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SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」(2015)

  • 2019/09/01(日) 00:00:00

Scrambled Colors
【No.534】
★★★★★(2015)
年間ベスト2015年第1位

LIGHT BRINGER、ART OF GRADATIONで類稀なるメロディセンスを発揮していたKazu(G、Vo)TEARS OF TRAGEDYの女性ボーカルHaruka、元CROSS VEIN〜OCTAVIAGRACEYouske(B)と立ち上げたポップロックバンドSCRAMBLED SOUL CIRCUSの1stにして唯一のアルバム。当初は3人によるユニットとして活動、そこにSeiya(G)、Satoru(Ds)という元LIGHT BRINGER〜ART OF GRADATION組が加わったことでバンドへと発展し、SCRAMBLED SOUL CIRCUSという名前もその頃に決まったそうです。アルバム発表時には残念ながら脱退しているもののReanne(Key/ART OF GRADATION)も在籍していたようなので、アルバム1枚のみで解散してしまったART OF GRADATIONの別形態または発展形と呼んでいいのかもしれません。

サウンド的にはART OF GRADATION以上にHR/HM度は減退していて、より幅広い層にアピールできそうなハードポップとなっていてLIGHT BRINGERとの共通点は少ないですね。⑨「ハミング♪」のメロディに壮大なアレンジを施した序曲①Scrambled Soul Orchestraから勢いのあるギターで幕を開ける②「旅立ちの唄」でアルバムはスタート。爽やかなピアノの音色と共に駆け抜ける③”Shiny、先行でMVも制作された④WIND!!と、ここまではポジティブな雰囲気に溢れた楽曲が続きます。ちなみに④はART OF GRADATION「CONCENTRATION」(2013)収録の名曲SKY!!に通じる世界観がありますね。ここまでの軽やかな曲調から一転して⑤Hide myselfは重厚かつシンフォニックなナンバーで翳りのあるメロディが素晴らしいし幻想的なアコースティックバラード⑥「オリオンの夜」、本作で最もハードな
⑦Re:START
、タイトルからして③と対になっていることを感じさせる哀愁のミドル⑧Shade"と続く流れは強力です。終盤も明るいメロディが弾ける⑨、作品の締めくくりに相応しいスケール感がある⑩「Dream State~親愛なる仲間達へ~」も含めてKazuのメロディが好きな僕の期待にしっかりと応えてくれる1枚となっています。

そんなKazuが生み出す珠玉のメロディを歌うHaruka嬢の存在も大きいですね。Fuki(Vo/LIGHT BRINGER)のような圧倒的なパワーはありませんが声そのものに宿る翳りというか、不思議な魅力があって聴き惚れてしまいます。またTEARS OF TRAGEDYよりもソフトな路線ということもあってか低音域で歌う場面が多く、Harukaの新しい一面を見たような気もしますね。ただ歌詞については⑨で飛び出す「ルンルン ハミング〜♪」を筆頭に歌詞に登場する人物の年齢層が10代〜20代前半のように思えるのでアラフォーの僕としては赤面ものの内容が多くHR/HMリスナーにとっても好みが分かれそうです。CROSS VEIN、LIGHT BRINGER、TEARS OF TRAGEDYといった国内屈指のメタルバンドに在籍していた(している)メンバーによるバンドとは思えないほど軽いサウンドですがハードポップも好んで聴く僕のようなリスナーにとっては間違いなく名盤ですね。KazuはLIGHT BRINGER脱退後にART OF GRADATION、SCRAMBLED SOUL CIRCUSと立て続けにバンドを立ち上げたものの、本作を最後に表舞台から姿を消してしまっているのが残念…。いつか復活してもらいたいですね。

【音源紹介】
WIND!!

【CD購入録】SYU「VORVADOS」(2019)

  • 2019/02/02(土) 00:00:00

【CD購入録】
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SYU「VORVADOS」(2019)

デビュー15周年を迎えたGALNERYUSのリーダーSyu(G)が完成させた通算3枚目となるソロアルバム。1st「CRYING STARS-STAND PROUD!-」(2010)は海外バンドのカバー集、2nd「YOU PLAY HARD」(2016)がインスト作品だったのに対して今回はFuki(FUKI COMMUNE、UNLUCKY MORPHEUS、DOLL$BOXX)、苑(摩天楼オペラ)、Haruka(TEARS OF TRAGEDY) 、Akane Liv(LIV MOON)、Dougen(THOUSAND EYES)、団長(NoGoD)、小野 正利(GALNERYUS)といった日本メタル界屈指のシンガー達がゲスト参加した歌ものアルバムに仕上がっています。基本的に各シンガーが1曲ずつ歌う中、2曲でボーカルを取っているFukiの②REASON、⑧AndroiDedication、Harukaの④「暁」、⑩「未完成の翼」が特に気に入っています。また団長が歌うダンサブルな⑤Euphoria、Akane LivとDougenによる美女と野獣コンビをフィーチュアした⑥Chaotic Reality、Syu自らがリードボーカルを担当した⑦CACOTOPIAなどはソロならではの楽曲と言えそうです。こうして各シンガーに合わせた楽曲を書きつつ、自身のボーカル曲も収録するという構成はMAGNUS KARLSSON'S FREE FALLを連想させますね。またアルバムの最初と最後にインストを配しているのも作品としての纏まりが感じられて好印象。Syuというギタリスト/ソングライターが日本の宝であることを再確認させてくれる1枚ですね。

【CD購入録】TEARS OF TRAGEDY「STATICE」(2016)

  • 2016/12/12(月) 00:00:00

【CD購入録】
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TEARS OF TRAGEDY「STATICE」(2016)


2013年にリリースされた2nd「CONTINUATION OF THE DREAM」が素晴らしい出来だったメロディックメタルバンドTEARS OF TRAGEDYの3作目を買いました。彼等の強みは日本のバンドならではの歌謡曲テイストに溢れた歌メロにあると思っているのですが、そんなTEARS OF TRAGEDYらしさはMVにもなった②Void Actでいきなり発揮されています(①Beyond The Chaosは序曲)。スピードチューンでも明るくなりきれない「陰りのあるメロディ」が好きなんですよね。前半はストレートに駆け抜けるタイプが多く、後半になると13分近くある⑨Curse Brideや過去2作品にはなかったピュアバラード⑩close yet far、⑫「雫」もあって楽しめますが、バラード1曲はアルバム序盤に配置しても良かったかなという気もします。バラードにおけるHaruka(Vo)の歌唱を聴いていて、ふと鬼束ちひろが頭に浮かびました。購入前の期待にしっかり応えてくれる1枚ですね。

【CD購入録】SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」(2015)

  • 2015/06/28(日) 00:00:00

【CD購入録】
Scrambled Colors
SCRAMBLED SOUL CIRCUS「SCRAMBLED COLORS」(2015)

Kazu(G/ART OF GRADATION、ex-LIGHT BRINGER)がシンガーにHaruka嬢(TEARS OF TRAGEDY)を迎えて立ち上げた新バンドSCRAMBLED SOUL CIRCUSのデビュー作を買いました。結成当初はART OF GRADATIONで優れたメロディセンスを発揮していたReanne(Key)も在籍していたようですが残念ながら本作には不参加です。Kazuは僕が最も注目しているソングライターのひとりなので期待値が高かったのですが、それにきっちり応えてくれる彼らしいメロディが満載です。初めて聴いた時は各メンバーがメタル出身とは思えないほど軽い音とアラフォーの僕にはこっぱずかしい歌詞(⑨「ハミング♪」ラストの「ルンルン ハミング」は衝撃的/笑)に戸惑いもありましたが、リピートするうちに気にならなくなりました。現時点でのお気に入りは力強くも仄かな哀愁が漂う⑤Hide Myselfですね。そしてHarukaの歌声は魅力的だと再確認しました。パワフルだとか、凄いハイトーンで圧倒するというわけではないのですが聴いていて心地いいんですよね。

【CD購入録】TEARS OF TRAGEDY「ELUSIVE MOMENT」(2011)

  • 2014/02/18(火) 00:00:00

【CD購入録】
ELUSIVE MOMENT
TEARS OF TRAGEDY「ELUSIVE MOMENT」(2011)

先日CD購入録の記事をアップした2nd「CONTINUATION OF THE DREAM」(2013)が気に入ったのでTEARS OF TRAGEDYのデビュー作を買いました。本作の時点で正式メンバーとしてクレジットされているのはリーダーのTORU(G)、HAYATO(Key)、HARUKA嬢(Vo)の3人のみでベースはTORUが兼任、ドラムにはサポートミュージシャンを迎えているようです。バンドの音楽性はこの当時から既に確立されているようで煌びやかなメロディが随所で聴ける国産メロパワの好盤に仕上がっています。ただしセカンドアルバムの後に本作を聴くとメロディのフック、サウンドプロダクション、英語詞の発音も含めたボーカルパフォーマンスなど様々な面で物足りなさを感じますね。裏を返すとバンドは次作でウイークポイントを改善していたということになるので、その成長振りは頼もしい限りです。2枚目との比較を抜きにして聴けば、デビュー作としては上々の出来だと思います。

【CD購入録】TEARS OF TRAGEDY「CONTINUATION OF THE DREAM」(2013)

  • 2014/02/14(金) 00:00:00

【CD購入録】
CONTINUATION OF THE DREAM
TEARS OF TRAGEDY「CONTINUATION OF THE DREAM」(2013)

2013年にKOUTA(G/LIGHTNING)が立ち上げたメロデスバンドTHOUSAND EYESにも在籍するTORU(G)率いる国産メロディックメタルバンドTEARS OF TRAGEDYの2作目を買いました。ボーカルのHARUKA嬢はハイトーンで魅了するでも、男勝りのパフォーマンスで圧倒するでもないタイプで第一印象は地味でしたが淡々と歌い上げる彼女の歌唱スタイルには不思議な魅力がありますね。イントロ①Continuation Of The Dreamに導かれてスピードチューン②Euclaseに繋がるお約束の流れで掴みはOKです。国内外を問わず若手メロパワバンドの作品では序曲とそれに続く事実上の1曲目はカッコいいのに後は尻すぼみ…というパターンも少なくないのですが本作はさにあらず。疾走曲では④Rebirth、⑧Falling Starが更なるハイライトになっているし9分台の長編⑨Prison Of AbyssではHARUKA嬢に加えてDOUGEN(Vo/AFTERZERO、THOUSAND EYES)による迫力満点のグロウル、明日香なるシンガーのソプラノパートとHAYATO(Key)のバリトンボイス(予想外に上手い)までも入り乱れてドラマティックな世界を描き切っています。強力なナンバーが揃うアルバムの中でも一番のお気に入りはJ-POP的なメロディが秀逸な⑤It Like Snow…ですね(初めてこの曲を聴いた時ふと陰陽座「甲賀忍法帖」を思い出しました)。美メロに溢れたメロパワの好盤であるだけてなくアコギをバックにHARUKAが低音メインで歌う⑪「星の砂」を聴いていると、まだポテンシャルを秘めているように感じられるのも頼もしい。これからが楽しみなバンドです。