TRYBECCA「つばめの巣のスープ」(1997)

  • 2009/03/24(火) 08:09:27

つばめの巣のスープ.jpg
【No.116】
★★★★★(2007)

1997年当時、ZIGGYと袂を分かっていた松尾 宗仁(G/ZIGGY、THE PRODIGAL SONS)が、B’zなどのコーラスワークで活躍していた女性シンガー高樹 リオと組んだポップロックユニットTRYBECCA(トライベッカ)のデビュー作にして唯一のアルバム。全ての楽曲が松尾の作曲、高樹の作詞という形で手がけられています。2002年にZIGGYにのめり込んでから、各メンバーの過去のソロ活動、サイドプロジェクトもチェックしていく中で発見した本作は既に廃盤となっているのが信じられないほど素晴らしい1枚です。

冒頭の3曲がどれも明るく快活なイメージのポップチューンで、どこかJUDY AND MARYっぽさも感じられる楽曲だったので、その路線で最後まで行くのかと思いきや、④「僕は100人並みさ」以降は、明るいポップソングの枠を超えた深みのあるメロディ満載のミドルチューンもあり、すっかりはまってしまいました。中でも、高樹が敬愛するJanis Joplinへの想いを歌い上げるバラード⑤「ならずもののヒーローへ」は感動必至の名曲です。その高樹の声はアクの強くない椎名 林檎のようで、どこか可愛らしさを感じさせる魅力的な声をしていて歌唱力、表現力ともに十分だし、彼女の書く歌詞世界が独特でグイグイ引き込まれていってしまいます。

渋いロックンロールという方向性に向きつつある最近のZIGGYにおいて、バンドの主導権を握っていると思われる松尾の今の音楽的趣向とは明らかに異なるポップでキャッチーな楽曲を聴いてると、こんな僕好みの音楽を作る人でもあったんだと嬉しい驚きがありますね。松尾自身が話しているように本作ではギタリストというよりはソングライター、コンポーザーとして曲に合ったギターを弾くことに徹しています。そんな中、アルバムラストの⑪「人間中毒」で弾きに弾きまくっている松尾のギタープレイが一際魅力的に響いてきます。アルバムとしては、どこを切っても僕好みのメロディがぎっしり詰まっていて1曲1曲のインパクトがハンパではない名盤です。こんな素晴らしいアルバムが廃盤とは…。

【音源紹介】
・ごめんなさい。本作の音源を見つけられませんでした。