(Key/ex-SONATA ARCTICA etc)、Uli Kusch(Ds/ex-HELLOWEEN、MASTERPLAN etc)というメンツは一種のドリームバンドと呼びたくなるほどですね。中身の方もその顔ぶれから想像できるメロパワの王道を行く内容だとは思うのですが、Timoがこれまでに生み出してきた名盤に比べると物足りなさを感じるのも事実。普通に楽しめる手堅い1枚ではあるけれど、このメンバーだからこそのマジックを感じるには至らないというか…。客観的に見れば平均水準以上だとは思うんですけどね。Timoの後任にMatias Kupiainen(G)を迎えた新体制として2枚目、通算13作目となる「ELYSIUM」を発表した本家STRATOVARIUSと比較するとメロパワらしさでは本作、全体的な満足度ではあちらに軍配が上がるという感じです。

(追記)
BLABBERMOUTH.NETによるとTimo Tolkkiが自身のFACEBOOKで音楽業界から引退するかのようなコメントを出しているようですね。STRATOVARIUS在籍時から彼は躁鬱病を患って、その極端な言動は以前から見受けられていたので今回の声明も本心かどうか疑問ですがTimoの今後の動向が気になるところです。