ROLAND GRAPOW「KALEIDOSCOPE」(1999)

  • 2010/09/13(月) 00:00:00

KALEIDOSCOPE.jpg
【No.255】
★★(2010)

後にMASTERPLANを結成するRoland Grapow(G/HELLOWEEN)が1999年にリリースした2ndソロアルバム。自身がリードボーカルも兼任した前作は歌唱面で少し残念な結果になっていましたが、本作では専任シンガーとして迎えたMichael Vescera(Vo/MVP、ex-LOUDNESS、YNGWIE MALMSTEEN etc)が流石の歌声を響かせてくれています。また演奏陣についてもリズム隊がMarcus Grosskopf(B)、Uli Kusch(Ds)という当時のHELLOWEEN組からBarry Saprks(B)、Mike Terrana(Ds)の元YNGIWE MALMSTEEN組に交代しているだけでなく、これまたYngwieと活動を共にしていた北欧の名手Jens Johansson(Key/STRATOVARIUS)までがゲストとしてプレイしていて、前作に引き続いての参加となるFerdy Doernberg(Key/ROUGH SILK)以外はYNGWIEバンドに在籍した経験を持つプレイヤーで固められています。そんなメンバーを見て、本作は1stアルバムにあったネオクラテイストを更に推し進めた作風になるのかと思いきや、YNGWIE愛を随所に滲ませながらもオーソドックスなメロディックメタル路線となっていますね。

まず僕を惹きつけてくれるのがMichael Vesceraのボーカルです。Vesceraの歌唱を聴くのは彼のソロプロジェクトMVPの「WINDOWS」(1997)以来になるのですが、ハードな曲では力強く、それでいてバラードでは美しく伸びる歌声は本作でも健在です。正統派メタルを表現するのに打ってつけとも言えるシンガーを得たRolandの楽曲が前作以上に魅力的に聴こえる本作は、正統派サウンド路線を象徴する①Walk On Fire、②Under the Same Sunの冒頭2曲、Vesceraの剛柔巧みな歌唱が映える⑥Until The End、逆説的なタイトルが付けられたYngwieが好きそうなインスト⑨Listen To The Lyrics、これまたYngwieっぽいメロパワファン納得のスピードチューン⑩Reaching Higher(⑨と⑩にJensがゲスト参加してソロを披露)など、なかなかの佳曲群が並んでいます。また④A Heartbeat Away、⑧Angel Faceなど前作になかったパワーバラードやアコースティックナンバー⑪Lord I'm Dying、ボーナストラックとしてJOURNEYの名曲カバー⑫Separate Ways(Worlds Apart)もあり曲のバラエティもなかなか揃っていると思います。

シンガーの力量はもちろん、演奏面でもMike Terranaのドラミングが相変わらず僕の心を揺さぶってくれ、サウンドプロダクションもグッとレベルアップしている本作は1stアルバム以上に僕好みですね。無茶な速弾きをすることが減ったとはいえRolandのギターパートに胸が熱くなる場面が少なかったり、退屈に思えるヘヴィチューンが収録されていたりするものの、ツボにはまれば④、⑩のようにハイライトと呼べる楽曲も聴ける本作はギタリストとしてよりもコンポーザーとしての活躍に期待したくなる、良くも悪くもRolandらしい作品だと思います。

【音源紹介】
・Reaching Higher

ROLAND GRAPOW「THE FOUR SEASONS OF LIFE」(1997)

  • 2010/09/04(土) 00:00:00

THE FOUR SEASONS OF LIFE
【No.254】
★(1997)

1989年に加入、2001年に脱退するまで10年以上に渡ってHELLOWEENに在籍し、2003年からはMASTERPLANのリーダーとして活動しているRoland Grapow(G)の1stソロアルバム。Rolandがリードボーカルも務める本作をバックアップするのはMarcus Grosskopf(B)Uli Kusch(Ds)というHELLOWEEN(当時)のリズム隊とFerdy Doernberg(Key/ROUGH SILK)のほか、Axel Rudi Pell(G)Ralf Scheepers(Vo/ex-GAMMA RAY)がゲストとして参加しています。HELLOWEENの6th「MASTER OF THE RINGS」にボーナストラックとしてGrapowski's Malmsuite 1001というインストを収録するなどYNGWIE MALMSTEENファンであることを公言していたRolandらしく、本作はジャーマンメタルにHELLOWEENでは抑えめだったネオクラ色を強めた1枚となっています。

いかにもクラシカルな序曲①Prelude No.1/Prestoに続いて疾走チューン②The Winnerの緊張感ある荒々しいギターリフが流れてきた時点で「お約束だけど、こういう展開は好きだなぁ」と思っていたところにRolandのボーカルが登場!…正直、ズッコケてしまいました。本職はギタリストなので期待はしていなかったのですが、これはやや厳しいですね。他のギタリスト兼シンガーと比較すると「魔女のような声」と言われることもあるKai Hansen(G、Vo/GAMMA RAY、ex-HELLOWEEN)ほどクセのある歌声ではないものの、Christopher Amott(G/ARCH ENEMY)のように声に独特の魅力を感じるわけでもなく、言うなればRolandが敬愛するYngwieの歌に近いという感じでしょうか。全体的にヨレ気味なのが気になるし、オープニングに最適な②もサビの突き抜け感がうまく表現できていないように思えてもどかしさが募りますね。初めてのソロ作品ということでホーカルを兼任することにこだわったのかもしれませんが⑦Searching For Solutionsでゲスト参加しているRalf Scheepersが全曲で歌っていれば、印象も違っていたと思います。

RolandがHELLOWEENでは見せていないようなYNGWIE的プレイを弾きまくって、リードボーカルも担当するという2点が本作の肝だと思うのですが、その両方ともがアルバムの魅力に繋がっていないというのが正直な感想ですね。特に後者は作品の足を引っ張っているのでは?という気もするほど。そんな本作ですがRolandが手がける楽曲は悪くなくて、ソロパートでネオクラファンにはお馴染みの「パガニーニの『奇想曲』」が登場する前述の②や哀愁のメロハー佳曲⑥I Remember、印象的なギターメロディを軸に展開していく⑨Bread Of Charity、⑥のメロディを基にしたアウトロ⑪Finale De Souvenirなどは結構好きなんですけどね。

【音源紹介】
・The Winner

【CD購入録】ROLAND GRAPOW「KALEIDOSCOPE」(1999)

  • 2010/04/16(金) 00:00:00

【CD購入録】
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ROLAND GRAPOW「KALEIDOSCOPE」(1999)

Jorn Lande(Vo)が復帰しての新作「TO BE A KING」(通算4作目)を5月にリリースするMASTERPLANの中心人物Roland Grapow(G/ex-HELLOWEEN)の2ndソロアルバムを買いました。前作はRoland自身のリードボーカルが頼りなく楽曲の良さを活かしきれていない感がありましたが、本作ではMichael Vescera(Vo/MVP、ex-LOUDNESS、YNGWIE MALMSTEEN)が見事な歌唱を披露してくれています。そのMichael以外にもBarry Sparks(B)、Mike Terrana(Ds)、2曲のみのゲスト参加ながらJens Johansson(Key/STRATOVARIUS)と元YNGWIEバンドのメンバーが参加しています。パワーバラード④A Heartbeat Awayやスピードチューン⑩Reaching Higherといった僕好みの楽曲がある反面、あまり心に響いてこないものもあるのでトータルで見ると少し微妙な印象もありますが錚々たるメンバーがバックアップしていることもあって、なかなかに楽しめそうな1枚です。