MILLENIUM「HOURGLASS」(2000)

  • 2010/07/31(土) 00:00:00

MILLENIUM HOURGLASS
【No.248】
★★★★(2000)
年間ベスト2000年第6位

アメリカはフロリダを拠点とするメロディアス・ハードロックバンドMILLENIUMが新ボーカルにJorn Lande(Vo/ex-VAGABOND、THE SNAKES etc)を迎えてリリースした3作目。本作発表当時は「これから注目すべき実力派」として知られていたJornも今や数多くのバンド、プロジェクトを掛け持ちしたり、他のアーティストの作品にゲスト参加しては自分色に染め上げてしまったりとHR/HMシーン屈指のシンガーとなりましたね。その歌唱力はこの頃から既に折り紙つきで、Tod Plant(Vo)が歌った前作「ANGELFIRE」と比べても作品を1ランク~2ランク上に押し上げるその存在感はやっぱり圧倒的です。僕が初めてJornの歌声を聴いたのは本作でした。

MILLENIUMの音楽性がメロディアス・ハードロックであるため大半の曲では伸びやかなクリアトーンで歌い上げているJornですが、③HourglassではTHE SNAKESでも披露していたDavid Coverdale(Vo/WHITESNAKE)風の渋い声を駆使し、センチメンタルなバラード④No More Miraclesを優しさたっぷりに聴かせたかと思えば、ポップさが際立つ⑤Superstar⑥Rocket Rideは明るく快活に歌い、ブルージーな⑦I Will Followでは楽曲の雰囲気にマッチしたムーディーな歌声を響かせていて変幻自在とは正にこのこと。いやぁ、本当に凄いボーカルですね。と、まるでJornがメインのバンドのように書いてしまいましたが、MILLENIUMの中心人物はテクニカルで情感に満ちたギタープレイと素晴らしい作曲能力を見せつけてくれているRalph Santolla(G)です。そのRalphが生み出した超名曲がアルバムのオープニングを飾る①The Power To Loveで、爽やかなアカペラから勢い良く疾走したかと思うと中盤ではピアノ~ギターソロを経てJornのロウトーンボイスで一旦スローダウンした後に飛翔感あるサビを歌い、再び突っ走るというあまりにカッコいい展開を持ったこの曲はMILLENIUM最高の1曲にしてメロディアスハード史上に残る屈指のナンバーだと断言できます。

FAIR WARNINGTERRA NOVAといった同系統のバンドに比べて知名度が低いMILLENIUMですが、本作の完成度はこの手のバンドの中でもトップクラスですね。上手いギターとボーカル、そして抜群のメロディセンスも楽しめる本作はメロディアスハード好きにとってマストアイテムだと思います。①があまりに素晴らしいため、それ以降の曲の印象が薄い気もしますが1曲1曲は聴き応えのある充実作です。最近のRalphはDEICIDEOBITUARYといったデスメタル系バンドでの活動に重きを置いているようですが、是非メロハーの世界に帰ってきて欲しいですね。

【音源紹介】
・The Power To Love