【CD購入録】THE PRODIGAL SONS「非常ベルが鳴り止まない」(2009)

  • 2009/08/28(金) 00:00:00

【CD購入録】
非常ベルが鳴り止まない
THE PRODIGAL SONS「非常ベルが鳴り止まない」(2009)

現在、無期限の活動停止状態にあるZIGGYの中心人物、松尾 宗仁(G)森重 樹一(Vo)がブルージーなロックンロールを追求するバンドTHE PRODIGAL SONSの2ndアルバム(初回限定盤)を買いました。ZIGGYが活動中の頃から存在していたTHE PRODIGAL SONSですが、ZIGGYが休止してからは本作が初めてのアルバムであり、正式な5人編成バンドとなってからも第1作目にあたります。普段はキャッチーなメロディとわかりやすさが希薄なこういうバンドはあまり聴かないのですが、たまにはこういうサウンドも良いですね。 THE PRODIGAL SONSのバンマスは松尾だということはわかっていても、やはり最初に僕の耳が惹きつけられるのは森重の歌であり、彼が歌い上げる言葉です。メロディにおける森重節はここにはありませんが、深みがあって耳に残る歌詞は紛れもない森重節です。タイトルトラック①「非常ベルが鳴り止まない」を筆頭に③「悪くない風に身を任せて」、⑥「自分を棚に上げたら」、⑧「まっぴらさ」、⑩「傘が無いのなら濡れて歩けばいい」など、曲名を見ただけで聴いてみたいと思ってしまいます。中でもお気に入りはカントリーっぽい雰囲気もある⑩ですね。即効性はあるとはいえないけれど、メンバー全員が40~50代という酸いも甘いも知り尽くしたベテランならではの味のある楽曲、演奏、歌詞を堪能できる1枚といえそうです。

THE PRODIGAL SONS「夜が終わる頃に」(2006)

  • 2009/03/22(日) 11:12:12

夜が終わる頃に
【No.114】
★★★(2008)

2007年いっぱいをもって、無期限の活動休止を宣言してしまったZIGGY森重 樹一(Vo)松尾 宗仁(G)が、ZIGGY活動中の2006年に結成した新ユニットTHE PRODIGAL SONS初のフルレンス・アルバム。2002年以降のZIGGYにおいて全ての楽曲を書いている森重と松尾の2人がなぜ別のユニットで一緒に活動をしているのかと疑問に思いましたが、その答えは本作のサウンドに如実に表れていますね。

個人的にZIGGYというバンドの曲は、ざっくり分類すると以下の4タイプになると考えています。

【1】ハイテンションでエネルギッシュなハードロック
(例:「マケイヌ」、Heaven And Hell、Go To Brazes!など)

【2】一度聴いたら耳から離れない歌謡曲風のキュートなメロディ(いわゆる森重節)が光るポップ、ロックンロール曲
(例:Gloria、「誓い-放浪者の丘の静けき夜-」、「夢見る頃を過ぎても」、「ムラサキノチョウタチヨ」など)

【3】豊潤なメロディを聴かせるバラード
(例:「この空の下のどこかに」、「世界の果てまで」、My Loveなど)

【4】シブくて土臭いブルーズロック
(例:「ウヰスキーと混沌(CHAOS)」、Happy Birthday、「もぬけのから」など)

【1】にも森重節は存在するので、【2】との明確な線引きが難しいのですが…。

活動休止宣言後の森重の発言を読んでると、要は松尾とは【1】や【2】タイプの楽曲は一緒にできない(松尾がやりたがらない)けれども、【3】とか【4】の方向性ではウマが合うということなんだと思います。そんな2人に共通する音楽的嗜好であるブルージーなロックサウンドを追求したのが本作といえそう。僕はZIGGYのアルバムに収録されてたブルージーな曲は苦手だったので、このバンドは守備範囲外だと決め付けていましたが、良い評判を耳にしていたので、いざ聴いて見るとこれが思いのほか良い感じです。

はっきり言って僕の大好きな森重節は本作にはなく、アルバムのっけから①「ウラとオモテ」、②「真白な闇の中 壊れかけちゃいないかい?」というブルージーソングで始まるんだけど、メロディ自体はすんなり耳に入ってきます。他にもロックンロール調の③Gotta Get Out、ゆったりとしたバラード⑧「世界はまだ俺を待っている」や、リラックスムード漂うアコースティックソング④「夜が終わる頃に」、⑩Greedなど、ZIGGYとしても使えそうな曲もあり楽しめます。そんな本作のハイライトはシブいブルーズロック⑤「あとは野となれ山となれ」から、内省的な雰囲気の中で森重が重みのある歌詞を切実に歌い上げる⑥So Sadへと続く中盤ですね。若さ漲るエネルギーといったものではなく、経験を重ねたミュージシャンのみが纏うことのできるオーラと懐の深さが楽曲の端々から滲み出ていて、月並みな表現ですが「大人のロック」という言葉がしっくりくる作品となっています。

今にして思えばZIGGYの現時点でのラストアルバム「NOW AND FOREVER」で感じた違和感は、THE PRODIGAL SONSの音楽性をZIGGYに持ち込み過ぎたのが原因ではないかと。ZIGGYの作品という色眼鏡を取っ払って「NOW AND FOREVER」と対峙してみると悪くないし、あのアルバムはTHE PRODIGAL SONSの作品として捉えた方が自然に思えるほどです。ただ、本作の方がより男の色気というか、成熟振りが感じられる深い作品で好きですね。わかりやすいアルバムとは言えないけれど、実に味わいがあって何度も聴きたくなる1枚です。ZIGGYの名の下に、松尾の趣味を色濃く反映させた「NOW AND FOREVER」のような作品を作り続けるよりは、あえてZIGGYの名を封印してブルーズ路線をTHE PRODIGAL SONSで、ハイパーなハードロックをTHE DUST’N’BONEZで追求するというバンド(というか森重)の決断は正解だったと思います。いつかZIGGYとして復活して欲しいという気持ちは持ち続けていますけどね。

以上、「GOLIATH BIRDEATER」以降の作品からZIGGYファンになった男の放談でした。

【音源紹介】
・ごめんなさい。本作の音源を見つけられませんでした。

【CD購入録】THE PRODIGAL SON「LOVE ME LIVE」(2008)

  • 2008/12/25(木) 08:17:35

【CD購入録】
PRODIGAL SONS LOVE ME LIVE
THE PRODIGAL SON「LOVE ME LIVE」(2008)

ZIGGYが活動を休止する前は松尾 宗仁(G)森重 樹一(Vo)のサイドプロジェクトとして活動し、2008年に入って本格的なバンドとして動き始めたTHE PRODIGAL SONSのライブ盤を買いました。「THE PRODIGAL SONSのバンマスは松尾」と森重が語っている通り、サウンドの方も松尾の趣味を色濃く反映した現時点でのZIGGY最新作「NOW AND FOREVER」を更に推し進めたブルーズロックです。ミニアルバム「いびつな宝石」とオリジナルアルバム「夜が終わる頃に」しか出していない状況でライブアルバムとは時期尚早な感じですが、バンドの色々な事情もあるんでしょうね。スタジオ盤の既発曲8曲と新曲2曲の計10曲という構成です。森重のボーカルがやや引っ込み気味なのが残念ですが、ZIGGYとは違う歌い方やしゃがれ声を駆使した味のあるボーカルと円熟味のある演奏が生み出す大人のロックがカッコいいですね。本作は一般流通はしておらず、ライブ会場、バンドオフィシャルサイトまたはディスクユニオン限定での販売とのことです(僕はディスクユニオンで注文しました)。スタジオ盤2作品は一般CDショップでも買えるので、「JUST A ROCKIN' NITE」以降のZIGGYや渋いブルーズロックがお好きな方はよろしければどうぞ。往年のZIGGYや森重節、THE DUST'N'BONEZとは一味違うサウンドです。