ANDRE ANDRESEN「BLACK ON BLACK」(2002)

  • 2010/05/14(金) 00:00:00

BLACK ON BLACK
【No.235】
★★(2002)

ROYAL HUNTの首領Andre Andersen(Key/ROYAL HUNT)の2ndソロアルバム。前作はROYAL HUNTファミリーを中心に複数のメンバーが参加していましたが今回は実力派シンガーのIan Parry(Vo/ELEGY)を迎え、ギタリストにはROYAL HUNTのデビュー前にWITCHCROSSなるバンドでAndreと活動を共にしていたRene Rieland、ドラマーには1stソロ「CHANGING SKIN」にも参加していたKaj Laegeという固定メンバー(ベースはAndre本人が演奏、バッキングボーカルに前作でリードボーカルを務めた元NARITAKenny Lubckeが参加)で制作されています。肝心の音楽性はファーストソロ同様ROYAL HUNTタイプのメロディックメタルを基本にストリングスやオルガンサウンドが本家以上に使われていて、レイドバックしたハードロック風になったように感じます。ROYAL HUNTとソロの境界線は相変わらず曖昧ですが、考えてみればAndreこそがROYAL HUNTのブレインなのでソロで異なる音楽性になる方がビックリなわけで、その辺はあまり気にしないようにすると結構楽しめますね。

①Coming Home、⑤Life、⑧Sail Awayのようなメタリックな曲から、Andreらしいもの悲しくもキャッチーなミドルチューン②Tell Me Why、本家とは質感の異なるダークなムード漂う④Desperate Time、⑥Black On Blackもありインストもスピーディーな③Arenaとチェロサウンドをフィーチュアした⑦Eclipseの2曲が収録されているので、前作以上にメリハリのあるアルバムになっています。それにしても凄いのはIan Parryのシンガーとしての存在感。こんな優れた歌い手がこのところあまり表舞台に出てこないなんて、本当に勿体無いとしか言いようがありません。

必要以上に曲を長くしたことで間延び感があった前作と比べて今回は長くても6分台とコンパクトにまとまっているしAndreのソロ作品なので一定レベル以上のものではあるものの、本作の収録曲からは彼が過去に生み出した楽曲にあったような圧倒的なインパクトを感じられないように思います。実際、本作よりもROYAL HUNTの過去のアルバムを聴くことの方が多いんですよね。良いアルバムだとは思いながら、のめり込むところまでは至らない1枚という感じでしょうか。あと、前作に負けず劣らずイマジネーションを全く刺激しないジャケットもイマイチですね。

【音源紹介】
・Black On Black

ANDRE ANDERSEN「CHANGING SKIN」(1998)

  • 2010/04/22(木) 00:00:00

CHANGING SKIN
【No.230】
★★★(1998)
年間ベスト1998年第10位

デンマークの至宝ROYAL HUNTのマエストロAndre Andersen(Key)初のソロアルバム。参加メンバーはシンガーにKenny Lubcke(Vo/ex-NARITA)、演奏陣はAndre自身がギター、ベースも兼任しつつ曲によってはJacob Kjaer(G)、Allan Sorensen(Ds)といった現メンバーからKenneth Olsen(Ds)、バックコーラスにHenrik Brockmann(Vo)ら元ROYAL HUNTのメンバーがサポートするというもので、中身の方も本家以上にキーボードパートが多いことを除けばROYAL HUNTのニューアルバムといっても差し支えない叙情メロディが詰め込まれたメロディックメタル作品となっています。

作品自体は当然ながら高品質なのですが参加メンバー、音楽性の両方があまりにROYAL HUNTそのまんまなのでソロアルバムを出す意義があったのかという点と、全6曲で47分という大作志向が効果的ではないという点が気になります。「PARADOX」収録のTime Will Tellのように起伏を持った展開があるならまだしも、ここに収められている楽曲はどれも4~5分にまとめられそう、というよりむしろ短くした方が魅力的に思えるものが多いのが少し残念かな。ROYAL HUNTファンの僕としてはAndreの曲が1曲でも多く聴けるのは嬉しいし、スリリングな疾走チューン②Burning Bridges、Kennyのソフトな歌声を活かしたAOR風バラード③1,000 Miles Away⑤In My Arms、儚さの中に淡い希望を感じさせるメロディが秀逸な⑥Wings Of Tomorrowを筆頭に6曲とも印象的なメロディがあり十分魅力的です。それだけに冗長なアレンジが楽曲の焦点をぼかしてしまっているみたいで、なんとももどかしく感じられるんですよね。

本作リリース後に起きたD.C. Cooper(Vo)解雇事件、それ以降のインタビュー記事でのAndreの発言を総合するとD.C.のソロ活動への対抗意識から、ROYAL HUNT用のマテリアルが本作に使われたのではないかという穿った見方もしてしまいます。②の歌詞なんてD.C.に向けたもの?と思える内容ですしね。そういった当時の裏事情(あくまで憶測ですが)が本作への感情移入を妨げているのかもしれません。とはいえ楽曲自体はAndreらしい流石のクオリティのものが並んでいると思います。またAndreは1999年3月にソロ名義で「IN THE LATE HOUR」という3曲入りシングルをリリースしており、そこにはキャッチーなタイトルトラックIn The Late Hourと⑤のアコースティックヴァージョン、Crying In The RainWHITESNAKEのカバー)が収録されています。当時、D.C.の解雇は正式発表されていませんでしたがこのシングルはAndreとKennyに当時のROYAL HUNTのメンバーを加えたラインナップで演奏され、ブックレットには5人が一緒に写っている写真も掲載されていて後のシンガー交代劇を予感させるものでした。

【音源紹介】
Burning Bridges