HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)

  • 2013/08/21(水) 00:00:00

LIVING IN YESTERDAY
【No.385】
★★★(2012)

2008年にHAREM SCAREMが解散した後は第一線から身を引き、ソングライター/プロデューサーとして多くのアーティストを手がけるというスタイルで音楽活動を続けてきたHarry Hess(Vo/ex-HAREM SCAREM)の2ndソロアルバム。Harryといえば2010年にFRONTIERS RECORDS主導のプロジェクトFIRST SIGNALでも衰えぬ歌声を披露していましたが、あちらは外部ライターがHAREM SCAREMを意識して書いた曲を歌うことがテーマだったので、Harryのペンによる楽曲で構成されたアルバムとしては解散後初めてということになりますね。1stソロ「JUST ANOTHER DAY」(2003)を9年前にリリースした時はHAREM SCAREMと差別化するためかソロではソフト路線となっていたのに対して、今回はロック色が強調されていて全体的にHAREM SCAREM寄りのサウンドとなっています。

HarryをバックアップしているのはPete Lesperance(G)、Creighton Doane(Ds)、Darren Smith(Ds)といった前作と同じHAREM SCAREM時代の盟友(Peteはベースもプレイ、Darrenはドラムではなくバックコーラスで参加)なので、HAREM SCAREMらしい仕上がりになるのも自然なことだったんだと思います(強いて言えばギターを始めとするバッキングが若干軽いのがバンドとの相違点でしょうか)。上記の基本メンバー以外にもHarryがバンド解散後の活動で築いた人脈から多くのゲストが作曲や演奏面で参加していて、余談ですが本作は英語だとHESS名義となっているのに対して日本語表記では「ハリー・ヘス・アンド・フレンズ」となっています。そんな「フレンズ」の中で僕の目を引いたのは①Living In Yesterdayのギターソロを弾いているMagnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR)⑧I Live For YouをHarryと共作しているFredrik Bergh(Key/STREET TALK、BLOODBOUND)、ギターとキーボードの一部を演奏し⑨I Don't Wanna Want Youの作曲にも参加しているTommy Denander(G/RADIOACTIVE etc)⑩Where To RunでギターソロをプレイしているChris Green(G/ex-PRIDE)ですね。英国のメロハーバンドPRIDE解散後に僕の中で消息不明扱いとなっていたChris Greenのギターを久し振りに聴きましたが、やはり彼は僕好みのプレイを聴かせてくれます。現在はFURYONなるバンドで活動していると知ったのでYouTubeで聴いてみたらメロハーとは縁遠いモダンなヘヴィロック的な音楽性でビックリしました(ギターは素晴らしいのですが…)。

アルバム本編10曲の半数以上がミドル~スローテンポの楽曲で占められている辺りは、自他ともに認める(?)バラードライターHarryのソロらしい作風と言えそうですね。ともすれば、まったりしたアルバムになりがちな本作をメリハリあるものにしてくれているのはキャッチーなボーカルハーモニーによる歌い出しで聴き手の心を掴む①、爽やか系メロハーの王道を行く②Reach For You、後期HAREM SCAREMの作品に収録されてそうなポップロック⑥Nothing Lasts Forever、Harry節が色濃く表れている本作で新鮮味が感じられる数少ないナンバー⑨といったロックソングの充実によるところが大きいと思います。正直なところバンド時代を凌駕しているわけではないし、超名曲が収録されているわけでもないのですがメロディ、歌、アレンジなど様々な面で安心して聴ける1枚ですね。

【音源紹介】
・Living In Yesterday

【CD購入録】HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)

  • 2012/12/09(日) 00:00:00

【CD購入録】
LIVING IN YESTERDAY
HESS「LIVING IN YESTERDAY」(2012)

HAREM SCAREM解散後はソングライター/プロデューサーという裏方にまわり、多くのアーティストを手がけるというスタイルで音楽活動を続けてきたHarry Hess(Vo/ex-HAREM SCAREM)の2枚目となるソロアルバムを買いました。Harryといえば2010年にFRONTIERS RECORDS主導で外部ライターが書いたHAREM SCAREM的な楽曲を歌うプロジェクトFIRST SIGNALでの活動もありましたが、ソロ作となると「JUST ANOTHER DAY」(2003)以来、約9年振りのリリースとなります。本作でHarryをバックアップするのはPete Lesperance(G)、Creighton Doane(Ds)、Darren Smith(Ds)といった前作と同じHAREM SCAREM時代の盟友(Darrenはドラムではなくバックコーラスで参加)に加えて、Magnus Karlsson(G/PRIMAL FEAR)、Tommy Denander(G/RADIOACTIVE etc)といった顔ぶれです。1stソロはHarryらしいメロディが楽しめる良盤ではあったものの大人しめの仕上がりだったのに対して、今回はロック色が強調されているのが個人的には嬉しいし、個々の楽曲に関しても後期HAREM SCAREMのアルバム以上に魅力的なメロディが多いように思います。爽やかなサビメロから始まるオープニングの①Living In Yesterdayはインパクト大で一気に本作に引き込まれました。Harryお得意のバラード系③It's Over、⑧I Live For YouなどHAREM SCAREMを思い出させるナンバーが多い中、⑨I Don't Wanna Want Youはバンド時代にはあまりなかったタイプと言えそうですね。

HESS「JUST ANOTHER DAY」(2003)

  • 2012/11/09(金) 00:00:00

JUST ANOTHER DAY
【No.351】
★★★(2010)

バンド名をRUBBERからHAREM SCAREMに戻してリリースした復活作「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)が好評を博し、イギリスで開催されるメロディックロックの祭典THE GODS FESTIVALにも初出演を果たしたHAREM SCAREMの中心人物Harry Hess(Vo)Pete Lesperance(G)、Creighton Doane(Ds)、Darren Smith(Ds)といった現/元HAREM SCAREMメンバーや地元カナダのプレイヤー達のサポートを受けてHESS名義で発表した初のソロアルバム。ちなみにPeteは全曲に参加していますがHAREM SCAREM色が強くなりすぎてしまうという理由から主にアコースティックギターを担当しているようです。目を引くゲストとしてはEric Martin(Vo/ex-MR.BIG)①Look Right Through Meのバックボーカルで参加していますね(彼が歌っているとわかるのは曲がフェイドアウトする直前ですが…)。HAREM SCAREMでは、そのバンド名が一定のサウンドを連想させるため音楽性にある程度の制約があったことをバンドの歴史が証明しているので、より自由な環境で制作できるソロではどんな音を聴かせてくれるのかと思っていたところ、過去のHAREM SCAREM作品群の中でも今やキャリアの黒歴史となった感のあるRUBBER名義「ULTRA FEEL」(2001)に穏やかで大人びたアレンジを施した作風となっているように思います。

Harry自身が「最も自然に書けるタイプの曲」と語る②Wasted Awayに象徴されるHAREM SCAREM風のメロディがそこかしこで聴ける今回のアルバムと本家の違いを挙げるとすれば、本作の方がよりボーカルオリエンテッドで楽曲の装飾を排除したシンプルな仕上がりとなっている点でしょうか。僕のお気に入り曲はとにかくポップで前向きなフィーリングが心地よい③Everybody、シンプルなアレンジだからこそメロディのフックが浮き彫りになったバラード④Just Another Day、RUBBER期を思い出させるパワーポップ⑧WhyQUEENからの影響を感じさせるボーカルハーモニーをフィーチュアした⑨Miles Awayなどですね。また2nd「MOOD SWINGS」(1993)ではDarrenが歌っていた⑩Sentimental Blvd.をセルフカバーしていて、このアルバムのテイクは91年~92年に録音した音源を基本にしつつ歌とドラムを差し替えたもののようです。Harryが歌う本バージョンも興味深くはありますが、基本的には原曲に近いハードな印象なのでリラックスムードが漂う本作に必要だったのかは疑問が残りますね。

本家と比べるとパンチに欠けるように思いますが、これまでも類稀なるソングライティングのセンスを見せつけてくれていたHarryのソロ作品だけあってどの曲も繰り返し聴きたくなる魅力を持っていますね。日本盤ボーナスながらゆったりしたメロディがアルバムを締めくくってくれる⑪Up Hill Climbもなかなか効果的。ロックソングと呼べそうなのは⑧くらいだし、派手さはないもののメロディがじんわりと胸に沁みる1枚です。それにしても2002年に7th「WEIGHT OF THE WORLD」で復活して以降、同年にライブ盤「LIVE AT THE GODS」、2003年には本作に加えてHAREM SCAREMの初期音源集「THE EARLY YEARS」と新作「HIGHER」の3枚、2004年にはPeteが1stソロ「DOWN IN IT」をリリースするなど、HarryとPeteのワーカホリック振りには驚かされますね。

【音源紹介】
・Just Another Day

【CD購入録】HESS「JUST ANOTHER DAY」(2003)

  • 2010/10/03(日) 00:00:00

【CD購入録】
JUST ANOTHER DAY
HESS「JUST ANOTHER DAY」(2003)

バンド名義をRUBBERからHAREM SCAREMに戻し、日本で人気の高い2nd「MOOD SWINGS」(1993)の質感をも甦らせた復活作「WEIGHT OF THE WORLD」(2002)をリリース後にHarry Hess(Vo/HAREM SCAREM)HESS名義で発表した初のソロアルバムを買いました。HarryがHAREM SCAREM解散後に初めてシーン復帰を果たしたプロジェクトFIRST SIGNALを聴いていて「そういえばHarryってソロも出してたよな」と思いながら中古ショップをブラブラしていた時に見つけたのが本作です。HAREM SCAREMのメインソングライター/シンガーであるHarryのソロ作で、曲によってはバンドの僚友Pete Lesperance(G)Creighton Doane(Ds)も参加していると聞いて予想はしていましたが、HAREM SCAREMっぽいメロディがそこかしこで聴けます。Harry自身「僕が最も自然に書けるタイプの曲」と語る②Wasted AwayなどはHAREM SCAREMのアルバムに収録されていても全く違和感がなさそうですね。相違点を挙げるならHAREM SCAREMからハードな部分を取り除いたリラックスムードが漂っているということでしょうか。ただ本家バンドと比較すると、ちょっとパンチに欠けるかな。ちなみに「MOOD SWINGS」ではDarren Smith(Ds/ex-HAREM SCAREM)が歌っていた⑩Sentimental Blvdをセルフカバーしています。