【CD購入録】RAGE「THE DEVIL STRIKES AGAIN」(2016)

  • 2016/08/27(土) 00:00:00

【CD購入録】
THE DEVIL STRIKES AGAIN
RAGE「THE DEVIL STRIKES AGAIN」(2016)

15年以上バンドに在籍していた看板ギタリストVictor Smolskiと袂を分かった新生RAGEの第1弾アルバムにして通算22作目(ボーナスディスクとEP「MY WAY」付きの3枚組仕様)を買いました。VictorはリーダーのPeter "Peavy" Wagner(Vo、B)と並ぶRAGEの顔となっていたし、このバンドを聴くようになったのが「UNITY」(2002)からだったので今回の脱退劇はショックでした。しかも、ただの脱退ではなく人間関係が悪化したためPeavyがVictorとAndre Hilgers(Ds/SILENT FORCE)を解雇したらしくファンとしては悲しいですね…。そんな名うてのプレイヤー達の後任に迎えられたのがSOUNDCHASERなるバンドを率いてRAGEのツアーサポートをしたこともあるベネズエラ出身のギタリストMarcos Rodriguez、RAGEのマネージャーだったVassilios "Lucky" Maniatopoulos(Ds)の両名です。ちなみにSOUNDCHASERというバンド名はVictor期RAGEの代表作のひとつ「SOUNDCHASER」(2003)から取っていてMarcos自身も熱狂的なRAGEファンなのだとか。演奏の凄み、知名度のどちらも前任者に及びませんが楽曲の複雑化に伴いキャッチーさが後退していた前作「21」(2012)よりもストレートな作風なので第一印象は良いですね。飛び抜けた楽曲こそないものの冒頭の①The Devil Strikes Again〜④The Final Curtainの流れが気に入っています。

【CD購入録】RAGE「21」(2012)

  • 2012/03/01(木) 00:00:00

【CD購入録】
21.jpg
RAGE「21」(2012)

MIND ODYSSEYなどで活動してきたVictor Smolski(G)がバンド創設者のPeter "Peavy" Wagner(Vo、B)とタッグを組むようになって早10年が経ち、個人的には今の体制こそが理想の形だと思っているドイツのベテランRAGEの21作目を買いました。20th「STRINGS TO A WEB」(2010)がRAGEとしてはかなりキャッチーでとっつき易い印象だったので、即効性では前作に一歩譲る感はあるものの今回もRAGEらしいメタルを展開してくれています。現時点でのお気に入りは③Forever Deadです。先行でPVが公開されていたタイトルトラック②Twenty Oneを聴いてPeavy作かと思っていたらVictorによる作曲でしたね(苦笑)。また本作の国内盤には2010年に行われた来日公演を収録したボーナスCDが付いています。本編よりも1曲多い全12曲入りという時点でおまけの範疇を越えているこのライブCDも新作から初期の代表曲までカバーしていて聴き応えは十分。正式なライブ作に比べると若干音が良くないように思いますが、ボーナスCDとしては文句なしですね。

【CD購入録】RAGE「THE DARK SIDE」(2002)

  • 2010/03/29(月) 00:00:00

【CD購入録】
THE DARK SIDE
RAGE「THE DARK SIDE」(2002)

RAGEの2枚組「THE DARK SIDE」という作品を買いました。といっても正確には「BLACK IN MIND」(1995)と「END OF ALL DAYS」(1996)の2枚がセットになった輸入盤です。フルアルバム2作品が一緒になって、なんと\1,000弱というお買い得価格(中古)で発見したので即ゲットしてしまいました。両方ともボーナストラックを含めて全16曲という長丁場であるため、まだまだ聴き込みが足りないのですが、ざっくりとした印象としては熱くて疾走感溢れるヘヴィメタルサウンドを楽しめる「BLACK IN MIND」、ダークなハードロック的アプローチを見せる「END OF ALL DAYS」という感じでしょうか。

BLACK IN MIND
RAGE「BLACK IN MIND」(1995)
オープニングからガツンとかましてくれる①Black In Mind、2枚組ライブ「FROM THE CRADLE TO THE STAGE」(2004)にも収録されていた名曲④Sent By The Devilのほか、⑩Until I Die⑬Start!などスピードチューンが良いですね。また⑤Shadow Out Of Time、⑥Spider's Web、⑨Foreverなど疾走曲以外でも耳に残るメロディがあるのが好印象。

END OF ALL DAYS
RAGE「END OF ALL DAYS」(1996)
超名曲の②Higher Than The Skyのインパクトがかなり大きいため、それ以外の楽曲のインパクトが薄くなってしまっているような気もしますが、タイトルトラック④End If All Days、⑧Let The Night Begin、⑪Talking To The Dead、⑫Face Behind The Maskなど好きな曲があるのも事実。これからじっくり聴くにつれて印象が変わって来るかもしれません。

どちらのアルバムもやや曲を詰め込み過ぎな感がありますが、なかなか楽しめそうな作品です。特に「BLACK IN MIND」は90年代RAGEの代表作との呼び声高い1枚というのも納得ですね。

RAGE「STRINGS TO A WEB」(2010)

  • 2010/03/27(土) 00:00:00

STRINGS TO A WEB
【No.225】
★★★★(2010)
年間ベスト2010年第7位

ヒネリが効いた良い意味でクセのあるサウンドが特徴的なドイツの大ベテランRAGEが放つ記念すべき20枚目のアルバム。前作「CARVED IN STONE」(2008)はRAGEにしては爽やかで聴きやすい仕上がりとなっていましたが、本作もそんな前作の要素を継承しているように感じられ、中にはメロディを部分的に取り出せばメロハーとしても通用しそうなほど明るくキャッチーな響きを持った楽曲もあるほどです。また、このアルバムは単に洗練性を増しているだけでなくメタルとしてのアグレッション、流麗なギターソロ、タイトな演奏、そして何よりメロディが充実しているのが好印象ですね。

そんな本作を語る上で欠かせないのが5部構成の組曲Empty Hollowです。組曲名を冠した⑤Empty Hollowのフックに満ちた壮大なメロディはインパクト大だし、ジャジーな側面を垣間見せつつガッツリ弾きまくるギター主体の⑥Strings To A Web、優雅な雰囲気すら感じさせる⑦Fatal Graceという2曲のインストとソフトな小曲⑧Connectedを経て、⑤のメインメロディが再登場する⑨Empty Hollow(Reprise)でエンディングを迎える17分に及ぶこの組曲は聴き応え十分ですね。アルバム全体で見ても組曲を軸に明るい曲調の前半、ヘヴィチューンやバラードも楽しめる後半という構成になっています。僕の好きな楽曲は前半に多くて、いかにもRAGEらしいヒネくれたリフワークで始まりサビで一気に明るくなる①The Edge Of Darkness、曲名が連想させるポジティブなイメージにピッタリな「ステッピントゥザ、 ラーアァアァ~イ♪」というサビが光る③Into The Light、メタリックチューンの中でキャッチーなメロディと、これぞVictor Smolskiなギターソロが山場を作り出す④The Beggar's Last Dimeがハイライトですね。一方、後半も従来のRAGE像に比較的近いと思える⑩Saviour Of The Dead、⑫PurifiedAndre Hilgers(Ds)の愛娘への想いを歌詞に乗せたハッピーチューン⑪Hellgirlもあって楽しめますが、終盤にもうひと盛り上がり欲しかったという気もします。

思えば、今やバンドのキーパーソンとなったVictorが加入して10年も経っているんですね。僕はVictor加入後の「UNITY」(2002)以降のアルバムをメインに聴いていますが、本作はその中でも上位に来る1枚で、25年の長きに渡る活動は伊達ではないと思える好盤です。また本作の初回生産限定盤には、母国ドイツを代表するメタルフェスティヴァルWACKEN OPEN AIR 2009からのライブ音源11曲のほか、合計16曲が収録されているライブDVDが付いています。普段はこういったオマケDVD盤はあまり聴かないのですが、このDVDのメインであるWACKEN公演はバンドの25周年を記念したものでHansi Kursch(Vo/BLIND GUARDIAN)、Jen Majura嬢(Vo/BLCK THUNDER LADIES)、Schmier(Vo/DESTRUCTION)がゲスト参加していて大きな見どころとなっています。「オフィシャルブートレッグ」と題されているものの音質はそれほど悪くないし、通常盤との差額が800円なのでお買い得感がありますね。

【音源紹介】
・Into The Light

RAGE「CARVED IN STONE」(2008)

  • 2010/03/21(日) 00:00:00

CARVED IN STONE
【No.224】
★★★(2008)

Peter "Peavy" Wagner(Vo、B)、Victor Smolski(G)、Mike Terrana(Ds)というラインナップがすっかり定着し、バンドも安定期に入ったと思われた矢先、Mikeが突如バンドを脱退(実際は解雇?)してしまったRAGEの19thアルバム。後任ドラマーにはAndre Hilgers(Ds/SILENT FORCE)が加入し、比較的スムーズにメンバーチェンジが行われた印象です。Andreの堅実なドラミングも確かな力量を見せてくれているので、Mike脱退はバンドにとって大きな痛手にはなっていないけれど、やはり独特のグルーヴと重量感は若干ダウンしたように思います。

楽曲の方はというと前作がオーケストラ共演パートの前半とゴリ押し感の強い楽曲が詰め込まれた後半の2部構成というやや実験性の強い作風だったからか、本作は非常にオーソドックスかつストレートな1枚となっています。キャッチーかつパワフルなヘヴィメタルを個性的な声で歌うPeavy、ひねくれたリフとトリッキーなソロワークが持ち味のVictorという2枚看板は本作でも健在ですね。物悲しいイントロから力強い曲調を経て登場する広がりのあるキャッチーなサビメロがたまらない①Carved In Stone、ダークなドライヴィングチューン②Drop Dead!の2曲はアルバムの掴みとしては申し分なしです。パワーバラード⑤Without Youを挟んで続くアルバム後半はハードロック調とも言えそうな⑥Long Hard Road、劇的なアレンジが光る⑩Lord Of Fliesを筆頭に疾走感を抑えたメロディアスな楽曲で占められています。

後半で顕著なように本作はこれまで以上にマイルドでメロディアスな印象が強く、聴きやすくなったRAGEという気がしないでもありません。普遍的な高品質パワーメタルと言えば聞こえはいいのかもしれませんが、裏を返せばRAGE特有のクセや凄みが薄まっているとも言えるわけで、その辺りがちょっと物足りないような気もします。「UNITY」からRAGEを聴くようになった僕がこう感じるということは、個性が強かったと言われる初期RAGEを知っている人の中には「淡白」な作品と感じる人がいるかもしれません。これは全10曲中Peavyだけで作った曲が僅か1曲で、あとの9曲全てにVictorが関わっている(そのうち4曲はVictorの独作)ということが影響してるのかも。そんな不満点を挙げつつも、本作が質の高いパワーメタル作品であることに変わりはないので非常に手堅い1枚だと思います。

【音源紹介】
・Carved In Stone

RAGE「SPEAK OF THE DEAD」(2006)

  • 2010/03/19(金) 00:00:00

SPEAK OF THE DEAD.jpg
【No.223】
★★(2006)

リリース前からRAGEの新作はオーケストラを導入したものになると話題になっていた通算18枚目のアルバム。RAGEが以前にオーケストラ作品をリリースしたことがあるのは知っていたし、今のRAGEにはクラシックに精通するVictor Smolski(G)が在籍してるので、ハズレはないだろうと思ってました。本作はVictorが手がける22分の組曲Suite Lingua Mortisからなる1曲目~8曲目、Peter "Peavy" Wagner(Vo、B)主導のRAGEらしいメタリックチューンズが並ぶ9曲目以降という2部構成になっています。

本作のメインともいえる組曲パートはメタリックな③Innocent、ダークかつミステリアスな⑤No Regrets、美旋律に酔いしれるバラード⑧Beautyという3つのボーカル曲を中心に、目まぐるしくも壮大に展開していくというもので「流石はVictor」と思えるほど聴き応えのある内容です。ただ組曲と聞くと、僕は特定のメインメロディがあってそれを軸に曲が展開するものをまず思い浮かべるのですが、この組曲はRAGEらしい高品質メタル3曲をオーケストレーションで装飾したり、インストを間に挟んだりしてスケール感たっぷりに聴かせる、いわば独立した曲をオーケストラアレンジで繋げたという印象なのが個人的に残念かな。そして、いつものRAGEらしい楽曲がズラリと並ぶ後半パートはアルバム後半1曲目にあたる⑨No Fearに象徴されるように、メロディを聴かせるというよりはガンガン押してくるタイプの曲が多く、RAGEのメロディアスな側面は抑え気味となっているのが特徴です。そんな中にあって爽やかさすら感じさせる⑩Soul Survivorは僕のお気に入りチューンですね。

本作を気に入るかどうかは前半の組曲をどう受け止めるかによると思います。僕の場合、個々の楽曲は好きなのですが、オーケストラと共演したからこその「特別な何か」を感じられなかったので過去2作の方が好みですね。楽曲と演奏については折り紙つきのバンドなので、買って損はしないアルバムだと思います。また本作には日本盤ボーナストラックとして⑪Full Moonの日本語ヴァージョン⑯MICHI-SHI TSUKI(満ちし月)が収録されています。基本的に英詞曲の日本語ヴァージョンはそれほど好きではないのですが、この曲は僕が知っている他の日本語曲、例えばHEAVENLY「VIRUS」収録のSpill Blood On FireROYAL HUNT「PAPER BLOOD」収録のLong Way Home(Acoustic Version)などよりも良い仕上がりだと思いますね。

【音源紹介】
・No Fear

RAGE「FROM THE CRADLE TO THE STAGE」(2004)

  • 2010/03/15(月) 00:00:00

FROM THE CRADLE TO THE STAGE
【No.222】
★★★★(2004)
年間ベスト2004年第5位

2002年発表のアルバム「UNITY」で出会って以来、すっかり僕のお気に入りバンドのひとつとなったRAGEの結成20周年記念2枚組ライブアルバム。本作を買った当時、彼らの作品は「UNITY」と「SOUNDCHASER」しか持っていなかったし、Peter "Peavy" Wagner(Vo、B)、Victor Smolski(G)、Mike Terrana(Ds)という最強のラインナップで過去の名曲群が聴けるのはいいなと、軽い気持ちで買ってみました。ちなみに同じライブ音源(Enough Is Enoughを除く)による2枚組DVDもリリースされていて、そちらの方にはライブの他にPVやインタビュー、レア映像なども収録されていてファンにとっては嬉しい内容になっているようです(僕は持っていませんが)。

流石に20年間もパワーメタル界の第一線で活躍してきただけあって、リーダーのPeavyのパフォーマンスは貫禄たっぷりだし、僕が持っている2作品の楽曲に関してはスタジオ盤でのボーカルメロディをほぼフェイクすることなく歌っています。ただDisc-1⑦Downのサビに関してはPeavyが「See You Going Down~♪」と歌い、観客が「DOWN!」と合いの手を入れるものと勝手に期待していたため、本作のライブアレンジにちょっぴり拍子抜け。とはいえ楽曲そのものはスタジオ盤以上の熱気に満ちています。また、このラインナップの充実振りを物語るかのようにDisc-1⑫Anarchy、Disc-2②Rocket Scienceと題されたMikeとVictorそれぞれのソロタイムがセットリストに設けられているのもいいですね。特にMikeは手数が多いだけでなく、まるでジャグリングのようなステイック捌きを見せつつ一音一音がズシリと響いてくるドラミングが圧巻。改めてMike Terranaというドラマーの凄みを感じました。

当時の最新作「SOUNDCHASER」と同じDisc-1①Orgy Of Destruction~②War Of Worldsで始まる本作は選曲についてもここ最近の2作品の両タイトルトラックを含めてオイシイ曲は押さえているし、2001年以前の曲も強力なものが多いですね。特に好きなのはDisc-1の⑤Sent By The Devil、⑩Days Of December、⑬Enough Is Enough、⑭Invisible Horizons、Disc-2では⑩Don’t Fear The Winter、⑫Higher Than The Skyかな。特にDisc-2⑫は「ハ~イヤァ ザンザ スカァイャ♪ハ~イヤァ ザンザ スカイ♪」とオーディエンスが大合唱していることからも、バンドを代表する1曲であることが窺えます。合計27曲(一部メドレー形式)というボリュームには大満足で、お腹いっぱいになりますね。「UNITY」以前のアルバムをほとんど知らない僕がいうのもなんですが、RAGEのベスト盤としても機能するんじゃないでしょうか。RAGEのアルバムは数が多すぎて何から聴いていいのかわからない人は、まずこの2枚組ライブを試しに聴いてみるといいかもしれません。実際、僕も初期RAGEの作品を聴きたいと思っていましたが、本作があれば全部揃えなくてもいいかなと思ってます。

【音源紹介】
・War Of Worlds(Live)


・Anarchy(Drum Solo by Mike Terrana)

RAGE「SOUNDCHASER」(2003)

  • 2010/03/07(日) 00:00:00

SOUNDCHASER.jpg
【No.221】
★★★(2003)

一時は中心人物Peter "Peavy" Wagner(Vo、B)を除くメンバー全員がバンドを離脱し、大きな危機に直面したもののVictor Smolski(G/ex-MIND ODYSSEY)Mike Terrana(Ds/ex-YNGWIE MALMSTEEN、ARTENSION)を迎えて、見事な復活を果たしたRAGEが新体制になってからの3作目。今回も傑作だった前作「UNITY」と同じくバンド史上最強との呼び声高いトリオ編成、プロデューサーはHELLOWEEN、BLIND GUARDIAN、ANGRA等も手がけたCharlie Bauerfeindという顔ぶれで制作されています。

雷鳴轟くSEからテクニカルインストに繋がるエクセレントな序曲①Orgy Of Destructionから間髪入れずに繰り出される②War Of Worldsを筆頭に、MEGADETHを連想させるスラッシーなサウンドと欧州パワーメタルを融合したRAGEらしい楽曲が続きます。中でもスリリングなリフで押し寄せてくるタイトルトラック④Soundchaser、早口でまくし立てるように歌うサビで曲がスタートする攻撃性むき出しの⑤Defenders Of The Ancient Lifeが良いですねぇ。個性的でセンスあるギターフレーズのみならず作曲クレジットを見ても、もはやRAGEのメインソングライターと言っても差し支えないほどの活躍を見せるVictorの存在感が益々大きくなってきています。バッハをアレンジしたボーナストラック⑫Fugue No.5 In D Majorも彼らしいですね。

ただ、疾走曲をメインにミドルテンポの楽曲を効果的に挟み込むというアルバム構成だった前作と比べて、本作はスピーディーでわかりやすい曲を並べた前半と、ヘヴィチューンやミドルを中心とした後半とはっきり分かれているので⑤までのような勢いある曲が後半にも欲しかったかな。といいつつ、ミステリアスな⑦Flesh And Blood、「メットゥ!」と合唱せずにいられない⑧Human Metalなんかは結構お気に入りだったりします。アルバムトータルとしても前作で膨らんだ期待を裏切らない内容で、ヘヴィで濃厚な曲調の中でキャッチーなメロディが光るRAGEメタルが堪能できる力作です。

【音源紹介】
・Soundchaser

RAGE「UNITY」(2002)

  • 2010/03/01(月) 00:00:00

RAGE UNITY
【No.220】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第8位

HELLOWEENとはまた異なった音楽的魅力を持つドイツのベテランRAGEのたぶん16枚目のアルバムです。これまでRAGEは僕の中で良くも悪くも「通好みのバンド」というイメージが強く敬遠していたのですが、前作からVictor Smolski(G/ex-MIND ODYSSEY)Mike Terrana(Ds/ex-YNGWIE MALMSTEEN、ARTENSION)という華のあるプレイヤーが加入したことと、BURRN!誌のレビューで「今までRAGEを聴いたことがない人にも本作はオススメ」みたいなことを書いてあったので、本作でRAGEを初体験してみることに。これが予想以上の好盤で、パワフルかつヒネリを加えた変則的なリフワーク、キャッチーで耳に残るサビと堂々たるメジャー感を備えた楽曲の数々は、僕が抱いていたRAGE像よりも遥かにとっつき易い印象です。

日本盤ボーナストラックを含めて全12曲の大半がアグレッシブな疾走曲というのが嬉しいですね。中でも重戦車のようなイントロから分厚いコーラスへ至る展開が印象的な①All I Want、ダークな曲調の中で明るいサビメロが映える②Insanity、「DOWN!」という歌いどころ(叫びどころ)を設けた③Down、緩急のつけ方が絶妙な④Set This World On Fireという序盤4曲の畳み掛けが強力!その一方でオペラティックなコーラスで独特なメロディを歌う⑤Dies Irae、インスト小曲⑦Shadowsの旋律を引き継いだ美しいサビとヘヴィなリフの対比が見事な⑧Living My DreamDREAM THEATERを彷彿とさせるテクニカルインスト⑪Unityもあるので作品全体がダイナミズムに溢れているのも高ポイント。

優れたメロディセンスとドスの効いた力強い歌声を響かせるバンドの顔Peter "Peavy" Wagner(Vo、B)、切れ味とパワーを兼ね備えたドラミングが冴えるMikeもさることながら、本作の主役はギタリストVictorですね。Steve Vaiを思い起こさせるギターサウンドでテクニカルに弾きまくる彼のギタースタイルは②のソロではトリッキーに、⑩You Want It, You'll Get ItではまるでYNGWIEなネオクラシカルにと変幻自在。それだけでなくクラシックの素養を活かしたキーボード、オーケストラアレンジまでこなす彼の貢献なくして、本作の高い完成度はあり得なかったと思えるほど。このアルバムは本当に質が高く、初めてこのバンドの音に触れた僕に本作以降のRAGEの作品を買わせるだけのインパクトを持っています。僕にとってのRAGE入門盤にして、バンドの最高傑作アルバムですね。

【音源紹介】
・Down

【CD購入録】RAGE「STRINGS TO A WEB」(2010)

  • 2010/02/26(金) 00:00:00

【CD購入録】
STRINGS TO A WEB
RAGE「STRINGS TO A WEB」(2010)

ドイツの大ベテランRAGEの通算20作目となる最新作を買いました。2002年の発表の「UNITY」からRAGEを聴くようになった僕は、最初に聴いた作品ということもあり「UNITY」こそがバンドの最高傑作だと思っていましたが、本作はそれを超える1枚かもしれません。とにかくメロディがキャッチーで耳に残ります。前作辺りからその片鱗を見せていた爽やかな作風と細部まで練りこまれたRAGEらしいサウンドのバランスが絶妙です。アルバム中盤にどっかと腰を下ろしている5部構成の組曲Empty Hollowを核としたアルバム全体の流れもお見事!また僕は今回DVD付きの初回生産限定盤を買ったのですが、このDVDがまた素晴らしい。一部収録曲が重複していたり音質が悪いものもあったりしますが、母国ドイツを代表するメタルフェスWACKEN OPEN AIR 2009からのライブ音源11曲など、合計16曲も収められています。これだけのDVDがついて通常盤との差額がたった800円なので、お買い得感がありました。しかもWACKENでのライブはバンドの25周年を記念したものだったらしくHansi Kursch(Vo/BLIND GUARDIAN)、Jen Majura嬢(Vo/BLACK THUNDER LADIES)、Schmier(Vo/DESTRUCTION)がゲスト参加していて大きな見どころとなっています。BLACK THUNDER LADIESというバンドは知りませんでしたが女性ボーカルJen Majuraは前作「CARVED IN STONE」収録のLord Of FliesのレコーディングとPVにも参加していたようでライブでもその曲を共演しています。また今回初めて見たSchmierは声やステージングにカリスマ性を感じさせますね。そして何といっても驚いたのがHansiです。黒いTシャツと黒ズボンという人気メタルバンドのフロントマンらしからぬファッションもさることながら、髪をバッサリ切ったその姿に一瞬「誰これ?」となってしまいましたよ。白髪混じりの短髪となったHansiは少しぽっちゃりした俳優ジョージ・クルーニーのようでした。そういえばVictor Smolski(G/RAGE)って俳優の役所 広司さんに似てませんか?そう思うのは僕だけでしょうか。