SENTENCED「FUNERAL ALBUM」(2005)

  • 2009/02/27(金) 08:16:31

FUNERAL ALBUM
【No.104】
★★★★(2005)
年間ベスト2005年第5位

このアルバムを最後に解散を宣言したフィンランドの慟哭メタルバンドSENTENCEDの8作目。自らを葬送するアルバムというユニークな位置づけの本作は、「葬送」という言葉とはおよそ不似合いなほど、ノリが良くロックした作品となっています。①May Today Become The Day、②Ever Frost、⑦Vengeance Is Mine、⑪Drain Meなど、SENTENCED特有の泣きメロを心地よい疾走感に乗せて聴かせるその姿はまるで、このアルバムで解散するバンドの最後の力を振り絞り、この1枚にエネルギーを詰め込んだかのよう。その有り余るエネルギーは真性デスメタル調のインスト⑤Where The Waters Fall Frozenにも表れてますね。

そんなエネルギッシュなイメージを持たせつつも、やはりこの作品全体を覆っているのは、マイナー調のもの悲しいメロディと、それを男臭い悲壮感すら漂わせながら歌うVille Leihiala(Vo)の歌唱ですね。格段に上手いシンガーではないんだけど、彼の声にこめられたエモーショナルなフィーリングは他のシンガーからは感じられない「何か」があります。特にブルージーに始まり後半に疾走する⑥Despair-Ridden Heartsでのパフォーマンスが素晴らしい。そして、このアルバムを語る上で欠かせないのが「あぁ、やはりこのバンドは最期を迎えるんだ…」と感じずにはいられないアコギによる短いインスト⑫Karuから⑬End Of The Roadへの流れ。悲しげな歌い出しからSENTENCEDを葬る泣きに満ちたギターソロへと続く⑬は本当に泣けます。

あえてバンドの絶頂期に解散を決断したSENTENCED。僕は前作からリアルタイムで彼らの音楽を聴いているだけなので、生粋のファンとは言えないですけど、この素晴らしい作品を残して去る彼らに拍手を送りたいですね。ただ、こういうアルバムだからこそ日本盤ボーナストラックの2曲(既発曲のライブ)はない方が良かった…。

バンドのメインソングライター/ギタリストのMiika Tenkulaが2009年2月19日に34歳の若さでこの世を去りました。ソースはこちら
Miika、素晴らしい音楽をありがとう。R.I.P

【音源紹介】
・End Of The Road(Live)

2枚組DVDにもなったSENTENCEDのラストライブからのテイクです。

SENTENCED「THE COLD WHITE LIGHT」(2002)

  • 2009/02/26(木) 08:24:05

THE COLD WHITE LIGHT
【No.103】
★★★★(2002)
年間ベスト2002年第4位

「自殺メタル」「鬱メタル」など他に類を見ない呼び方をされることもあるフィンランドの大御所バンドSENTENCEDの7thアルバム。「とにかく暗く哀しい」という前評判から、どんなダークでヘヴィな世界が繰り広げられているのかと思いきや、中身の方は美しいメロディをメランコリックに奏でるヘヴィメタルでした。とはいっても、楽曲から滲み出る哀感はハンパじゃないし、Ville Laihiala(Vo)の感情を振り絞りながら歌うボーカルには強い哀しみが宿っていて何とも言えない悲壮感が胸に突き刺さってきます。

速さ、激しさという点では最近のメロパワバンドの方がずっと速くアグレッシブで、本作の中でアップテンポと言えそうなのは②Cross My Heart And Hope To Die、④Neverlasting、⑥Excuse Me While I Kill Myselfくらいなので、今のサウンドからはSENTENCEDがかつてはデスメタルバンドだったということが想像できないほどですけど、楽曲の端々には攻撃性が潜んでいます。ただ、楽曲のアグレッション、ノリの良いロックフィーリングと物悲しい旋律のバランスが絶妙で、SENTENCEDでしか味わえないであろうメランコリックサウンドが展開されています。その哀感は⑧You Are The One、⑪No One Thereといったバラードでは更に強力になっていて、胸を締め付けてくれます。男の哀しみを声で見事に表現するVilleの歌声と泣きのフレーズをビシバシ決めてくれるギターチーム、そして正式メンバーはいないものの非常に使い方の上手いピアノサウンドが感動を増幅させる大きな要因となっています。

本作はバラエティに富んだ作品というわけではありませんが、作品全体を深みのあるウェットなメロディが覆っていて、すっかりSENTENCEDはすっかり僕のお気に入りバンドとなりました。歌詞面もダークで絶望的な感情を歌っているものが多いですが、このバンドならではのウィットが効いていてシリアスになり過ぎる一歩手前で踏み止まってます。海洋生物の鳴き声にアコギで奏でられるフィンランド民謡の旋律が重なるイントロ①Konevitsan Kirkonkellotに始まり、⑪のラストをその海洋生物が断末魔をあげているかのような鳴き声で締めることで作品としてのまとまりが向上してるのもいいですね。僕にとってのSENTENCED入門アルバムは本作です。

バンドのメインソングライター/ギタリストのMiika Tenkulaが2009年2月19日に34歳の若さでこの世を去りました。ソースはこちら
Miika、素晴らしい音楽をありがとう。R.I.P

【音源紹介】
・Excuse Me While I Kill Myself