THE AGONIST「LULLABIES FOR THE DORMANT MIND」(2009)

  • 2009/11/13(金) 00:00:00

LULLABIES FOR THE DORMANT MIND
【No.197】
★★★★(2009)

青髪のフィーメル・ボーカリストAlissa White-Gluz(Vo)擁するカナダ出身のメロディックデス/メタルコアバンドTHE AGONISTの2ndアルバム。まずはバンドの看板シンガーであるAlissaのボーカルパフォーマンスが凄いです。これまで女性メタルシンガーというと正統派タイプのKimberly Goss(Vo/SINERGY)Marta Gabriel(Vo/CRYSTAL VIPER)、何でも歌いこなす器用さと抜群の表現力を誇る黒猫(Vo/陰陽座)、僕が初めて知った女性デスメタルシンガーAngela Gossow(Vo/ARCH ENEMY)、清らかなソプラノボイスの持ち主Tarja Turnen(Vo/ex-NIGHTWISH)などがお気に入りだったのですが、このAlissaは完全に規格外の歌い手です。ちょっぴり可憐で切ないノーマルボイスから男性顔負けのグロウル、鬼気迫る金切り声までこなす彼女は女性版Christian Alvestam(Vo/ex-SCAR SYMMETRY)と称したくなりますね。

そんなAlissaに負けじと要所で見せ場を演出するギタリストDanny Marinoも良い仕事をしてくれているし、圧倒的な手数足数で叩きまくるドラマーSimon McKayとそこに絡むベーシストChris Kellsのリズム隊も凄まじいの一言。個々のメンバーが持てる力を全て出し尽くしているかのような圧力で繰り出されるのは、メロデスを基盤にテクニカル/プログレ的な展開、メロディックメタル調、ゴシカルなムード、クラシックなど幅広い要素を含んだ楽曲の数々です。凶暴さと暴虐性の中に優美なフレーズが潜んでいる冒頭2曲に続く③Thank You, Pain.が僕にとってのハイライト。本作の中でもメロディックメタル寄りでわかりやすいメロディを持つこの曲は間違いなく今年のベストチューン候補ですね。メロディック・メタルサイドの楽曲としては⑥Martye Artも輝きを放っていて、これまた秀逸なばかりかエンディングのギターソロが泣けます。アグレッシブに押し寄せて来るナンバーが多い本作にあって絶妙のアクセントとなっているのが、チャイコフスキーの有名曲をカバーした⑧Swan Lake(A Cappella)です。この曲はAlissaのボーカルだけで構成されていて、ジャケットのイメージそのままに幽玄なムードを醸し出してくれていますね。そんなクラシック曲以降の作品終盤もノリのいいギターがグイグイ曲を引っ張っていく⑨The Sentientから起伏に富んだ本編ラスト⑪Chlorpromazineまで隙がありません。また日本盤ボーナストラックとして収められているDARK TRANQUILLITYのカバー⑫Monochromatic Satinsについても、オリジナル曲は知りませんがTHE AGONIST色で染め上げられています。

僕は元々メロデス系をそれほど熱心に聴いているわけではなく、このジャンルでは流麗なツインリードで泣かせるARCH ENEMY、ネオクラシカルフレーズが乱舞する(最近はそうでもないけど)CHILDREN OF BODOM、グロウル/クリーンボイスを巧みに使い分けるSOILWORKとその方法論を更に推し進めたSCAR SYMMETRYなど、メロデス+αの魅力を持っているバンドが好きなのですが、このTHE AGONISTの個性に関しては文句のつけようがありません。ブルータルなメタルにシンフォ/ゴシックアレンジを施して絶妙な緩急をつけた楽曲の上でAlissaの美しさと獣性が共存するボーカルが躍動しています。2009年当初はその名前すら知らなかったTHE AGONISTは今年最大級の掘出物バンドですね。

【音源紹介】
・Thank You, Pain,

【CD購入録】THE AGONIST「LULLABIES FOR THE DORMANT MIND」(2009)

  • 2009/07/31(金) 00:00:00

【CD購入録】
LULLABIES FOR THE DORMANT MIND
THE AGONIST「LULLABIES FOR THE DORMANT MIND」(2009)

相互リンクさせていただいているKALI YUGA さんのブログ「メタルな世界@嬢系」など、嬢メタルを取り扱ってらっしゃるブログ様を中心に、それ以外のブログ/サイト様でも高く評価されているカナダ出身のメロディックデス/メタルコアバンドTHE AGONISTの2ndを買いました。まだ数回聴いただけですが、これは色んなところでの高評価にも納得の1枚ですね。まずはこのバンドの看板シンガーであるAlissa White-Gluz嬢(Vo)のボーカルパフォーマンスが凄い。僕が知っている女性メタルシンガーというと、黒猫(Vo/陰陽座)、Angela Gossow(Vo/ARCH ENEMY)、Marta Gabriel(Vo/CRYSTAL VIPER)、Tarja Turnen(Vo/ex-NIGHTWISH)、Kimberly Goss(Vo/SINERGY)など、クリーン(またはソプラノ)ボイスかデス声のどちらかで歌う人ばかりでしたが、このAlissaはノーマルボイスから普通のバンドなら男性ボーカルが担当しそうなグロウル、金切り声まで1人でこなしてしまってます。しかも、アグレッシブなボーカルが男性顔負けの迫力で恐れ入りました。そんなAlissaに負けじと要所で見せ場を演出するギタリストDanny Marinoもさることながら、ドラマーSimon McKayの叩きっぷりが圧巻ですね。そして楽曲の方もメタルコアと北欧メロデスを基盤にテクニカルな展開、メロディックメタル調、ゴシカルなムード、クラシックなど幅広い要素を含んでいます。僕が最初に惹きつけられたのは、③Thank You, Pain、⑥Martyr Artといったメロディックメタル寄りの楽曲だったのですがリピートするうちに、どんどんTHE AGONISTの深みにはまっていきそうな予感です。